JP5905379B2 - 格子戸の構造 - Google Patents
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ところが、木製の建具は湿気により撓むことがあり、長さが長くなるとより湿気の影響を受けやすくなる。したがって、住宅等の建物に組み込まれる建具とする場合には、湿気の影響を受けて撓んでしまうことを考慮する必要がある。
特に、左右の固定側縦格子間に可動側縦格子が位置した状態のまま、各縦格子が互いに内側方向に撓んでしまうと、固定側縦格子と可動側縦格子とが互いに噛み合った状態となってしまうため、可動側の格子体をスライド移動できなくなってしまう場合がある。
また、各縦格子が互いに離間する方向に撓んでしまうと、可動側縦格子を左右の固定側縦格子間に位置させて閉塞状態としても。隙間風や明かり漏れ等が生じる場合がある。
前記枠体2の厚さ方向の一方側に、互いに一定の間隔をあけて配置されるとともに、上下端部が前記枠体2の横枠材2b,2bに対して固定される複数本の固定側縦格子3…と、
前記枠体2の厚さ方向の他方側に、互いに一定の間隔をあけて配置されるとともに、上下端部が前記枠体2の横枠材2b,2bに対し、該横枠材2b,2bの長さ方向に沿って連動してスライド可能に取り付けられる複数本の可動側縦格子4…と、
前記複数本の固定側縦格子3…に直交して配置されるとともに、前記複数本の固定側縦格子3…の同一高さ位置に形成された切欠部3aに嵌合固定される固定側横桟材5と、
前記複数本の可動側縦格子4…に直交して配置されるとともに、前記複数本の可動側縦格子4…の同一高さ位置に形成された切欠部4aに嵌合固定される可動側横桟材6と、を備えており、
前記固定側横桟材5と前記可動側横桟材6は略等しい高さに配置され、互いに当接していることを特徴とする。
また、可動側横桟材6は、複数本の可動側縦格子4…の切欠部4aに嵌合固定されるので、これら複数本の可動側縦格子4…とともに横枠材2b,2bの長さ方向に沿って連動してスライドさせることができる。
そして、固定側横桟材5と可動側横桟材6は略等しい高さに配置され、互いに当接しているので、万が一湿気により、固定側縦格子3…と可動側縦格子4…とが互いに接近する方向に撓もうとする際に、互いに当接する固定側横桟材5と可動側横桟材6とで抑制することができる。これによって、たとえ湿気の影響を受けても、複数本の可動側縦格子4…と複数本の固定側縦格子と3…が噛み合ってしまったり、湿気によって建てつけが悪くなってしまったりすることを確実に回避でき、複数本の可動側縦格子4…を複数本の固定側縦格子3…に対して確実にスライド移動させることが可能となる。さらに、複数本の固定側縦格子と3…と複数本の可動側縦格子4…とが互いに離間する方向にも撓みにくくなるため、隙間風や明かり漏れ等が生じることを確実に防ぐことができる。
前記複数本の固定側縦格子3…と前記複数本の可動側縦格子4…との間には隙間Sが形成されていることを特徴とする。
前記枠体2の両縦枠材2a,2aの内部側面に、前記固定側横桟材5および前記可動側横桟材6と略等しい高さに穴部9,9が形成されており、
前記固定側横桟材5の長さ方向両端部は、前記穴部9,9に挿入固定され、
前記可動側横桟材6の長さ方向両端部は、前記穴部9,9に摺動可能に挿入されていることを特徴とする。
また、可動側横桟材6は穴部9,9に固定されておらず、穴部9,9に摺動可能とされているので、複数本の可動側縦格子4…と連動してスライドできるようになっている。
前記複数本の可動側縦格子4…の上下端部には、該複数本の可動側縦格子4…の上端部間および下端部間に架け渡されるとともに、前記枠体2の上下の横枠材2b,2bに向かって突出するガイドレール7,7がそれぞれ取り付けられ、
前記枠体2の上下の横枠材2b,2bには、前記ガイドレール7,7が挿入されるレール溝8,8がそれぞれ形成されていることを特徴とする。
前記複数本の固定側縦格子3…および前記複数本の可動側縦格子4…は長尺材であり、
前記固定側横桟材5および前記可動側横桟材6は、長尺材である前記複数本の固定側縦格子3…および前記複数本の可動側縦格子4…に対して複数設けられていることを特徴とする。
