JP3236362B2 - 皮膚表面に関する画像からの3次元形状の復元に基づく皮膚表面形状の特徴抽出装置 - Google Patents

皮膚表面に関する画像からの3次元形状の復元に基づく皮膚表面形状の特徴抽出装置

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JP3236362B2 JP27783892A JP27783892A JP3236362B2 JP 3236362 B2 JP3236362 B2 JP 3236362B2 JP 27783892 A JP27783892 A JP 27783892A JP 27783892 A JP27783892 A JP 27783892A JP 3236362 B2 JP3236362 B2 JP 3236362B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚表面の微細な形状
を抽出して、皮膚の性状、肌質、それらの加齢による変
化を判定するための指標となる特徴情報を抽出する装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚表面には、皮溝と呼ばれる多数の細
い溝、皮溝によって区画分けされる皮丘と呼ばれる小
丘、皮溝の交差部分に存在する毛孔などが存在し、それ
らは皮膚の代謝等の生理的な影響を受けて変化する。
【0003】従って、皮膚表面形状からの特徴抽出は、
皮膚の性状、肌質、それらの加齢による変化を判定する
ための指標となり、その指標は、皮膚の治療、診断、美
容衛生などの分野において有用な情報を提供する。
【0004】皮膚表面形状の特徴抽出の第1の従来例と
して、皮膚表面をシリコンラバーなどによって型取りし
て皮膚表面レプリカ(ネガティブレプリカ)を作成し、
それを人間が光学顕微鏡で観察する方法がある。
【0005】皮膚表面形状の特徴抽出の第2の従来例と
して、皮膚表面レプリカを表面粗さ計を用いて触針によ
り走査し、その結果得られた起伏値信号から起伏のピー
クの高さや数、ピーク面積などを求めて、皮膚表面レプ
リカ面の凹凸の程度を判定する方法がある。
【0006】皮膚表面形状の特徴抽出の第3の従来例と
して次のような方法がある。即ち、まず、皮膚表面又は
皮膚表面レプリカ面を複数方向例えば3方向から照明す
る。次に、各照明毎に面を光学顕微鏡を介してテレビカ
メラで撮像し、その撮像信号をディジタル画像データに
変換することによって、各照明画像についてその画像を
構成する各画素毎の明度値を求める。そして、そのよう
にして得られた明度データに対して、ディジタル画像処
理を施すことにより、幾何学的な特徴パラメータを抽出
し、それを皮膚表面形状の特徴情報とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した第1
の従来例では、皮膚表面形状の特徴の評価が目視の所見
による主観的な評価であるため、評価が定量性に欠け、
評価に熟練を要するという問題点を有している。
【0008】また、前述した第2の従来例では、観察す
ることのできる領域が局所にかたよってしまい面の全体
の特徴を抽出するには必ずしも十分でなく、更に、特別
な計測装置も必要になってしまうという問題点を有して
いる。
【0009】更に、前述した第3の従来例では、面の全
体的な特徴を定量的な特徴パラメータとして抽出するこ
とができるが、その特徴パラメータは明度値の分布のみ
に基づいて抽出されるため、例えば皮溝の深さに関する
情報は明度分布から間接的に推定するしかない。
【0010】従って、皮溝の幅や方向性と皮溝の深さと
の関係、又は皮溝の交点が本当に毛孔に対応しているか
否かなどの判定結果を詳細に求めることは難しく、皮膚
表面形状の特徴を必ずしも正確に抽出できないという問
題点を有している。
【0011】本発明は、皮膚表面の3次元の形状を復元
することを可能にし、それによってより正確な皮膚表面
形状の特徴を抽出可能とすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、まず、皮膚表
面又は皮膚表面レプリカなどの皮膚表面形状を照明する
照明手段を有する。
【0013】次に、皮膚表面又は皮膚表面レプリカなど
の皮膚表面形状を撮像し、その皮膚表面形状の各平面位
置に対応する各画素位置の明度値を表すディジタル画像
データを出力する拡大光学系、CCDカメラ、及びA/
D変換器などから構成される撮像手段を有する。
【0014】次に、照明手段による複数の光源方向から
の照明に対応して撮像手段からそれぞれ得られる複数枚
のディジタル画像データを記憶するRAM又はディスク
記憶装置などの画像データ記憶手段を有する。
【0015】更に、複数の光源の各照射方向を示す単位
ベクトルである各光源方向ベクトルと複数枚のディジタ
ル画像データから得られる各明度値に基づいて、各明度
値が各光源方向ベクトルと各画素位置における微小領域
の表面に直交する単位ベクトルである表面法線ベクトル
の内積に各画素位置における比例係数を乗じて得られる
という方程式を解いて各画素位置における表面法線ベク
トルを算出することにより、表面法線ベクトルの方向に
対応する各画素位置における皮膚表面形状の勾配(グラ
ディエント)を抽出する、例えば所定の制御プログラム
により動作するマイクロプロセッサなどで構成される勾
配抽出手段を有する。この勾配抽出手段は、例えば、各
画素位置毎に、複数の光源の各光源方向ベクトルと複数
枚のディジタル画像データから得られる現在の画素位置
に対応する各明度値に基づき上記方程式を解いて各画素
位置における表面法線ベクトルを算出することにより、
表面法線ベクトルの方向に対応する各画素位置における
皮膚表面形状の勾配を推定し、その後、隣接する画素位
置間で推定された勾配が最も滑らかになるという条件
と、皮膚表面形状を実際に撮像して得られる複数の光源
方向に対応する複数の明度値と推定された勾配に基づい
て計算される複数の光源方向に対応する複数の反射強度
との各画素位置毎の誤差が最小となるという条件の下
で、各画素位置毎に推定された勾配を修正し、その結果
得られる勾配を出力する。
【0016】そして、勾配抽出手段により抽出された各
画素位置毎における皮膚表面形状の勾配がその勾配を各
画素位置間で積分して得られる皮膚表面の3次元形状に
対応していることを利用して、各画素位置毎における皮
膚表面形状の勾配を判定又は集計することにより、皮膚
表面形状に関する特徴情報を抽出する上記マイクロプロ
セッサなどで構成される特徴情報抽出手段を有する。
【0017】特徴情報抽出手段は、より具体的には、勾
配抽出手段により抽出された各画素位置毎における皮膚
表面形状の勾配に基づいて、皮膚表面形状の1つである
皮溝の形状に関する特徴情報と、皮膚表面形状の1つで
ある皮溝の交点領域の形状に関する特徴情報のうち、少
なくとも1つ以上を抽出する。
【0018】皮溝の形状に関する特徴情報とは、皮溝の
形状の領域に関する特徴情報、皮溝の形状の面積に関す
る特徴情報、皮溝の形状の方向に関する特徴情報、皮溝
の形状の深さに関する特徴情報、皮溝の形状の幅に関す
る特徴情報、皮溝の形状の長さに関する特徴情報、又は
皮溝の形状の数に関する特徴情報などである。
【0019】皮溝の交点領域の形状に関する特徴情報と
は、皮溝の交点領域の形状の領域に関する特徴情報、皮
溝の交点領域の形状における毛孔の存在する割合に関す
る特徴情報、皮溝の交点領域の形状における毛孔の深さ
に関する特徴情報、皮溝の交点領域の形状における毛孔
の大きさに関する特徴情報などである。
【0020】そして、特徴情報抽出手段は、勾配抽出手
段により抽出された各画素位置毎における皮膚表面形状
の勾配、その勾配の強度、その勾配の方向、又はその勾
配の変化の程度の少なくとも1つ以上の情報に基づい
て、特徴情報を抽出する。
【0021】
【作用】皮膚表面形状の3次元形状を各画素位置での勾
配を介して抽出できるため、皮溝の形状の領域、面積、
方向、深さ、幅、長さ、又は数に関する特徴情報、或い
は、皮溝の交点領域の形状の領域、そこでの毛孔の存在
する割合、毛孔の深さ、又は大きさに関する特徴情報な
どを詳細に評価することができる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
つき詳細に説明する。 <皮膚表面形状の特徴抽出装置の構成>図1は、本発明
による皮膚表面形状の特徴抽出装置の構成図である。
【0023】まず、レプリカ面1は、皮膚表面をシリコ
ンラバーなどによって型取りして皮膚表面レプリカ(ネ
ガティブレプリカ)の表面部分である。第1光源2A、
第2光源2B、及び第3光源2Cは、レプリカ面1を選
択的に照明し、仰角は例えば30度、照明方位は例えば
相互に120度ずつずらされている。
【0024】スイッチ6は、バス7を介してCPU8に
よって制御され、第1光源2A、第2光源2B、及び第
3光源2Cを順次選択的に点灯させる。拡大光学系3
は、低倍率顕微鏡又は接写レンズによって構成され、所
定の倍率のレプリカ面画像が得られるように構成され
る。
【0025】撮像装置4は、例えばCCD撮像素子であ
り、拡大光学系3を介して得られたレプリカ面画像を走
査し、各画素位置の明度に従って振幅が変化するアナロ
グ電気信号を発生する。
【0026】A/D変換器5は、撮像装置4から発生さ
れたアナログ電気信号をディジタル画像データに変換す
る。メモリ9は、主記憶装置である半導体メモリを含
み、画像データの記憶量に応じて補助記憶装置であるハ
ードディスク装置又は光磁気ディスク装置などを含むよ
うに構成することもできる。
【0027】CPU8は、ROM9に記憶された制御プ
ログラムに従って装置全体を制御する例えばマイクロプ
ロセッサであり、まず、バス7を介してスイッチ6を制
御することによって、レプリカ面1を第1光源2A、第
2光源2B、及び第3光源2Cによって順次照明させ、
