JP5903234B2 - インナーウエア - Google Patents

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本発明はインナーウエアに関し、詳しくは、着用によって皮膚温を低下させると共に、着用感も高めるものである。
従来、夏季や運動時に着用するインナーウエア等の衣類として、本出願人は、特開平11−247011号公報(特許文献1)において、発汗量の多い胸部や背部に放熱性に優れた生地を設けることを提案している。放熱性に優れた生地として、例えば、綿等の天然繊維や、人絹、酢酸繊維等の人造繊維や、ナイロン、ポリエステル系等の合成繊維を用いたメッシュ生地等を挙げている。このような生地は、通気性が高いため、発汗による放熱を容易にする効果は有しているものの、着用により冷感を惹起させ直接的に皮膚温を低下させる効果は期待できない。皮膚温を効果的に低下させることにより、ランニング等の運動時にも発汗による脱水を起こすことなく皮膚温の上昇を抑制でき、運動機能低下の原因となる筋温の上昇も抑えることが可能となるが、前記した素材ではこのような効果までは得られにくい。
特開平11−247011号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、インナーウエアを着用することによって皮膚温を効果的に低下させると共に、着用感も高めることを課題としている。
前記課題を解決するため、第1の発明は、前後身頃部と左右一対の長袖部とを備えたトップ側のインナーウエアであって、
前記前後身頃部と長袖部との下側接合点である腋下点と所定間隔をあけた前記前後身頃部の脇腹領域、あるいは、前記脇腹領域および前記腋下点と所定間隔をあけた前記長袖部の内腕領域に、Qmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材を配置し、他の領域には前記冷感素材を配置しない構成とし、前記冷感素材の編地がベア天竺編地であるインナーウエアを提供している。
前記のように、第1の発明では、Qmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材を、腋下点から所定間隔をあけた前後身頃部の脇腹領域あるいは/および腋下点から所定間隔をあけた長袖部の内腕領域に配置している。ここでいうQmax値とは、一定面積、一定質量の熱板に所定の熱を蓄え、これが試料表面に接触した直後、蓄えられた熱量が低温側の試料に移動する熱流量のピーク値のことである。Qmax値は、着衣時に試料に奪われる体温をシミュレートしていると考えられ、Qmax値が大きいほど着衣時に奪われる体温が大きく、接触冷感が高いと考えられる。Qmax値が0.17J/sec/cm未満であると、官能試験で接触冷感を感じることが困難になる。好ましくは、Qmax値は0.19J/sec/cm以上0.24J/sec/cm以下であり、より好ましくは、0.21J/sec/cm以上0.23J/sec/cm以下である。また、前記冷感素材の熱伝導率が0.08W/m・K以上であるとより好ましい。熱伝導率も冷感に対応する重要なパラメータの1つであると考えられ、ある物質の熱の伝わりやすさを表す値である。熱伝導率[W/m・K]は厚さ1mの板の両端に1℃の温度差がある時、その板の1m2を通して、1秒間に流れる熱量のことである。前記冷感素材において、熱伝導率が大きいほど着衣時に皮膚表面から皮膚側生地に吸収された体温が速やかに生地表面に伝導し、外気へ放熱されるため、着衣時の冷感を持続的に感じられると考えられる。熱伝導率が0.08W/m・K未満であると、官能試験を行っても大半の人が冷感持続性を感じないことがある。好ましくは熱伝導率は、0.09W/m・K以上0.15W/m・K以下である。更に、前記冷感素材の平衡吸水率が0.4%以上0.6%以下であるとより好ましい。平衡吸水率を低く維持することで、水との親和性が低いために、水分が気化しやすく、気化熱による冷却効果を奏する。このため、冷感素材の平衡吸水率を上記範囲内にすることにより、冷感機能の持続性を高めることができる。
