JP5904302B1 - 半導体装置の製造方法及び樹脂組成物 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】貫通電極を有する薄層構造体の反りを抑制できる半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】半導体チップ100及びウェハ200を準備する。半導体チップ100は、裏面104側に端子144を備えている。さらに、半導体チップ100は、貫通電極140を備えている。ウェハ200は、素子面202側に端子242を備えている。次いで、バンプ電極310を介して端子144及び端子242を接合させる。この接合は、半導体チップ100及びウェハ200をバンプ電極310の融点よりも低い第1温度に加熱しつつ、バンプ電極310を介して端子144及び端子242を互いに押し付けることにより行われる。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置の製造方法及び樹脂組成物に関する。
半導体装置の製造では、半導体チップを配線基板(例えば、プリント基板)に実装することがある。この場合、半導体チップをフリップチップ実装によって配線基板に実装することがある。特許文献1には、フリップチップ実装の一例が記載されている。この例では、半導体チップを実装基板に加圧して搭載した状態で、半田融点以下に加熱することによりバンプと接続パットとを仮接続した後、半田の融点温度以上にまで上昇させてリフロー工程を実施することにより、バンプと接続パッドとを半田接合し、次いで、バンプと接続パットの間の接着剤を硬化させている(先行文献1の段落0023、0025、図6)。
特開2001−332583号公報 特開2013−102092号公報
近年、集積化の観点から、薄層化が進められた結果、貫通電極(例えば、TSV:Through−Silicon Via)を有する、半導体チップやウェハ等の薄膜構造体を実装する技術が利用されている。
しかしながら、本発明者が検討した結果、接合温度が高いと、貫通電極を有する上記薄膜構造体に反りが発生することが見出された。
本発明者はさらに検討したところ、バンプ電極の融点以下という低温で接合することにより、上記薄層構造体の反りを効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
第1端子及び第2端子の少なくとも一方には、バンプ電極が形成されており、
第1面側に前記第1端子を有する貫通電極を備え、半導体チップである第1半導体部品と、
第2面側に前記第2端子を備え、半導体チップ又はウェハである第2半導体部品と、
を準備する準備工程と、
前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方に、フラックス機能を有する樹脂層を配置する配置工程と、
前記バンプ電極を介して前記第1端子と前記第2端子とを接合する接合工程と、
前記第1端子と前記第2端子を接合した後、前記樹脂層を硬化させる硬化工程と、
を含む、半導体装置の製造方法であって、
前記接合工程は、
前記第1半導体部品及び前記第2半導体部品を前記バンプ電極の融点よりも低い第1温度に加熱しつつ、前記バンプ電極を介して前記第1端子及び前記第2端子を互いに押し付けることにより行われる、半導体装置の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、
第1端子及び第2端子の少なくとも一方にバンプ電極が形成されており、
第1面側に前記第1端子を有する貫通電極を備える第1基板と、
第2面側に前記第2端子を備える第2基板と、を準備する準備工程と、
前記第1面と前記第2面とを対向させた状態で、前記第1基板と前記第2基板との間に、熱硬化性樹脂およびフラックス活性剤を含む樹脂層を配置する配置工程と、
前記バンプ電極の融点よりも低い第1温度で加熱することにより、前記第1基板の前記第1端子と前記第2基板の前記第2端子とを前記バンプ電極を介して接合する接合工程と、
前記バンプ電極の融点よりも低い第2温度で加熱することにより、前記樹脂層を硬化する硬化工程と、を含み、
前記接合工程から前記硬化工程にかけて、前記バンプ電極の融点よりも低い温度で行う、半導体装置の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、
上記した半導体装置の製造方法に用いられるフラックス機能を有する上記樹脂層を構成する樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、貫通電極を有する薄膜構造体の反りを抑制することができる半導体装置の製造方法および当該製法に用いられる樹脂組成物を実現できる。
第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。 第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。 第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。 第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。 第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。 第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。 図1に示した半導体チップの一部を拡大した図である。 図5の変形例を示す図である。 図1の第1の変形例を示す図である。 図1の第2の変形例を示す図である。 図1の第3の変形例を示す図である。 第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。 第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。 図13の第1の変形例を示す図である。 図13の第2の変形例を示す図である。 本明細書中における「接合」の用語の定義を説明するための写真である。 本明細書中における「接触」あるいは「当接」の用語の定義を説明するための写真である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
本実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図1〜図6の各図は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、第1端子及び第2端子の少なくとも一方には、バンプ電極が形成されており、第1面側に第1端子を有する貫通電極を備え、半導体チップである第1半導体部品と、第2面側に第2端子を備え、半導体チップ又はウェハである第2半導体部品と、を準備する準備工程と、第1面及び前記第2面の少なくとも一方に、フラックス機能を有する樹脂層を配置する配置工程と、バンプ電極を介して第1端子と第2端子とを接合する接合工程と、第1端子と第2端子を接合した後、樹脂層を硬化させる硬化工程と、を含むものである。
本実施形態の半導体装置の製造方法において、第1端子と前記第2端子を接合する上記接合工程は、第1半導体部品及び第2半導体部品をバンプ電極の融点よりも低い第1温度に加熱しつつ、バンプ電極を介して第1端子及び第2端子を互いに押し付けることにより行うことができる。
すなわち、まず、図1に示すように、半導体チップ100(第1半導体部品)及びウェハ200(第2半導体部品)を準備する。半導体チップ100は、裏面104側に端子144を備えている。さらに、半導体チップ100は、貫通電極140を備えている。ウェハ200は、素子面202側に端子242を有している。端子144には、バンプ電極310が形成されている。裏面104には、樹脂層300が形成されている。樹脂層300は、フラックス機能を有している。次いで、図2に示すように、バンプ電極310を介して端子144及び端子242を接合させる。この接合は、半導体チップ100及びウェハ200をバンプ電極310の融点よりも低い第1温度に加熱しつつ、バンプ電極310を介して端子144及び端子242を互いに押し付けることにより行われる。次いで、図3に示すように、ウェハ200に積層された半導体チップ100に他の半導体チップ100をさらに積層する。このようにして2つの半導体チップ100を含む積層体を形成する。次いで、この積層体に他の半導体チップ100をさらに積層する。次いで、図4に示すように、複数の半導体チップ100を含む積層体をウェハ200の他の領域にも設ける。次いで、図5に示すように、樹脂層300を硬化させる。次いで、図6に示すように、バンプ電極310をリフローする。
以下、詳細に説明する。
まず、上記準備工程について説明する。
図1に示すように、半導体チップ100及びウェハ200(例えば、シリコンウェハ)を準備する。本図に示す例では、半導体チップ100は、裏面104がウェハ200の素子面202と対向する向きに搭載される。言い換えると、半導体チップ100は、フェイスアップでウェハ200に搭載される。半導体チップ100の裏面104には、端子144が位置している。そして端子144の先端には、バンプ電極310(例えば、半田バンプ)が形成されている。なお、バンプ電極310は、例えば、融点が210℃以上である半田層から構成されている。さらにこの場合、半田層は、例えば、鉛フリー半田である。
続いて、上記配置工程について説明する。
本実施形態において、半導体チップ100の裏面104には、樹脂層300が配置されている。樹脂層300は、フィルム状でもペースト状でもよいが、作業性の観点からフィルム状が好ましい。樹脂層300は、ウェハ200の素子面202上に配置されていてもよい。この樹脂層300は、端子144の先端に形成されたバンプ電極310を覆うように配置される。半導体チップ100の裏面104に複数のバンプ電極310が形成されている場合には、複数のバンプ電極310を一括して覆うように樹脂層300を配置することができる。詳細を後述するように、樹脂層300は、熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物から形成されるものであり、本図に示す例では、上記配置工程においてBステージ状態のフィルムである。次いで、半導体チップ100及びウェハ200それぞれに設けられたアライメントマーク(不図示)を認識することにより、半導体チップ100及びウェハ200を位置合わせする。これにより、バンプ電極310と端子242は、互いに対向するようになる。
半導体チップ100は、基板110を備えている。基板110は、半導体基板であり、例えばシリコン基板である。また、上記準備工程において、半導体チップ100の第1面側(裏面104)とは反対面側に保護絶縁膜130が形成されていてもよい。詳細を後述するように、保護絶縁膜130は、例えば、無機化合物層及び有機樹脂層を含んでいる。なお、図7を用いて後述するように、基板110と保護絶縁膜130の間には、多層配線層120が形成されている。
半導体チップ100は、貫通電極140を備えている。貫通電極140は、基板110を貫通している。さらに、半導体チップ100は、素子面102に複数の端子142を有し、かつ裏面104に複数の端子144を有している。本図に示す例において、端子142及び端子144は、貫通電極140を介して互いに電気的に接続している。なお、貫通電極140は、例えばTSV(Through−Silicon Via)であり、具体的には導電体(例えば、銅又はアルミニウムといった金属)を用いて形成されている。さらに、端子142及び端子144は、いずれも金属(例えば、銅又はアルミニウム)を用いて形成されている。
図7は、図1に示した半導体チップ100の一部を拡大した図である。本図に示すように、半導体チップ100は、基板110、多層配線層120、及び保護絶縁膜130を備えている。基板110、多層配線層120、及び保護絶縁膜130は、この順で積層されている。
本図に示す例では、基板110を用いてトランジスタ146が形成されている。トランジスタ146は、プレーナMOSFETであり、具体的には、基板110の表面にソース領域及びドレイン領域を有している。そして多層配線層120には、トランジスタ146に接続する配線が形成されている。トランジスタ146及び上記した配線によって、半導体チップ100では回路が形成されている。多層配線層120を形成する層間絶縁膜は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成されている。なお、基板110の下面から多層配線層120の上面までの距離H(すなわち、貫通電極140を備える基板110および多層配線層120の膜厚)は、短いことが好ましく、例えば、80μm以下であり、具体的には、60μm以下であり、より具体的には例えば50μm以下である。上記距離Hの下限値は、特に限定されないが、例えば、5μm以上としてもよい。
本図に示す例において、保護絶縁膜130は、第1絶縁層132及び第2絶縁層134を含んでいる。第1絶縁層132は、パッシベーション膜であり、具体的には、無機化合物層(例えば、窒化ケイ素又は酸化ケイ素)である。第2絶縁層134は、バッファコート膜(有機樹脂層)である。より具体的には、第2絶縁層134は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリアミド樹脂、又はポリオレフィン樹脂等の有機樹脂や、SiN、SiO等を用いて形成されている。なお、第2絶縁層134は、形成しなくてもよい。