各照明動作に対応してA/D変換器5から得られる3枚
のディジタル画像データを、バス7を介してメモリ9に
順次取り込む。
【0028】次に、CPU8は、メモリ9に取り込んだ
3枚のディジタル画像データの各画素の明度値から、レ
プリカ面画像の各画素位置におけるレプリカ面1のグラ
ディエント(勾配)を計算し、その計算結果をメモリ9
に格納する。
【0029】続いて、CPU8は、メモリ9に得られた
上述のグラディエントに基づいて、皮膚表面の3次元形
状に関する種々の特徴パラメータを抽出し、その特徴パ
ラメータをメモリ9に記憶すると共に、プリンタ12又
はCRTディスプレイ12などに出力する。
【0030】また、ユーザは、キーボード10からCP
U8に対して各種指示を行うことができる。 <3次元形状復元の原理>本発明では、レプリカ面1の
各位置でのグラディエント(勾配)を得ることにより、
レプリカ面1の各位置における深さ情報を得ること、即
ち、レプリカ面1の3次元形状を復元することを可能と
している。
【0031】そこで、上述の構成を有する皮膚表面形状
の特徴抽出装置の具体的動作について説明する前に、3
次元形状復元の原理について説明する。撮像方向の決定 今、レプリカ面1に関して、図2に示されるように3次
元のxyz座標を定義し、レプリカ面1上の任意の微小
領域において、当該微小領域に垂直な方向を有する単位
ベクトルを表面法線ベクトル(下線は、それが付され
た記号がベクトル量であることを示す。以下同じ。)、
当該微小領域から1つの光源に向かう方向を有する単位
ベクトルを光源方向ベクトルs 、当該微小領域からそ
れを撮像するカメラの焦点に向かう方向を有する単位ベ
クトルを撮像方向ベクトル0 とする。また光源方向ベ
クトルs と表面法線ベクトルのなす角を入射角i、
撮像方向ベクトル0 と表面法線ベクトルのなす角を
反射角e、撮像方向ベクトル0 と光源方向ベクトル
s のなす角を位相角gとする。
【0032】なお、本実施例ではレプリカ面1はネガテ
ィブレプリカ面であるため、例えば皮溝は図面の上方向
に盛り上がる形状として表され、皮溝の深さ方向は−z
方向となる。
【0033】今、レプリカ面1が理想的な乱反射面(ラ
ンバート面と呼ばれる)であると仮定する。皮膚表面レ
プリカは、皮膚表面をシリコンラバーによって型取りし
たものであるため、レプリカ面1はランバート面として
の特性を十分に備えていると仮定できる。
【0034】この場合、レプリカ面1上の任意の微小領
域における光の反射強度は、光源からの入射光(一様
光)の入射角iの余弦 cosiにのみ比例する。即ち、ラ
ンバート面と仮定できるレプリカ面1上の任意の微小領
域は、当該微小領域がどの反射角eで撮像されても同じ
明るさに撮像される。これは、レプリカ面1で単位面積
あたりに反射される光量は、反射角eの余弦値に比例し
て減少するが、ある任意の立体角内で撮像される当該微
小領域の表面積は反射角eの余弦値に反比例して増加す
るため、結果的に、撮像される当該微小領域の明るさは
撮像方向を示す反射角eによらず一定となるからであ
る。
【0035】従って、ランバート面と仮定できるレプリ
カ面1の各点を撮像する場合には、各点に対する反射角
eは考慮する必要はなく、図1の拡大光学系3の光軸
は、例えばレプリカ面1が置かれている面に対しほぼ直
交する方向に定めればよい。グラディエントと表面法線ベクトルとの関係 レプリカ面1の3次元形状を復元するためには、レプリ
カ面1を撮像して得たレプリカ面画像の各画素位置での
レプリカ面1のグラディエント(勾配)を求めることが
できればよい。各画素位置におけるグラディエントを求
めることができれば、それらを一定の方向に積分するこ
とによって、レプリカ面1の3次元形状を復元できるか
らである。
【0036】今、図2で定義されるxyz座標中のレプ
リカ面1を次式で表す。
【0037】
【数1】
【0038】この数式で表わされるレプリカ面1のグラ
ディエントは、各要素が次式で示されるベクトル(p,
q)によって表すことができる。
【0039】
【数2】
【0040】ここで、図2に示されるxyz座標中のレ
プリカ面1上の任意の微小領域は、次式で示される平面
で近似することができる。
【0041】
【数3】
【0042】数式2と数式3から、当該微小領域におけ
るグラディエントの要素p,qは、次式で表すことがで
きる。
【0043】
【数4】
【0044】従って、数式3と数式4より、当該微小領
域の平面は次式で表わされる。
【0045】
【数5】
【0046】今、所定の点(0,0,K) は、数式5の方程式
を満足するため、この点は当該微小領域の平面上の点で
ある。そして、この点から当該微小領域の平面上の任意
の点(x,y,z) へのベクトル(x,y,z-k) は、当該微小領域
の表面法線ベクトルと直交するため、これらのベクト
ルの内積は0である。
【0047】ここで、図2では、表面法線ベクトル
−z方向に向かうベクトルであるため、次式で表すこと
ができる。
【0048】
【数6】
【0049】但し、n3 >0である。数式6で示される
表面法線ベクトルと微小領域上のベクトル(x,y,z-k)
の内積が0であることより、次式が成立する。
【0050】
【数7】
【0051】数式5と数式7より、次式が成立する。
【0052】
【数8】
【0053】従って、数式8の関係より、レプリカ面1
上の各微小領域での表面法線ベクトル=(n1
2 ,−n3 )を求めることができれば、当該微小領域
でのグラディエント(p,q)を求めることができる。
【0054】ここで、レプリカ面1上の各微小領域をレ
プリカ面画像の各画素位置(x,y) に対応させ、その位置
でのグラディエントを(p(x,y) ,q(x,y) )とし、ま
た、数式6より、表面法線ベクトルを次式で表す。
【0055】
【数9】
【0056】但し、表面法線ベクトルは単位ベクトル
であるから、次式が成立する。
【0057】
【数10】
【0058】数式8、数式9、及び数式10より、次式
が成立する。
【0059】
【数11】
【0060】従って、数式11の関係より、レプリカ面
画像の各画素位置(x,y) での表面法線ベクトルn(x,y)
を求めることができるならば、その位置でのグラディエ
ント(p(x,y) ,q(x,y) )を求めることができる。そ
して、各画素位置におけるグラディエントを一定の画素
方向に積分すれば、各画素位置毎にz座標の値を推定す
ることができ、レプリカ面1の3次元形状を復元でき
る。各画素位置での表面法線ベクトルの推定 前述のように、レプリカ面1をランバート面と仮定する
と、レプリカ面1上の任意の微小領域における光の反射
強度は、光源からの入射光(一様光)の入射角iの余弦
cosiにのみ比例する。レプリカ面画像上でも同じ関係
が成立し、各画素(x,y) における光の反射強度R(x,y)
は、光源からの入射光の入射角i(x,y)の余弦 cosi(x,
y) にのみ比例し、従って、次式が成立する。
【0061】
【数12】
【0062】但し、r0 (x,y) は、画素位置(x,y) に対
応するレプリカ面1における反射率である。今、1つの
光源方向ベクトルs (画素位置(x,y) には依存しな
い)が決定されれば、図2に示される関係より、次式が
成立する。
【0063】
【数13】
【0064】従って、数式12と数式13より、次式が
成立する。
【0065】
【数14】
【0066】ここで、レプリカ面1を実際に撮像して得
られる各画素位置(x,y) での明度値をI(x,y) とすれ
ば、次の方程式が成立する。
【0067】
【数15】
【0068】但し、c(x,y) は、画素位置(x,y) での正
規化定数である。よって、数式14と数式15より、次
の方程式が成立する。
【0069】
【数16】
【0070】
【数17】
【0071】数式16において、α(x,y) と表面法線ベ
クトルn(x,y) が未知数であり、数式9と数式10よ
り、n(x,y) は2つの未知数n1 (x,y) とn2 (x,y) を
含む。従って、数式16は3つの未知数を含み、これら
の未知数を決定するためには、3個の方程式が必要であ
る。
【0072】そこで、図1に示されるように、3つの方
向に配置された第1光源2A、第2光源2B、及び第3
光源2Cでレプリカ面1を別々に照明し、各光源からの
照明に対応してレプリカ面1を実際に撮像して得られる
各画素位置(x,y) での3つの明度値と、上記3つの光源
の光源方向ベクトルとについて、数式16の方程式を解
くことによって、係数α(x,y) 及び表面法線ベクトル
(x,y) を決定することができる。
【0073】まず、3つの光源方向ベクトルs1
s2 、及びs3 は、それぞれ−z方向に向かう単位ベク
トルであるため、数式6、数式10と同様の考えによ
り、次式の行列Nで表すことができる。
【0074】
【数18】
【0075】また、各画素位置(x,y) における3つの明
度値I1 (x,y) 、I2 (x,y) 、及びI3 (x,y) を次式の
転置ベクトルI(x,y) で表す。
【0076】
【数19】
【0077】但し、数式19の右辺の括弧の右肩のT
は、転置を示す。数式16、数式18、及び数式19よ
り、次式が成立する。
【0078】
【数20】
【0079】3つの光源方向ベクトルs1 s2 、及び
s3 が同一平面上になければ、数式18で示される行列
Nの逆行列N-1が存在する。そこで、まず、表面法線ベ
クトルn(x,y) が単位ベクトルであることと、数式18
及び数式19を用いて、係数α(x,y) を、次式により求
めることができる。
【0080】
【数21】
【0081】更に、数式21で求まった係数α(x,y) 、
数式9、数式10、数式18、及び数式19を用いて、
表面法線ベクトルn(x,y) を、次式により求めることが
できる。
【0082】
【数22】
