JP5907117B2 - エンジンの動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用等のエンジンの動弁装置、特に弁を開閉させるカムの切り換えが可能な動弁装置に関し、エンジンの動弁装置の技術分野に属する。
エンジンの動弁装置として、1つの弁についてノーズ部の形状が異なる複数のカムを備え、これらのカムのうちから弁を開閉させるカムを選択することにより、吸排気弁の開弁量や開閉弁時期等をエンジンの運転状態に応じて切り換え可能としたものが知られている。
例えば、特許文献1には、カムシャフトを、軸部と、該軸部上に軸方向に移動可能にスプライン嵌合された複数の筒状のカム要素部とで構成し、これらのカム要素部の外周に1つの弁についてノーズ部の形状が異なる複数のカムを隣接させて設けると共に、これらのカム要素部を軸方向に移動させることにより、弁を開閉させるカムを切り換えるようにしたものが開示されている。
その場合に、この特許文献1の動弁装置においては、前記カム要素部の両端面に端面カムを設けると共に、これらの端面カムの対面位置に対して突入退避可能に設けられて、突入時に端面カムに係合することによりカム要素部を軸方向にそれぞれ押動させる操作部材を備え、これらをアクチュエータで作動させることにより、カムの切り換え動作を行うように構成されている。
米国特許公開公報2011/0226205A1
ところで、特許文献1に開示された動弁装置では、カム要素部を軸部上で軸方向の両側に移動させるために、該カム要素部の両端面に端面カムを設けると共に、両側の端面カムのそれぞれについて操作部材を備えており、したがって、1つのカム要素部に対して操作部材が2つ必要となり、部品点数が多くなる。
特に、多気筒エンジンにおいては、1本のカムシャフトの軸部に各気筒ごとにカム要素部を設ける場合、カムシャフトの気筒間位置に一方の気筒のカム要素部と他方の気筒のカム要素部をそれぞれ軸方向に移動させる2つの操作部材を配設しなければならず、そのスペースを確保するために気筒間距離が増大し、ひいてはエンジンが大型化することになる。
また、多気筒エンジンにおいて、吸気弁や排気弁が1気筒について2個備えられる4弁式DOHCエンジンの場合は、カムシャフトの気筒間位置に2個の操作部材を配設するスペースを確保する必要上、各気筒における2個の吸気弁または2個の排気弁の弁間寸法を詰めざるを得なくなり、吸排気ポートの燃焼室への開口面積が制限されることになる。
さらに、単気筒エンジン、多気筒エンジンに拘わらず、1本のカムシャフトに、1気筒について吸排気弁用等の2つのカム要素部が設けられる場合は、気筒中央部に2個の操作部材が配設されることになり、この場合、2つの弁の弁間距離が長くなり、前記の場合と同様、吸排気ポートの燃焼室への開口面積が制限されることになる。
上述の課題とは別に、近年、上述のような動弁装置を備えたエンジンにおいて、運転状態に応じて、燃焼サイクル単位で最適なカムへの切り換えを行いたいという要望、つまり、カムの切り換えを瞬時に連続して行いたいという要望がある。その場合、特許文献1に開示された動弁装置では、カム要素部の両側の操作部材とアクチュエータでなる操作装置を応答良く作動させる必要がある。つまり、一方側の操作装置によりカム要素部を他方側に移動させた後に、該カム要素部を他方側の操作装置により一方側へ移動させるときに、先に移動させた操作装置の操作部材とカム要素部との干渉を避けるためには、その操作部材を速やかに待避させる必要がある。
しかし、操作装置のソレノイド等を用いたアクチュエータでは、待避信号の出力後、操作部材が待避するまでの応答遅れがあり、このため、特許文献1の動弁装置では、操作部材の待避を速やかに完了させることができないので、特に、サイクル時間の短いエンジン高回転時においては上記要望に応えることが困難であった。
これらの課題を解決した上で、燃費向上のため、特許文献1に記載されたエンジンの小型化、特にエンジンをカム軸方向にさらにコンパクトにしたいという要望がある。
そこで、この発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、単一の操作部材で2つのカム要素部を操作し、部品点数が削減されると共に、操作部材とカム要素部との干渉を確実に防止してカムの切り換えを瞬時に連続して行いながら、カム軸方向のコンパクト化を図るエンジンの動弁装置を提供するものである。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
カムシャフトが、軸部と、該軸部に該軸部と一体回転しかつ軸方向に移動可能に嵌合されたカム要素部とでなり、該カム要素部に、1つの弁について共通のベースサークルを有し、かつノーズ部の形状が異なる複数のカム部が隣接して設けられ、該カム要素部を前記軸部上で軸方向に移動させることにより弁を開閉させるカム部を切り換え可能としたエンジンの動弁装置であって、
前記カム要素部は1つの前記軸部に少なくとも2つ備えられ、
前記カム要素部は、その軸方向の両端部に端面カムをそれぞれ備え、
隣接する2つの前記カム要素部の互いに対向する端面に作動範囲の位相を異ならせてこれらの端面カムはそれぞれ設けられていると共に、
両カム要素部の近接時に前記端面カムの対向面間に突入してこれらの端面カムに係合することにより、前記両カム要素部を互いに離間させる作動位置と、前記端面カムの対向面間から退避した不作動位置とに移動する操作部材を備え、
さらに一方の前記カム要素部は、前記操作部材が作動位置にある状態で前記操作部材に設けた当接部に摺接することにより、そのカム要素部の前記端面カムによる移動が終了したのちに前記操作部材を不作動位置に強制移動させるスロープ部を備え、
他方の前記カム要素部は、前記両カム要素部の近接時に、そのカム要素部の前記端面カムと前記スロープ部が軸方向に少なくとも一部重複するように構成された
ことを特徴とする。
ここで、請求項1における「カム部」には、ノーズ部の形状がベースサークルと一致するもの(リフト量がゼロのもの)を含む。また、請求項1における「隣接する2つのカム要素部」には、多気筒エンジンの各気筒ごとに1つずつ設けられて隣接する2つのカム要素部と、単気筒エンジンまたは多気筒エンジンにおける1つの気筒の2つの弁にそれぞれ設けられた2つのカム要素部とを含む。
また、請求項1における「端面カムの作動範囲」とは、作動位置にある操作部材と係合し得る端面カムの部分、すなわち、端面カムの軸方向に突出するリフト部のカム面を意味し、「端面カムの非作動範囲」とは、その作動範囲以外の残りの範囲、すなわち、端面カムの軸方向に対して垂直な底部のカム面を意味する。
さらに、1つのカムシャフトに3つ以上のカム要素部が備えられる場合、「隣接する2つのカム要素部」は複数組存在し、それぞれの組について前記請求項1の構成が適用されることになる。その場合、1つの組における第2の端面カムおよび第2の操作部材が、他の組における隣接する2つのカム要素部の互いに対向する端面の端面カムおよびこれらの端面カムに係合する操作部材となる。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記両カム要素部は、前記両カム要素部の近接時に、前記両カム要素部の前記端面カムが軸方向に少なくとも一部重複するように構成された
ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の発明において、
さらに前記カム要素部は、前記スロープ部と連続して形成された前記操作部材の突入を規制する規制部を備える
ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
前記スロープ部は、前記カム要素部と別体の部品であって前記カム要素部に一体化されている
ことを特徴とする。