また、前記前後身頃部の脇腹領域とは、着用者の腹部および背部の左右両側に位置する脇腹を覆う領域のことであり、長袖部の内腕領域とは、着用者の腕の内側を覆う領域のことである。脇腹や腕の内側は、皮下の浅いところに多くの血管が通り、他の部位に比べて表層付近における血管占有率が高い部位である。よって、前後身頃部の脇腹領域あるいは/および長袖部の内腕領域に、前記Qmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材を配置し、脇腹あるいは/および腕の内側の表層付近に位置する血管を冷却することにより、該血管を通って体内を循環する血液が効果的に冷却され、前記冷感素材に接触する脇腹や腕の内側のみならず、胸部や大腿部など血液が循環する体の各部位の皮膚温も低下させることができる。よって、ランニング等の運動時においても皮膚温の上昇を抑制することができ、運動機能低下の原因となる筋の温度上昇も抑えることができる。また、長袖部の内腕領域に前記冷感素材を配置することで、運動に伴う腕の振り等に伴って冷感が一層増大し、皮膚温を一層効果的に低下させることができる。本発明のインナーウエアでは、前後身頃部の脇腹領域および長袖部の内腕領域の両方に前記冷感素材を配置していることが好ましい。
前記冷感素材としては、たとえば熱可塑性エラストマーからなる繊維を用いた編地またはポリアミド系汎用繊維を用いた編地などが挙げられる。前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリアミド系エラストマーやポリエステル系エラストマー等が挙げられ、市販品としては、ぺバックス(アルケマ社製)、ダイアミド、ベスタミド(以上、ダイセル・エボニック社製)、グリロンELX(エムスケミー・ジャパン社製)、ペルプレン(東洋紡績社製)、プリマロイ(三菱化学社製)等が挙げられる。また、前記ポリアミド系汎用繊維を形成する樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等が挙げられる。上記熱可塑性エラストマーのなかでも、下記式(1)で表されるポリエーテルブロックアミド共重合体は、極めて優れた帯電防止効果が得られること、紡糸性に優れること、及び、比重が小さく、軽い生地や肌着を作製できることから特に好適である。
Figure 0005903234
式(1)中、PAはポリアミドを表し、PEはポリエーテルを表す。
前記繊維を用いた冷感素材の編地としては、特に限定されないが、例えば、前記繊維からなる糸にポリウレタン糸を添え糸編みしたベア天竺編地とすることが好ましい。
また、前記のように、前記冷感素材を配置する前後身頃部の脇腹領域および長袖部の内腕領域はともに腋下点と所定間隔をあけると共に、胸部や背部等の体幹部分を覆う他の領域には前記冷感素材を配置しない構成としている。前記冷感素材は保水性が比較的高く、水分の蒸散性能がポリエステル繊維等に比べて低いため、運動時など多量に発汗するような場合には、湿潤した生地がべたついて不快感が増すという問題がある。しかし、前記のように、発汗しやすい腋下や胸部、背部等に前記冷感素材を配置しないことにより、発汗による前記冷感素材のべたつきを防止して着用感を高めることができる。また、左右の脇腹を除く腹部にも前記冷感素材を配置しないため、腹部の冷えも防止できる。
前記冷感素材を配置しない他の領域の編地としては、例えば、ポリエステル糸にポリウレタン糸を添え糸編みしたベア天竺編地とすることができる。また、発汗量が多くなりやすい胸部や背部、腋下等を覆う領域をメッシュ編地等として通気性を向上させてもよい。
前記冷感素材を配置する前記脇腹領域は、前記前後身頃部の境界ラインである脇線を跨いで前記前後身頃部に連続形成され、前記脇腹領域は、前記腋下点から脇線方向に3〜8cm離間させた位置を上端とし胴周り方向の幅を6〜16cmとして脇線方向に前記前後身頃部の下端まで帯状に連続させている一方、前記冷感素材を配置する前記長袖部の内腕領域は、前記腋下点から前記長袖部の長さ方向に3〜8cm離間させた位置を上端とし腕周り方向の幅を腕周り全周長の1/2〜2/3として前記長袖部の長さ方向に前記長袖部の下端まで帯状に連続させていることが好ましい。
