JP2005021469A - 電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で取り扱い易いサイクロン分離式の集塵部を備えた電気掃除機を実現する。
【解決手段】塵埃を遠心分離して捕捉するサイクロン分離筒104と集塵ケース105を着脱可能に並べて掃除機本体1の下ケース101に装着し、サイクロン分離筒104の排気の一部を集塵ケース105にいれ、その排気側に第1の補助フィルター106を設けたフィルター枠140を持ち、さらに、サイクロン分離筒104の連絡通路145を通る排気と合せ、除塵付フィルター161を一体成形したフィルター枠163を通過させた。
【選択図】 図10
【解決手段】塵埃を遠心分離して捕捉するサイクロン分離筒104と集塵ケース105を着脱可能に並べて掃除機本体1の下ケース101に装着し、サイクロン分離筒104の排気の一部を集塵ケース105にいれ、その排気側に第1の補助フィルター106を設けたフィルター枠140を持ち、さらに、サイクロン分離筒104の連絡通路145を通る排気と合せ、除塵付フィルター161を一体成形したフィルター枠163を通過させた。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な電気掃除機は、吸口から吸い込んだ含塵空気を掃除機本体に導き、この掃除機本体内の集塵部を通して除塵し、除塵によって清浄になった空気を掃除機本体外に排気する構成である。集塵部は、紙フィルタによる濾過によって塵埃を捕捉して除塵し、または、サイクロン分離筒による遠心分離によって塵埃を捕捉して除塵する構成である。
【0003】
サイクロン分離式の集塵部を備えた電気掃除機は、特開2003−79546号公報に記載されている。この電気掃除機における集塵部は、ホースからの塵埃を含んだ空気流を電動送風機側に誘導し、サイクロン分離筒による遠心分離によって塵埃を分離して、その下方にある集塵室に捕捉して除塵する構成である。そして、集じん室とサイクロン分離筒の蓋体を共用として、これを開放することにより、塵埃を捨てる。また、蓋体の内部には不織布から成るフィルターが内蔵され、フィルターはサイクロン分離筒、集じん室に独立に連通させ、これを切り替えることにより、空気の流れ方をあるときはサイクロン分離筒から、あるときは集塵室から電動送風機に流すことにより、集じん室内での塵埃を圧縮している。
【0004】
また、電気掃除機におけるサイクロン分離式の集塵部として、特開2003−79545号公報に記載された塵埃分離装置は、サイクロン分離筒内に塵埃をそのまま蓄積するようにしたもので、上部に発泡プラスチックからなるフィルターを配置し、このフィルターで細かい塵埃を除去する構成であり、サイクロン分離筒の下部を蓋体で覆い、これを開放することで塵埃を捨てる。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−79546号公報
【特許文献2】
特開2003−79545号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般家庭で使用する電気掃除機は、ゴミが良く吸えて、小型で取り扱い易いことが重要であり、集塵部の小型化と捕捉した塵埃廃棄操作の簡易化が必要である。 1つのサイクロン分離筒によって塵埃を捕捉する集塵部は、粗大塵と微細塵を一緒に捕捉しているので、捕捉塵埃を廃棄するときに微細塵が飛散し易く、塵埃廃棄操作が面倒である。また、塵埃捕捉(集塵=除塵)性能を高めようとすると、サイクロン分離筒が長くなって大型化してしまう。
【0007】
水平にした分離筒構造のサイクロン分離式の塵埃分離装置(集塵部)は、サイクロン分離室入口に旋回流を与えるのに、特別な流路がいるので、小型で取り扱い易い形態に構成することが困難である。また、サイクロン分離部側と集塵部側のフィルターを分けて使用しているので、目詰まりが速いとか、フィルター面積を大きく取れないなどゴミの吸い取り能力を表す指標の一つである吸込仕事率を大きくすることが困難である。
【0008】
また、サイクロン分離筒内に塵埃を収納するものでは、微細な塵埃はフィルターで取り除かなければならず、フィルターの目詰まりを遅くすることは困難である。また、下部を開放してゴミ捨てできるので、サイクロン分離筒内に溜まった塵埃の除去は容易であるが、上部のフィルター部に溜まった塵埃の除去は困難である。
【0009】
本発明の1つの目的は、小型で取り扱い易いサイクロン分離式の集塵部を備えた電気掃除機を提案することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、抵抗が少なくて、塵埃捕捉(集塵)性能が高いサイクロン分離式の集塵部を備えた電気掃除機を提案することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、捕捉した微細塵を飛散しないように確実に保持しておくことができるサイクロン分離式の集塵部を備えた電気掃除機を提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の特徴とするところは、電動送風機を内蔵する掃除機本体と、該掃除機本体に配設された集塵部と、前記掃除機本体にホースを介して接続された吸口とを有し、前記集塵部は、吸口から吸い込んだ含塵空気を遠心分離により除塵するサイクロン分離筒を備え、該サイクロン分離筒の下部より含塵空気を流し入れ、該サイクロン分離筒から除塵した空気を排気する排気口を前記サイクロン分離筒下部に設け、前記サイクロン分離筒の上部に、サイクロン分離筒の側面に置いた集塵ケースに至る連通口を設け、集塵ケースの排気側に該集塵ケースと気密状態に当接する第1のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第1のフィルターとを設け、該第1のフィルターの下流側には第2のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第2のフィルターとを設け、
前記第1のフィルターを通過した空気と前記排気口から流出した空気とは合流した後、前記第2フィルターを通過するようにしたことにある。
【0013】
また、本発明の特徴とするところは、電動送風機を内蔵する掃除機本体と、該掃除機本体に配設された集塵部と、前記掃除機本体にホースを介して接続された吸口とを有し、前記集塵部は、吸口から吸い込んだ含塵空気を遠心分離により除塵するサイクロン分離筒を備え、該サイクロン分離筒の下部より含塵空気を流し入れ、該サイクロン分離筒から除塵した空気を排気する排気口を前記サイクロン分離筒下部に設け、前記サイクロン分離筒の上部に、サイクロン分離筒の側面に置いた集塵ケースに至る連通口を設け、集塵ケースの排気側に該集塵ケースと気密状態に当接する第1のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第1のフィルターとを設け、該第1のフィルターの下流側には第2のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第2のフィルターとを設け、前記第1のフィルターを通過した空気と前記排気口から流出した空気とは合流した後、前記第2フィルターを通過するようにし、前記第1のフィルター枠と前記第2のフィルター枠とは同軸で回動可能にしたことにある。
【0014】
また、第1のフィルタ−枠と第2のフィルター枠を開閉する手段を設けたことにより、前記集塵ケースに溜まった塵埃を廃棄することができることを特徴とする。
【0015】
また、第1のフィルタ−枠と第2のフィルター枠の間に第1のフィルターを挟み込んだことを特徴とする。
【0016】
また、第2のフィルター枠のフィルターをひだおり状に形成し、これの下流側にフィルターに溜まった塵埃を除塵する除塵手段を設け、集塵ケースと排気口の下部に塵埃を収納するポケットを設けたことを特徴とする。
【0017】
さらに、第2のフィルター枠のフィルターに除塵手段と接触する補強部材を一体に設けたことを特徴とする。
【0018】
また、第2のフィルター枠のフィルターを横方向に山谷が並ぶひだおりとし、第2のフィルターの下流に縦方向に山谷が並ぶ第2のフィルターを設けたことを特徴とする電気掃除機。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態を示す電気掃除機の外観斜視図である。図2は、その掃除機本体の斜視図である。図3は、その掃除機本体の上蓋を開いた状態を示す斜視図である。図4は、その掃除機本体の集塵ケースとサイクロン分離筒とを取り除いた状態を示す斜視図である。図5は、上蓋と上ケースを取り除いた横平面図である。図6は、その掃除機本体内の空気の流れを示す模式図である。
【0020】
この実施の形態における電気掃除機は、図1に示すように、掃除機本体1とホース2と手元操作部3と伸縮延長管4と吸口5を備え、掃除機本体1と手元操作部3をホース2で接続し、この手元操作部3に伸縮延長管4を介して吸口5を接続して使用する。
【0021】
掃除機本体1は、電動送風機(後述する)を内蔵し、この電動送風機の吸気力によって吸口5から吸気することによって該吸気流に乗せて塵埃を吸い込み、吸い込んだ含塵空気を伸縮延長管4と手元操作部3とホース2を介して掃除機本体1に吸い込ませ、サイクロン分離式の集塵部(後述する)で除塵(集塵)した後に機外に排気する。
【0022】
掃除機本体1は、図2〜図5に示すように、下ケース101と上蓋102の間にサイクロン分離筒104と、サイクロン分離筒104と一体となった集塵ケース105を着脱可能に装着し、下ケース101と上ケース150の間に第2の補助フィルター112と電動送風機107とコードリール110とを内蔵する。
【0023】
この掃除機本体1は、図6に示すように、ホース2を介して含塵空気を入口管115より、サイクロン分離筒104に流し入れて、下側から上側に旋回させることにより遠心分離作用で塵埃を分離して、上部の連通口117を通して集塵ケース105に塵埃を搬送し、サイクロン分離筒104からの排気は内筒131を通って、サイクロン分離筒104の下部に設けた排気口120に排気される。また、一部の空気は集塵ケース105に流れ込み、第1の補助フィルター106によって塵埃を捕捉する。集塵ケース105の排気は第1の補助フィルター106の後方にある集塵ケース排気口144から、第2の補助フィルター112を通して電動送風機107に吸込ませる。この時サイクロン分離筒104からの排気は連絡通路145からサイクロン部流出口146を介して、集塵ケース105の排気と合せて第2の補助フィルター112を通して電動送風機107に吸込ませる。この電動送風機107からの排気はフィルター108を介して、一部は排気流路(図示せず)を介し、一部はコードリール110に流してこれらを冷却し、その後に機外に放出される。
【0024】
下ケース101は、この掃除機本体1を床面に走行させるための走行車輪208と案内車輪(図示せず)を備え、サイクロン分離筒104と集塵ケース105を着脱可能に縦置きに装着し、更に、第2の補助フィルター112を並べて設置する。
【0025】
上蓋102は、上ケース150の上側後部に転回可能に取り付け、閉じた状態でサイクロン分離筒104の入口管115とホース接続口部116とが気密状態に当接し、集塵ケース105と第1のフィルター枠140とが気密状態に当接し、第1のフィルター枠140と第2のフィルター枠163とが気密状態に当接し、第2のフィルター枠163と第2の補助フィルターが収納されるフィルターケース113との間を気密状態に当接するように付勢する。サイクロン分離筒104の軸方向は鉛直方向を向いているが、鉛直方向でなく斜め方向に傾いていてもかまわない。
【0026】
上蓋102を上に開けると、下ケース101からサイクロン分離筒104と集塵ケース105とが少し浮きあがる。この状態で集塵ケース105の上部の取っ手123を持って、サイクロン分離筒104と集塵ケース105を分離して取り出すことができ、集塵ケース105から第1のフィルター枠140と第2のフィルター枠163とを同時に開けることによって、集塵ケース105内の塵埃を廃棄する。
【0027】
さらに、サイクロン分離筒104の内部が汚れた場合には、上部の取っ手123を持って、下ケース101から持ち上げ、サイクロン分離筒104を分解して清掃することができる。
【0028】
ここで、サイクロン分離筒104の内表面や、集塵ケース105の内表面に、クリヤー系UV硬化型コーティング処理をしている。このため、前記サイクロン分離筒104内に塵埃が流入し、塵埃が遠心分離され、前記集塵ケース105に流入する際に、このサイクロン分離筒104内の表面や、集塵ケース105の内面に塵埃が衝突し、こすれた場合でも、表面に傷が入りにくく、汚れを付着しにくくするととともに耐擦性,耐汚染性を向上させることができる。このため、サイクロン分離筒104の外筒135や、集塵ケース105を透明のプラスチック材で製作した場合でも、塵埃のたまり具合を目視で確認することができる。