【0083】各画素位置でのグラディエントの推定 数式22で各画素位置(x,y) での表面法線ベクトル
(x,y) が求まったら、数式11により、各画素位置(x,
y) でのグラディエント(p(x,y) ,q(x,y) )を求め
ることができる。緩和法によるグラディエントの修正 上述の原理に基づいて推定されたグラディエント(p
(x,y) ,q(x,y) )は、3つの光源からの照明に対応し
てレプリカ面1を実際に撮像して得られるレプリカ面画
像の各画素位置(x,y) での3つの明度値から推定された
値であるため、多くの誤差を含んでいる。各画素位置
(x,y) での誤差E(x,y) は、次式のように定義すること
ができる。
【0084】
【数23】
【0085】数式23において、まず、se (x,y) は、
画素位置(x,y) におけるレプリカ面1の滑らかさの誤差
を示しており、次式で定義される。
【0086】
【数24】
【0087】ここで、px(x,y)はグラディエントp(x,
y) のx座標方向の1次偏微分であり、px(x,y)2 はグ
ラディエントp(x,y) のx座標方向の2乗誤差を示す。
この値が小さければグラディエントp(x,y) がx座標方
向に滑らかであることを示している。同様に、py(x,y)
とpy(x,y)2 はグラディエントp(x,y) のy座標方向の
1次偏微分と2乗誤差を示し、qx(x,y)とqx(x,y)2
グラディエントq(x,y) のx座標方向の1次偏微分と2
乗誤差を示し、qy(x,y)とqy(x,y)2 はグラディエント
q(x,y) のy座標方向の1次偏微分と2乗誤差を示す。
【0088】皮膚表面に対応するレプリカ面1は局所的
には滑らかであるというヒューリスティックな要請があ
るために、結局、数式23における誤差se (x,y) が小
さければ、画素位置(x,y) においてレプリカ面1は滑ら
かであるという条件を満足することになる。
【0089】次に、数式23において、re (x,y) は、
画素位置(x,y) において、レプリカ面1を実際に撮像し
て得られる3つの光源方向に対応する3つの明度値と、
推定により得られたグラディエント(p(x,y) ,q(x,
y) )に基づいて計算される3つの光源方向に対応する
3つの正規化された光の反射強度との2乗誤差の線形結
合を示しており、数式15の方程式に基づけば、次式で
定義される。
【0090】
【数25】
【0091】ここで、I1 (x,y) 、I2 (x,y) 、及びI
3 (x,y) は、画素位置(x,y) においてレプリカ面1を実
際に撮像して得られる3つの光源方向に対応する3つの
明度値であり(数式19参照)、また、c(x,y) R
1 (x,y) 、c(x,y) R2 (x,y) 、及びc(x,y) R3 (x,
y) は、画素位置(x,y) において数式21により推定さ
れる係数α(x,y) と数式22により推定されるグラディ
エント(p(x,y) ,q(x,y) )に基づいて計算される3
つの光源方向に対応する3つの正規化された光の反射強
度である。また、λ1 、λ2 、及びλ3 は、それぞれが
乗算される各光源方向の2乗誤差項の誤差E(x,y) に対
する寄与率を定める定数であり、それぞれ経験的に定め
られる。
【0092】数式23での誤差re (x,y) が十分に小さ
いならば、前述した数式15で示される反射率に関する
方程式が成立することになり、グラディエント(p(x,
y) ,q(x,y) )の推定値が正しいことになる。
【0093】画素位置(x,y) 毎に、数式23〜25で定
義される誤差E(x,y) を最小にするために、誤差E(x,
y) をグラディエントp(x,y) で偏微分して得た式を0
とおくと、次式が得られる。
【0094】
【数26】
【0095】数式26の右辺第1項は、数式24より、
次式のように計算される。
【0096】
【数27】
【0097】ここで、pxx(x,y) は画素位置(x,y) での
グラディエントp(x,y) のx座標方向の2次偏微分、p
yy(x,y) は画素位置(x,y) でのグラディエントp(x,y)
のy座標方向の2次偏微分であって、近似的に、それぞ
れ次式で示される。
【0098】
【数28】
【0099】即ち、pxx(x,y) は近似的に、画素位置
(x,y) でのグラディエントp(x,y) と、画素位置(x,y)
にx方向に隣接する画素位置(x+1,y) 及び(x-1,y) での
グラディエントp(x+1,y) 及びp(x-1,y) のそれぞれと
で差分値を計算し、得られた2つの差分値の更に差分値
を計算することによって求めることができる。y方向に
関するpyy(x,y) についても同様に求めることができ
る。
【0100】数式27と数式28より、次式が得られ
る。
【0101】
【数29】
【0102】但し、pav(x,y) は、次式で表されるよう
に、画素位置(x,y) の上下左右に隣接する4つの画素位
置でのグラディエントの平均値である。
【0103】
【数30】
【0104】一方、前述した数式26の右辺第2項は、
数式25より、次式のように計算される。
【0105】
【数31】
【0106】数式26、数式29、及び数式31より、
次の方程式が成立する。
【0107】
【数32】
【0108】従って、グラディエントp(x,y) は、次式
によって修正される。
【0109】
【数33】
【0110】数式33で、pav(x,y) は、数式30で表
されるように、画素位置(x,y) の上下左右に隣接する4
つの画素位置でのグラディエントの平均値として計算す
ることができる。
【0111】次に、数式33で、定数λ1 、λ2 、及び
λ3 は、前述したように、経験的に定められる。また、
数式33で、I1 (x,y) 、I2 (x,y) 、及びI3 (x,y)
は、前述したように、画素位置(x,y) においてレプリカ
面1を、図1の第1光源2A、第2光源2B、及び第3
光源2Cの3つの光源によって実際に撮像して得られる
3つの光源方向に対応する3つの明度値である。
【0112】更に、数式33において、c(x,y) R
1 (x,y) は、数式14と数式17、更に数式18、数式
9、及び数式10より、次式によって表される。
【0113】
【数34】
【0114】ここで、数式11より、次式が成立する。
【0115】
【数35】
【0116】数式35を数式11に代入することによ
り、次式が得られる。
【0117】
【数36】
【0118】数式34と数式36より、数式33におけ
る項c(x,y) R1 (x,y) は、光源方向ベクトルs1 の要
素ns11 、ns12 と、画素位置(x,y) における係数α
(x,y) 及びグラディエント(p(x,y) ,q(x,y) )を用
いて、次式により計算できる。
【0119】
【数37】
【0120】
【数38】
【0121】
【数39】
【0122】数式37と全く同様にして、数式33にお
ける項c(x,y) R2 (x,y) は、光源方向ベクトルs2
要素ns21 、ns22 と、画素位置(x,y) における係数α
(x,y)及びグラディエント(p(x,y) ,q(x,y) )を用
い、次式と数式38により計算できる。
【0123】
【数40】
【0124】
【数41】
【0125】同様に、数式33における項c(x,y) R3
(x,y) は、光源方向ベクトルs3 の要素ns31 、ns32
と、画素位置(x,y) における係数α(x,y) 及びグラディ
エント(p(x,y) ,q(x,y) )を用い、次式と数式38
により計算できる。
【0126】
【数42】
【0127】
【数43】
【0128】更に、数式33において、項∂{c(x,y)
1 (x,y) }/∂p(x,y) 、∂{c(x,y) R2 (x,y) }
/∂p(x,y) 、及び∂{c(x,y) R1 (x,y) }/∂p
(x,y)は、それぞれ数式37、数式40、及び数式42
をp(x,y) で偏微分することにより、次の数式44〜4
6と、数式38、39、41、及び43によって計算で
きる。
【0129】
【数44】
【0130】
【数45】
【0131】
【数46】
【0132】以上、数式30、数式37〜43、及び数
式44〜46を用いることにより、数式33で示される
方程式によってグラディエントp(x,y) を修正すること
ができる。
【0133】一方、数式23〜25で定義される誤差E
(x,y) を最小にするために、数式26〜36の場合と同
様に、誤差E(x,y) がグラディエントq(x,y) で偏微分
される。この結果、上述のグラディエントp(x,y) の場
合と同様に、前述した数式37〜43と、以下に示され
る数式48、及び数式49〜51を用いることによっ
て、次の数式47で示される方程式によってグラディエ
ントq(x,y) を修正することができる。
【0134】
【数47】
【0135】
【数48】
【0136】
【数49】
【0137】
【数50】
【0138】
【数51】
【0139】上述の数式33及び数式47で示されるグ
ラディエントp(x,y) 及びq(x,y)の修正方程式は、右
辺のpav(x,y) 、qav(x,y) 、R1 (x,y) 、R2 (x,y)
、及びR3 (x,y) が修正済のグラディエントに基づい
て計算されている場合に成立する。ところが、各画素位
置でグラディエントが推定された直後の初期状態におい
ては、修正済のグラディエントは存在しない。
【0140】そこで、本発明の実施例においては、グラ
ディエントの修正に緩和法を採用する。即ち、グラディ
エントの推定値を初期値として計算されるpav(x,y) 、
qav(x,y) 、R1 (x,y) 、R2 (x,y) 、及びR3 (x,y)
に基づいて数式33及び数式47を計算することによ
り、各画素位置(x,y) でのグラディエント(p(x,y) 、
q(x,y) )を修正し、その修正されたグラディエントか
ら計算されるpav(x,y)、qav(x,y) 、R1 (x,y) 、R
