JP5907338B2 - 燃料給油部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、
給油ノズルから供給される燃料を燃料タンクに導くフィラーパイプと、
前記フィラーパイプの開口側のノズル挿入部に挿入固着されて所定の給油ノズル以外の給油ノズルの挿入を阻止する筒状のリストリクターと、
一端部が前記燃料タンクに連通接続し、他端部が前記ノズル挿入部に連通接続するブリーザーパイプとを備えている燃料給油部構造に関する。
上記の燃料給油部構造では、燃料の満タン自動停止時などに、燃料飛沫がブリーザーパイプの空気中を通って、ブリーザーパイプの他端部の開口(以下、「排気口」と称する)から排出されることがある。前記排気口から排出された燃料飛沫は、ブリーザーパイプの他端部の端面(開口端面)とリストリクターの外周面との間のクリアランスを通る。そして、前記燃料飛沫がリストリクターとリストリクター内の給油ノズルとの間を通って、フィラーパイプの開口からフィラーパイプの外側に飛散する。
このような燃料飛沫の飛散の問題を解消するために、従来、図7に示すように、次の(a)〜(g)から成る燃料飛沫の飛散防止構造を設けた技術があった(特許文献1参照)。
(a) リストリクター4の上流側Jの断面円形の一端部40が、フィラーパイプ3の断面円形のノズル挿入部6に内嵌して溶接接合されている。
(b) リストリクター本体部41の外周面41Sとノズル挿入部6の内周面6Nとの間に空気流通路Sが形成されている。
(c) ブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aがリストリクター本体部41の外周面41Sに臨んでいる。そして、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tとリストリクター本体部41の外周面41Sとが間隔を空けて対向している。
(d) リストリクター本体部41に前記空気流通路Sと連通する通気孔が貫通形成されている。
(e) 前記通気孔はブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aと対向しないように、フィラーパイプ3の周方向で前記排気口5Aに対して位置ずれしている。
(f) リストリクター本体部41の下流側Kの端縁4Kがブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aに対して下流側Kに位置する。
(g) ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの位置を決めるスプール60がブリーザーパイプ5の他端部5Bに形成されている。
前記(g)の構成を備えているのは次の理由による。
すなわち、前記クリアランスが大きいと、燃料飛沫がフィラーパイプ3の給油口3Kからフィラーパイプ3の外側に飛散する。逆に、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tがリストリクター4に接触するとエアー抜け不良が生じて、給油早期ストップが発生するとともに、接触部にメッキ処理時のメッキ未着が発生する。そして、メッキ未着に起因して前記接触部に錆が発生する。そこで、上記(a)〜(f)の構成に加え、前記(g)の構成を備えている。
上記の(a)〜(g)の構成により、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aから排出された空気中の燃料飛沫をリストリクター本体部41の外周面41Sに衝突させて下流側K(燃料タンク側)に落下させる。図6における符号1は給油ノズルである。
特開2011−20646号公報
上記従来の構造によれば、ブリーザーパイプの他端部の端面とリストリクター本体部の外周面とが間隔を空けて対向しているために、ブリーザーパイプの他端部の端面位置の公差により前記クリアランスのばらつきが大きくなることがあった。
本発明の目的は、ブリーザーパイプの他端部の開口とリストリクター本体部の外周面とのクリアランスのばらつきを抑制できて、フィラーパイプの開口からの燃料飛沫の飛散を確実に防止できる燃料給油部構造を提供する点にある。
本発明の特徴は、
給油ノズルから供給される燃料を燃料タンクに導くフィラーパイプと、
前記フィラーパイプの開口側のノズル挿入部に挿入固着されて所定の給油ノズル以外の給油ノズルの挿入を阻止する筒状のリストリクターと、
一端部が前記燃料タンクに連通接続し、他端部が前記ノズル挿入部に連通接続するブリーザーパイプとを備えている燃料給油部構造であって、
