JP3047017B2 - 画像処理方法 - Google Patents

画像処理方法

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JP3047017B2
JP3047017B2 JP3191478A JP19147891A JP3047017B2 JP 3047017 B2 JP3047017 B2 JP 3047017B2 JP 3191478 A JP3191478 A JP 3191478A JP 19147891 A JP19147891 A JP 19147891A JP 3047017 B2 JP3047017 B2 JP 3047017B2
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文明 富田
隆 吉見
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対象物の3次元形状情
報を演算して立体表示を行う画像処理方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】3次元立体の対象物に対してより現実に
近い質感を与えるような画像表示を行う場合、例えば特
開平2−29878号公報に示されているような画像処
理が行われる。これは、例えば撮像面が実質的に同一面
で光軸が互いに平行な2台のカメラにより同一の対象物
を撮像し、各テクスチャ領域を構成する画素についてそ
れぞれ対応付けを行い、その結果から視差を求めること
により対象物までの距離を求め、これを立体的な画像に
再現するようにしたものである。
【0003】また、従来では光源を利用して対象物の形
状を決定する際、対象となる面の反射率の性質と光源の
特性とから面の法線方向を求めている。これは、結果と
して面の法線方向のデータしか求まらないので、あらか
じめ面の凹凸などの情報を与えておく必要がある。この
方法は、陰影からの形状決定(shape from shading)と呼
ばれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の画像処理方法にあっては、形状決定に利用する
光源を限定する必要があり、また対象となる面の反射率
を求めなければならず、処理が複雑になると共に、結果
として面の法線方向のデータしか求まらないので実距離
を計測することができないという問題点があった。
【0005】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、光源が限定されることなく、簡単な処
理でハードウエア化にも適し、また精度の高い処理が可
能な画像処理方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理方法
は、シェーディングにより対象物の左右のステレオ画像
からそれぞれ等輝度線を抽出し、その等輝度線のステレ
オ対応データを求めて対象物の各点の視差を抽出し、そ
れらの視差データから対象物の各点の距離を計測して該
対象の3次元形状情報を演算するようにしたものであ
る。
【0007】また、前記対象物の距離の計測を複数方向
からの光源を利用して行うようにし、さらに前記対象物
の3次元形状情報を演算する際に遮蔽輪郭、遮蔽領域の
検出を行うようにしたものである。
【0008】
【作用】本発明の画像処理方法においては、対象物の左
右のステレオ画像からシェーディングによる等輝度線が
抽出され、その等輝度線のステレオ対応データが求めら
れる。そして、その対応データから対象物の各点の視差
が抽出され、それらの視差データから対象物の各点の距
離が計測される。これにより、対象物の3次元形状情報
が求められる。
【0009】その際、上記対象物の距離の計測は、例え
ば、複数方向からの光源を利用して行われる。また、対
象物の3次元形状情報の演算の際に遮蔽輪郭、遮蔽領域
が検出され、偽の面が生成されるのが防止される。
【0010】
【実施例】図1は本発明に係る画像処理を実施するため
の装置構成を示すブロック図であり、また図2はそのカ
メラ構成を模式的に示したものである。この装置は、マ
イクロコンピュータ1により制御される二つのITVカ
メラユニット2,3を有しており、さらにに画像データ
を記憶する画像メモリ4、ディスプレイユニット5、プ
リンタ6、フロッピーディスク7及びキーボードターミ
ナル8が備えられている。また、データバス9を介して
ホストコンピュータも接続されており、ここから与えら
れた指示あるいはキーボードターミナル8から与えられ
た支持により上述の各部が制御され、対応する処理が行
われるようになっている。
【0011】上記二つのITVカメラユニット2,3
は、それぞれアナログ撮像データを出力するITVカメ
