第1の発明は、吸引風を発生させる電動送風機を内蔵するとともに、前記電動送風機から排出された排気風を外部へと排出する排気口を有する掃除機本体と、前記掃除機本体に取り付けられ、前記電動送風機で発生された吸引風によって吸引された塵埃を捕集する集塵装置と、前記掃除機本体の内部に設けられており、前記電動送風機から排出された排気
風を前記排気口へと導く排気風路と、前記掃除機本体の内部に設けられた第1の空間部と、前記第1の空間部の内部に前記第1の空間部とは区画されて設けられた第2の空間部と、を備え、前記第1の空間部は、前記排気風路と連通しないように形成されており、前記第2の空間部は、前記排気風路と連通するように形成され、かつ前記第2の空間部の前記排気風路側の断面積が前記第2の空間部の前記排気風路とは反対側の断面積よりも大きくなるように形成されており、前記電動送風機から排出され、前記排気風路を介して前記排気口から前記掃除機本体の外部に排出される排気風の一部は、前記第2の空間部を介して前記排気口から前記掃除機本体の外部に排出される、電気掃除機としたものである。
これにより、電動送風機から排出され、排気風路を介して排気口から掃除機本体の外部に排出される排気風の一部は、第2の空間部を介して排気口から掃除機本体の外部に排出されるため、電動送風機で発生され、電動送風機から排出された排気風の一部とともに第2の空間部に流入した風切り音や第2の空間部で発生した風切り音等の騒音に含まれる様々な周波数の音を第2の空間部で低減することができ、電気掃除機の静音性を向上させることができる。また、第2の空間部は、掃除機本体の外部と直接連通せず、排気風路とのみ連通しているため、電動送風機で発生され、電動送風機から排出された排気風の一部とともに第2の空間部に流入した風切り音や第2の空間部で発生した風切り音等の騒音が掃除機本体の外部に伝わってしまうことを十分に防止できる。そのため、掃除機本体の内部で発生した騒音を第2の空間部で確実に低減することができ、電気掃除機の静音性を向上させることができる。さらに、第1の空間部は排気風路と連通しないように形成されているとともに、第2の空間部は第1の空間部の内部に形成されているため、第1の空間部と第2の空間部とによって二重壁構造を形成することができ、第2の空間部の内部から第2の空間部の外部へと伝わってしまった騒音を第1の空間部で低減することができる。そのため、第1の空間部及び第2の空間部によって、掃除機本体の内部で発生された騒音が掃除機本体の外部へと伝わってしまうことを十分に防止でき、電気掃除機の静音性を向上させることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、掃除機本体の内部には、電動送風機で発生された吸引風によって吸引された塵埃を集塵装置へと導く吸引風路が設けられており、吸引風路は、第1の空間部に設けられている、構成としたものである。
これにより、吸引風路が第1の空間部の内部に形成されるため、第1の空間部と吸引風
路とによって二重壁構造を形成することができる。そのため、吸引風路内で発生した風切り音などの騒音が掃除機本体の外部へと伝わることを十分に防止でき、電気掃除機の静音性をさらに向上させることができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、掃除機本体には、集塵装置が取り付けられる集塵装置取付部が設けられており、第1の空間部は、掃除機本体の内部で、かつ、集塵装置取付部の下部に形成されている、構成としたものである。
これにより、集塵装置取付部の下部の掃除機本体の内部に形成された空間を有効に活用することができるため、第1の空間部を形成するための空間を掃除機本体の内部に別途形成する必要がなく、掃除機本体が大型化してしまうことを防止することができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3の発明において、排気風路及び第2の空間部には吸音材は配置されている、構成としたものである。
これにより、排気風路及び第2の空間部に配置された吸音材によって、電動送風機で発生された風切り音や排気風路及び第2の空間部で発生された風切り音などの騒音を吸音することができる。そのため、掃除機本体の内部で発生された騒音をさらに低減することができ、電気掃除機の静音性をさらに向上させることができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4の発明において、第2の空間部は、第2の空間部の内部において、第2の空間部の排気風路と対向する側の面と排気風路との距離が異なるように階段形状に形成されている、構成としたものである。
これにより、電動送風機で発生され、電動送風機から排出された排気風の一部とともに第2の空間部に流入した風切り音や第2の空間部で発生した風切り音等の騒音に含まれる様々な周波数の音を第2の空間部で低減することができ、電気掃除機の静音性を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の電気掃除機の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
本発明の電気掃除機の実施の形態1について、図1〜図9を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における電気掃除機の全体斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態1における集塵装置の前方斜視図である。さらに、図3は、本発明の実施の形態1における集塵装置の後方斜視図である。また、図4は、本発明の実施の形態1における集塵装置の断面図である。さらに、図5は、本発明の実施の形態1における掃除機本体の全体斜視図である。また、図6は、本発明の実施の形態1における集塵装置を取り外した状態での掃除機本体の全体斜視図である。さらに、図7は、本発明の実施の形態1における下枠体及び上枠体を取り外した状態での掃除機本体の全体斜視図である。また、図8は、本発明の実施の形態1における被清掃面に垂直な面での掃除機本体の断面図である。さらに、図9は、本発明の実施の形態1における被清掃面に平行な面での掃除機本体の断面図である。
図1に示すように、電気掃除機100は、吸引風を発生させる電動送風機34(図8及び図9参照)を内蔵する掃除機本体1と、掃除機本体1に着脱自在に取り付けられた集塵装置2と、被清掃面の塵埃を捕集する吸込具3と、一端が掃除機本体1に設けられた吸気
