JP5904843B2 - 空気調和機および空気調和機の制御方法 - Google Patents

空気調和機および空気調和機の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は空気調和機および空気調和機の制御方法に関し、特に、冷房機能を備えた空気調和機および空気調和機の制御方法に関するものである。
冷風を吹き出すことにより室内の空気調和を行う空気調和機では、冷房運転時に、吹き出される冷風によって吹出し口周辺が冷却される。この吹出し口周辺が空気調和機の周囲の室内の空気の露点温度以下まで冷やされることによって吹出し口周辺に結露が生じる。そのまま長時間運転が続行されると結露によって生じた凝縮水が大きな水滴に成長(露付き)し、ついには滴下(露垂れ)して床を濡らしてしまう。
このような凝縮水が落下してしまう現象(露飛び現象)の発生を抑制するために様々な手法が提案されている。たとえば特開2008−224200号公報(特許文献1)には伝熱フィンに設けられた切起し片が熱交換器設置時に鉛直方向に延設された熱交換器が提案されている。この熱交換器では伝熱フィンに付着した凝縮水がドレインパン内に速やかに導入される。これにより、風量が大きいときなどに伝熱フィンに付着した凝縮水が吹出し口から落下することが抑制される。
また、たとえば特開2011−94873号(特許文献2)には最外層にポリビニルアルコール系樹脂を含有し、表面粗さ0.2μm以下の親水性塗膜が形成された熱交換器用アルミニウムフィン材が提案されている。従来、熱交換器用アルミニウムフィン材の表面は使用時に結露状態となるため、結露水を円滑に落下させ排水させるために親水性塗膜が形成されている。しかし、使用中に室内を浮遊する汚染物質が熱交換器用アルミニウムフィン材の表面に付着することによって、親水性塗膜の表面が撥水化し露飛び現象に至る場合がある。この熱交換器用アルミニウムフィン材ではヘキサデカノール等の高級アルコールが表面に付着し難くなる。これにより、冷房運転時に熱交換器用アルミニウムフィン材に付着した凝縮水が吹出し口から落下することが抑制される。
また、たとえば特開2007−187405号(特許文献3)には上下風向変更羽根の吹出風側に断熱材が設けられた空気調和機が提案されている。この空気調和機では断熱材によって吹出し風で上下風向変更羽根の外郭表面温度が下がることが抑制される。これにより、上下風向変更羽根の表面に結露が着くことが抑制される。
特開2008−224200号公報 特開2011−94873号公報 特開2007−187405号公報
しかし、上記の特開2008−224200号公報に記載された熱交換器では、経年使用によってフィンに塵や綿ホコリの他に油煙等が付着し、フィンの表面が撥水化することがある。そうすると、水滴が流れ飛ぶ方向を抑制することが困難となり露飛び現象が発生する可能性が高くなる。
また、上記の特開2011−94873号公報に記載された熱交換器用アルミニウムフィン材では、親水性塗膜に露飛び原因物質である高級アルコールを付着し難くすることによって露飛び現象を抑制している。しかしながら、塗膜の場合、初期は性能を発揮していても短期間で塗膜性能が劣化したり、剥離等により長期間性能を持続できないという問題がある。
またアルミニウムフィンの表面の撥水化が原因で露飛びする以外に、送風ファンの送風によって凝縮水が吹出し口から室内に飛散する現象や、吹出し口のフラップ部分などが結露して露飛び現象が発生しており、アルミニウムフィンだけの対策では不十分である。
また、特開2007−187405号公報に記載された空気調和機では、断熱材の無い側において、一部の暖かい室内空気が上下風向変更羽根に触れて結露してしまうという問題がある。すなわち、上記の各公報に記載されたいずれの手法でも露飛び現象を十分に抑制することができない。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、露飛びの原因物質であるセチルアルコール等の高級アルコールの有無を検知し結露を未然に防ぐことによって露飛び現象を十分に抑制することができる空気調和機および空気調和機の制御方法を提供することである。
本発明の空気調和機は、吸込み口と、吹出し口と、吸込み口から吹出し口にわたり空気を導く風路とを有する筐体と、筐体の風路の途中に設けられた熱交換器と、吸込み口から取り入れられて熱交換器によって熱交換された空気を吹出し口から送り出すための送風機と、風路内の高級アルコールを検知可能な検知器と、検知器によって検知された結果に基づいて送風機の回転数を大きくするように送風機を制御可能な制御部とを備えている。
