JP5903868B2 - ダム堤体の仮締切構造の施工方法 - Google Patents

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本発明は、ダム堤体の仮締切構造の施工方法に関するものであり、具体的には、施工時における内空の排水作業に伴って作用する浮力に対処可能である仮締切構造の技術に関する。
ダム堤体上流側における堆積土砂の排砂経路、洪水調節容量増加を目的とした新たな放水経路、或いは、小水力発電機の設置領域などを確保する目的で、既存ダムの堤体に貫通穴を構築するケースが増えている。従来、既存のダム堤体に貫通穴を構築する場合、ダム堤体の上流側に水底まで達する大規模な仮設の締切工を実施し、締切構造内側をドライアップして貫通穴掘削を行っていた。しかし、こうした方法では仮設の締切構造が大がかりになり、施工期間及び施工費が増大するという問題点があった。そこで、小規模・低コストでダム水域の仮締切を可能とする技術として、例えば、ダム堤体の水域側の面に球面状止水壁を取り付けた仮締切構造(特許文献1)などが提案されている。
特開2004−263380号公報
上記従来の仮締切構造の技術においては、水中の半球状止水壁が水圧によりダム堤体に押圧されることで両者の間に摩擦力が発生し、これによりダム堤体への半球状止水壁の固定が図られるとの前提に立っている。一方、そうした従来の仮締切構造を実際の施工に採用した場合、内部を排水した半球状止水壁には自身の空中重量に比べて遥かに大きな浮力がかかるとの知見が、発明者らにおいて得られている。しかもこの浮力は、上述の摩擦力が十分発揮される前の、半球状止水壁の内部を排水する際に発生するものであるため、上記摩擦力により浮力に対抗することを期待するのは危険である。
他方、仮締切構造の周縁部を、貫通穴外周のダム堤体にアンカーを打設することで固定する場合、上述したような大きな浮力が仮締切構造にかかると、この浮力を受けたアンカーによる反力で、貫通穴周囲のダム堤体が損傷する懸念もある。
つまり、従来技術においては、施工に際し仮締切構造にかかる浮力について、その対策が十分考慮されていなかったのである。
そこで本発明では、施工時における内空の排水作業に伴って作用する浮力に対処可能である仮締切構造の技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のダム堤体における仮締切構造の施工方法は、既存ダム堤体での貫通穴構築に際し用いる仮締切構造の施工方法であり、ダム堤体上流面における前記貫通穴の開口予定位置に、仮締切構造であるドーム体の開口を水密に当接する工程と、前記ドーム体の内空における水を排水しながら、前記内空に錘を順次投入する工程と、を含むことを特徴とする。
こうした工法によれば、ドーム体内空の水を排水する際に、排水の進行とともに増大する浮力に対応して、必要な量の錘をドーム体内空に順次投入し、各時点で生じている前記浮力と、前記投入された錘を含むドーム体の総重量との釣り合いをとることでドーム体の支持に要する力を最小限にとどめることが出来る。従って本発明によれば、施工時における内空の排水作業に伴って作用する浮力に対処可能である仮締切構造を提供できる。
なお、前記ダム堤体における仮締切構造の施工方法において、仮締切構造の撤去に際し、前記ドーム体の内空に注水しながら、前記内空より錘を順次排出する工程を含むとしてもよい。こうした工法によれば、ドーム体すなわち仮締切構造の撤去に際し、一旦はドライアップされていたドーム体内空への注水の進行とともに減少する浮力に対応して、必要な量の錘をドーム体内空から順次排出し、各時点でドーム体に生じている浮力と前記内空に残っている錘を含むドーム体の総重量との釣り合いをとることで過大な重量が仮設構造物にかかることを抑止することが出来る。
また、本発明のダム堤体における仮締切構造の施工方法は、既存ダム堤体での貫通穴構築に際し用いる仮締切構造の施工方法であり、ダム堤体上流面における前記貫通穴の開口予定位置に、仮締切構造であるドーム体の開口を水密に当接する工程と、前記ドーム体の内空における水を排水しながら、前記ドーム体の外側に、錘を順次保持させる工程と、を含むことを特徴とする。