【0029】
さらに、上蓋102を透明のプラスチック素材で製作しておけば、図2に示すように上蓋102がサイクロン分離筒104の外筒135や、集塵ケース105を完全に覆う場合でも、塵埃のたまり具合を目視で確認することができる。
【0030】
また、サイクロン分離筒104や、集塵ケース105を帯電防止樹脂剤を用いて成型したり、表面に帯電防止剤を塗布することにより、前記サイクロン分離筒104や、集塵ケース105に塵埃が付着しにくくなり、清掃回数を減らすことができる。
【0031】
次に、図5を参照して、電気掃除機本体1内部の配置について説明する。図5は上ケース150と上蓋102を取り外した状態の平面図である。ホース接続口部116は上方から見て本体1の幅方向の中央にあり、サイクロン分離筒104の中心軸は幅方向の中央からずらして位置し、サイクロン分離筒104の略接線方向に空気を流入させる入口管115とホース接続口部116が直線状になるように配置されている。また、集塵ケース105はサイクロン分離筒104の中心軸とは幅方向の反対側に設置される。同様に、電動送風機107はサイクロン分離筒104の中心軸とは幅方向の反対側に設置され、その前面には第2の補助フィルター112が設けられている。コードリール110は電動送風機107の横に設置され、幅方向でサイクロン分離筒104の中心軸を同じ方向に設置されている。
【0032】
このように配置したことで、本体の長さを短くでき、小型軽量を達成できる。また、サイクロン分離筒104の入口部分に曲りなどを設ける必要が無いため、損失を小さくできる効果が得られる。
【0033】
ここで、前記サイクロン分離筒104で遠心分離された塵埃が連通口117を通じてサイクロン分離筒104から流出する方向は、サイクロン分離筒104内での旋回方向で、かつ、サイクロン分離筒104の接線方向である。このため、本実施の形態では、サイクロン分離筒104の連通口117と、この連通口117と連通する集塵ケース105の上部開口118の両者を、前記集塵ケース105内の開閉する第1の補助フィルター106から最も離れた電気掃除機本体1の前面側(ホース接続口部116側)に配置することができる。ここで、サイクロン分離筒104で遠心分離された塵埃は、開閉する第1の補助フィルター106付近から堆積し、サイクロン分離筒104の連通口117と、この連通口117と連通する集塵ケース105の上部開口118側へと、順に堆積していくので、前記集塵ケース105に塵埃が充填されるまで、塵埃が前記連通口117と前記上部開口118を塞ぎにくい。つまり、前記集塵ケース105の容積を有効利用することができる。
【0034】
ここで、サイクロン分離筒104と集塵ケース105の詳細について図7から図14を参照して説明する。図7はサイクロン分離筒104と集塵ケース105の外観斜視図、図8はサイクロン分離筒104と集塵ケース105の図5に示すA−A断面図、図9は図5のC−C断面図、図10は図5のB−B断面図、図11は図9のD−D断面図、図12は図9のE−E断面図、図13は集塵ケース105を排気側からみた側面図、図14は集塵ケース105とサイクロン分離筒105を下から見たときの平面図である。
【0035】
サイクロン分離筒104の外筒135にはその空気取り入れ口である入口管115が、このサイクロン分離筒104の中心軸方向長さの中央より下部に設けられ、略円筒形をなすサイクロン分離筒104の略接線方向に空気が入るように設置されている。サイクロン分離筒104の中央より上部に連通口117が設けられ、集塵ケース105に塵埃とともに空気を流入させる。サイクロン分離筒104の下部には内筒131が設けられ、下部の排気口120につながっている。ここで、内筒131にネジなどで内筒キャップ152を取り付け、排気口120と連絡通路145間は弾性シール部材153を介し、外筒135と内筒131は弾性シール部材151を介して取り付ければ気密を取り易い。内筒131は筒部134と、この筒部134に螺旋状に巻き付いた隔壁132と、入口管115と前記筒部134を結ぶ案内壁137と、前記隔壁132の外周側に配置した外壁139で構成され、筒部134には網フィルター133として樹脂繊維性の網を筒部134と一体にインサート成形により構成している。
【0036】
網フィルター133は図11に示すように、側面の円筒部分に構成してもよく、また、筒部の上平面と側面の円筒部分を合せて構成してもかまわない。ここでは、前記網フィルター133による内筒131の開口部は、前記内筒131の側面の円筒部分全周に設けるのではなく、前記入口管115付近のおよそ90度程度は、前記開口部を設けていない。このため、前記入口管115から髪の毛などの細い塵埃が流入しても、前記網フィルター133に直接当たることを防げ、刺さったりして絡み付くことを防ぐことができる。さらに、前記入口管115から針などの尖った塵埃が流入した場合にも、前記網フィルター133に直接当たることが無いので、前記網フィルター133が破れ、塵埃が流出することを防げる。
【0037】
また、網フィルター133にはゴミの色とは違った色、例えば、黄色を付けておくことにより、 網フィルター133に繊維塵とか粉塵などが付いて目詰まりしたときに、網フィルター133の色が変化したことを目で確認できるので、早く見つけることができ、清掃を早めに行うことができる。
【0038】
また、網フィルター133は前記内筒131の内向きに力を受けるので、前記網フィルターの内径側に内筒のリブ136を設ければ良い。ここで、網フィルター133に帯電防止処理を施すと、前記網フィルター133に付着した塵埃が離れやすく、清掃が容易にできる。また、前記網フィルター133に撥水処理を行えば、前記内筒131を水洗いした場合の清掃性が向上する。
【0039】
ここで、内筒131の筒部134が、この筒部134に螺旋状に巻き付いた隔壁132よりも下側まで延びている。このため、網フィルター133を前記筒部134と一体にインサート成形により構成する場合、前記網フィルター133の部材の形状は略長方形とすればよい。このようにすることで、前記筒部134の周方向に一様に前記網フィルター133を構成する部材があるため、成形時に前記筒部134が変形しにくい。また、前記網フィルター133の部材の形状を略長方形にできるので、この部材の材料取りがよくなる。
【0040】
さらに、内筒131の筒部134が、この筒部134に螺旋状に巻き付いた隔壁132よりも下側まで延びているため、網フィルター133を通過して、前記筒部134から排気口120へと流れる空気流の全てが、前記網フィルター133を通過するまで、流路に急拡大分が無いので、空気流は急激な減速を起こさないため、空気流の流れ方向に逆らった逆圧力勾配を生じにくい。つまり、空気流の下流側である前記筒部131内側から、この空気流の上流側である前記内筒131の外側へと該空気流は逆流しにくいので、空気流の剥離を抑制でき、前記筒部134から前記排気口120へと流れる空気流の損失が増加するのを防げる。
【0041】
なお、内筒131の筒部134が、この筒部134に螺旋状に巻き付いた隔壁132より外筒135と反対側に延長され、この筒部134の円筒部分に網フィルター133を設けた構成とすれば、含塵空気をサイクロン分離筒104の上から下に流し入れたり、サイクロン分離筒104を横置きにし、旋回流の中心軸が略水平方向に配置した場合でも同様の効果が選られる。
【0042】
また、サイクロン分離筒104の外筒135にはその空気取り入れ口である入口管115が、このサイクロン分離筒104の中心軸方向長さの中央より下部に設けられているので、前記入口管115に連通するホース接続口部116も、サイクロン分離筒104の中心軸方向長さの中央より下部に配置することができる。このため、前記ホース接続口部116は、掃除機本体1の下部に配置することができるので、前記掃除機本体1を、前記ホース2を介して手元操作部3で引き回した場合、前記掃除機本体1が転倒しにくく、安定して引き回す事ができる。
【0043】
さらに、前記ホース接続口部116を前記掃除機本体1の下側に配置できるので、上蓋102に前記ホース接続口部116を配置する必要が無く、集塵ケース105や、サイクロン分離筒104を前記掃除機本体1から取出す時に、前記ホース2を取り付けたままでも容易に、前記上蓋102を開閉することができる。
【0044】
ここで、前記内筒131の隔壁132は、サイクロン分離筒104内の空気の流れを上方に持上げるように、巻き開始位置138から螺旋状に上方に持ち上がっている。このため、入口管115からサイクロン分離筒104に流入した塵埃は、この螺旋状の隔壁132に沿って上昇するとともに、前記サイクロン分離筒104内を旋回し、遠心分離され、連通口117、上部開口118通じ、集塵ケース105へと搬送される。このように、前記隔壁132を螺旋状に上方に持上げているので、塵埃は前記サイクロン分離筒104内を上昇する強い作用を与えられ、DCコードレス掃除機などの毎分1立方メートル以下の低風量で動作する掃除機でも、塵埃を集塵ケース105へ搬送することが可能である。ここでは、サイクロン分離筒104の軸方向は水平方向ではないので、上述の低風量時に、前記サイクロン分離筒104内に流入した比重の大きい塵埃が旋回の途中で、旋回できずに落下し、サイクロン分離筒104に何度も衝突することを防げ、サイクロン分離筒104の傷つきや、破損を防ぐことができる。なお、巻き開始位置138は、案内壁137付近から設けてもかまわない。
【0045】
ここで、サイクロン分離筒104の内部に設けた内筒131の筒部134に、該内筒131の根元側から先端側へ螺旋状の隔壁132を設け、前記内筒131の外壁139と前記サイクロン分離筒131の外筒135の間に、前記隔壁132が螺旋状に変化している部分に隙間147を設けている。この隙間147は前記外筒135の半径方向に5mm程度の間隔を有している。このため、掃除機運転中は前記サイクロン分離筒104内に旋回流があり、前記隙間147内にも旋回流が生じており、前記外壁139と前記外筒135の間の前記隙間147にゴミが侵入したとしても、この隙間147にゴミはたまりにくく、集塵ケース105へと搬送される。
【0046】
集塵ケース105には、サイクロン分離筒104の連通口117に対向する位置に上部開口118が設けられている。集塵ケース105の排気側には、フィルター枠140に取り付けられた第1の補助フィルター106が設けられている。第1の補助フィルター106は耐水性のある発泡性のプラスチックであり、また、フィルター枠140には網フィルター106aが一体に成形されている。フィルター枠140はその両面が開口となっていて、下部に設けた開閉軸143を中心として回動するように設けられ、フィルター枠140が閉まったときには、集塵ケース105とフィルター枠140は気密状態を保って当接している。
【0047】
第1の補助フィルター106の下流側には、フィルター枠163が設けられ、フィルター枠140とフィルター枠163が閉まったときには、気密状態を保って当接している。フィルター枠163はその両面が開口となっていて、フィルター枠140の下部に設けた開閉軸143を中心として回動するように設けられている。フィルター枠163の上部にはレバー142が設けられ、フィルター枠140とフィルター枠163を集塵ケース105側に気密状態を保つように係止している。ゴミ捨て時には、サイクロン分離筒104と集塵ケース105を上部の取っ手123を持って、掃除機本体1より取り出し、レバー142を押して、フィルター枠140とフィルター枠163をいっしょに開いて、集塵ケース105内の塵埃を捨てることができる。このとき、ポケット162内に入っている塵埃も一緒に捨てることができる。なお、本実施の形態例では、開閉軸が下にあり、フィルター枠140とフィルター枠163が図中上部から、開くことになるので、集塵ケース105を横に向けて捨てるのが良い。詳細な構造は省くが、開閉軸を上部に設け、下部にレバーを設ける構造にすれば、集塵ケース105内とポケット162内の塵埃が捨てるときに、フィルター枠側にかかりにくくなるので、なお良い。
【0048】
フィルター枠163には除塵付フィルター161が一体に成形されている。除塵付フィルター161は床面とほぼ平行な方向に山谷を繰り返し、垂直方向にほぼ同じ高さに形成された山があるようなひだ折り状に形成され、除塵付フィルター161にはその下流側の山の頂部にプラスチック製の補強部166が除塵付フィルター161と一体に形成されている。なお、補強部166は山部全てに渡って設けているのではなく、除塵装置164の除塵ばね170が当たる部分の近くのみに設けている。これにより、除塵ばね170が与えた除塵付フィルター161への振動が除塵付フィルター161全体に伝わり易くなるので、除塵性能を高くできる。また、補強部166を山部の一つの端まで、例えば、本実施の形態例では、下側の端まで伸ばしても多少除塵性能が落ちるがかまわない。また、除塵付フィルター161下流側の山の頂部にプラスチック製の補強部166を設けているので、フィルターの有効面積の低下を抑えることができ、流れ抵抗の増大を防止できる。さらに、除塵付フィルタ161を清掃するときにブラシ168を用いて、除塵付フィルタ161をこすったときにフィルター側が逃げないので、清掃性を高めることができる。