本発明の空気調和機によれば、風路内の高級アルコールを検知可能な検知器によって検知された結果に基づいて送風機を制御可能な制御部を備えている。このため、結露の原因となる高級アルコールを検知器が検知すると制御部が送風機を制御して送風することによって風路内の高級アルコールを吹き飛ばすことができる。これにより、風路内への高級アルコールの付着を抑制することができる。
本発明の実施の形態1における空気調和機の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態1における空気調和機の概略断面図である。 本発明の実施の形態1における検知器の概略断面図である。 本発明の実施の形態1における検知器の概略平面図である。 本発明の実施の形態1における検知器および発振回路の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態1における検知器、発振回路および差分計測回路の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態1における検知器、発振回路、差分計測回路、整流・増幅回路および表示器の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態1における検知回路の周波数変化と経過時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態1における空気調和機の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2における空気調和機の概略断面図である。 本発明の実施の形態3における空気調和機の概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
最初に本発明の実施の形態1の空気調和機の構成について説明する。
まず、図1を参照して、本実施の形態の空気調和機の全体の構成について説明する。本実施の形態の空調調和機は、室内機(蒸発器)100と、圧縮機200と、室外機(凝縮器)300と、膨張弁400とを有している。空気調和機は、冷媒を状態変化させて循環させ、熱交換を行わせるよう構成されている。
室内機(蒸発器)100は、圧縮機200と、膨張弁400とに接続されており、膨張弁400により減圧された冷媒を蒸発させるための熱交換器30を有している。圧縮機200は、熱交換器30に接続されており、室内機(蒸発器)100により蒸発された冷媒を圧縮するよう構成されている。室外機(凝縮器)300は、圧縮機200と、膨張弁400とに接続されており、圧縮機200で圧縮された冷媒を凝縮するための熱交換器(図示せず)を有している。この室外機(凝縮器)300で凝縮された冷媒が膨張弁400へ送られるよう室外機(凝縮器)300と膨張弁400とが接続されている。
続いて、図2を参照して、本実施の形態の空気調和機の構成について詳細に説明する。
空気調和機は、筐体10と、検知器18と、制御部19と、送風機(送風ファン)20と、熱交換器30とを主に有している。筐体10は、空気を吸引する吸込み口11と、空気を吹出す吹出し口14とを有している。筐体10は、吸込み口11から吹出し口14にわたり空気を導く風路8を有している。また、筐体10の前面には、前面グリル12が開閉自在に取り付けられている。
検知器18は風路8内の高級アルコールを検知可能に構成されている。検知器18の構成については後で詳細に説明する。制御部19は検知器18によって検知された結果に基づいて送風機20を制御可能に構成されている。制御部19は送風機20を回転可能なモータ21を制御することによって送風機20を制御可能に構成されている。また制御部19は検知器18によって検知された結果に基づいて圧縮機200を制御可能に構成されている。
筐体10内には、吸込み口11から空気を吸引するとともに、吸引した空気を吹出し口14から吹出す送風機20が配設されている。送風機20は吸込み口11から取り入れられて熱交換器30によって熱交換された空気を吹出し口14から送り出すよう構成されている。
吸込み口11から送風機20に至る途中には、吸引した空気を冷凍サイクルの冷媒と熱交換を行う熱交換器30が設けられている。熱交換器30は筐体10の風路8の途中に設けられている。熱交換器30は、伝熱管31と、伝熱管31が挿通される放熱フィン32とを備えている。
吸込み口11の近傍には、吸引した空気に含まれる塵埃を捕捉するフィルター40が配設されている。また、吹出し口14の近傍には、吹出し口14から吹出す空気(風)を、左右方向に曲げる左右ベーン13と、上下方向に曲げる上フラップ16および下フラップ17とが配設されている。