前記ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分が前記リストリクターの外周面に当接して、前記端面の残部と前記リストリクターの外周面との間にクリアランスが形成され、
前記クリアランスは、前記ブリーザーパイプ内の燃料飛沫が前記フィラーパイプの開口から飛散することを防止可能な大きさに設定されており、
前記ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分は、前記リストリクターの外周面に膨出形成された断面円弧状のビードの頂部に当接している点にある。(請求項1)
この構成によれば、ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分がリストリクターの外周面に当接している。これにより、ブリーザーパイプの他端部の端面位置の公差の影響を回避でき、リストリクターの外周面に対するブリーザーパイプの他端部の端面の相対位置関係の寸法精度を向上させることができる。
その結果、ブリーザーパイプの他端部の端面とリストリクターの外周面との間のクリアランスのばらつきを抑制することができる。従って、ブリーザーパイプ内の燃料飛沫がフィラーパイプの開口から飛散することを確実に防止することができる。
また、ブリーザーパイプの他端部の端面の位置を決めるスプールをブリーザーパイプの他端部に形成する必要がないので、スプールの加工コストをなくすことができ、製造コストを低廉化することができる。(請求項1)
また、前記ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分は、前記リストリクターの外周面に膨出形成されたビードに当接しているから、次の作用を奏することができる。(請求項
ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分とリストリクターの外周面との接触面積を小さくすることができ、接触部のメッキ処理時のメッキ未着の部分を少なくすることができる。その結果、接触部の錆の発生を抑制することができる。
また、前記ビードが断面円弧状に形成されているから、ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分とリストリクターの外周面とを点接触又は線接触とすることができる。従って、前記接触面積をより小さくすることができ、接触部のメッキ処理時のメッキ未着の部分をより少なくすることができる。(請求項
本発明において、
前記ビードは前記リストリクターの軸芯方向に延びていると、次の作用を奏することができる。(請求項
ブリーザーパイプから排出される空気がビードによってフィラーパイプの周方向に分流される。これにより、前記空気が整流され、燃料飛沫がリストリクターと給油ノズルとの間からフィラーパイプの開口の外方に飛散しにくくすることができる。従って、給油性を向上させることができる。
また、リストリクターのリストリクター軸芯(リストリクター本体部の軸芯)周り回転方向の位置公差により、ブリーザーパイプの他端部の端面とリストリクターの外周面との間のクリアランスがばらついたとしても、次の作用を奏することができる。
すなわち、図6(a)に、リストリクター4が前記位置公差により、リストリクター軸芯(リストリクター本体部41の軸芯O)を中心として(燃料の流れ方向の下流側から見て)時計周りに所定の角度回転した状態を示し、図6(b)に、反時計周りに所定の角度回転した状態を示してある。図6(c)はリストリクター4が回転していない状態であり、目標とするクリアランスL1が形成されている状態を示している。
本発明の上記構成によれば、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの一部分はリストリクター4の軸芯方向に延びるビード51の頂点に当接しているから、図6(a)に示すように、ビード51よりも紙面上側のクリアランスがL1よりも大きいL2になっても、ビード51よりも紙面下側のクリアランスはL1よりも小さいL3になる。逆に、図6(b)に示すように、ビード51よりも紙面上側のクリアランスがL1よりも小さいL3になっても、ビード51よりも紙面下側のクリアランスはL1よりも大きいL2になる。
従って、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの残部とリストリクター4の外周面41S(第1外周面部分41S1)との間で形成される開口の面積(ビード51よりも紙面上側の開口K2の面積+ビード51よりも紙面下側の開口K3の面積)のばらつきを抑制することができる。これにより、フィラーパイプの開口から燃料飛沫が飛散することをより確実に防止することができる。(請求項