口1aに着脱自在に接続されたホース4と、一端がホース4の他端に着脱自在に接続され、他端が吸込具3に着脱自在に接続された伸縮自在或いは継ぎ自在の延長管5と、から構成されている。
吸込具3には、被清掃面の塵埃を掻きあげる回転ブラシ(図示せず)と、回転ブラシ(図示せず)を回転駆動する電動機(図示せず)と、が内蔵されている。また、ホース4の延長管5側の端部には、使用者が掃除する際に保持する把手部6を備えた先端パイプ7が設けられており、この先端パイプ7を介してホース4と延長管5とが着脱自在に接続されている。さらに、ホース4の掃除機本体1側の端部には、接続パイプ8が設けられており、この接続パイプ8を介して掃除機本体1の吸気口1aとホース4とが着脱自在に接続されている。
図2〜図4に示すように、集塵装置2は、主として、両端に開口部(図示せず)を有する略円筒状の集塵装置本体と、集塵装置本体9の内部に集塵装置本体9と同心状に配置されており、一次フィルター10を有する一次フィルター取り付け枠11と、一次フィルター取り付け枠11の上方に配置された二次フィルター12と、一次フィルター10の下方に配置された傘状の第1の延出部13と、一次フィルター10と第1の延出部13との間に配置された第2の延出部14と、集塵装置本体9に回動自在に取り付けられており、集塵装置本体9の下端側の開口部(図示せず)を開閉自在に覆う下蓋体15と、集塵装置本体9に着脱自在に取り付けられており、集塵装置本体9の上端側の開口部(図示せず)及び二次フィルター12の上面を覆う上蓋体16と、上蓋体16に回動自在に軸支されたハンドル17と、から構成されている。
集塵装置本体9は、集塵装置本体9の長手方向の中央部の内径が集塵装置本体9の長手方向の両端の内径よりも小さくなるように形成されている。また、集塵装置本体9の後部には、後述する掃除機本体1の集塵装置取付部42に集塵装置2が取り付けられた状態で、掃除機本体1の吸気口1aと連通する流入口9aが形成されている。さらに、集塵装置本体9の内部には、電動送風機34(図8及び図9参照)で発生された吸引風によって吸引され、掃除機本体1に設けられた吸気口1aを介して集塵装置本体9に設けられた流入口9aから集塵装置2の内部に流入した塵埃を遠心分離する遠心分離空間部2aと、遠心分離空間部2aの下流側に設けられており、遠心分離空間部2aで遠心分離された塵埃を捕集する塵埃蓄積空間部2bと、が形成されている。この遠心分離空間部2aは、集塵装置本体9の内面と一次フィルター10とによって集塵装置2の長手方向の略中央部に形成されている。また、塵埃蓄積空間部2bは、集塵装置本体9の内面、第1の延出部13、及び、下蓋体15によって集塵装置2の下部に形成されている。
一次フィルター10は、金属材料で構成されており、金属表面部分には樹脂などによる凹凸形状を設けない構成とすることで、旋回流が滑らかに流れることになり、分離効率を高めるとともに、塵埃などの巻きつきを軽減する効果を発揮する。なお、一次フィルター10の表面に研磨処理を施すことによって、その効果を高めることができ、また抗菌処理を施すことによって、一次フィルター10を清潔に保つことができる。また、一次フィルター10は、集塵装置本体9と略同心状に形成された一次フィルター取り付け枠11に取り付けられた状態で集塵装置本体9の内部に配置されているとともに、一次フィルター取り付け枠11が集塵装置本体9の内部に取り付けられた状態で、一次フィルター10は集塵装置本体9の流入口9aに対向する位置に位置するように構成されている。
一次フィルター10の上方、すなわち、一次フィルター取り付け枠11の上部には、プリーツ状に形成された二次フィルター12が配置されており、一次フィルター10を通過した塵埃が二次フィルター12によって捕集されるように構成されている。また、二次フィルター12の上部には、二次フィルター12に付着した塵埃を除塵する除塵部18と、
除塵部18を駆動させる駆動部19と、が配置されている。除塵部18は、二次フィルター12の上面と当接するように二次フィルター12と後述する上蓋体16との間に配置されており、駆動部19は、後述する上蓋体16の内部に配置されている。
一次フィルター10の下部には、一次フィルター取り付け枠11の下端から集塵装置本体9の下方に向かって延出された傘状の第1の延出部13が形成されている。第1の延出部13は、集塵装置本体9の長手方向の中心軸に対して所定角度傾斜するように一次フィルター取り付け枠11の下端から集塵装置本体9の下方に向かって延出された第1の傾斜部13aと、集塵装置本体9の長手方向の中心軸に対して略平行となるように第1の傾斜部13aの下端から集塵装置本体9の下方に向かって延設された垂直部13bと、第1の傾斜部13aと垂直部13bの内側に設けられ、第1の傾斜部13aの上端から集塵装置本体9の下方に向かって延出された略円筒状の第1の円筒部13cと、第1の円筒部13cの内側に設けられているとともに、第1の傾斜部13aの上端から集塵装置本体9の中心軸に向かって延設され、除塵部18によって二次フィルター12から除塵された塵埃を集塵装置2の下部に導く第2の傾斜部13dと、第2の傾斜部13dの下部から集塵装置本体9の下方に向かって延設された第2の円筒部13eと、から構成されている。
第1の傾斜部13aは、集塵装置本体9の下方に向かうにつれて集塵装置本体9の径方向に広がるように形成されている。また、第1の傾斜部13a及び垂直部13bと集塵装置本体9の内面との間には、遠心分離空間部2aで遠心分離された塵埃を塵埃蓄積空間部2bへと導く塵埃通路部2cが形成されており、この塵埃通路部2cは、塵埃通路部2cの幅H1が遠心分離空間部2aの幅H2よりも小さくなるように形成されている。さらに、垂直部13bの下端と後述する下蓋体15との間、および、第1の円筒部13cの下端と後述する下蓋体15との間には隙間(図示せず)が形成されている。また、第1の傾斜部13a及び垂直部13bと第1の円筒部13cとの間、および、第1の円筒部13cと第2の傾斜部13d及び第2の円筒部13eとの間には、空間(図示せず)が形成されており、この空間(図示せず)によって、塵埃蓄積空間部2bに蓄積された塵埃が遠心分離空間部2aへ舞いあがることを防止している。また、第2の円筒部13eは、第2の円筒部13eの下端が後述する下蓋体15に当接するように構成されている。また、第1の延出部13の一次フィルター取り付け枠11側の端部には、第1の延出部13から一次フィルター取り付け枠11側に向かって延設された嵌合爪部(図示せず)が設けられている。さらに、一次フィルター取り付け枠11の内部の嵌合爪部(図示せず)に対応する位置には、嵌合爪部(図示せず)と嵌合する嵌合突起部(図示せず)が設けられており、この嵌合爪部(図示せず)と嵌合突起部(図示せず)とが嵌合することで、一次フィルター取り付け枠11の下端に第1の延出部13が取り付けられる。ここで、本実施の形態においては、嵌合爪部(図示せず)と嵌合突起部(図示せず)とを嵌合させることで、一次フィルター取り付け枠11の下端に第1の延出部13を取り付ける構成について説明したが、第1の延出部13は溶着などの手段によって一次フィルター取り付け枠11の下端に取り付けられていてもよい。