こうした工法によれば、ドーム体内空の水を排水する際に、排水の進行とともに増大する浮力に対応して、必要な量の錘をドーム体外側に順次保持させ、各時点で生じている前記浮力と前記保持させた錘を含むドーム体の総重量との釣り合いをとることでドーム体の支持に要する力を最小限にとどめることが出来る。従って本発明によれば、施工時における内空の排水作業に伴って作用する浮力に対処可能である仮締切構造を提供できる。
なお、前記ダム堤体における仮締切構造の施工方法において、仮締切構造の撤去に際し、前記ドーム体の内空に注水しながら、当該ドーム体の外側より錘を順次撤去する工程を含むとしてもよい。こうした工法によれば、ドーム体すなわち仮締切構造の撤去に際し、一旦はドライアップされていたドーム体内空への注水の進行とともに減少する浮力に対応して、必要な量の錘をドーム体の外側から順次撤去し、各時点でドーム体に生じている浮力とドーム体の外側に残っている錘を含むドーム体の総重量との釣り合いをとることで過大な重量が仮設構造物にかかることを抑止することが出来る。
また、前記ダム堤体における仮締切構造の施工方法において、ある時点での錘とドーム体との総重量が該当時点で前記ドーム体に生じている浮力と釣り合うよう、前記錘を前記内空に順次投入ないし当該ドーム体の外側に順次保持させる、または、前記錘を前記内空から順次排出ないし当該ドーム体の外側から順次撤去させる、とすれば好適である。こうした工法によれば、ドーム体内空の水を排水する際、排水の進行とともに増大する浮力に柔軟かつ確実に対応して、各時点で生じている浮力と錘を含むドーム体の総重量との釣り合いをとることで、当該期間中、ドーム体の支持に要する力を最小限にとどめることが可能となる。
本発明によれば、施工時における内空の排水作業に伴って作用する浮力に対処可能である仮締切構造を提供できる。
第1の実施形態における仮締切構造の例を示す全体図である。 第1の実施形態における仮締切構造の施工手順1を示す図である。 第1の実施形態における仮締切構造の施工手順2を示す図である。 第1の実施形態における仮締切構造の施工手順3を示す図である。 第1の実施形態における仮締切構造の施工手順4を示す図である。 第1の実施形態における仮締切構造の施工手順5を示す図である。 第1の実施形態における仮締切構造の施工手順6を示す図である。 第1の実施形態における仮締切構造の施工手順7を示す図である。 第1の実施形態における仮締切構造の施工手順8を示す図である。 第2の実施形態における仮締切構造の例を示す全体図である。 第2の実施形態における仮締切構造の施工手順4を示す図である。 第2の実施形態における仮締切構造の施工手順7を示す図である。
−−−第1の実施形態−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、第1の実施形態におけるダム堤体の仮締切構造の構造例を示す全体図である。第1の実施形態における仮締切構造100は、既存ダムの堤体1での、排砂坑などの貫通穴2の構築に際し用いる、堤体上流側の仮締切構造である。第1の実施形態の仮締切構造100は、図1で示すように、断面がダム堤体上流側に凸である半楕円状の構造をなすドーム体10で構成されている。
ドーム体10は、その開口21がダム堤体上流面3に止水材7を介して当接し、貫通穴2の開口予定位置4aを囲むものである。開口21は、その周縁が適宜延長されたスカート部33となっており、ダム堤体上流面3に対して止水材7を介して当接する際に、このスカート部33をもってダム堤体上流面3に当接することになる。また、このスカート部33を貫く形で適宜なアンカー材をダム堤体上流面3に打設し、ドーム体10の仮固定を行うとしてもよい。
こうしたドーム体10の外周上部には、給気バルブ27とマンホール28が、また外周下部には排水バルブ29がそれぞれ備わっている。給気バルブ27は、堤体2上の給気装置と適宜な給気経路を介して結ばれ、ドーム体10すなわち仮締切構造100の内空25に空気を導くためのバルブである。また、マンホール28は、仮締切構造100の内空25で作業を行う作業員の出入口となる開閉口である。このマンホール28は図示しないバルブを備えており、内空25とマンホール外との間の開閉が可能となっている。また、排水バルブ29は仮締切構造100の内空25から水を外部に排水するためのバルブである。