【0049】
フィルター枠140と除塵付フィルター161とで、第1の補助フィルター106は挟み込まれ、なおかつ、フィルター枠140の連絡通路145との境のシール部に設けられたリブの上に載せられるように設置されている。第1の補助フィルター106に塵埃が溜まってくると抵抗が増加するが、このとき、除塵用フィルター161の山部で押さえられているので、変形による目のつぶれを防止でき、流れ抵抗の増加を抑制できる。
【0050】
また、フィルター枠163には円弧状のガイド165をその両端部にあるネジ2個所で設置され、また、フィルター枠163の上部ある支点167に除塵装置164が回動可能にネジ止めされ、その下端部がガイド165に挟み込まれている。除塵装置164のほぼ中央部にある手持ち部を持って、図13の左右方向に除塵装置を動かすことによって除塵する。
【0051】
この除塵装置164には、除塵ばね170が取り付けられ、除塵装置164を左右に動かすことによって、除塵ばね170の図中の下方部分が除塵付フィルター161の補強部166と順次衝突し、除塵ばね170の軸を中心とする回転方向に変形して、除塵フィルター161の補強部166を乗り上げ、補強部166を乗り越して次の山に衝突することによって、除塵付フィルター161に振動を与えて、この振動により除塵付フィルター161に付着している塵埃を剥離し、除塵付フィルター161の山の間を通って、塵埃は下方に落ち、集塵ケース105の下方で、連絡通路145の下部にあるポケット162に落ち込み、ここに塵埃が蓄積される。なお、除塵付フィルター161の下部は気密枠172より下流側はフィルター枠163で上流、下流側が隔絶され、枠体で区切られ、また、気密枠172より上流側では枠体から山状に前に突き出しを設けて、これと除塵付フィルター161の下端部とが一体に成形されている。従って、除塵付フィルター161の下端は、下側に向かって開いた状態になっているので、フィルター面から剥離した塵埃はこの隙間を通って、さらに下部に達する。
【0052】
なお、除塵付フィルター161の下端部はフィルタ枠140の下端部より、上側になるように設置され、ポケット162側にゴミが移行し易くなっている。
【0053】
ゴミ捨て時には、集塵ケース105上部の取っ手123を持って、集塵ケース105を持ち上げ、レバー142を下側に押して、フィルター枠140とフィルター枠163を開いて、集塵ケース105内の塵埃とポケット162内の塵埃を捨てることができる。この時、ゴミ捨て前に、除塵装置164を動かして、除塵付フィルター161から塵埃を剥離し、下部のポケット162に入れてから行うようになっている。なお、ゴミ捨て後に除塵動作をしても良く、この場合は、ポケットの入口側に落ちた塵埃は、サイクロン流出口146を流れる気流によって、ポケット162入口に形成される2次流れの渦により、ポケット162の奥に搬送されるとともに、塵埃の舞い上がりを防止できる。塵埃には質量があるので、慣性によって塵埃は渦から外れて奥に飛ばされ、塵埃は奥から溜まるようになる。
【0054】
また、実際の掃除時にも、掃除の前後に、掃除機を移動させるときに掃除機本体1に衝撃が加わったりして、除塵付フィルター161から塵埃が剥離するが、これが下側に落ちてきたときにも、上記で説明したように、次の掃除時などにポケット162に搬送されていく。従って、除塵装置164が取り付いていなくても、ポケット162を設けることにより、フィルター面から剥離した塵埃の再飛散を抑えることができるので、ポケット162を設ける効果は得られる。なお、このポケット162は連絡通路145の下側にあるが、除塵付フィルター161側から遠ざかるような方向に奥行きを持たせることにより、高さ方向の寸法を大きくしなくても、塵埃の収容量を大きくできる。
【0055】
第1の補助フィルター106の清掃は、フィルター枠140とフィルター枠163を開けて、フィルター枠140から第1の補助フィルター106を取り出して洗うなどして行うことができる。また、網フィルター106aに付着したゴミは、集塵ケース105の下面に固定用リブで止められているブラシ168を取り出して、網フィルター106aの表面を擦ったり、水洗いすることにより清掃できる。除塵付フィルター161の清掃は、フィルター枠140とフィルター枠163を開けた状態にして、集塵ケース105を含めて、水洗いしながら、ブラシ168を使って除塵付フィルター161の表面をこすることによって行うことができる。集塵ケース105の下面にブラシ168を取り付けているので、水洗い時などにブラシ168を集塵ケース105の下面から取り出して簡単に使える効果が得られる。なお、ブラシ168の刷毛部分の高さは、除塵フィルター161のひだおりの山の高さより高くしておくと、刷毛部分が除塵フィルター161のひだおりの谷の部分にまで届くので、奥の塵埃を掻き出し易い。
【0056】
なお、フィルター枠140とフィルター枠163とが同じ開閉軸143を中心として回動でき、かつ、それぞれを個別に外すことができなくなっているので、フィルター枠140とフィルター枠163とを紛失することが無い。
【0057】
補助フィルター106は発泡性の洗える素材のプラスチックでできたスポンジ、あるいは、水洗いできる不織布、あるいは、水洗できる濾紙材などを用いるのが望ましい。
【0058】
また、網フィルター106aや、除塵付フィルター161や第2の補助フィルター112に帯電防止処理を施すと、第1の補助フィルター106や、前記第2の補助フィルター112に付着した塵埃が離れやすく、清掃が容易にできる。さらに、撥水処理などを施すと、水洗いしたときに乾きが速くなる。
【0059】
集塵ケース105の下部には連絡通路145とポケット162とが一体に設けられている。従って、この集塵ケース105は、塵埃を収納する部分と連絡通路145とポケット162に分けられ、フィルター枠140は、網フィルター106aとサイクロン流出口146とに分けられるが、連絡通路145の上部の隔壁と網フィルター106aの接合する部分は気密を保って当接するようになっている。また、サイクロン分離筒104の連絡通路120と連絡通路145も気密を保って当接している。
【0060】
一方、連絡通路145とポケット162との間の隔壁はフィルター枠140とは気密状態になっていない。これは、除塵付フィルター161から除塵時に剥離した塵埃がポケットに収納され易くするためである。
【0061】
フィルター枠163はその外周側に一体となった気密枠172を持ち、電動送風機107の前に設けられた第2の補助フィルター112を収納するフィルターケース113とも気密を保って当接している。なお、この気密枠172は集塵ケース105を掃除機本体1に収納したときに垂直方向ではなく、上側が電動送風機10107側に倒れこんだ形で斜めになるように設けられており、集塵ケース105を掃除機本体に押し込んだときにより、気密が取れ易くなっている。さらに、フィルター枠163の気密枠172の前後に弾性体からなるシール材が取り付けられていて、フィルター140との気密も取れるようにしているので、シール部材の数を減らすことができるという効果も得られる。
【0062】
第2の補助フィルター112は図には示していないが、床面とほぼ垂直な方向に山谷を繰り返し、水平方向にほぼ同じ高さに形成された山があるようなひだ折り状に形成されている。このように第2の補助フィルターを形成しているので、第2の補助フィルター112で捕捉された塵埃が、下方に移行しにくいので、第2の補助フィルター112の下部に塵埃が落ちることが少なくなるので、掃除機本体1に塵埃が落ちることが少ないという効果も得られる。
【0063】
以上説明してきた、気密状態の当接を実現するために、当接部間には弾性シール部材を介在させると良い。
【0064】
このように構成した掃除機本体1は、電動送風機107を運転すると、その吸気力によって、サイクロン分離筒104の入口管115から該サイクロン分離筒104内に含塵空気が流入して該サイクロン分離筒104内で旋回することにより塵埃を遠心分離して該サイクロン分離筒104内の上の方に持ち上げ、集塵ケース105側に搬送する。除塵された空気は、サイクロン分離筒104の内筒131から網フィルター133を通って連絡通路120に流れ出る。この網フィルター133は、繊維塵や、紙などの塵埃が吹き抜けるのを防止するように機能する。
【0065】
連絡通路120からの空気は連絡通路145、サイクロン流出口146を介して、除塵付フィルター161を通って、第2の補助フィルター112へと流れる。
【0066】
サイクロン分離筒104の連通口117からの塵埃を含んだ空気は集塵ケース105の上部に設けられた上部開口118より集塵ケース105に流入し、網フィルター106aで空気中の比較的大きな塵埃がせき止められ、網フィルター106aの手前で堆積していく。細かい塵埃は、第1の補助フィルター106で捕捉され、さらに細かい塵埃は除塵付フィルター161で除塵され、除塵付フィルター161を通過した空気は第2の補助フィルター側に流れていく。
【0067】
網フィルター106aの除塵性能は、網の目の細かさで決定されるが、除塵性能を高くしすぎると目詰まりも早くなり易いので、全体の除塵能力との兼ね合いで決定するのが望ましい。なお、網フィルター106aは繊維塵の剥離性が良いが、帯電防止処理などを持たせるとなお良い。
【0068】
第1の補助フィルター106の除塵性能はそのフィルター材の能力で決定されるが、μmオーダーの塵埃までを分離できる能力を持たせると良い。また、発泡性のプラスチック材を用いているので、塵埃中に含まれる細かい繊維塵などの通過を防止できるので、除塵付フィルター161側に、除塵付フィルター161で取り除きにくい繊維塵がいかないようにできる。また、除塵付フィルター161で保持されているので、第1の補助フィルターが変形して、周辺に隙間ができるようにして、捕塵性能が低下することもなく、流れ方向に局部的に圧縮されることもなく、流れ抵抗の増大を防ぐことができるので、吸込み力の維持がし易い。
【0069】
除塵付フィルター161は前述したようにひだおり状に形成されているが、これには洗える不織布、洗える濾紙材などを用いる。さらに、撥法水処理を施すと水洗い時の乾燥時間を短くできるので、なお良い。
【0070】
第2の補助フィルター112は集塵部に設けられる最後段のフィルターとなるので、サブμmまでの塵埃を高い確率をもって捕塵できることが望ましい。これを実現する方法として、フィルター材として帯電処理を施したものを用いる方法がある。また、フィルター材として、サブμmの線径をもつ細い繊維で形成された目の細かい不織布を用いることによって、同様の捕塵性能を実現できる。この場合、目の細かい不織布の前後に、目が粗く、線径が大きく、剛性の高い不織布を溶着することによって、剛性が高く、サブμmまでの塵埃を捕塵できるフィルター材とすることができる。更にこれらを全て洗える材料で作れば、水洗いも可能になる。たとえば、ポリエステル系の材料とかPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの材料を使っている。
【0071】
なお、補強材を厚くすると、着色もし易くなるので、補強材は前側を厚くしている。なおかつ、前側を厚くするとこの部分に貯えられる塵埃量を多くできるので、目詰まりを遅くできるという効果も得られる。なお、色はゴミと違った色の方が良く、本実施の形態例の場合青色を用いて、第2のフィルター112が汚れてくると、色が変わってくるので、使用者が目視で汚れを確認でき、水洗いをするなどして、フィルターを再生することにより、吸込み力を回復できる。
【0072】
また、図15に第2の補助フィルター112を上流側から見たときの側面図を示す。第2の補助フィルター112は枠体181に、山谷が上下方向に並ぶひだおり形状をしたフィルター材料が一体に成形されていて、さらに、2本の補強リブ182で枠体181側に補強されてい、その補強リブ182には、手持ち用突起183が第2の補助フィルター112の上部で、かつ、図中手前側に突き出している。補強リブ182と手持ち用突起183は、前述の除塵用フィルター161の山と山との間の距離より薄く作ってあり、除塵装置164が動く範囲の外側に来るように、2つの補強リブ182が設置され、手持ち用突起183が、集塵ケース105とサイクロン分離筒104が掃除機本体1に取り付けられているときに、除塵用フィルター161の凹部に入るようになっている。
