JP5902361B1 - 二酸化バナジウム系蓄熱材料の製造方法 - Google Patents

二酸化バナジウム系蓄熱材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

V2O5と炭素材とを混合する工程(a)、前記混合した混合物を不活性雰囲気で加熱する工程(b)を含み、前記混合する工程(a)において、V2O5と炭素材との混合割合が、V2O5:炭素材中の炭素Cのモル比で1:0.41〜0.54の範囲であり、前記加熱する工程(b)において、該加熱温度が900℃を超え1542℃未満であることを特徴とするVO2系蓄熱材料の製造方法。これにより、十分な蓄熱特性を有し、低コストで量産容易なVO2系蓄熱材料の製造方法を提供する。

Description

本発明は、二酸化バナジウムVO2系蓄熱材料の製造方法に関し、特に二酸化バナジウムVO2系蓄熱材料を低コストで量産容易にする製造方法に関するものである。
蓄熱材料は、外気温の変化に対して一定の温度に保持するという温度調節機能を有するものであり、一般的には、保冷剤や、断熱材ではない保温剤として知られている。また、蓄熱材料は、工場や自動車での廃熱利用等にも使用される。
蓄熱材料としては、物質の大きな比熱を利用するもの(顕熱蓄熱材料)、物質の相変化熱(例えば、融解−凝固の相変化)を利用するもの(潜熱蓄熱材料)、化学反応による発熱を利用するもの等がある。顕熱蓄熱材料は、他の蓄熱熱材料よりも蓄熱量が小さいという問題がある。また、化学反応による発熱を利用した蓄熱材料は、繰り返して使用することができないという問題がある。
一方、潜熱蓄熱材料は、繰り返して使用することができ、また、蓄熱容量が他の蓄熱材料に比べて大きいといった利点がある。最も代表的な潜熱蓄熱材料は氷であり、氷−水の融解−凝固の相変化を利用している。しかしながら、固体−液体の相変化を利用する場合には、相変化による大きな体積変化を伴う、液体の漏れが生じる可能性がある等の問題がある。
以上のような状況の中で、特許文献1にあるような固相状態で生じる相転移を利用した蓄熱材料が発明された。前記蓄熱材料は、固体−液体相転移と異なり、液体の漏れが生じることはなく、相転移時の相分離や分解も生じるおそれがない。更に、相転移時の体積変化が固体−液体相転移に比べ小さいという特徴を有する。
前記の蓄熱材料の具体的例としては、二酸化バナジウムVO2系酸化物が挙げられる。VO2系酸化物においては、VO2及びVサイトをMで置換したV1-xx2があり、その例としては、V1-xx2(0≦x≦0.0650)、V1-xTax2(0≦x≦0.117)、V1-xNbx2(0≦X≦0.115)、V1-xRux2(0≦X≦0.150)、V1-xMox2(0≦X≦0.161)、V1-xRex2(0≦X≦0.0964)が挙げられている。
二酸化バナジウムVO2系蓄熱材料は、特許文献1によれば次のように製造されるとしている。
まず、V25粉末を、水素とアルゴンの混合ガス(水素5%、アルゴン95%)中において、700℃まで昇温し、48時間保持することにより、前駆体であるV23粉末を得る。当該V23粉末と、V25粉末及びWO3粉末を、バナジウムとタングステンと酸素との間のモル比が所定のモル比になるように混合する。そして、当該混合物(粉末)を石英管内に入れ、真空封入する(真空度:2.67×10-4Pa程度)。具体的には、混合物を入れた石英管を排気装置に接続し、石英管内を真空排気する。そして、該石英管を、ガスバーナー等を用いて溶かしながら封じ切る。その後、上記混合物を、石英管ごと1000℃まで昇温し、48時間保持する。以上の工程を経て、V1-xx2の粉末試料を合成する。また、上記合成方法において、WO3の代わりに、Ta25、Nb25、RuO2、MoO2、ReO3をそれぞれ用いることにより、V1-xTax2、V1-xNbx2、V1-xRux2、V1-xMox2、V1-xRex2を合成する。
また、特許文献2には、サーモクロミック材料として二酸化バナジウムが挙げられており、その製造方法として、バナジウムとタングステンとを過酸化水素水に溶解させたヒドロゾルを基板上にスピンコーティングした後、数100℃で還元焼成して二酸化バナジウムのガラス状被膜を形成する方法、酸化バナジウムと酸化タングステンとを溶融法により合成した材料をビーズミルで粉砕して酸化バナジウムの微粒子を得る方法、及びバナジウム化合物を過酸化水素水に含有させたバナジウム含有液からバナジウム酸化物を析出させ、更に水素還元処理した後に加熱処理して二酸化バナジウムを製造する方法が記載されている。
特許文献3には、サーモクロミック材料として二酸化バナジウム単結晶微粒子が挙げられており、その製造方法として、五酸化二バナジウムV25、バナジン酸アンモニウムNH4VO3、三塩化酸化バナジウムVOCl3、メタバナジン酸ナトリウムNaVO3等と、ヒドラジンN24またはその水和物N24・nH2Oとの水溶液を水熱反応させる方法が記載されている。
特許文献4には、サーモクロミック材料として二酸化バナジウムが挙げられており、その製造方法として、五酸化二バナジウムV25と、シュウ酸(COOH)2やその水和物等の還元剤と、水とを含む混合液を水熱反応させることで二酸化バナジウムのロッド状ナノ粒子を作製する方法が記載されている。