この空気調和機の構造についてさらに詳しく説明する。送風機20は、筐体10の側面から見て略中央に位置し、吸込み口11から吹出し口14に至る風路8に配置されている。熱交換器30は、吸込み口11と送風機20との間に配置され、吸込んだ空気を冷凍サイクルの冷媒と熱交換することにより空気を調和する。ここで、空気を調和するとは、空気を冷却、加熱または除湿等することをいう。
筐体10の一部を構成するケーシング部15は、送風機20の下流側の風路8の一部として、送風機20の後方(風下)から吹出し口14にまで延在し、送風機20の吹き出し方向を決定する。このケーシング部15には、風速の速い風が衝突し、熱交換器30を介して飛んだ露が付着する場合がある。本実施の形態ではケーシング部15に検知器18および制御部19が設置されている。
左右ベーン13は、たとえば、樹脂で形成されるさまざまな外郭形状の平たい風向板であり、空気調和機(室内機)100の幅方向に複数枚設置されている。この左右ベーン13は、吹出し口14から吹出る空気の左右の向きを変える機能を有する。上フラップ16および下フラップ17は、たとえば、樹脂で形成される断面が略円弧状の風向板であり、空気調和機の吹出し口14の幅方向にわたって設置されている。この上フラップ16および下フラップ17は、吹出し口14から吹出る空気の上下の向きを変える機能を有する。左右ベーン13、上フラップ16および下フラップ17は、モータ(図示せず)によって所定の角度に自動的に変えられる。なお、熱交換器30、送風機20の形態は様々なものがある。また左右ベーン13、上フラップ16、下フラップ17は必ずしも必要ない。
本実施の形態においては、吹出し口14の近傍のケーシング部15に検知器18が配置されている。図3および図4を参照して、検知器18は、QCM(Quartz crystal microbalance)センサであり、水晶振動子の表面に吸着した汚染物質の微量な質量変化を周波数変化として検出するものである。吸着量(δm)と水晶振動子の共振周波数変化(δF)との関係は、式(1)に示されるSauerbrey式で表される。
Figure 0005904843
ここで、δmは反応した質量(g)、δFは反応前後の周波数変化(Hz)、Sは電極面積(cm2)、ρは水晶の密度(2.65g/cm3)、μは水晶のせん断応力(2.95×1011g/cm・sec2)、Fは公称周波数(Hz)、Nはオーバートーン次数である。これより、たとえば直径5mmのATカットの水晶に金属電極を形成した基本振動周波数9MHzの水晶振動子は、1Hzあたり約1.07ngの質量変化を検出できる。
本実施の形態では、検知器18は第1の検知部18aと第2の検知部18bとを有している。また検知器18は水晶振動子53と、加熱部55と、下部電極56とを有している。水晶振動子53は第1の水晶振動子53aと第2の水晶振動子53bとを有している。下部電極56は水晶振動子53の下面に設けられている。加熱部55は第1の検知部18aおよび第2の検知部18bを加熱可能に構成されている。第1の検知部18aと第2の検知部18bとは独立した水晶振動子の機能を有し、差分法による質量変化を吸着量として計測可能に構成されている。第1の検知部18aと第2の検知部18bとは、たとえばATカットの角型の水晶板53の一面における中央部に境界層としての溝部57を設けることにより互いに分割されている。
第1の検知部18aは、第1の水晶振動子53aを有している。第1の水晶振動子53aは第1の電極54aを有している。第1の電極54aは第1の水晶振動子53aの上面に設けられている。第2の検知部18bは、第2の水晶振動子53bを有している。第2の水晶振動子53bは第2の電極54bを有している。第1の電極54bは第2の水晶振動子53bの上面に設けられている。第1の電極54aおよび第2の電極54bはAu(金)層で形成されている。第2の検知部18bは第2の電極54b上に設けられた高級アルコール吸着用の有機薄膜52を有している。
第1の検知部18bは参照用であり、第1の電極54aの表面には汚染物質51を吸着するための吸着層である有機薄膜52は形成されていない。一方、第2の検知部18bは露飛び原因物質を含む汚染物質51の吸着用であり、第2の水晶振動子53bの表面には汚染物質51を吸着するための吸着層である有機薄膜52が形成されている。有機薄膜52は、その膜のガス親和性により、異なるセンサの感度特性を有している。このため、有機薄膜52の材料を適切に選定することで検出感度の強弱を変更することが可能になる。