また、第1の実施形態におけるドーム体10には、錘50を水域の水面上方における所定位置(例:堤体1上)から内空25に投入するための投入管31(錘投入経路)と、この投入管31をドーム体10の内外で連通させる錘投入口22とが備わっている。錘50の例としては、傾斜の付いた投入管31の管内など適宜な搬送経路上を滑動ないし転がり移動できる粒状の鋼材、鉛材、石材、砂材、或いは液体状の金属など、水より比重が一定程度以上大きい物質を採用できる。錘投入経路たる投入管31が、前記の錘50を堤体1上から内空25まで搬送する為のベルトコンベヤ、圧送装置などを具備しているとしてもよい。投入管31は、鋼管を連結したものであってもよいし、帆布や合成繊維、或いはゴム等の合成樹脂で形成され、適宜な剛性と可撓性を備えたホース状の部材であってもよい。
堤体1上において投入管31と連結し、この投入管31に錘50を供給するのが錘供給装置60となる。錘供給装置60は、錘50を格納する構造と、格納している錘50を所定分量だけ取得して投入管31の管内に投入する機構とを有しており、所定の作業員が操作する制御機器からの電気信号を受け、この電気信号が示す値に応じて上述の機構におけるモータや油圧装置を駆動させ、所定分量の錘50を投入管31に供給する。勿論、こうした、錘50を投入管31に供給する作業は、作業員自らが行うとしてもよい。
また、ドーム体10の内空25には、上述の投入管31から落下してくる錘50を収容するための囲いとなる仕切板35が立設されており、錘50が内空25において散乱することを防いでいる。内空25にて収容されている錘50は、後に、仕切板35が囲む領域の下方に備わる錘排出口23からドーム体外に排出されることになる。 この錘排出口23は、ドーム体10の外周に備わる開口とこの開口を水密に開閉する扉構造を備えている。扉構造は、堤体1上の作業員が操作する制御機器からの電気信号を受け、モータや油圧装置を駆動させて扉を動かして開口を露出させ、仕切板35が囲む領域にて収容されていた錘50をドーム体下方の水中に排出するものである。また、錘50の排出後は、やはり堤体1上の作業員が操作する制御機器からの電気信号を受け、モータや油圧装置を駆動させて扉を動かして開口を水密に閉塞させる。
詳細は後述するが、こうした第1の実施形態の仮締切構造100においては、ドーム体10の内空25における水を排水しながら、各時点での錘50とドーム体10との総重量が該当時点でドーム体10に生じている浮力と釣り合うよう、内空25に錘50を順次投入する一方、貫通穴2の施工後における仮締切構造100の撤去に際し、内空25に注水しながら、やはり浮力と総重量との釣り合いを踏まえつつ、内空25より錘50を順次排出することとなる。図1では、内空25からの排水作業に伴って用いる、作業台船40、ポンプ41、給気ホース42を参考のため図示している(これらについては後述する)。
以下、第1の実施形態の仮締切構造100の施工、および貫通穴2の施工の手順について詳細に説明する。図2〜9は第1の実施形態における仮締切構造の各施工手順1〜8をそれぞれ示す図である。まず、図2に示すように、ドーム体10を、クレーン80で堤体上部より吊り下げて、堤体上流面3における放流管48の呑口位置となる場所(水中の仮設構造物70上)まで沈める(手順1)。なお、ドーム体10の内空25には放流管呑口の閉鎖ゲート扉体49(図9)等を予め載置しておくが、これらは、ともに寸法、重量ともに大きく、現地まで一体で搬入することは不可能である。よってこれらは、工場での検査終了後、施工現地まで分割して輸送し、ダム堤体近傍で組立作業を行うこととする(不図示)。また、堤体上流側の地盤5における、ドーム体10の仮置き位置には上述の仮設構造物70を設置しておく。
手順1に続き、図3に示すように、仮締切構造100におけるドーム体10の開口21と堤体上流面3との間を止水材7で挟み込んで固定するなどの水密加工を実施する(手順2)。この時、ドーム体10のスカート部33を貫いて、ダム堤体上流面3にアンカーを打設して、ドーム体10を仮固定するとしてもよい。
続いて、図4に示すように、投入管31をクレーン81で堤体上より吊り下げて、ドーム体10の錘投入口22に接続する。なお、錘投入口22を介したドーム体10の内空25側には、投入管31が予め設置されている。よって、この接続により、ドーム体10内外が錘投入口22を介して投入管31で連通したことになる。また、マンホール管8をクレーン81で堤体上より吊り下げて、ドーム体10のマンホール28に接続し、マンホール28に接続したマンホール管8の上端に他のマンホール管8を順次接続していく(手順3)。