特許文献5には、サーモクロミック材料となる二酸化バナジウムの製造方法として、バナジウムアルコキシド及びアルコールを含有するバナジウムアルコキシド溶液と塩基性水溶液とを反応させて酸化バナジウム前駆体を作製し、該酸化バナジウム前駆体を焼成した後に水素雰囲気中で還元することで二酸化バナジウム粒子とする方法が記載されている。
また、五酸化バナジウムを還元する方法として、五酸化バナジウム、酸化鉄、炭素質還元剤、スラグ形成剤を1350〜1650℃で加熱溶融してフェロバナジウムに還元する方法が特許文献6に記載されている。
非特許文献1には、五酸化バナジウムを高温で炭素を用いて還元して三酸化バナジウムV23を作製することが記載されている。
非特許文献2には、五酸化バナジウムを還元して金属バナジウムを製造する方法として、五酸化バナジウムと炭素材の混合物をアークプラズマで還元する方法が記載されているが、二酸化バナジウムVO2を製造することについては何ら開示されていない。
特開2010−163510号公報 特開2011−136873号公報 特開2011−178825号公報 特開2012−116737号公報 特開2013−71859号公報 特開2010−111941号公報
千谷利三著「新版 無機化学(中巻)」産業図書1980年p.567 宮内彰彦、岡部徹、日本金属学会誌第74巻第11号(2010)701−711
蓄熱材料として二酸化バナジウムVO2系蓄熱材料は公知のものであり、二酸化バナジウムVO2系蓄熱材料の製造方法に関し、特許文献1の製造方法では、五酸化バナジウムV25を水素−アルゴン雰囲気で熱処理してV23前駆体を形成し、更にV25及びWO3等をともに石英管に真空封入して熱処理するという二回の熱処理が必要であり、かつ二回目の熱処理では試料を石英管に封入することになるのでキログラム以上の量産製造には不向きであるという問題がある。
また、蓄熱材料用途ではないが、特許文献2〜5では二酸化バナジウムVO2を製造する方法として溶融法や湿式法が挙げられている。しかしながら、いずれの製造方法も必ずしも量産製造が容易であるというものではない。ヒドラジン、シュウ酸等の高価な還元剤を使用したりするので、低コストで製造できるような効率の良い二酸化バナジウムの製造方法ではないという問題がある。
二酸化バナジウムVO2の製造方法ではないが、特許文献6には五酸化バナジウムV25を還元する方法として、酸化鉄とスラグ形成剤も含むが炭素質還元剤を加えて1350〜1650℃で加熱溶融して還元することが記載されているが、酸化鉄とスラグ形成剤を入れずに二酸化バナジウムに還元できることやその要件についての記載も示唆もない。また、非特許文献1には、五酸化バナジウムV25を炭で還元してV23を作製できることが記載されているが、二酸化バナジウムVO2に還元できることやその要件についての記載も示唆もない。また、非特許文献2には、五酸化バナジウムV25を還元する方法として、五酸化バナジウムV25と炭素材の混合物をアークプラズマで還元して金属バナジウムを製造する方法が記載されているが、二酸化バナジウムVO2が形成できることやその要件についての記載も示唆もない。即ち、特許文献6や非特許文献1、2の方法では、十分な蓄熱特性を有するVO2系蓄熱材料を製造できないという問題がある。
本発明では、上記問題点に鑑みてなされたものであり、十分な蓄熱特性を有するVO2系蓄熱材料の製造方法であって、低コストで量産容易なVO2系蓄熱材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、二酸化バナジウムVO2の量産製造が可能な五酸化バナジウムV25の乾式還元方法、特に、五酸化バナジウムV25を炭素材で還元する方法に着目して鋭意研究を行った。従来技術では、五酸化バナジウムV25を炭素材で還元するとV23は製造できるが、二酸化バナジウムVO2は製造することができなかった。ところが、本発明者は研究の結果、五酸化バナジウムV25を炭素材で還元する際に、五酸化バナジウムV25と炭素材との混合割合を特定の範囲の混合物にして不活性雰囲気中で900℃を超え1542℃未満で加熱すれば、五酸化バナジウムV25を二酸化バナジウムVO2に還元でき、更に十分な蓄熱特性が得られるルチル構造のVO2系蓄熱材料を低コストで量産できることを見出して本発明を完成した。
更に、本発明者らは、前記製造方法において、前記混合物を匣鉢に充填する条件を工夫することで反応ムラが少なくなるので、高品質で歩留まりよく製造できることも見出している。
すなわち、本発明は、以下の要旨とするものである。
(1)五酸化バナジウムV25と炭素材とを混合する工程(a)、前記混合した混合物を不活性雰囲気中で加熱する工程(b)を含み、前記混合する工程(a)において、五酸化バナジウムV25と炭素材との混合割合が、五酸化バナジウムV25:炭素材中の炭素Cのモル比で1:0.41〜0.54の範囲であり、前記加熱する工程(b)において、該加熱温度が900℃を超え1542℃未満であることを特徴とするVO2系蓄熱材料の製造方法。
(2)更に、前記混合する工程(a)で調製した混合粉を充填密度0.8〜1.8g/cm3で匣鉢に充填する工程(c)を含むことを特徴とする本発明のVO2系蓄熱材料の製造方法。