ラ21,31と、そのアナログデータをデジタルデータ
に変換するA/Dコンバータ22,32とから構成され
ている。また2台のITVカメラ21と31は、図2に
示すように左右に水平に配置され、各々の光軸21aと
31aは平行であり、かつ座標系も平行である。そし
て、各ITVカメラ21,31の投影中心点OL ,OR
に対して3次元上の点Pの投影像の点PL ,PR の各々
のX座標地とY座標には次式の関係がある。
【0012】XL >XRL =YR すなわち、一方の画像上のある点に対するもう一方の画
像上の対応点は、同じ走査(ラスタスキャン)線の半直
線上に存在することになり、いわゆるエピポーラ条件が
成立している。
【0013】また、画像メモリ4は読み書き自在であ
り、左(L)側のITVカメラ21で撮像した左画像お
よび右(R)側のITVカメラ31で撮像した右画像の
原画像データや、種々の処理データを記憶するようにな
っている。ディスプレイユニット5及びプリンタ6は、
コンピュータ1の処理結果等を出力し、その処理結果等
をフロッピーディスク7に登録するように構成されてい
る。
【0014】次に上記構成の装置による本発明の画像処
理、すなわち距離計測による立体処理の動作について説
明する。この立体処理は、コンピュータ1により行われ
るものであり、先ずシェーディングにより対象物の左右
のステレオ画像から等輝度線を抽出し、次にその等輝度
線のステレオ対応データを求めて対象物の各点の視差を
抽出し、それらの視差データから対象物の各点の距離を
計測して該対象物の3次元形状情報を演算するようにし
たものである。以下、図3のフローチャートを参照しな
がら上記処理の詳細を手順を追って説明する。
【0015】(1)ステップS1で立体処理が開始され
ると、コンピュータ1は先ず画像メモリ4及びこの処理
で用いるレジスタ(図示せず)をステップS2にて初期
化する。そして、ステップS3でITVカメラユニット
2,3により量子化された左右の原画像データを画像メ
モリ4に書き込み、左右の画像入力を行う。
【0016】(2)上記2台のITVカメラ21,31
(2台のカメラの光学的特性が若干異なる)により左右
それぞれ入力された画像に対し、ステップS4でグレー
スケールのテストパターンを用いて同じ明るさに対して
等しい輝度値となるように画像の各点の輝度値を調整
し、入力画像の調整を行う。これにより、図4に示すよ
うなシェーディングによる対象物の左右のステレオ画像
が得られる。
【0017】(3)次に、ステップS5で輝度しきい値
を一定間隔毎に変化させながら設定し、ステップS6で
2値化する。これにより得られる画像は、図5に示すよ
うな輝度切断面を表す画像となる。
【0018】(4)上記輝度切断面の各領域は、境界線
付近にノイズを含んでいるため、ステップS7で平滑化
処理を行い、ノイズを除去する。この平滑化処理では、
収縮膨張処理が複数回行われ、結果として図6に示すよ
うな画像が得られる。
【0019】(5)各領域の境界を追跡しながら、該領
域のラベル付けを行う。その際、注目画素の近傍画素を
探索し、それらの画素データから境界線の傾きと座標を
調べる。このようにして、ステップS8で等輝度線(領
域の境界線)を抽出し、図7に示すような等輝度線の画
像を得る。ここで、他の輝度しきい値による切断面との
間には、図8に示すような包含関係がある。図8は輝度
値t1,t2,t3のしきい値による包含関係を領域の
ラベル番号を用いた木構造のリストで示したものであ
る。
【0020】(6)次に、ステップS9で等輝度線の対
応付けを行う。これは、等輝度線のステレオ対応データ
を求めるもので、ここでは先ず、領域間でその領域内に
上述のエピポーラ条件を満足する点が存在するか否かを
判定する。この判定には、簡略化のために領域の外接長
方形の頂点座標が使用される。またこの対応は、上記
(5)の処理で得られた包含関係の情報からも取ること
ができる。そして、このようにして、領域間の対応を取
ると、次にその境界線(等輝度線)の対応点を図9に示
すようにエピポーラ条件や(5)の処理で得られた等輝
度線の傾きから求める。
【0021】(7)ステップS10にて、上記の対応の
取れた各点の視差(主走査方向のずれ)をそれぞれの座
標値から演算し、視差の抽出を行う。これは、等輝度線
のステレオ対応データから対象物の各点の視差を抽出す
るものである。
【0022】(8)輝度しきい値を変化させながら全濃
度範囲にわたって上記(3)〜(7)の処理を繰り返
す。すなわち、ステップS11で全ての視差の抽出が完
了するまでステップS5〜ステップS10の動作を繰り
返す。 (9)そしてステップS12で、上記等輝度線上に求ま
った視差から線の間の部分を補間する。
【0023】(10)次にステップS13で、上述の抽
出された視差データから対象物の各点の距離の計測、つ