前記のように、冷感素材を配置する前後身頃部の脇腹領域や長袖部の内腕領域の上端を腋下点から3〜8cm離間させておくことにより、腋下の発汗による影響をより受けにくくして、前記各領域に配置された冷感素材のべたつきを効果的に防止することができる。
また、前記のように、脇線を跨いで前後身頃部に連続形成される脇腹領域を、前記上端の位置から胴周り方向の幅を6〜16cmとして脇線方向に沿って前後身頃部の下端まで帯状に連続させることにより、表層付近に血管が張り巡らされた脇腹一帯を前記冷感素材で覆って該血管を通る血液の冷却効果をより高めることができる。さらに、前記冷感素材を配置する脇腹領域を前記範囲内とすることで、胸部や背部の発汗による影響もより受けにくくすることができる。
また、前記のように、長袖部の内腕領域を、前記上端の位置から腕周り全周長の1/2〜2/3の幅で、長袖部の長さ方向に沿って長袖部の下端まで帯状に連続させることにより、表層付近に血管が張り巡らされた腕の内側一帯を前記冷感素材で覆って該血管を通る血液の冷却効果をより高めることができる。
第2の発明では、第1の発明である前記トップ側のインナーウエアに組み合わせるボトム側のインナーウエアであって、
脚の付け根位置から膝位置までの左右大腿部を囲む脚部を有し、該脚部の大腿内側領域あるいは/および大腿前側領域にQmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材を配置し、他の領域には前記冷感素材を配置していない構成としているインナーウエアを提供している。
前記のように、第1の発明である前記トップ側のインナーウエアに組み合わせるボトム側のインナーウエアにおいて、左右大腿部を囲む脚部の内側領域あるいは/および前側領域に前記第1の発明で配置したものと同じ冷感素材を配置している。脚部の内側領域とは、着用者の大腿部の内側(内股側)を覆う領域であり、脚部の前側領域とは、着用者の大腿部の前面側を覆う領域である。大腿部の内側は、皮下の浅いところに多くの血管が通り表層付近における血管占有率が高い部位であり、大腿部の前面側には筋体積の大きな筋群が存在している。よって、脚部の内側領域あるいは/および前側領域に前記冷感素材を配置し、大腿部内側の表層付近の血管や大腿部前面側の筋を直接冷却することにより、皮膚温を低下させ、運動機能の低下を抑えることが可能となる。脚部の内側領域および前側領域に前記冷感素材を配置する場合には、脚部の内側領域から前側領域に冷感素材が脚部周方向に連続するように配置されることが好ましい。
また、前記のように、脚部の全周に前記冷感素材を配置せず、臀部および腹部を覆うヒップ部にも前記冷感素材を配置していないため、発汗による前記冷感素材のべたつきを防止して着用感を高めると共に、腹部の冷えを防止することもできる。
本発明のインナーウエアは、発汗による脱水等を生じさせることなく皮膚温の上昇を抑制でき、運動機能低下の原因となる筋の温度上昇も抑えることができるため、ランニングや野球など運動時に着用されるスポーツ用インナーウエアとして好適である。
前述したように、第1の発明によれば、トップ側のインナーウエアにおいて、Qmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材を、腋下点から所定間隔をあけた前後身頃部の脇腹領域あるいは/および腋下点から所定間隔をあけた長袖部の内腕領域に配置している。よって、前記脇腹領域あるいは/および内腕領域に配置した冷感素材が、脇腹や腕の内側の表層付近に通っている多くの血管を冷却し、該血管を通って体内を循環する血液が効果的に冷却されるため、前記冷感素材に接触する脇腹や腕の内側のみならず、胸部や大腿部等、体の各部位の皮膚温も低下させることができる。よって、ランニング等の運動時においても皮膚温の上昇を抑制でき、運動機能低下の原因となる筋の温度上昇も抑えることができる。
また、前記冷感素材を配置する前後身頃部の脇腹領域および前記長袖部の内腕領域はともに腋下点と所定間隔をあけると共に、胸部や背部等の体幹部分を覆う他の領域には前記冷感素材を配置していないため、発汗による前記冷感素材のべたつきを防止して着用感を高めることができる。また、左右の脇腹を除く腹部にも前記冷感素材を配置しないため、腹部の冷えを防止できる。