(3)前記匣鉢に充填する工程(c)において、匣鉢に充填した混合粉にガス抜き孔を形成することを特徴とする本発明のVO2系蓄熱材料の製造方法。
(4)記混合する工程(a)において、バナジウムサイトを置換する元素を含む置換元素原料を混合することを特徴とする本発明のVO2系蓄熱材料の製造方法。
(5)前記混合する工程(a)が、五酸化バナジウムV25、酸化タングステンWO3、及び炭素材とを混合する工程であることを特徴とする本発明のVO2系蓄熱材料の製造方法。
(6)前記混合する工程(a)において、五酸化バナジウムV25と置換元素を含む置換元素原料とを混合した後に炭素材を加えて混合する工程であることを特徴とする本発明のVO2系蓄熱材料の製造方法。
(7)前記混合する工程(a)において使用する五酸化バナジウムV25の純度が、含有する総カチオンに対するバナジウムイオンのモル%とする純度で90%以上であることを特徴とする本発明のVO2系蓄熱材料の製造方法。
(8)前記混合する工程(a)において、五酸化バナジウムV25と炭素材との混合割合が、五酸化バナジウムV25:炭素材中の炭素Cのモル比で1:0.43〜0.51の範囲であることを特徴とする本発明のVO2系蓄熱材料の製造方法。
以上のように、本発明によれば、十分な蓄熱特性が得られるVO2系蓄熱材料を低コストで量産容易に製造することができる。また、高品質で歩留まりよく量産製造できる。
本発明の製造方法によって得られた蓄熱材料は、保冷剤、保温材、エネルギー貯蔵、排熱利用等の用途において低コストで好適に使用できる。また、サーモクロミック材料やその原料としても使用できる。
本発明の製造方法で作製したVO2蓄熱材料のX線回折図の例を示す図である。 本発明の製造方法で作製したVO2蓄熱材料のDSC曲線の例を示す図である。 匣鉢に充填した混合粉に形成すガス抜き孔の配置例を示す模式図である。 匣鉢に充填した混合粉に形成すガス抜き孔の配置例を示す模式図である。 匣鉢に充填した混合粉に形成すガス抜き孔の配置例を示す模式図である。 匣鉢に充填した混合粉に形成すガス抜き孔の配置例を示す模式図である。
本発明における蓄熱材料とは、電子相転移する物質であって二酸化バナジウムVO2系酸化物である。例えば、組成式(V1-xx)O2で表される酸化物である。ここで、xは、0≦x<1である。Mは、4価、5価、6価のカチオンである。例えば、Nb5+、Mo6+、Ru4+、Ta5+、W6+、Re4+、Os4+、Ir4+が挙げられる。Mの種類と量xは、蓄熱温度域の可変に利用され、蓄熱材料の用途によって適宜選定されるものである。例えば、Nb5+の場合、0≦x≦0.115、Mo6+の場合、0≦x≦0.161、Ru4+の場合、0≦x≦0.150、Ta5+の場合、0≦x≦0.117、W6+の場合、0≦x≦0.065、Re4+の場合、0≦x0.096であることが好ましい。
五酸化バナジウムV25(以下単にV25と言う)の乾式還元方法としては、V25を水素や炭素で還元する方法があるが、V25を水素ガス気流中で加熱する方法では三酸化バナジウムV23(以下単にV23と言う)に還元されてしまい二酸化バナジウムVO2(以下単にVO2と言う)は得られない。途中で還元を止めてもVO2は得られず、V25とV23との混合物が得られ、その混合比率の制御は不可能である。VO2を得るためにはV25とV23との混合物を石英管に真空封入して加熱処理する真空加熱炉が必要である。この方法では、特殊な真空加熱炉が必要でコストが高くつき、連続生産ができず量産製造はできない。
その際の乾式還元方法の反応式は、下記式(1)および(2)の2段階に分けた反応が必要であると考えられる。
25+2H2→V23+2H2O(水素ガスフローで加熱)・・・(1)
25+V23→4VO2(石英管に真空封入して加熱) ・・・(2)
また、V25と炭素材Cとを配合して強加熱する還元方法でもV23に還元されてしまう。
このように、V25を単に乾式還元してもV23が生成し、直接VO2が得られないのは、V25は天然で安定な化合物、V23は比較的安定な化合物であり、VO2は不安定な化合物であるから乾式還元方法でVO2を製造することはこれまで困難とされてきた。
本発明者は、V25を炭素で還元する方法について鋭意研究したところ、V25を炭素材で還元する際に、V25と炭素材との混合割合を特定の範囲の混合物にして不活性雰囲気中で900℃を超え1542℃未満で加熱すれば、V25をR型VO2に直接還元でき、また、不活性雰囲気は、例えば安価な窒素気流中でよく、特殊な密閉加熱炉(真空装置)は不要で連続的に量産容易に生産可能であることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明で、V25からVO2が得られる反応としては、下記式(3)および(4)に基づく二つの反応が一工程の加熱処理で生じているものと推定できる。
つまり、V25と炭素材とを混合して不活性ガス(例えば、N2ガス)フローで加熱すると、式(3)の反応が生じる。
2V25+C→V25+V23+CO2・・・(3)
ついで、継続して加熱することで、
25+V23→4VO2・・・(4)
の式(4)の反応によりVO2を製造することができる。