本発明において、
前記ブリーザーパイプの他端部の端面は、前記ブリーザーパイプの軸直角方向に対して傾斜していると、次の作用を奏することができる。(請求項
ブリーザーパイプの他端部の端面とリストリクターの外周面を点接触させることができ、前記接触面積を小さくすることができる。その結果、接触部のメッキ処理時のメッキ未着の部分を少なくすることができ、錆の発生を抑制することができる。(請求項
本発明によれば、燃料の満タン自動停止時などにフィラーパイプの開口からパイプ外に燃料飛沫が飛散することを防止でき、製造コストを低廉化できる燃料給油部構造を提供することができた。
燃料給油部構造の斜視図 図1のA−A断面図 図2のB−B断面図 リストリクターの斜視図 別実施形態の断面図(図1のA−A断面に対応する図) リストリクターのビードの作用を示す図であり、(a)はリストリクターがリストリクター軸芯を中心として(燃料の流れ方向の下流側から見て)時計方向に回転した状態を示す図、(b)はリストリクターがリストリクター軸芯を中心として反時計方向に回転した状態を示す図 従来の技術を示す図(図1のA−A断面に対応する図)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1,図2に自動車の燃料給油部構造を示してある。この燃料給油部構造は、断面円形のフィラーパイプ3と筒状のリストリクター4とブリーザーパイプ5とを備えている。
前記フィラーパイプ3は給油ノズル1から供給される燃料を燃料タンク(図示せず)に導く。リストリクター4はフィラーパイプ3の開口3K(給油口)側のノズル挿入部6に挿入固着されて、所定の給油ノズル1以外の給油ノズルの挿入を阻止する。ブリーザーパイプ5は、一端部が燃料タンクに連通接続し、他端部5Bが前記ノズル挿入部6に連通接続している。次に、フィラーパイプ3とリストリクター4とブリーザーパイプ5との各構造について詳しく説明する。
[フィラーパイプ3]
フィラーパイプ3は燃料タンクの上部から斜め上方に延びている。図2,図3にも示すように、フィラーパイプ3のノズル挿入部6はフィラーパイプ3の本体部3Aよりも大径に形成されている。そして、フィラーパイプ3の開口端部に、キャップの雄ねじ部に螺合する雌ねじ部6Bが形成されている。ノズル挿入部6の開口周縁部6Cは径方向外方側に張り出している。フィラーパイプ3の開口端部には車体に対する取り付けフランジ50(図1,図2参照)が固着されている。
[ブリーザーパイプ5]
ブリーザーパイプ5は燃料タンクから空気を排出(エアー抜き)するための部品である。すなわち、燃料タンクに燃料を給油するに伴って、燃料タンク内の空気が燃料タンク外に押し出されることから、この空気を、ブリーザーパイプ5を通してフィラーパイプ3のノズル挿入部6内に排出する。ノズル挿入部6内に排出された空気はフィラーパイプ3の開口3Kからフィラーパイプ3の外側に排出される。
図1に示すように、ブリーザーパイプ5はフィラーパイプ3よりも小径に形成されている。図1,図2に示すように、ブリーザーパイプ5の他端部5Bはノズル挿入部6側に略直角に折れ曲がって上記のように前記ノズル挿入部6に連通接続している。
[リストリクター4]
リストリクター4はレギュラーガソリンと軽油の入れ間違いや有鉛ガソリンと無鉛ガソリンの入れ間違い等を防止する部品である。図2に示すように、燃料の流れ方向(燃料タンクへの燃料の供給方向)で上流側Jのリストリクター4の一端部40が円筒状に形成されている。そして、前記一端部40がノズル挿入部6に挿入内嵌されてノズル挿入部6の内周面6Nに溶接固着されている。これにより、前記リストリクター4の一端部40の外周面と前記ノズル挿入部6の内周面6Nとの隙間が全周にわたって無くされている。
また、リストリクター本体部41の外周面41Sとノズル挿入部6の内周面6Nとの間に空気流通路Sが形成されている。さらに、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5A(ブリーザーパイプ5の他端部5Bの開口、図2,図3参照)が、リストリクター4のリストリクター本体部41の外周面41S(後述の第1外周面部分41S1)に臨んで対向している。