第2の発明によれば、第1の発明の前記トップ側のインナーウエアに組み合わせるボトム側のインナーウエアにおいて、左右大腿部を囲む脚部の内側領域あるいは/および前側領域にQmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材を配置している。よって、脚部の内側領域あるいは/および前側領域に配置した前記冷感素材が、大腿部内側の表層付近に通っている血管や大腿部前面側の筋を直接冷却することにより、皮膚温を低下させ、運動機能の低下を抑えることが可能となる。
また、前記冷感素材を脚部の全周に配置せず、臀部および腹部を覆うヒップ部にも前記冷感素材を配置していないため、発汗による前記冷感素材のべたつきを防止して着用感を高めると共に、腹部の冷えも防止できる。
第1実施形態のトップ側のインナーウエアを示し、(A)は正面図、(B)は背面図である。 着用状態におけるトップ側のインナーウエアの断面図であり、(A)は図1(A)のA−A線断面図、(B)は図1(A)のB−B線断面図である。 実施例および比較例における胸部の皮膚温を示す図である。 実施例および比較例における大腿部の皮膚温を示す図である。 第2実施形態のボトム側のインナーウエアを示し、(A)は正面図、(B)は背面図である。 図5(A)のC−C線断面図(着用状態)である。 ボトム側のインナーウエアの他の例を示す図(正面図)である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1および図2は第1実施形態のトップ側のインナーウエア1を示している。本実施形態のインナーウエア1は、ランニング等を行う際に着用されるスポーツ用インナーウエアである。
図1および図2に示すように、トップ側のインナーウエア1は、左右の脇線L1及び肩線L2で互いに縫着される前身頃部2Aおよび後身頃部2Bと、前後身頃部2(2A、2B)の左右のアームホールにそれぞれ縫着される長袖部4と、前後身頃部2(2A、2B)の襟ぐりに縫着されるタートルネックタイプの襟部6とからなる。長袖部4は、図1(A)では前面側(前身頃側)4Aを、図1(B)では背面側(後身頃側)4Bをそれぞれ示している。長袖部前面側4Aの内腕側端縁と長袖部背面側4Bの内腕側端縁とを縫着線L3で縫着して筒状の長袖部4を形成している。
インナーウエア1では、前後身頃部2(2A、2B)の脇腹領域3(3A、3B)と、長袖部4(4A、4B)の内腕領域5(5A、5B)に、Qmax値が0.17J/sec/cm以上であって、熱伝導率が0.099W/m・K以上であって、平衡吸水率が0.6%以下の冷感素材20(本実施形態ではQmax値が0.23J/sec/cm、熱伝導率が0.099W/m・K、平衡吸水率が0.4%以上0.6%以下)を配置し、その他の領域には前記冷感素材20と異なる素材21(Qmax値が0.17J/sec/cm未満の素材21)を配置している。上記Qmax値の測定は、20.5℃の温度に設定した試料台の上に生地を置き、生地の上に32.5℃の温度に温められた貯熱板を接触圧0.098N/cm2で重ねた直後、蓄えられた熱量が低温側の試料に移動する熱量のピーク値を測定した。測定には、サーモラボII型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製)を用いた。上記熱伝導率の測定は、20.5℃の温度に設定した試料台の上に生地を置き、生地の上に熱板を接触圧0.059N/cmで重ね、熱板の温度を32.5℃の温度に調節し安定させ、熱板の温度が所定温度に安定した時の熱損失速度をサーモラボII型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製)を用いて測定し、この値から測定することで得られる値である。
上記平衡吸水率は、下記式で算出される。
平衡吸水率(%)=(乾燥前重量(g)−絶乾重量(g))/絶乾重量(g)×100
乾燥前重量とは、20℃・65%の標準状態で生地と空気中の水分移動が平衡状態になる重量である。絶乾重量とは、105℃の温度で2時間乾燥させた状態の重量である。