上記(3)式の反応については、以下の経過をたどるものと説明することができる。まず、2V25+2C→V25+V23+2COで発生したCOガスがN2気流中で散逸せずに瞬時に別のV25と反応して、V25+2CO→V23+2CO2の反応でさらにV23を生成し、もう一つ別のV25を右辺・左辺に加えて全体を2で割ると、上記(3)式を得ることができる。
このようにして生成した(V25+V23)の混合物をN2気流中で加熱することで、上記(4)式に示すV25+V23→4VO2の反応により、一工程の加熱処理でVO2を生成することができたものと推定できる。
また、Cをストイキオメトリー量(化学量論量)配合することで、R型(ルチル構造)のVO2ができることを知見した。
したがって、本発明によれば、V25からVO2を製造する還元処理を一工程で、大型の真空装置等を用いることなく実施でき、量産が可能となる。
本発明の蓄熱材料の製造方法は、V25と炭素材とを混合する工程(a)、前記混合物を不活性雰囲気で加熱する工程(b)を含むものである。更に、前記混合する工程(a)において、V25と炭素材(炭素C)との混合割合が、V25:炭素材中の炭素Cのモル比で1:0.41〜0.54の範囲であり、前記加熱する工程(b)において、該加熱温度が900℃を超え1542℃未満である。
本発明者は、本発明の工程(a)におけるV25と炭素材中の炭素Cとの混合割合が、上述のように特定の範囲であれば蓄熱特性に優れたVO2系蓄熱材料が得られることを見出した。混合割合が0.41未満では還元が不十分となり蓄熱特性を十分発揮できなない。一方、混合割合が0.54を超えると還元が進み過ぎたり、未反応の炭素が多く混合したりするので不適である。
25と炭素材(炭素C)との混合割合の関係は、
25+1/2C→2VO2+1/2CO2 ・・・(5)
の上記反応式(5)に基づいて考えられる。即ち、V25:炭素Cのモル比は、化学量論的に1:0.5となり、理論的には最も好ましい。実際には、前記化学量論比から外れる前述のような範囲内であれば、本発明の効果が得られるものである。より好ましい範囲は、V25:炭素Cのモル比で1:0.43〜0.51である。この範囲内であるとより大きな蓄熱量が得られる。更に好ましい範囲は、V25:炭素Cのモル比で1:0.44〜0.50である。この範囲内であると更に大きな蓄熱量が得られる。即ち、化学量論量又はそれより少なめの炭素C量とするのが最も大きな蓄熱量が得られる。
本発明の製造方法における反応は、上述のような多段階反応が起こっていると推定しているが、反応式(5)のようなV25と炭素材が反応して直接VO2まで還元反応が進んでいるとも考えることができる。その際に、副生成物として二酸化炭素CO2が発生する。
本発明者は、上記混合割合とともに本発明の加熱する工程(b)において、該加熱温度が900℃を超え1542℃未満とすることで蓄熱特性に優れたVO2系蓄熱材料が得られることを見出した。加熱温度が900℃以下では十分に反応が進まず、蓄熱特性に優れたVO2系蓄熱材料が得られない。より好ましくは1000℃以上である。一方、加熱温度が1542℃以上では還元が進みすぎたり、酸素欠損が生じたりして蓄熱特性に優れたVO2系蓄熱材料が得られない。特に、1400℃以下である方が加熱するエネルギーや設備のコストが抑えられるのでより好ましく、更に好ましくは1300℃以下である。
本発明における炭素材とは、例えば、石炭、木炭、コークス、天然黒鉛(天然グラファイト)、人造黒鉛(人造グラファイト)、活性炭、アセチレンブラック、カーボンブラック、等である。また、各種の有機物を炭化して得られる炭素材も使用できる。前記炭素材としては、チャー(残渣)の量が少ない方が、得られる蓄熱材料に含まれる不純物が少なくなるのでより好ましい。具体的なチャーの量は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以下である。よって、上述のV25:炭素Cのモル比における炭素Cは、炭素材に含有する炭素Cであり、炭素C以外のチャー等の不純物を除いたものである。
本発明の工程(a)における混合する方法は、特に限定しないが、湿式、乾式のいずれでもよく、乳鉢混合、振動ミル、ボールミル、遊星ボールミル、ビーズミル、ドラムミキサー、ピンミル、V型ミキサー、ロッキングミキサー、タンブラーミキサー、スーパーミキサー、等の既存の方法であればどのような方法でもよい。
本発明におけるV25は、含有する総カチオンに対するバナジウムイオンのモル%とする純度で90%以上が好ましく、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上である。尚、上限純度は100%となる。
本発明の工程(b)における不活性雰囲気とは、窒素N2、アルゴンAr、ヘリウムHe、二酸化炭素CO2等の不活性ガスを流通した雰囲気である。
本発明の工程(b)における加熱する方法は、該混合物を所定の温度に加熱できる方法であればどのような方法でもよく、例えば、電気ヒータ加熱、マイクロ波加熱、ガス燃焼加熱、赤外線加熱等が挙げられる。加熱時間は反応が完了する時間であればよく、特に限定するものではないが、加熱温度に応じて3〜13時間加熱するのが好ましく、より好ましくは4〜12時間である。すなわち、3時間未満では十分にVO2を生成させることができず、13時間を超えると熱損失になるだけで好ましくない。