まり各画素の距離の演算を行う。その際、図2に示すよ
うに同一の対象物上の点Pを左右のITVカメラ21,
31で撮像し、その画像について上述の処理を行った結
果、左画像の画素PL と右画像の画素PR とが対応して
いるとすると、点Pは、左側のITVカメラ21の焦点
L とその投影面の画素の点PL とを結ぶ直線と、右側
のITVカメラ31の焦点OR とその投影面の画素の点
R とを結ぶ直線との交点に存在することになる。した
がって、ITVカメラ21と31の光軸間距離を2a、
各ITVカメラ21,31の焦点距離をf,また点PL
とPR の視差をDとすると、対象物上の点Pまでの距離
Zは次式より求まる。 Z=2af/D (11)上記の距離データから対象物の3次元形状情報
が演算されると、ステップS14にてその対象物の立体
表示を行う。この時、図10に示すような表示画像が得
られる。
【0024】以上、対象物の撮像から立体表示までの処
理について説明したが、ここで実際の対象物には多少の
正反対成分が含まれていると考えられる。そこで、この
点を改善するために、図11に示すように対象物の距離
の計測を複数方向からの光源を利用して行うことが有効
となる。以下、図12のフローチャートによりその処理
動作を手順を追って説明する。
【0025】(12)先ず、ステップS15aで図11
の(a)に示すように左側の第1光源11から対象物を
照明し、図13に示すような第1方向のステレオ画像を
得る。そして、ステップS16aで前述と同様の処理を
行い、対象物までの距離データを演算する。
【0026】(13)次に、ステップS15bで図11
の(b)に示すように右側の第2光源12から対象物を
照明し、図14に示すような第2方向のステレオ画像を
得る。そして、ステップS16bで同様に対象物までの
距離データを演算する。
【0027】(14)上記のようにして得られた各点P
(ij)の距離データをステップS17で次式の条件に
より統合する。即ち、もし|I1(i,j)−Tmax/2
|<|I2(i,j)−Tmax/2|であれば、D(i,
j)=D1(i,j) あるいは、D(i,j)=D2(i,j) とする。ここで、 D1:対応点の距離(第1光源) I1:対応点の輝度値(第1光源) D2:対応点の距離(第2光源) I2:対応点の輝度値(第2光源) Tmax:最大輝度値 である。
【0028】これは、画像の非常に明るい部分は正反射
成分の影響が多くあると考えられ、また画像の非常に暗
い部分は等輝度線が得られないことを考慮したものであ
り、距離データの統合は画像の各点の明るさを比較し
て、輝度のダイナミックレンジの中間値に近い方から得
られた距離を最終値としている。そして、ステップS1
8でその距離データに基づいて対象物の立体表示を行
う。この時、図15に示すような表示画像が得られる。
【0029】このように、シェーディングから得られる
等輝度線のステレオ対応を求め、その結果から視差を抽
出して対象物の3次元形状情報を非接触により演算する
ようにしている。そして、複数方向からの光源を利用す
ることにより、さらに高精度となり、実距離も容易に計
測することができる。また、各切断面毎に処理を独立に
行うこともでき、並列処理にも適し、個々の処理は簡単
でハードウエア化にも適している。
【0030】ここで、上述の3次元形状情報を演算する
際、遮蔽輪郭あるいは遮蔽領域を検出するようにしても
良い。すなわち、ステレオ画像ではオクルージョン(遮
蔽)のために一方のカメラでは見えても他方のカメラで
は見えない部分で出てくる。そして、このような部分を
オクルージョンとして検出できないと、為の面を生成す
る原因となってしまう。そこで、上述の等輝度線を利用
してオクルージョンを検出する。
【0031】図16はオクルージョンの発生例を示すも
ので、図16の(a)のように一方の画像の同一エピポ
ーラ線上で等輝度線の部分は2点になるが、他方の画像
では1点になる。すなわち、A点における視差がD点に
おける視差より小さい時、図16の(b)のように左画
像の少なくともAL ,BL ,CL ,DL の点で囲まれた
領域は右画像では見えないオクルージョン領域となる。
【0032】また、円柱などで生じる遮蔽輪郭部による
オクルージョンの検出は、図17に示すように対応する
部分が存在しない部分を検出すればよい。図17では、
Aが対応している部分、Bの領域がオクルージョン部分
を示している。
【0033】図18はこのようなオクルージョンのある
対象物のステレオ画像の一例を示し、図19はその等輝
度線の画像を示している。また、この対象物に対し、左
画像についてオクルージョンの検出を行った結果得られ
る表示画像を図20に示す。
【0034】このように、輝度情報や等輝度線の傾きな
どの情報により、左右の対応付けによる距離計測と同時
