JP5906740B2 - Rna抽出用溶液 - Google Patents

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Description

本発明は、生物試料から実質的に純粋なRNAを抽出するための溶液に関する。
DNAに書き込まれた遺伝情報は多種多様な組み合わせでRNAに転写され、生物は複雑な表現型を示している。RNAは種類、発現量をもって生物の表現型に寄与していることが明らかとなっており、遺伝子発現分析のためには、様々な生物材料からRNAを純度高く抽出することが重要である。この目標を達成するために、これまで多くのRNA抽出方法が開発されている。頻繁に使用されているRNAの単離方法は、フェノール抽出、カオトロピック塩溶液からの沈殿、及びシリカメンブレンへの吸着などがある。
特許文献1には、RNAの抽出を目的とする、2〜5Mのグアニジンと40〜60%のフェノールを含む溶液が開示されている。この溶液を用いることにより、それ以前は超遠心機を使用し2日以上を要した作業を3時間で効率的にRNA抽出を行えるようになった。この方法は、シングルステップ方法と称されている。
特許文献2には、上記の特許文献1に記載されている方法をさらに改良したものとして、RNAとDNAとタンパク質とを含む試料から、これら各成分を同時に抽出して分離するための抽出溶液が開示されている。具体的には、0.5〜2Mのグアニジンを含む濃度30〜50%のフェノール溶液を用いてRNAを水層に抽出して分離することが記載されている。
特許文献1及び2に記載の溶液は、その組成は異なるが、いずれも各溶液を用いて同様の操作でRNAを抽出することができる。即ち、各溶液で生物組織をホモジナイズし、クロロホルムなどの疎水性有機溶媒を用いて、そのホモジェネートを遠心して層分離する。遠心分離後、RNAを含む最上部の水層を回収し、アルコールを用いてRNAを沈殿させ、洗浄することで、RNAを抽出することができる。
しかし、特許文献1及び2に記載の溶液及び方法を用いて単離されたRNAには、逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ(RT−PCR)により検出され得る程度の量のゲノムDNAがなお混入(残存)しているため、例えばRT−PCRの場合にRNAの定量性を失わせる等の問題がある(特許文献3、例えば段落0005)。従って、これらの方法によって単離されたRNAは、混入するDNAを除くためにさらに精製されなければならない。
抽出したRNAサンプル中に不純物として混入しているDNAを除去するための一般的な1つの方法は、RNAサンプルをデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)で処理することである。しかし、DNaseによる処理は、液層で行う場合には処理後にDNaseを除くために再度フェノール/クロロホルム抽出やタンパク質の変性を行わなければならない。また、シリカメンブレンカラムを組み合わせて抽出する場合には、カラムの洗浄作業を重ねて行う必要がある。このDNaseによる処理によりDNAの混入は減少するが、これらの手間が増加し、さらにRNAのロスが生じてRNAの抽出量が減少してしまうという問題がある。
特許文献3には、DNase処理を行うことなくRNAサンプルへのDNAの混入を避ける方法として、pH4未満においてRNA抽出試薬を用いる方法が報告されている。しかし、核酸は酸性下で脱プリン化され、分解してしまうことが一般によく知られており、実質的に分解されていないRNAを単離することは困難である。また、酸性下におけるDNAの水層/有機層への溶解平衡は有機層に分配されるように偏ることから、pH4未満においてRNA抽出試薬を用いることにより、水相へのゲノムDNAの混入抑制効果はある程度期待できるが、塩基数の小さいDNA断片の混入を完全に抑制することは不可能である。
米国特許第4843155号 特開平5−344886号公報 特表2007−532140号公報
以上のように、生物試料からRNAを抽出するための従来の溶液では、定量性が求められるような場合に、DNAが混入していない実質的に純粋なRNAを抽出することができなかったという課題があった。そして、混入したDNAを除くために、DNase処理などの付加工程が必要であった。本発明は、これらの課題を解決しようとするものであって、生物試料から実質的に純粋なRNAを抽出するための溶液を提供する。
本発明者らは、今回、従来のRNA抽出用溶液の組成について検討し、特にフェノール濃度がDNAの混入を防ぐ効果に関係することを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のものを提供する。
[1]RNAと、少なくともDNAを含む生物試料からRNAを抽出するための溶液であって、
(a)溶液の総量に対して53容量%以上のフェノール、
(b)溶液の総量に対して3〜10容量%の多価アルコール、
(c)溶液の総量に対して0.5〜2.0M濃度のグアニジニウム塩、
(d)溶液の総量に対して0.1〜0.5M濃度のチオシアン酸塩、及び
(e)溶液のpHを4〜6に維持するための緩衝剤、
を含む溶液。
[2]フェノール濃度が、溶液の総量に対して55〜65容量%である、[1]に記載の溶液。
[3]水層を分離するための有機溶媒をさらに含む、[1]又は[2]に記載の溶液。
[4]生物試料が培養細胞の培養液である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の溶液。
[5]生物試料が生物の体液成分である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の溶液。
[6]生物試料が生物の血液成分である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の溶液。
[7] RNAと少なくともDNAを含む生物試料を、
(a)溶液の総量に対して53容量%以上のフェノール、
(b)溶液の総量に対して3〜10容量%の多価アルコール、
(c)溶液の総量に対して0.5〜2.0M濃度のグアニジニウム塩、
(d)溶液の総量に対して0.1〜0.5M濃度のチオシアン酸塩、及び
(e)溶液のpHを4〜6に維持するための緩衝剤、
を含む溶液と共にホモジェナイズする工程と、
得られたホモジェネートを、水層を分離するための有機溶媒と混合する工程と、
