JP5907338B2 - 燃料給油部構造 - Google Patents
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Description
給油ノズルから供給される燃料を燃料タンクに導くフィラーパイプと、
前記フィラーパイプの開口側のノズル挿入部に挿入固着されて所定の給油ノズル以外の給油ノズルの挿入を阻止する筒状のリストリクターと、
一端部が前記燃料タンクに連通接続し、他端部が前記ノズル挿入部に連通接続するブリーザーパイプとを備えている燃料給油部構造に関する。
このような燃料飛沫の飛散の問題を解消するために、従来、図7に示すように、次の(a)〜(g)から成る燃料飛沫の飛散防止構造を設けた技術があった(特許文献1参照)。
(a) リストリクター4の上流側Jの断面円形の一端部40が、フィラーパイプ3の断面円形のノズル挿入部6に内嵌して溶接接合されている。
(b) リストリクター本体部41の外周面41Sとノズル挿入部6の内周面6Nとの間に空気流通路Sが形成されている。
(c) ブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aがリストリクター本体部41の外周面41Sに臨んでいる。そして、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tとリストリクター本体部41の外周面41Sとが間隔を空けて対向している。
(d) リストリクター本体部41に前記空気流通路Sと連通する通気孔が貫通形成されている。
(e) 前記通気孔はブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aと対向しないように、フィラーパイプ3の周方向で前記排気口5Aに対して位置ずれしている。
(f) リストリクター本体部41の下流側Kの端縁4Kがブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aに対して下流側Kに位置する。
(g) ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの位置を決めるスプール60がブリーザーパイプ5の他端部5Bに形成されている。
前記(g)の構成を備えているのは次の理由による。
すなわち、前記クリアランスが大きいと、燃料飛沫がフィラーパイプ3の給油口3Kからフィラーパイプ3の外側に飛散する。逆に、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tがリストリクター4に接触するとエアー抜け不良が生じて、給油早期ストップが発生するとともに、接触部にメッキ処理時のメッキ未着が発生する。そして、メッキ未着に起因して前記接触部に錆が発生する。そこで、上記(a)〜(f)の構成に加え、前記(g)の構成を備えている。
上記の(a)〜(g)の構成により、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aから排出された空気中の燃料飛沫をリストリクター本体部41の外周面41Sに衝突させて下流側K(燃料タンク側)に落下させる。図6における符号1は給油ノズルである。
本発明の目的は、ブリーザーパイプの他端部の開口とリストリクター本体部の外周面とのクリアランスのばらつきを抑制できて、フィラーパイプの開口からの燃料飛沫の飛散を確実に防止できる燃料給油部構造を提供する点にある。
給油ノズルから供給される燃料を燃料タンクに導くフィラーパイプと、
前記フィラーパイプの開口側のノズル挿入部に挿入固着されて所定の給油ノズル以外の給油ノズルの挿入を阻止する筒状のリストリクターと、
一端部が前記燃料タンクに連通接続し、他端部が前記ノズル挿入部に連通接続するブリーザーパイプとを備えている燃料給油部構造であって、
前記ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分が前記リストリクターの外周面に当接して、前記端面の残部と前記リストリクターの外周面との間にクリアランスが形成され、
前記クリアランスは、前記ブリーザーパイプ内の燃料飛沫が前記フィラーパイプの開口から飛散することを防止可能な大きさに設定されており、
前記ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分は、前記リストリクターの外周面に膨出形成された断面円弧状のビードの頂部に当接している点にある。(請求項1)
その結果、ブリーザーパイプの他端部の端面とリストリクターの外周面との間のクリアランスのばらつきを抑制することができる。従って、ブリーザーパイプ内の燃料飛沫がフィラーパイプの開口から飛散することを確実に防止することができる。
また、ブリーザーパイプの他端部の端面の位置を決めるスプールをブリーザーパイプの他端部に形成する必要がないので、スプールの加工コストをなくすことができ、製造コストを低廉化することができる。(請求項1)
また、前記ビードが断面円弧状に形成されているから、ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分とリストリクターの外周面とを点接触又は線接触とすることができる。従って、前記接触面積をより小さくすることができ、接触部のメッキ処理時のメッキ未着の部分をより少なくすることができる。(請求項1)