にオクルージョンの検出もでき、偽の面を生成するのを
防止することができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、対象物
の左右のステレオ画像からシェーディングによる等輝度
線を抽出し、その等輝度線のステレオ対応データを求め
て対象物の各点の視差を抽出し、それらの視差データか
ら距離計測を行って対象物の3次元形状情報を演算する
ようにしたため、光源が限定されることなく、また実距
離を容易に計測することができ、しかも簡単な処理でハ
ードウエア化にも適し、精度の高い処理ができるという
効果がある。
【0036】また、複数方向からの光源を利用すること
で正反射成分の影響を防ぐことができ、さらに遮蔽輪
部、遮蔽領域を検出することで偽の面を生成するのを防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理を実施するための装置
構成を示すブロック図
【図2】 図1のITVカメラの構成を示す模式図
【図3】 図1のコンピュータによる処理動作を示すフ
ローチャート
【図4】 図3の処理で得られるステレオ画像の表示例
を示す説明図
【図5】 図3の処理で得られる輝度切断面の表示例を
示す説明図
【図6】 図5の画像を平滑化した例を示す説明図
【図7】 図3の処理で等輝度線を抽出した画像例を示
す説明図
【図8】 図7のラベル画像でしきい値による切断面の
包含関係を示す説明図
【図9】 図3の処理で等輝度線の対応点を求める様子
を示す説明図
【図10】 図3の処理による立体表示画像の一例を示
す説明図
【図11】 図1の装置で複数方向からの光源を利用す
る例を示す構成図
【図12】 図11の構成の装置の処理動作を示すフロ
ーチャート
【図13】 図12の処理で得られるステレオ画像の表
示例を示す説明図
【図14】 図12の処理で得られるステレオ画像の表
示例を示す説明図
【図15】 図12の処理による立体表示画像の一例を
示す説明図
【図16】 遮蔽領域の検出の様子を示す説明図
【図17】 遮蔽輪郭の検出の様子を示す説明図
【図18】 オクルージョンのあるステレオ画像例を示
す説明図
【図19】 図18の画像に対して等輝度線を抽出した
画像例を示す説明図
【図20】 図18の画像に対してオクルージョンの検
出を行った結果を示す説明図
【符号の説明】
1 コンピュータ 2 ITVカメラユニット 3 ITVカメラユニット 4 画像メモリ 5 ディスプレイユニット 6 プリンタ 7 プロッピーディスク 8 キーボードターミナル 21,31 ITVカメラ 22,32 A/Dコンバータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石山 豊 東京都港区高輪3−2−1 審査官 柴田 和雄 (56)参考文献 特開 昭64−62777(JP,A) 特開 平3−148776(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェーディングにより対象物の左右のス
    テレオ画像からそれぞれ等輝度線を抽出し、その等輝度
    線のステレオ対応データを求めて対象物の各点の視差を
    抽出し、それらの視差データから対象物の各点の距離を
    計測して該対象の3次元形状情報を演算することを特
    徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】 前記対象物の距離の計測を複数方向から
    の光源を利用して行うことを特徴とする請求項1記載の
    画像処理方法。
  3. 【請求項3】 前記対象物の3次元形状情報を演算する
    際に遮蔽輪郭の検出を行うことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】 前記対象物の3次元形状情報を演算する
    際に遮蔽領域の検出を行うことを特徴とする請求項1な
    いし3いずれか記載の画像処理方法。
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JP4568877B2 (ja) * 2004-11-01 2010-10-27 独立行政法人産業技術総合研究所 画像処理方法、装置及びプログラム
GB2458927B (en) * 2008-04-02 2012-11-14 Eykona Technologies Ltd 3D Imaging system
JP5907405B2 (ja) * 2011-11-24 2016-04-26 株式会社リコー 画像解析装置及びこれを用いた物体検出装置

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