得られた混合物を遠心分離する工程と、
遠心分離により生成した、RNA含有水層を回収する工程と、
を含む、前記生物試料からRNAを抽出する方法。
[8] RNAと少なくともDNAを含む生物試料を、
(a)溶液の総量に対して53容量%以上のフェノール、
(b)溶液の総量に対して3〜10容量%の多価アルコール、
(c)溶液の総量に対して0.5〜2.0M濃度のグアニジニウム塩、
(d)溶液の総量に対して0.1〜0.5M濃度のチオシアン酸塩、及び
(e)溶液のpHを4〜6に維持するための緩衝剤、
(f)水層を分離するための有機溶媒、
を含む溶液と共にホモジェナイズする工程と、
得られたホモジェネートを遠心分離する工程と、
遠心分離により生成した、RNA含有水層を回収する工程と、
を含む、前記生物試料からRNAを抽出する方法。
[9] フェノール濃度が、(a)〜(e)の溶液の総量に対して55〜65容量%である、請求項7又は8に記載の方法。
本発明の溶液を用いることにより、生物試料から、DNAの混入がない実質的に純粋なRNAを簡便に抽出することができるようになる。また、本発明によれば、回収ロスの原因となりうるDNase処理などの付加処理を必要とせずに、定量性が求められる用途においてもそのまま用いることができるような純度のRNAを得ることが可能となる。特に、生物試料のうち、RNA分解酵素やその他の夾雑物が非常に多く含まれている血液等の体液においても、目的とするRNAを高純度で抽出することが可能である。
図1は、実施例1において、本発明の溶液を用いて血清から抽出した核酸の電気泳動図である。 図2は、比較例1において、特許文献2に記載の溶液を用いて血清から抽出した核酸の電気泳動図である。 図3は、比較例2において、特許文献1に記載の溶液を用いて血清から抽出した核酸の電気泳動図である。 図4は、実施例2〜5において、本発明の溶液を用いて血清から抽出した核酸の電気泳動図である。 図5は、実施例6〜12において、本発明の溶液を用いて血清から抽出した核酸の電気泳動図である。 図6は、実施例13、比較例3において、本発明の溶液、特許文献3に記載の溶液を用いて血清から抽出した核酸の電気泳動図である。 図7は、実施例14において、本発明の溶液を用いて培養細胞から抽出した核酸の電気泳動図である。 図8は、実施例15、16において、本発明の溶液を用いて血清から抽出した核酸の電気泳動図である。 図9は、比較例4において、特許文献3に記載の溶液を用いて血清から抽出した核酸の電気泳動図である。 図10は、実施例17、18において、本発明の溶液を用いて血清から抽出した核酸の電気泳動図である。
本発明は、生物試料からRNAを抽出するための溶液であって、次の(a)〜(e)をその成分として含む。
(a)溶液の総量に対して53容量%以上のフェノール、
(b)溶液の総量に対して3〜10容量%(3容量%以上10容量%以下)の多価アルコール、
(c)溶液の総量に対して0.5〜2.0M(0.5M以上2.0M以下)濃度のグアニジニウム塩、
(d)溶液の総量に対して0.1〜0.5M(0.1M以上0.5M以下)濃度のチオシアン酸塩、及び
(e)溶液のpHを4〜6に維持するための緩衝剤。
本発明で用いる生物試料は、RNAと、少なくともDNAを含むものである。また、本発明の溶液を用いることにより、上記生物試料から実質的に純粋なRNAを抽出することができる。ここで、「実質的に純粋なRNA」とは、生物試料に当初含まれていたDNAが分離されて、実質的にその混入のないRNAを意味する。RNAが実質的に純粋かどうかは、電気泳動によりDNAが検出されるか否かにより判断することができる。例えば、アジレント・テクノロジー株式会社製「Agilent RNA6000ピコキット」(型番5067−1513)は推奨50pg/μL〜5000pg/μLの核酸を検出することができるので、これを用いてDNAの混入の有無を評価することができる。具体的には、抽出した核酸をRNase処理してから「Agilent RNA6000ピコキット」を用いて電気泳動した場合に、ピークが検出されないときは十分にDNAの混入が抑制されており、実質的に純粋なRNAが得られていると判断することができる。また、混入したDNA量を定量PCRにより分析することで、RNAの純度を評価することができる。例えば、リアルタイムPCR装置と「SYBR Green」(蛍光色素)を用いると、60pgの2本鎖DNAを検出することができるので、これを用いて評価することができる。具体的には、プライマーとDNA合成酵素と「SYBR Green」を含むPCR反応溶液に、抽出した核酸を加えてPCR増幅を行い、予め作成した検量線と比較することにより、混入したDNA量を定量的に分析することができる。
本発明において、溶液の総量とは、上記(a)〜(e)の全てを含む溶液の全容量を意味する。例えば、溶液の総量に対して50容量%超過のフェノールとは、全成分を混合させた後の溶液1L中に、500mLを超過するフェノールを含んでいることを意味する。また、例えば、溶液の総量に対して0.5〜2.0M濃度のグアニジニウム塩とは、溶液の終濃度が0.5M以上2.0M以下であること、すなわち各成分を全て混合させた後の溶液1L中に、0.5mol以上2mol以下のグアニジニウム塩が含まれていることを意味する。
本発明の溶液は、(a)溶液の総量に対して53容量%以上のフェノールを含む。フェノール濃度を従来技術と異なる53容量%以上にすると、RNAが抽出される水層に、不純物としてのDNAの混入が減少する効果のあることが明らかになった。本発明の溶液は、例えば、54容量%以上又は55容量%以上のフェノールを含む。好ましくは55容量%以上のフェノールを含む。また、フェノールの濃度は、本発明の溶液の他の成分である(b)の多価アルコール、(c)の0.5〜2.0Mグアニジニウム塩、(d)の0.1〜0.5Mチオシアン酸塩を各所定濃度において均一に混和した状態で本発明の溶液を調製する都合から、75容量%以下であることが好ましく、またフェノールが酸化されることによる影響を減らすため、フェノールの濃度は65容量%以下であることがより好ましい。好ましいフェノール濃度の範囲は、これらの上限と下限を任意に組み合わせた範囲であるが、好ましくは53容量%以上65容量%以下、特に好ましくは55容量%以上65容量%以下である。