冷感素材20を配置する前後身頃部2(2A、2B)の脇腹領域3(3A、3B)は、着用者の腹部30および背部31の左右両側に位置する脇腹32を覆う領域であり、前身頃部2Aと後身頃部2Bとの境界ラインである脇線L1を跨ぐようにして脇腹領域3を連続形成している。具体的には、脇腹領域3は、前身頃部2A側の脇腹領域3Aと後身頃部2B側の脇腹領域3Bとからなり、前後の脇腹領域3A、3Bは脇線L1に対して略対称に形成している。脇腹領域3は、前後身頃部2(2A、2B)と長袖部4との下側接合点である腋下点Pから脇線L1方向に所定寸法d1(d1=3〜8cm、本実施形態ではd1=5cm)離した位置を上端とし、胴周り方向の幅w1を6〜16cm(本実施形態ではw1=10cm)として、前後身頃部2(2A、2B)の下端まで脇線L1方向に帯状に連続させている。
また、冷感素材20を配置する長袖部4(4A、4B)の内腕領域5(5A、5B)は、着用者の腕33の内側33aを覆う領域である。本実施形態における長袖部4の内腕領域5は、長袖部前面側4Aの内腕領域5Aと長袖部背面側4Bの内腕領域5Bとを連続させてなり、前面側、背面側の内腕領域5A、5Bは縫着線L3に対して略対称に形成している。内腕領域5は、腋下点Pから縫着線L3方向(長袖部4の長さ方向)に所定寸法d2(d2=3〜8cm、本実施形態ではd2=5cm)離した位置を上端とし、腕周り方向の幅w2を腕周り全周長の1/2〜2/3(本実施形態では全周長の1/2)として、長袖部4(4A、4B)の下端まで縫着線L3方向に帯状に連続させている。
前後身頃部2(2A、2B)の脇腹領域3(3A、3B)および長袖部4(4A、4B)の内腕領域5(5A、5B)に配置する冷感素材20は、熱可塑性エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体からなる繊維を用いた編地としている。具体的には、98重量%のポリエーテルブロックアミド共重合体(商品名「ぺバックス 1041SA01」、アルケマ社製)に、2重量%の酸化チタン(商品名「D918」、堺化学工業社製、平均粒子径0.26μm)を添加し、溶融混合して樹脂ペレットを作製した後、該樹脂ペレットを用いて溶融紡糸することにより原糸を得ている。
本実施形態のインナーウエア1では、前後身頃部2(2A、2B)の脇腹領域3(3A、3B)および長袖部4(4A、4B)の内腕領域5(5A、5B)に配置する冷感素材20を、前記原糸に撚糸加工を施した撚糸(繊度50デシテックス)にポリウレタン糸(繊度64デシテックス)を添え糸編みしたベア天竺編地で編成する一方、他の領域に配置する素材21は、ポリエステル糸(繊度50デシテックス)にポリウレタン糸(繊度64デシテックス)を添え糸編みしたベア天竺編地で編成している。
なお、本実施形態では、熱可塑性エラストマーからなる繊維を用いた編地でQmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材20を作製しているが、ポリアミド系汎用繊維を用いた編地で冷感素材20を作製してもよい。
[実施例、比較例]
第1実施形態で得たインナーウエア1と、該インナーウエア1と同一形状で、冷感素材20を配置せず素材21のみで形成した従来品のインナーウエアとを用い、以下の方法で皮膚温低下効果の評価を行った。
28℃、65%RH環境の人工気象室内で、第1実施形態で得たインナーウエア1を被験者に着用してもらい、夏季におけるランニングのシミュレーション試験を行った。試験は、(1)5分間安静→(2)送風機による風速4m/secの風を受けながらトレッドミルにて7.5km/hrで15分間走行→(3)10分間安静→(4)送風機による風速4m/secの風を受けながらトレッドミルにて9km/hrで15分間走行→(5)10分間安静のパターンで行い、前記(1)〜(5)の試験全期間中の被験者の胸部と大腿部の皮膚温を常時測定した(実施例)。また、被験者に前記従来品のインナーウエアを着用してもらい、同様のシミュレーション試験を行った(比較例)。実施例および比較例における皮膚温の測定結果を図3および図4に示す。図3は胸部の皮膚温を示し、図4は大腿部の皮膚温を示している。なお、前記試験は健康な成人男性4名について行い、図3および図4にはその平均値を示している。また、試験全期間中の心拍数は実施例と比較例との間で差異がなく、同等の運動条件(運動強度)のもとで実施例および比較例の試験が行われた。