一次フィルター10と第1の延出部13との間には、一次フィルター10から離れる方向に向かって延設された第2の延出部14が設けられている。また、第2の延出部14には、第1の延出部13に設けられた嵌合爪部(図示せず)が挿入される嵌合孔部(図示せず)が設けられており、第2の延出部14は、第1の延出部13の嵌合爪部(図示せず)が第2の延出部14の嵌合孔部(図示せず)に挿入された状態で、第1の延出部13の嵌合爪部(図示せず)と一次フィルター取り付け枠11の嵌合突起部(図示せず)とが嵌合されることで、一次フィルター取り付け枠11と第1の延出部13とで挟持されている。さらに、第2の延出部14は、一次フィルター10側に向かって凸状となるように所定の曲率で湾曲して形成されている。また、第2の延出部14は、第2の延出部14の外周側の端部と集塵装置本体9との間、及び、第2の延出部14の外周側の端部と第1の延出部
13との間に隙間(図示せず)が形成されるように構成されている。
下蓋体15は、集塵装置本体9の前方の下部に設けたヒンジ部20に回動自在に取り付けられるとともに、集塵装置本体9に設けた尾錠部21によって、集塵装置本体9の下端の開口部(図示せず)を閉塞した状態で集塵装置本体9に保持される。また、下蓋体15の集塵装置本体9に当接する位置には、第1のシール部材22が配置されており、この第1のシール部材22によって、下蓋体15が集塵装置本体9の下端の開口部(図示せず)を閉塞した状態で、集塵装置本体9と下蓋体15との間の気密性が保持されている。さらに、下蓋体15の第2の円筒部13eと当接する位置には、第2のシール部材23が配置されており、この第2のシール部材23によって、下蓋体15が集塵装置本体9の下端の開口部(図示せず)を閉塞した状態で、第2の円筒部13eと下蓋体15との間の気密性が保持されている。また、下蓋体15は、使用者が後述する上蓋体16に設けられた開閉操作部25を操作することで、集塵装置本体9の後部に設けられたスライダー24が下方に押し下げられ、このスライダー24によって尾錠部21が回動されることで、下蓋体15と尾錠部21との係合が解除され、集塵装置本体9の下端の開口部(図示せず)を開放されるように構成されている。
上蓋体16は、集塵装置本体9内に一次フィルター取り付け枠11及び二次フィルター12が取り付けられた状態において、集塵装置本体9の上端の開口部(図示せず)及び二次フィルター12の上面を覆うように、集塵装置本体9の上部に着脱自在に取り付けられている。また、上蓋体16の内部には、除塵部18を駆動する駆動部19が内蔵されている。さらに、上蓋体16の後部には、集塵装置本体9の流入口9aから集塵装置2の内部へと流入し、一次フィルター10及び二次フィルター12によって塵埃が除去されたあとの吸引風を集塵装置2の外部へと排出する流出口16aが設けられている。また、上蓋体16の上面の後部には、集塵装置本体9の下端側の開口部(図示せず)が下蓋体15によって閉塞された状態において、下蓋体15と尾錠部21との係合を解除する開閉操作部25が配置されている。さらに、上蓋体16は、集塵装置本体9の上部に回動自在に配置された一対のバックル部26が上蓋体16のバックル部26に対応する位置に設けられた嵌合凸部(図示せず)と嵌合することで、集塵装置本体9に取り付けられている。
また、上蓋体16には、使用者が掃除機本体1から集塵装置2を取り外し、集塵装置2を持ち運ぶ際に使用する略U字状のハンドル17が上蓋体16に回動自在に軸支されている。ハンドル17の回動軸(図示せず)には、ハンドル17を収納状態から倒立状態となる方向に付勢する付勢手段(図示せず)が取り付けられている。また、ハンドル17の回動軸(図示せず)側の端部には、ハンドル17の収納状態において、ハンドル17の回動軸(図示せず)側の端部から集塵装置2の上方に向かって延設された第1の係合爪部17aが形成されている。第1の係合爪部17aは、集塵装置2が掃除機本体1に取り付けられた状態において、後述する掃除機本体1の本体ハンドル31に形成された第3の係合凹部31aと係合され、掃除機本体1に集塵装置2を保持させるとともに、ハンドル17の倒立状態において、上蓋体16の上面に形成された第1の係合凹部16bと係合され、ハンドル17を倒立状態で保持させるように構成されている。
ハンドル17の中央部には、第2の係合凹部17bが形成されている。また、上蓋体16の前部には、ハンドル17の中央部に形成された第2の係合凹部17bと係合し、付勢手段(図示せず)の付勢力に反してハンドル17を収納状態で保持する第2の係合爪部16cが設けられている。さらに、上蓋体16の前部には、ハンドル17に形成された第2の係合凹部17bと上蓋体16に設けられた第2の係合爪部16cとが係合され、ハンドル17が収納状態で保持されている状態において、第2の係合凹部17bと第2の係合爪部16cとの係合を解除する係合解除操作部27が設けられており、この係合解除操作部27は、第2の係合爪部16cと一体的に形成されている。また、係合解除操作部27の
裏面には、係合解除操作部27を上蓋体16の内部から上蓋体16の外部に向かって付勢するコイルバネ28が配置されており、第2の係合爪部16c及び係合解除操作部27は、上蓋体16の内部から上蓋体16の外部に突出するように、上蓋体16の内部に摺動自在に設けられている。