【0073】
このように構成しているので、第2の補助フィルター112を清掃するときは、手持ち用突起183を手でつかみ、手前に引き出して取り出すことができるようになっている。また、手持ち用突起183が除塵装置164が動く範囲の外側にあるので、除塵装置164が動いて適当な位置にあっても、手持ち用突起183が除塵装置164と当たって損傷することが無い。また、手持ち用突起183が除塵用フィルター161の山と山との間に入って収まるので、掃除機全体の長さを長くしなくても良い。
【0074】
以上述べてきた、フィルター材の塵埃の捕塵性能であるが、より細かい塵埃を捕塵できる能力は、高い準に、第2の補助フィルター112、除塵付フィルター161、第1の補助フィルター106、網フィルター106aであり、これらは流れの下流側から順に並んでいる。このように構成することにより、それぞれのフィルターに到達する塵埃の総量(容積)が上流側から徐々に減少していくので、目詰まりし易いフィルターになればなるほど、受け持つ塵埃の量が少なくなるので、全体としての目詰まりを遅くできるという効果も得られる。
【0075】
掃除機本体1内に入ってきた塵埃は、そのほとんどが集塵ケース105内に溜められるので、ごみ捨ては集塵ケース105を掃除機本体1からとり取り出して除塵すれば良い。ごみ捨ては集塵ケース105より塵埃があふれないうちに行うのが望ましい。このため、集塵ケース105には、図7に示すように上部開口118に対抗する位置にごみ捨てライン155を設けておき、使用者がこれを参考にごみ捨てを行えるようにしている。ごみ捨てラインは、水平あるいは鉛直を向いているのではなく、集塵ケース105内にごみが溜まっていく時には、上部開口118に近接した部分が最後にごみで埋まるので、ごみのたまり具合から斜めに設定している。
【0076】
なお、本実施の形態では、掃除機本体1内の空気の流れを図6に示すように2つの経路に分けているので、集塵ケース105内の塵埃には空気の流れ方向に圧力差を生じ、この圧力差によって塵埃が常時圧縮される。この圧力差は、溜められた塵埃が多くなるほど大きくなるので、塵埃が多くなればなるほど圧縮量が多くなるという特徴を併せ持っている。従って、集塵ケース105内により多くの塵埃を溜めることができるので、ごみ捨ての周期を長くすることができる。
【0077】
集塵ケース105内の塵埃は、第1の補助フィルター106の手前で層状に堆積していき、かつ微細な粉塵も一緒に堆積していく。このため、繊維塵の間に粉塵がまぎれ込んでいくので、ごみ捨て時に粉塵が舞い上がりにくくなるという効果も得られる。
【0078】
さらに、サイクロン分離器104の排気側の流量が、集塵ケース105を空気が通過しないときに比べて、少なくなるので、サイクロン分離器104の抵抗を小さくできる。従って、掃除機の吸込仕事率をより大きくすることができるという特徴を持っている。
【0079】
また、サイクロン分離筒104内で、サイクロン分離筒104の入口管115から該サイクロン分離筒104内に含塵空気が流入して該サイクロン分離筒104内で旋回することにより塵埃を遠心分離して該サイクロン分離筒104内の上の方に持ち上げ、集塵ケース105側に搬送する。この際、前記サイクロン分離筒104から、前記集塵ケース105を通じて第1の補助フィルター106から排気される空気の流れが有るため、前記サイクロン分離筒104で遠心分離された塵埃は、前記集塵ケース105側へ流入しやすくなり、塵埃は前記集塵ケース105側へ瞬間分離されるので、捕塵効率を高くできる。
【0080】
さらに、前記サイクロン分離筒104で遠心分離され、前記集塵ケース105側へ搬送された塵埃は、前記サイクロン分離筒104へ逆流しにくいので、前記集塵ケース105側へ搬送された塵埃が再飛散すること無く、捕塵効率を高くすることができる。
【0081】
さらに、内筒131の網フィルター133に塵埃が付着した場合には、サイクロン分離筒104から除塵した空気を排気するサイクロン流出口146から排気される空気風量が減少するため、第1の補助フィルター106を通過した前記集塵ケース105からの排気口である集塵ケース排気口144の空気風量が増加する。このため、前記内筒131の前記網フィルター133に付着した塵埃は、集塵ケース105に搬送されるという特徴をもつ。
【0082】
また、前記集塵ケース105から、第1の補助フィルター106を通過した前記集塵ケース105からの排気口である集塵ケース排気口144の断面積を、サイクロン分離筒104から除塵した空気を排気するサイクロン排出口146の断面積より大きくしている。このため、第1の補助フィルター106の断面積を大きくすることができ、前記第1の補助フィルター106を通過する空気の流速を小さくすることができる。このため、前記第1の補助フィルター106からの塵埃の吹き抜けを低減できる。さらに、前記第1の補助フィルター106を空気が通過する際の圧力損失を低減できるので、掃除機の吸込仕事率をより大きくすることができるという特徴を持っている。
【0083】
また、集塵ケース105内に溜まる塵埃の量が増えると、集塵ケース105を通過するときの抵抗が増えるので、集塵ケース内を流れる流量が低下する。従って、臭いを発生させ易い塵埃が多いときにはその部分を通過する空気の量が減り、臭いを掃除機外に出しにくくなるという効果もある。
【0084】
また、連絡通路145とポケット162が汚れたときも、集塵ケース105を取り出した状態で簡単に清掃することができる。
【0085】
また、サイクロン分離器104の入口管115と内筒131を下に設けたので、上部にサイクロン分離筒104の連通口117と集塵ケース105の上部開口118を設けることができ、集塵ケース105に入った塵埃は、重力で下に落ちるので、サイクロン分離筒104へのこぼれを防止できる。
【0086】
また、集塵ケース105の上部開口118は、前記集塵ケース105の前方に配置しているので、掃除機本体1を立てて収納する時には、前記集塵ケース105の上部開口118は、前記集塵ケース105の上方に配置していることとなるので、前記集塵ケース105に入った塵埃が、前記サイクロン分離筒104へこぼれるのを防止できる。
【0087】
また、集塵ケース105をサイクロン分離筒104の側面に配置しているので、掃除機本体1の高さを高くすることなく、サイクロン分離筒104の長さ方向を長くできるので、旋回流によるごみの分離能力を高くできるという特徴を持っている。
【0088】
さらに、指輪など流体力を受けにくく、重い塵埃はサイクロン分離筒104内に留まり易いので、サイクロン分離筒104を取っ手125手に持って取り出して、傾けることにより、入口管115より簡単に取り出すことができるという特徴も持っている。
【0089】
また、流体力を受けにくく重い塵埃はサイクロン分離筒104から、集塵ケース105に入らないので、前記集塵ケース105の第1の補助フィルター106を破ることが無く、前記集塵ケース105から塵埃が抜けるのを防ぐことができる。
【0090】
第2の実施の形態例を図15を用いて説明する。本実施の形態例では、集塵ケース105の形態とそれに付随するフィルター形状が違うのみなので、集塵ケース105を下流側からみた側面図を示す。
【0091】
サイクロン分離筒104の側方に集塵ケース105が設けられ、一部の塵埃を含んだ空気は集塵ケース105に流れ、集塵ケース排気口144から、図示していないがフィルター枠140の網フィルター106aと第1の補助フィルター106aを介して、下流側に行く。このとき、多くの塵埃は網フィルター106aと第1の補助フィルター106aによってせき止められ、集塵ケース105内に捕塵される。一方、サイクロン分離筒104からの排気は、排気口120から、集塵ケース排気口144の側方に設けられた連絡通路145を通過して、下流側に行く。集塵ケース排気口144と連絡通路145との下部にはポケット162が設けられている。なお、フィルター枠140の網メッシュ106aの形状と第1の補助フィルター106はほぼ集塵ケース排気口144の形になっている。
【0092】
このように構成したので、集塵ケースを大きくしなくても、連絡通路145の面積を大きく取れるので、除塵付フィルター161の直前でのサイクロン分離筒からの排気の速度を小さくできるので、除塵付フィルター161の流れ抵抗を小さくでき、なおかつ、速度が低い分だけ、捕塵性能を高くでき、フィルターの目への塵埃の詰まりを抑制することができる。また、連絡通路145の出口断面積を広く取っても、集塵ケース105の容積に締める割合を小さくできるので、集塵ケース105を大きくしなくても、集塵容積を大きく取れるなどの特徴が得られる。
【0093】
【発明の効果】
本発明は、上向きに旋回流を発生させるサイクロン分離筒と、この側面に集塵ケースを配置して、掃除機本体に装着したことにより、小型で取り扱い易いサイクロン分離式の集塵部を実現することができる。
【0094】
下側から空気を吸い込み、下側に排気するサイクロン分離筒と、排気の一部を集塵ケースの下流に設けたフィルターに流すことにより、小型で塵埃捕捉(集塵)性能が高く、集塵容量の大きいサイクロン分離式の集塵部を実現することができる。
【0095】
集塵ケースの下流側に2つのフィルター枠を設け、第1のフィルター枠は集塵ケースの排気用のフィルターを取り付け、第2のフィルター枠にはサイクロン分離筒と集塵ケースの排気を受け持つフィルターと取り付け、この2つのフィルターを同軸で回動させるようにしたので、ゴミ捨てが容易であり、高い捕塵性能を実現できる。
【0096】
さらに、第2のフィルター枠のフィルターに除塵装置を取り付け、除塵させるとともに、集塵ケースの下部で、なおかつ、サイクロン排気流路より下流に塵埃を収納するポケットを設けたので、フィルターが目詰まりし難く、吸込み力を維持し易く、小型なサイクロン式集塵部を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す電気掃除機の外観斜視図である。
【図2】図1に示した電気掃除機における掃除機本体の斜視図である。
【図3】図1に示した電気掃除機における掃除機本体の上蓋を開いた状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示した電気掃除機における掃除機本体内の上蓋を開いて、集塵ケースとサイクロン分離筒とを取り外した状態を示す斜視図である。
【図5】掃除機本体における上ケースと上蓋を取り外した状態を示す平面図である。
【図6】空気の流れを示す模式図である。
【図7】サイクロン分離筒104と集塵ケース105の外観斜視図である。
【図8】図5に示すA−A断面図である。
【図9】図5のC−C断面図である。
【図10】図5のB−B断面図である。
【図11】図9のD−D断面図である。
【図12】図9のE−E断面図である。
【図13】集塵ケース105を排気側から見たときの側面図である。
【図14】集塵ケース105とサイクロン分離筒105を下から見たときの平面図である。
【図15】第2の補助フィルター112を上流側から見たときの側面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態例を示す、集塵ケース105とサイクロン分離筒105を排気側から見たときの側面図である。
【符号の説明】
1…掃除機本体、101…下ケース、102…上蓋、104…サイクロン分離筒、105…集塵ケース、106…第1の補助フィルター、107…電動送風機、112…第2の補助フィルター、115…入口管、117…連通口、120…連絡通路、131…内筒、140…フィルター枠、150…上ケース、161…除塵付フィルター、162…ポケット、163…フィルター枠、164…除塵装置、166…補強部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な電気掃除機は、吸口から吸い込んだ含塵空気を掃除機本体に導き、この掃除機本体内の集塵部を通して除塵し、除塵によって清浄になった空気を掃除機本体外に排気する構成である。集塵部は、紙フィルタによる濾過によって塵埃を捕捉して除塵し、または、サイクロン分離筒による遠心分離によって塵埃を捕捉して除塵する構成である。
【0003】
サイクロン分離式の集塵部を備えた電気掃除機は、特開2003−79546号公報に記載されている。この電気掃除機における集塵部は、ホースからの塵埃を含んだ空気流を電動送風機側に誘導し、サイクロン分離筒による遠心分離によって塵埃を分離して、その下方にある集塵室に捕捉して除塵する構成である。そして、集じん室とサイクロン分離筒の蓋体を共用として、これを開放することにより、塵埃を捨てる。また、蓋体の内部には不織布から成るフィルターが内蔵され、フィルターはサイクロン分離筒、集じん室に独立に連通させ、これを切り替えることにより、空気の流れ方をあるときはサイクロン分離筒から、あるときは集塵室から電動送風機に流すことにより、集じん室内での塵埃を圧縮している。