前記の構成により、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、操作部材に設けた当接部にカム要素部に設けたスロープ部が摺接することによって、作動位置にある操作部材をスロープ部により不作動位置へ向けて確実に強制移動できる。しかも、操作部材によるカム要素部の移動が終了したのちにスロープ部が作用するようになっているので、カム要素部の移動を確実に行いながら、速やかに操作部材を不作動位置へ退避できる。これにより、連続してカムを切り換える場合であっても、カム部の切り換え動作を瞬時に連続して行うことができる。
さらに、本発明によれば、互いに対向する端面カムを備えた2つのカム要素部は、互いに近接時に、一方のカム要素部の端面カムと他方のカム要素部のスロープ部が軸方向に少なくとも一部重複するため、カムシャフトの軸方向のコンパクト化、ひいては当該エンジンのコンパクト化を進めることが可能となる。
また、請求項2に記載の発明によれば、両カム要素部は、両カム要素部の近接時に、両カム要素部の端面カムが軸方向に少なくとも一部重複するように構成されているので、両端面カムに係合する1つの操作部材を大きくすることなく、両カム要素部を近づけて配置することができ、カムシャフトの軸方向のコンパクト化をより進めることが可能となる。
そして、請求項3に記載の発明によれば、スロープ部と連続して形成された規制部によって操作部材の突入を規制できるため、スロープ部によって不作動位置へ強制移動された操作部材は、規制部が設けられている範囲では作動位置へ突出することはない。仮に、カム要素部が一端側に位置する状態で、作動不良などにより他端側にある第2の操作部材が作動位置へ突出すると、一端側にある第1の操作部材が一端側の端面カムの対面位置に突入してカム要素部が他端側に移動した際、既に突出している第2の操作部材に他端側の端面カムが衝突するおそれがあるが、本発明によれば、上記状態では、規制部により他端側にある第2の操作部材は作動位置へ突出できないため、作動不良などにより操作部材と端面カムが干渉するのを防止することができる。
そして、請求項4に記載の発明によれば、スロープ部はカム要素部と別体の部品としてカム要素部を一体的に連結したものであり、各スロープ部とカム要素部は比較的単純な形状であるので、切削加工等によりこれらスロープ部とカム要素部を一体の部品として製造するよりも生産性を向上できる。
本発明の第1実施形態に係る排気側動弁装置の概略の構成を示す側面図である。 図1のx方向矢視による同動弁装置の正面図である。 図1のy−y線による拡大断面図である。 図1の状態から弁を開閉させるカム部を切り換えた状態を示す側面図である。 カム要素部の単体斜視図である。 同、カム要素部の側面図である。 同、カム要素部の正面図である。 戻しカムの単体斜視図である。 カム要素部と戻しカムとの組立体の側面図である。 同、組立体の正面図である。 操作装置の一部断面側面図である。 第3、第4気筒のカム要素部間にある操作装置の操作部材を作動位置へ突出させ、両カム要素部を互いに離間させるときの各端面カムと操作部材との位置関係を示す、端面カムの円周に沿って展開した要部拡大展開図と正面図である。 図12の両カム要素部を互いに接近させるときの各端面カムと操作部材との位置関係を示す、図12と同様の要部拡大展開図と正面図である。 第1実施形態の変形例を示すカム要素部の単体斜視図である。 第2実施形態の図1と同様の側面図である。 第2実施形態の図9と同様の側面図である。 第2実施形態の図10と同様の正面図である。 第2実施形態の図11と同様の一部断面側面図である。 第2実施形態の図12と同様の説明図である。 第2実施形態の図13と同様の説明図である。
以下、4気筒、4弁式DOHCエンジンの動弁装置を例にとって、まず本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る動弁装置の排気側の構成を示すもので、図示しないシリンダヘッドに、第1〜第4気筒1〜1のそれぞれについて2つずつ、合計8つの排気弁A…Aと、これらの排気弁A…Aを閉方向に付勢するリターンスプリングB…Bとが備えられていると共に、シリンダヘッドの上部には、ロッカアームC…Cを介して前記リターンスプリングB…Bの付勢力に抗して各排気弁A…Aを開動させるカムシャフト2が備えられている。
このカムシャフト2は、シリンダヘッドにおける各気筒1〜1の中心位置に設けられた縦壁部D…Dと各縦壁部D…Dの上部に取り付けられたキャップ部材E…Eとで構成される軸受部F…Fに回転自在に支持されており、図示しないクランクシャフトによりチェーンを介して回転駆動される。
また、カムシャフト2は、軸部10と、該軸部10にスプライン嵌合され、該軸部10と一体回転しかつ軸方向に移動可能とされた第1〜第4カム要素部20〜20と、前記軸部10に挿通され、カム要素部20〜20と一体的に回転しかつ軸方向に一体的に移動可能にカム要素部20〜20の軸方向端部に取り付けられた戻しカム50とで構成されており、これらのカム要素部20〜20は、各気筒1〜1に対応させて、前記軸部10上で列状に配置されている。また、本実施形態の場合、戻しカム50は、第1、第4カム要素部20、20の前後両端部と、第2カム要素部20の後端部に設けられている。
そして、各カム要素部20〜20を前記軸部10上でそれぞれ所定ストローク移動させる電磁式の5つの操作装置30〜30が備えられており、気筒列の第1気筒1側を前方として、該気筒列の前端位置に第1操作装置30が、第1、第2気筒間位置に第2操作装置30が、第2、第3気筒間位置に第3操作装置30が、第3、第4気筒間位置に第4操作装置30が、気筒列の後端位置に第5操作装置30がそれぞれ配置されている。
これらの操作装置30〜30は、本体31と、通電時に該本体31内に後退した不作動位置から該本体31から突出した作動位置へ移動する操作部材としてのピン部32とを有し、図2に示すように、カムシャフト2を挟んで前記ロッカアームCにおけるカムフォロアC’の反対側において、前記ピン部32がカムシャフト2の軸心を指向するように配置されており、この実施形態の場合、前記軸受部F…Fを構成するキャップ部材E…Eに一体的に形成された台座部G…Gにそれぞれ取り付けられている。
また、前記操作装置30〜30による各カム要素部20〜20の軸方向の移動を所定の2か所で位置決めするため、図3に第1、第2カム要素部20、20を例として示すように、軸部10と各カム要素部20〜20との嵌合部にディテント機構40がそれぞれ設けられている。
このディテント機構40は、軸部10の外周面から径方向に穿設された孔41と、該孔41内に収納されたスプリング42と、孔41の開口部に配置され、前記スプリング42により軸部10の外周面から径方向の外側へ飛び出すように付勢されたディテントボール43と、カム要素部20〜20の内周面に軸方向に隣接させて設けられた2か所の周溝44、44とで構成され、前記ディテントボール43が一方の周溝44に係合したときに、カム要素部20〜20が図1に示す第1位置に、前記ディテントボール43が他方の周溝44に係合したときに、カム要素部20〜20が図4に示す第2位置に、それぞれ位置決めされるようになっている。
ここで、図1に示すように、第1〜第4カム要素部20〜20が全て第1位置に位置するとき、第1カム要素部20は後方に、第2カム要素部20は前方に、第3カム要素部20は後方に、第4カム要素部20は前方に位置し、したがって、第1、第2カム要素部20、20の対向端面は互いに近接し、第2、第3カム要素部20、20の対向端面は互いに離間し、第3、第4カム要素部20、20の対向端面は互いに近接した状態となる。