図5〜図9に示すように、掃除機本体1は、掃除機本体1の下面を形成する下枠体29と、掃除機本体1の上面を形成する上枠体30と、から構成されており、下枠体29と上枠体30とは爪やネジ等によって結合されている。掃除機本体1の上部、すなわち、上枠体30の上部には、掃除機本体1を持ち運ぶ際に使用者が保持する本体ハンドル31が取り付けられており、この本体ハンドル31の掃除機本体1側の両端部には、集塵装置2が掃除機本体1に取り付けられた際に、集塵装置2のハンドル17に設けられた第1の係合爪部17aと係合する第3の係合凹部31aが設けられている。また、掃除機本体1の後方の両側、すなわち、下枠体29の後方の両側には、一対の走行用の車輪32が回動自在に取り付けられている。さらに、掃除機本体1の下面の前部、すなわち、下枠体29の下面の前方には、走行用のキャスター33が回動自在に取り付けられている。
掃除機本体1の後部には、吸引風を発生させる電動送風機34を内蔵する電動送風機室35が設けられている。また、掃除機本体1の後部には、商用電源に接続される電源コード(図示せず)を巻取り電源コード巻取り装置36が配置されている。
電動送風機34は、電動送風機34の上部及び下部に取り付けられた弾性材料で形成された上部サポートゴム(図示せず)及び下部サポートゴム(図示せず)が、電動送風機34の外周に配置され、電動送風機34の外周を覆う電動送風機ケース37によって挟持された状態で電動送風機室35に配置されている。また、電動送風機ケース37の前部には、電動送風機34から排出された排気風を電動送風機ケース37の外部、すなわち、電動送風機室35へと排出する排出口37aが設けられている。さらに、電動送風機ケース37の排出口37aには、電動送風機34から排出された排気風に含まれる塵埃を捕集する排気フィルター37bが配置されている。
電動送風機室35内に配置された電動送風機ケース37の下方、すなわち、下枠体29と電動送風機ケース37との間には、電動送風機ケース37の排出口37aから排出された排気風を掃除機本体1の後部に形成された排気口1bへと導く排気風路38が形成されており、電動送風機34から排出された排気風は、電動送風機ケース37の排出口37aから電動送風機室35内へと排出され、その後、排気風路38を介して排気口1bへと導かれ、排気口1bから掃除機本体1の外部へと排出される。また、排気風路38の下部には、電動送風機34から排出された排気風に含まれる風切り音等の騒音を吸音する第1の吸音材39が排気風路38の略全長にわたって配置されている。ここで、本実施の形態においては、第1の吸音材39として、通気性が20〜70cc/cm2/秒のポリエチレン或いはポリプロピレンを素材とするスパンボンド工法によって製造された不織布を表層とし、ケミカルボンド、ヒートボンド或いはメルトブロー工法により製造された不織布材からなる目付量が300〜600g/m2の吸音材を使用している。
電動送風機34の上流側には、集塵装置2が掃除機本体1に取り付けられた状態で、集塵装置2に設けられた流出口16aから排出された空気を電動送風機34に形成された吸入口(図示せず)へと導く吸入風路40が設けられている。吸入風路40は、一端が電動送風機ケース37の電動送風機34の吸入口(図示せず)に対向する位置に設けられた第1の連通口37cに連通している。また、吸入風路40の他端には、集塵装置2に設けられた流出口16aに連通する格子状の第2の連通口40aが形成されており、吸入風路40は、集塵装置2が掃除機本体1に取り付けられた状態において、集塵装置2に設けられた流出口16aと吸入風路40に設けられた第2の連通口40aとが当接することで、集
塵装置2の内部と連通するように構成されている。さらに、第2の連通口40aには、集塵装置2が掃除機本体1に取り付けられたときに、集塵装置2の流出口16aと圧接され、集塵装置2の流出口16aと吸入風路40の第2の連通口40aとの間の気密性を保持させる第3のシール部材41が配置されている。
掃除機本体1の前部、すなわち、上枠体30の前部には、電動送風機34で発生された吸引風によって吸引された塵埃を分離捕集する集塵装置2が着脱自在に取り付けられる集塵装置取付部42が設けられており、集塵装置2は集塵装置取付部42に所定角度傾斜して取り付けられることで、掃除機本体1に対して所定角度傾斜した状態で取り付けられる。ここで、本実施の形態においては、集塵装置2が略45度傾斜した状態で掃除機本体1に取り付けられるように構成している。
集塵装置取付部42の吸入風路40に設けられた第2の連通口40aに対応する位置には、吸入風路40に設けられた第2の連通口40aが挿入される第1の開口部42aが設けられており、第2の連通口40aは、集塵装置取付部42に設けられた第1の開口部42aから集塵装置取付部42の上部に露出することで、集塵装置2の流出口16aと当接するように構成されている。また、集塵装置取付部42の集塵装置2に設けられた流入口9aに対向する位置には、第2の開口部42bが設けられている。また、第2の開口部42bには、集塵装置2が掃除機本体1に取り付けられた状態で、集塵装置2の流入口9aと圧接され、集塵装置2の流入口9aと第2の開口部42bとの間の気密性を保持させる第4のシール部材42cが配置されている。さらに、掃除機本体1の内部には、一端が掃除機本体1の吸気口1aに連通するとともに、他端が集塵装置取付部42に設けられた第2の開口部42bに連通する吸引風路43が設けられており、電動送風機34で発生されて吸引風によって吸引され、掃除機本体1の吸気口1aから掃除機本体1の内部に流入した塵埃は、吸引風路43及び第2の開口部42bを介して集塵装置2に設けられた流入口9aから集塵装置2の内部に流入するように構成されている。
集塵装置取付部42の下部の掃除機本体1の内部には、第1の空間部44が形成されている。第1の空間部44は、下枠体29から上枠体30に向かって延設された隔壁45によって電動送風機室35と区画されており、第1の空間部44は、下枠体29、上枠体30、及び、隔壁45によって形成されている。また、第1の空間部44の内部には、掃除機本体1の内部に流入した塵埃を集塵装置2に導く吸引風路43が配置されているとともに、下枠体29及び上枠体30とは別体に設けられたケース体46によって第1の空間部44とは区画されて形成された第2の空間部47が形成されている。
ケース体46は、ケース体46の下枠体29側の面及びケース体46の隔壁45側の面が開放されているとともに、ケース体46の下枠体29側の端部及びケース体46の隔壁45の端部がそれぞれ下枠体29及び隔壁45に当接されるように配置されており、第2の空間部47は、下枠体29、隔壁45、及び、ケース体46によって形成されている。また、第2の空間部47は、被清掃面に平行な面での断面が略四角形状となるように形成されているとともに、第2の空間部47の内部には、電動送風機34から排出された排気風に含まれる風切り音等の騒音を吸音する第2の吸音材48が配置されている。ここで、本実施の形態においては、第2の吸音材48として、その密度が50〜80kg/m3の吸音材を使用している。