本発明の溶液は、(b)溶液の総量に対して3〜10容量%の多価アルコールを含む。本発明における多価アルコールは、複数の水酸基を有する脂肪族アルコールであって、本発明の溶液中の(a)のフェノール成分及び(c)や(d)の水溶液を混和して均一な溶液として維持することができるものを用いることができる。多価アルコールとしては、2〜4個の水酸基を有する炭素数2〜6個の脂肪族アルコールが好ましい。例えば、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エリスリトールなどが挙げられ、グリセロールがより好ましい。多価アルコールは、本発明の溶液を均一な溶液として維持し、フェノール成分が過度に水層に分配されないように、本発明の溶液の総量に対して3〜10容量%を用いることができる。
本発明の溶液は、(c)溶液の総量に対して0.5〜2.0M濃度のグアニジニウム塩を含む。グアニジニウム塩としては、具体的にはチオシアン酸グアニジニウムや塩酸グアニジニウムが好ましい。グアニジニウム塩は、RNAを分解から保護し、水性の溶液中でフェノールを溶液状態に維持する効果がある。
本発明の溶液は、(d)溶液の総量に対して0.1〜0.5M濃度のチオシアン酸塩を含む。チオシアン酸塩としては、チオシアン酸の無機塩が好ましく用いることができ、より好ましくはチオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸ナトリウムを用いることができる。また、複数の異なるチオシアン酸の無機塩の混合物であってもよく、例えばチオシアン酸アンモニウムとチオシアン酸ナトリウムとの混合物を好ましく用いることができる。チオシアン酸塩は、生物試料からのRNAの抽出を増強すると考えられている。なお、本発明の溶液がチオシアン酸グアニジニウムを含む場合、該チオシアン酸グアニジニウムの濃度は、上記したグアニジニウム塩の濃度に含め、チオシアン酸塩の濃度には含めない。
本発明の溶液は、(e)溶液のpHを4〜6に維持するための緩衝剤を含む。緩衝剤としては、pHを所望の範囲に維持するために通常用いられる緩衝性を示す有機塩や無機塩を使用することができる。具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム又はアンモニウムの、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フタル酸塩、酒石酸塩又は乳酸塩などの有機塩及び無機塩が含まれる。これらの組合せの中でも、酢酸ナトリウムやクエン酸ナトリウムがより好ましく用いられる。また、これらの複数の有機塩や無機塩を組み合わせて用いてもよい。この緩衝剤の濃度は、本発明の溶液を目的とするpH4〜6に維持するために十分であれば特に限定されないが、本発明の溶液の総量に対して0.02〜0.2Mの濃度となることが好ましい。本発明の溶液のpHを調整するために、緩衝剤に加えて、適当な酸又はアルカリ水溶液、例えば塩酸や水酸化ナトリウム溶液を適宜添加してもよい。
本発明の溶液には、生物試料中のタンパク質を変性させて目的とするRNAの精製を補助するために、ポリオキシエチレンソルビタン、ドデシル硫酸ナトリウム、サルコシンなどの界面活性剤が含まれてもよい。また、本発明の溶液には、フェノールの酸化を防止するために、ヒンダードアミンフェノール、キノリンなどの酸化防止剤が含まれてもよい。
本発明の溶液は、例えば、生物試料が液体状態の場合、目的のRNAを抽出するときには、その1倍容量以上、好ましくは3倍容量以上を用いることができる。
本発明の溶液を用いて目的のRNAを抽出する手順の例を以下に示す。まず、生物試料を本発明の溶液中でホモジナイズしてホモジェネートを形成させる。ホモジナイズの方法は特に限定はないが、ボルテックスなどによる攪拌、注射針による破砕のほか、一般的なホモジナイザーを使用することができる。次に、水層を分離するための有機溶媒をこのホモジェネートに加えたのち、これを遠心分離する。ここで加える有機溶媒は、好ましくは、ホモジェネートの2容量%〜40容量%程度を用いる。また遠心分離は、通常、6,000xG〜20,000xGで3分間〜30分間、例えば、速度12,000xGの条件で室温10分間行うことができるが、液層が分離すればよく、速度、温度、時間に特に制限はない。遠心分離すると、目的とする実質的に純粋なRNAは水層に抽出される。一方、DNAやタンパク質等は有機層に、又は中間層が生じた場合は有機層及び中間層に分離される。
水層を分離するための有機溶媒とは、本発明の溶液を用いて抽出された目的のRNAが含まれる水層と、DNA等が含まれる有機層及び/又は中間層(生じた場合)とに分離するために用いる液体の有機化合物である。この有機溶媒としては、親水性の度合いがフェノールと同じか、より疎水性であるものを用いることができる。例えば、親水性を示す指標して一般に用いられる水/オクタノール分配係数CLogPの値が1.4(フェノールのCLogP値)以上の有機化合物であれば使用することができ、CLogPの値が1.4〜5の範囲のものを好ましく用いることができる。ここで、CLogP値は、例えば「Chem Draw」(登録商標)等のプログラムを用いて推算値を求めることができる。本発明において用いる有機溶媒としては、例えば、クロロホルム(1.952)、p−ブロモアニソール(3.064)、1−ブロモ−3−クロロプロパン(1.847)、4−ブロモベラトロール(2.7345)、6−ブロモ−1,4−ベンゾジオキサン(3.0005)、1−ブロモ−4−トリフルオロメトキシベンゼン(4.173)、1−ブロモ−2,4−ジメトキシベンゼン(2.8545)、4−フルオロアニソール(2.344)、4−ブロモトルエン(3.504)、4−ブロモ酪酸エチル(1.772)などが挙げられるが、これに限らない。ここで、上記の各有機溶媒の()中の数値は「Chem Draw」で求められたCLogPの値である。
上記の水層を分離するための有機溶媒は、上記のように(a)〜(e)を含む本発明の溶液を用いて形成させてホモジェネートに添加して用いることができるが、上記(a)〜(e)を含む本発明の溶液に予め含まれていてもよい。従来のフェノール濃度が50%以下の溶液の場合は、この有機溶媒を予め含めようとすると生物試料と混和するまえに溶液が水層と有機層の2層に分離してしまうため抽出溶液として使用困難であったが、本発明の溶液のフェノール濃度においては有機溶媒が本発明の溶液に均一に混和し、単一の溶液として保存可能である。この有機溶媒を予め含有する本発明の溶液は、生物試料を加えてホモジナイズしてホモジェネートとしたあと、直ちに遠心分離することでRNAを含む水層を分離させることができる。従って、有機溶媒をホモジェネートに後から加える場合に比べ、手順を非常に単純化することができるので、好ましい。