図1〜図3において符号1は、格子戸を示す。この格子戸1は、住宅等の建物に組み込まれる木製の建具であり、ドアや扉、戸等として用いられるものである。
そして、この格子戸1は、枠体2と、複数本の固定側縦格子3…と、複数本の可動側縦格子4…と、固定側横桟材5と、可動側横桟材6と、を備える。
この枠体2を構成する縦枠材2a,2aおよび横枠材2b,2bはいわゆる角材であり、長尺に形成されている。各縦枠材2a,2aの長さは、各横枠材2b,2bの長さよりも長くなるように設定されている。
また、各縦枠材2a,2aの厚さは、各横枠材2b,2bの厚さよりも厚くなるように設定されている。すなわち、例えば把手を取り付けたり、蝶番を取り付けたり、錠を取り付けたりするのに十分な厚さに設定されている。
また、各縦枠材2a,2aは、格子戸1の幅方向に間隔をあけて配置され、各横枠材2b,2bは、格子戸1の高さ方向に間隔をあけて配置されている。
そして、各縦枠材2a,2aの上端部間に上方の横枠材2bが架設され、下端部間に下方の横枠材2bが架設されている。なお、これら縦枠材2aと横枠材2bとの接合は、例えば、図示しないダボ材や接着剤等により行われているものとする。
各固定側縦格子3…の上下端部は、図2に示すように、該上下端部が略L字状となるように、かつ前記横枠材2b,2bの厚さ方向一方側に合致するサイズとなるように切欠形成されている(切欠部3b)。そして、該横枠材2b,2bの厚さ方向一方側に、接着剤等により接合されている。
なお、各固定側縦格子3…の上端部と下端部との間の中間部には、前記固定側横桟材5が嵌合固定される切欠部3aがそれぞれ形成されている。また、これら複数の切欠部3a…は各固定側縦格子3…の同一高さ位置に形成されている。
また、各可動側縦格子4…の上下端部も、前記各固定側縦格子3…と同様に、略L字状となるように、かつ前記横枠材2b,2bの厚さ方向他方側に合致するサイズとなるように切欠形成されている(切欠部4b)。
なお、各可動側縦格子4…の上端部と下端部との間の中間部には、前記可動側横桟材6が嵌合固定される切欠部4aがそれぞれ形成されている。また、これら複数の切欠部4a…は各可動側縦格子4…の同一高さ位置に形成されている。
開き状態においては、複数本の可動側縦格子4…同士の隙間と、複数本の固定側縦格子3…同士の隙間から風の取り入れや採光ができるようになる。また、閉塞状態においては、風の取り入れや採光を行っていた隙間を閉じることができるので、採風および採光の中止だけでなく、視線の遮断すなわちプライバシーの保護を図ることができる。
また、この固定側横桟材5はいわゆる角材を加工したものであり、長尺に形成されている。また、その長さは、一方の縦枠材2aと他方の縦枠材2aとの間隔よりも長くなるように設定されている。
また、上下の横枠材2b,2bと単数または複数の固定側横桟材5(,5)との間隔は略等しくなるように設定されている。
なお、本実施の形態の可動側横桟材6は、複数本の可動側縦格子4…に対して2本設けられている。
また、この可動側横桟材6はいわゆる角材を加工したものであり、長尺に形成されている。また、その長さは、一方の縦枠材2aと他方の縦枠材2aとの間隔よりも長くなるように設定されている。
また、上下の横枠材2b,2bと単数または複数の可動側横桟材6(,6)との間隔は略等しくなるように設定されている。
そして、図2に示すように、前記固定側横桟材5,5と前記可動側横桟材6,6は略等しい高さに配置され、互いに当接している。すなわち、固定側横桟材5,5は前記複数本の固定側縦格子3…の内側面よりも若干突出し、可動側横桟材6,6は前記複数本の可動側縦格子4…の内側面よりも若干突出している。
これによって、万が一湿気により、複数本の固定側縦格子3…と複数本の可動側縦格子4…とが互いに接近する方向に撓もうとする際に、互いに当接する固定側横桟材5,5と可動側横桟材6,6とで抑制することができる。さらに、複数本の固定側縦格子と3…と複数本の可動側縦格子4…とが互いに離間する方向にも撓もうとする際にも、前記固定側横桟材5,5と可動側横桟材6,6とで抑制することができる。