第2の空間部47を形成する隔壁45には、ケース体46の内部に形成された第2の空間部47と、電動送風機室35に形成された排気風路38とを連通させる第3の連通口45aが形成されている。また、ケース体46の下枠体29側の端部及びケース体46の隔壁45の端部には、ケース体46が第1の空間部44に取り付けられた状態で、第1の空間部44と第2の空間部47との気密性を保持させる第5のシール部材(図示せず)が設
けられており、この第5のシール部材(図示せず)により、第1の空間部44と第2の空間部47との間の気密性が保持されるとともに、第1の空間部44が排気風路38と連通しないように構成されている。
以上のように構成された電気掃除機100について、以下、その動作、作用を説明する。
掃除機本体1に集塵装置2が取り付けられた状態、すなわち、掃除機本体1の本体ハンドル31に形成された第3の係合凹部31aと集塵装置2のハンドル17に形成された第1の係合爪部17aとが係合され、かつ、集塵装置2のハンドル17が収納状態となっている状態で、使用者が把手部6を保持し、電気掃除機100の運転を開始すると、電動送風機34で吸引風が発生し吸引力が発生する。この状態で、使用者が被清掃面上で吸込具3を動かすと、吸込具3から被清掃面上の塵埃が吸引風とともに吸引される。吸込具3から吸引された塵埃を含む吸引風は、延長管5及びホース4を介して吸気口1aから掃除機本体1内へと流入する。掃除機本体1内へと流入した塵埃を含む吸引風は、吸入風路40及び第2の開口部42bを介して集塵装置2に設けられた流入口9aから集塵装置2の内部へと流入する。
集塵装置2の内部に流入した塵埃を含む空気は、集塵装置本体9の内面と一次フィルター10とで形成される遠心分離空間部2aに流入し、遠心分離空間部2aで発生する旋回流により粗塵や細塵などを含む塵埃と空気とが遠心分離される。遠心分離空間部2aで遠心分離された塵埃は、第1の延出部13及び第2の延出部14と集塵装置本体9の内面との間に形成された塵埃通路部2cを通り、集塵装置本体9の内面、第1の延出部13、及び、下蓋体15によって集塵装置2の下部に形成された塵埃蓄積空間部2bへと蓄積される。
ここで、図4に示すように、本実施の形態においては、塵埃通路部2cの幅H1が遠心分離空間部2aの幅H2がよりも小さくなるように形成しているため、遠心分離空間部2aから塵埃蓄積空間部2bに流入する空気の流速を増加させることができ、遠心分離空間部2aから塵埃蓄積空間部2bに向けて押さえつける力を発生させることができる。そのため、塵埃蓄積空間部2bに蓄積した塵埃を圧縮することができるとともに、塵埃蓄積空間部2bに蓄積した塵埃が遠心分離空間部2aに舞い戻ることを防止することができる。
また、塵埃蓄積空間部2bに塵埃とともに流入した空気は、電動送風機34の吸引力によって塵埃蓄積空間部2bから遠心分離空間部2aへと流れるが、このとき、塵埃蓄積空間部2bに蓄積された塵埃が塵埃蓄積空間部2bから遠心分離空間部2aへと流れる空気の流れによって遠心分離空間部2aへと導かれてしまい、一次フィルター10に付着してしまうことがある。そこで、本実施の形態においては、一次フィルター10の下部に第1の延出部13を形成するとともに、一次フィルター10と第1の延出部13との間に第2の延出部14を形成することで、塵埃蓄積空間部2bに流入した空気とともに塵埃蓄積空間部2bから遠心分離空間部2aへと舞い戻ろうとする塵埃を一次フィルター10から離れる方向、すなわち、遠心分離空間部2aの旋回気流の流速が速い領域に導き、塵埃蓄積空間部2bから遠心分離空間部2aへ舞い戻ろうとする塵埃を、遠心分離空間部2aから塵埃蓄積空間部2bへと流れる塵埃とともに塵埃蓄積空間部2bへと流入させ、塵埃蓄積空間部2bに蓄積された塵埃が遠心分離空間部2a側へと舞い戻り、一次フィルター10に付着することを防止することができる。また、本実施の形態においては、一次フィルター10の下部に形成した第1の延出部13の第1の傾斜部13a及び垂直部13bと第2の円筒部13eとの間に第1の円筒部13cを設けるとともに、一次フィルター10と第1の延出部13との間に第2の延出部14を形成し、塵埃蓄積空間部2bに流入した空気が遠心分離空間部2aへと流れる流路の長さを長くすることで、塵埃蓄積空間部2bに蓄
積された塵埃が塵埃蓄積空間部2bから遠心分離空間部2aへと流れる空気とともに遠心分離空間部2aに流入することを防止している。
遠心分離空間部2aで塵埃が遠心分離された空気は、一次フィルター10を通過し、その後、二次フィルター12を通過することで、遠心分離空間部2aで遠心分離されず、空気とともに一次フィルター10を通過した塵埃が二次フィルター12で捕集される。そして、塵埃を含まない空気のみが二次フィルター12を通過し、集塵装置2の流出口16aから集塵装置2の外部へと排出される。
二次フィルター12で捕集された塵埃は、電動送風機34の運転停止時に、二次フィルター12の上方に設けられた除塵部18に駆動部19から振動が与えられることによって、二次フィルター12から剥離される。そして、二次フィルター12から剥離された塵埃は、一次フィルター取り付け枠11より内側の空間を通り、一次フィルター10の下方へと導かれる。一次フィルター10の下方へと導かれた塵埃は、第1の延出部13に形成された第2の傾斜部13dによって第2の円筒部13eの内部へと導かれ、第2の円筒部13eの内部に蓄積される。
集塵装置2の流出口16aから排出された空気は、第2の連通口40aから掃除機本体1の内部へと流入するとともに、掃除機本体1の内部に形成された吸入風路40を介して電動送風機34の吸気口へと至り、電動送風機34の内部へと流入する。そして、電動送風機34の内部へと流入した空気は、電動送風機34の外周に配置された電動送風機ケース37の内部へと排出され、その後、電動送風機ケース37に形成された排出口37a電動送風機室35の内部へと排出される。電動送風機室35の内部に排出された排気風は、電動送風機ケース37と下枠体29との間に形成された排気風路38を介して掃除機本体1に形成された排気口1bへと至り、排気口1bから掃除機本体1の外部へと排出される。このとき、本実施の形態においては、排気風路38の略全長にわたって第1の吸音材39を配置しているため、電動送風機34から排出された排気風に含まれる風切り音等の騒音を第1の吸音材39で吸音される。