水層を分離するための有機溶媒が上記(a)〜(e)を含む本発明の溶液に予め含まれる場合の当該有機溶媒の含有量は、加える有機溶媒の種類と溶液のフェノール濃度にあわせて、有機溶媒が本発明の溶液中で均一に混和する範囲で選定することができる。例えば、本発明の溶液のフェノール濃度が65%であるときに有機溶媒としてクロロホルムを選択する場合には、上記(a)〜(e)を含む溶液の総量100%に対し27容量%までの任意の容量を含むことが好ましい。具体的には、上記(a)〜(e)を含む溶液100mLにクロロホルムを27mLまでの任意の容量を加えることが好ましい。上記(a)〜(e)を含む溶液の総量100%に対し、より好ましくは5〜25容量%、さらに好ましくは10〜20容量%のクロロホルムを含む。また、フェノール濃度が58%であるときには、クロロホルムは上記(a)〜(e)を含む溶液の総量100%に対し14%までの任意の容量を含むことが好ましく、より好ましくは6〜13容量%、さらに好ましくは8〜12容量%を含む。また、溶液のフェノール濃度が65%であるときに有機溶媒としてp−ブロモアニソールを選択する場合には、上記(a)〜(e)を含む溶液の総量100%に対し22容量%までの任意の容量を含むことが好ましく、より好ましくは5〜20容量%、さらに好ましくは10〜18容量%を含む。また、同様にフェノール濃度が58%であるときには、p−ブロモアニソールは上記(a)〜(e)を含む溶液の総量100%に対し13容量%までの任意の容量を含むことが好ましく、より好ましくは3〜11容量%、より好ましくは5〜9容量%を含む。
本発明の溶液を用いて水層に抽出されたRNAをさらに精製、濃縮するために、RNAが含まれる水層に低級アルコールを加えてRNAを沈澱させ、沈澱したRNAを回収することができる。あるいは、RNAが含まれる水層に低級アルコールを加えて沈澱させたRNAを、RNAを吸着しうる担体、例えばシリカメンブレンカラムに吸着させたあと、担体(カラム)から溶出して回収しても良い。ここで用いる低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられる。その濃度は、一般的な核酸のエタノール沈殿、イソプロパノール沈殿の手法又はシリカメンブレンカラム等の担体のメーカー推奨濃度に準じて決めることができる。
本発明の溶液は、上記の(a)〜(e)を各濃度となるように混和することで製造することができる。その混和の手順としては特に制限はない。溶液の組成によっては、予め高濃度の各溶液を調製してからそれらを混和することもできる。例えば、6Mのチオシアン酸グアニジン水溶液、6Mのチオシアン酸アンモニウム水溶液、1Mの酢酸ナトリウムを予め準備し、目的の濃度に混和してから、さらにグリセロール、フェノールと不足分の水を加えて調製することができる。水層を分離するための有機溶媒が上記(a)〜(e)を含む溶液に予め含まれる本発明の溶液も、同様にして、(a)〜(e)及び当該有機溶媒が所望の濃度となるように混和することで製造することができる。
本発明において用いる生物試料は、RNAと、少なくともDNAを含むものであれば、特に制限はない。例えば、目的とするRNAから分離したい不純物成分として、DNAのほかにタンパク質を含むものであってもよい。具体的には、培養細胞、培養細胞の培養液、手術切片や生検サンプル等の生体組織、生体細胞、血液、血液成分(血清、血漿)、尿、唾液、涙等の体液などが挙げられるが、これらに限られず、RNAの含まれる任意の試料を使用し得る。これらの生物試料に本発明の溶液を適用する場合には、生物試料が体液等の液体試料である場合には、採取後そのまま本発明の溶液と混和してもよいし、PBSや水で希釈してから本発明の溶液と混和してもよい。生物試料が細胞ペレットや組織片である場合には、採取後そのまま本発明の溶液と混和してもよいし、PBSや水で希釈してから本発明の溶液と混和してもよいが、RNAの分解を避けるため、希釈する場合にはより好ましくは生物試料のホモジェネートを作成してから水やPBSで希釈することが好ましい。
生物試料のうち体液、特に血液には、RNAの分解酵素やその他の夾雑物が非常に多く含まれていることがあり、その場合に従来の方法では実質的に純粋なRNAを抽出することが非常に困難であった。本発明の溶液は、フェノールを53容量%以上にすることにより、タンパク質などの夾雑物を効果的に有機層に抽出することができるため、目的とするRNAを純度高く得ることが可能である。また、遠心分離後に出現する中間層が減少し、明確な層分離が可能となるので、目的とするRNAの含まれる水層の分離が容易である。
本発明の溶液を用いて抽出するRNAは、複数のリボヌクレオチドがホスホジエステル結合したリボ核酸であって、その分子量、塩基数や由来によって限定されない。一般に、RNAは、機能分類上、mRNA(メッセンジャーRNA)、tRNA(トランスファーRNA)、rRNA(リボソームRNA)、ncRNA(ノンコーディングRNA)、snRNA(核内低分子RNA)、snoRNA(核小体低分子RNA)、等多くの種類に分類されているが、化学構造的には分子量(塩基数)以外に差は知られておらず、いずれも本発明におけるRNAに含まれる。一般にsmall RNAと呼ばれる塩基数が15〜500塩基程度のRNAや、一般に塩基数が18〜25塩基程度のmiRNA(マイクロRNA)も本発明におけるRNAに含まれる。
一般に、RNAとDNAとの一次化学構造の主な差異は、構成糖であるリボース2’−位の水酸基(−OH)の有無であり、それぞれ塩基数が小さくなるほどRNAとDNAとの構造的な差異が小さくなるため、両者を抽出により分離することが難しくなる。しかし、本発明の溶液を用いれば、small RNAといった塩基数の比較的小さいRNAについても、純度高く抽出することが可能である。
通常、DNAとRNAとが混在している状態では吸光光度計又は発光光度計を用いてそれぞれを区別して定量することは困難であるが、本発明の溶液を用いることで実質的に純粋なRNAを得ることができるので、これらを用いたRNAの定量が可能となる。また、本発明の溶液を用いることで、qRT−PCRやマイクロアレイを使用したRNAの解析において、DNaseによる処理を必要とせず、DNAの混在するによるノイズがない状態で簡便に解析することができる。