こうした、投入管31やマンホール管8の設置に当たっては、堤体上流側の水域に作業台船40を浮かべて作業員を配置し、クレーン81で吊下した投入管31やマンホール管8の位置決め、錘投入口22と投入管31の連結、およびマンホール28とマンホール管8の連結、および投入管31同士やマンホール管8同士の連結といった作業に当たらせる。また、マンホール管8や投入管31は堤体上流面3に対し、鋼棒など適宜な転倒防止材9で一時的に固定される(図ではマンホール管8についてのみ転倒防止材9による固定状態を示している)。
次に、図5に示すように、作業台船40上に設置したポンプ41より、給気ホース42を伸ばしてドーム体10の給気バルブ27に接続し、ドーム体10の内空25への圧力空気の給気を開始する(手順4)。また、それとともに、ドーム体10の排水バルブ29を開き、ドーム体10の内空25に存在する水を、上述の給気による空気充填に伴って排出し、内空25をドライ状態とする。
なお、こうした内空25からの排水に際してドーム体10に発生する浮力は、排水が完了した段階ではドーム体10の空中重量に比べて遥かに大きくなる。例えば、水深17mの位置に直径10000mmの開口を備えたドーム体10を設置しようとした場合、凡そ18000kNの浮力がドーム体10の空中重量に勝るという知見を発明者らは得ている。一方、水圧によってドーム体10がダム堤体上流面3に押圧されていれば、堤体上流面3とドーム体10との間に摩擦力が発生して浮力を減らすことが出来るが、この浮力は、前述の摩擦力が十分発揮される前の、内空25の水を排出する際に発生するため、上述の摩擦力により浮力に対抗することを期待するのは危険である。
よって第1の実施形態においては、上述した排水の進行とともに増大する浮力への対応策として、ある時点までに内空25に投入された錘50とドーム体10との総重量が該当時点でドーム体10に生じている浮力と釣り合うよう、錘50を排水の進行に合わせて内空25に順次投入するものとする。そのため、内空25の適宜な箇所に水位計6を設置しておき、この水位計6が示す内空25における水位の値に応じて、錘供給装置60から所定量の錘50を投入管31に供給し、内空25に錘50を投入する。
水位計6が示す水位値が、ドーム体10および当該時点で投入済みの錘50の重量から判断される所定基準値より下降すれば、上述の釣り合いが崩れて、ドーム体10にかかる力として上向きの力が勝っている状態と感知できるから、水位計6が示す水位値と所定基準値との差に応じて予め定めている量の錘50を内空25に追加投入する。この投入によって内空25における錘50の量が増加し、該当時点でドーム体10に生じている浮力が、内空25における錘50とドーム体10との総重量と釣り合い、ドーム体10の支持に要する力を最小限にとどめることが出来る。
他方、水位計6が示す水位値が所定基準値より上昇すれば、上述の釣り合いが崩れて、ドーム体10にかかる力として下向きの力が勝っている状態と感知できるから、錘50の投入はせず、上述の排水作業を続行する。排水の進行によって浮力が増加し、上述の釣り合いの状態を越え、水位計6が示す水位値が所定基準値より下降すれば、上記の錘50の投入を再開する。
こうした内空25からの排水と、錘50の投入を継続する中で、上述の圧力空気の給気に際し、ドーム体10の排水バルブ29から空気泡が噴出し始めたら、内空25において完全に排水がなされたことを意味するから、排水バルブ29および給気バルブ27を閉じ、マンホール28のバルブを開放して圧力空気を徐々に逃がし、内空25を大気圧とする。こうして内空25は大気圧となって、ドーム体10は水圧によって堤体上流面3に押圧されることになり、水中位置に留められる。また、この時点で、錘50を内空25に投入する作業は不要となるから、錘投入口22を閉塞した上でドーム体10外部の投入管31は撤去しておく。
なお、内空25の水を排水するにあたっては、内空25に予めセットしておいた水中ポンプを、上述の給気バルブ27および排水バルブ29を閉じた状態で稼働させ、マンホール管8の上端から排水を行う方法を採用しても良い。
続いて、図6に示すように、連結したマンホール管8のうち最上部のマンホール管8の上部に、管理歩廊43を設け、堤体1の上部より移動してきた作業員がこの管理歩廊43、マンホール管8、およびマンホール28を通ってドーム体10の内空25に入る(手順5)。内空25に入った作業員は、内空25が排水完了状態である事を確認する。一方で、堤体下流側からは、ローダー85など適宜な掘削機が貫通穴2を掘削しているものとする。内空25の排水完了状態の確認の後、ローダー85は、ドーム体10の内空25と掘削済みの貫通穴2との間に残された部位の掘削を実行する。