本図に示す例において、貫通電極140は、裏面104から基板110を貫通し、一部が多層配線層120に入り込んでいる。さらに、本図に示す例では、貫通電極140及び端子144は、一体として形成されている。貫通電極140は、多層配線層120に形成された配線に電気的に接続している。そして貫通電極140は、この配線を介して端子142に電気的に接続している。端子142は、例えば、Cuピラーである。そして本図に示す例において、端子142は、多層配線層120上に位置する配線に接続している。さらに、端子142は、第2絶縁層134に形成された開口に一部が位置している。そして端子142は、上端が第2絶縁層134の上面よりも上側に突出しており、下端が第1絶縁層132に入り込んでいる。
図1に戻る。本図に示すように、ウェハ200は、基板210、多層配線層220、及び保護絶縁膜230を備えている。基板210、多層配線層220、及び保護絶縁膜230は、この順で積層されている。ウェハ200では、半導体チップ100と同様にして、基板210を用いてトランジスタ(不図示)が形成されている。そして多層配線層220には、このトランジスタに接続する配線が形成されている。これにより、ウェハ200では、上記したトランジスタ及び上記した配線によって、回路が形成されている。
樹脂層300は、フラックス機能を有している。具体的には、樹脂層300は、樹脂組成物を用いてなる。当該樹脂組成物は、例えば、下記(a)熱硬化性樹脂、および(b)フラックス機能を有する化合物を含む熱硬化性樹脂組成物であってもよい。また、当該樹脂組成物は、下記(c)成膜性樹脂をさらに含有してもよく、下記(d)硬化促進剤をさらに含有してもよく、下記(e)充填材をさらに含有してもよい。また、下記(a)〜(e)の他に、下記(f)その他の添加剤を含ませてもよい。
以下、本実施形態の半導体装置の製造方法に用いるフラックス機能を有する樹脂層300を構成する樹脂組成物について詳述する。
(a)熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)、ジアリルフタレート樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂(ポリイミド前駆体樹脂)、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。特に、これらの中でも、硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れるという観点からエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基が2個以上であるものを使用することができる。具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、o−アリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、3,3',5,5'−テトラメチル4,4'−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、4,4'−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールD型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、1,6ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いても良い。また、信頼性の優れた樹脂組成物を得るために、エポキシ樹脂のNa、Cl等のイオン性不純物はできるだけ少ないものが好ましい。
上記エポキシ樹脂は、25℃で液状のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。これにより、樹脂層300を端子142の周辺及び端子144の周辺にも良好に充填することができる。さらに、基板の表面上の凹凸(例えば、端子142又は端子144によって生じる凹凸)を効果的に埋め込むことができる。さらに、樹脂層300をフィルム状にした場合、このフィルムに柔軟性及び屈曲性を付与することができる。このため、ハンドリング性に優れたフィルムを得ることができる。
上記25℃で液状のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、o−アリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、3,3',5,5'−テトラメチル4,4'−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、4,4'−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、1,6ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテル、エポキシ基を分子内に一つ有するモノエポキシ化合物等が挙げられる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。これにより、樹脂層300の基板に対する密着性、さらに、樹脂組成物の硬化後の機械特性を優れたものとすることができる。
上記25℃で液状のエポキシ樹脂は、25℃における粘度が5.0×10mPa・s以上5.0×10mPa・s以下であることが好ましく、25℃における粘度が8.0×10mPa・s以上4.0×10mPa・s以下であることがさらに好ましい。25℃における粘度を上記範囲内とすることで、作製したフィルム(樹脂層300)が適度な可撓性を有し、ハンドリング性に優れる。
熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)の含有量は、樹脂組成物の全体に対して、10質量%以上75質量%以下であることが好ましい。より具体的には、熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物の全体に対して、15質量%以上45質量%以下であることが好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が上記した範囲内である場合、硬化後の樹脂層300は、耐熱性及び機械的特性が特に優れたものになる。ただし、熱硬化性樹脂の含有量は、上記した範囲に限定されるものではない。
(b)フラックス機能を有する化合物
本実施形態に係る樹脂組成物は、フラックス機能を有する化合物を含有することが好ましい。これにより、端子の備える半田層の表面酸化膜を除去することができ、電気的な接続を容易に行うことができる。
後述するように、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、比較的低い温度にて端子同士の接続を行うこととなる。このように低い温度にて半田層表面の酸化膜を除去するため、当該フラックス機能を有する化合物を含ませ、さらに適切な配合および適切な化合物を選択することが特に好ましい態様であると言える。
フラックス機能を有する化合物としては、半田表面の酸化膜を除去する働きがあれば、特に限定されるものではないが、カルボキシル基、あるいは、カルボキシル基およびフェノール性水酸基の両方を備える化合物が好ましい。
また、カルボキシル基を有さなくても、同様のフラックス活性の効果を発現できる化合物を用いても良い。例えば、カルボキシル基を有しない当該化合物としては、カルボン酸無水化物等の酸無水物化合物等を挙げることができる。
また、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する化合物の中には、フラックス機能を有する化合物が存在する(以下、このような化合物を、フラックス機能を有する硬化剤とも記載する)。例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等は、フラックス機能も有している。本実施形態では、このような、フラックス機能を有する化合物としても作用し、エポキシ樹脂の硬化剤としても作用するようなフラックス機能を有する硬化剤を、好適に用いることもできる。
なお、カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基が1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。また、カルボキシル基およびフェノール性水酸基を備えるフラックス機能を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基およびフェノール性水酸基がそれぞれ1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。
これらのうち、カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。
カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物に係る脂肪族カルボン酸としては、例えば、下記一般式(1)で示される化合物や、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸等が挙げられる。
HOOC−(CH−COOH (1)
(式(1)中、nは、1以上20以下の整数を表す。)
カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物に係る芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、トルイル酸、ケイ皮酸、サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸)、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、浸食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸等が挙げられる。
これらのカルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物のうち、フラックス機能を有する化合物が有する活性度、樹脂組成物の硬化時におけるアウトガスの発生量、および硬化後の樹脂組成物の弾性率やガラス転移温度等のバランスが良い点で、前記一般式(1)で示される化合物が好ましい。そして、前記一般式(1)で示される化合物のうち、nが3〜10である化合物が、硬化後の樹脂組成物における弾性率が増加するのを抑制することができるとともに、半導体チップ、基板等の回路部材同士の接着性を向上させることができる点で、好ましく用いることができる。
前記一般式(1)で示される化合物のうち、nが3〜10である化合物としては、例えば、n=3のグルタル酸(HOOC−(CH−COOH)、n=4のアジピン酸(HOOC−(CH−COOH)、n=5のピメリン酸(HOOC−(CH−COOH)、n=8のセバシン酸(HOOC−(CH−COOH)およびn=10の(HOOC−(CH10−COOH−)等が挙げられる。
上述したようなカルボキシル基、あるいは、カルボキシル基およびフェノール水酸基の両方を備える化合物は、エポキシ樹脂との反応で三次元的に取り込まれる。
そのため、硬化後のエポキシ樹脂の三次元的なネットワークの形成を向上させるという観点からは、フラックス機能を有する化合物としては、フラックス作用を有し且つエポキシ樹脂の硬化剤として作用するフラックス活性を有する硬化剤を用いるのが好ましい。フラックス活性を有する硬化剤としては、例えば、1分子中に、エポキシ樹脂に付加することができる水酸基と、フラックス作用(酸化膜除去作用)を示すカルボキシル基とを備える化合物が挙げられる。
このようなフラックス機能を有する硬化剤としては、サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸)、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)等の安息香酸誘導体等が挙げられ、これらは1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、フラックス活性の高さと、熱硬化性樹脂に対する適度な反応性とのバランスから、フラックス機能を有する化合物として、分子内にカルボキシル基と水酸基とを1つずつ有する化合物を用いることが好ましい。
これにより、比較的低温での加熱条件においても、効果的に半田層の表面酸化膜を除去することができる。
特に好ましい化合物としては、分子内にフェノール性水酸基とカルボキシル基とを1つずつ有する化合物が挙げられ、具体的には、サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸)、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸を挙げることができる。
これらの化合物は、比較的入手容易であり、また、極めて高いフラックス活性を有することから、本実施形態に特に好ましく用いることができる。
また、フラックス機能を有する酸無水物としては、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物等が挙げられる。