本発明は、以下の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されないものとする。
<実施例1>
(1)RNA抽出用溶液の調製
溶液の各成分の終濃度が以下になるように、それぞれを混合してRNA抽出用の溶液を調製した。
・58容量%フェノール
・5容量%グリセロール
・0.8Mチオシアン酸グアニジニウム(水溶液にて混合)
・0.4Mチオシアン酸アンモニウム(水溶液にて混合)
・0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(水溶液にて混合)、pHが5になるように調整。
(2)生物試料からのRNA抽出
RNAと、DNA及びタンパク質を含む生物試料として血清を用いてRNA抽出を行った。上記(1)で調製した溶液900μLと血清300μLをボルテックスで混和し、ホモジナイズした。ホモジェネートに60μLのp−ブロモアニソールを加えて混和し、室温で12,000xGで10分間遠心した。遠心により、RNAを含有する水層と、DNA及びタンパク質を含有する有機層と中間層が形成された。このうち、水層400μLを別のチューブに分離した。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
(2)で分離したRNAを含む水層に1.5倍容量の100%エタノールを加え、核酸の精製カラムである「miRNeasy mini kit」(株式会社キアゲン製)の「RNeasy Mini Spin Column」に700μL加え、8000xGで15秒遠心してカラムに核酸を吸着させ、カラムを通過した液は廃棄した。エタノール混和RNAサンプルがなくなるまで同作業を繰り返し、水層に含まれていた核酸をすべてカラムに吸着させた。その後「miRNeasy mini kit」のプロトコルに従い、Buffer RWT 700μL、Buffer RPE 500μLで2回カラムを洗浄し、カラムを乾燥させた後、30μLのRNase−free水で溶出し、精製、濃縮したRNAサンプルを得た。
(3b)水層からのRNAの精製、濃縮−RNase処理有り−
抽出された核酸がRNAであることを確認するために、(2)で分離したサンプルに対してRNase処理を行った。(2)で分離したRNAを含む水層に1.5倍容量の100%エタノールを加え、(3a)と同様に核酸をカラムに吸着させた。Buffer RWT 350μLで洗浄した後、希釈したRNaseを加えてカラムに吸着した核酸をRNase処理し、Buffer RWT 350μL、Buffer RPE 500μLで2回カラムを洗浄して、カラムを乾燥させた後、30μLのRNase−free水で溶出し、精製、濃縮したRNAサンプルを得た。
(4)電気泳動による純度評価
(3a)、(3b)で得た各RNAサンプル1μLを70℃で2分熱変性したあと、急冷した。アジレント・テクノロジー株式会社製「Agilent RNA6000ピコキット」(型番5067−1513)を用いて、電気泳動を行った。その結果を図1に示した。また、「Bioanalyzer 2100」のSmear Analysis機能により、25−500ntのピークエリアの面積を算出してピークのサイズと検出された核酸量(濃度)を確認した。
(3a)の酵素処理なしサンプルでは、200baseより小さいサイズのピークが1本のみ確認された(レーン1)。また、このときに算出された核酸量は816pg/μLであった。一方、(3b)のRNase処理したサンプルの電気泳動パターンを確認すると、ピークは全く検出されなかった(レーン2)。また、このときの核酸量は61pg/μLと算出された。血清の代わりに核酸を含まないPBSを用いて実施例1と同様に操作して検出系のノイズを確認する(レーン3:BLANK)と、このときの核酸量は63pg/μLであったことから、レーン2で算出された核酸量はノイズであると考えられた。以上のことから、抽出された核酸はDNAを含まないRNAのみであったことが確認された。なお、別途合成した22〜25塩基のRNAを電気泳動して得られた泳動距離と本実施例で得られたピークの泳動距離は同等であったことから、レーン1で確認されたRNAは22〜25塩基であると考えられた。
以上の結果を表1にまとめた。
<比較例1>
(1)RNA抽出用溶液の調製
溶液の終濃度は、フェノール濃度を50容量%とし、これ以外は実施例1と同じ組成になるように調製して、特許文献2に記載の溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(3b)水層からのRNAの精製、濃縮−RNase処理有り−
実施例1と同様に行った。
(3c)水層からのRNAの精製、濃縮−DNase処理有り−
実施例1の(3b)において、RNAを含む水層を(3b)のRNaseに代えてDNaseで処理して精製、濃縮したサンプルを得た。以上のほかは、実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図2に示した。
酵素処理していないサンプルからは2本の強いピーク(塩基数が200塩基と500塩基付近)と1本の弱いピーク(実施例1と同塩基数)が検出された(レーン1)。RNase処理有りサンプルでは、200塩基と500塩基のピークにはほとんど変化がなかったことから、2本のピークはRNAではないことが明らかとなった(レーン2)。一方、レーン1で見られた、1本の弱いピークは消失したことから、実施例1と同様にこのピークはRNAであったことが確認された。DNase処理したサンプルでは、2本の強いピークが消失し、非常に短く分解された断片が検出された(レーン3)ことから、この2本の強いピークは、混入したDNA断片であったことがわかった。
以上のように、フェノール濃度が50容量%の溶液を用いた場合は、DNAの混入が確認され、純粋なRNAが抽出されなかった。
以上の結果を表3にまとめた。
<比較例2>
(1)RNA抽出用溶液の調製
フェノール濃度が60容量%である以外は、特許文献1に記載の抽出用溶液と同様の溶液を調製した。即ち、終濃度が60容量%フェノール、2Mチオシアン酸グアニジニウム、0.1M酢酸ナトリウム、0.2容量%2−メルカプトエタノールとし、pHは4とした。
(2)生物試料からのRNA抽出