【0004】
また、電気掃除機におけるサイクロン分離式の集塵部として、特開2003−79545号公報に記載された塵埃分離装置は、サイクロン分離筒内に塵埃をそのまま蓄積するようにしたもので、上部に発泡プラスチックからなるフィルターを配置し、このフィルターで細かい塵埃を除去する構成であり、サイクロン分離筒の下部を蓋体で覆い、これを開放することで塵埃を捨てる。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−79546号公報
【特許文献2】
特開2003−79545号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般家庭で使用する電気掃除機は、ゴミが良く吸えて、小型で取り扱い易いことが重要であり、集塵部の小型化と捕捉した塵埃廃棄操作の簡易化が必要である。 1つのサイクロン分離筒によって塵埃を捕捉する集塵部は、粗大塵と微細塵を一緒に捕捉しているので、捕捉塵埃を廃棄するときに微細塵が飛散し易く、塵埃廃棄操作が面倒である。また、塵埃捕捉(集塵=除塵)性能を高めようとすると、サイクロン分離筒が長くなって大型化してしまう。
【0007】
水平にした分離筒構造のサイクロン分離式の塵埃分離装置(集塵部)は、サイクロン分離室入口に旋回流を与えるのに、特別な流路がいるので、小型で取り扱い易い形態に構成することが困難である。また、サイクロン分離部側と集塵部側のフィルターを分けて使用しているので、目詰まりが速いとか、フィルター面積を大きく取れないなどゴミの吸い取り能力を表す指標の一つである吸込仕事率を大きくすることが困難である。
【0008】
また、サイクロン分離筒内に塵埃を収納するものでは、微細な塵埃はフィルターで取り除かなければならず、フィルターの目詰まりを遅くすることは困難である。また、下部を開放してゴミ捨てできるので、サイクロン分離筒内に溜まった塵埃の除去は容易であるが、上部のフィルター部に溜まった塵埃の除去は困難である。
【0009】
本発明の1つの目的は、小型で取り扱い易いサイクロン分離式の集塵部を備えた電気掃除機を提案することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、抵抗が少なくて、塵埃捕捉(集塵)性能が高いサイクロン分離式の集塵部を備えた電気掃除機を提案することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、捕捉した微細塵を飛散しないように確実に保持しておくことができるサイクロン分離式の集塵部を備えた電気掃除機を提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の特徴とするところは、電動送風機を内蔵する掃除機本体と、該掃除機本体に配設された集塵部と、前記掃除機本体にホースを介して接続された吸口とを有し、前記集塵部は、吸口から吸い込んだ含塵空気を遠心分離により除塵するサイクロン分離筒を備え、該サイクロン分離筒の下部より含塵空気を流し入れ、該サイクロン分離筒から除塵した空気を排気する排気口を前記サイクロン分離筒下部に設け、前記サイクロン分離筒の上部に、サイクロン分離筒の側面に置いた集塵ケースに至る連通口を設け、集塵ケースの排気側に該集塵ケースと気密状態に当接する第1のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第1のフィルターとを設け、該第1のフィルターの下流側には第2のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第2のフィルターとを設け、
前記第1のフィルターを通過した空気と前記排気口から流出した空気とは合流した後、前記第2フィルターを通過するようにしたことにある。
【0013】
また、本発明の特徴とするところは、電動送風機を内蔵する掃除機本体と、該掃除機本体に配設された集塵部と、前記掃除機本体にホースを介して接続された吸口とを有し、前記集塵部は、吸口から吸い込んだ含塵空気を遠心分離により除塵するサイクロン分離筒を備え、該サイクロン分離筒の下部より含塵空気を流し入れ、該サイクロン分離筒から除塵した空気を排気する排気口を前記サイクロン分離筒下部に設け、前記サイクロン分離筒の上部に、サイクロン分離筒の側面に置いた集塵ケースに至る連通口を設け、集塵ケースの排気側に該集塵ケースと気密状態に当接する第1のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第1のフィルターとを設け、該第1のフィルターの下流側には第2のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第2のフィルターとを設け、前記第1のフィルターを通過した空気と前記排気口から流出した空気とは合流した後、前記第2フィルターを通過するようにし、前記第1のフィルター枠と前記第2のフィルター枠とは同軸で回動可能にしたことにある。
【0014】
また、第1のフィルタ−枠と第2のフィルター枠を開閉する手段を設けたことにより、前記集塵ケースに溜まった塵埃を廃棄することができることを特徴とする。
【0015】
また、第1のフィルタ−枠と第2のフィルター枠の間に第1のフィルターを挟み込んだことを特徴とする。
【0016】
また、第2のフィルター枠のフィルターをひだおり状に形成し、これの下流側にフィルターに溜まった塵埃を除塵する除塵手段を設け、集塵ケースと排気口の下部に塵埃を収納するポケットを設けたことを特徴とする。
【0017】
さらに、第2のフィルター枠のフィルターに除塵手段と接触する補強部材を一体に設けたことを特徴とする。
【0018】
また、第2のフィルター枠のフィルターを横方向に山谷が並ぶひだおりとし、第2のフィルターの下流に縦方向に山谷が並ぶ第2のフィルターを設けたことを特徴とする電気掃除機。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態を示す電気掃除機の外観斜視図である。図2は、その掃除機本体の斜視図である。図3は、その掃除機本体の上蓋を開いた状態を示す斜視図である。図4は、その掃除機本体の集塵ケースとサイクロン分離筒とを取り除いた状態を示す斜視図である。図5は、上蓋と上ケースを取り除いた横平面図である。図6は、その掃除機本体内の空気の流れを示す模式図である。
【0020】
この実施の形態における電気掃除機は、図1に示すように、掃除機本体1とホース2と手元操作部3と伸縮延長管4と吸口5を備え、掃除機本体1と手元操作部3をホース2で接続し、この手元操作部3に伸縮延長管4を介して吸口5を接続して使用する。
【0021】
掃除機本体1は、電動送風機(後述する)を内蔵し、この電動送風機の吸気力によって吸口5から吸気することによって該吸気流に乗せて塵埃を吸い込み、吸い込んだ含塵空気を伸縮延長管4と手元操作部3とホース2を介して掃除機本体1に吸い込ませ、サイクロン分離式の集塵部(後述する)で除塵(集塵)した後に機外に排気する。
【0022】
掃除機本体1は、図2〜図5に示すように、下ケース101と上蓋102の間にサイクロン分離筒104と、サイクロン分離筒104と一体となった集塵ケース105を着脱可能に装着し、下ケース101と上ケース150の間に第2の補助フィルター112と電動送風機107とコードリール110とを内蔵する。
【0023】
この掃除機本体1は、図6に示すように、ホース2を介して含塵空気を入口管115より、サイクロン分離筒104に流し入れて、下側から上側に旋回させることにより遠心分離作用で塵埃を分離して、上部の連通口117を通して集塵ケース105に塵埃を搬送し、サイクロン分離筒104からの排気は内筒131を通って、サイクロン分離筒104の下部に設けた排気口120に排気される。また、一部の空気は集塵ケース105に流れ込み、第1の補助フィルター106によって塵埃を捕捉する。集塵ケース105の排気は第1の補助フィルター106の後方にある集塵ケース排気口144から、第2の補助フィルター112を通して電動送風機107に吸込ませる。この時サイクロン分離筒104からの排気は連絡通路145からサイクロン部流出口146を介して、集塵ケース105の排気と合せて第2の補助フィルター112を通して電動送風機107に吸込ませる。この電動送風機107からの排気はフィルター108を介して、一部は排気流路(図示せず)を介し、一部はコードリール110に流してこれらを冷却し、その後に機外に放出される。
【0024】
下ケース101は、この掃除機本体1を床面に走行させるための走行車輪208と案内車輪(図示せず)を備え、サイクロン分離筒104と集塵ケース105を着脱可能に縦置きに装着し、更に、第2の補助フィルター112を並べて設置する。
【0025】
上蓋102は、上ケース150の上側後部に転回可能に取り付け、閉じた状態でサイクロン分離筒104の入口管115とホース接続口部116とが気密状態に当接し、集塵ケース105と第1のフィルター枠140とが気密状態に当接し、第1のフィルター枠140と第2のフィルター枠163とが気密状態に当接し、第2のフィルター枠163と第2の補助フィルターが収納されるフィルターケース113との間を気密状態に当接するように付勢する。サイクロン分離筒104の軸方向は鉛直方向を向いているが、鉛直方向でなく斜め方向に傾いていてもかまわない。
【0026】
上蓋102を上に開けると、下ケース101からサイクロン分離筒104と集塵ケース105とが少し浮きあがる。この状態で集塵ケース105の上部の取っ手123を持って、サイクロン分離筒104と集塵ケース105を分離して取り出すことができ、集塵ケース105から第1のフィルター枠140と第2のフィルター枠163とを同時に開けることによって、集塵ケース105内の塵埃を廃棄する。
【0027】
さらに、サイクロン分離筒104の内部が汚れた場合には、上部の取っ手123を持って、下ケース101から持ち上げ、サイクロン分離筒104を分解して清掃することができる。
【0028】
ここで、サイクロン分離筒104の内表面や、集塵ケース105の内表面に、クリヤー系UV硬化型コーティング処理をしている。このため、前記サイクロン分離筒104内に塵埃が流入し、塵埃が遠心分離され、前記集塵ケース105に流入する際に、このサイクロン分離筒104内の表面や、集塵ケース105の内面に塵埃が衝突し、こすれた場合でも、表面に傷が入りにくく、汚れを付着しにくくするととともに耐擦性,耐汚染性を向上させることができる。このため、サイクロン分離筒104の外筒135や、集塵ケース105を透明のプラスチック材で製作した場合でも、塵埃のたまり具合を目視で確認することができる。
【0029】
さらに、上蓋102を透明のプラスチック素材で製作しておけば、図2に示すように上蓋102がサイクロン分離筒104の外筒135や、集塵ケース105を完全に覆う場合でも、塵埃のたまり具合を目視で確認することができる。
【0030】
また、サイクロン分離筒104や、集塵ケース105を帯電防止樹脂剤を用いて成型したり、表面に帯電防止剤を塗布することにより、前記サイクロン分離筒104や、集塵ケース105に塵埃が付着しにくくなり、清掃回数を減らすことができる。
【0031】
次に、図5を参照して、電気掃除機本体1内部の配置について説明する。図5は上ケース150と上蓋102を取り外した状態の平面図である。ホース接続口部116は上方から見て本体1の幅方向の中央にあり、サイクロン分離筒104の中心軸は幅方向の中央からずらして位置し、サイクロン分離筒104の略接線方向に空気を流入させる入口管115とホース接続口部116が直線状になるように配置されている。また、集塵ケース105はサイクロン分離筒104の中心軸とは幅方向の反対側に設置される。同様に、電動送風機107はサイクロン分離筒104の中心軸とは幅方向の反対側に設置され、その前面には第2の補助フィルター112が設けられている。コードリール110は電動送風機107の横に設置され、幅方向でサイクロン分離筒104の中心軸を同じ方向に設置されている。
【0032】
このように配置したことで、本体の長さを短くでき、小型軽量を達成できる。また、サイクロン分離筒104の入口部分に曲りなどを設ける必要が無いため、損失を小さくできる効果が得られる。
【0033】
ここで、前記サイクロン分離筒104で遠心分離された塵埃が連通口117を通じてサイクロン分離筒104から流出する方向は、サイクロン分離筒104内での旋回方向で、かつ、サイクロン分離筒104の接線方向である。このため、本実施の形態では、サイクロン分離筒104の連通口117と、この連通口117と連通する集塵ケース105の上部開口118の両者を、前記集塵ケース105内の開閉する第1の補助フィルター106から最も離れた電気掃除機本体1の前面側(ホース接続口部116側)に配置することができる。ここで、サイクロン分離筒104で遠心分離された塵埃は、開閉する第1の補助フィルター106付近から堆積し、サイクロン分離筒104の連通口117と、この連通口117と連通する集塵ケース105の上部開口118側へと、順に堆積していくので、前記集塵ケース105に塵埃が充填されるまで、塵埃が前記連通口117と前記上部開口118を塞ぎにくい。つまり、前記集塵ケース105の容積を有効利用することができる。