フラックス機能を有する化合物に係る脂肪族酸無水物としては、無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。
フラックス機能を有する化合物に係る脂環式酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
フラックス機能を有する化合物に係る芳香族酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂とフラックス機能を有する化合物との配合比(質量比)は、特に限定されないが、(エポキシ樹脂/フラックス機能を有する化合物)が0.5以上12以下であることが好ましく、2以上10以下であることが特に好ましい。(エポキシ樹脂/フラックス機能を有する化合物)を上記範囲とすることで、安定的に樹脂組成物を硬化させることができ、耐マイグレーション性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、これらのフラックス機能を有する化合物の中でも、前述のヒドロキシ安息香酸、セバシン酸およびグルタル酸またはこれらの誘導体、無水フタル酸または無水フタル酸誘導体からなる群から一つ以上を選択することが好ましい態様である。
樹脂組成物全固形分中におけるフラックス機能を有する化合物の配合量の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。一方、上記配合量の上限値は、特に限定されないが、例えば、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
例えば、上記フラックス機能を有する化合物がヒドロキシ安息香酸の場合には、上記配合量の下限値を1質量%以上としてもよく、上記配合量の上限値を5質量%以下としてもよい。また、上記フラックス機能を有する化合物がグルタル酸またはこれらの誘導体の場合には、上記配合量の下限値を3質量%以上としてもよく、上記配合量の上限値を13質量%以下としてもよい。
フラックス機能を有する化合物の配合量が、上記範囲であることにより、フラックス機能を向上させることができるとともに、樹脂組成物を硬化した際に、未反応のエポキシ樹脂やフラックス機能を有する化合物が残存するのを防止することができ、耐マイグレーション性を向上することができる。
(c)成膜性樹脂
成膜性樹脂は、樹脂組成物の膜を形成する。成膜性樹脂は、有機溶媒に可溶であり、単独で膜を形成することができる。
成膜性樹脂は、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、及びナイロンから選択される一種又は二種以上を含む。具体的には、成膜性樹脂は、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、及びポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含んでいることが好ましい。なお、成膜性樹脂は、その構造中に、エポキシ基、(メタ)アクリル基、カルボキシル基、フェノール性水酸基を有していてもよい。成膜性樹脂は、好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体である。この場合、成膜性樹脂は、可とう性に優れるため温度サイクル信頼性が向上する。なお、本実施形態において、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸の重合体;(メタ)アクリル酸の誘導体の重合体;(メタ)アクリル酸及び他の単量体の共重合体;又は(メタ)アクリル酸の誘導体及び他の単量体の共重合体を意味する。さらに、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を意味する。
成膜性樹脂の重量平均分子量は、1万以上が好ましく、2万以上100万以下がより好ましく、3万以上90万以下がさらに好ましい。成膜性樹脂の重量平均分子量が上記した範囲であると、成膜性樹脂は、樹脂組成物の膜を良好に形成することができる。
樹脂組成物を接着フィルムとして用いる場合、成膜性樹脂の含有量は、樹脂組成物の全体に対して、0.5質量%以上50質量%以下であるのが好ましい。より具体的には、成膜性樹脂の含有量は、樹脂組成物の全体に対して、1質量%以上40質量%以下であることが好ましい。さらに具体的には、成膜性樹脂の含有量は、樹脂組成物の全体に対して、3質量%以上35質量%以下であることが好ましい。成膜性樹脂の含有量が上記した範囲内であると、樹脂組成物の流動性を抑制することができ、接着フィルム(樹脂層300)の取り扱いが容易になる。ただし、成膜性樹脂の含有量は、上記した範囲に限定されるものではない。
本実施形態に係る樹脂組成物をフィルムとした場合の厚みの下限値は、特に制限されないが、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることが特に好ましい。また、上記フィルムの厚みの上限値は、150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。上記フィルムの厚みが前記範囲内にあると隣接する端子間の間隙に樹脂組成物を十分に充填することができる。また、樹脂組成物の硬化後の機械的接着強度および対向する端子間の電気的接続を十分に確保することができる。
上記フィルムは、例えば、上記樹脂組成物のワニスを、ポリエステルシート等の剥離基材上に塗布し、所定の温度で乾燥し溶剤を揮散させることにより作製することができる。
(d)硬化促進剤
硬化促進剤は、上記した(a)熱硬化性樹脂の硬化を促進する。硬化促進剤は、熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物、トリフェニルホスフィンまたはテトラフェニルホスフィンの塩類、ジアザビシクロウンデセンなどのアミン系化合物およびその塩類などが挙げられる。イミダゾール化合物は、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルヒドロキシイミダゾール、及び2−フェニル−4−メチルヒドロキシイミダゾールから選択される一種又は二種以上を含む。硬化促進剤は、接合性と硬化性とのバランスに優れ、特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂と組み合わせて用いることにより、その効果を高く発現することができる。融点が150℃以上のイミダゾール化合物は、例えば、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルヒドロキシイミダゾール、及び2−フェニル−4−メチルヒドロキシイミダゾールから選択される一種又は二種以上を含む。硬化促進剤の融点が150℃以上であると、樹脂組成物の硬化が完了する前に、バンプ電極310を構成する成分(例えば、半田成分)が端子142の表面又は端子144の表面に移動することができる。これにより、端子142とバンプ電極310の電気的接続及び端子144とバンプ電極310の電気的接続を良好なものとすることができる。
硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物の全体に対して、0.005質量%以上10質量%以下であるのが好ましい。より具体的には、硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物の全体に対して、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。これにより、バンプ電極310の溶融温度の近傍において樹脂組成物の粘度が高くなりすぎることを抑制することができる。さらに、樹脂組成物の保存性を更に向上させることができる。ただし、硬化促進剤の含有量は、上記した範囲に限定されるものではない。
(e)充填材
充填材は、樹脂組成物の線膨張係数を低下させるとともに、樹脂組成物の最低溶融粘度を調整する。充填材は、例えば、有機充填材及び無機充填材の少なくとも一方を含んでいる。具体的には、本実施形態の樹脂組成物は、無機充填材をさらに含むことができる。有機充填材は、例えば、樹脂粒子及びゴム粒子の少なくとも一方を含んでいる。樹脂粒子は、例えば、有機樹脂成分を含んでいる。ゴム粒子は、例えば、ゴム成分を含んでいる。無機充填材は、例えば、銀、酸化チタン、シリカ、マイカ、アルミナ、窒化アルミニウム、酸化チタン、窒化珪素、及び窒化ホウ素から選択される一種又は二種以上を含む。
充填材は、耐衝撃性の向上という観点からは、有機充填材を含んでいることが好ましい。この場合に用いる有機充填材は、例えば、ゴム成分を含むゴム粒子を含んでいることが好ましい。このゴム成分は、例えば、アクリルゴム、シリコンゴム、及びブタジエンゴムから選択される一種又は二種以上を含んでいる。この場合、樹脂組成物の硬化物の靱性を高めることができ、これにより、半導体装置の耐衝撃性を向上させることができる。なお、有機充填材は、コアシェル構造を有していてもよい。コアシェル構造の有機充填材としては例えば、接合した際の半導体素子の反り抑制特性に優れる、有機微粒子(ダウケミカル製:パラロイドEXL2655 耐衝撃強化剤)、応力緩和剤(三菱レイヨン製:メタブレン J−5800、W−5500)を例示することができる。
充填材は、半導体装置の信頼性の向上という観点からは、無機充填材を含んでいることが好ましい。この場合、樹脂組成物層の線膨張係数を低下することができ、これにより、上記信頼性を向上させることができる。より具体的には、無機充填材は、硬化後の樹脂組成物の熱伝導性の観点からは、シリカを含んでいることが好ましい。シリカの形状は、例えば、破砕シリカ及び球状シリカの少なくとも一方である。本実施形態においては、シリカの形状が、球状シリカであることが好ましい。さらに、無機充填材は、熱伝導性の観点からは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、窒化珪素、及び窒化ホウ素から選択される一種又は二種以上を含んでいることが好ましい。
充填材は、耐衝撃性の向上及び半導体装置の信頼性の向上という双方の観点からは、無機充填材及び有機充填材の双方を含んでいてもよい。
充填材は、平均粒子直径が500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましい。充填材の平均粒子直径の下限値は、たとえば5nmである。これにより、上記シリカ中にナノシリカを含めることができる。充填材の平均粒子直径が上記した範囲内である場合、樹脂組成物の粘度を適度なものとすることができる。さらに、樹脂組成物内で充填材が凝集することを抑制することができる。さらに、樹脂組成物を光が透過する際に、可視光の透過を充填材が阻害するのを低減することができる。この場合、端子142及び端子144が樹脂層300に埋め込まれていても、可視光を用いて端子142の位置及び端子144の位置を良好に認識することができる。なお、充填材がシリカを含む場合、可視光の透過性はさらに良好なものとなる。これにより、半導体チップ100の位置合わせが容易になる。ただし、充填材の平均粒子直径は、上記した範囲に限定されるものではない。
充填材の含有量は、樹脂組成物の全体に対して、0.1質量%以上80質量%以下であるのが好ましい。より具体的には、充填材の含有量は、樹脂組成物の全体に対して、20質量%以上70質量%以下であることが好ましい。充填材の含有量が上記した範囲内であると、樹脂組成物を硬化させた後において、半導体チップ100と樹脂層300の間の線膨張係数差を小さくさせることができる。これにより、半導体チップ100と樹脂層300の間に生じる応力を低減させることができる。このため、半導体チップ100が樹脂層300から剥離することをさらに確実に抑制することができる。さらに、充填材の含有量が上記した範囲内であると、硬化後の樹脂組成物の弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができる。このため、半導体装置の信頼性が上昇する。ただし、充填材の含有量は、上記した範囲に限定されるものではない。
本実施形態において、無機充填材は、その表面が疎水性の官能基で修飾されている表面疎水化無機充填材であることが好ましい。これにより、樹脂組成物中に含まれる、エポキシ樹脂、フラックス機能を有する化合物(b)等の樹脂成分と、無機充填材とのなじみ性を向上させることができ、その結果、樹脂組成物の低粘度化や、無機充填材の表面性状の改質が図られるため、接合工程における樹脂組成物の熱時流動性が向上することとなる。このため、表面疎水化無機充填剤は、その高い熱時流動性から、従来よりも低温における樹脂に流動性を持たせることが可能になり、半田融点よりも低い温度で押しつけた際に良い接合状態を実現することができるため、低温での接合に好適に用いることができる。
なお、本明細書において、「疎水性」とは、水に対する親和性が低く、水に溶解しにくい、あるいは水と混ざりにくい性質を有することをいう。
この表面疎水化無機充填材としては、例えば、上述した無機充填材の表面を、シリル化処理したものが挙げられる。これらは、公知の処理剤(シリル化剤)を何ら制限されずに使用することができる。
このシリル化剤としては、例えば、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等のクロロシラン類等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