前記ビードは前記リストリクターの軸芯方向に延びていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
また、リストリクターのリストリクター軸芯(リストリクター本体部の軸芯)周り回転方向の位置公差により、ブリーザーパイプの他端部の端面とリストリクターの外周面との間のクリアランスがばらついたとしても、次の作用を奏することができる。
すなわち、図6(a)に、リストリクター4が前記位置公差により、リストリクター軸芯(リストリクター本体部41の軸芯O)を中心として(燃料の流れ方向の下流側から見て)時計周りに所定の角度回転した状態を示し、図6(b)に、反時計周りに所定の角度回転した状態を示してある。図6(c)はリストリクター4が回転していない状態であり、目標とするクリアランスL1が形成されている状態を示している。
本発明の上記構成によれば、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの一部分はリストリクター4の軸芯方向に延びるビード51の頂点に当接しているから、図6(a)に示すように、ビード51よりも紙面上側のクリアランスがL1よりも大きいL2になっても、ビード51よりも紙面下側のクリアランスはL1よりも小さいL3になる。逆に、図6(b)に示すように、ビード51よりも紙面上側のクリアランスがL1よりも小さいL3になっても、ビード51よりも紙面下側のクリアランスはL1よりも大きいL2になる。
従って、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの残部とリストリクター4の外周面41S(第1外周面部分41S1)との間で形成される開口の面積(ビード51よりも紙面上側の開口K2の面積+ビード51よりも紙面下側の開口K3の面積)のばらつきを抑制することができる。これにより、フィラーパイプの開口から燃料飛沫が飛散することをより確実に防止することができる。(請求項2)
前記ブリーザーパイプの他端部の端面は、前記ブリーザーパイプの軸直角方向に対して傾斜していると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
図1,図2に自動車の燃料給油部構造を示してある。この燃料給油部構造は、断面円形のフィラーパイプ3と筒状のリストリクター4とブリーザーパイプ5とを備えている。
フィラーパイプ3は燃料タンクの上部から斜め上方に延びている。図2,図3にも示すように、フィラーパイプ3のノズル挿入部6はフィラーパイプ3の本体部3Aよりも大径に形成されている。そして、フィラーパイプ3の開口端部に、キャップの雄ねじ部に螺合する雌ねじ部6Bが形成されている。ノズル挿入部6の開口周縁部6Cは径方向外方側に張り出している。フィラーパイプ3の開口端部には車体に対する取り付けフランジ50(図1,図2参照)が固着されている。
ブリーザーパイプ5は燃料タンクから空気を排出(エアー抜き)するための部品である。すなわち、燃料タンクに燃料を給油するに伴って、燃料タンク内の空気が燃料タンク外に押し出されることから、この空気を、ブリーザーパイプ5を通してフィラーパイプ3のノズル挿入部6内に排出する。ノズル挿入部6内に排出された空気はフィラーパイプ3の開口3Kからフィラーパイプ3の外側に排出される。
リストリクター4はレギュラーガソリンと軽油の入れ間違いや有鉛ガソリンと無鉛ガソリンの入れ間違い等を防止する部品である。図2に示すように、燃料の流れ方向(燃料タンクへの燃料の供給方向)で上流側Jのリストリクター4の一端部40が円筒状に形成されている。そして、前記一端部40がノズル挿入部6に挿入内嵌されてノズル挿入部6の内周面6Nに溶接固着されている。これにより、前記リストリクター4の一端部40の外周面と前記ノズル挿入部6の内周面6Nとの隙間が全周にわたって無くされている。
また、リストリクター本体部41の軸芯Oを挟んで前記第1外周面部分41S1とは反対側に位置する第2外周面部分41S2も、前記排気口5Aの軸芯Pと直交する扁平面状に形成されている。第1外周面部分41S1と第2外周面部分41S2は互いに平行に位置する。
その結果、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tとリストリクター4の第1外周面部分41S1との間のクリアランスのばらつきを抑制することができる。従って、ブリーザーパイプ5内の燃料飛沫がフィラーパイプ3の開口3Aから飛散することを確実に防止することができる。
また、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの位置を決めるスプールをブリーザーパイプ5の他端部5Bに形成する必要がないので、スプールの加工コストをなくすことができ、製造コストを低廉化することができる。