また、図4に示すように、第1〜第4カム要素部20〜20が全て第2位置に位置したときは、第1カム要素部20は前方に、第2カム要素部20は後方に、第3カム要素部20は前方に、第4カム要素部20は後方に位置し、したがって、第1、第2カム要素部20、20の対向端面は互いに離間し、第2、第3カム要素部20、20の対向端面は互いに近接し、第3、第4カム要素部20、20の対向端面は互いに離間した状態となる。
次に、図5〜図7により、カム要素部20〜20の構成について第1カム要素部20を例としてさらに詳しく説明し、図8〜図10により、戻しカム50の構成とカム要素部20〜20との組立についてさらに詳しく説明する。
このカム要素部20(20〜20)は筒状とされ、その中間部の外周面は前記軸受部Fに支持されるジャーナル部21とされていると共に、その前後両側に当該気筒の2つの排気弁A、A用の作動部22、22が設けられており、各作動部22、22には、例えば低エンジン回転時用のリフト量が小さな第1カム部22と、例えば高エンジン回転時用のリフト量が大きな第2カム部22とが隣接させて設けられている。
前記第1カム部22と第2カム部22とは、図7に示すように、ベースサークルaが共通で、リフト量が異なるノーズ部b、bが該ベースサークルa上に位相を揃えて設けられている。そして、この第1カム部22と第2カム部22とが、2か所の作動部22、22において、前後方向に並ぶ順序およびノーズ部b、bの位相を一致させてそれぞれ設けられている。なお、ベースサークルaが共通とは、第1カム部22と第2カム部22とのベースサークルaのベース円径が同じであることを意味する。
その場合に、図1、図4に示すように、第1カム要素部20および第3カム要素部20においては、第1カム部22が前方、第2カム部22が後方に配置され、第2カム要素部20および第4カム要素部20においては、第2カム部22が前方、第1カム部22が後方に配置されている。
そして、カム要素部20〜20が前記ディテント機構40により軸部10上の第1位置に位置決めされたときは、いずれのカム要素部20〜20においても、2つの第1カム部22、22が対応する気筒の2つのロッカアームC、CのカムフォロワC’、C’に対応位置し(図1参照)、軸部10上の第2位置に位置決めされたときは、第2カム部22、22が前記カムフォロワC’、C’に対応位置する(図4参照)ように設定されている。
ここで、この実施形態に係るエンジンは、各気筒の爆発順序が、第3気筒1→第4気筒1→第2気筒1→第1気筒1とされており、各カム要素部20〜20の第1カム部22または第2カム部22のノーズ部b、bが、カムシャフト2の90°回転ごとに、この順序でカムフォロワC’、C’に対応位置するように、第1〜第4カム要素部20〜20が位相差を設けて前記軸部10にスプライン嵌合されている。
さらに、前記各カム要素部20〜20には、前後両端に端面カム23、23がそれぞれ設けられている。
この前後両端の端面カム23、23は、図5〜図7に示すように、カム要素部20(20〜20)の軸方向の中心を通る断面に関して基準面23cから軸方向の前方または後方に対称的に突出するリフト部23dを有し、図7に示すように、リフト開始位置eからリフト終了位置fに至る所定角度範囲α(例えば約90°。本願請求項1の記載の「作動範囲」に相当。)の間で、回転方向Xに対して前記基準面23c(リフト量ゼロ)から軸方向のリフト量が次第に増加し、リフト終了位置fで基準面23cに戻るようになっている。
また、前記のように、各カム要素部20〜20が各気筒1〜1の爆発順序に応じてそれぞれ所定の位相差を設けて軸部10にスプライン嵌合されていることに伴い、各カム要素部20〜20の互いに対向する端面カム23、23もそれぞれ位相差をもって対向する。なお、操作装置30〜30のピン部32の不作動位置などを適宜設定することで、隣接するカム要素部20〜20が近接したとき(必要なら図1の符号ア、イ、図4の符号ウを参照)に、対向する端面カム23、23のリフト部23d、dが軸方向にオーバラップするように構成することも可能である。
そして、前記第2〜第4操作装置30〜30のピン部32…32は、対応する2つのカム要素部20〜20の近接時に互いに対向する端面カム23、23の対向面間に突出して作動位置に移動し、これらの端面カム23、23に係合することにより、カム軸2の回転に従って、近接していた2つのカム要素部20〜20を互いに離間させる方向にスライドさせるようになっている。
さらに、隣接する一方のカム要素部20〜20は、両カム要素部20〜20の近接時に、その一方のカム要素部20〜20の端面カム23と、他方のカム要素部20〜20に設けられた戻しカム50が軸方向に少なくとも一部重複するように、本実施形態の場合、端面カム23のリフト部23dの径方向で内側に、戻しカム50の先端部51(後述するスロープ部51aと規制部51b)を収納する凹部24が設けられており、この凹部24の底面24aは基準面23cと平行で、該基準面23cに対して当該カム要素部20〜20の中央側にある。
このとき、図1に示す状態では、近接していた第1、第2カム要素部20、20、および、第3、第4カム要素部20、20は、互いに離間することによりいずれも第1位置から図4に示す第2位置へ移動し、また、図4に示す状態では、近接していた第2、第3カム要素部20、20は、互いに離間することにより第2位置から図1に示す第1位置へ移動する。
一方、第1操作装置30のピン部32は、図4に示すように、第1カム要素部20が前方の第2位置にある状態で、該第1カム要素部20の前方の端面カム23に対面する作動位置へ突出することにより該端面カム23に係合し、カム軸2の回転に従って、第1カム要素部20を後方の第1位置へ移動させる。同様に、第5操作装置30のピン部32は、第4カム要素部20が後方の第2位置にある状態で、該第4カム要素部20の後方の端面カム23に対面する作動位置へ突出することにより該端面カム23に係合し、これを前方の第1位置へ移動させる。
ここで、各操作装置30〜30のピン部32の作動位置への突出は、第1、第5操作装置30、30にあっては、ピン部32、32の指向位置に、第1カム要素部20の前方の端面カム23または第4カム要素部20の後方の端面カム23の基準面23cが位置するタイミングで行われ、第2〜第4操作装置30〜30にあっては、ピン部32…32の指向位置に、互いに対向する2つの端面カム23、23の両方の基準面23c、23cが位置するタイミングで行われなければならない。
また、このピン部32の作動位置への突出による各カム要素部20〜20の移動は、ロッカアームCのカムフォロアC’が第1カム部22または第2カム部22のベースサークルaに対応位置しているタイミング、即ち、当該気筒が排気行程以外の行程にあるときに行われなければならない。
そこで、これらの作動タイミングの条件を満足するために、この実施形態では、図7に示すように、第1、第2カム部22、22のノーズ部b、bの頂部に対し、回転方向Xの前方側の所定角度の位置に端面カム23のリフト開始位置eを、該リフト開始位置eから回転方向Xの後方側の所定角度αの位置に端面カム23のリフト終了位置fを設定し、端面カム23のリフト開始位置eから回転方向Xの後方側に向かう第1、第2カム部22、22のノーズ部b、bのリフト終了位置gまでの角度が180度よりも小さくなるような位置関係で設けられている。この場合、図2に示すロッカアームCのカムフォロアC’と操作装置30〜30のピン部32の位置関係において、各カム要素部20〜20は、排気行程の終了後間もなく移動することになる。
しかし、上述のような位置関係で第1、第2カム部22、22のノーズ部b、bと端面カム23のリフト部23dが設けられていても、作動不良等により操作装置30〜30のピン部32が意図していないタイミングで突出してしまった場合、このピン部32と端面カム23とが干渉してしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、カム要素部20〜20の前後方向端部に、カム要素部20〜20の端面カム23と操作装置30のピン部32が干渉するのを防止する戻しカム50が一体的に設けられている。