更に、前記混合する工程(a)で調製した混合粉を充填密度0.8〜1.8g/cm3で匣鉢に充填する工程(c)を有するのが好ましい。通常セラミックス原料の焼成等では原料粉を匣鉢に単に入れるだけで焼成するが、本発明の前記混合粉を焼成するに際して匣鉢にできるだけ密に充填する方が、反応ムラが少なくなるのでより好ましい。これは、原料V25の融点が690℃付近であり、混合粉の充填密度が低すぎると昇温過程で未反応V25が液化して発生するCO2ガスで発泡する場合がある。しかしながら、充填密度を高くするとV25の融点までに反応が進み、V25の液化を防いだり液化V25の発生量を低減できる。このようなことから、前記混合粉を匣鉢に充填する充填密度が1.8g/cm3以上とするのが好ましく、0.8g/cm3未満の充填密度であると前記理由で反応ムラが生じ易くなる場合がある。一方、前記充填密度を上げる方がより好ましいものであるが、1.8g/cm3を超えるまで充填するのは難しく現実的ではない場合がある。匣鉢に前記混合粉を密に充填する方法としては、例えば、混合粉を入れた匣鉢に振動を与える、或いは匣鉢に振動を与えながら混合粉を入れる方法がある。また、混合粉を匣鉢に入れた後に混合粉の上から押し付けて充填密度を上げることもできる。本発明の充填密度は、匣鉢の内容量に対して充填された深さを測定して充填体積を求め、一方匣鉢に充填された混合粉の質量を測定し、前記充填混合粉質量/充填体積=充填密度で求められる。
前記匣鉢に充填する工程(c)において、図3A〜図3Dに示すように、匣鉢1に充填した混合粉2にガス抜き孔3を形成することでより品質に優れたVO2系蓄熱材料を製造できる。本製造方法では、反応式(5)にあるように二酸化炭素CO2のガスが発生するので、匣鉢1に充填した混合粉2が反応する際に発生するガスを効果的に系外に出ていけるようするのが好ましく、そのためにガス抜き孔3を形成する。ガス抜き孔3は、例えば、充填した混合粉2に棒を差し込んで穴を形成することができる。図3Aに示すように、棒の代わりに1cm〜5cm程度の径の孔形成型4を押し込んで形成することもできる。ガス抜き孔3の形状としては、例えば、円状、楕円状、四角状等が挙げられる。また、混合粉2を押し付けると同時にガス抜き孔3を形成できるような孔形成の突起部を有する板状の治具としてもよい。形成する孔の数は1つ以上であればよいが、10個以上では孔形成に手間がかかって好ましくない場合がある。図3A〜図3Dには、ガス抜き孔3の数が1個〜5個の例を示している。また、ガス抜き孔3の形状として円状(図3A〜図3C)と四角状(図3D)の例を示している。孔の深さは、特に限定しないが、混合粉の充填深さの1/4以上であるのがより好ましい。孔の最大深さは、混合粉の充填深さである。
前記混合する工程(a)において、バナジウムサイトを置換する元素を含む置換元素原料をV25と混合することによって、蓄熱温度域を可変にできる。前記置換元素の種類と置換量を設定することで所望の蓄熱温度にすることができる。前記置換元素Mとしては、公知の4価、5価、6価のカチオンが挙げられる。例えば、Nb5+、Mo6+、Ru4+、Ta5+、W6+、Re4+、Os4+、Ir4+である。前記置換元素Mの中でも、蓄熱温度の可変し易さの観点からW6+が好ましい。バナジウム置換元素Mの原料としては、Mを含む酸化物、炭酸塩、水酸化物等が使用できる。
バナジウム置換元素Mの原料を混合するには、V25及び炭素材に該原料を混合すればよいが、より好ましくは、該原料を予めV25と混合し、該混合物と炭素材を混合する。置換元素Mの原料を使用する場合には、組成式(V1-xx)O2で表される酸化物として蓄熱材料を作製する。置換元素Mの価数が4価の場合は、上記(5)式の反応で考える炭素材量とすれば良い。即ち、組成式(V4+ 1-x4+ x)O2である場合、置換元素Mに対してVが1−xとなる割合で原料V25を使用するが、使用する原料V25の量に対して炭素材はV25:炭素Cのモル比で化学量論的に1:0.5となり、上述のような範囲内が好ましい。
一方、置換元素Mの価数が4価以外の5価や6価の場合には、V5+イオンの還元が一部V4+イオンからV3+イオンまで進み、(V4+ 1-2x3+ x5+ x)O2、(V4+ 1-3x3+ 2x6+ x)O2の組成式となり、これを考慮した炭素材の量となる。即ち、組成式(V4+ 1-2x3+ x5+ x)O2の場合、置換元素Mに対してVは1−2x+x=1−xの割合であるが、V5+イオンの還元がV4+イオンだけでなく一部はV3+イオンまで還元することになるので見かけ上Mに対するVは1−2x+2x=1の割合であるとして炭素材の化学量論的必要量を決めることになる。よって、置換元素Mの添加量だけVの割合が少なくなるが、炭素材の量は置換元素Mが添加されていても見かけ上VO2であるとしてV25:炭素Cのモル比を考えればよい。組成式(V4+ 1-3x3+ 2x6+ x)O2の場合も同様であり、置換元素Mに対してVは1−3x+2x=1−xの割合であるが、V5+イオンの還元がV4+イオンだけでなく一部はV3+イオンまで還元することになるので見かけ上Mに対するVは1−3x+2×2x=1+xの割合であるとして炭素材の化学量論的必要量を決めることになる。