図3に示すように、第1実施形態のインナーウエアを着用した実施例の方が、従来品のインナーウエアを着用した比較例より胸部の皮膚温が10分経過後以降、一貫して低かった。また、大腿部の皮膚温についても、図4に示すように、実施例の方が比較例よりやや低めとなった。
前記のように、第1実施形態のトップ側のインナーウエア1では、Qmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材20を、腋下点Pから所定間隔d1をあけた前後身頃部2(2A、2B)の脇腹領域3(3A、3B)および腋下点Pから所定間隔d2をあけた長袖部4(4A、4B)の内腕領域5(5A、5B)に配置している。よって、脇腹領域3(3A、3B)および内腕領域5(5A、5B)に配置した冷感素材20が、脇腹や腕の内側の表層付近に通っている多くの血管を冷却し、該血管を通って体内を循環する血液が効果的に冷却されるため、冷感素材20に接触する脇腹や腕の内側のみならず、胸部や大腿部等、体の各部位の皮膚温も低下させることができる。よって、図3、図4のように、ランニング等の運動時においても皮膚温の上昇を抑制でき、運動機能低下の原因となる筋の温度上昇も抑えることができる。
また、冷感素材20を配置する前後身頃部2(2A、2B)の脇腹領域3(3A、3B)および長袖部4(4A、4B)の内腕領域5(5A、5B)はともに腋下点Pと所定間隔d1、d2をあけると共に、胸部や背部等の体幹部分を覆う他の領域には冷感素材20を配置していないため、発汗による冷感素材20のべたつきを防止して着用感を高めることができる。また、左右の脇腹を除く腹部にも冷感素材20を配置しないため、腹部の冷えを防止できる。
図5および図6は第2実施形態を示している。
第2実施形態では、第1実施形態のトップ側インナーウエア1に組み合わせるボトム側のインナーウエア10を作製している。図5および図6に示すように、ボトム側のインナーウエア10は、ウエスト位置から脚の付け根位置までの領域で腹部および臀部を覆うヒップ部11と、脚の付け根位置から膝位置までの領域で左右大腿部を囲む脚部12とからなり、左右一対の前面布13Aおよび左右一対の背面布13Bを前中心線C1、後中心線C2でそれぞれ縫着すると共に、一方側の前面布13Aと背面布13B、他方側の前面布13Aと背面布13Bを脇線L4と内股線L5でそれぞれ縫着することにより、インナーウエア10のヒップ部11と左右の脚部12を形成している。
本実施形態のインナーウエア10では、前面布13Aおよび背面布13Bによって形成される脚部12の内側領域15(15A、15B)にのみ、第1実施形態と同様のQmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材20を配置し、他の領域には該冷感素材20と異なる素材21(第1実施形態の他の領域に配置した素材21と同じ素材)を配置している。冷感素材20を配置する脚部12の内側領域15(15A、15B)は、着用者の大腿部34の内側(内股側)34aを覆う領域である。本実施形態における内側領域15は、前面布13A側の内側領域15Aと背面布13B側の内側領域15Bとを連続させてなり、前後の内側領域15A、15Bを内股線L5に対して略対称に形成している。内側領域15は、股下d3=3〜10cmの位置を上端とし、脚周り方向の幅w3を10〜15cmとして、前面布13Aおよび背面布13Bの下端まで内股線L5方向に帯状に連続させている。
前記のように、第2実施形態のボトム側のインアーウエア10では、左右大腿部を囲む脚部12の内側領域15(15A、15B)にQmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材20を配置している。よって、脚部12の内側領域15(15A、15B)に配置した冷感素材20が、大腿部内側34aの表層付近に通っている血管を冷却し、該血管を通る血液を効果的に冷却することで、皮膚温を低下させ筋の温度上昇を抑えて運動機能の低下を抑制することが可能となる。
また、冷感素材20を脚部12の全周に配置せず、臀部および腹部を覆うヒップ部11にも冷感素材20を配置していないため、発汗による前記冷感素材のべたつきを防止して着用感を高めると共に、腹部の冷えも防止できる。