【0034】
ここで、サイクロン分離筒104と集塵ケース105の詳細について図7から図14を参照して説明する。図7はサイクロン分離筒104と集塵ケース105の外観斜視図、図8はサイクロン分離筒104と集塵ケース105の図5に示すA−A断面図、図9は図5のC−C断面図、図10は図5のB−B断面図、図11は図9のD−D断面図、図12は図9のE−E断面図、図13は集塵ケース105を排気側からみた側面図、図14は集塵ケース105とサイクロン分離筒105を下から見たときの平面図である。
【0035】
サイクロン分離筒104の外筒135にはその空気取り入れ口である入口管115が、このサイクロン分離筒104の中心軸方向長さの中央より下部に設けられ、略円筒形をなすサイクロン分離筒104の略接線方向に空気が入るように設置されている。サイクロン分離筒104の中央より上部に連通口117が設けられ、集塵ケース105に塵埃とともに空気を流入させる。サイクロン分離筒104の下部には内筒131が設けられ、下部の排気口120につながっている。ここで、内筒131にネジなどで内筒キャップ152を取り付け、排気口120と連絡通路145間は弾性シール部材153を介し、外筒135と内筒131は弾性シール部材151を介して取り付ければ気密を取り易い。内筒131は筒部134と、この筒部134に螺旋状に巻き付いた隔壁132と、入口管115と前記筒部134を結ぶ案内壁137と、前記隔壁132の外周側に配置した外壁139で構成され、筒部134には網フィルター133として樹脂繊維性の網を筒部134と一体にインサート成形により構成している。
【0036】
網フィルター133は図11に示すように、側面の円筒部分に構成してもよく、また、筒部の上平面と側面の円筒部分を合せて構成してもかまわない。ここでは、前記網フィルター133による内筒131の開口部は、前記内筒131の側面の円筒部分全周に設けるのではなく、前記入口管115付近のおよそ90度程度は、前記開口部を設けていない。このため、前記入口管115から髪の毛などの細い塵埃が流入しても、前記網フィルター133に直接当たることを防げ、刺さったりして絡み付くことを防ぐことができる。さらに、前記入口管115から針などの尖った塵埃が流入した場合にも、前記網フィルター133に直接当たることが無いので、前記網フィルター133が破れ、塵埃が流出することを防げる。
【0037】
また、網フィルター133にはゴミの色とは違った色、例えば、黄色を付けておくことにより、 網フィルター133に繊維塵とか粉塵などが付いて目詰まりしたときに、網フィルター133の色が変化したことを目で確認できるので、早く見つけることができ、清掃を早めに行うことができる。
【0038】
また、網フィルター133は前記内筒131の内向きに力を受けるので、前記網フィルターの内径側に内筒のリブ136を設ければ良い。ここで、網フィルター133に帯電防止処理を施すと、前記網フィルター133に付着した塵埃が離れやすく、清掃が容易にできる。また、前記網フィルター133に撥水処理を行えば、前記内筒131を水洗いした場合の清掃性が向上する。
【0039】
ここで、内筒131の筒部134が、この筒部134に螺旋状に巻き付いた隔壁132よりも下側まで延びている。このため、網フィルター133を前記筒部134と一体にインサート成形により構成する場合、前記網フィルター133の部材の形状は略長方形とすればよい。このようにすることで、前記筒部134の周方向に一様に前記網フィルター133を構成する部材があるため、成形時に前記筒部134が変形しにくい。また、前記網フィルター133の部材の形状を略長方形にできるので、この部材の材料取りがよくなる。
【0040】
さらに、内筒131の筒部134が、この筒部134に螺旋状に巻き付いた隔壁132よりも下側まで延びているため、網フィルター133を通過して、前記筒部134から排気口120へと流れる空気流の全てが、前記網フィルター133を通過するまで、流路に急拡大分が無いので、空気流は急激な減速を起こさないため、空気流の流れ方向に逆らった逆圧力勾配を生じにくい。つまり、空気流の下流側である前記筒部131内側から、この空気流の上流側である前記内筒131の外側へと該空気流は逆流しにくいので、空気流の剥離を抑制でき、前記筒部134から前記排気口120へと流れる空気流の損失が増加するのを防げる。
【0041】
なお、内筒131の筒部134が、この筒部134に螺旋状に巻き付いた隔壁132より外筒135と反対側に延長され、この筒部134の円筒部分に網フィルター133を設けた構成とすれば、含塵空気をサイクロン分離筒104の上から下に流し入れたり、サイクロン分離筒104を横置きにし、旋回流の中心軸が略水平方向に配置した場合でも同様の効果が選られる。
【0042】
また、サイクロン分離筒104の外筒135にはその空気取り入れ口である入口管115が、このサイクロン分離筒104の中心軸方向長さの中央より下部に設けられているので、前記入口管115に連通するホース接続口部116も、サイクロン分離筒104の中心軸方向長さの中央より下部に配置することができる。このため、前記ホース接続口部116は、掃除機本体1の下部に配置することができるので、前記掃除機本体1を、前記ホース2を介して手元操作部3で引き回した場合、前記掃除機本体1が転倒しにくく、安定して引き回す事ができる。
【0043】
さらに、前記ホース接続口部116を前記掃除機本体1の下側に配置できるので、上蓋102に前記ホース接続口部116を配置する必要が無く、集塵ケース105や、サイクロン分離筒104を前記掃除機本体1から取出す時に、前記ホース2を取り付けたままでも容易に、前記上蓋102を開閉することができる。
【0044】
ここで、前記内筒131の隔壁132は、サイクロン分離筒104内の空気の流れを上方に持上げるように、巻き開始位置138から螺旋状に上方に持ち上がっている。このため、入口管115からサイクロン分離筒104に流入した塵埃は、この螺旋状の隔壁132に沿って上昇するとともに、前記サイクロン分離筒104内を旋回し、遠心分離され、連通口117、上部開口118通じ、集塵ケース105へと搬送される。このように、前記隔壁132を螺旋状に上方に持上げているので、塵埃は前記サイクロン分離筒104内を上昇する強い作用を与えられ、DCコードレス掃除機などの毎分1立方メートル以下の低風量で動作する掃除機でも、塵埃を集塵ケース105へ搬送することが可能である。ここでは、サイクロン分離筒104の軸方向は水平方向ではないので、上述の低風量時に、前記サイクロン分離筒104内に流入した比重の大きい塵埃が旋回の途中で、旋回できずに落下し、サイクロン分離筒104に何度も衝突することを防げ、サイクロン分離筒104の傷つきや、破損を防ぐことができる。なお、巻き開始位置138は、案内壁137付近から設けてもかまわない。
【0045】
ここで、サイクロン分離筒104の内部に設けた内筒131の筒部134に、該内筒131の根元側から先端側へ螺旋状の隔壁132を設け、前記内筒131の外壁139と前記サイクロン分離筒131の外筒135の間に、前記隔壁132が螺旋状に変化している部分に隙間147を設けている。この隙間147は前記外筒135の半径方向に5mm程度の間隔を有している。このため、掃除機運転中は前記サイクロン分離筒104内に旋回流があり、前記隙間147内にも旋回流が生じており、前記外壁139と前記外筒135の間の前記隙間147にゴミが侵入したとしても、この隙間147にゴミはたまりにくく、集塵ケース105へと搬送される。
【0046】
集塵ケース105には、サイクロン分離筒104の連通口117に対向する位置に上部開口118が設けられている。集塵ケース105の排気側には、フィルター枠140に取り付けられた第1の補助フィルター106が設けられている。第1の補助フィルター106は耐水性のある発泡性のプラスチックであり、また、フィルター枠140には網フィルター106aが一体に成形されている。フィルター枠140はその両面が開口となっていて、下部に設けた開閉軸143を中心として回動するように設けられ、フィルター枠140が閉まったときには、集塵ケース105とフィルター枠140は気密状態を保って当接している。
【0047】
第1の補助フィルター106の下流側には、フィルター枠163が設けられ、フィルター枠140とフィルター枠163が閉まったときには、気密状態を保って当接している。フィルター枠163はその両面が開口となっていて、フィルター枠140の下部に設けた開閉軸143を中心として回動するように設けられている。フィルター枠163の上部にはレバー142が設けられ、フィルター枠140とフィルター枠163を集塵ケース105側に気密状態を保つように係止している。ゴミ捨て時には、サイクロン分離筒104と集塵ケース105を上部の取っ手123を持って、掃除機本体1より取り出し、レバー142を押して、フィルター枠140とフィルター枠163をいっしょに開いて、集塵ケース105内の塵埃を捨てることができる。このとき、ポケット162内に入っている塵埃も一緒に捨てることができる。なお、本実施の形態例では、開閉軸が下にあり、フィルター枠140とフィルター枠163が図中上部から、開くことになるので、集塵ケース105を横に向けて捨てるのが良い。詳細な構造は省くが、開閉軸を上部に設け、下部にレバーを設ける構造にすれば、集塵ケース105内とポケット162内の塵埃が捨てるときに、フィルター枠側にかかりにくくなるので、なお良い。
【0048】
フィルター枠163には除塵付フィルター161が一体に成形されている。除塵付フィルター161は床面とほぼ平行な方向に山谷を繰り返し、垂直方向にほぼ同じ高さに形成された山があるようなひだ折り状に形成され、除塵付フィルター161にはその下流側の山の頂部にプラスチック製の補強部166が除塵付フィルター161と一体に形成されている。なお、補強部166は山部全てに渡って設けているのではなく、除塵装置164の除塵ばね170が当たる部分の近くのみに設けている。これにより、除塵ばね170が与えた除塵付フィルター161への振動が除塵付フィルター161全体に伝わり易くなるので、除塵性能を高くできる。また、補強部166を山部の一つの端まで、例えば、本実施の形態例では、下側の端まで伸ばしても多少除塵性能が落ちるがかまわない。また、除塵付フィルター161下流側の山の頂部にプラスチック製の補強部166を設けているので、フィルターの有効面積の低下を抑えることができ、流れ抵抗の増大を防止できる。さらに、除塵付フィルタ161を清掃するときにブラシ168を用いて、除塵付フィルタ161をこすったときにフィルター側が逃げないので、清掃性を高めることができる。
【0049】
フィルター枠140と除塵付フィルター161とで、第1の補助フィルター106は挟み込まれ、なおかつ、フィルター枠140の連絡通路145との境のシール部に設けられたリブの上に載せられるように設置されている。第1の補助フィルター106に塵埃が溜まってくると抵抗が増加するが、このとき、除塵用フィルター161の山部で押さえられているので、変形による目のつぶれを防止でき、流れ抵抗の増加を抑制できる。
【0050】
また、フィルター枠163には円弧状のガイド165をその両端部にあるネジ2個所で設置され、また、フィルター枠163の上部ある支点167に除塵装置164が回動可能にネジ止めされ、その下端部がガイド165に挟み込まれている。除塵装置164のほぼ中央部にある手持ち部を持って、図13の左右方向に除塵装置を動かすことによって除塵する。
【0051】
この除塵装置164には、除塵ばね170が取り付けられ、除塵装置164を左右に動かすことによって、除塵ばね170の図中の下方部分が除塵付フィルター161の補強部166と順次衝突し、除塵ばね170の軸を中心とする回転方向に変形して、除塵フィルター161の補強部166を乗り上げ、補強部166を乗り越して次の山に衝突することによって、除塵付フィルター161に振動を与えて、この振動により除塵付フィルター161に付着している塵埃を剥離し、除塵付フィルター161の山の間を通って、塵埃は下方に落ち、集塵ケース105の下方で、連絡通路145の下部にあるポケット162に落ち込み、ここに塵埃が蓄積される。なお、除塵付フィルター161の下部は気密枠172より下流側はフィルター枠163で上流、下流側が隔絶され、枠体で区切られ、また、気密枠172より上流側では枠体から山状に前に突き出しを設けて、これと除塵付フィルター161の下端部とが一体に成形されている。従って、除塵付フィルター161の下端は、下側に向かって開いた状態になっているので、フィルター面から剥離した塵埃はこの隙間を通って、さらに下部に達する。