前述のバナジウム置換元素Mの原料の中でも、少量で蓄熱温度を大きく可変できること及び原料が扱い易いことという点から、酸化タングステンWO3が好ましい。よって、前記混合する工程(a)が、V25、WO3、及び炭素材とを混合するのが好ましい。
また、前記混合する工程(a)において、V25と置換元素Mを含む置換元素原料とを混合した後に炭素材を加えて混合するのがより好ましい。即ち、置換元素Mを含む置換元素原料は、V25に対して微量であるのでV25近くにある方が効率的に置換元素Mイオンを拡散できるので、その為には予めV25と置換元素Mを含む置換元素原料とを混合しておく方がよい。
前記混合する工程(a)において使用するV25の純度は高い方が望ましいが、少なくとも90%以上であるのが好ましい。V25の純度が90%以上であると、より大きな蓄熱量が得られる。V25の純度としては、95%以上、さらに好ましくは99%以上である。また、不純物にFeイオンが多く含まれると大きな蓄熱量が得られない場合がある。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。表1〜表9において、本発明から外れる数値・項目にアンダーラインを付している。
(実施例1)
25及び炭素材を表1の各割合になるように計量し、合計で20gをクロム鋳鋼ベッセルに入れて1分間振動ミルにて乾式混合した。得られた各混合粉を石英ボートに入れ、管状雰囲気焼成炉にて表1の条件で焼成した。
焼成して得られた試料は、CuKαのX線源の粉末X線回折(XRD)装置((株)リガク製 RINT−2100を用いて粉末X線回折パターンを測定して生成相の同定を行った。その例を図1に示した。図1において、縦軸は回折強度、横軸は回折角度(2θ)である。粉末X線回折パターンの測定結果から、JCPDS(Joint Comittee on Powder Diffraction Standard)カードにおける43−1051のパターンによく一致するルチル構造(正方晶系)のVO2が生成していることが確認できた。
また、蓄熱量と蓄熱温度(転移温度)は、示差走査熱量(DSC)測定装置(セイコーインスツルメンツ(株)製EXSTAR6000シリーズDSC6200)を用いて測定した。その例を図2に示した。図2はVO2の測定結果である。縦軸は示差走査熱量、横軸は温度である。一般に示差走査熱量は、基準物質と試料に所定の熱量を与えた時の温度差、又は両者を所定の温度にするために要した熱量の差を表すものである。図2は基準物質と試料に所定の熱量を与えた時の温度差を測定したものである。蓄熱量は転移熱量であり、DSCの転移ピークの面積から算出する。蓄熱温度は転移温度であり、DSCの転移ピークから図2に示したようにして求める。
表1の「生成相」欄には、VO2単相:「S」、VO2相の最強ピーク(2θで28度付近)に対する不純物相(異相)ピークの面積比が0.1以下である場合:「A」、前記ピーク面積比が0.1を超え0.2以下の場合:「C」、前記ピーク面積比が0.2を超える場合:「×」として表している。S、A、Cは本発明の良好範囲内である。
表1の「蓄熱量」欄には、蓄熱量が50J/g以上の場合:「S」、蓄熱量が40J/g以上50J/g未満の場合:「A」、蓄熱量が20J/g以上40J/g未満の場合:「C」、蓄熱量が20J/g未満の場合:「X」として表している。S、A、Cは本発明の良好範囲内である。
表1に示しているように、No.1−1及びNo.1−11は、V25:炭素Cのモル比が1:0.41〜0.54を超えていたので十分な蓄熱量が得られなかったが、No.1−2〜No.1−10は本発明の範囲内であり十分な蓄熱量が得られた。No.1−12は、熱処理温度が低すぎるために十分な蓄熱量が得られず、一方、No.1−17は、熱処理温度が高すぎて溶融してしまった。No.1−13〜No.1−16、No.1−28、No.1−29は本発明の範囲内であり十分な蓄熱量が得られた。No.1−18〜No.1−20は、熱処理時間を変えたものであるが、いずれも十分な蓄熱量が得られた。No.1−21は、熱処理雰囲気を空気にしたものであるが、不活性雰囲気でなかったのでVO2相は得られなかった。一方、熱処理雰囲気をアルゴンにしたNo.1−22でも十分な蓄熱量が得られた。No.1−24及びNo.1−25にあるように、V25の純度が高くなるほどより優れた蓄熱量を示した。No.1−26及びNo.1−27では、炭素材を木炭やカーボンブラックにしても十分な蓄熱量が得られた。尚、蓄熱温度(相転移温度)は、蓄熱量が測定できたいずれの試料も64℃〜66℃の範囲内であった。
Figure 0005902361
(実施例2)
25、炭素材、置換元素原料を表2−1〜表2−3の各割合になるように計量し、合計で20gをクロム鋳鋼ベッセルに入れて1分間振動ミルにて乾式混合した。
得られた各混合粉をアルミナボートに入れ、管状雰囲気焼成炉にて表2−1〜表2−3の条件で焼成した。
得られた試料は、実施例1と同様の方法で評価した。但し、生成相はV1-xx2である。尚、Mは置換元素を示す。尚、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法で生成物の組成分析をしているが、生成物の組成は表2−1〜表2−3の仕込み組成と一致している。