この掘削が完了し、ドーム体10の内空25と貫通穴2とが貫通したならば、図7に示すように、閉鎖ゲート扉体用戸当り47およびベルマウス46の据え付けと空気管45の設置を行う(手順6)。この場合、ドーム体10の内空25に予め載置しておいた閉鎖ゲート扉体用戸当り47およびベルマウス46を堤体1に据え付け、また、貫通穴2において堤体下流から放流管48を搬入し、この放流管48を閉鎖ゲート扉体49およびベルマウス46と接続する。更に、閉鎖ゲート扉体49を閉鎖ゲート扉体用戸当り47およびベルマウス46に接続する。
この接続の完了後、放流管48と貫通穴2の内壁との間の空隙など所定領域にコンクリートを打設しておく。また、ドーム体10の内空25で作業を行っていた作業員を、マンホール管8を介して水上の作業台船40上又は管理歩廊43上に退出させる。
続いて図8に示すように、給気バルブ27、排水バルブ29を開き、ドーム体10の内空25への注水を行う(手順7)。この時、内空25への注水の進行とともに減少する浮力に対応して、必要な量の錘50を、錘排出口23を介して内空25から順次排出する。各時点でドーム体10に生じている浮力と内空25に残っている錘50を含むドーム体10の総重量との釣り合いをとることで過大な重量が仮設構造物70にかかることを抑止するためである。この場合、水位計6が示す水位値が所定基準値より上昇すれば、上述の釣り合いが崩れてドーム体10にかかる力として下向きの力が勝っている状態と感知できるから、水位計6が示す水位値と所定基準値との差に応じて予め定めている量の錘50を内空25から排出する。
錘50を、錘排出口23を介した内空25から排出するにあたっては、錘排出口23の具備する扉構造が、堤体1上の作業員が操作する制御機器からの電気信号(水位計6が示す水位値と所定基準値との差に応じて予め定めている、錘50の排出量を示す信号)を受け、モータや油圧装置を駆動させて扉を動かして開口(ドーム体10下部において、仕切板35が囲む領域を水中に露出させる開口)を露出させ、仕切板35が囲む領域にて収容されていた錘50をドーム体下方の水中に排出する。また、所定量の錘50を排出した後、前述の扉構造は、堤体1上の作業員が操作する制御機器からの電気信号を受け、モータや油圧装置を駆動させて扉を動かして開口を水密に閉塞させる。こうして、各時点でドーム体10に生じている浮力と内空25に残っている錘50を含むドーム体10の総重量との釣り合いをとりつつ、内空25が水で満たされるまで注水を行う。
続いて、図9に示すように、マンホール28に連結させていたマンホール管8を順次撤去し、仮締切構造100におけるドーム体10もクレーン80によって吊り上げて撤去する(手順8)。
−−−第2の実施形態−−−
次に、第2の実施形態の仮締切構造100について説明する。図10は第2の実施形態における仮締切構造の例を示す全体図である。なお、上述した第1の実施形態と同様の構造、機能などについては説明を省略する。ここで例示する仮締切構造100におけるドーム体10は、当該ドーム体10の外側において錘50を保持するフック30を備えている。このフック30は、鈎状の鋼材等で構成された部材であり、所定数の錘50を保持させても破損しない十分な強度を有している。また、フック30は、堤体1上から錘50を搬送するワイヤ32(錘搬送手段)と接続されている。この場合、錘50は、ワイヤ32を挿通するリング51を上端に備え、堤体1上からフック30までの経路に傾斜を付けて渡されたワイヤ32をリング51に挿通させつつ滑動し、フック30まで移動することができる。
なお、こうしたワイヤ32をフック30に接続せず、錘搬送手段として重機を採用してもよい。その場合、堤体1上の重機が錘50をフック30まで吊り下げて、リング51をフック30に掛ける作業が必要となる。
この第2の実施形態における仮締切構造100では、ドーム体10の内空25における水を排水しながら、各時点でフック30に掛けられた錘50とドーム体10との総重量が該当時点でドーム体10に生じている浮力と釣り合うよう、フック30に錘50を順次保持させる一方、貫通穴2の施工後における仮締切構造100の撤去に際し、内空25に注水しながら、やはり浮力と総重量との釣り合いを踏まえつつ、フック30より錘50を順次撤去することとなる。