この他、表面疎水化無機充填材を得るために、無機充填材の表面を処理する処理剤(疎水化剤)としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、クロロアルキル変性シリコーンオイル、クロロフェニル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、および、末端反応性シリコーンオイル等のシリコーンオイルが挙げられる。
さらに、処理剤(疎水化剤)としては、脂肪酸およびその金属塩を用いることができ、その具体例として、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸のような長鎖脂肪酸、その金属塩としては亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムのような金属との塩等が挙げられる。
以上のような表面疎水化無機充填材は、その表面が疎水性の官能基で修飾されている。疎水性の官能基として、例えば、アルキル基を有するものであることが好ましい。これにより、樹脂成分と無機充填剤成分とのなじみ性を向上させることができ、樹脂組成物の低粘度化や、無機充填材の表面性状を改質するという効果を発現させることができる。
上記アルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ペンチル基、neo−ペンチル基、tert−ペンチル基、iso−ヘキシル基等が挙げられ、中でも、メチル基およびエチル基のうちの少なくとも1種であることが好ましい。これにより、無機充填材の表面を効率的に疎水化処理することができる。
(f)その他の添加剤
本実施形態の樹脂組成物は、上記した(a)〜(e)以外の成分を含んでいてもよい。例えば、本実施形態の樹脂組成物は、重量平均分子量が300以上2500以下であるフェノール系硬化剤を含んでいてもよい。これにより、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を高めることができ、さらに、耐イオンマイグレーション性を向上させることが可能となる。また、樹脂組成物に適度な柔軟性を付与することができる。
また、本実施形態の樹脂組成物は、フェノール樹脂系硬化剤以外の他の硬化剤を含んでもよい。他の硬化剤としては、たとえば、ピリジン、ピロールまたはこれらの誘導体等のアミン系複素環式芳香族化合物が挙げられる。
フェノール系硬化剤は、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ビスフェノールF型ノボラック樹脂、及びビスフェノールAF型ノボラック樹脂から選択される一種又は二種以上を含む。より具体的には、フェノール系硬化剤は、フェノールノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂であることが好ましい。
フェノール系硬化剤の含有量は、樹脂組成物の全体に対して、1質量%以上30質量%以下であるのが好ましい。より具体的には、フェノール系硬化剤の含有量は、樹脂組成物の全体に対して、3質量%以上25質量%以下であることが好ましい。フェノール系硬化剤の含有量を上記範囲とすることで、半導体チップ100の表面上の凹凸(例えば、端子142又は端子144によって生じる凹凸)を樹脂組成物で効果的に埋め込むことができる。さらに、フェノール系硬化剤の含有量を上記範囲とすることで、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を効果的に高めることができる。ただし、フェノール系硬化剤の含有量は、上記した範囲に限定されるものではない。
フェノール系硬化剤の重量平均分子量は、300以上2500以下であることが好ましく、400以上2300以下であることが特に好ましい。これにより、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を高めることができ、さらに耐イオンマイグレーション性を効率よく向上させることができる。また、樹脂組成物に適度な柔軟性を付与することができる。ここで、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラム)により測定することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、シランカップリング剤を更に含んでもよい。この場合、樹脂層300を半導体チップ100に良好に接着させることができる。シランカップリング剤は、例えば、エポキシシランカップリング剤及び芳香族含有アミノシランカップリング剤から選択される一種又は二種を含む。シランカップリング剤の配合量は、樹脂組成物の全体に対して、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以上2質量%以下である。ただし、シランカップリング剤の配合量は、この範囲に限定されるものではない。
本実施形態に係る樹脂組成物は、添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤は、例えば、可塑剤、安定剤、粘着付与剤、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、及び顔料から選択される一種又は二種以上を含んでいる。
本実施形態において、樹脂組成物は、上記した各成分を混合又は分散させることによって調製することができる。各成分の混合方法及び分散方法は特に限定されず、従来公知の方法で混合又は分散させることができる。より具体的には、例えば、上記した樹脂組成物は、前記各成分を溶媒中で又は無溶媒下で混合して液状に調製してもよい。このとき用いられる溶媒は、各成分に対して不活性である。具体的には、この溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソブチルケトン(DIBK)、シクロヘキサノン、及びジアセトンアルコール(DAA)などのケトン類;ベンゼン、キシレン、及びトルエンなどの芳香族炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、及びn−ブチルアルコールなどのアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、及びエチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ類;N−メチル−2−ピロリドン(NMP);テトラヒドロフラン(THF);ジメチルホルムアミド(DMF);二塩基酸エステル(DBE);3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP);並びにジメチルカーボネート(DMC)から選択される一種又は二種以上を含む。溶媒の含有量は、溶媒の質量及び樹脂組成物の質量の合計に対する樹脂組成物の質量の濃度が10〜80質量%となる量であることが好ましい。
次いで、上記接合工程について説明する。
図2に示すように、バンプ電極310を介して半導体チップ100の端子144とウェハ200の端子242を接合する。具体的には、半導体チップ100及びウェハ200をバンプ電極310の融点よりも低い第1温度に加熱しつつ、挟圧部材610を用いて樹脂層300を挟む方向に半導体チップ100及びウェハ200を第1圧力で第1時間、押圧する。なお、この場合の加熱は、例えば、半導体チップ100及びウェハ200を第1温度の雰囲気の中に置くことにより行われる。他の例として、この加熱は、挟圧部材610を加熱することにより行ってもよい。
ここで、本明細書において、「接合」とは具体的に以下のような態様となることを指す。
すなわち、本明細書において、「接合」とは、図16に示されるように、端子の表面に半田が濡れ拡がり、接合面を形成することを指す。
本実施形態における接合工程は、バンプ電極310を介して第1端子(端子144)と第2端子(端子242)とを接触させた後、さらに、バンプ電極310を変形させて第1端子と前記第2端子とを接近させることにより、第1端子(端子144)と第2端子(端子242)との間の接合面を形成する工程を含むことができる。
これに対して、特許文献2においては、段落0055に示される接触工程において、比較的高温である170℃にて、20Nで2秒間荷重し、半導体チップの突起電極と基板の電極部とを接触させて実装体を得る態様が開示されている。
当該文献の段落0043には、半田の溶融点として、225〜235℃程度の鉛フリーの半田が開示されているところ、この特許文献2における接触工程においては、半田溶融点と加熱温度とが十分に離れていることから、上述のような半田層の濡れ拡がりが起こらず、接合面が形成されることもない。図17に示されるように、半田層が端子に対して部分的に接触するにとどまる。
本明細書においては、このような態様を「接触」あるいは「当接」として表記する。また、なお、接触の場合でも金属間化合物が生じる場合がある。
ここで、本実施形態においては、接合工程が半田層(バンプ電極310)の融点以下の温度で行われるが、この操作を行うにあたっては、適切なフラックス機能を有する樹脂組成物を選択することが重要であり、とりわけ、適切なフラックス機能を有する化合物を樹脂組成物として、適切量配合し、同時に、組み合わせる樹脂成分についても十分な制御を行った上で配合することが重要となる。
たとえば、国際公開第2011/007531号パンフレットの実施例3においては、接続用金属電極と、接続用半田電極とを当接させる第2の工程を180℃の温度で実施しているが、この系においては、本願明細書の実施例項に示されるフラックス機能を有する化合物よりも活性の低い化合物が用いられている。このため、上記特許文献2と同様、半田層の濡れ拡がりが起こらず、接合面が形成されることもない。図17に示されるように半田層が変形されず、半田層が端子に対して部分的に接触するにとどまる。
また、国際公開第2011/007531号パンフレットの実施例3においては、フリップチップボンダーを用いてまず端子同士を「当接」させる工程を実施している。
この工程においては、フリップチップボンダーの位置制御も「当接」するように条件設定される。したがって、当接の状態よりもさらに端子同士が近接した結果、半田層の変形は生じるが、しかしながら濡れ広がりは生じない。
これに対して、本実施形態の一態様においては、たとえば、図16に示されるように、基材の積層方向に直交する方向から半導体装置をみたときに、接合面が第1端子(端子144)または第2端子(端子242)の表面の長さに対して90%以上の長さで形成されている。これにより、より高度な接続信頼性を発揮することができる。
なお、この基材の積層方向に直交する方向は、たとえば任意に選んだ方向のいずれかでよく、接合面が端子に対して平行に形成されていない場合においては、弧長として、この接合面の長さを定義することができる。
この接合面は第1端子または第2端子の表面の長さに対して95%以上の長さで形成されていることがより好ましく、100%の長さで形成されていることがさらに好ましい。
また、本実施形態の一態様においては、前述の接合面は、半田層を形成する半田成分と、第1端子(端子144)または第2端子(端子242)を構成する金属成分との合金が含まれることとすることができ、これにより、端子間における接続性が一段と向上する。
たとえば、銅製のバンプから構成される端子に対し、錫を含む半田層を用いて接合面を形成する場合、この銅と錫とを含む合金がこの接合面に含まれる。
ここで、本実施形態においては、上記準備工程において、第1端子(端子144)及び第2端子(端子242)のいずれか一方にバンプ電極310が形成されている。例えば、上記接合工程は、バンプ電極310が形成されていない方の端子(端子242)とバンプ電極310との合金層を形成するとともに、バンプ電極310が形成されていない方の端子(端子242)の全面に合金層を形成する工程を含むことができる。
本実施形態においては、たとえば、フラックス機能を有する化合物の種類と配合量を適切に選択することにより、このような合金が含まれる接合面を形成することができる。
本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、低温条件下で上記接合工程を実施することができるため、半導体チップ100等の貫通電極140を有する薄膜構造体の反りを抑制することができる。これにより、接続信頼性に優れた半導体装置を得ることができる。
また、本発明者が検討した結果、端子144と端子242を接合する上記接合工程を、バンプ電極310の融点よりも低い第1温度で実施することにより、保護絶縁膜130(例えば、チップ表面の回路保護用のパッシベーション膜)が形成された半導体チップ100においても、保護絶縁膜130と半導体チップ100との線膨張係数の差に起因する反りを抑制できることが明らかとなった。
また、本実施形態の半導体装置の製造方法は、上記準備工程において、第1半導体部品(半導体チップ100)に複数の貫通電極140が形成されており、各々の貫通電極140の第一面側に第1端子(端子144)が形成されており、一方、第2半導体部品(ウェハ200)に複数の第2端子(端子242)が形成されており、上記接合工程は、複数の第1端子(端子144)と第2端子(端子242)とをバンプ電極310を介して一括して接合する工程を含むものである。これにより、上記薄膜構造体の反りに起因した複数の貫通電極140の間の接続信頼性のバラツキを抑制し、信頼性に優れた半導体装置の構造を実現することができる。