【0052】
なお、除塵付フィルター161の下端部はフィルタ枠140の下端部より、上側になるように設置され、ポケット162側にゴミが移行し易くなっている。
【0053】
ゴミ捨て時には、集塵ケース105上部の取っ手123を持って、集塵ケース105を持ち上げ、レバー142を下側に押して、フィルター枠140とフィルター枠163を開いて、集塵ケース105内の塵埃とポケット162内の塵埃を捨てることができる。この時、ゴミ捨て前に、除塵装置164を動かして、除塵付フィルター161から塵埃を剥離し、下部のポケット162に入れてから行うようになっている。なお、ゴミ捨て後に除塵動作をしても良く、この場合は、ポケットの入口側に落ちた塵埃は、サイクロン流出口146を流れる気流によって、ポケット162入口に形成される2次流れの渦により、ポケット162の奥に搬送されるとともに、塵埃の舞い上がりを防止できる。塵埃には質量があるので、慣性によって塵埃は渦から外れて奥に飛ばされ、塵埃は奥から溜まるようになる。
【0054】
また、実際の掃除時にも、掃除の前後に、掃除機を移動させるときに掃除機本体1に衝撃が加わったりして、除塵付フィルター161から塵埃が剥離するが、これが下側に落ちてきたときにも、上記で説明したように、次の掃除時などにポケット162に搬送されていく。従って、除塵装置164が取り付いていなくても、ポケット162を設けることにより、フィルター面から剥離した塵埃の再飛散を抑えることができるので、ポケット162を設ける効果は得られる。なお、このポケット162は連絡通路145の下側にあるが、除塵付フィルター161側から遠ざかるような方向に奥行きを持たせることにより、高さ方向の寸法を大きくしなくても、塵埃の収容量を大きくできる。
【0055】
第1の補助フィルター106の清掃は、フィルター枠140とフィルター枠163を開けて、フィルター枠140から第1の補助フィルター106を取り出して洗うなどして行うことができる。また、網フィルター106aに付着したゴミは、集塵ケース105の下面に固定用リブで止められているブラシ168を取り出して、網フィルター106aの表面を擦ったり、水洗いすることにより清掃できる。除塵付フィルター161の清掃は、フィルター枠140とフィルター枠163を開けた状態にして、集塵ケース105を含めて、水洗いしながら、ブラシ168を使って除塵付フィルター161の表面をこすることによって行うことができる。集塵ケース105の下面にブラシ168を取り付けているので、水洗い時などにブラシ168を集塵ケース105の下面から取り出して簡単に使える効果が得られる。なお、ブラシ168の刷毛部分の高さは、除塵フィルター161のひだおりの山の高さより高くしておくと、刷毛部分が除塵フィルター161のひだおりの谷の部分にまで届くので、奥の塵埃を掻き出し易い。
【0056】
なお、フィルター枠140とフィルター枠163とが同じ開閉軸143を中心として回動でき、かつ、それぞれを個別に外すことができなくなっているので、フィルター枠140とフィルター枠163とを紛失することが無い。
【0057】
補助フィルター106は発泡性の洗える素材のプラスチックでできたスポンジ、あるいは、水洗いできる不織布、あるいは、水洗できる濾紙材などを用いるのが望ましい。
【0058】
また、網フィルター106aや、除塵付フィルター161や第2の補助フィルター112に帯電防止処理を施すと、第1の補助フィルター106や、前記第2の補助フィルター112に付着した塵埃が離れやすく、清掃が容易にできる。さらに、撥水処理などを施すと、水洗いしたときに乾きが速くなる。
【0059】
集塵ケース105の下部には連絡通路145とポケット162とが一体に設けられている。従って、この集塵ケース105は、塵埃を収納する部分と連絡通路145とポケット162に分けられ、フィルター枠140は、網フィルター106aとサイクロン流出口146とに分けられるが、連絡通路145の上部の隔壁と網フィルター106aの接合する部分は気密を保って当接するようになっている。また、サイクロン分離筒104の連絡通路120と連絡通路145も気密を保って当接している。
【0060】
一方、連絡通路145とポケット162との間の隔壁はフィルター枠140とは気密状態になっていない。これは、除塵付フィルター161から除塵時に剥離した塵埃がポケットに収納され易くするためである。
【0061】
フィルター枠163はその外周側に一体となった気密枠172を持ち、電動送風機107の前に設けられた第2の補助フィルター112を収納するフィルターケース113とも気密を保って当接している。なお、この気密枠172は集塵ケース105を掃除機本体1に収納したときに垂直方向ではなく、上側が電動送風機10107側に倒れこんだ形で斜めになるように設けられており、集塵ケース105を掃除機本体に押し込んだときにより、気密が取れ易くなっている。さらに、フィルター枠163の気密枠172の前後に弾性体からなるシール材が取り付けられていて、フィルター140との気密も取れるようにしているので、シール部材の数を減らすことができるという効果も得られる。
【0062】
第2の補助フィルター112は図には示していないが、床面とほぼ垂直な方向に山谷を繰り返し、水平方向にほぼ同じ高さに形成された山があるようなひだ折り状に形成されている。このように第2の補助フィルターを形成しているので、第2の補助フィルター112で捕捉された塵埃が、下方に移行しにくいので、第2の補助フィルター112の下部に塵埃が落ちることが少なくなるので、掃除機本体1に塵埃が落ちることが少ないという効果も得られる。
【0063】
以上説明してきた、気密状態の当接を実現するために、当接部間には弾性シール部材を介在させると良い。
【0064】
このように構成した掃除機本体1は、電動送風機107を運転すると、その吸気力によって、サイクロン分離筒104の入口管115から該サイクロン分離筒104内に含塵空気が流入して該サイクロン分離筒104内で旋回することにより塵埃を遠心分離して該サイクロン分離筒104内の上の方に持ち上げ、集塵ケース105側に搬送する。除塵された空気は、サイクロン分離筒104の内筒131から網フィルター133を通って連絡通路120に流れ出る。この網フィルター133は、繊維塵や、紙などの塵埃が吹き抜けるのを防止するように機能する。
【0065】
連絡通路120からの空気は連絡通路145、サイクロン流出口146を介して、除塵付フィルター161を通って、第2の補助フィルター112へと流れる。
【0066】
サイクロン分離筒104の連通口117からの塵埃を含んだ空気は集塵ケース105の上部に設けられた上部開口118より集塵ケース105に流入し、網フィルター106aで空気中の比較的大きな塵埃がせき止められ、網フィルター106aの手前で堆積していく。細かい塵埃は、第1の補助フィルター106で捕捉され、さらに細かい塵埃は除塵付フィルター161で除塵され、除塵付フィルター161を通過した空気は第2の補助フィルター側に流れていく。
【0067】
網フィルター106aの除塵性能は、網の目の細かさで決定されるが、除塵性能を高くしすぎると目詰まりも早くなり易いので、全体の除塵能力との兼ね合いで決定するのが望ましい。なお、網フィルター106aは繊維塵の剥離性が良いが、帯電防止処理などを持たせるとなお良い。
【0068】
第1の補助フィルター106の除塵性能はそのフィルター材の能力で決定されるが、μmオーダーの塵埃までを分離できる能力を持たせると良い。また、発泡性のプラスチック材を用いているので、塵埃中に含まれる細かい繊維塵などの通過を防止できるので、除塵付フィルター161側に、除塵付フィルター161で取り除きにくい繊維塵がいかないようにできる。また、除塵付フィルター161で保持されているので、第1の補助フィルターが変形して、周辺に隙間ができるようにして、捕塵性能が低下することもなく、流れ方向に局部的に圧縮されることもなく、流れ抵抗の増大を防ぐことができるので、吸込み力の維持がし易い。
【0069】
除塵付フィルター161は前述したようにひだおり状に形成されているが、これには洗える不織布、洗える濾紙材などを用いる。さらに、撥法水処理を施すと水洗い時の乾燥時間を短くできるので、なお良い。
【0070】
第2の補助フィルター112は集塵部に設けられる最後段のフィルターとなるので、サブμmまでの塵埃を高い確率をもって捕塵できることが望ましい。これを実現する方法として、フィルター材として帯電処理を施したものを用いる方法がある。また、フィルター材として、サブμmの線径をもつ細い繊維で形成された目の細かい不織布を用いることによって、同様の捕塵性能を実現できる。この場合、目の細かい不織布の前後に、目が粗く、線径が大きく、剛性の高い不織布を溶着することによって、剛性が高く、サブμmまでの塵埃を捕塵できるフィルター材とすることができる。更にこれらを全て洗える材料で作れば、水洗いも可能になる。たとえば、ポリエステル系の材料とかPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの材料を使っている。
【0071】
なお、補強材を厚くすると、着色もし易くなるので、補強材は前側を厚くしている。なおかつ、前側を厚くするとこの部分に貯えられる塵埃量を多くできるので、目詰まりを遅くできるという効果も得られる。なお、色はゴミと違った色の方が良く、本実施の形態例の場合青色を用いて、第2のフィルター112が汚れてくると、色が変わってくるので、使用者が目視で汚れを確認でき、水洗いをするなどして、フィルターを再生することにより、吸込み力を回復できる。
【0072】
また、図15に第2の補助フィルター112を上流側から見たときの側面図を示す。第2の補助フィルター112は枠体181に、山谷が上下方向に並ぶひだおり形状をしたフィルター材料が一体に成形されていて、さらに、2本の補強リブ182で枠体181側に補強されてい、その補強リブ182には、手持ち用突起183が第2の補助フィルター112の上部で、かつ、図中手前側に突き出している。補強リブ182と手持ち用突起183は、前述の除塵用フィルター161の山と山との間の距離より薄く作ってあり、除塵装置164が動く範囲の外側に来るように、2つの補強リブ182が設置され、手持ち用突起183が、集塵ケース105とサイクロン分離筒104が掃除機本体1に取り付けられているときに、除塵用フィルター161の凹部に入るようになっている。
【0073】
このように構成しているので、第2の補助フィルター112を清掃するときは、手持ち用突起183を手でつかみ、手前に引き出して取り出すことができるようになっている。また、手持ち用突起183が除塵装置164が動く範囲の外側にあるので、除塵装置164が動いて適当な位置にあっても、手持ち用突起183が除塵装置164と当たって損傷することが無い。また、手持ち用突起183が除塵用フィルター161の山と山との間に入って収まるので、掃除機全体の長さを長くしなくても良い。
【0074】
以上述べてきた、フィルター材の塵埃の捕塵性能であるが、より細かい塵埃を捕塵できる能力は、高い準に、第2の補助フィルター112、除塵付フィルター161、第1の補助フィルター106、網フィルター106aであり、これらは流れの下流側から順に並んでいる。このように構成することにより、それぞれのフィルターに到達する塵埃の総量(容積)が上流側から徐々に減少していくので、目詰まりし易いフィルターになればなるほど、受け持つ塵埃の量が少なくなるので、全体としての目詰まりを遅くできるという効果も得られる。
【0075】
掃除機本体1内に入ってきた塵埃は、そのほとんどが集塵ケース105内に溜められるので、ごみ捨ては集塵ケース105を掃除機本体1からとり取り出して除塵すれば良い。ごみ捨ては集塵ケース105より塵埃があふれないうちに行うのが望ましい。このため、集塵ケース105には、図7に示すように上部開口118に対抗する位置にごみ捨てライン155を設けておき、使用者がこれを参考にごみ捨てを行えるようにしている。ごみ捨てラインは、水平あるいは鉛直を向いているのではなく、集塵ケース105内にごみが溜まっていく時には、上部開口118に近接した部分が最後にごみで埋まるので、ごみのたまり具合から斜めに設定している。
【0076】
なお、本実施の形態では、掃除機本体1内の空気の流れを図6に示すように2つの経路に分けているので、集塵ケース105内の塵埃には空気の流れ方向に圧力差を生じ、この圧力差によって塵埃が常時圧縮される。この圧力差は、溜められた塵埃が多くなるほど大きくなるので、塵埃が多くなればなるほど圧縮量が多くなるという特徴を併せ持っている。従って、集塵ケース105内により多くの塵埃を溜めることができるので、ごみ捨ての周期を長くすることができる。
【0077】