以下、第2の実施形態の仮締切構造100の施工、および貫通穴2の施工の手順のうち、上述した第1の実施形態と異なる内容について説明する。図11は、第2の実施形態における仮締切構造の施工手順4を示す図である。ここでは、上述の「手順1」〜「手順3」については説明を省略し、「手順4」について説明する。
この場合、作業台船40上に設置したポンプ41より、給気ホース42を伸ばしてドーム体10の給気バルブ27に接続し、ドーム体10の内空25への圧力空気の給気を開始する。また、それとともに、ドーム体10の排水バルブ29を開き、ドーム体10の内空25に存在する水を、上述の給気による空気充填に伴って排出し、内空25をドライ状態とする。この時、上述した排水の進行とともに増大する浮力への対応策として、ある時点までにフック30に掛けられた錘50とドーム体10との総重量が該当時点でドーム体10に生じている浮力と釣り合うよう、錘50を排水の進行に合わせてフック30に順次保持させるものとする。そのため、内空25の適宜な箇所に水位計6を設置しておき、この水位計6が示す内空25における水位の値に応じて、錘供給装置60から所定量の錘50をワイヤ32に送り出し、フック30に錘50を掛けて保持させる。
水位計6が示す水位値が、ドーム体10および当該時点で保持済みの錘50の重量から判断される所定基準値より下降すれば、上述の釣り合いが崩れて、ドーム体10にかかる力として上向きの力が勝っている状態と感知できるから、水位計6が示す水位値と所定基準値との差に応じて予め定めている量の錘50を、新たにフック30に掛ける。これによってフック30に保持された錘50の量が増加し、該当時点でドーム体10に生じている浮力が、フック30に保持されている錘50とドーム体10との総重量と釣り合い、ドーム体10の支持に要する力を最小限にとどめることが出来る。
他方、水位計6が示す水位値が所定基準値より上昇すれば、上述の釣り合いが崩れてドーム体10にかかる力として下向きの力が勝っている状態と感知できるから、フック30へ錘50を追加で掛ける作業は実行せず、上述の排水作業を続行する。排水の進行によって浮力が増加し、上述の釣り合いの状態を越え、水位計6が示す水位値が所定基準値より下降すれば、上記した錘50をフック30へ追加で掛ける作業を再開する。
こうした内空25からの排水と、フック30へ錘50を掛ける作業を継続する中で、上述の圧力空気の給気に際し、ドーム体10の排水バルブ29から空気泡が噴出し始めたら、内空25において完全に排水がなされたことを意味するから、排水バルブ29および給気バルブ27を閉じ、マンホール28のバルブを開放して圧力空気を徐々に逃がし、内空25を大気圧とする。こうして内空25は大気圧となって、ドーム体10は水圧によって堤体上流面3に押圧されることになり、水中位置に留められる。また、この時点で、錘50をフック30に新たに掛ける作業は不要となるから、フック30に接続していたワイヤ32を撤去しておく。
続いて、錘50の撤去作業を示す「手順7」について説明する。図12は、第2の実施形態における仮締切構造の施工手順7を示す図である。この場合、図12に示すように、給気バルブ27、排水バルブ29を開き、ドーム体10の内空25への注水を行う。この時、内空25への注水の進行とともに減少する浮力に対応して、必要な量の錘50をフック30から順次撤去する。各時点でドーム体10に生じている浮力とフック30に残っている錘50を含むドーム体10の総重量との釣り合いをとることで過大な重量が仮設構造物70にかかることを抑止するためである。この場合、水位計6が示す水位値が所定基準値より上昇すれば、上述の釣り合いが崩れてドーム体10にかかる力として下向きの力が勝っている状態と感知できるから、水位計6が示す水位値と所定基準値との差に応じて予め定めている量の錘50をフック30から撤去する。
錘50を、フック30から撤去するにあたっては、フック30において錘50を把持してフック30上をスライドさせ、フック外方に放出させる把持手段(例:マニュピレータ等)が、堤体1上の作業員が操作する制御機器からの電気信号(水位計6が示す水位値と所定基準値との差に応じて予め定めている、錘50の撤去数を示す信号)を受け、モータや油圧装置を駆動させ、フック30に掛けられていた錘50をドーム体下方の水中に排出する。こうして、各時点でドーム体10に生じている浮力とフック30に残っている錘50を含むドーム体10の総重量との釣り合いをとりつつ、内空25が水で満たされるまで注水を行う。こうした、フック30から錘50を撤去する作業は、上述の把持手段に代えて、重機を採用してもよい。その場合、堤体1上の重機が自身のアーム等によって錘50を掴み、フック30から撤去する作業が必要となる。内空25への注水が完了した後、上述の第1の実施形態同様、マンホール28に連結させていたマンホール管8を順次撤去し、仮締切構造100におけるドーム体10もクレーン80によって吊り上げて撤去し、工程は完了する。