ここで、本実施形態においては、たとえば、樹脂組成物の種類、低温でもフラックス機能を発揮するフラックス化合物の種類、接合時の加圧条件等を適切に選択することにより、低温条件下における上記接合工程を実現することができる。
半導体チップ100の反りが抑制される場合、バンプ電極310が端子242から剥離することが抑制される。詳細には、半導体チップ100に上記したように反りが生じる場合、バンプ電極310及び端子242には、バンプ電極310が端子242から剥離する力が働くことがある。これに対して、本図に示す例では、上記した反りが抑制されている。このため、バンプ電極310が端子242から剥離することが抑制される。
ところで実装基板や半導体素子では、配線層や保護層が片面に配置しており、その不均一構造から高温では反りが発生する傾向があるが、TSVの構造有するチップは、チップ表裏の導通を図るために、従来と比較して薄くなっており、加熱による反りは一層顕著になっている。このような構造体に対しても、本実施形態の製造方法は、有効に反りを低減させることが可能になる。
なお、本図に示す例では、端子144と端子242を接合する際の温度(第1温度)がバンプ電極310の融点よりも低い場合であっても、バンプ電極310に含まれる原子が端子242に熱拡散する。このため、端子144及び端子242は、バンプ電極310を介して接合することができる。
さらに、本図に示す例では、樹脂層300は、上記したように、フラックス機能を有している。具体的には、樹脂層300は、上記した(b)フラックス機能を有する化合物を含んでいる。このため、バンプ電極310の表面に酸化膜が形成されていたとしても、この酸化膜は、樹脂層300のフラックス機能の還元により、除去される。
バンプ電極310(例えば、半田)の融点をTmelt[℃]としたとき、第1温度は、Tmelt[℃]より低い温度であればよく、例えば、(Tmelt−45)[℃]以上であり、より好ましくは、(Tmelt−40)[℃]以上であり、さらに好ましくは、(Tmelt−35)[℃]以上である。より具体的には、第1温度は、例えば、バンプ電極310が融点210℃以上の半田の場合には、210℃よりも低い温度であればよく、150℃以上が好ましく、180℃以上がより好ましい。これにより、端子に対する半田の濡れ拡がり性をさらに向上させることができ、半導体装置を得たときに、一段と高い接続信頼性を発揮することができる。
なお、バンプ電極310の融点Tmeltは、例えば、130℃以上300℃以下である。好ましくは、バンプ電極310の融点Tmeltは、例えば、180℃以上230℃以下である。
ここで、これまでの従来の接合工程は、260℃〜300℃の半田の融点以上の高温度で加圧することにより実施していた。その結果、260℃〜300℃の高温においては、樹脂の溶融粘度が大きくなり、樹脂のはみ出しが生じることがあった。はみ出した樹脂が、ボンディングツール、や隣接した半導体チップ、ステージなどを汚染してしまう。
これに対して、本実施形態においては、半田の融点よりも低い低温(第1温度)で接合を実施することができる。このため、上記のような樹脂のはみ出しを抑制し、生産性に優れた半導体装置の製造方法を実現することができる。
上記接合工程を実施する方法としては、特に限定されないが、圧着装置、フリップチップボンダー等を用いて行うことができる。
第1圧力は、例えば、0.05MPa以上2.0MPa以下であり、好ましくは、例えば、0.1MPa以上1.0MPa以下である。
接合時間(第1時間)は、例えば、0.2秒間以上60秒間以下であり、好ましくは、例えば、1秒間以上30秒間以下である。
次いで、図3に示すように、ウェハ200に積層された半導体チップ100に他の半導体チップ100をさらに積層することができる。
すなわち、本実施形態においては、上記硬化工程の前に、表面にバンプ電極310が形成された第3端子、を有する貫通電極を備える、上層の半導体チップ100を準備する工程と、上層の半導体チップ100のバンプ電極310が形成された側と第1半導体部品(下層の半導体チップ100)の第1面側とは反対側とを対向配置するとともに、上層の半導体チップ100と第1半導体部品との間に樹脂層300を配置する工程と、バンプ電極310の融点よりも低い上記第1温度で加熱することにより、第1半導体部品の第1面側とは反対側に形成された端子(端子142)と上層の半導体チップ100の第3端子とをバンプ電極310を介して接合する接合工程と、を含むことができる。
以上のようにして2つの半導体チップ100を含む積層体を形成する。次いで、この積層体に他の半導体チップ100をさらに積層する。これにより、複数の半導体チップ100を含む積層体がウェハ200の一の領域に形成される。この積層体では、半導体チップ100及び樹脂層300が交互に積層されている。そして本実施形態では、図4〜図6を用いて後述するように、この積層体は、3つの半導体チップ100を含んでいる。ただし、上記した積層体に含まれる半導体チップ100の数は3つに限定されるものではない。例えば、上記した積層体は、半導体チップ100を1つのみ含んでいてもよい。他の例として、上記した積層体は、2つの半導体チップ100又は4つ以上の半導体チップ100を含んでいてもよい。
本実施形態によれば、半導体チップ100を複数積層する積層工程の間、低温条件下において上記接合工程を行うことができる。これにより、複数の半導体チップ100の間においても、上述の樹脂のはみ出しを抑制できる。さらに、上記接合工程を用いることにより、最下層から最上層までの接続信頼性を向上させることができる。
次いで、図4に示すように、複数の半導体チップ100を含む積層体をウェハ200の他の領域に設けてもよい。また、同様のプロセスを用いて、ウェハ200に上記積層体を複数形成してもよい。本図に示す例では、積層体に含まれる半導体チップ100の数は、ウェハ200のいずれの領域においても同一である。これにより、各積層体の高さは、おおよそ等しいものとなっている。
次いで、上記硬化工程について説明する。
図5に示すように、樹脂層300を硬化させる。具体的には、半導体チップ100及びウェハ200を第2温度(硬化温度)に加熱しつつ、挟圧部材620を用いて樹脂層300を挟む方向に半導体チップ100及びウェハ200を第2圧力で第2時間、押圧する。第2温度は、バンプ電極310の融点よりも低いことが好ましい。具体的には、上記硬化工程における第2温度は、半田の融点よりも低いことがより好ましく、200℃以下がさらに好ましく、180℃以下が一層好ましい。
本明細書においては、第1温度や第2温度などの「加熱温度」とは、第一回路部材(例えば、半導体チップ)と第二回路部材(例えば、シリコンウエハ)の間に熱電対を挟みこみ、接続用金属近傍部位の最高到達温度を意味する。
このように、本実施形態において、上記硬化工程は、バンプ電極310の融点よりも低い第2温度で加熱することにより、樹脂層300を硬化する工程を含むことができる。また、上記接合工程から上記硬化工程にかけて、製造プロセスをバンプ電極310の融点よりも低い温度で行うことができる。言い換えると、本実施形態の半導体装置の製造方法は、上記接合工程と上記硬化工程の間に、リフロー処理を行わないで済む。これにより、上記接合工程から上記硬化工程までの間に、半田融点以上の加熱処理(リフロー処理等)を実施しないで済むため、樹脂の硬化の進行を抑制できるので、樹脂粘度が低下することに起因した樹脂噛みや、成形ボイドを抑制することが可能になる。また、上述の樹脂のはみ出しを効果的に抑制することもできる。
また、上記接合工程から上記硬化工程まで、上述のように低温条件下で実施できるので、冷却工程を省くことができるので、製造効率を高めることができる。加えて、加熱装置の寿命を延長させることができ、電子部品の製造コストを低減できる。また、使用する樹脂組成物の可使時間も延ばすことができる。
また、低温で接合するため、樹脂組成物は硬化等の熱変性が起こりにくく、流体による加圧雰囲気下での加圧条件を適宜設定することで、樹脂層300内のボイドを低減させることができる。
本実施形態において、上記第2温度は、第1温度よりも高くてもよいし、又は低くてもよい。第2温度は、具体的には、例えば、70℃以上300℃以下、好ましくは100℃以上、250℃以下、さらに好ましくは130℃以上240℃以下、さらに好ましくは150℃以上200℃以下である。第2圧力は、第1圧力以上であってもよいし、又は第1圧力以下であってもよい。具体的には、第2圧力は、例えば、0.05MPa以上2.0MPa以下であり、好ましくは、例えば、0.4MPa以上1.2MPa以下である。第2時間は、第1時間よりも長く、具体的には、例えば、1時間以上5時間以下である。なお、この場合の加熱は、例えば、半導体チップ100及びウェハ200を第2温度の雰囲気の中に置くことにより行われる。他の例として、この加熱は、挟圧部材620を第2温度に加熱することにより行ってもよい。なお、本図に示す例では、半導体チップ100及びウェハ200を第2温度で加熱した後、半導体チップ100及びウェハ200を第2温度とは異なる温度で加熱してもよい。例えば、半導体チップ100及びウェハ200を150℃(第2温度)で2時間加熱後、半導体チップ100及びウェハ200を200℃(第2温度とは異なる温度)で2時間加熱してもよい。
さらに、挟圧部材610を用いて、これを半導体装置に接する位置に合わせて固定し、無加圧状態で加熱を行ってもよい。これにより、硬化時の反りを低減させることができる。
図8は、図5の変形例を示す図である。本図に示すように、半導体チップ100及びウェハ200を格納した容器640の内部を第2温度かつ第2圧力の気体(例えば、窒素ガス又は希ガスといった不活性ガス、空気)の雰囲気にすることにより、樹脂層300を硬化してもよい。この場合、例えば、容器640の内壁は、第2温度に加熱されている。これにより、容器640の内部の気体の温度が第2温度になる。なお、第2圧力は、常圧でもよいし、又は常圧よりも高くてもよい。
なお、図3または図5に示す積層体を加熱する工程においては、積層体を流体で加圧しながら加熱することもできる。これにより、樹脂層300におけるボイド発生を抑制することができ、また、精度高く端子同士を接合させることができる。
次いで、リフロー工程について説明する。
図6に示すように、バンプ電極310をリフローする。すなわち、本実施形態においては、上記硬化工程の後、バンプ電極310の融点よりも高い温度で加熱することにより、リフロー処理を実施する、リフロー工程をさらに含むことができる。これにより、端子間の接続をより強固なものとし、基材間の接続信頼性を一層向上させることができる。具体的には、半導体チップ100及びウェハ200をバンプ電極310の融点より高い第3温度に加熱する。本図に示す例では、半導体チップ100及びウェハ200をヒータ630に曝すことにより、半導体チップ100及びウェハ200を加熱している。なお、本図に示す例では、樹脂層300は、上記硬化工程によって、既に硬化されている。このため、バンプ電極310の融点より高い温度(第3温度)に加熱しても、半導体チップ100の反りは、硬化した樹脂層300によって抑制される。加えて、上記硬化工程後に上記リフロー工程を行うことにより、上述の樹脂のはみ出しを抑制することができる。
なお、上記端子間の接合が十分であれば、本リフロー工程は実施しなくてもよい。
次いで、ウェハ200をダイシングする。これにより、複数の半導体装置が切り出される。
図9は、図1の第1の変形例を示す図である。本図に示すように、バンプ電極310は、ウェハ200の端子242に形成されていてもよい。そして本図に示す例では、半導体チップ100の端子144には、バンプ電極310は形成されていない。本図に示す例においても、バンプ電極310を介して端子144と端子242を接合する際の温度(第1温度)がバンプ電極310の融点よりも低い。これにより、半導体チップ100の反りを抑制することができる。
図10は、図1の第2の変形例を示す図である。本図に示すように、バンプ電極310は、半導体チップ100の端子144及びウェハ200の端子242の双方に形成されていてもよい。本図に示す例においても、バンプ電極310を介して端子144と端子242を接合する際の温度(第1温度)がバンプ電極310の融点よりも低い。これにより、半導体チップ100の反りを抑制することができる。
図11は、図1の第3の変形例を示す図である。本図に示すように、樹脂層300及び半導体チップ100がこの順で交互に積層された積層体をウェハ200に搭載してもよい。本図に示す例では、上記した積層体の最下層の半導体チップ100の端子144がバンプ電極310を介してウェハ200の端子242と接合する。この場合、樹脂層300を挟む方向に上記した積層体とウェハ200を押圧する。そして本図に示す例においても、バンプ電極310を介して端子144と端子242を接合する際の温度(第1温度)がバンプ電極310の融点よりも低い。これにより、半導体チップ100の反りを抑制することができる。
以上、本実施形態によれば、バンプ電極310を介して半導体チップ100の端子144とウェハ200の端子242を接合する際の温度(第1温度)がバンプ電極310の融点よりも低い。これにより、半導体チップ100の反りを抑制することができる。
(第2の実施形態)