また、本実施の形態においては、排気風路38の途中に、排気風路38と連通する第2の空間部47を形成しているため、電動送風機34から排出され、排気風路38を介して掃除機本体1の排気口1bから掃除機本体1の外部に排出される排気風の一部が第2の空間部47の内部へと流入し、電動送風機34から排出された排気風に含まれる風切り音等の騒音が第2の空間部47にて低減される。すなわち、電動送風機34から排出され、排気風路38を介して掃除機本体1の排気口1bから掃除機本体1の外部に排出される排気風の一部は、電動送風機室35と第1の空間部44とを隔壁45に形成された第3の連通口45aから第2の空間部47の内部へと流入する。第2の空間部47の内部に流入した排気風は、排気風に含まれる騒音の音圧が第2の空間部47で低減されるとともに、第2の空間部47に配置された第2の吸音材48によって吸音され、排気風中に含まれる騒音が低減される。第2の空間部47で騒音が低減された排気風は、隔壁45に形成された第3の連通口45aから排気風路38へと流入し、排気風路38を介して掃除機本体1の排気口1bから掃除機本体1の外部へと排出される。
使用者が集塵装置2の内部に蓄積した塵埃を捨てる場合、使用者は、コイルバネ28の付勢力に反して、集塵装置2の前方の上部、すなわち、集塵装置2の上蓋体16の前部に設けられた係合解除操作部27を操作し、ハンドル17の第2の係合凹部17bと第2の係合爪部16cとの係合、及び、掃除機本体1の本体ハンドル31に設けられた第3の係合凹部31aと集塵装置2のハンドル17に設けられた第1の係合爪部17aとの係合を解除することで、集塵装置2を掃除機本体1から取り外し、集塵装置2の内部に蓄積した塵埃を廃棄する。使用者により係合解除操作部27が操作されると、ハンドル17の第2
の係合凹部17bと第2の係合爪部16cとの係合が解除され、付勢手段(図示せず)の付勢力によって、ハンドル17が収納状態から倒立状態へと回動される。付勢手段(図示せず)の付勢力によって、ハンドル17が収納状態から倒立状態へと回動されると、ハンドル17の回動に連動して、本体ハンドル31に設けられた第3の係合凹部31aとハンドル17に設けられた第1の係合爪部17aとの係合が解除される。この状態で、使用者は、ハンドル17を保持し、集塵装置2を掃除機本体1の上方へと持ち上げることで、集塵装置2を掃除機本体1から取り外すことができる。
集塵装置2を掃除機本体1から取り外した後、使用者は、ハンドル17が倒立状態となるようにハンドル17をさらに回動させる。このとき、使用者は、ハンドル17を上蓋体16の上面に対して90度以上倒立させ、ハンドル17に設けた第1の係合爪部17aと上蓋体16に設けた第1の係合凹部16bとを係合させ、ハンドル17を倒立状態で保持固定させる。この状態で、使用者は、ハンドル17を保持し、集塵装置2をゴミ箱等の上へと移動させ、上蓋体16の上面の後部に形成された開閉操作部25を操作する。使用者により開閉操作部25が操作されると、スライダー24が下方に押し下げられ、尾錠部21が回動し、下蓋体15と尾錠部21との係合が解除されるとともに、下蓋体15がヒンジ部20を中心に回動し、集塵装置本体9の下端側の開口部(図示せず)が解放され、集塵装置2の塵埃蓄積空間部2bに蓄積された塵埃が集塵装置本体9の下端側の開口部(図示せず)から集塵装置2の外部へと排出される。
以上のように、本実施の形態においては、電動送風機34から排出された排気風を掃除機本体1の外部へと導く排気風路38に、第1の吸音材39を配置しているため、電動送風機34から排出された排気風に含まれる風切り音等の騒音を第1の吸音材39で吸音することができ、掃除機本体1の内部で発生した騒音を低減することができる。
また、本実施の形態においては、排気風路38の途中に、排気風路38と連通する第2の空間部47を形成しているため、電動送風機34から排出され、排気風路38を介して掃除機本体1の排気口1bから掃除機本体1の外部に排出される排気風の一部を第2の空間部47の内部へと導き、第2の空間部47の内部に流入した排気風に含まれる騒音の音圧を第2の空間部47で低減することができるとともに、第2の空間部47に配置された第2の吸音材48によって排気風中に含まれる騒音を吸音することができる。そのため、掃除機本体1の内部で発生した騒音を第2の空間部47で低減することができ、電気掃除機100の静音性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態においては、第2の空間部47は、掃除機本体1の外部と直接連通せず、排気風路38とのみ連通しているため、電動送風機34で発生され、電動送風機34から排出された排気風の一部とともに第2の空間部47に流入した風切り音や第2の空間部47で発生した風切り音等の騒音が掃除機本体1の外部に伝わってしまうことを十分に防止できる。そのため、掃除機本体1の内部で発生した騒音を第2の空間部47で確実に低減することができ、電気掃除機100の静音性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、第1の空間部44は排気風路38と連通しないように形成されているとともに、第2の空間部47は第1の空間部44の内部に形成されているため、第1の空間部44と第2の空間部47とによって二重壁構造を形成することができ、第2の空間部47の内部から第2の空間部47の外部へと伝わってしまった騒音を第1の空間部44で低減することができる。そのため、第1の空間部44及び第2の空間部47によって、掃除機本体1の内部で発生された騒音が掃除機本体1の外部へと伝わってしまうことを十分に防止でき、電気掃除機100の静音性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態においては、電動送風機34で発生された吸引風によって吸引さ
れた塵埃を集塵装置2へと導く吸引風路43を第1の空間部44の内部に形成しているため、第1の空間部44と吸引風路43とによって二重壁構造を形成することができる。そのため、吸引風路43内で発生した風切り音などの騒音が掃除機本体1の外部へと伝わることを十分に防止でき、電気掃除機100の静音性をさらに向上させることができる。