なお、図7に示すように、脚部12の内側領域15(15A、15B)に加えて、脚部12の前側領域16にもQmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材20を配置してもよい。この際、前面布13A側の内側領域15Aから前側領域16に冷感素材20が脚部周方向に連続するように配置することが好ましい。
脚部12の前側領域16は、着用者の大腿部の前面側を覆う領域であり、大腿部の前面側には筋体積の大きな筋群が存在している。よって、前記のように、脚部12の内側領域15(15A、15B)に加えて前側領域16にもQmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材20を配置し、大腿部内側の表層付近の血管と大腿部前面側の筋を直接冷却することにより、皮膚温を低下させ、運動機能の低下を抑えることが可能となる。
1 トップ側のインナーウエア
2 前後身頃部
2A 前身頃部
2B 後身頃部
3 脇腹領域
3A 前身頃側の脇腹領域
3B 後身頃側の脇腹領域
4 長袖部
4A 長袖部前面側
4B 長袖部背面側
5 内腕領域
5A 長袖部前面側の内腕領域
5B 長袖部背面側の内腕領域
6 襟部
10 ボトム側のインナーウエア
11 ヒップ部
12 脚部
13A 前面布
13B 背面布
15 内側領域
15A 前面布の内側領域
15B 背面布の内側領域
16 前側領域
20 冷感素材
21 冷感素材と異なる素材
30 腹部
31 背部
32 脇腹
33 腕
33a 腕の内側
34 大腿部
34a 大腿部の内側

Claims (7)

  1. 前後身頃部と左右一対の長袖部とを備えたトップ側のインナーウエアであって、
    前記前後身頃部と長袖部との下側接合点である腋下点と所定間隔をあけた前記前後身頃部の脇腹領域、あるいは、前記脇腹領域および前記腋下点と所定間隔をあけた前記長袖部の内腕領域に、Qmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材を配置し、他の領域には前記冷感素材を配置しない構成とし、前記冷感素材の編地がベア天竺編地であるインナーウエア。
  2. 前記冷感素材の熱伝導率は、0.08W/m・K以上であることを特徴とする請求項1に記載のインナーウエア。
  3. 前記冷感素材の平衡吸水率は、0.6%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインナーウエア。
  4. 前記冷感素材を配置する前記脇腹領域は、前記前後身頃部の境界ラインである脇線を跨いで前記前後身頃部に連続形成され、前記脇腹領域は、前記腋下点から脇線方向に3〜8cm離間させた位置を上端とし胴周り方向の幅を6〜16cmとして脇線方向に前記前後身頃部の下端まで帯状に連続させている一方、前記冷感素材を配置する前記長袖部の内腕領域は、前記腋下点から前記長袖部の長さ方向に3〜8cm離間させた位置を上端とし腕周り方向の幅を腕周り全周長の1/2〜2/3として前記長袖部の長さ方向に前記長袖部の下端まで帯状に連続させている請求項1乃至請求項3に記載のインナーウエア。
  5. 前記冷感素材は、熱可塑性エラストマーからなる繊維を用いた編地またはポリアミド系汎用繊維を用いた編地からなる請求項1乃至請求項4に記載のインナーウエア。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のトップ側のインナーウエアに組み合わせるボトム側のインナーウエアであって、
    脚の付け根位置から膝位置までの左右大腿部を囲む脚部を有し、該脚部の大腿内側領域あるいは/および大腿前側領域にQmax値が0.17J/sec/cm以上の冷感素材を配置し、他の領域には前記冷感素材を配置していない構成としているインナーウエア。
  7. スポーツ用としている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のインナーウエア。
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