その結果、接触部のメッキ処理時のメッキ未着の部分を少なくすることができ、接触部の錆の発生を抑制することができる。また、前記ビード51は断面円弧状に形成されているから、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの一部分とリストリクター4の第1外周面部分41S1とを点接触又は線接触とすることができる。従って、前記接触面積をより小さくすることができ、接触部のメッキ処理時のメッキ未着の部分をより少なくすることができる。
そして、前記ビード51はリストリクター4の軸芯方向に延びているから、図3に示すように、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aから排出される空気がビード51によってフィラーパイプ3の周方向に分流される。これにより、前記空気が整流され、燃料飛沫がリストリクター4と給油ノズル1との間からフィラーパイプ3の開口3Kの外方に飛散しにくくすることができる。従って、給油性を向上させることができる。
また、リストリクター4のリストリクター軸芯(リストリクター本体部41の軸芯O)周り回転方向の位置公差により、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tとリストリクター4の第1外周面部分41S1との間のクリアランスがばらついたとしても、次の作用を奏することができる。
すなわち、図6(a)に、リストリクター4が前記位置公差により、リストリクター軸芯(リストリクター本体部41の軸芯O)を中心として(燃料の流れ方向の下流側から見て)時計周りに所定の角度回転した状態を示し、図6(b)に、反時計周りに所定の角度回転した状態を示してある。図6(c)はリストリクター4が回転していない状態であり、目標とするクリアランスL1が形成されている状態を示している。
本発明の上記構成によれば、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの一部分はリストリクター4の軸芯方向に延びるビード51の頂点に当接しているから、図6(a)に示すように、ビード51よりも紙面上側のクリアランスがL1よりも大きいL2になっても、ビード51よりも紙面下側のクリアランスはL1よりも小さいL3になる。逆に、図6(b)に示すように、ビード51よりも紙面上側のクリアランスがL1よりも小さいL3になっても、ビード51よりも紙面下側のクリアランスはL1よりも大きいL2になる。
従って、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの残部とリストリクター4の第1外周面部分41S1との間で形成される開口の面積(ビード51よりも紙面上側の開口K2の面積+ビード51よりも紙面下側の開口K3の面積)のばらつきを抑制することができる。これにより、フィラーパイプの開口3Kから燃料飛沫が飛散することをより確実に防止することができる。
図5に示すように、本別実施形態では、前記ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tは、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの軸直角方向に対して傾斜している。
このように傾斜した前記端面5Tの一部分をリストリクター4の第1外周面部分41S1に当接させることで、前記端面5Tの残部とリストリクター4の第1外周面部分41S1との間にクリアランスを形成してある。リストリクター4の第1外周面部分41S1にはビード51は膨出形成されていない。
前記リストリクター4の第1外周面部分41S1に第1の実施形態と同様のビードが膨出形成されて、このビードに前記端面5Tの一部分が当接していてもよい。
3 フィラーパイプ
3K フィラーパイプの開口
4 リストリクター
5 ブリーザーパイプ
5B 他端部(ブリーザーパイプの他端部)
5T ブリーザーパイプの他端部の端面
6 ノズル挿入部
41S 外周面
51 ビード
Claims (3)
- 給油ノズルから供給される燃料を燃料タンクに導くフィラーパイプと、
前記フィラーパイプの開口側のノズル挿入部に挿入固着されて所定の給油ノズル以外の給油ノズルの挿入を阻止する筒状のリストリクターと、
一端部が前記燃料タンクに連通接続し、他端部が前記ノズル挿入部に連通接続するブリーザーパイプとを備えている燃料給油部構造であって、
前記ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分が前記リストリクターの外周面に当接して、前記端面の残部と前記リストリクターの外周面との間にクリアランスが形成され、
前記クリアランスは、前記ブリーザーパイプ内の燃料飛沫が前記フィラーパイプの開口から飛散することを防止可能な大きさに設定されており、
前記ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分は、前記リストリクターの外周面に膨出形成された断面円弧状のビードの頂部に当接している燃料給油部構造。 - 前記ビードは前記リストリクターの軸芯方向に延びている請求項1記載の燃料給油部構造。
- 前記ブリーザーパイプの他端部の端面は、前記ブリーザーパイプの軸直角方向に対して傾斜している請求項1又は2に記載の燃料給油部構造。
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