図12は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。本実施形態に係る方法は、以下の点を除いて、第1の実施形態に係る方法と同様である。
本図に示すように、半導体チップ100は、素子面102がウェハ200の素子面202と対向する向きに搭載される。言い換えると、本図に示す例では、半導体チップ100は、フェイスダウンでウェハ200に搭載される。そして本図に示す例では、バンプ電極310は、端子142に形成されている。さらに、樹脂層300は、半導体チップ100の素子面102に形成されている。本図に示す例では、半導体チップ100の端子142とウェハ200の端子242がバンプ電極310を介して接合する。そして本図に示す例においても、バンプ電極310を介して端子142と端子242を接合する際の温度(第1温度)がバンプ電極310の融点よりも低い。これにより、半導体チップ100の反りを抑制することができる。
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。本実施形態に係る方法は、以下の点を除いて、第1の実施形態に係る方法と同様である。
本図に示す例では、一の半導体チップ100が他の半導体チップ100に積層される。詳細には、半導体チップ100の一方には、端子144にバンプ電極310が形成されており、裏面104に樹脂層300が形成されている。本図に示す例では、一の半導体チップ100の一方の端子144と、他の半導体チップ100の他方の端子142がバンプ電極310を介して接合する。この場合、樹脂層300を挟む方向に半導体チップ100の双方を押圧する。本図に示す例においても、バンプ電極310を介して端子142と端子144を接合する際の温度(第1温度)がバンプ電極310の融点よりも低い。これにより、半導体チップ100の反りを抑制することができる。
図14は、図13の第1の変形例を示す図である。本図に示すように、バンプ電極310は、半導体チップ100の双方に形成されていてもよい。本図に示す例においても、バンプ電極310を介して端子142と端子144を接合する際の温度(第1温度)がバンプ電極310の融点よりも低い。これにより、半導体チップ100の反りを抑制することができる。
図15は、図13の第2の変形例を示す図である。本図に示す例では、ウェハ200に搭載された半導体チップ100に、他の半導体チップ100をさらに搭載する。この場合、樹脂層300を挟む方向に半導体チップ100とウェハ200を押圧する。そして本図に示す例においても、バンプ電極310を介して端子142と端子144を接合する際の温度(第1温度)がバンプ電極310の融点よりも低い。これにより、半導体チップ100の反りを抑制することができる。
また、本実施形態の半導体装置の製造方法は、各種基板同士の接合プロセスに適用できる。すなわち、本実施形態の半導体装置の製造方法は、第1端子及び第2端子の少なくとも一方にバンプ電極が形成されており、第1面側に第1端子を有する貫通電極を備える第1基板と、第2面側に第2端子を備える第2基板と、を準備する準備工程と、第1面と第2面とを対向させた状態で、第1基板と第2基板との間に、熱硬化性樹脂およびフラックス活性剤を含む樹脂層を配置する配置工程と、バンプ電極の融点よりも低い第1温度で加熱することにより、第1基板の第1端子と第2基板の第2端子とをバンプ電極を介して接合する接合工程と、バンプ電極の融点よりも低い第2温度で加熱することにより、樹脂層を硬化する硬化工程と、を含み、接合工程から硬化工程にかけて、バンプ電極(例えば、半田層)の融点よりも低い温度で行うことができる。
上記第1基板は、第1半導体チップを構成する基板またはインターポーザーとすることができる。第1基板の膜厚は、上記半導体チップ100を構成する基板の膜厚と同程度薄層であり、例えば、80μm以下とすることができる。上記第2基板は、第2半導体チップを構成する基板、インターポーザー、半導体ウェハ(シリコンウェハ)または有機基板とすることができる。上述のインターポーザーは、シリコンまたはガラスで構成される。
本実施形態によれば、上記接合工程は、TSV構造を有する第1半導体チップと半導体ウェハ、TSV構造を有する第1半導体チップとTSV構造を有する第2半導体チップ、TSV構造を有する複数の半導体チップからなる積層体と半導体ウェハ、TSV構造を有するロジックチップと有機基板、インターポーザーと有機基板、等の積層プロセスに利用することが可能である。上記接合工程は、低温条件下で行われるため、薄層の第1基板の反りを抑制でき、信頼性に優れた半導体装置の構造を実現できる。また、上記接合工程から上記硬化工程にかけて、バンプ電極の融点よりも低い温度で行うことができるので、第1基板と第2基板との間に配置された樹脂層を構成する樹脂のはみ出しを抑制することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
[付記A1]
第1面側に第1端子を備え、かつ貫通電極を備え、半導体チップである第1半導体部品と、
第2面側に第2端子を備え、半導体チップ又はウェハである第2半導体部品と、
を準備する工程を備え、
前記第1端子及び前記第2端子の少なくとも一方には、バンプ電極が形成されており、
前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方には、フラックス機能を有する樹脂層が形成されており、
さらに、
前記バンプ電極を介して前記第1端子と前記第2端子を接合する工程と、
前記第1端子と前記第2端子を接合した後、前記樹脂層を硬化させる工程と、
を備え、
前記第1端子と前記第2端子を接合する工程は、
前記第1半導体部品及び前記第2半導体部品を前記バンプ電極の融点よりも低い第1温度に加熱しつつ、前記バンプ電極を介して前記第1端子及び前記第2端子を互いに押し付けることにより行われる半導体装置の製造方法。
[付記A2]
付記A1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1半導体部品には、前記第1面とは逆側の面に他の半導体チップが積層されており、
前記第1端子と前記第2端子を接合する工程は、
前記他の半導体チップと前記第2半導体部品を互いに押し付けることにより行われる半導体装置の製造方法。
[付記A3]
付記A1又はA2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1半導体部品は、
基板と、
前記基板上に位置する多層配線層と、
を備え、
前記基板の下面から前記多層配線層の上面までの距離が80μm以下である半導体装置の製造方法。
[付記A4]
付記A1〜A3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記バンプ電極が、融点が210℃以上である半田層から構成されている半導体装置の製造方法。
[付記A5]
付記A4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半田層を構成する半田成分が、鉛フリー半田である半導体装置の製造方法。
[付記A6]
付記A1〜A4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法に用いられる樹脂層に含まれる樹脂組成物。
[付記A7]
付記A6に記載の樹脂組成物において、
前記樹脂組成物がフラックス機能を有するものである樹脂組成物。
[付記A8]
付記A6又はA7に記載の樹脂組成物において、
前記樹脂組成物がフラックス機能を有する化合物を含むものである樹脂組成物。
[付記A9]
付記A8に記載の樹脂組成物において、
前記フラックス機能を有する化合物が、分子内にカルボキシル基を有する化合物である樹脂組成物。
[付記A10]
付記A8又はA9に記載の樹脂組成物において、
前記フラックス機能を有する化合物が、分子内にカルボキシル基と水酸基とを1つずつ有する化合物である樹脂組成物。
[付記A11]
付記A8〜A10のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
前記フラックス機能を有する化合物が、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェノールフタリンからなる群から選ばれる一つ以上である樹脂組成物。
[付記B1]
第1端子及び第2端子の少なくとも一方にバンプ電極が形成されており、
第1面側に前記第1端子を有する貫通電極を備える第1基板と、
第2面側に前記第2端子を備える第2基板と、を準備する準備工程と、
前記第1面と前記第2面とを対向させた状態で、前記第1基板と前記第2基板との間に、熱硬化性樹脂およびフラックス活性剤を含む樹脂層を配置する配置工程と、
前記バンプ電極の融点よりも低い第1温度で加熱することにより、前記第1基板の前記第1端子と前記第2基板の前記第2端子とを前記バンプ電極を介して接合する接合工程と、
前記バンプ電極の融点よりも低い第2温度で加熱することにより、前記樹脂層を硬化する硬化工程と、を含む、半導体装置の製造方法。
[付記B2]
付記B1に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記接合工程から前記硬化工程にかけて、前記バンプ電極の融点よりも低い温度で行う、半導体装置の製造方法。
[付記B3]
付記B1またはB2に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記準備工程において、前記第1基板に複数の前記貫通電極が形成されており、各々の前記貫通電極の第一面側に前記第1端子が形成されており、一方、前記第2基板に複数の前記第2端子が形成されており、
前記接合工程は、複数の前記第1端子と前記第2端子とが前記バンプ電極を介して一括して接合する工程を含む、半導体装置の製造方法。
[付記B4]
付記B1からB3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記貫通電極を備える前記第1基板の膜厚は、80μm以下である、半導体装置の製造方法。
[付記B5]
付記B1からB4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記バンプ電極が半田層で構成される、半導体装置の製造方法。
[付記B6]
付記B1からB5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1基板は、第1半導体チップを構成する基板またはインターポーザーである、半導体装置の製造方法。
[付記B7]
付記B1からB6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第2基板は、第2半導体チップを構成する基板、インターポーザー、半導体ウェハまたは有機基板である、半導体装置の製造方法。
[付記B8]
付記B6またはB7に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記インターポーザーは、シリコンまたはガラスで構成される、半導体装置の製造方法。
[付記B9]
付記B1からB8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記接合工程は、前記バンプ電極を介して前記第1端子と前記第2端子とを接触させた後、
さらに、前記バンプ電極を変形させて前記第1端子と前記第2端子とを接近させることにより、前記第1端子と前記第2端子との間の接合面を形成する工程を含む、半導体装置の製造方法。
[付記B10]
付記B1からB9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記準備工程において、前記第1端子及び前記第2端子のいずれか一方に前記バンプ電極が形成されており、
前記接合工程は、前記バンプ電極が形成されていない方の端子と前記バンプ電極との合金層を形成するとともに、当該端子の全面に前記合金層を形成する工程を含む、半導体装置の製造方法。
[付記B11]
付記B1からB10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記硬化工程の後、前記バンプ電極の融点よりも高い温度で加熱することにより、リフロー処理を実施する、リフロー工程をさらに含む、半導体装置の製造方法。
[付記B12]
付記B1からB11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記硬化工程の前に、
表面に前記バンプ電極が形成された第3端子を有する貫通電極を備える半導体チップを準備する工程と、
前記半導体チップの前記バンプ電極が形成された側と前記第1基板の第1面側とは反対側とを対向配置するとともに、前記半導体チップと前記第1基板との間に前記樹脂層を配置する工程と、
前記バンプ電極の融点よりも低い第1温度で加熱することにより、前記第1基板の前記の第1面側とは反対側に形成された端子と前記半導体チップの前記第3端子とを前記バンプ電極を介して接合する接合工程と、を含む、半導体装置の製造方法。
[付記B13]
付記B1からB12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記貫通電極が銅で構成される、半導体装置の製造方法。
[付記B14]
付記B1からB13のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記配置工程において、前記樹脂層は、Bステージ状態のフィルムである、半導体装置の製造方法。