リストリクター本体部41には、所定の給油ノズル1以外の給油ノズルの挿入を阻止する阻止部15が形成されている(図2,図4参照)。この阻止部15は、リストリクター本体部41の下流側Kの端部(リストリクター4の他端部)を、所定の給油ノズル1以外のノズルよりも小径の円筒状に縮径させて構成されている。リストリクター本体部41の下流側Kの端縁4Kは、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aよりも下流側Kに位置している。
図3,図4に示すように、ブリーザーパイプ5の排気口5Aが臨むリストリクター本体部41の第1外周面部分41S1は、前記排気口5Aの軸芯Pと直交する扁平面状に形成されている。この第1外周面部分41S1に断面円弧状のビード51が膨出形成されている。ビード51とビード51の作用とについては後で詳しく説明する。
また、リストリクター本体部41の軸芯Oを挟んで前記第1外周面部分41S1とは反対側に位置する第2外周面部分41S2も、前記排気口5Aの軸芯Pと直交する扁平面状に形成されている。第1外周面部分41S1と第2外周面部分41S2は互いに平行に位置する。
さらに、第1外周面部分41S1と第2外周面部分41S2の一端部同士の間の第3外周面部分41S3が断面台形状に形成され、他端部同士の間の第4外周面部分41S4が断面円弧状に形成されている。
そして、第3外周面部分41S3の扁平部に通気孔10が貫通形成されている。通気孔10はブリーザーパイプ5の他端部5Bの軸芯方向に沿う長円形状に形成されている。また、前記通気孔10が前記排気口5Aと対向しないように、通気孔10の軸芯Rが排気口5Aの軸芯Pに対してフィラーパイプ3の周方向に90度位置ずれしている(90度〜180度の範囲内で位置ずれしていてもよい)。通気孔10の軸芯Rはフィラーパイプ3の軸芯Oと直交し、通気孔10はフィラーパイプ3の軸芯方向に沿って平行な面上に形成されている。
通気孔10の形状及び数は上記の形状及び数に限られない。本実施形態では通気孔10の面積を最大限に設定できるように通気孔10を長円形状に形成している。通気孔10の面積を大きくすれば通気抵抗を少なくでき給油時満タンになる前の自動停止(早期ストップ)を防止できる。
燃料タンク・フィラーパイプ3・ブリーザーパイプ5等が自動車の車体に取り付けられた状態で、前記通気孔10は通気孔10周りのリストリクター本体部41の周部に対し車両上方側に位置して車両上方を向いている。これにより、給油時に満タンになった燃料が通気孔10からフィラーパイプ3の開口3K側に溢れ出ることを防止することができる。
図3,図4に示すように、前記第1外周面部分41S1と第3外周面部分41S3の間、及び、第2外周面部分41S2と第3外周面部分41S3の間がそれぞれ断面円弧状の膨出部11に構成されている。すなわち、リストリクター4の周方向で前記排気口5Aと前記通気孔10の間に位置するリストリクター本体部41に径方向外方側に膨出する膨出部11が形成されている。この膨出部11はフィラーパイプ3のノズル挿入部6の内周面6Nに近接している。
図3に示すように、前記ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの一部分がリストリクター4の第1外周面部分41S1に当接して、前記端面5Tの残部とリストリクター4の第1外周面部分41S1との間に長さL1のクリアランスが形成されている。
詳しくは、前記ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの一部分(前記他端部5Bの中心に対して点対称な2箇所の部分)は、リストリクター本体部41の第1外周面部分41S1に膨出形成されたビード51の頂部に当接している。前記ビード51は断面円弧状に形成されてリストリクター4の軸芯方向に延びている。
前記クリアランスは、ブリーザーパイプ5内の燃料飛沫がフィラーパイプ3の開口3Kから飛散することを防止可能な大きさで、かつ、エアー抜き不良を回避できる大きさに設定されている。
上記の構造において、給油ノズル1で燃料を燃料タンクに給油すると、燃料タンク内の空気がブリーザーパイプ5内に押し出され、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aから排出される。そして、前記空気は前記クリアランスを通り、リストリクター本体部41の第1外周面部分41S1と前記ノズル挿入部6の内周面6Nとの間の空気流通路S内に入り込む。空気流通路S内に入り込んだ空気はリストリクター本体部41の周方向に向かう。そして、前記空気はリストリクター本体部41の通気孔10を通り、リストリクター4と給油ノズル1との間を通って、フィラーパイプ3の開口3Kからフィラーパイプ3の外側に排出される。
ブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aは、リストリクター本体部41の第1外周面部分41S1に臨んでいるから、排気口5Aから排出された空気中の燃料飛沫は、第1外周面部分41S1に衝突して下流側K(燃料タンク側)に落下する。
また、リストリクター4の一端部40の外周面とフィラーパイプ3のノズル挿入部6の内周面6Nとの隙間は全周にわたって無くされているから、燃料飛沫が上流のフィラーパイプ3の開口3K側に向かうことがない。
さらに、リストリクター本体部41の下流側Kの端縁4Kが前記排気口5Aに対して下流側Kに位置しているから、燃料飛沫がリストリクター本体部41の下流側Kの端部と給油ノズル1の外周面との間に侵入しにくい。
そして、リストリクター本体部41に形成された通気孔10は前記排気口5Aと対向しないように、フィラーパイプ3の周方向で前記排気口5Aに対して位置ずれしているから、燃料飛沫が通気孔10に侵入しにくい。
しかも、リストリクター本体部41の前記膨出部11がフィラーパイプ3の内周面に近接しているから、燃料飛沫が前記通気孔10側に回り込むことを膨出部11で阻止することができる。
通気孔10の軸芯Rはフィラーパイプ3の軸芯と直交し、通気孔10はフィラーパイプ3の軸芯と平行な面上に形成されているので、通気孔10はフィラーパイプ3の開口3K側を向かない。従って、通気孔10を通る空気に燃料飛沫が含まれていたとしても、燃料飛沫はフィラーパイプ3の開口3K側へは向かわない。これにより、燃料飛沫がフィラーパイプ3の開口3Kからフィラーパイプ3の外側に飛散することを確実に防止することができる。
本発明においては、前述のように、前記通気孔10が、通気孔10周りのリストリクター本体部41の周部に対して車両上方側に位置し、さらに、通気孔10の軸芯Rが排気口5Aの軸芯Pに対してフィラーパイプ3の周方向に90度位置ずれしている。従って、給油口3Kの位置を自動車のホイールアーチの上部にレイアウトした場合には、燃料給油部構造を上下方向にコンパクトに構成することができる。その結果、燃料給油部構造とタイヤとの間のクリアランスを十分確保することができて、レイアウトの自由度を増すことができる。
また、本発明の構成によれば、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの一部分がリストリクター本体部41の第1外周面部分41S1のビード51に当接している。これにより、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面位置の公差の影響を回避でき、リストリクター4の第1外周面部分41S1に対する前記端面5T(ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5T)の相対位置関係の寸法精度を向上させることができる。
その結果、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tとリストリクター4の第1外周面部分41S1との間のクリアランスのばらつきを抑制することができる。従って、ブリーザーパイプ5内の燃料飛沫がフィラーパイプ3の開口3Aから飛散することを確実に防止することができる。
また、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの位置を決めるスプールをブリーザーパイプ5の他端部5Bに形成する必要がないので、スプールの加工コストをなくすことができ、製造コストを低廉化することができる。
前記ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの一部分は、リストリクター本体部41のビード51に当接しているから、前記端面5Tの一部分とリストリクター4の第1外周面部分41S1との接触面積を小さくすることができる。
その結果、接触部のメッキ処理時のメッキ未着の部分を少なくすることができ、接触部の錆の発生を抑制することができる。また、前記ビード51は断面円弧状に形成されているから、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの一部分とリストリクター4の第1外周面部分41S1とを点接触又は線接触とすることができる。従って、前記接触面積をより小さくすることができ、接触部のメッキ処理時のメッキ未着の部分をより少なくすることができる。