なお、錘50の取り付け及び取り外しは、重機と潜水夫による水中作業の連携で行ってもよい。また、ドーム体外部に取り付ける錘50は、ドーム体10の外周に鉢巻き状に嵌着すべく、円弧状部材が折り畳み可能に組み合わされたリングとすることも可能である。
また、上記第1および第2のいずれの実施形態においても、内空からの排水を行いつつ連続的に錘を投入ないし保持する形態、或いは、内空への注水を行いつつ連続的に錘を排出ないし撤去する形態を例示したが、内空からの排水作業を所定排水量毎に一旦停止し、その際の浮力に応じて錘の投入や保持を行い、同様に、内空への注水作業を所定注水量毎に一旦停止し、その際の浮力に応じて錘の排出や撤去を行うとしてもよい。
このように上述した各実施形態によれば、施工時における内空の排水作業に伴って作用する浮力に対処可能である仮締切構造を提供できる。
本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 堤体
2 貫通穴
3 ダム堤体上流面
4 開口
4a 貫通穴の開口予定位置
5 地盤
6 水位計
7 止水材
8 マンホール管
9 転倒防止材
10 ドーム体(仮締切構造)
21 開口
22 錘投入口
23 錘排出口
24 外周面
25 内空
27 給気バルブ
28 マンホール
29 排水バルブ
30 フック
31 投入管(錘投入経路)
32 錘搬送手段
33 スカート部
35 仕切板
45 空気管
46 ベルマウス
47 閉鎖ゲート扉体用戸当り
48 放流管
49 閉鎖ゲート扉体
50 錘
51 リング
60 錘供給装置
70 仮設構造物

Claims (7)

  1. 既存ダム堤体での貫通穴構築に際し用いる仮締切構造の施工方法であり、
    ダム堤体上流面における前記貫通穴の開口予定位置に、仮締切構造であるドーム体の開口を水密に当接する工程と、
    前記ドーム体の内空における水を排水しながら、前記内空に錘を順次投入する工程と、
    を含むことを特徴とするダム堤体における仮締切構造の施工方法。
  2. 請求項1において、
    仮締切構造の撤去に際し、前記ドーム体の内空に注水しながら、前記内空より錘を順次排出する工程を含むことを特徴とするダム堤体における仮締切構造の施工方法。
  3. 既存ダム堤体での貫通穴構築に際し用いる仮締切構造の施工方法であり、
    ダム堤体上流面における前記貫通穴の開口予定位置に、仮締切構造であるドーム体の開口を水密に当接する工程と、
    前記ドーム体の内空における水を排水しながら、前記ドーム体の外側に、錘を順次保持させる工程と、
    を含むことを特徴とするダム堤体における仮締切構造の施工方法。
  4. 請求項3において、
    仮締切構造の撤去に際し、前記ドーム体の内空に注水しながら、当該ドーム体の外側より錘を順次撤去する工程を含むことを特徴とするダム堤体における仮締切構造の施工方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    ある時点での錘とドーム体との総重量が該当時点で前記ドーム体に生じている浮力と釣り合うよう、前記錘を前記内空に順次投入ないし当該ドーム体の外側に順次保持させる、または、前記錘を前記内空から順次排出ないし当該ドーム体の外側から順次撤去させる、ことを特徴とするダム堤体における仮締切構造の施工方法。
  6. 請求項1において、
    前記ドーム体には、前記内空に錘を順次投入するための投入管が備えられていることを特徴とするダム堤体における仮締切構造の施工方法。
  7. 請求項3において、
    前記ドーム体は、その外側に錘を保持するためのフックを備え、該フックは、錘を搬送するためのワイヤと接続されていることを特徴とするダム堤体における仮締切構造の施工方法。
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