[付記B15]
付記B1からB14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記フラックス活性剤が、カルボキシル基を有する化合物である、半導体装置の製造方法。
[付記B16]
付記B15に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記フラックス活性剤が、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェノールフタリンからなる群から選ばれる1種以上を含む、半導体装置の製造方法。
[付記B17]
付記B1からB16のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記熱硬化性樹脂が、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂であるエポキシ樹脂を含む、半導体装置の製造方法。
[付記B18]
付記B1からB17のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記熱硬化性樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む、半導体装置の製造方法。
[付記B19]
付記B1からB18のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記熱硬化性樹脂が、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂であるエポキシ樹脂を含む、半導体装置の製造方法。
[付記B20]
付記B1からB19のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記樹脂層は、無機充填材をさらに含む、半導体装置の製造方法。
[付記B21]
付記B20に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記無機充填材は、シリカを含む、半導体装置。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[樹脂フィルム(樹脂層)の作製]
フェノールノボラック樹脂9g(住友ベークライト株式会社製、型番:PR−55617)と、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂26.7g(DIC株式会社製、型番:EPICLON−840S)と、4−ヒドロキシ安息香酸9g(東京化成工業株式会社製)と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂14.7g(新日化エポキシ製造株式会社製、型番:YP−50)と、2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.1g(四国化成工業株式会社製、型番:2P4MZ)と、疎水化シリカ40.5g(SE1050−SE、(株)アドマテックス製、平均粒径0.3μm)を、メチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の樹脂ワニスを得た。
この樹脂ワニスを、ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、型番:ルミラー)に塗布し、100℃/5minの条件で乾燥し、樹脂厚み35μmの樹脂フィルムを得た。
[実装試験]
ダイシングフィルムが形成された8インチのシリコンウエハを準備した。
ダイシングフィルムが形成された面とは反対側の面には、φ25μm、高さ35μmの銅バンプが800個形成されており、その上に厚み10μmの錫−銀半田成分(融点:221℃)から構成される半田層が形成されている。シリコンウエハには表面から裏面を貫通する貫通電極(銅ピラー)が複数形成されている。各貫通電極は銅バンプに接続している。シリコンウエハの膜厚は80μmであった。
真空ラミネーター(株式会社名機製作所製、型番:MVLP−500/600−2A)を用い、95℃/30sec/0.8MPaの条件で、銅バンプが形成された面側の8インチシリコンウエハに上記樹脂フィルムをラミネートした。
次に、ダイシング装置(株式会社ディスコ製、型番:DFD−6340)を用い、以下の条件で(ダイシングフィルム/シリコンウエハ/樹脂フィルム)積層体をダイシングし、サイズが5mm角の半導体チップ(基板膜厚:80μm)を得た。
<ダイシング条件>
ダイシングサイズ:5mm×5mm角
ダイシング速度:10mm/sec
スピンドル回転数:30000rpm
ダイシング最大深さ:0.09mm
ダイシングブレードの厚さ:55μm
別途、φ25μmのパッドが形成されており、パッド表面にNi/Auめっきが形成されている所定のパターンを設けたシリコンウエハ(厚み:150μm)を用意し、当該シリコンウエハに対して、上記で得られた半導体チップを積層させた。このとき、シリコンウエハに設けられたパターンに対し、上記半導体チップの銅バンプが樹脂フィルムを介して対向するように配置した。
フリップチップボンダーで、ステージ温度110℃、ツール温度220℃(実温200℃)、30N、時間10秒間の条件でシリコンウエハと半導体チップとの接合を行った。
その後、温度180℃、時間2時間、圧力0.8MPaの条件のキュア工程と、温度220℃、時間10分間の条件の半田リフロー工程を行うことで、半導体装置を得た。
(実施例2)
シリコンウエハと半導体チップとの接合を行う際に、フリップチップボンダーで、ステージ温度110℃、ツール温度200℃(実温180℃)、30N、時間10秒間の条件で実施した以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルム、半導体チップ、半導体装置を得た。
(実施例3)
シリコンウエハと半導体チップとの接合を行う際に、フリップチップボンダーで、ステージ温度110℃、ツール温度205℃(実温185℃)、30N、時間10秒間の条件で実施した以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルム、半導体チップ、半導体装置を得た。
(実施例4)
シリコンウエハと半導体チップとの接合を行う際に、フリップチップボンダーで、ステージ温度110℃、ツール温度210℃(実温190℃)、30N、時間10秒間の条件で実施した以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルム、半導体チップ、半導体装置を得た。
(実施例5)
シリコンウエハと半導体チップとの接合を行う際に、フリップチップボンダーで、ステージ温度110℃、ツール温度215℃(実温195℃)、30N、時間10秒間の条件で実施した以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルム、半導体チップ、半導体装置を得た。
(実施例6)
[樹脂フィルム(樹脂層)の作製]
フェノールノボラック樹脂9g(住友ベークライト株式会社製、型番:PR−55617)と、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂26.7g(DIC株式会社製、型番:EPICLON−840S)と、3−ヒドロキシ安息香酸4.5g(東京化成工業株式会社製)と、フェノールフタリン4.5g(東京化成工業株式会社製)と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂14.7g(新日化エポキシ製造株式会社製、型番:YP−50)と、2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.1g(四国化成工業株式会社製、型番:2P4MZ)と、疎水化シリカ40.5g(YC100C−SM1、(株)アドマテックス製、0.1μm)を、メチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の樹脂ワニスを得た。
この樹脂ワニスを、ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、型番:ルミラー)に塗布し、100℃/5minの条件で乾燥し、樹脂厚み35μmの樹脂フィルムを得た。
これ以降、実施例4と同様にして、半導体チップを得て、シリコンウエハと半導体チップとの接合を行い、半導体装置を得た。
(実施例7)
[樹脂フィルム(樹脂層)の作製]
フェノールノボラック樹脂9g(住友ベークライト株式会社製、型番:PR−55617)と、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂26.7g(DIC株式会社製、型番:EPICLON−840S)と、セバシン酸9g(東京化成工業株式会社製)と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂14.7g(新日化エポキシ製造株式会社製、型番:YP−50)と、2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.1g(四国化成工業株式会社製、型番:2P4MZ)と、疎水化シリカ40.5g(YC100C−SM1、(株)アドマテックス製、0.1μm)を、メチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の樹脂ワニスを得た。
この樹脂ワニスを、ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、型番:ルミラー)に塗布し、100℃/5minの条件で乾燥し、樹脂厚み35μmの樹脂フィルムを得た。
これ以降、実施例4と同様にして、半導体チップを得て、シリコンウエハと半導体チップとの接合を行い、半導体装置を得た。
(実施例8)
[樹脂フィルム(樹脂層)の作製]
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂17.5g(DIC株式会社製、型番:EPICLON−840S)と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂18.0g(三菱化学株式会社製、型番:jER 1032H60)と、グルタル酸9g(東京化成工業株式会社製)と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂14.7g(新日化エポキシ製造株式会社製、型番:YP−50)と、2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.1g(四国化成工業株式会社製、型番:2P4MZ)と、疎水化シリカ40.5g(YC100C−SM1、(株)アドマテックス製、0.1μm)を、メチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の樹脂ワニスを得た。
この樹脂ワニスを、ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、型番:ルミラー)に塗布し、100℃/5minの条件で乾燥し、樹脂厚み35μmの樹脂フィルムを得た。
これ以降、実施例4と同様にして、半導体チップを得て、シリコンウエハと半導体チップとの接合を行い、半導体装置を得た。
(実施例9)
[樹脂フィルム(樹脂層)の作製]
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂13.3g(DIC株式会社製、型番:EPICLON−840S)と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂13.4g(三菱化学株式会社製、型番:jER 1032H60)と、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸18g(三菱化学株式会社製、型番:YH−307)と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂14.7g(新日化エポキシ製造株式会社製、型番:YP−50)と、2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.1g(四国化成工業株式会社製、型番:2P4MZ)と、疎水化シリカ40.5g(SSP−02M、(株)トクヤマ製、0.2μm)を、メチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の樹脂ワニスを得た。
この樹脂ワニスを、ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、型番:ルミラー)に塗布し、100℃/5minの条件で乾燥し、樹脂厚み35μmの樹脂フィルムを得た。
これ以降、実施例4と同様にして、半導体チップを得て、シリコンウエハと半導体チップとの接合を行い、半導体装置を得た。
(実施例10)
[樹脂フィルム(樹脂層)の作製]