表2−1〜表2−3に示しているように、No.2−1、No.2−11、No.2−12、No.2−22、No.2−23、No.2−33、No.2−34、No.2−44は、V25:炭素Cのモル比が1:0.41〜0.54の範囲内でないので十分な蓄熱量が得られなかったが、No.2−2〜No.2−10、No.2−13〜No.2−21、No.2−24〜No.2−32、No.2−35〜No.2−43、No.2−45〜No.2−47は本発明の範囲内であり十分な蓄熱量が得られた。No.2−48は、熱処理温度が低すぎるために十分な蓄熱量が得られず、一方、No.2−53は、熱処理温度が高すぎて溶融してしまった。No.2−49〜No.2−52は本発明の範囲内であり十分な蓄熱量が得られた。No.2−54〜No.2−56は、熱処理時間を変えたものであるが、いずれも十分な蓄熱量が得られた。No.2−57は、熱処理雰囲気を空気にしたものであるが、不活性雰囲気でなかったのでV1-xx2相は得られなかった。一方、熱処理雰囲気をアルゴンにしたNo.2−58でも十分な蓄熱量が得られた。No.2−59及びNo.2−61にあるように、V25の純度が高くなるほどより優れた蓄熱量を示した。No.2−62及びNo.2−63では、炭素材を木炭やカーボンブラックにしても十分な蓄熱量が得られた。
また、置換元素によって蓄熱温度(転移温度)が変化した。
Figure 0005902361
Figure 0005902361
Figure 0005902361
(実施例3)
25、炭素材(天然黒鉛)、置換元素原料(Nb酸化物、Mo酸化物)を表3の各割合になるように計量し、合計で20gをクロム鋳鋼ベッセルに入れて1分間振動ミルにて乾式混合した。得られた各混合粉をアルミナボートに入れ、管状雰囲気焼成炉にて表3の条件で焼成した。
得られた試料は、実施例1と同様の方法で評価した。但し、生成相はV1-xx2である。尚、Mは置換元素を示す。尚、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法で生成物の組成分析をしているが、生成物の組成は表3の仕込み組成と一致している。
表3に示しているように、W以外の置換元素(Nb、Mo)についても表3の置換元素原料を用いて本発明の製造方法によれば良好な特性を有する蓄熱材料を作製できた。
Figure 0005902361
(実施例4)
25、炭素材(天然黒鉛)、置換元素原料(WO3)を表4の各割合になるように合計で20gになるように計量し、まず、V25と置換元素原料をクロム鋳鋼ベッセルに入れて1分間振動ミルにて乾式混合した。次に炭素材を加えて更に1分間振動ミルにて乾式混合した。得られた各混合粉をアルミナボートに入れ、管状雰囲気焼成炉にて表4の条件で焼成した。
得られた試料は、実施例1と同様の方法で評価した。但し、生成相はV1-xx2である。尚、Mは置換元素を示す。尚、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法で生成物の組成分析をしているが、生成物の組成(V0.9900.0102)は表4の仕込み組成と一致している。
表4に示すように、V25と置換元素原料を予め混合する方が熱処理条件を短時間にしても優れた特性を有する蓄熱材料が得られた。
Figure 0005902361
(実施例5)
25と炭素材、又は、V25と炭素材(天然黒鉛)と置換元素原料を表5の各割合になるように合計で10kgになるように計量し、ドラムミキサーで3時間混合した後、ピンミルを通して乾式混合した。
得られた各混合粉を匣鉢に2kgずつ入れ、5つの匣鉢を箱型雰囲気焼成炉内に積み上げて表5の条件で焼成した。
得られた試料は、実施例1と同様の方法で評価した。但し、生成相はV1-xx2である。尚、Mは置換元素を示す。尚、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法で置換元素原料を添加した生成物の組成分析をしているが、生成物の組成(V0.9950.0052)は表5の仕込み組成と一致している。
表5に示すように、本発明の製造方法によれば製造量を増やしても良好な特性を有する蓄熱材料が得られることが分かる。
Figure 0005902361
(実施例6)
酸化ルテニウムRuO4、酸化タンタルTa25、酸化レニウムReO3、酸化オスニウムOsO4、酸化イリジウムIrO2の各置換元素原料を用いて、実施例3と同様に蓄熱材料を作製した。上記実施例と同様な結果が得られ、本発明の製造方法によれば良好な特性を有する蓄熱材料を作製できることを確認できた。
(実施例7)
25及び炭素材を表6−1〜表6−4の各割合になるように計量し、合計で3kgをカワタ製スーパーミキサーにて1時間乾式混合した。得られた各混合粉を表6−1〜表6−4に示した充填密度になるように混合粉を押しつけて300mm×300mm×150mmの匣鉢に充填し、N2気流中の雰囲気焼成炉にて表6−1〜表6−4の条件で焼成した。尚、匣鉢に充填した混合粉には、表6−1〜表6−4の「孔」欄記載の個数のガス抜き孔を15mm径の棒を用いて形成した。