2 (x,y) 、及びR3 (x,y) に基づいて、数式33及び数
式47で、各画素位置(x,y) でのグラディエントp(x,
y) 及びq(x,y) を更に修正するという処理を繰り返
す。
【0141】この結果、各画素位置(x,y) でのグラディ
エント(p(x,y) 、q(x,y) )は、徐々に妥当な値に収
束する。このとき、各繰り返しに先立って、前回修正さ
れたグラディエント(p(x,y) 、q(x,y) )に基づい
て、数式23によって各画素位置(x,y) での誤差E(x,
y) を計算し、この誤差の全画素の和が十分に小さくな
った時点で、グラディエント(p(x,y) 、q(x,y) )の
値が収束したと判定すればよい。
【0142】なお、数式23の誤差E(x,y) の計算にお
いて、se (x,y) は数式24によって計算でき、このと
き、px(x,y)、py(x,y)、qx(x,y)、及びqy(x,y)は、
次式によって計算できる。
【0143】
【数52】
【0144】また、数式23の誤差E(x,y) の計算にお
いて、re (x,y) は数式25によって計算できる。この
とき、前述したように、I1 (x,y) 、I2 (x,y) 、及び
3(x,y) は、前述したように、画素位置(x,y) におい
てレプリカ面1を図1の第1光源2A、第2光源2B、
及び第3光源2Cの3つの光源により実際に撮像して得
られる3つの光源方向に対応する3つの明度値であり、
λ1 、λ2 、及びλ3はそれぞれ経験的に定められる定
数であり、c(x,y) R1 (x,y) 、c(x,y) R2(x,y) 、
及びc(x,y) R3 (x,y) は、数式37〜43により計算
できる。 <本発明による皮膚表面形状の特徴抽出装置の具体的動
作>上述の3次元形状復元の原理に基づく図1の皮膚表
面形状の特徴抽出装置の具体的動作について、以下に順
次説明する。なお、以下の動作フローチャートは、図1
のCPU8がROM10に記憶された制御プログラムを
実行する動作として実現される。全体動作 図3は、皮膚表面形状の特徴抽出装置の全体的な処理を
示す動作フローチャートである。
【0145】まず、ステップS301で、3枚のレプリ
カ面画像が入力され、メモリ9に取り込まれる。次に、
ステップS302で、メモリ9に取り込まれた3枚のデ
ィジタル画像データの各画素位置の明度値から、レプリ
カ面画像の各画素位置(x,y) でのレプリカ面1のグラデ
ィエント(p(x,y) 、q(x,y) )が計算される。
【0146】そして、ステップS303で、上述のグラ
ディエント(p(x,y) 、q(x,y) )から、皮膚表面形状
の特徴パラメータが抽出される。レプリカ面画像の入力 図4は、図3のステップS301のレプリカ面画像の入
力処理の動作フローチャートである。
【0147】まず、ステップS401で、CPU8はバ
ス7を介してスイッチ6を制御し、第1光源2Aを点灯
させる。次に、ステップS402で、A/D変換器5か
ら得られるディジタル画像データを、バス7を介してメ
モリ9の第1の画像格納領域に順次取り込む。
【0148】次に、ステップS403で、CPU8はバ
ス7を介してスイッチ6を制御し、第2光源2Bを点灯
させる。そして、ステップS404で、A/D変換器5
から得られるディジタル画像データを、バス7を介して
メモリ9の第2の画像格納領域に順次取り込む。
【0149】更に、ステップS405で、CPU8はバ
ス7を介してスイッチ6を制御し、第3光源2Cを点灯
させる。そして、ステップS406で、A/D変換器5
から得られるディジタル画像データを、バス7を介して
メモリ9の第3の画像格納領域に順次取り込む。
【0150】以上の処理によって、メモリ9には、レプ
リカ面1上の撮像領域の各画素位置(x,y) 毎に、3つの
明度値I1 (x,y) 、I2 (x,y) 、及びI3 (x,y) のデー
タが得られる。各画素位置でのグラディエントの計算 図5は、図3のステップS302の、レプリカ面画像の
各画素位置(x,y) でのレプリカ面1のグラディエント
(p(x,y) 、q(x,y) )の計算処理の動作フローチャー
トである。
【0151】まず、ステップS501で、数式18及び
数式19を用いて数式21を計算することにより、各画
素位置(x,y) での係数α(x,y) が推定される。なお、数
式18で示される3つの光源方向ベクトルs1 s2
及びs3 は、第1光源2A、第2光源2B、及び第3光
源2Cが設置された時点で決定することができ、予めメ
モリ9に記憶されている。また、数式19で示される各
画素位置(x,y) の3つの明度値I1 (x,y) 、I2 (x,y)
、及びI3 (x,y) は、図3のステップS303(図4
参照)の処理でメモリ9の第1〜第3の画像領域に得ら
れている。
【0152】次に、ステップS502で、ステップS5
01で得られた各画素位置(x,y) での係数α(x,y) と、
数式9、数式10、数式18、及び数式19を用いて数
式22を計算することによって、各画素位置(x,y) での
表面法線ベクトルn(x,y) が推定される。
【0153】次に、ステップS503で、ステップS5
02で求まった各画素位置(x,y) での表面法線ベクトル
n(x,y) に基づいて、数式11により、各画素位置(x,
y) でのグラディエント(p(x,y) ,q(x,y) )が推定
される。
【0154】続いて、ステップS504〜S509の緩
和法の処理が実行される。まず、ステップS504で、
ステップS503で求まった各画素位置(x,y) でのグラ
ディエント(p(x,y) ,q(x,y) )が、緩和法の繰り返
し演算のp(x,y)及びq(x,y) の初期値として、メモリ
9の適当な変数領域に設定される。
【0155】次に、ステップS505で、上述のグラデ
ィエント(p(x,y) 、q(x,y) )の前回の値(初回の場
合はステップS504で設定された初期値、それ以後は
ステップS508とS509で計算された値)に基づい
て、数式24、数式52、数式25、及び数式37〜4
3を用いて数式23を計算することにより、各画素位置
(x,y) での誤差E(x,y) が計算される。ここで、数式5
2の右辺は、各画素位置(x,y) の上下左右に隣接する4
つの画素位置でのグラディエントの前回の値に基づいて
計算される。また、数式38の右辺は、グラディエント
(p(x,y) ,q(x,y) )の前回の値に基づいて計算さ
れ、数式39、41、43の右辺はグラディエント(p
(x,y) 、q(x,y) )の前回の値と、予めメモリ9に記憶
されている3つの光源方向ベクトルs1 s2 、及び
s3 の各要素に基づいて計算され、更に、数式37、4
0、42の右辺は、上述の数式38、39、41、及び
43の計算結果と、ステップS501で計算された係数
α(x,y) に基づき計算される。また、数式25で、定数
λ1 、λ2 、及びλ3 は、前述したように経験的に定め
られて予めメモリ9に得られており、I1 (x,y) 、I2
(x,y) 、及びI3 (x,y)は、図3のステップS303
(図4参照)の処理でメモリ9の第1〜第3の画像領域
に得られている。
【0156】続いて、ステップS506においては、ス
テップS505で計算された各画素位置(x,y) での誤差
E(x,y) の全画素についての総和が計算される。そし
て、ステップS507では、ステップS506で計算さ
れた誤差の総和が所定の閾値以下になったか否かが判定
される。
【0157】ステップS507の判定がNOなら、ステ
ップS508とS509で、グラディエント(p(x,y)
、q(x,y) )が修正される。即ち、ステップS508
では、ステップS505における数式37〜43の計算
結果と、数式30、及び数式44〜46を用いて数式3
3が計算されることにより、グラディエントp(x,y) が
修正される。ここで、数式30の右辺は、各画素位置
(x,y) の上下左右に隣接する4つの画素位置でのグラデ
ィエントの前回値の平均値として計算される。また、数
式44〜46の右辺は、ステップS505で計算された
数式38、39、41、及び43の計算結果と、グラデ
ィエントp(x,y) の前回値と、予めメモリ9に記憶され
ている3つの光源方向ベクトルs1 s2 、及びs3
各第1要素と、ステップS501で計算された係数α
(x,y)に基づいて計算される。更に、数式33で、定数
λ1 、λ2 、及びλ3 は、前述したように経験的に定め
られて予めメモリ9に得られており、I1 (x,y) 、I
2(x,y) 、及びI3 (x,y) は、図3のステップS303
(図4参照)の処理でメモリ9の第1〜第3の画像領域
に得られている。
【0158】また、ステップS509では、ステップS
505における数式37〜43の計算結果と、数式4
8、及び数式49〜51を用いて数式47が計算される
ことにより、グラディエントq(x,y) が修正される。こ
こで、数式48の右辺は、各画素位置(x,y) の上下左右
に隣接する4つの画素位置でのグラディエントの前回値
の平均値として計算される。また、数式49〜51の右
辺は、ステップS505で計算された数式38、39、
41、及び43の計算結果と、グラディエントq(x,y)
の前回値と、予めメモリ9に記憶されている3つの光源
方向ベクトルs1 s2 、及びs3 の各第2要素と、ス
テップS501で計算された係数α(x,y)に基づいて計
算される。更に、数式47で、定数λ1 、λ2 、及びλ
3 は、前述したように経験的に定められて予めメモリ9
に予め得られており、I1 (x,y) 、I2 (x,y) 、及びI
3 (x,y) は、図3のステップS303(図4参照)の処
理でメモリ9の第1〜第3の画像領域に得られている。
【0159】その後、ステップS505、S506が再
び実行されて各画素位置(x,y) での誤差E(x,y) 及びそ