この戻しカム50は、各カム要素部20〜20のカム部22を切り換える順序によって設けるべき場所が変わるが、この作動順序によらず、互いに隣接するカム要素部20〜20の対向する端部のいずれか一方に設ける必要がある。本実施形態の場合、燃焼順序と同じ第3気筒1→第4気筒1→第2気筒1→第1気筒1の順に各気筒1〜1のカム要素部20、20のカム部22を切り換えるため、第1、第4カム要素部20、20の前後両端と、第2カム要素部20の後端にそれぞれ戻しカム50が設けられ、第3カム要素部20には戻しカム50は設けられていない。
図8、図9に示すように、カムシャフト2の軸部10が挿通される略円筒状の戻しカム50は、その外周に一定の径の外周面50aを備え、その軸方向の一端にはカム形状の先端部51が設けられ、また、その軸方向の他端にはフランジ状の取付部52が設けられている。図10に示すように、この先端部51はその所定角度範囲に、回転方向Xの後方に向かって外周面50aからリフト量(半径方向の高さ)がゼロから次第に高くなるカム面を備えたスロープ部51aと、このスロープ部51aのカム面と連続するリフト量(半径方向の高さ)が一定のカム面を備えた規制部51bとを備えている。このスロープ部51aと規制部51bの設けられている角度範囲(図10でqからX方向の後方に向かうpまでの範囲)は、端面カム23の前述の作動範囲を除いた残りの非作動範囲(図10でeからX方向の後方に向かうfまでの範囲)に基づいて設けられている。本実施形態では、端面カムの非作動範囲と作動範囲の一部とに対応して設けられており、すなわち、規制部およびスロープ部が、端面カムの軸方向から見て、端面カムの非作動範囲と重複すると共に、作動範囲と一部重複して設けられている。
本実施形態の場合、戻しカム50は、カム要素部20〜20とは別体の部品として形成され、カム要素部20〜20と一体化されている。この一体化する具体的な方法として、例えば、治具等を用いて互いに位相を合わせて、カム要素部20〜20の前後端の凹部24に戻しカム50の取付部52を圧入して固定する方法や、溶接により固定する方法がある。このように戻しカム50を別体で形成することで、切削加工等によりカム要素部20〜20と一体の部品として製造するよりも生産性を向上できる。
端面カム23と操作装置30〜30のピン部32が干渉するのを防止するため、図10に示すように、戻しカム50のスロープ部51aのスロープ開始位置qを、端面カム23のリフト終了位置fに対して回転方向Xの後方側の所定角度の位置に設定し、回転方向Xの後方側に向かってスロープ部51aのリフト量が次第に高くなり、スロープ部51aのスロープ終了位置rで規制部51bと連続し、規制部51bの終了位置pを、端面カム23のリフト開始位置eに対して回転方向Xの後方側の所定角度の位置に設定し、端面カム23のリフト部23dに規制部51bの一部が重なるような位置関係に設定している。
また、戻しカム50は、隣接するカム要素部20〜20の離間時に、その先端部51(スロープ部51a、規制部51b)が操作装置30〜30のピン部32の指向方向に位置するように設けられている。したがって、このときピン部32は、戻しカム50の先端部51によりその突出量が規制されることとなる。さらに、戻しカム50は、隣接するカム要素部20〜20の近接時に、戻しカム50の先端面50bと、その先端部51の一部が収容される、もう一方のカム要素部20〜20に設けられた凹部24の底面24aとの間に隙間ができるように設けられている。
次に、図11を参照して各操作装置30〜30の構成を、第1操作装置30を例として詳しく説明する。図11(a)、図11(b)は、第1操作装置30のピン部32が不作動位置、作動位置に保持された状態をそれぞれ示す一部断面側面図である。
第1操作装置30は、図示しない電磁式アクチュエータを内部に備えた本体31と、該本体31から突出可能なピン部32と、該ピン部32を本体31側に押圧付勢するリターンスプリング33とを備えている。電磁式アクチュエータに通電しない状態では、図11(a)に示すように、ピン部32はリターンスプリング33の付勢力によって上方の不作動位置に保持され、電磁式アクチュエータに通電されると、図11(b)に示すように、ピン部32はリターンスプリング33に抗して下方へ突出して作動位置に移動する。
また、ピン部32は、その先端に小径部34と、該小径部34の後方に小径部34よりも直径が大きい大径部35とを備える段付きピンである。このピン部32の外形寸法(直径、軸長)と突出量(作動位置から不作動位置までの移動距離)は、ピン部32が作動位置または不作動位置にあるときに所定の条件を満たすように構成されている。すなわち、ピン部32が不作動位置において、小径部34は、その先端面が戻しカム50の規制部51bの外周面と隙間を確保すると共に、その周面がカム要素部20の端面カム23のカム面と隙間を確保するように構成され、大径部35は、その先端面が端面カム23の外周面と隙間を確保するように構成されている。一方、ピン部32が作動位置において、小径部34は、その先端面が戻しカム50の外周面50aと隙間を確保すると共に、スロープ部51aに摺接するように構成され、大径部35は、その先端面が、戻しカム50の規制部51bと隙間を確保すると共に、その周面がカム要素部20の端面カム23の作動範囲に係合するように構成されている。
各操作装置30〜30への通電は、図示しないエンジン回転角度センサからの検出信号に基づいて、所定のエンジン回転角度時期に、図示しないコンピュータによる各操作装置30〜30への通電指示によって行われる。
次に、この実施形態の動作について、図12、図13を参照しながらカム要素部20、20間を例にとって説明する。なお、図12(a)、図13(a)は、実際の操作装置30のピン部32に対するカム要素部20、20の回転を、カム要素部20、20に対する端面カム23の円周方向へのピン部32の相対移動(図の左から右へ)として示した図である。そして、近接時(第1位置にあるとき)の両カム要素部20、20(端面カム23および戻しカム50)を実線、離間時(第2位置にあるとき)の両カム要素部20、20を一点鎖線で示している。また、図12(b)、図13(b)は、これら図12(a)、図13(a)においてピン部32が(ア)〜(ク)の相対的な位置にあるときの当該動弁装置を、下方の対応する正面図で示している。
まず、図1に示すように、例えばエンジンの低回転時であって、第1〜第4カム要素部20〜20が第1位置に位置するとき、これらのカム要素部20〜20においては、いずれも、両端の作動部22、22におけるリフト量の小さな第1カム部22、22がロッカアームC、CのカムフォロワC’、C’に対応位置し、カムシャフト2の回転により、前述の順序で、排気行程時に各気筒1〜1の排気弁A…Aが相対的に小さな開弁量で開弁する。
この状態から、エンジン回転数の上昇等に伴い、排気弁A…Aの開弁量を多くするように切り換える場合、この動作は、第2、第4操作装置30、30を通電してピン部32、32を不作動位置から作動位置へ突出させることにより行われる。
即ち、まず、第4操作装置30のピン部32が、第1位置にあって互いに近接した状態にある第3、第4カム要素部20、20の対向する端面カム23、23の間に突入し、これらの端面カム23、23に係合する。その場合、図12(a)で符号(ア)で示すように、前記ピン部32は、第3、第4カム要素部20、20の対向する端面カム23、23(実線で図示)のリフト量がいずれもゼロの基準面23c、23cを指向する期間に突入される。