有機薄膜52の材料としては、たとえばガスクロマトグラフィ用のカラム充填剤として用いられている液相剤が使用できる。その他、シリカゲルや活性炭、シクロデキストリン、タンニン類や金属フタロシアニン等、セチルアルコールを含む高級アルコール類が付着する材料であれば使用することが可能である。本実施の形態では、空気中の汚染物質に対して吸脱着特性があり、試薬として市販されており入手が容易であること等を考慮し、ジメチルシリコーンが有機薄膜52の材料に使用されている。
有機薄膜52の作製方法としては、スピンコータを用いるスピンコート法、超音波霧化装置を用いる霧化法、膜材料溶液中へ直漬けするディップ法等がある。薄膜で均一な膜を得るためには、スピンコート法が好適である。
図5および図6を参照して、第1の検知部18aは第1の水晶振動子53aを発振させるための第1の発振回路61aを有している。第2の検知部18bは第2の水晶振動子53bを発振させるための第2の発振回路61bを有している。第1の発振回路61aおよび第2の発振回路61bには差分計測回路62が接続されている。差分計測回路62は第1の発振回路61aによって発振された第1の水晶振動子53aの発振周波数と第2の発振回路61bによって発振された第2の水晶振動子53bの発振周波数の差分を計測可能に構成されている。
露飛び原因物質を含む空気中の汚染物質51が第1の検知部18aおよび第2の検知部18b付近に飛来した場合、汚染物質51は第2の検知部18bの有機薄膜52にのみ吸着される。この吸着量に比例してわずかに第2の水晶振動子53bの周波数が減少する。さらに、加熱部55が第2の検知部18bを加熱することにより、低沸点物質、水分等が有機薄膜52から揮発される。このときに第2の水晶振動子53bの周波数に変化があれば露飛び原因物質の付着を確認することができる。
図7を参照して、差分計測回路62には、差分計測回路62からの差周波数成分を増幅し、直流電圧に変換可能な整流・増幅回路63が接続されている。整流・増幅回路63には直流電圧の変化を表示可能な表示器64が接続されている。
差分計測回路62によって第1の水晶振動子53aと第2の水晶振動子53bの2つの差周波数成分が取り出され、整流・増幅回路63で増幅および直流電圧に変換されることによって露飛び物質の吸着に伴う周波数変化が直流電圧の変化として取り出される。この直流電圧の変化が表示器64の発光状態で視覚的に表示される。表示器64は検知器18によって検知された結果を表示可能に構成されている。表示器64にはたとえばLED(Light Emitting Diode)が用いられていてもよい。
次に本実施の形態の空気調和機の動作および制御方法について説明する。
再び図2を参照して、空気調和機の冷房運転においては、筐体10の吸込み口11から吹出し口14にわたり空気を導く風路8の途中に設けられた熱交換器30に冷媒を通すことによって熱交換器30が冷却される。そして、送風機20が回転することによって室内の空気が吸込み口11から筐体10内に取り入れられ、フィルター40、熱交換器30、送風機20を経て吹出し口14から外へ送り出される。このようにして、吸込み口11から取り入れられて熱交換器30によって熱交換された空気が吹出し口14から送り出される。風(空気)の向きを変えるために、吹出し口14付近に配設された左右ベーン13、上フラップ16、下フラップ17の近傍を風が通過する。そして、本実施の空気調和機の制御方法では、風路8内の高級アルコールが検知され、高級アルコールの検知された結果に基づいて送風機20が制御される。
続いて、従来の空気調和機の冷房運転と対比して、本実施の形態の空気調和機の動作および制御方法についてさらに詳しく説明する。
従来の空気調和機の冷房運転では経過時間に応じて図8に示すように検知器18の周波数が変化する。図8には、空気調和機内に検知器18装着された状態での冷房運転の経過時間(横軸)と検知器18への露飛び原因物質の吸着量の変化による周波数変化(縦軸)とが表されている。図8には、リアルタイムに測定したときの測定結果例(正規化済み)が示されている。ここで正規化とは初期の差分値を0として周波数変化を概算した結果である。
検知器18への露飛び原因物質の吸着量の増大とともに3段階の吸着性能段階が生じる。まず、運転初期の状態(I)は、正常な段階であり、露飛び吸着物質の付着は認められず、露飛びは起こらない状態である。その後の状態II)は、時間の経過とともに周波数がH1からH2の範囲に変化し、露飛び原因物質の吸着量が増加し、結露に至る可能性がある状態である。さらに使用し続けた状態(III)は、周波数がH2からH3の範囲に変化し、露飛びが発生し始める状態である。