の誤差の全画素位置についての総和が計算され、ステッ
プS507でその誤差の総和が所定の閾値以下になって
いないと判定される間はステップS508〜S507の
処理が繰り返される。
【0160】そして、ステップS507で上述の誤差の
総和が所定の閾値以下になったと判定されると、各画素
位置(x,y) でのグラディエント(p(x,y) 、q(x,y) )
は妥当な値に収束したといえるため、ステップS510
で、最終的に得られた各画素位置(x,y) でのグラディエ
ント(p(x,y) 、q(x,y) )がメモリ9に格納され、こ
れにより、図3のステップS302の処理を終了する。鳥瞰図による考察 次に、図3のステップS303の皮膚表面形状の特徴パ
ラメータの抽出処理について説明する前に、上述の処理
によって得られた各画素位置(x,y) におけるグラディエ
ント(p(x,y) 、q(x,y) )に基づいて復元されるレプ
リカ面1の3次元形状の例について説明する。
【0161】各画素位置(x,y) でのグラディエント(p
(x,y) 、q(x,y) )を求めることができれば、それらを
レプリカ面画像上で一定の方向に積分することによっ
て、各画素位置(x,y) におけるz座標の値を求めること
ができ、レプリカ面1の3次元形状を復元することがで
きる。
【0162】図6は、そのようにして復元されたレプリ
カ面1の3次元形状を鳥瞰図として示した図である。こ
の図からわかるように、皮溝領域では、グラディエント
が大きく変化することにより、−z方向にV字型に切れ
込んでいることがわかる。
【0163】また、皮溝と皮溝の交点付近においても、
グラディエントが大きく変化することにより、−z方向
に特徴的な形状を呈することがわかる。これに対して、
皮丘領域ではグラディエントの変化が少なく、平面に近
い形状を呈する。皮膚占有率の抽出 以上の考察に基づく、図3のステップS303の皮膚表
面形状の特徴パラメータの抽出処理について、図7の動
作フローチャートに沿って説明する。
【0164】まず、ステップS701では、皮溝占有率
が抽出される。皮溝占有率は、皮溝領域のレプリカ面画
像全体に対する面積率で定義され、皮溝と皮溝の交点
(毛孔を含む)の領域も皮溝に含まれる。
【0165】ここでの処理の動作フローチャートを図8
に示す。図8において、まず、ステップS801で、各
画素位置(x,y) 毎に、図3のステップS302で計算さ
れたグラディエント(p(x,y) 、q(x,y) )を用いて、
次式によりグラディエント強度が計算される。この物理
量は、各画素位置(x,y)でのレプリカ面1の傾きの強さ
を示している。
【0166】
【数53】
【0167】次に、ステップS802で、所定の閾値以
上のグラディエント強度を有する画素位置(x,y) が抽出
され、その画素に当該画素が皮溝であることを示すラベ
ルが付与される。この結果、レプリカ面画像において皮
溝領域の画素が抽出される。なお、数式53で用いられ
る各画素位置(x,y) でのグラディエント(p(x,y) 、q
(x,y) )は、前述したように緩和法のアルゴリズムによ
って決定された値であるため、上述のような簡単な閾値
処理によって容易に皮溝領域を検出できる。
【0168】最後に、ステップS803で、次式により
皮溝占有率が計算され、その計算結果が、メモリ9に格
納されると共にプリンタ11又はCRTディスプレイ1
2に出力される。
【0169】
【数54】
【0170】以上のようにして計算される皮溝占有率
は、皮溝と皮溝の交点(毛孔を含む)の領域の広さを示
す特徴パラメータとなる。一般に、人間の皮膚は、加齢
と共に、皮溝の密度が減少するため、上述のようにして
皮溝占有率を直接評価できることは重要である。皮溝方向の標準偏差及びヒストグラムの抽出 図7のステップS702では、皮溝方向の標準偏差及び
ヒストグラムが抽出される。皮溝方向は皮溝の長手方向
として定義される。
【0171】ここでの処理の動作フローチャートを図9
に示す。図9において、まず、ステップS901で、図
8のステップS802で求まった皮溝領域の画素(x,y)
について、次式によってグラディエント方向が計算され
る。このグラディエント方向は、例えば−π/2からπ
/2[rad]の範囲で計算される。
【0172】
【数55】
【0173】皮溝領域におけるグラディエント方向は、
皮溝方向に垂直な方向、即ち皮溝の幅方向を示す。従っ
て、ステップS902で、次式により上述のグラディエ
ント方向にπ/2[rad]が加算され、その結果、皮
溝方向が抽出される。
【0174】
【数56】
【0175】そして、ステップS903では、このよう
にして求まった各画素位置(x,y) における皮溝方向につ
いて、皮溝領域全体の標準偏差及びヒストグラムが計算
されて、その計算結果が、メモリ9に格納されると共に
プリンタ11又はCRTディスプレイ12に出力され
る。
【0176】以上のようにして求まる皮溝方向の標準偏
差が小さい場合、レプリカ面画像全体において皮溝が一
定方向に流れていることを示し、標準偏差が大きい場
合、レプリカ面画像全体において皮溝が縦横に走ってい
ることを示している。また、ヒストグラムを検査するこ
とにより、皮溝方向の分布も抽出することができる。
【0177】一般に、人間の皮膚は、加齢と共に、皮溝
に関する放射状の均質性が失われ、皮溝が一定方向に流
れる傾向を呈するため、上述のようにして皮溝方向を直
接評価できることは重要である。皮溝底の深さの平均と標準偏差及びヒストグラムの抽出 図7のステップS703では、皮溝底の深さの平均と標
準偏差及びヒストグラムが抽出される。皮溝底の深さは
皮溝の形状を決定する最も重要なパラメータである。
【0178】今、図2より、レプリカ面1に関する座標
は図10のように定義されるため、例えば皮溝領域にお
ける深さの空間1次微分であるグラディエント(p(x,
y) 、q(x,y) )の符号及び深さの空間2次微分である
ラプラシアンは図面のようになる。このような性質を利
用して、図11の動作フローチャートで示されるアルゴ
リズムにより皮溝底の画素とその深さに関する情報が抽
出される。
【0179】図11において、まず、ステップS110
1で、レプリカ面画像の各画素位置(x,y) 毎にレプリカ
面1の深さの空間2次微分、即ち、ラプラシアンが計算
される。ここで、深さ値は直接には求まっていないた
め、グラディエントp(x,y) 及びq(x,y) の空間1次微
分px(x,y)及びqy(x,y)を計算し、それらの線形結合を
求めることにより、ラプラシアンを計算することができ
る。なお、px(x,y)及びqy(x,y)は、図3のステップS
302に関する図5のステップS505で数式52によ
り計算されるため、ステップS505の計算時に次式を
同時に計算し、その計算結果をラプラシアンとしてメモ
リ9に記憶させておけばよい。
【0180】
【数57】
【0181】次に、ステップS1102で、レプリカ面
画像全体で、ラプラシアンが所定の閾値以上の正の極大
値となる画素が探索され、それを満たす1つの画素が皮
溝底の画素候補として抽出される。
【0182】皮溝底の画素候補が見つかると、ステップ
S1103の判定がYESとなり、次に、ステップS1
104において、皮溝底の画素候補の周囲の直近画素内
に、図7のステップS701に関する図8のステップS
802で求まっている皮溝領域が存在するか否かが探索
される。
【0183】皮溝領域が見つからない場合には、当該皮
溝底の画素候補は皮溝底の画素ではないと判定できるた
め、ステップS1105の判定結果がNOとなってステ
ップS1102に戻る。一方、皮溝領域が見つかった場
合には、当該皮溝底の画素候補は皮溝底の画素であると
判定できるため、ステップS1105の判定結果がYE
Sとなって、ステップS1106に進む。
【0184】ステップS1106では、上述の皮溝画素
候補が皮溝画素としてラベル付けされる。続いて、ステ
ップS1107とS1108において、積分に関する処
理が実行される。今、図10に示されるように、皮溝底
の画素での深さは、皮溝底の画素から、それが含まれる
皮溝の端の画素までの高さであると定義できる。そこ
で、皮溝底の画素から皮溝の端の画素までグラディエン
トを積分することにより、皮溝底の画素の深さを求める
ことができる。
【0185】まず、ステップS1107で、積分方向を
x方向とするかy方向とするかが決定される。即ち、ス
テップS1104において検出された皮溝領域内の所定
範囲の画素のグラディエント(p(x,y) 、q(x,y) )の
平均値が計算され、p(x,y)の平均値の方が大きけれ
ば、その皮溝底の画素が含まれる皮溝領域の皮溝方向は
図12に示されるようにy方向に近い方向を向いている
と推定できるため、探索が皮溝の幅方向に近い方向に対
して行われるように、x方向が探索方向として決定され
る。逆に、q(x,y) の平均値の方が大きければ、その皮
溝底の画素が含まれる皮溝領域の皮溝方向は図13に示
されるようにx方向に近い方向を向いていると推定でき
るため、探索が皮溝の幅方向に近い方向に対して行われ
るように、y方向が探索方向として決定される。これに
より、皮溝方向に積分が行われてしまい、積分路が皮溝
から抜け出せなくなってしまうという事態を防ぐことが
できる。
【0186】また、ステップS1107では、上述のよ
うに決定されたx方向又はy方向において、有効な明度
値が得られている正又は負の何れかの方向を積分方向と
する判別も行われる。これは、光源の照明方向と皮溝方
向との関係で、照明の影になる部分が生じる可能性があ
り、その影の部分ではグラディエントが正しく求まって
いない可能性があるため、そのような影の部分が含まれ
る方向を避けるためである。有効な明度値が得られてい
るか否かは、例えば、第1光源2A、第2光源2B、及
び第3光源2Cによるレプリカ面1の各照明動作に対応
してメモリ9に格納された3枚の画像データのそれぞれ