なお、互いに当接する固定側横桟材5と可動側横桟材6との間には、摩擦軽減手段を設けてもよいものとする。摩擦軽減手段としては例えば市販の樹脂製の摩擦軽減テープ等でもよいし、互いの当接面を鏡面仕上げとすることで摩擦低減を図ってもよいものとする。
すなわち、図2,図3に示すように、前記複数本の可動側縦格子4…の上下端部には、該複数本の可動側縦格子4…の上端部間および下端部間に架け渡されるとともに、上下の横枠材2b,2bに向かって突出するガイドレール7,7がそれぞれ取り付けられている。さらに、上下の横枠材2b,2bには、前記ガイドレール7,7が挿入されるレール溝8,8がそれぞれ形成されている。
固定部7aは、前記複数本の可動側縦格子4…の上端部の切欠部4bの上向面と、下端部の切欠部4bの下向面に固定されるものである。なお、この固定部7aは、長さ方向にビス孔が複数形成され、ビス等の止着材により上向面および下向面に固定されている。
突出部7bは、前記固定部7aの隙間S側の端部から垂直方向に突出するものである。
なお、複数本の可動側縦格子4…は、上下端部にガイドレール7,7が取り付けられることによって互いに連結されることとなる。すなわち、ガイドレール7,7は前記可動側横桟材6,6とともに複数本の可動側縦格子4…を連結できるので、これら複数本の可動側縦格子4…を一つの可動側格子体として、より容易に取り扱うことができる。例えば操作時には、一つの可動側縦格子4を左右にスライドさせれば、他の全ての可動側縦格子4…を同時に左右にスライドさせることができる。
そして、前記複数本の可動側縦格子4…を連動して左右にスライドさせた際に、ガイドレール7がレール溝8に沿って摺動することになる。
これに伴って、一方の縦枠材2aと他方の縦枠材2aの内部側面には、図1(a)および図3に示すように、前記固定側横桟材5,5および前記可動側横桟材6,6と略等しい高さに穴部9,9が形成されている。
さらに、固定側横桟材5,5の長さ方向両端部は穴部9,9に挿入固定されている。また、可動側横桟材6,6の長さ方向両端部は穴部9,9に摺動可能に挿入されている。
すなわち、穴部9,9は、固定側横桟材5,5の両端部と可動側横桟材6,6の両端部とを同時に挿入できる大きさに設定されている。さらに、一方の穴部9の穴奥側端部(穴底)から他方の穴部9の穴奥側端部(穴底)までの間隔は、可動側横桟材6の長さよりも長く設定されている。これによって、穴部9,9は、前記複数本の可動側縦格子4…を左右にスライドさせる時の、可動側横桟材6,6の両端部を飲み込む逃げ部として機能することになる。つまり、可動側横桟材6,6は、両端部が穴部9,9に挿入され飲み込まれた状態で左右にスライドでき、しかも穴部9,9から抜け出ない状態となっている。
これら穴部10、10の形状は、レール溝8,8と同様に側面視においてガイドレール7,7の断面形状に対応したL字状に形成されている。
つまり、最後に縦枠材2aを組み付けるような製造工程とすれば、固定側横桟材5,5および可動側横桟材6,6を穴部9,9に対して、該穴部9,9から抜け出ないように挿入できる。また、複数本の可動側縦格子4…の上下端部に取り付けられたガイドレール7,7をレール溝8,8に対して、該レール溝8,8から抜け出ないように挿入できる。また、ガイドレール7,7を穴部10,10に対して、該穴部10,10から抜け出ないように挿入できる。
そして、前記固定側横桟材5,5と前記可動側横桟材6,6は略等しい高さに配置され、互いに当接しているので、万が一湿気により、前記複数本の固定側縦格子3…と前記複数本の可動側縦格子4…とが互いに接近する方向に撓もうとする際に、互いに当接する前記固定側横桟材5,5と前記可動側横桟材6,6とで抑制することができる。これによって、たとえ湿気の影響を受けても、前記複数本の可動側縦格子4…と前記複数本の固定側縦格子と3…が噛み合ってしまったり、湿気によって建てつけが悪くなってしまったりすることを確実に回避でき、前記複数本の可動側縦格子4…を前記複数本の固定側縦格子3…に対して確実にスライド移動させることが可能となる。さらに、前記複数本の固定側縦格子と3…と前記複数本の可動側縦格子4…とが互いに離間する方向にも撓みにくくなるため、隙間風や明かり漏れ等が生じることを確実に防ぐことができる。