図9を参照して、図8に示す従来の空気調和機の冷房運転における周波数変化と経過時間との関係と対比して、本実施の形態の空気調和機の制御方法の一例について説明する。最初に空気調和機の通常運転が開始される(ステップS1)。検知器18が作動しリアルタイムで露飛び原因物質の吸着量の計測が行われる(ステップSS2)。運転開始から一定時間経過後の露飛び原因物質の付着の有無が判断される(ステップS3)。この判断は周波数の変化量で行われる。この値が状態(I)の正常状態の範囲のときは、正常状態と判断される(ステップS4)。そして検知器18での計測が再度実施される。
状態(II)の範囲では、周波数の変化より露飛び原因物質の吸着が検知される。この場合、冷房運転が一時中断される(ステップS5)。そして空気調和機の制御部19を介して換気手段の運転が開始される(ステップS6)。この換気手段としての送風機20の運転によって、露飛び原因物質を排気することができる。これにより、室内機100の吹出し口14の露飛び原因物質の有無を検知器18が確実に検知し、この検知に基づいて運転モードを制御部19が制御することで、凝縮水が吹出し口14から室内に滴下することを抑制できる。これにより、露飛び現象による室内の家具や機器への被害を抑制することができる。
運転モードの制御としては、送風機20の回転数を大きくすることが適用される。また、熱交換器30に供給される冷媒の蒸発温度を高めることも適用され得る。冷媒の蒸発温度を高める方法としては、圧縮機200の回転数を小さくすることや膨張弁400の絞り率を変更することが適用される。送風機20の回転数を大きくすることと熱交換器30に供給される冷媒の蒸発温度を高めることが同時に適用されてもよい。
仮に状態(III)の範囲になったときは、露飛び異常処理が行われる(ステップS7)。たとえば本実施の形態では、電線回路やISDN回路を使用したインターネーットや電子メール、無線通信、赤外線通信、衛生通信等により外部のサービスセンターに通報され、修理点検が行われ、必要な場合は熱交換器30やその他部品の交換等が行われる(ステップS8)。これにより即座に空気調和機の異常に対応することが可能になり、より安全性の向上や被害の広がりを防止することで、信頼性の高い空気調和機を得ることができる。
本実施の形態では、吹出し口14の風路となるケーシング部15近傍に露飛び検知器18を配置したが、吸い込み空気と吹出し空気が通過する直後ならびに室内機100の内部に複数設置することも可能である。
次に本実施の形態の空気調和機の作用効果について説明する。
従来の結露のメカニズムでは、冷却された空気によって吹出し口14周辺の風路材、左右ベーン13、上フラップ16、下フラップ17などが冷却される。このとき、何らかの理由で暖かく湿度の高い室内の空気が吹出し口14周辺の風路材、左右ベーン13、上フラップ16、下フラップ17などに接触すると、水蒸気が液体の水に変化しこれが露となる。場合によっては、室内の空気が送風機20に接触することによって、送風機20上にも結露が生じる。
この結露の発生は、送風機20の形態(クロスフローファン、プロペラファン、シロッコファンなど)や熱交換器30と送風機20の位置関係には依存しないとされる。しかしながら、本発明者らは、室内の空気の湿度が比較的低い場合においても、また、風の巻き込みを防いだ場合においても、送風機20の羽および翼や風路材や左右ベーン13および上フラップ16、下フラップ17上に結露が生じることを実験により見出した。
また、本発明者らは、撥水化する物質が空気中に存在し、その物質が熱交換器30に付着することによって熱交換器30が撥水化され、熱交換器30に残る水を増大させることがあることを実験により明らかにした。さらに、本発明者らは、露の乾燥を遅らせる物質が空気中に存在し、その物質が風路材に付着することで露の乾燥が遅くなったり、あるいは直接に露の表面に付着することで露の乾燥が遅くなったりすることも実験により明らかにした。そして、本発明者らは露の乾燥によって付着物が濃縮され、風路材などにおいて露が成長する位置が固定され乾燥が遅れることも実験により明らかにした。
本発明者らは、これらの構成部材を個別に調査し付着した汚染物質の詳細な分析を行った結果、セチルアルコール等の高級アルコールが露飛びの原因物質であることを見出した。そして、本発明者らは、これらの原因物質を事前に検知することで、露飛びを防止することができることを見出した。