そして、前記ビード51はリストリクター4の軸芯方向に延びているから、図3に示すように、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの排気口5Aから排出される空気がビード51によってフィラーパイプ3の周方向に分流される。これにより、前記空気が整流され、燃料飛沫がリストリクター4と給油ノズル1との間からフィラーパイプ3の開口3Kの外方に飛散しにくくすることができる。従って、給油性を向上させることができる。
また、リストリクター4のリストリクター軸芯(リストリクター本体部41の軸芯O)周り回転方向の位置公差により、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tとリストリクター4の第1外周面部分41S1との間のクリアランスがばらついたとしても、次の作用を奏することができる。
すなわち、図6(a)に、リストリクター4が前記位置公差により、リストリクター軸芯(リストリクター本体部41の軸芯O)を中心として(燃料の流れ方向の下流側から見て)時計周りに所定の角度回転した状態を示し、図6(b)に、反時計周りに所定の角度回転した状態を示してある。図6(c)はリストリクター4が回転していない状態であり、目標とするクリアランスL1が形成されている状態を示している。
本発明の上記構成によれば、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの一部分はリストリクター4の軸芯方向に延びるビード51の頂点に当接しているから、図6(a)に示すように、ビード51よりも紙面上側のクリアランスがL1よりも大きいL2になっても、ビード51よりも紙面下側のクリアランスはL1よりも小さいL3になる。逆に、図6(b)に示すように、ビード51よりも紙面上側のクリアランスがL1よりも小さいL3になっても、ビード51よりも紙面下側のクリアランスはL1よりも大きいL2になる。
従って、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tの残部とリストリクター4の第1外周面部分41S1との間で形成される開口の面積(ビード51よりも紙面上側の開口K2の面積+ビード51よりも紙面下側の開口K3の面積)のばらつきを抑制することができる。これにより、フィラーパイプの開口3Kから燃料飛沫が飛散することをより確実に防止することができる。
[別実施形態]
図5に示すように、本別実施形態では、前記ブリーザーパイプ5の他端部5Bの端面5Tは、ブリーザーパイプ5の他端部5Bの軸直角方向に対して傾斜している。
このように傾斜した前記端面5Tの一部分をリストリクター4の第1外周面部分41S1に当接させることで、前記端面5Tの残部とリストリクター4の第1外周面部分41S1との間にクリアランスを形成してある。リストリクター4の第1外周面部分41S1にはビード51は膨出形成されていない。
前記リストリクター4の第1外周面部分41S1に第1の実施形態と同様のビードが膨出形成されて、このビードに前記端面5Tの一部分が当接していてもよい。
1 給油ノズル
3 フィラーパイプ
3K フィラーパイプの開口
4 リストリクター
5 ブリーザーパイプ
5B 他端部(ブリーザーパイプの他端部)
5T ブリーザーパイプの他端部の端面
6 ノズル挿入部
41S 外周面
51 ビード

Claims (3)

  1. 給油ノズルから供給される燃料を燃料タンクに導くフィラーパイプと、
    前記フィラーパイプの開口側のノズル挿入部に挿入固着されて所定の給油ノズル以外の給油ノズルの挿入を阻止する筒状のリストリクターと、
    一端部が前記燃料タンクに連通接続し、他端部が前記ノズル挿入部に連通接続するブリーザーパイプとを備えている燃料給油部構造であって、
    前記ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分が前記リストリクターの外周面に当接して、前記端面の残部と前記リストリクターの外周面との間にクリアランスが形成され、
    前記クリアランスは、前記ブリーザーパイプ内の燃料飛沫が前記フィラーパイプの開口から飛散することを防止可能な大きさに設定されており、
    前記ブリーザーパイプの他端部の端面の一部分は、前記リストリクターの外周面に膨出形成された断面円弧状のビードの頂部に当接している燃料給油部構造。
  2. 前記ビードは前記リストリクターの軸芯方向に延びている請求項記載の燃料給油部構造。
  3. 前記ブリーザーパイプの他端部の端面は、前記ブリーザーパイプの軸直角方向に対して傾斜している請求項1又は2に記載の燃料給油部構造。
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