につき、画像全体の明度値の分布を調べ閾値処理を行う
ことにより、各画素毎に有効な明度値が得られているか
否かを予めラベル付けしておく等の処理を行うことで、
判別することができる。
【0187】ステップS1108では、ステップS11
07で決定された積分方向に、図7のステップS701
に関する図8のステップS802で求まっている皮溝領
域の範囲で積分処理が実行される。この場合、x方向に
積分が行われる場合にはグラディエントp(x,y) が積分
され、y方向に積分が行われる場合にはグラディエント
q(x,y) が積分される。
【0188】積分の結果得られた積分値は、ステップS
1109で、当該皮溝底の画素での深さとしてメモリ9
に記憶される。その後、再びステップS1102に戻
り、レプリカ面画像上で、ラプラシアンが所定の閾値以
上の正の極大値となる画素が更に探索され、それを満た
す1つの画素が皮溝底の画素候補として抽出され、それ
に対してステップS1104〜S1109の処理が繰り
返される。
【0189】ラプラシアンが所定の閾値以上の正の極大
値となる画素が見つからなくなったら、ステップS11
03の判定がNOとなり、ステップS1110に進む。
ステップS1110では、ラベル付けされた皮溝底の画
素の深さのレプリカ面画像全体での平均と標準偏差及び
ヒストグラムが計算され、その計算結果が、メモリ9に
格納されると共にプリンタ11又はCRTディスプレイ
12に出力される。
【0190】一般に、人間の皮膚は、加齢と共に、皮溝
の深さは浅くなり皮溝が不鮮明となるため、上述のよう
にして皮溝の深さを直接評価できることは重要である。皮溝幅の平均と標準偏差及びヒストグラムの抽出 図7のステップS704では、皮溝幅の平均と標準偏差
及びヒストグラムが抽出される。
【0191】ここでの処理の動作フローチャートを図1
4に示す。まず、ステップS1401で、前述した図7
のステップS703に関する図11のステップS110
6で抽出された皮溝底の画素毎に、前述した図11のス
テップS1108で実行された積分処理における積分画
素数が抽出される。なお、積分画素数は、例えば、ステ
ップS1108の積分処理が実行されるときにカウント
し、積分終了時にステップS1109において、皮溝底
の画素に対応させてメモリ9に記憶させておけばよい。
【0192】次に、ステップS1402で、上述の積分
画素数に基づいて、皮溝底の画素毎に皮溝幅が計算され
る。前述した図11のステップS1108でx方向に積
分が実行された場合、皮溝底の画素での積分画素数と、
そこでの皮溝幅との関係は、図15に示される。そこ
で、次式により皮溝底の画素での皮溝幅が計算される。
【0193】
【数58】
【0194】また、図11のステップS1108でy方
向に積分が実行された場合、皮溝底の画素での積分画素
数と、そこでの皮溝幅との関係は、図16に示される。
そこで、次式により皮溝底の画素での皮溝幅が計算さ
れ、その計算結果が、メモリ9に格納されると共にプリ
ンタ11又はCRTディスプレイ12に出力される。
【0195】
【数59】
【0196】ここで、数式58又は数式59で使用され
る積分路上の平均のグラディエント方向は、例えば、ス
テップS1108の積分処理が実行されるときに、積分
される画素について図7のステップS702に関する図
9のステップS901で計算されているグラディエント
方向を加算し、積分終了時にステップS1109におい
てその加算値を積分画素数で除算することにより求める
ことができ、ステップS1109において、そのように
して求まったグラディエント方向の平均値を皮溝底の画
素に対応させてメモリ9に記憶させておけばよい。
【0197】皮溝幅は、皮溝底の深さと共に、人間の皮
膚の加齢状態を知るための指標となるため、上述のよう
にして皮溝幅を直接評価できることは重要である。皮溝セグメントの抽出 図7のステップS705では、皮溝底の画素を結ぶ線
分、即ち、皮溝セグメントが抽出される。
【0198】ここでの処理の動作フローチャートを図1
7に示す。まず、ステップS1701で、前述した図7
のステップS703に関する図11のステップS110
6で抽出された皮溝底の画素毎に皮溝セグメントのラベ
ルが付与される。
【0199】この場合、図18又は図19に示されるよ
うな各種オペレータの中央の黒丸で示される画素を現在
着目している皮溝底の画素に合わせ、その周辺の白丸で
示される画素のみに皮溝底の画素が存在するか否かを判
別することにより、ラベル付けが行われる。
【0200】ここで、図18に示される何れかのオペレ
ータが適合した場合、現在着目している皮溝底の黒丸画
素は、皮溝セグメントの途中の画素である。そして、白
丸の何れの画素にもラベルが付与されていない場合は、
現在着目している皮溝底の黒丸画素及び白丸で示される
他の皮溝底の画素に、新たな共通のラベルが付与され
て、その情報をメモリ9に記憶される。また、白丸の何
れかの画素にラベルが付与されている場合は、そのラベ
ルを現在着目している皮溝底の黒丸画素及び他の白丸で
示される皮溝底の画素に付与され、その情報がメモリ9
に記憶される。
【0201】一方、図19に示される何れかのオペレー
タが適合した場合、現在着目している皮溝底の黒丸画素
は、皮溝セグメントの端点の画素である。そして、白丸
の画素にラベルが付与されていない場合は、現在着目し
ている皮溝底の黒丸画素と白丸で示される他の皮溝底の
画素に、新たな共通のラベルが付与され、その情報がメ
モリ9に記憶される。また、白丸の画素にラベルが付与
されている場合は、そのラベルを現在着目している皮溝
底の黒丸画素に付与され、その情報がメモリ9に記憶さ
れる。更に、現在着目している皮溝底の黒丸画素に付与
されたラベルに対応させて、当該黒丸画素の位置と、そ
の位置が当該ラベルが付与されている皮溝セグメントの
端点であることを示す情報がメモリ9に記憶される。
【0202】次に、ステップS1702で、各ラベルの
種類毎に、当該ラベルに対応する皮溝セグメントの両端
の端点位置の情報がメモリ9から読み出されて、2つの
端点位置間の直線距離が計算され、その計算結果が当該
ラベルに対応する皮溝セグメントの長さ(皮溝セグメン
ト長)として抽出され、当該ラベルに対応させてメモリ
9に記憶される。
【0203】続いて、ステップS1703で、メモリ9
から、ラベルの種類の数が読み出され、その数がレプリ
カ面画像中の皮溝セグメントの本数として抽出され、そ
の結果が、メモリ9に格納されると共にプリンタ11又
はCRTディスプレイ12に出力される。
【0204】更に、ステップS1704で、メモリ9か
ら、ステップS1702で抽出された皮溝セグメント長
が読み出され、それらの平均と標準偏差及びヒストグラ
ムが抽出され、その結果が、メモリ9に格納されると共
にプリンタ11又はCRTディスプレイ12に出力され
る。
【0205】一般に、人間の皮膚は、加齢と共に、皮溝
の数は減少し、皮溝の長さは長くなるため、上述のよう
にして皮溝セグメントの本数及び皮溝セグメント長を直
接評価できることは重要である。毛孔の存在率、深さ、及び大きさの抽出 最後に、図7のステップS706では、皮溝セグメント
の交点における毛孔の存在率、深さ、及び大きさが抽出
される。
【0206】ここでの処理の動作フローチャートを図2
0に示す。始めに、ステップS2001では、皮溝セグ
メントの交点の領域(交点領域)が抽出される。
【0207】そのために、まず、図7のステップS70
1で抽出された皮溝領域の画素のうち、図7のステップ
S703に関する図11のステップS1106で抽出さ
れた皮溝底画素について図11のステップS1108で
実行された積分処理の対象とならなかった画素が、交点
領域の候補として抽出される。今、図21の斜線部とし
て示されるように、皮溝の交点領域は皮溝底の積分処理
の対象とならない可能性が強い。従って、上述のように
抽出された交点領域の候補に交点領域が含まれると推定
することができる。
【0208】次に、交点領域の候補が連続する領域毎に
分割されてそれぞれにラベルが付され、その情報がメモ
リ9に記憶される。続いて、図7のステップS705で
抽出されメモリ9に記憶されている各皮溝セグメントの
各端点位置毎に、その端点位置から所定範囲内に上述の
交点領域の候補が存在するか否かが判定され、存在する
場合には、当該交点領域の候補のラベルに当該皮溝セグ
メントのラベルが対応付けられ、その情報がメモリ9に
記憶される。
【0209】上述の処理の後、2つ以上の皮溝セグメン
トのラベルが付与されている交点領域の候補が交点領域
として抽出され、その情報(ラベル)がメモリ9に記憶
される。
【0210】ステップS2002では、ステップS20
01で抽出された各交点領域の深さが抽出される。ま
ず、各交点領域毎に、それに接続されている1つの皮溝
セグメントが決定される。
【0211】そして、決定された皮溝セグメントの当該
交点領域側の端点位置の皮溝底画素について、図7のス
テップS703で抽出された当該皮溝底画素の深さ情報
がメモリ9から読み出され、その深さを初期値として、
当該皮溝底画素から交点領域の側に向かって、各画素位
置のグラディエントが積分される。
【0212】この場合に各画素位置では、p(x,y) 及び
q(x,y) のうち、負の符号を有し絶対値が大きい方のグ
ラディエントが選択されて積分され、p(x,y) が積分さ
れた場合には+x方向に1画素移動し、q(x,y) が積分
された場合には+y方向に1画素移動して、更に積分処
理が繰り返される。
【0213】そして、深さが最も深くなった時点で積分
処理を終了し、その深さ情報が交点深さ情報の候補とし
てメモリ9に記憶される。上述の積分処理は、現在着目
している交点領域に接続されている全ての皮溝セグメン
トについて同様に実行される。そして、全ての皮溝セグ
メントについて得られた交点深さ情報の候補のうち最も