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂13.3g(DIC株式会社製、型番:EPICLON−840S)と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂13.4g(三菱化学株式会社製、型番:jER 1032H60)と、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸の70/30の混合物18g(新日本理化株式会社製、型番:MH−700)と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂14.7g(新日化エポキシ製造株式会社製、型番:YP−50)と、2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.1g(四国化成工業株式会社製、型番:2P4MZ)と、疎水化シリカ40.5g(SSP−02M、(株)トクヤマ製、0.2μm)を、メチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の樹脂ワニスを得た。
この樹脂ワニスを、ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、型番:ルミラー)に塗布し、100℃/5minの条件で乾燥し、樹脂厚み35μmの樹脂フィルムを得た。
これ以降、実施例4と同様にして、半導体チップを得て、シリコンウエハと半導体チップとの接合を行い、半導体装置を得た。
(比較例1)
シリコンウエハと半導体チップとの接合を行う際に、フリップチップボンダーで、ステージ温度110℃、ツール温度260℃(実温225℃)、30N、時間10秒間の条件で実施した以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルム、半導体チップ、半導体装置を得た。
(評価:接続性)
以下の方法により評価を行った。
実施例3で得られた積層型の半導体装置について、電子顕微鏡写真(SEM画像)の観察により接続性を確認した。結果は図16に示す通りであり、半田成分の融点より十分に低い温度であっても、良好な接続性が示されていることが確認された。他の実施例についても同様であった。
このように、積層体に対し、半田成分の融点より十分に低い温度で接続を試みた場合であっても、良好な接続性が示されていることが確認された。なお、各実施例においては、接合面に、バンプと半田成分とに由来する銅と錫とを含む合金が含まれていた。
なお、各実施例と比較例については、以下の評価基準に基づき、半導体装置の接続性について評価を行っている。結果は表1に示す通りである。
○:半田による端子被覆率が90〜100%であり、樹脂噛みがない。
×:半田による端子被覆率が90%未満である。
(評価:接合信頼性)
使用装置:マルチシェーカー装置 東京理科器械株式会社製、「MULTI SHAKER MMS−210」
評価方法:フリップチップボンダーでシリコンウエハと半導体チップを接合した後、接合体を12mm×12mmのトレイ上に置き、上記装置に固定した。その後、200rpmまたは300rpmで10分間振動を与えて、接合体の接合性を確認した。結果は表1に示した。符号は以下の基準で付与した。
◎:300rpmで処理しても接合部に破断がみられない。
○:200rpmで処理しても接合部に破断がみられない。
×:200rpmで処理した後、接合部に一部破断がみられる。
(評価:樹脂はみ出し)
上記各実施例、比較例に記載の方法で得られた半導体チップを20mm×20mm角のベアウエハに対し、フリップチップボンダーを用いて、各実施例、比較例に記載した実装条件で押し付けた際にベアウエハ上に広がった樹脂はみ出しの最大幅を測定した。
結果を表1に示した。符号は以下の基準で付与した。
◎:30μm未満
○:30μm以上100μm未満
△:100μm以上
(評価:半導体チップ単体の反り)
以下の方法により評価を行った。
半導体チップを、温度可変レーザ三次元測定機(株式会社日立テクノロジーアンドサービス製、形式「LS220−MT100MT50」)を用いて高さ方向の変位測定を実施し、変位差の最も大きい値を反り量とした。
○:常温での反り量と実装時温度における反り量の差が80μm未満
×:常温での反り量と実装時温度における反り量の差が80μm以上
Figure 0005904302
表1中、温度差(℃)は、「半田融点(℃)−実温(℃)」を意味する。負の値は、実温(加熱温度)が半田融点よりも高いことを意味する。
実施例1〜10においては、シリコンウエハと半導体チップとの接合したとき、銅バンプとパッドとが半田を介して「接合」していること、すなわち、半田層の濡れ拡がりが起こっていることが確認された。
100 半導体チップ
102 素子面
104 裏面
110 基板
120 多層配線層
130 保護絶縁膜
140 貫通電極
142 端子
144 端子
146 トランジスタ
200 ウェハ
202 素子面
210 基板
220 多層配線層
230 保護絶縁膜
242 端子
300 樹脂層
310 バンプ電極
610 挟圧部材
620 挟圧部材
630 ヒータ
640 容器

Claims (24)

  1. 第1端子及び第2端子の少なくとも一方には、バンプ電極が形成されており、
    第1面側に前記第1端子を有する貫通電極を備え、半導体チップである第1半導体部品と、
    第2面側に前記第2端子を備え、半導体チップ又はウェハである第2半導体部品と、
    を準備する準備工程と、
    前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方に、フラックス機能を有する樹脂層を配置する配置工程と、
    前記バンプ電極を介して前記第1端子と前記第2端子とを接合する接合工程と、
    前記第1端子と前記第2端子を接合した後、前記樹脂層を硬化させる硬化工程と、
    を含む、半導体装置の製造方法であって、
    前記接合工程は、
    前記第1半導体部品及び前記第2半導体部品を前記バンプ電極の融点よりも低い第1温度に加熱しつつ、前記バンプ電極を介して前記第1端子及び前記第2端子を互いに押し付けることにより行われる、半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記準備工程において、前記第1半導体部品に複数の前記貫通電極が形成されており、各々の前記貫通電極の前記第1面側に前記第1端子が形成されており、一方、前記第2半導体部品に複数の前記第2端子が形成されており、
    前記接合工程は、複数の前記第1端子と前記第2端子とを前記バンプ電極を介して一括して接合する工程を含む、半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記第1半導体部品は、
    基板と、
    前記基板上に位置する多層配線層と、
    を備え、
    前記基板の下面から前記多層配線層の上面までの距離が80μm以下である、半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記硬化工程は、前記バンプ電極の融点よりも低い第2温度で加熱することにより、前記樹脂層を硬化する工程を含む、半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記接合工程から前記硬化工程にかけて、前記バンプ電極の融点よりも低い温度で行う、半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記バンプ電極が半田層で構成される、半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記接合工程は、前記バンプ電極を介して前記第1端子と前記第2端子とを接触させた後、
    さらに、前記バンプ電極を変形させて前記第1端子と前記第2端子とを接近させることにより、前記第1端子と前記第2端子との間の接合面を形成する工程を含む、半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記準備工程において、前記第1端子及び前記第2端子のいずれか一方に前記バンプ電極が形成されており、
    前記接合工程は、前記バンプ電極が形成されていない方の端子と前記バンプ電極との合金層を形成するとともに、前記バンプ電極が形成されていない方の前記端子の全面に前記合金層を形成する工程を含む、半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記硬化工程の後、前記バンプ電極の融点よりも高い温度で加熱することにより、リフロー処理を実施する、リフロー工程をさらに含む、半導体装置の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記硬化工程の前に、
    表面にバンプ電極が形成された第3端子、を有する貫通電極を備える半導体チップを準備する工程と、
    前記半導体チップの前記バンプ電極が形成された側と前記第1半導体部品の第1面側とは反対側とを対向配置するとともに、前記半導体チップと前記1半導体部品との間にフラックス機能を有する樹脂層を配置する工程と、
    前記バンプ電極の融点よりも低い第1温度で加熱することにより、前記1半導体部品の前記第1面側とは反対側に形成された端子と前記半導体チップの前記第3端子とを前記バンプ電極を介して接合する接合工程と、を含む、半導体装置の製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記貫通電極が銅で構成される、半導体装置の製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記配置工程において、前記樹脂層は、Bステージ状態のフィルムである、半導体装置の製造方法。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記準備工程において、前記第1半導体部品の第1面側とは反対面側に保護絶縁膜が形成されている、半導体装置の製造方法。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記樹脂層は、熱硬化性樹脂およびフラックス活性剤を含む、半導体装置の製造方法。
  15. 請求項14に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記フラックス活性剤が、カルボキシル基を有する化合物である、半導体装置の製造方法。
  16. 請求項14または15に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記熱硬化性樹脂が、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、またはジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂であるエポキシ樹脂を含む、半導体装置の製造方法。
  17. 請求項14から16のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記熱硬化性樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む、半導体装置の製造方法。
  18. 請求項1から17のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記樹脂層は、無機充填材をさらに含む、半導体装置の製造方法。
  19. 請求項18に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記無機充填材は、シリカを含む、半導体装置の製造方法。
  20. 第1端子及び第2端子の少なくとも一方にバンプ電極が形成されており、
    第1面側に前記第1端子を有する貫通電極を備える第1基板と、
    第2面側に前記第2端子を備える第2基板と、を準備する準備工程と、
    前記第1面と前記第2面とを対向させた状態で、前記第1基板と前記第2基板との間に、熱硬化性樹脂およびフラックス活性剤を含む樹脂層を配置する配置工程と、
    前記バンプ電極の融点よりも低い第1温度で加熱することにより、前記第1基板の前記第1端子と前記第2基板の前記第2端子とを前記バンプ電極を介して接合する接合工程と、
    前記バンプ電極の融点よりも低い第2温度で加熱することにより、前記樹脂層を硬化する硬化工程と、を含み、
    前記接合工程から前記硬化工程にかけて、前記バンプ電極の融点よりも低い温度で行う、半導体装置の製造方法。
  21. 請求項20に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記第1基板は、第1半導体チップを構成する基板またはインターポーザーである、半導体装置の製造方法。
  22. 請求項20または21に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記第2基板は、第2半導体チップを構成する基板、半導体ウェハまたは有機基板である、半導体装置の製造方法。
  23. 請求項21に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記インターポーザーは、シリコンまたはガラスで構成される、半導体装置の製造方法。
  24. 請求項1から23のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法に用いるフラックス機能を有する前記樹脂層を構成する樹脂組成物。
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