実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図3に示した。
比較例1と同様の3本のピークが確認された。このことから、DNA断片が混入していることが確認された。
以上の結果を表3にまとめた。
<実施例2>
(1)RNA抽出用溶液の調製
溶液の終濃度は、フェノール濃度を55容量%とし、これ以外は実施例1と同じ組成になるように溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(3b)水層からのRNAの精製、濃縮−RNase処理有り−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図4に示した。
実施例1と同様のピークが検出され(レーン1)、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された。RNase処理を行ったサンプル(レーン5;RNase(+))ではBLANKと同レベルまで減少していることから、抽出された核酸がRNAのみであることが確認できた。
以上の結果を表1にまとめた。
<実施例3>
(1)RNA抽出用溶液の調製
溶液の終濃度は、フェノール濃度を65容量%とし、これ以外は実施例1と同じ組成になるように溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図4のレーン2に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された。
以上の結果を表1にまとめた。
<実施例4>
(1)RNA抽出用溶液の調製
溶液の終濃度は、フェノール濃度を53容量%とし、これ以外は実施例1と同じ組成になるように溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図4のレーン3に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された。
以上の結果を表1にまとめた。
<実施例5>
(1)RNA抽出用溶液の調製
実施例1と同じ組成の溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
ホモジェネートに60μLのp−ブロモアニソールを加える代わりに、240μLのクロロホルムを加え、これ以外は実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を、図4のレーン4に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された。
以上の結果を表1にまとめた。
<実施例6>
(1)RNA抽出用溶液の調製
実施例1と同じ組成の溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
ホモジェネートに60μLのp−ブロモアニソールを加える代わりに、100μLの4−ブロモベラトロールを加え、これ以外は実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図5のレーン1に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された。
以上の結果を表1にまとめた。
<実施例7>
(1)RNA抽出用溶液の調製
実施例1と同じ組成の溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
ホモジェネートに60μLのp−ブロモアニソールを加える代わりに、100μLの6−ブロモ−1,4−ベンゾジオキサンを加え、これ以外は実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図5のレーン2に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された。
以上の結果を表1にまとめた。
<実施例8>
(1)RNA抽出用溶液の調製
実施例1と同じ組成の溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
ホモジェネートに60μLのp−ブロモアニソールを加える代わりに、100μLの1−ブロモ−4−トリフルオロメトキシベンゼンを加え、これ以外は実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図5のレーン3に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された。
以上の結果を表1にまとめた。
<実施例9>
(1)RNA抽出用溶液の調製
実施例1と同じ組成の溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
ホモジェネートに60μLのp−ブロモアニソールを加える代わりに、100μLの1−ブロモ−2,4,−ジメトキシベンゼンを加え、これ以外は実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図5のレーン4に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された。
以上の結果を表1にまとめた。
<実施例10>
(1)RNA抽出用溶液の調製
実施例1と同じ組成の溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
ホモジェネートに60μLのp−ブロモアニソールを加える代わりに、100μLの4−フルオロアニソールを加え、これ以外は実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図5のレーン5に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された。
以上の結果を表2にまとめた。
<実施例11>
(1)RNA抽出用溶液の調製
実施例1と同じ組成の溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
ホモジェネートに60μLのp−ブロモアニソールを加える代わりに、100μLの4−ブロモトルエンを加え、これ以外は実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図5のレーン6に示した