また、本実施の形態においては、集塵装置取付部42の下部の掃除機本体1の内部に第1の空間部44を形成しているため、集塵装置取付部42の下部の掃除機本体1の内部に形成された空間を有効に活用することができる。そのため、第1の空間部44を形成するための空間を掃除機本体1の内部に別途形成する必要がなく、掃除機本体1が大型化してしまうことを防止することができる。
(実施の形態2)
本発明の電気掃除機の実施の形態2について、図10及び図11を用いて説明する。なお、上述した実施の形態1と同一または相当する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図10は、本発明の実施の形態2における被清掃面に垂直な面での掃除機本体の断面図である。また、図11は、本発明の実施の形態2における被清掃面に平行な面での掃除機本体の断面図である。
図10及び図11に示すように、本実施の形態において、第2の空間部47を形成するケース体46は、ケース体46の排気風路38側の高さT1がケース体46の排気風路38とは反対側の高さT2よりも高くなるように形成されている。また、ケース体46は、ケース体46の排気風路38側の幅H3がケース体46の排気風路38とは反対側の幅H4よりも大きくなるように形成されている。そして、第2の空間部47は、第2の空間部47の排気風路38側の断面積が第2の空間部47の排気風路38とは反対側の断面積よりも大きくなるように形成されているとともに、第2の空間部47は、排気風路38側から排気風路38とは反対側にいくに連れて、第2の空間部47の断面積が徐々に小さくなるように形成されており、第2の空間部47は、被清掃面に平行な面での断面が略台形状となるように形成されている。
以上のように構成された電気掃除機100について、以下、その動作、作用を説明する。
掃除機本体1に集塵装置2が取り付けられた状態で、使用者により電気掃除機100の運転が開始されると、電動送風機34で吸引風が発生され、吸引力が発生される。この状態で、使用者が被清掃面上で吸込具3を動かすと、吸込具3から被清掃面上の塵埃が吸引風とともに吸引される。吸込具3から吸引された塵埃を含む吸引風は、延長管5及びホース4を介して吸気口1aから掃除機本体1内へと流入する。掃除機本体1内へと流入した塵埃を含む吸引風は、吸入風路40及び第2の開口部42bを介して集塵装置2に設けられた流入口9aから集塵装置2の内部へと流入する。
集塵装置2の内部に流入した塵埃を含む空気は、集塵装置2の内部に形成された遠心分離空間部2aに流入し、遠心分離空間部2aで発生する旋回流により粗塵や細塵などを含む塵埃と空気とが遠心分離される。遠心分離空間部2aで遠心分離された塵埃は、集塵装置2の内部に形成された塵埃通路部2cを通り、集塵装置2の下部に形成された塵埃蓄積空間部2bへと蓄積される。
遠心分離空間部2aで塵埃が遠心分離された空気は、一次フィルター10及び二次フィルター12を通過し、集塵装置2の流出口16aから集塵装置2の外部へと排出される。
集塵装置2の流出口16aから排出された空気は、第2の連通口40aから掃除機本体1の内部へと流入するとともに、掃除機本体1の内部に形成された吸入風路40を介して電動送風機34の吸気口へと至り、電動送風機34の内部へと流入する。そして、電動送風機34の内部へと流入した空気は、電動送風機34の外周に配置された電動送風機ケース37の内部へと排出され、その後、電動送風機ケース37に形成された排出口37a電動送風機室35の内部へと排出される。
電動送風機室35の内部に排出された排気風は、電動送風機ケース37と下枠体29との間に形成された排気風路38を介して掃除機本体1に形成された排気口1bへと至り、排気口1bから掃除機本体1の外部へと排出される。このとき、本実施の形態においては、排気風路38の略全長にわたって第1の吸音材39を配置しているため、電動送風機34から排出された排気風に含まれる風切り音等の騒音を第1の吸音材39で吸音することができ、電動送風機34から排出された排気風に含まれる風切り音等の騒音を排気風路38で低減することができる。
また、本実施の形態においては、排気風路38の途中に、排気風路38と連通する第2の空間部47を形成しているため、電動送風機34から排出され、排気風路38を介して掃除機本体1の排気口1bから掃除機本体1の外部に排出される排気風の一部が隔壁45に形成された第3の連通口45aから第2の空間部47の内部へと流入する。第2の空間部47に流入した排気風は、排気風に含まれる騒音の音圧が第2の空間部47で低減されるとともに、第2の空間部47に配置された第2の吸音材48によって吸音され、排気風中に含まれる騒音が低減される。そして、第2の空間部47で騒音が低減された排気風は、隔壁45に形成された第3の連通口45aから排気風路38へと流入し、排気風路38を介して掃除機本体1の排気口1bから掃除機本体1の外部へと排出される。
ここで、掃除機本体1の内部で発生される騒音には、電動送風機34から排出された排気風による風切り音や電動送風機34の回転によって生じるモータ音など、様々な周波数の音が含まれている。そのため、第2の空間部47の排気風路38側の断面積と第2の空間部47の排気風路38側の断面積とが略同一になるように、第2の空間部47を四角形状に形成した場合、掃除機本体1の内部で発生される騒音のうち、単一の周波数の音については効率よく低減することができるものの、複数の周波数の音を効率よく低減することができない場合がある。そこで、本実施の形態においては、第2の空間部47の排気風路38側の断面積が第2の空間部47の排気風路38とは反対側の断面積よりも大きくなるように第2の空間部47を形成するとともに、排気風路38側から排気風路38とは反対側にいくに連れて、第2の空間部47の断面積が徐々に小さくなるように第2の空間部47を形成している。この構成により、第2の空間部47の内部において、隔壁45に形成した第3の連通口45aから第2の空間部47の壁面に至るまでの距離を変化させることができるため、第2の空間部47の内部で複数の周波数の音の音圧を低減することができる。そのため、第2の空間部47に流入した風切り音や第2の空間部で発生した風切り音等の騒音に含まれる様々な周波数の音を第2の空間部47で効率よく低減することができ、電気掃除機100の静音性をさらに向上させることができる。また、第2の空間部47には第2の吸音材48が配置されているため、第2の空間部47に配置された第2の吸音材48によって、第2の空間部47に流入した風切り音や第2の空間部47で発生した風切り音等の騒音に含まれる様々な周波数の音を吸音することができ、排気風中に含まれる騒音を低減することができる。