ここで汚染物質の分析方法について説明する。露飛びが発生した熱交換器30のアルミニウムフィンが切断採取された後、フィン上に付着した有機物が加熱気化されて、GC/MS法(ガスクロマトグラフ質量分析法)で分析が行われた。捕集・凝縮技術としてP&T法(パージアンドとラップ法)、分離分析技術としてGC/MS法が用いられた。P&T−GC/MS法では、試料を加熱して揮発成分を発生させ、それをパージガスで追い出して冷却した吸着剤にトラップ・濃縮した後、熱脱着させてGC/MSに導入・分析された。
測定条件は次の通りである。試料量は1.5g、加熱温度は250℃、加熱時間は60分、カラムはHP−VOC 30m×0.200mm×1.12μmである。また昇温条件は40℃、5分間→5℃/分間→270℃、24分間である。この結果、高級アルコールとしてセチルアルコール(C16)等が検出された。
本実施の形態の空気調和機によれば、風路8内の高級アルコールを検知可能な検知器18によって検知された結果に基づいて送風機20を制御可能な制御部を備えている。このため、結露の原因となる高級アルコールを検知器18が検知すると制御部19が送風機20を制御して送風することによって風路8内の高級アルコールを吹き飛ばすことができる。これにより、風路8内への高級アルコールの付着を抑制することができる。
また本実施の形態の空気調和機によれば、第1の検知部18aと第2の検知部18bとを有し、水晶振動子の表面に吸着した高級アルコールの微量な質量変化を周波数変化として検出することができる。さらに第2の検知部18bが高級アルコール吸着用の有機薄膜52を有しているため、第1の検知部18aと第2の検知部18bとの発振周波数の差分を出力することができる。これにより、高級アルコールの量を精度良く検知することができる。
また本実施の形態の空気調和機によれば、第2の検知部18bを加熱可能な加熱部55を有しているため、低沸点物質、水分等を有機薄膜52から揮発させることができる。これにより、高級アルコールの量を精度良く検知することができる。
また本実施の形態の空気調和機によれば、検知器18によって検知された結果を表示可能な表示器を有しているため、表示器の表示によって高級アルコールの有無を把握することができる。これにより露飛び現象の発生を把握することができる。
本実施の形態の空気調和機によれば、制御部19は検知器18によって検知された結果に基づいて圧縮機200を制御可能であるため、圧縮機200の回転数を小さくすることによって冷媒の温度を高めることができる。これにより、熱交換器30に付着する凝縮水の発生を抑制することができる。
本実施の形態の空気調和機によれば、高級アルコールはセチルアルコールであるため、セチルアルコールを検知することによって露飛び現象を抑制することができる。
本実施の形態の空気調和機の制御方法によれば、風路8内の高級アルコールを検知する工程と、高級アルコールが検知された結果に基づいて送風機20を制御する工程とを有している。このため、結露の原因となる高級アルコールが検知されると送風機20が制御されて送風することによって風路8内の高級アルコールを吹き飛ばすことができる。これにより、風路8内への高級アルコールの付着を抑制することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では壁掛け用の空気調和機について説明したが、本発明は壁掛け用以外に天井に埋め込まれた天埋め型空気調和機に適用することもできる。
図10を参照して、本発明の実施の形態2の空気調和機は主として天井に設置されるものである。本実施の形態の空気調和機では、筐体10の下面側に吸込み口11および吹出し口14が設けられている。
筐体9内には吸込み口11から送風機20に至る吸込風路41が形成されている。吸込み口11から吸い込まれた空気は、吸込風路41に設けられた空気清浄フィルタ42により塵埃が除去され、熱交換器30により冷却または加熱され送風機20に送られる。送風機20から吹出し口14に至る吹出風路43が形成されている。
熱交換器30は正面視で斜めに傾斜して配置され、これに付着した水分(着露水等)が滴下した際、それを受け止めるためにドレインパン44が下方に設けられている。また、空気清浄フィルタ42とドレインパン44との間に温度センサ45が配置されている。温度センサ45と並べて検知器18が配置されている。このように配置することで、圧損がなく、冷暖房効率に影響を及ぼさない空気調和機の提供が可能である。
なお、本実施の形態のこれ以外の構成などは上述した実施の形態1と同様であるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態の空気調和機でも露飛び現象を抑制することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の空気調和機は、実施の形態2の空気調和機と検知器18の位置および設置数が異なっている。