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された。
以上の結果を表2にまとめた。
<実施例12>
(1)RNA抽出用溶液の調製
実施例1と同じ組成の溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
ホモジェネートに60μLのp−ブロモアニソールを加える代わりに、100μLの4−ブロモ酪酸エチルを加え、これ以外は実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図5のレーン7に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された。
以上の結果を表2にまとめた。
<実施例13>
(1)RNA抽出用溶液の調製
実施例1で調製した溶液に塩酸を加えて、溶液のpHを4.2に調整した溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図6のレーン1に示した。
溶液のpHが4.2においても実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことがわかった。
以上の結果を表2にまとめた。
<比較例3>
(1)RNA抽出用溶液の調製
比較例1で調製した溶液に塩酸を加えて、溶液のpHを3.6に調整した溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図6のレーン2に示した比較例1と同様の3本のピークが確認された。このことから、フェノール濃度が50容量%の溶液を用いた場合は、pHを3.6としてもDNA断片が混入していることが確認された。
以上の結果を表3にまとめた。
<実施例14>
(1)RNA抽出用溶液の調製
実施例1と同じ組成の溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
実施例1の300μLの血清の代わりに、生物試料としてPBS300μLに懸濁した培養細胞(HEK293細胞)を使用した以外は、実施例1と同様に行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
水層に加えるエタノール量を1.5倍容量ではなく、1.25倍容量にした以外は、実施例1と同様に行った。
(3b)水層からのRNAの精製、濃縮−RNase処理有り−
水層に加えるエタノール量を1.5倍容量ではなく、1.25倍容量にした以外は、実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
使用するキットを「Agilent RNA6000ピコキット」の代わりに、「Agilent RNA6000ナノキット」(型番5067−1511)(アジレント・テクノロジー社製)を用いた以外は実施例1と同様に行った。その結果を図7に示した。
(3a)の酵素処理なしサンプルでは、18S、28SリボソームRNAがほとんど分解されることなく(RIN値:2.3)抽出されていることが確認された(レーン1)。このときの核酸量は、79ng/μLと算出された。また、(3b)のRNaseで処理したサンプルでの結果、実施例1と同様ピークは全く検出されなかった(レーン2)。このときの核酸量は、4ng/μLと算出された。また、サンプルを何も流さないときの検出系のノイズを確認する(レーン3)と、このときの核酸量は2ng/μLであったことから、レーン2の核酸量はノイズであると考えられた。以上のことから、抽出された核酸はすべてRNAであったことが確認された。
以上の結果を表2にまとめた。
<実施例15>
(1)RNA抽出用溶液の調製
溶液の各成分の終濃度が以下になるように、それぞれを混合してRNA抽出用の溶液を調製した。すなわち、実施例1と同じ組成の溶液900μLに対しさらに60μLのp−ブロモアニソールを加えて溶液を調製した。
・58容量%フェノール
・5容量%グリセロール
・0.8Mチオシアン酸グアニジニウム(水溶液にて混合)
・0.4Mチオシアン酸アンモニウム(水溶液にて混合)
・0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(水溶液にて混合)、pHが5になるように調整
・上記の全量100%に対し6.6容量%のp−ブロモアニソール
(2)生物試料からのRNA抽出
上記(1)で調製した溶液900μLと血清300μLをボルテックスで混和し、ホモジナイズした。室温で12,000xGで10分間遠心した。遠心により、RNAを含有する水層と、DNA及びタンパク質を含有する有機層と中間層が形成された。このうち、水層350μLを別のチューブに分離した。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(3b)水層からのRNAの精製、濃縮−RNase処理有り−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図8のレーン1、3、5に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことがわかった(レーン1)。RNase処理有り(レーン3;RNase(+))ではBLANK(レーン5)と同レベルまで減少していることから、抽出された核酸がRNAのみであることが確認できた。
以上の結果を表2にまとめた。
<実施例16>
(1)RNA抽出用溶液の調製
溶液の各成分の終濃度が以下になるように、それぞれを混合してRNA抽出用の溶液を調製した。すなわち、実施例1と同じ組成の溶液900μLに対しさらに90μLのクロロホルムを加えて溶液を調製した。
・58容量%フェノール
・5容量%グリセロール
・0.8Mチオシアン酸グアニジニウム(水溶液にて混合)
・0.4Mチオシアン酸アンモニウム(水溶液にて混合)
・0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(水溶液にて混合)、pHが5になるように調整
・上記の全量100%に対し10容量%クロロホルム
(2)生物試料からのRNA抽出