そして、まず、第3気筒1の排気行程が終了した後、第3操作装置30のピン部32の位置に第3カム要素部20の後方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部32が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら第3カム要素部20を前方へ押し(下向き白抜き矢印で図示)、これを第2位置へスライドさせる(一点鎖線で図示)。
また、ピン部32の位置に前記第3カム要素部20の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第4気筒1の排気行程が終了すると、次に、図12(a)で符号(イ)で示すように、第4カム要素部20の後方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部32が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら第4カム要素部20を前方へ押し(上向き白抜き矢印で図示)、図12(a)で符号(ウ)で示すように、これを第2位置へスライドさせる(一点鎖線で図示)。
さらに、第4操作装置30の電磁式アクチュエータへの通電を止め、図12(a)で符号(エ)で示すように、ピン部32が戻しカム50のスロープ部51aを指向すると、ピン部32の小径部34の先端面が戻しカム50のスロープ部51aのカム面に摺接しながら押し上げられ、ピン部32は強制的に不作動位置へ戻される。
その後、ピン部32はリターンスプリング33の付勢力によって、規制部51bのカム面(頂面)と隙間を確保した状態で不作動位置に保持される。この間、ピン部32は規制部51bを指向しているため、動作不良等により第4操作装置30の電磁式アクチュエータへ誤って通電されたとしても、この規制部51bによってピン部32は突出が規制されて作動位置まで移動することはない。
次に、第2操作装置30のピン部32が、第1位置にあって互いに近接した状態にある第1、第2カム要素部20、20の対向する端面カム23、23の間に突入し、これらの端面カム23、23に係合する。その場合、第2操作装置30のピン部32は、第1、第2カム要素部20、20の対向する端面カム23、23のリフト量がいずれも0の基準面23c、23cを指向する期間に突入される。
そして、第2気筒1の排気行程が終了した後、第2操作装置30のピン部32の位置に第2カム要素部20の前方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部32が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら第2カム要素部20を後方へ押し、これを第2位置へスライドさせる。
また、ピン部32の位置に前記第2カム要素部20の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第1気筒1の排気行程が終了すると、ピン部32の位置に実線で示す第1カム要素部20の前方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部32が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら第1カム要素部20を後方へ押し、これを第2位置へスライドさせる。
さらに、第2操作装置30の電磁式アクチュエータへの通電を止め、ピン部32が戻しカム50のスロープ部51aを指向すると、前述の第4操作装置30と同様に、ピン部32の小径部34の先端面が戻しカム50のスロープ部51aのカム面に摺接しながら押し上げられ、ピン部32は強制的に不作動位置へ戻される。
その後、ピン部32はリターンスプリング33の付勢力によって、規制部51bのカム面(頂面)と隙間を確保した状態で不作動位置に保持される。この間、ピン部32は規制部51bを指向しているため、前述の第4操作装置30と同様に、動作不良等により第2操作装置30の電磁式アクチュエータへ誤って通電されたとしても、この規制部51bによってピン部32の突出が規制されて作動位置まで移動することはない。
以上により、第1〜第4カム要素部20〜20は全て第1位置から第2位置へ移動し、図4に示すように、第1〜第4カム要素部20〜20のいずれにおいても、両端の作動部22、22における第2カム部22、22がロッカアームC、CのカムフォロワC’、C’に対応位置し、排気行程時に各気筒1〜1の排気弁A…Aが相対的に大きな開弁量で開弁することになる。
一方、図4に示す各カム要素部20〜20のリフト量が大きな第2カム部22…22がロッカアームC…CのカムフォロワC’…C’に対応位置する状態から、例えばエンジン回転数の低下に伴い、図1に示すリフト量が小さな第1カム部22…22がカムフォロワC’…C’に対応位置する状態に切り換える動作は、第1、第3、第5操作装置30、30、30を通電し、これらの操作装置30、30、30のピン部32…32を不作動位置から作動位置へ突出させることにより行われる。
即ち、まず、第3操作装置30のピン部32は、第2、第3カム要素部20、20の対向する端面カム23、23のリフト量がいずれも0の基準面23c、23cを指向する期間に入るとすぐに該端面カム23、23の対面位置に突出する。
このとき、第3、第4カム要素部20、20間では、図13(a)で符号(オ)で示すように、第4操作装置30のピン部32は規制部51bを指向しているため、この第4操作装置30の電磁式アクチュエータへ動作不良等により誤って通電されたとしても、この規制部51bによってピン部32の突出が規制されて作動位置まで移動することはない。
そして、第3気筒1の排気行程が終了した後、両端面カム23、23の間に突入された第3操作装置30のピン部32の位置に、まず第3カム要素部20の前方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部32が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら第3カム要素部20を後方へ押し、これを第1位置へスライドさせる。
また、前記第3操作装置30のピン部32の位置に第3カム要素部20の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第3気筒1の排気行程が終了すると、第5操作装置30のピン部32が第2位置にある第4カム要素部20の後方の端面カム23のリフト量がゼロの基準面23cを指向する期間に突出し、この端面カム23に係合する。
そして、第4気筒1の排気行程が終了した後、前記第5操作装置30のピン部32の位置に第4カム要素部20の後方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部32が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら該第4カム要素部20を前方へ押し、これを第1位置へスライドさせる。
このとき、第3、第4カム要素部20、20間では、図13(a)で符号(カ)で示すように、ピン部32は規制部51bを指向しているため、第4操作装置30の電磁式アクチュエータへ誤って通電されたとしても、この規制部51bによってピン部32の突出が規制される。そのため、このピン部32がスライドしてきた第4カム要素部20の端面カム23と干渉することはない。その後、図13(a)で符号(キ)で示すように、ピン部32の小径部34は規制部51bの終了位置pを過ぎて、もはや規制部51bを指向しなくなるが、スライドしてきた第4カム要素部20の端面カム23のリフト部23dの一部がピン部32の大径部35の下方に入ってくるため、第4操作装置30の電磁式アクチュエータへ誤って通電されたとしても、この端面カム23のリフト部23dの外周面によってピン部32の突出が規制される。さらにその後、図13(a)で符号(ク)で示すように、ピン部32の大径部35の下方に第4カム要素部20の端面カム23のリフト部23dがなくなると、第4操作装置30は作動位置への移動が可能となる。