深さの深い値が、現在着目している交点領域の深さとし
て抽出される。
【0214】続いて、ステップS2003では、ステッ
プS2001で抽出された交点領域のそれぞれについ
て、ステップS2002で抽出された当該交点領域の深
さが所定の閾値より深いか否かが判定されることによ
り、当該交点領域が毛孔か否かが判定される。毛孔は一
般に深く切れ込んでおり、一方、毛孔でない単なる交点
の深さは皮溝底の深さと余り変らない。従って、交点領
域の深さを判定することにより毛孔を抽出することがで
きる。毛孔と判定された交点領域については、毛孔であ
る旨のラベルが付され、その情報がメモリ9に記憶され
る。
【0215】更に、ステップS2004では、ステップ
S2003で抽出された毛孔について、その大きさが抽
出される。交点領域においては、それに接する皮溝セグ
メントは各皮溝の皮溝幅で接するとモデル化できるた
め、毛孔の交点領域について、それに接する各皮溝セグ
メントの皮溝幅によって囲まれた交点領域の画素数を適
当なアルゴリズムで抽出することにより、毛孔の大きさ
を抽出できる。このように検出された毛孔の大きさの情
報は、メモリ9に記憶される 最後に、ステップS2006では、ステップS2001
で抽出された交点領域の数に対するステップS2003
で抽出された毛孔の数の割合が毛孔の存在率として抽出
され、更に、毛孔の深さの平均と標準偏差及びヒストグ
ラム、毛孔の大きさの平均と標準偏差及びヒストグラム
が抽出され、その結果が、メモリ9に格納されると共に
プリンタ11又はCRTディスプレイ12に出力され
る。
【0216】一般に、毛孔は、人間の皮膚の加齢状態を
知るための指標となり、例えば毛孔の大きさは加齢と共
に大きくなる傾向を呈するため、上述のようにして毛孔
を直接評価できることは重要である。
【0217】以上説明した皮膚表面形状の特徴抽出装置
によれば、レプリカ面1の3次元形状をグラディエント
を介して抽出できることにより、皮溝占有率、皮溝方
向、皮溝の深さ、皮溝幅、皮溝セグメントの本数及び皮
溝セグメント長、並びに毛孔の存在率、深さ及び大きさ
などを、詳細に評価することができるようになる。 <他の実施例>なお、図1のCRTディスプレイ12
に、図6に示されるようなレプリカ面1の3次元形状の
鳥瞰図を演算し表示させるように構成してもよい。
【0218】また、図3のステップS302のグラディ
エントの計算処理に関する図5の動作フローチャートに
おいて、光源の照明方向と皮溝方向との関係で照明の影
になる部分については、グラディエント(p(x,y) ,q
(x,y) )の推定及び緩和法による修正は行わないように
することにより、グラディエントの計算精度を高めるこ
とができる。この場合、図7のステップS703に関す
る図11のステップS1108の積分処理が実行される
際に、ステップS1107において積分方向として有効
な明度値が得られている方向のみが選択されるように処
理されるため、皮溝底画素の深さの計算などにおいて不
都合は生じない。
【0219】更に、上述の実施例では、レプリカ面1
は、第1光源2A、第2光源2B、及び第3光源2Cの
3つの光源によって照明されたが、もっと多くの光源に
よって照明を行い、各画素位置毎に、影を生じない照明
に対応する3つの明度値を選択してグラディエントを推
定及び緩和法により修正するようにすれば、全ての画素
位置のグラディエントを正確に求めることも可能であ
る。
【0220】加えて、1つの光源をレプリカ面1の周囲
で回転させながら複数回照明するように構成することも
可能である。なお、数式23の誤差E(x,y) を計算する
ための数式25のλ1 、λ2 、λ3は、前述したよう
に、各々が乗算される各光源方向の2乗誤差項の誤差E
(x,y)に対する寄与率を定める定数であり、上述の実施
例では経験的に定められるようにしたが、例えば、レプ
リカ面画像の入力状態に応じてダイナミックに変化させ
てもよい。
【0221】一方、上述の実施例ではレプリカ面画像か
ら皮膚表面形状の特徴を抽出するようにしたが、条件に
よって、皮膚表面を直接撮像した画像から皮膚表面形状
の特徴を抽出するようにしてもよい。
【0222】更に、上述の実施例で説明した皮膚表面形
状の特徴パラメータを抽出するためのアルゴリズムは一
例であり、他にも様々なアルゴリズムが適用可能であ
る。例えば、皮膚占有率の計算において、元々の明度値
の画像データを組合せて判定したり、皮溝領域の端では
ラプラシアンが変化(図10では負に変化)する事実を
利用したり、更に、皮溝セグメントを皮溝領域全体の領
域分割の手法によって抽出したりするアルゴリズムが考
えられる。
【0223】
【発明の効果】本発明によれば、皮膚表面形状の3次元
形状を各画素位置での勾配を介して抽出できるため、皮
溝の形状の領域、面積、方向、深さ、幅、長さ、又は数
に関する特徴情報、或いは、皮溝の交点領域の形状の領
域、そこでの毛孔の存在する割合、毛孔の深さ、又は大
きさに関する特徴情報などを詳細に評価することが可能
となる。
【0224】このように、本発明は、従来間接的にしか
評価できなかった皮膚表面形状の特徴を、その形状を直
接示す特徴情報によって評価できるようになるため、評
価誤差を大幅に軽減することが可能となる。
【0225】また、本発明の構成は、小型の撮像装置
と、携帯型のマイクロコンピュータなどによって容易に
実現できるため、詳細な客観的評価を誰でも容易に得る
ことが可能となり、医院、又は薬局や化粧品店等の店頭
などにおいて手軽に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による皮膚表面形状の特徴抽出装置の構
成図である。
【図2】3次元形状復元の原理に関する説明図である。
【図3】皮膚表面形状の特徴抽出装置の全体的な処理を
示す動作フローチャートである。
【図4】レプリカ面画像の入力処理の動作フローチャー
トである。
【図5】各画素位置でのグラディエントの計算処理の動
作フローチャートである。
【図6】レプリカ面1の3次元形状の鳥瞰図である。
【図7】皮膚表面形状の特徴パラメータの抽出処理の動
作フローチャートである。
【図8】皮膚占有率の抽出処理の動作フローチャートで
ある。
【図9】皮溝方向の標準偏差及びヒストグラムの抽出処
理の動作フローチャートである。
【図10】皮膚の形状とラプラシアンとの関係の説明図
である。
【図11】皮溝底の深さの平均と標準偏差及びヒストグ
ラムの抽出処理の動作フローチャートである。
【図12】積分方向の決定処理の説明図(その1)であ
る。
【図13】積分方向の決定処理の説明図(その2)であ
る。
【図14】皮溝幅の平均と標準偏差及びヒストグラムの
抽出処理の動作フローチャートである。
【図15】皮溝底の画素での積分画素数と皮溝幅の関係
の説明図(その1)である。
【図16】皮溝底の画素での積分画素数と皮溝幅の関係
の説明図(その2)である。
【図17】皮溝セグメントの抽出処理の動作フローチャ
ートである。
【図18】皮溝セグメントを抽出するためのオペレータ
を示した図(その1)である。
【図19】皮溝セグメントを抽出するためのオペレータ
を示した図(その2)である。
【図20】毛孔の存在率、深さ、及び大きさの抽出処理
の動作フローチャートである。
【図21】交点領域の抽出処理の動作フローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 レプリカ面 2A 第1光源 2B 第2光源 2C 第3光源 3 拡大光学系 4 撮像装置 5 A/D変換器 6 スイッチ 7 バス 8 CPU 9 メモリ 10 ROM 11 キーボード 12 プリンタ 13 CRTディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川尻 康晴 神奈川県横浜市港北区新羽町1050 資生 堂研究所内 (72)発明者 矢内 基裕 神奈川県横浜市港北区新羽町1050 資生 堂研究所内 (72)発明者 小沢 慎治 神奈川県鎌倉市岡本1−19−3−305 (56)参考文献 特開 昭60−53121(JP,A) 特開 昭61−64232(JP,A) 特開 平2−46833(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/107 G01B 11/24 G06T 7/60

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膚表面形状を照明する照明手段と、 前記皮膚表面形状を撮像し、該皮膚表面形状の各平面位
    置に対応する各画素位置の明度値を表すディジタル画像
    データを出力する撮像手段と、 前記照明手段による複数の光源方向からの照明に対応し
    て前記撮像手段からそれぞれ得られる複数枚の前記ディ
    ジタル画像データを記憶する画像データ記憶手段と、 前記複数の光源の各照射方向を示す単位ベクトルである
    各光源方向ベクトルと前記複数枚のディジタル画像デー
    タから得られる各明度値に基づいて、該各明度値が前記
    各光源方向ベクトルと前記各画素位置における微小領域
    の表面に直交する単位ベクトルである表面法線ベクトル
    の内積に前記各画素位置における比例係数を乗じて得ら
    れるという方程式を解いて前記各画素位置における表面
    法線ベクトルを算出することにより、該表面法線ベクト
    ルの方向に対応する前記各画素位置における前記皮膚表
    面形状の勾配を抽出する勾配抽出手段と、 前記勾配抽出手段により抽出された前記各画素位置毎に
    おける前記皮膚表面形状の勾配が該勾配を前記各画素位
    置間で積分して得られる前記皮膚表面の3次元形状に対
    応していることを利用して、前記各画素位置毎における
    前記皮膚表面形状の勾配を判定又は集計することによ
    り、前記皮膚表面形状に関する特徴情報を抽出する特徴