また、前記可動側横桟材6,6は前記穴部9,9に固定されておらず、これら穴部9,9に摺動可能とされているので、前記複数本の可動側縦格子4…と連動してスライドできるようになっている。
2 枠体
2a 縦枠材
2b 横枠材
3 固定側縦格子
3a 切欠部
4 可動側縦格子
4a 切欠部
5 固定側横桟材
6 可動側横桟材
S 隙間
Claims (5)
- 縦横の枠材が矩形状に組み立てられてなる枠体と、
前記枠体の厚さ方向の一方側に、互いに一定の間隔をあけて配置されるとともに、上下端部が前記枠体の横枠材に対して固定される複数本の固定側縦格子と、
前記枠体の厚さ方向の他方側に、互いに一定の間隔をあけて配置されるとともに、上下端部が前記枠体の横枠材に対し、該横枠材の長さ方向に沿って連動してスライド可能に取り付けられる複数本の可動側縦格子と、
前記複数本の固定側縦格子に直交して配置されるとともに、前記複数本の固定側縦格子の同一高さ位置に形成された切欠部に嵌合固定される固定側横桟材と、
前記複数本の可動側縦格子に直交して配置されるとともに、前記複数本の可動側縦格子の同一高さ位置に形成された切欠部に嵌合固定される可動側横桟材と、を備えており、
前記固定側横桟材と前記可動側横桟材は略等しい高さに配置され、互いに当接していることを特徴とする格子戸の構造。 - 請求項1に記載の格子戸の構造において、
前記複数本の固定側縦格子と前記複数本の可動側縦格子との間には隙間が形成されていることを特徴とする格子戸の構造。 - 請求項1または2に記載の格子戸の構造において、
前記枠体の両縦枠材の内部側面に、前記固定側横桟材および前記可動側横桟材と略等しい高さに穴部が形成されており、
前記固定側横桟材の長さ方向両端部は、前記穴部に挿入固定され、
前記可動側横桟材の長さ方向両端部は、前記穴部に摺動可能に挿入されていることを特徴とする格子戸の構造。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の格子戸の構造において、
前記複数本の可動側縦格子の上下端部には、該複数本の可動側縦格子の上端部間および下端部間に架け渡されるとともに、前記枠体の上下の横枠材に向かって突出するガイドレールがそれぞれ取り付けられ、
前記枠体の上下の横枠材には、前記ガイドレールが挿入されるレール溝がそれぞれ形成されていることを特徴とする格子戸の構造。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の格子戸の構造において、
前記複数本の固定側縦格子および前記複数本の可動側縦格子は長尺材であり、
前記固定側横桟材および前記可動側横桟材は、長尺材である前記複数本の固定側縦格子および前記複数本の可動側縦格子に対して複数設けられていることを特徴とする格子戸の構造。
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JP2012264865A JP5905379B2 (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 格子戸の構造 |
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JP2012264865A Active JP5905379B2 (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 格子戸の構造 |
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2012
- 2012-12-04 JP JP2012264865A patent/JP5905379B2/ja active Active
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