集塵ケース105内の塵埃は、第1の補助フィルター106の手前で層状に堆積していき、かつ微細な粉塵も一緒に堆積していく。このため、繊維塵の間に粉塵がまぎれ込んでいくので、ごみ捨て時に粉塵が舞い上がりにくくなるという効果も得られる。
【0078】
さらに、サイクロン分離器104の排気側の流量が、集塵ケース105を空気が通過しないときに比べて、少なくなるので、サイクロン分離器104の抵抗を小さくできる。従って、掃除機の吸込仕事率をより大きくすることができるという特徴を持っている。
【0079】
また、サイクロン分離筒104内で、サイクロン分離筒104の入口管115から該サイクロン分離筒104内に含塵空気が流入して該サイクロン分離筒104内で旋回することにより塵埃を遠心分離して該サイクロン分離筒104内の上の方に持ち上げ、集塵ケース105側に搬送する。この際、前記サイクロン分離筒104から、前記集塵ケース105を通じて第1の補助フィルター106から排気される空気の流れが有るため、前記サイクロン分離筒104で遠心分離された塵埃は、前記集塵ケース105側へ流入しやすくなり、塵埃は前記集塵ケース105側へ瞬間分離されるので、捕塵効率を高くできる。
【0080】
さらに、前記サイクロン分離筒104で遠心分離され、前記集塵ケース105側へ搬送された塵埃は、前記サイクロン分離筒104へ逆流しにくいので、前記集塵ケース105側へ搬送された塵埃が再飛散すること無く、捕塵効率を高くすることができる。
【0081】
さらに、内筒131の網フィルター133に塵埃が付着した場合には、サイクロン分離筒104から除塵した空気を排気するサイクロン流出口146から排気される空気風量が減少するため、第1の補助フィルター106を通過した前記集塵ケース105からの排気口である集塵ケース排気口144の空気風量が増加する。このため、前記内筒131の前記網フィルター133に付着した塵埃は、集塵ケース105に搬送されるという特徴をもつ。
【0082】
また、前記集塵ケース105から、第1の補助フィルター106を通過した前記集塵ケース105からの排気口である集塵ケース排気口144の断面積を、サイクロン分離筒104から除塵した空気を排気するサイクロン排出口146の断面積より大きくしている。このため、第1の補助フィルター106の断面積を大きくすることができ、前記第1の補助フィルター106を通過する空気の流速を小さくすることができる。このため、前記第1の補助フィルター106からの塵埃の吹き抜けを低減できる。さらに、前記第1の補助フィルター106を空気が通過する際の圧力損失を低減できるので、掃除機の吸込仕事率をより大きくすることができるという特徴を持っている。
【0083】
また、集塵ケース105内に溜まる塵埃の量が増えると、集塵ケース105を通過するときの抵抗が増えるので、集塵ケース内を流れる流量が低下する。従って、臭いを発生させ易い塵埃が多いときにはその部分を通過する空気の量が減り、臭いを掃除機外に出しにくくなるという効果もある。
【0084】
また、連絡通路145とポケット162が汚れたときも、集塵ケース105を取り出した状態で簡単に清掃することができる。
【0085】
また、サイクロン分離器104の入口管115と内筒131を下に設けたので、上部にサイクロン分離筒104の連通口117と集塵ケース105の上部開口118を設けることができ、集塵ケース105に入った塵埃は、重力で下に落ちるので、サイクロン分離筒104へのこぼれを防止できる。
【0086】
また、集塵ケース105の上部開口118は、前記集塵ケース105の前方に配置しているので、掃除機本体1を立てて収納する時には、前記集塵ケース105の上部開口118は、前記集塵ケース105の上方に配置していることとなるので、前記集塵ケース105に入った塵埃が、前記サイクロン分離筒104へこぼれるのを防止できる。
【0087】
また、集塵ケース105をサイクロン分離筒104の側面に配置しているので、掃除機本体1の高さを高くすることなく、サイクロン分離筒104の長さ方向を長くできるので、旋回流によるごみの分離能力を高くできるという特徴を持っている。
【0088】
さらに、指輪など流体力を受けにくく、重い塵埃はサイクロン分離筒104内に留まり易いので、サイクロン分離筒104を取っ手125手に持って取り出して、傾けることにより、入口管115より簡単に取り出すことができるという特徴も持っている。
【0089】
また、流体力を受けにくく重い塵埃はサイクロン分離筒104から、集塵ケース105に入らないので、前記集塵ケース105の第1の補助フィルター106を破ることが無く、前記集塵ケース105から塵埃が抜けるのを防ぐことができる。
【0090】
第2の実施の形態例を図15を用いて説明する。本実施の形態例では、集塵ケース105の形態とそれに付随するフィルター形状が違うのみなので、集塵ケース105を下流側からみた側面図を示す。
【0091】
サイクロン分離筒104の側方に集塵ケース105が設けられ、一部の塵埃を含んだ空気は集塵ケース105に流れ、集塵ケース排気口144から、図示していないがフィルター枠140の網フィルター106aと第1の補助フィルター106aを介して、下流側に行く。このとき、多くの塵埃は網フィルター106aと第1の補助フィルター106aによってせき止められ、集塵ケース105内に捕塵される。一方、サイクロン分離筒104からの排気は、排気口120から、集塵ケース排気口144の側方に設けられた連絡通路145を通過して、下流側に行く。集塵ケース排気口144と連絡通路145との下部にはポケット162が設けられている。なお、フィルター枠140の網メッシュ106aの形状と第1の補助フィルター106はほぼ集塵ケース排気口144の形になっている。
【0092】
このように構成したので、集塵ケースを大きくしなくても、連絡通路145の面積を大きく取れるので、除塵付フィルター161の直前でのサイクロン分離筒からの排気の速度を小さくできるので、除塵付フィルター161の流れ抵抗を小さくでき、なおかつ、速度が低い分だけ、捕塵性能を高くでき、フィルターの目への塵埃の詰まりを抑制することができる。また、連絡通路145の出口断面積を広く取っても、集塵ケース105の容積に締める割合を小さくできるので、集塵ケース105を大きくしなくても、集塵容積を大きく取れるなどの特徴が得られる。
【0093】
【発明の効果】
本発明は、上向きに旋回流を発生させるサイクロン分離筒と、この側面に集塵ケースを配置して、掃除機本体に装着したことにより、小型で取り扱い易いサイクロン分離式の集塵部を実現することができる。
【0094】
下側から空気を吸い込み、下側に排気するサイクロン分離筒と、排気の一部を集塵ケースの下流に設けたフィルターに流すことにより、小型で塵埃捕捉(集塵)性能が高く、集塵容量の大きいサイクロン分離式の集塵部を実現することができる。
【0095】
集塵ケースの下流側に2つのフィルター枠を設け、第1のフィルター枠は集塵ケースの排気用のフィルターを取り付け、第2のフィルター枠にはサイクロン分離筒と集塵ケースの排気を受け持つフィルターと取り付け、この2つのフィルターを同軸で回動させるようにしたので、ゴミ捨てが容易であり、高い捕塵性能を実現できる。
【0096】
さらに、第2のフィルター枠のフィルターに除塵装置を取り付け、除塵させるとともに、集塵ケースの下部で、なおかつ、サイクロン排気流路より下流に塵埃を収納するポケットを設けたので、フィルターが目詰まりし難く、吸込み力を維持し易く、小型なサイクロン式集塵部を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す電気掃除機の外観斜視図である。
【図2】図1に示した電気掃除機における掃除機本体の斜視図である。
【図3】図1に示した電気掃除機における掃除機本体の上蓋を開いた状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示した電気掃除機における掃除機本体内の上蓋を開いて、集塵ケースとサイクロン分離筒とを取り外した状態を示す斜視図である。
【図5】掃除機本体における上ケースと上蓋を取り外した状態を示す平面図である。
【図6】空気の流れを示す模式図である。
【図7】サイクロン分離筒104と集塵ケース105の外観斜視図である。
【図8】図5に示すA−A断面図である。
【図9】図5のC−C断面図である。
【図10】図5のB−B断面図である。
【図11】図9のD−D断面図である。
【図12】図9のE−E断面図である。
【図13】集塵ケース105を排気側から見たときの側面図である。
【図14】集塵ケース105とサイクロン分離筒105を下から見たときの平面図である。
【図15】第2の補助フィルター112を上流側から見たときの側面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態例を示す、集塵ケース105とサイクロン分離筒105を排気側から見たときの側面図である。
【符号の説明】
1…掃除機本体、101…下ケース、102…上蓋、104…サイクロン分離筒、105…集塵ケース、106…第1の補助フィルター、107…電動送風機、112…第2の補助フィルター、115…入口管、117…連通口、120…連絡通路、131…内筒、140…フィルター枠、150…上ケース、161…除塵付フィルター、162…ポケット、163…フィルター枠、164…除塵装置、166…補強部。
Claims (7)
- 電動送風機を内蔵する掃除機本体と、該掃除機本体に配設された集塵部と、前記掃除機本体にホースを介して接続された吸口とを有し、
前記集塵部は、
吸口から吸い込んだ含塵空気を遠心分離により除塵するサイクロン分離筒を備え、該サイクロン分離筒の下部より含塵空気を流し入れ、該サイクロン分離筒から除塵した空気を排気する排気口を前記サイクロン分離筒下部に設け、前記サイクロン分離筒の上部に、サイクロン分離筒の側面に置いた集塵ケースに至る連通口を設け、集塵ケースの排気側に該集塵ケースと気密状態に当接する第1のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第1のフィルターとを設け、該第1のフィルターの下流側には第2のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第2のフィルターとを設け、
前記第1のフィルターを通過した空気と前記排気口から流出した空気とは合流した後、前記第2フィルターを通過するようにしたことを特徴とする電気掃除機。 - 電動送風機を内蔵する掃除機本体と、該掃除機本体に配設された集塵部と、前記掃除機本体にホースを介して接続された吸口とを有し、
前記集塵部は、
吸口から吸い込んだ含塵空気を遠心分離により除塵するサイクロン分離筒を備え、該サイクロン分離筒の下部より含塵空気を流し入れ、該サイクロン分離筒から除塵した空気を排気する排気口を前記サイクロン分離筒下部に設け、前記サイクロン分離筒の上部に、サイクロン分離筒の側面に置いた集塵ケースに至る連通口を設け、集塵ケースの排気側に該集塵ケースと気密状態に当接する第1のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第1のフィルターとを設け、該第1のフィルターの下流側には第2のフィルター枠と該第1のフィルター枠に取付けた第2のフィルターとを設け、
前記第1のフィルターを通過した空気と前記排気口から流出した空気とは合流した後、前記第2フィルターを通過するようにし、
前記第1のフィルター枠と前記第2のフィルター枠とは同軸で回動可能にしたことを特徴とする電気掃除機。 - 請求項1または2において、
前記第1のフィルタ−枠と前記第2のフィルター枠を開閉する手段を設けたことにより、前記集塵ケースに溜まった塵埃を廃棄することができることを特徴とした電気掃除機。 - 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記第1のフィルタ−枠と第2のフィルター枠の間に前記第1のフィルターを挟み込んだことを特徴とした電気掃除機。 - 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
前記第2のフィルター枠のフィルターをひだおり状に形成し、これの下流側にフィルターに溜まった塵埃を除塵する除塵手段を設け、前記集塵ケースと前記排気口の下部に塵埃を収納するポケットを設けたことを特徴とした電気掃除機。 - 請求項4において、
前記第2のフィルター枠のフィルターに除塵手段と接触する補強部材を一体に設けたことを特徴とする電気掃除機。 - 請求項4において、
前記第2のフィルター枠のフィルターを横方向に山谷が並ぶひだおりとし、第2のフィルターの下流に縦方向に山谷が並ぶ第2のフィルターを設けたことを特徴とする電気掃除機。
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