また、このとき、第3操作装置30のピン部32は既に第2、第3カム要素部20、20の対向する端面カム23、23の間に突入されているから、カムシャフト2の回転に従い、該ピン部32は第2カム要素部20の後方の端面カム23のリフト部23dに摺接しながら該第2カム要素部20を前方へ押し、これを第1位置へスライドさせる。
また、この第2カム要素部20のスライドとほぼ並行して、第1操作装置30のピン部32が、第2位置にある第1カム要素部20の前方の端面カム23の基準面23cを指向する期間に、該端面カム23の対面位置に突出する。
さらに、前記第3操作装置30のピン部32の位置に前記第2カム要素部20の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第1気筒1の排気行程が終了すると、該第1操作装置30のピン部32の位置に第1カム要素部20の前方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部32が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら該第1カム要素部20を後方へ押し、これを第1位置へスライドさせる。
これにより、第1〜第4カム要素部20〜20は全て第2位置から第1位置へ移動し、図1に示すように、第1〜第4カム要素部20〜20の両端の作動部22、22における第1カム部22、22がロッカアームC、CのカムフォロワC’、C’に対応位置する状態に戻ることになる。
以上のように、この実施形態によれば、4つの気筒1〜1にそれぞれ備えられた4つのカム要素部20〜20が5つの操作装置30〜30により操作され、排気弁A…Aを開閉させるカム部が、リフト量の小さな第1カム部22…22とリフト量の大きな第2カム部22…22との間で切り換えられる。
また、この第1実施形態の場合、ピン部32を強制移動させ、その突出を規制する戻しカム50のスロープ部51aと規制部51bは、隣接するカム要素部20〜20の近接時に対向する端面カム23の径方向で内側に収納されるから、規制部51bが設けられている範囲を広くすることができ、ピン部32と端面カム23との干渉を確実に防止することができる。
なお、この実施形態では、カム要素部20〜20において、第1カム部22のリフト量を小さく、第2カム部22のリフト量を大きくしたが、これを逆にしてもよく、さらに、図14に示すカム要素部20’のように、一方のカム部22’には通常のノーズ部を設けると共に、他方のカム部22’はノーズ部をなくして全体をベースサークルのみで形成し(ノーズ部のリフト量を0とし)、このカム部22’を用いた場合に弁が開閉しないようにしてもよい。これによれば、エンジンの低負荷運転時等における減筒運転が可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図15は、第2実施形態に係る動弁装置の排気側の構成を示すもので、前述の第1実施形態とは、特に操作装置130〜130と戻しカム150の形状が異なる。なお、以下の説明では、第1実施形態の構成と対応する構成については同一の符号を用いる。
第2実施形態の場合も、各カム要素部20〜20は、互いに対向する端面カム23、23がそれぞれ位相差をもって対向するようにカムシャフト2が挿通されているが、前述の第1実施形態と異なり、隣接するカム要素部20〜20が近接したとき(例えば図15の符号ア、イを参照)に、対向する端面カム23、23のリフト部23d、23dが軸方向にオーバラップするように構成されている。
図15に示すように、本実施形態の場合も、戻しカム150は、第1、第4カム要素部20、20の前後両端部と、第2カム要素部20の後端部に一体的に取り付けられている。また、図16に示すように、戻しカム151は、第1実施形態と同様に、カムシャフト2の軸部10が挿通される略円筒状であり、その外周に一定の径の外周面50aを備え、その軸方向の一端にはカム形状の先端部151が設けられ、また、その軸方向の他端にはフランジ状の取付部52が設けられている。
図17に示すように、この先端部151はその所定角度範囲に、回転方向Xの後方に向かって外周面50aからリフト量がゼロから次第に高くなるカム面を備えたスロープ部151aと、このスロープ部151aのカム面と連続するリフト量が一定のカム面を備えた規制部151bとを備えている。しかし、このスロープ部151aと規制部151bは、規制部151bのカム面が端面カム23の外周面よりも径方向の外側に位置するように、そのリフト量が第1実施形態よりも大きく設定されている。また、このスロープ部151aと規制部151bの設けられている角度範囲(図17のqからX方向の後方に向かうpまでの範囲)は、端面カム23の前述の作動範囲を除いた残りの非作動範囲(図17のeからX方向の前方に向かうfまでの範囲)に基づいて設けられている。本実施形態では、端面カムの非作動範囲に対応して設けられており、すなわち、規制部およびスロープ部が、端面カムの軸方向から見て、端面カムの非作動範囲内に設けられている。さらに、本実施形態の場合、隣接するカム要素部20〜20と近接時に、戻しカム150が対抗する端面カム23と軸方向に少なくとも一部重複するように、位相が異なるこの対向する端面カム23の作動範囲も考慮して設けられているため、結果として第1実施形態よりも狭い範囲に設定されている。
次に、図18を参照して各操作装置130〜130の構成を、第1操作装置130を例として説明する。第1操作装置130は、前述の第1実施形態の第1操作装置30とピン部132の形状のみが異なり、他の構成は同様である。このピン部132は、その突出される部分の径が一定の平行ピンであり、不作動位置において、その先端面が戻しカム150の規制部151bの外周面と隙間を確保するように構成され、作動位置において、その先端面が戻しカム50の外周面50aと隙間を確保すると共に、スロープ部51aに摺接するように構成され、その周面が戻しカム50の規制部51bの側面と隙間を確保すると共に、カム要素部20の端面カム23の作動範囲に係合するように構成されている。
次に、第2実施形態の動作について、図19、図20を参照しながらカム要素部20、20間を例にとって説明する。
まず、図15に示すように、例えばエンジンの低回転時であって、第1〜第4カム要素部20〜20が第1位置に位置するとき、これらのカム要素部20〜20においては、いずれも、両端の作動部22、22におけるリフト量の小さな第1カム部22、22がロッカアームC、CのカムフォロワC’、C’に対応位置し、カムシャフト2の回転により、前述の順序で、排気行程時に各気筒1〜1の排気弁A…Aが相対的に小さな開弁量で開弁する。
この状態から、エンジン回転数の上昇等に伴い、排気弁A…Aの開弁量を多くするように切り換える場合、この動作は、第2、第4操作装置130、130を通電してピン部132、132を不作動位置から作動位置へ突出させることにより行われる。
即ち、まず、第4操作装置130のピン部132が、第1位置にあって互いに近接した状態にある第3、第4カム要素部20、20の対向する端面カム23、23の間に突入し、これらの端面カム23、23に係合する。その場合、図19(a)で符号(ア)で示すように、前記ピン部132は、第3、第4カム要素部20、20の対向する端面カム23、23(実線で図示)のリフト量がいずれもゼロの基準面23c、23cを指向する期間に突入される。
そして、まず、第3気筒1の排気行程が終了した後、第4操作装置130のピン部132の位置に第3カム要素部20の後方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部132が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら第3カム要素部20を前方へ押し(下向き白抜き矢印で図示)、これを第2位置へスライドさせる(一点鎖線で図示)。