    情報抽出手段と、 を有することを特徴とする皮膚表面に関する画像からの
    3次元形状の復元に基づく皮膚表面形状の特徴抽出装
    置。
  2. 【請求項2】 皮膚表面形状を照明する照明手段と、 前記皮膚表面形状を撮像し、該皮膚表面形状の各平面位
    置に対応する各画素位置の明度値を表すディジタル画像
    データを出力する撮像手段と、 前記照明手段による複数の光源方向からの照明に対応し
    て前記撮像手段からそれぞれ得られる複数枚の前記ディ
    ジタル画像データを記憶する画像データ記憶手段と、 前記複数の光源の各照射方向を示す単位ベクトルである
    各光源方向ベクトルと前記複数枚のディジタル画像デー
    タから得られる各明度値に基づいて、該各明度 値が前記
    各光源方向ベクトルと前記各画素位置における微小領域
    の表面に直交する単位ベクトルである表面法線ベクトル
    の内積に前記各画素位置における比例係数を乗じて得ら
    れるという方程式を解いて前記各画素位置における表面
    法線ベクトルを算出することにより、該表面法線ベクト
    ルの方向に対応する前記各画素位置における前記皮膚表
    面形状の勾配を抽出する勾配抽出手段と、 前記勾配抽出手段により抽出された前記各画素位置毎に
    おける前記皮膚表面形状の勾配が該勾配を前記各画素位
    置間で積分して得られる前記皮膚表面の3次元形状に対
    応していることを利用して、前記各画素位置毎における
    前記皮膚表面形状の勾配の方向に垂直な方向の前記各画
    素位置間での連続性を判定又は集計することにより、前
    記皮膚表面形状の1つである皮溝の形状に関する特徴情
    報と、前記皮膚表面形状の1つである前記皮溝の交点領
    域の形状に関する特徴情報のうち、少なくとも1つ以上
    を抽出する特徴情報抽出手段と、 を有することを特徴とする皮膚表面に関する画像からの
    3次元形状の復元に基づく皮膚表面形状の特徴抽出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記特徴情報抽出手段は、前記勾配抽出
    手段により抽出された前記各画素位置毎における前記皮
    膚表面形状の勾配、該勾配の強度、該勾配の方向、又は
    該勾配の変化の程度の少なくとも1つ以上の情報に基づ
    いて、前記特徴情報を抽出する、 ことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の
    皮膚表面に関する画像からの3次元形状の復元に基づく
    皮膚表面形状の特徴抽出装置。
  4. 【請求項4】 皮膚表面形状を照明する照明手段と、 前記皮膚表面形状を撮像し、該皮膚表面形状の各平面位
    置に対応する各画素位置の明度値を表すディジタル画像
    データを出力する撮像手段と、 前記照明手段による複数の光源方向からの照明に対応し
    て前記撮像手段からそれぞれ得られる複数枚の前記ディ
    ジタル画像データを記憶する画像データ記憶手段と、 前記複数の光源の各照射方向を示す単位ベクトルである
    各光源方向ベクトルと前記複数枚のディジタル画像デー
    タから得られる各明度値に基づいて、該各明度値が前記
    各光源方向ベクトルと前記各画素位置における微小領域
    の表面に直交す る単位ベクトルである表面法線ベクトル
    の内積に前記各画素位置における比例係数を乗じて得ら
    れるという方程式を解いて前記各画素位置における表面
    法線ベクトルを算出することにより、該表面法線ベクト
    ルの方向に対応する前記各画素位置における前記皮膚表
    面形状の勾配を抽出する勾配抽出手段と、 前記勾配抽出手段により抽出された前記各画素位置毎に
    おける前記皮膚表面形状の勾配が該勾配を前記各画素位
    置間で積分して得られる前記皮膚表面の3次元形状に対
    応していることを利用して、前記各画素位置毎における
    前記皮膚表面形状の勾配の方向に垂直な方向の前記各画
    素位置間での連続性を判定又は集計することにより、前
    記皮膚表面形状の1つである皮溝の形状の領域に関する
    特徴情報と、前記皮溝の形状の面積に関する特徴情報
    と、前記皮溝の形状の方向に関する特徴情報と、前記皮
    溝の形状の深さに関する特徴情報と、前記皮溝の形状の
    幅に関する特徴情報と、前記皮溝の形状の長さに関する
    特徴情報と、前記皮溝の形状の数に関する特徴情報と、
    前記皮膚表面形状の1つである前記皮溝の交点領域の形
    状の領域に関する特徴情報と、前記皮溝の交点領域の形
    状における毛孔の存在する割合に関する特徴情報と、前
    記皮溝の交点領域の形状における毛孔の深さに関する特
    徴情報と、前記皮溝の交点領域の形状における毛孔の大
    きさに関する特徴情報のうち、少なくとも1つ以上を抽
    出する特徴情報抽出手段と、 を有することを特徴とする皮膚表面に関する画像からの
    3次元形状の復元に基づく皮膚表面形状の特徴抽出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記特徴情報抽出手段は、前記勾配抽出
    手段により抽出された前記各画素位置毎における前記皮
    膚表面形状の勾配の強度を計算し、該勾配の強度が所定
    の閾値以上の画素位置を判定及び集計することにより、
    前記皮溝の形状の領域及び前記皮溝の形状の面積に関す
    る特徴情報を抽出する、 ことを特徴とする請求項4に記載の皮膚表面に関する画
    像からの3次元形状の復元に基づく皮膚表面形状の特徴
    抽出装置。
  6. 【請求項6】 前記特徴情報抽出手段は、前記勾配抽出
    手段により抽出された前記各画素位置毎における前記皮
    膚表面形状の勾配の方向を計算し、該勾配の方向に基づ
    いて、前記皮溝の形状の方向に関する特徴情報を抽出す
    る、 ことを特徴とする請求項4に記載の皮膚表面に関する画
    像からの3次元形状の 復元に基づく皮膚表面形状の特徴
    抽出装置。
  7. 【請求項7】 前記特徴情報抽出手段は、前記勾配抽出
    手段により抽出された前記各画素位置毎における前記皮
    膚表面形状の勾配を前記特徴情報として抽出される前記
    皮溝の形状の領域内で前記特徴情報として抽出される前
    記皮溝の形状の方向と直交する方向に積分し、該積分の
    結果に基づいて、前記皮溝の形状の深さ及び前記皮溝の
    形状の幅に関する特徴情報を抽出する、 ことを特徴とする請求項4に記載の皮膚表面に関する画
    像からの3次元形状の復元に基づく皮膚表面形状の特徴
    抽出装置。
  8. 【請求項8】 前記皮溝の形状の領域に関する特徴情
    報、前記皮溝の形状の方向に関する特徴情報又は前記皮
    溝の形状の深さに関する特徴情報に基づいて前記皮溝の
    形状の長手方向を検出して前記皮溝の形状の領域の該長
    手方向の距離を算出することにより、該距離として前記
    皮溝の形状の長さに関する特徴情報を抽出する、 ことを特徴とする請求項4に記載の皮膚表面に関する画
    像からの3次元形状の復元に基づく皮膚表面形状の特徴
    抽出装置。
  9. 【請求項9】 前記照明手段によって照明され、前記撮
    像手段によって撮像される前記皮膚表面形状は、皮膚表
    面を型取り材料によって型取りした皮膚表面レプリカの
    表面の形状である、 ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の
    皮膚表面に関する画像からの3次元形状の復元に基づく
    皮膚表面形状の特徴抽出装置。
  10. 【請求項10】 前記照明手段によって照明され、前記
    撮像手段によって撮像される前記皮膚表面形状は、皮膚
    表面の直接形状である、 ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の
    皮膚表面に関する画像からの3次元形状の復元に基づく
    皮膚表面形状の特徴抽出装置。
  11. 【請求項11】 前記勾配抽出手段は、前記各画素位置
    毎に、前記複数の光源の各照射方向を示す単位ベクトル
    である各光源方向ベクトルと前記複数枚のディジタル画
    像データから得られる現在の前記画素位置に対応する複
    数個の明度値に基づいて、該各明度値が前記各光源方向
    ベクトルと前記各画素位置における微小領域の表面に直
    交する単位ベクトルである表面法線ベクトルの内積に前
    記各画 素位置における比例係数を乗じて得られるという
    方程式を解いて前記各画素位置における表面法線ベクト
    ルを算出することにより、該表面法線ベクトルの方向に
    対応する前記皮膚表面形状の勾配を推定し、その後、隣
    接する前記画素位置間で前記推定された勾配が最も滑ら
    かになるという条件と、前記皮膚表面形状を実際に撮像
    して得られる前記複数の光源方向に対応する複数の明度
    値と前記推定された勾配に基づいて計算される前記複数
    の光源方向に対応する複数の反射強度との前記各画素位
    置毎の誤差が最小となるという条件の下で、前記各画素
    位置毎に前記推定された勾配を修正し、その結果得られ
    る前記勾配を出力する、 ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載
    の皮膚表面に関する画像からの3次元形状の復元に基づ
    く皮膚表面形状の特徴抽出装置。
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