また、本実施の形態においては、第1の空間部44は排気風路38と連通しないように形成されているとともに、第2の空間部47は第1の空間部44の内部に形成されているため、第1の空間部44と第2の空間部47とによって二重壁構造を形成することができ、第2の空間部47の内部から第2の空間部47の外部へと伝わってしまった騒音を第1
の空間部44で低減することができる。そのため、第1の空間部44及び第2の空間部47によって、掃除機本体1の内部で発生された騒音が掃除機本体1の外部へと伝わってしまうことを十分に防止でき、電気掃除機100の静音性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態においては、電動送風機34で発生された吸引風によって吸引された塵埃を集塵装置2へと導く吸引風路43を第1の空間部44の内部に形成しているため、第1の空間部44と吸引風路43とによって二重壁構造を形成することができる。そのため、吸引風路43内で発生した風切り音などの騒音が掃除機本体1の外部へと伝わることを十分に防止でき、電気掃除機100の静音性をさらに向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、第2の空間部47は、第2の空間部47の排気風路38側の断面積が第2の空間部47の排気風路38とは反対側の断面積よりも大きく、かつ、排気風路38側から排気風路38とは反対側にいくに連れて、第2の空間部47の断面積が徐々に小さくなるように形成されており、被清掃面に平行な面での断面が略台形状となるように形成されている構成について説明したが、図12に示すように、第2の空間部47は、第2の空間部47の排気風路38側の断面積が第2の空間部47の排気風路38とは反対側の断面積よりも大きく、かつ、排気風路38側から排気風路38とは反対側にいくに連れて、第2の空間部47の断面積が徐々に小さくなるように形成されており、被清掃面に平行な面での断面が階段状となるように形成されていてもよい。
図12は、本発明の実施の形態2における第2の空間部の変形例を示す掃除機本体の断面図である。
図12に示すように、ケース体46は、ケース体46の内部、すなわち、第2の空間部47において、隔壁45に形成された第3の連通口45aからケース体46の排気風路38とは反対側の面までの距離がL1、L2、及び、L3(L1<L2<L3)となるように形成されている。この構成においても、第2の空間部47の内部において、隔壁45に形成した第3の連通口45aから第2の空間部47の壁面に至るまでの距離を変化させることができるため、第2の空間部47の内部で複数の周波数の音の音圧を低減することができる。そのため、第2の空間部47に流入した風切り音や第2の空間部で発生した風切り音等の騒音に含まれる様々な周波数の音を第2の空間部47で効率よく低減することができ、電気掃除機100の静音性をさらに向上させることができる。
以上、本発明の電気掃除機の実施の形態1及び実施の形態2について説明したが、本発明の電気掃除機は上述した実施の形態1及び実施の形態2の電気掃除機に限定されるものではない。
例えば、上述した実施の形態2の電気掃除機において、第2の空間部47は、第2の空間部47の排気風路38側の断面積が第2の空間部47の排気風路38とは反対側の断面積よりも大きく、かつ、排気風路38側から排気風路38とは反対側にいくに連れて、第2の空間部47の断面積が徐々に小さくなるように形成されており、被清掃面に平行な面での断面が略台形状となるように形成されている構成について説明したが、第2の空間部47は、掃除機本体1の内部で発生された複数の周波数を含む騒音を第2の空間部47の内部で低減できるように構成されていればよく、例えば、第2の空間部47は、第2の空間部47の排気風路38側の断面積が第2の空間部47の排気風路38とは反対側の断面積よりも小さく、かつ、排気風路38側から排気風路38とは反対側にいくに連れて、第2の空間部47の断面積が徐々に小さくなるように形成されていてもよい。
また、上述した実施の形態1及び実施の形態2の電気掃除機においては、第2の空間部47と排気風路38とが隔壁45に形成された第3の連通口45aによって直接連通され
ている構成について説明したが、第2の空間部47と排気風路38とを連通する第3の連通口45aにフィルター部材(図示せず)を配置してもよい。この構成により、電動送風機34から排出された排気風に含まれる塵埃のうち、電動送風機ケース37の排出口37aに配置された排気フィルター37bで除去されず、電動送風機室35内へ排出された塵埃が第2の空間部47の内部に流入することを防止できる。そのため、電動送風機34から排出された排気風に含まれる塵埃が第2の空間部47の内部に配置された第2の吸音材48に付着してしまうことを防止でき、第2の吸音材48の吸音性能が低下してしまうことを十分に防止することができる。ここで、第3の連通口45aに配置するフィルター部材としては、その密度が20〜40kg/cm3で、かつ、面積10cm2あたりの通気抵抗が通気風速0.8m/秒時に10mmH2O以下の不織布あるいは発泡ウレタンフォーム材を使用することが好ましい。これにより、電動送風機34から排出された排気風を第2の空間部47に効率よく導くことができるとともに、フィルター部材による圧損により電動送風機34の効率が低下してしまうことを十分に防止することができる。
さらに、上述した実施の形態1及び実施の形態2の電気掃除機において、ケース体46は、ケース体46の下枠体29側の面及びケース体46の隔壁45側の面が開放されているとともに、ケース体46の下枠体29側の端部及びケース体46の隔壁45の端部がそれぞれ下枠体29及び隔壁45に当接されるように配置されている構成について説明したが、ケース体46は、第1の空間部44と第2の空間部47とを区画するように形成されていればよく、例えば、ケース体46は、ケース体46の隔壁45側の面のみが開放されていてもよい。この構成によっても、第1の空間部44と第2の空間部47とを区画して形成することができるとともに、第1の空間部44と第2の空間部47とで二重壁構造を形成することができるため、第2の空間部47を透過した騒音を第1の空間部44で低減することができる。