また、ピン部132の位置に前記第3カム要素部20の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第4気筒1の排気行程が終了すると、次に、第4カム要素部20の前方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部132が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら第4カム要素部20を後方へ押し(上向き白抜き矢印で図示)、図19(a)で符号(イ)で示すように、これを第2位置へスライドさせる(一点鎖線で図示)。
さらに、第4操作装置130の電磁式アクチュエータへの通電を止め、図19(a)で符号(ウ)で示すように、ピン部132が戻しカム150のスロープ部151aを指向すると、ピン部32の小径部34の先端面が戻しカム150のスロープ部151aのカム面に摺接しながら押し上げられ、ピン部32は強制的に不作動位置へ戻される。
その後、ピン部132はリターンスプリング33の付勢力によって、規制部151bのカム面(頂面)と隙間を確保した状態で不作動位置に保持される。この間、ピン部132は規制部151bを指向しているため、第4操作装置130の電磁式アクチュエータへ誤って通電されたとしても、この規制部151bによってピン部132の突出が規制され、該ピン部132は作動位置まで移動することはない。
次に、第2操作装置130のピン部132が、第1位置にあって互いに近接した状態にある第1、第2カム要素部20、20の対向する端面カム23、23の間に突入し、これらの端面カム23、23に係合する。その場合、第2操作装置130のピン部132は、第1、第2カム要素部20、20の対向する端面カム23、23のリフト量がいずれもゼロの基準面23c、23cを指向する期間に突入される。
そして、第2気筒1の排気行程が終了した後、第2操作装置130のピン部132の位置に第2カム要素部20の前方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部132が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら第2カム要素部20を後方へ押し、これを第2位置へスライドさせる。
また、ピン部132の位置に前記第2カム要素部20の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第1気筒1の排気行程が終了すると、ピン部132の位置に実線で示す第1カム要素部20の前方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部132が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら第1カム要素部20を後方へ押し、これを第2位置へスライドさせる。
さらに、第2操作装置130の電磁式アクチュエータへの通電を止め、ピン部132が戻しカム150のスロープ部151aを指向すると、前述の第4操作装置130と同様に、ピン部132の先端面が戻しカム150のスロープ部151aのカム面に摺接しながら押し上げられ、ピン部132は強制的に不作動位置へ戻される。
その後、ピン部132はリターンスプリング33の付勢力によって、規制部151bのカム面(頂面)と隙間を確保した状態で不作動位置に保持される。この間、ピン部132は規制部151bを指向しているため、前述の第4操作装置130と同様に、動作不良等により第2操作装置130の電磁式アクチュエータへ誤って通電されたとしても、この規制部151bによってピン部132の突出が規制されて作動位置まで移動することはない。
以上により、第1〜第4カム要素部20〜20は全て第1位置から第2位置へ移動し、第1〜第4カム要素部20〜20のいずれにおいても、両端の作動部22、22における第2カム部22、22がロッカアームC、CのカムフォロワC’、C’に対応位置し、排気行程時に各気筒1〜1の排気弁A…Aが相対的に大きな開弁量で開弁することになる。
一方、各カム要素部20〜20のリフト量が大きな第2カム部22…22がロッカアームC…CのカムフォロワC’…C’に対応位置する状態(図示しない)から、例えばエンジン回転数の低下に伴い、図15に示すリフト量が小さな第1カム部22…22がカムフォロワC’…C’に対応位置する状態に切り換える動作は、第1、第3、第5操作装置130、130、130を通電し、これらの操作装置130、130、130のピン部132…132を不作動位置から作動位置へ突出させることにより行われる。
即ち、まず、第3操作装置130のピン部132は、第2、第3カム要素部20、20の対向する端面カム23、23のリフト量がいずれもゼロの基準面23c、23cを指向する期間に入るとすぐに該端面カム23、23の対面位置に突出する。
このとき、第3、第4カム要素部20、20間は、図20(a)で符号(エ)で示すように、ピン部132は規制部151bを指向しているため、第4操作装置130の電磁式アクチュエータへ誤って通電されたとしても、ピン部132はこの規制部151bによって突出が規制され、作動位置まで移動することはない。
そして、第3気筒1の排気行程が終了した後、両端面カム23、23の間に突入された第3操作装置130のピン部132の位置に、まず第3カム要素部20の前方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部132が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら第3カム要素部20を後方へ押し、これを第1位置へスライドさせる。
このとき、第4操作装置130のピン部132は規制部151bの終了位置pを過ぎて、もはや規制部151bを指向しなくなるが、スライドしてきた第3カム要素部20の端面カム23のリフト部23dの一部がピン部132の指向方向に入ってくるため、第4操作装置130の電磁式アクチュエータへ誤って通電されたとしても、この端面カム23のリフト部23dの外周面によってピン部132の突出が規制されて作動位置まで移動することはない。
また、前記第3操作装置130のピン部132の位置に第3カム要素部20の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第3気筒1の排気行程が終了すると、第5操作装置130のピン部132が第2位置にある第4カム要素部20の後方の端面カム23のリフト量がゼロの基準面23cを指向する期間に突出し、この端面カム23に係合する。
そして、第4気筒1の排気行程が終了した後、前記第5操作装置130のピン部132の位置に第4カム要素部20の後方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部132が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら該第4カム要素部20を前方へ押し、これを第1位置へスライドさせる。
このとき、第3、第4カム要素部20、20間では、図20(a)で符号(オ)で示すように、第4操作装置130のピン部132は、第3カム要素部20の後方の端面カム23のリフト終了位置fを過ぎて、もはやこの端面カム23のリフト部23dを指向しなくなるが、次にスライドしてきた第4カム要素部20の端面カム23のリフト部23dの一部がピン部132の指向方向に入ってくるため、第4操作装置130の電磁式アクチュエータへ誤って通電されたとしても、この端面カム23のリフト部23dの外周面によって、ピン部132は突出が規制され、作動位置まで移動することはない。さらにその後、ピン部132が第4カム要素部20の端面カム23のリフト部23dを指向しなくなると、第4操作装置130は作動位置への移動が可能となる。