上記(1)で調製した溶液900μLと血清300μLをボルテックスで混和し、ホモジナイズした。室温で12,000xGで10分間遠心した。遠心により、RNAを含有する水層と、DNA及びタンパク質を含有する有機層と中間層が形成された。このうち、水層350μLを別のチューブに分離した。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(3b)水層からのRNAの精製、濃縮−RNase処理有り−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図8のレーン2、4、5に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことがわかった(レーン2)。RNase処理有り(レーン4;RNase(+))ではBLANK(レーン5)と同レベルまで減少していることから、抽出された核酸がRNAのみであることが確認できた。
以上の結果を表2にまとめた。
<比較例4>
(1)RNA抽出用溶液の調製
フェノール濃度が55容量%である以外は比較例3と同じ組成の溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(3b)水層からのRNAの精製、濃縮−RNase処理有り−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図9に示した。
(3a)の酵素処理なしサンプルでは、実施例1と比較してややブロードなピークが検出され(レーン1)、また(3b)のRNase処理したサンプルにおいてもピークが検出された(レーン2)。RNase処理有り(RNase(+))においてもBLANK(レーン2)より大きなピークが得られていることから、RNA以外の核酸(DNA)の混入が確認できた。
以上の結果を表3にまとめた。
<実施例17>
(1)RNA抽出用溶液の調製
溶液の終濃度は、pH4とし、これ以外は実施例1と同じ組成になるように溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(3b)水層からのRNAの精製、濃縮−RNase処理有り−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図10(レーン1、2、5)に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された(レーン1)。RNase処理有り(レーン2;RNase(+))ではBLANK(レーン5)と同レベルまで減少していることから、抽出された核酸がRNAのみであることが確認できた。
以上の結果を表2にまとめた。
<実施例18>
(1)RNA抽出用溶液の調製
溶液の終濃度は、pH6とし、これ以外は実施例1と同じ組成になるように溶液を調製した。
(2)生物試料からのRNA抽出
実施例1と同様に生物試料として血清を用いて行った。
(3a)水層のRNAの精製、濃縮−酵素処理なし−
実施例1と同様に行った。
(3b)水層からのRNAの精製、濃縮−RNase処理有り−
実施例1と同様に行った。
(4)電気泳動による純度評価
実施例1と同様に行った。その結果を図10(レーン3、4、5)に示した。
実施例1と同様のピークが検出され、RNAのみが純度高く抽出されたことが確認された(レーン3)。RNase処理有り(レーン4;RNase(+))ではBLANK(レーン5)と同レベルまで減少していることから、抽出された核酸がRNAのみであることが確認できた。
以上の結果を表2にまとめた。

Claims (9)

  1. RNAと、少なくともDNAを含む生物試料からRNAを抽出するための溶液であって、
    (a)溶液の総量に対して53容量%以上のフェノール、
    (b)溶液の総量に対して3〜10容量%の多価アルコール、
    (c)溶液の総量に対して0.5〜2.0M濃度のグアニジニウム塩、
    (d)溶液の総量に対して0.1〜0.5M濃度のチオシアン酸塩、及び
    (e)溶液のpHを4〜6に維持するための緩衝剤、
    を含む溶液。
  2. フェノール濃度が、溶液の総量に対して55〜65容量%である、請求項1に記載の溶液。
  3. 水層を分離するための有機溶媒をさらに含む、請求項1又は2に記載の溶液。
  4. 生物試料が培養細胞の培養液である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶液。
  5. 生物試料が生物の体液成分である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶液。
  6. 生物試料が生物の血液成分である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶液。
  7. RNAと少なくともDNAを含む生物試料を、
    (a)溶液の総量に対して53容量%以上のフェノール、
    (b)溶液の総量に対して3〜10容量%の多価アルコール、
    (c)溶液の総量に対して0.5〜2.0M濃度のグアニジニウム塩、
    (d)溶液の総量に対して0.1〜0.5M濃度のチオシアン酸塩、及び
    (e)溶液のpHを4〜6に維持するための緩衝剤、
    を含む溶液と共にホモジェナイズする工程と、
    得られたホモジェネートを、水層を分離するための有機溶媒と混合する工程と、
    得られた混合物を遠心分離する工程と、
    遠心分離により生成した、RNA含有水層を回収する工程と、
    を含む、前記生物試料からRNAを抽出する方法。
  8. RNAと少なくともDNAを含む生物試料を、
    (a)溶液の総量に対して53容量%以上のフェノール、
    (b)溶液の総量に対して3〜10容量%の多価アルコール、
    (c)溶液の総量に対して0.5〜2.0M濃度のグアニジニウム塩、
    (d)溶液の総量に対して0.1〜0.5M濃度のチオシアン酸塩、及び
    (e)溶液のpHを4〜6に維持するための緩衝剤、
    (f)水層を分離するための有機溶媒、
    を含む溶液と共にホモジェナイズする工程と、
    得られたホモジェネートを遠心分離する工程と、
    遠心分離により生成した、RNA含有水層を回収する工程と、
    を含む、前記生物試料からRNAを抽出する方法。
  9. フェノール濃度が、(a)〜(e)の溶液の総量に対して55〜65容量%である、請求項7又は8に記載の方法。
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