図11を参照して、本実施の形態の空気調和機は検知器181〜183を有している。検知器181は吸込み空気が通過する直後の位置に配置されている。検知器182は吹出し空気が通過する直後の位置に配置されている。検知器183は室外機の内部の通風路外に配置されている。
検知器181を吸込み空気通過直後に設置することで、空気調和機が設置されている室内の空気の露飛び原因物質を検知することができる。また検知器182を吹出し空気通過直後に設置することで、室内機で拡散した空気の露飛び原因物質の有無を確認することができる。これにより、吸込み、吹出し箇所における露飛び原因物質の経時変化の違いを把握できる。さらに検知器183を室内機の内部の通風路外に設置することで熱交換器30を通過する気流に影響を及ぼすことがないため、冷暖房効率が損なわれることなく室内機内で発生するセチルアルコール等の高級アルコールをモニタリングすることができる。
なお、本実施の形態のこれ以外の構成などは上述した実施の形態2と同様であるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態の空気調和機でも露飛び現象を抑制することができる。
上記の各実施の形態は適宜組み合わせられ得る。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
8 風路、10 筐体、11 吸込み口、14 吹出し口、18,181,182,183 検知器、18a 第1の検知部、18b 第2の検知部、19 制御部、20 送風機、30 熱交換器、51 汚染物質、52 有機薄膜、53 水晶振動子、53a 第1の水晶振動子、53b 第2の水晶振動子、54a 第1の電極、54b 第2の電極、55 加熱部、56 下部電極、57 溝部、61a 第1の発振回路、61b 第2の発振回路、62 差分計測回路、63 増幅回路、64 表示器、100 室内機、200 圧縮機、300 室外機、400 膨張弁。

Claims (6)

  1. 吸込み口と、吹出し口と、前記吸込み口から前記吹出し口にわたり空気を導く風路とを有する筐体と、
    前記筐体の前記風路の途中に設けられた熱交換器と、
    前記吸込み口から取り入れられて前記熱交換器によって熱交換された空気を前記吹出し口から送り出すための送風機と、
    前記風路内の高級アルコールを検知可能な検知器と、
    前記検知器によって検知された結果に基づいて前記送風機の回転数を大きくするように前記送風機を制御可能な制御部とを備えた、空気調和機。
  2. 前記検知器は、第1および第2の検知部を含み、
    前記第1の検知部は、第1の電極を有する第1の水晶振動子と、前記第1の水晶振動子を発振させるための第1の発振回路とを有し、
    前記第2の検知部は、第2の電極を有する第2の水晶振動子と、前記第2の水晶振動子を発振させるための第2の発振回路と、前記第2の電極上に設けられた前記高級アルコール吸着用の有機薄膜とを有している、請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記第2の検知部を加熱可能な加熱部をさらに備えた、請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記検知器によって検知された結果を表示可能な表示器をさらに備えた、請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和機。
  5. 前記熱交換器に接続された圧縮機をさらに備え、
    前記制御部は前記検知器によって検知された結果に基づいて前記圧縮機を制御可能に構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の空気調和機。
  6. 筐体の吸込み口から吹出し口にわたり空気を導く風路の途中に設けられた熱交換器と、前記吸込み口から取り入れられて前記熱交換器によって熱交換された空気を前記吹出し口から送り出すための送風機とを有する空気調和機の制御方法であって、
    前記風路内の高級アルコールを検知する工程と、
    前記高級アルコールが検知された結果に基づいて前記送風機の回転数を大きくするように前記送風機を制御する工程とを備えた、空気調和機の制御方法。
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