また、このとき、第3操作装置130のピン部132は既に第2、第3カム要素部20、20の対向する端面カム23、23の間に突入されているから、カムシャフト2の回転に従い、該ピン部132は第2カム要素部20の後方の端面カム23のリフト部23dに摺接しながら該第2カム要素部20を前方へ押し、これを第1位置へスライドさせる。
また、この第2カム要素部20のスライドとほぼ並行して、第1操作装置130のピン部132が、第2位置にある第1カム要素部20の前方の端面カム23の基準面23cを指向する期間に、該端面カム23の対面位置に突出する。
さらに、前記第3操作装置130のピン部132の位置に前記第2カム要素部20の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第1気筒1の排気行程が終了すると、該第1操作装置130のピン部132の位置に第1カム要素部20の前方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、カムシャフト2の回転に従い、前記ピン部132が該端面カム23のリフト部23dに摺接しながら該第1カム要素部20を後方へ押し、これを第1位置へスライドさせる。
これにより、第1〜第4カム要素部20〜20は全て第2位置から第1位置へ移動し、図15に示すように、第1〜第4カム要素部20〜20の両端の作動部22、22における第1カム部22、22がロッカアームC、CのカムフォロワC’、C’に対応位置する状態に戻ることになる。
以上のように、この第2実施形態によれば、4つの気筒1〜1にそれぞれ備えられた4つのカム要素部20〜20が5つの操作装置130〜30により操作され、排気弁A…Aを開閉させるカム部が、リフト量の小さな第1カム部22…22とリフト量の大きな第2カム部22…22との間で切り換えられる。
また、第2実施形態の場合、図15の符号ア、イで示すように、隣接するカム要素部20〜20が近接したときに、対向する端面カム23、23のリフト部23d、23dが軸方向にオーバラップするようになっているから、これらの端面カム23、23に係合する第2〜第4操作装置130〜130のピン部132…132は、その径を大きくすることなく、近接していた2つのカム要素部20〜20を互いに離間させる方向にスライドさせることができ、該ピン部132…132の小型化が図れると共に、動作の応答性が向上することになる。さらに、隣接するカム要素部20〜20は、近接したときにより近づくようにレイアウトされることになり、カムシャフト2の軸方向のコンパクト化が一層促進されることになる。
以上の第1実施形態および第2実施形態によれば、カムのリフト量を切り換えるために、従来の各カム要素部ごとに2つずつ操作装置を備える場合に比べて、操作装置の個数が削減されると共に、気筒間寸法の増大ひいてはエンジンの大型化が抑制され、また、各気筒における2個の排気弁の弁間寸法に余裕が生じ、排気ポートの燃焼室への開口面積を大きくすることが可能となる。
また、以上の説明は、排気側のカムシャフト2についてのものであるが、吸気側のカムシャフトについても全く同様に構成することができ、前記の作用効果が吸気側についても得られる。
なお、これら実施形態の規制部51b、151bは、戻しカム50、150の先端部51に設ける範囲をさらに短くしてもよい。この場合も少なくとも、ピン部32、132がスロープ部51a、151aによって押し戻された直後に跳ね返って作動位置に突出するのを防止できる。他の方法で操作装置30〜30、130〜130の誤作動を防止する場合には、この規制部51b、151bは設けなくてもよい。
また、これら実施形態は、全カム要素部20〜20の両端面に同様の構成が設けられているが、各カム要素部20〜20の端面ごとに第1実施形態と第2実施形態の構成を適宜組み合わせて設けてもよい。例えば、第1実施形態に係る動弁装置において、第1および第5操作装置30、30を第2実施形態の第1および第5操作装置130、130に変更すると共に、これら操作装置30、30に対応する第1および第4カム要素部20、20の戻しカム50を第2実施形態の戻しカム150に変更した構成としてもよい。
さらに、本発明は、上述の実施形態に示す4気筒、4弁式DOHCエンジンに限らず、直列6気筒エンジン、V型多気筒エンジン、4気筒2弁式DOHCエンジン、単気筒SOHCエンジン、多気筒SOHCエンジンなどを含め、気筒数および動弁形式が異なる各種のエンジンに適用可能である。
以上のように、本発明によれば、車両用等のエンジンの動弁装置において、部品点数を削減すると共に、カムの切り換えを瞬時に連続して行いながら、カム軸方向のコンパクト化を図ることができるので、この種のエンジンの製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
2 カムシャフト
10 軸部
20〜20 カム要素部
22、22 第1、第2カム部
23 端面カム
32、132 操作部材(ピン部)
51a スロープ部
51b 規制部
23c 非作動範囲(基準面)
23d 作動範囲(リフト部)
34 先端小径部(小径部)
35 後方大径部(大径部)

Claims (4)

  1. カムシャフトが、軸部と、該軸部に該軸部と一体回転しかつ軸方向に移動可能に嵌合されたカム要素部とでなり、該カム要素部に、1つの弁について共通のベースサークルを有し、かつノーズ部の形状が異なる複数のカム部が隣接して設けられ、該カム要素部を前記軸部上で軸方向に移動させることにより弁を開閉させるカム部を切り換え可能としたエンジンの動弁装置であって、
    前記カム要素部は1つの前記軸部に少なくとも2つ備えられ、
    前記カム要素部は、その軸方向の両端部に端面カムをそれぞれ備え、
    隣接する2つの前記カム要素部の互いに対向する端面に作動範囲の位相を異ならせてこれらの端面カムはそれぞれ設けられていると共に、
    両カム要素部の近接時に前記端面カムの対向面間に突入してこれらの端面カムに係合することにより、前記両カム要素部を互いに離間させる作動位置と、前記端面カムの対向面間から退避した不作動位置とに移動する操作部材を備え、
    さらに一方の前記カム要素部は、前記操作部材が作動位置にある状態で前記操作部材に設けた当接部に摺接することにより、そのカム要素部の前記端面カムによる移動が終了したのちに前記操作部材を不作動位置に強制移動させるスロープ部を備え、
    他方の前記カム要素部は、前記両カム要素部の近接時に、そのカム要素部の前記端面カムと前記スロープ部が軸方向に少なくとも一部重複するように構成された
    ことを特徴とするエンジンの動弁装置。
  2. 前記両カム要素部は、前記両カム要素部の近接時に、前記両カム要素部の前記端面カムが軸方向に少なくとも一部重複するように構成された
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  3. さらに前記カム要素部は、前記スロープ部と連続して形成された前記操作部材の突入を規制する規制部を備える
    ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のエンジンの動弁装置。
  4. 前記スロープ部は、前記カム要素部と別体の部品であって前記カム要素部に一体化されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエンジンの動弁装置。
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