ここで、充填密度は、孔を形成する前に匣鉢に充填された混合粉の深さ(=150mm−未充填深さ)を測定して充填体積を求め、一方充填質量は天秤で空匣鉢と充填匣鉢を測定して求め、充填質量/充填体積として算出した。
焼成して得られた試料は、CuKαのX線源の粉末X線回折(XRD)装置((株)リガク製 RINT−2100を用いて粉末X線回折パターンを測定して生成相の同定を行った。その例を図1に示した。図1において、縦軸は回折強度、横軸は回折角度(2θ)である。粉末X線回折パターンの測定結果から、JCPDS(Joint Comittee on Powder Diffraction Standard)カードにおける43−1051のパターンによく一致するルチル構造(正方晶系)のVO2が生成していることが確認できた。また、蓄熱量と蓄熱温度(転移温度)は、示差走査熱量(DSC)測定装置(セイコーインスツルメンツ(株)製 EXSTAR6000シリーズDSC6200)を用いて測定した。その例を図2に示した。図2はVO2の測定結果である。縦軸は示差走査熱量、横軸は温度である。一般に示差走査熱量は、基準物質と試料に所定の熱量を与えた時の温度差、又は両者を所定の温度にするために要した熱量の差を表すものである。図2は基準物質と試料に所定の熱量を与えた時の温度差を測定したものである。
表6−1〜表6−4の「生成相」欄には、VO2単相:「S」、VO2相の最強ピーク(2θで28度付近)に対する不純物相(異相)ピークの面積比が0.1以下である場合:「A」、前記ピーク面積比が0.1を超え0.2以下の場合:「C」、前記ピーク面積比が0.2を超える場合:「X」として表している。S、A、Cは本発明の良好範囲内である。
表6−1〜表6−4の「蓄熱量」欄には、蓄熱量が50J/g以上の場合:「S」、蓄熱量が40J/g以上50J/g未満の場合:「A」、蓄熱量が20J/g以上40J/g未満の場合:「C」、蓄熱量が20J/g未満の場合:「X」として表している。S、A、Cは本発明の良好範囲内である。
前記「生成相」及び「蓄熱量」は、匣鉢から取り出した粉末を測定したものであるが、反応ムラを調べるために別途、匣鉢から取り出す前に匣鉢の中心部と角部(匣鉢側壁から1cm以内)とからサンプルを取って蓄熱量を測定している。匣鉢の中心部と角部の蓄熱量差が、2J/g未満の場合:「S」、蓄熱量差が2J/g以上5J/g未満の場合:「A」、蓄熱量差が5J/g以上10J/g未満の場合:「B」、蓄熱量差が10J/g以上の場合:「C」として表している。また、蓄熱量が20J/g未満のサンプルについては、蓄熱量差が反応ムラとして表現できないので「−」で表している。S、A、B、Cは本発明の良好範囲内である。
表6−1〜表6−4に示しているように、No.6−1、6−2及びNo.6−37、6−38は、V25:炭素Cのモル比が1:0.41〜0.54を超えていたので十分な蓄熱量が得られなかったが、No.6−3〜No.6−36は本発明の範囲内であり十分な蓄熱量が得られた。No.6−39、40は、熱処理温度が低すぎるために十分な蓄熱量が得られず、一方、No.6−59、6−60は、熱処理温度が高すぎて溶融してしまった。No.6−41〜No.6−58は本発明の範囲内であり十分な蓄熱量が得られた。No.6−61〜No.6−69は、熱処理時間を変えたものであるが、いずれも十分な蓄熱量が得られた。No.6−70、6−71は、熱処理雰囲気を空気にしたものであるが、不活性雰囲気でなかったのでVO2相は得られなかった。一方、熱処理雰囲気をアルゴンにしたNo.6−72〜74でも十分な蓄熱量が得られた。No.6−75〜83にあるように、V25の純度が高くなるほどより優れた蓄熱量を示した。No.6−84〜89では、炭素材を木炭やカーボンブラックにしても十分な蓄熱量が得られた。尚、蓄熱温度(相転移温度)は、蓄熱量が測定できたいずれの試料も64℃〜66℃の範囲内であった。
表6−1〜表6−4に示すように、混合粉の充填密度が0.8g/cm3以上であれば蓄熱量差が小さく、反応ムラが少ないものであった。充填密度の最大は1.8g/cm3であり、これ以上充填密度を上げることはできなかった。また、匣鉢に充填した混合粉にガス抜き孔を施した方が蓄熱量差が小さくなる傾向であった。
Figure 0005902361
Figure 0005902361
Figure 0005902361
Figure 0005902361
(実施例8)
25、炭素材、置換元素原料を表7−1〜表7−12の各割合になるように計量し、合計で3kgをカワタ製スーパーミキサーにて1時間乾式混合した。得られた各混合粉を表6に示した充填密度になるように混合粉を押しつけて300mm×300mm×150mmの匣鉢に充填し、N2気流中の雰囲気焼成炉にて表7−1〜表7−12の条件で焼成した。尚、匣鉢に充填した混合粉には、表7−1〜表7−12の「孔」欄記載の個数のガス抜き孔を15mm径の棒を用いて形成した。
得られた試料は、実施例7と同様の方法で評価した。但し、生成相はV1-xx2である。尚、Mは置換元素を示す。尚、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法で生成物の組成分析をしているが、生成物の組成は表7−1〜表7−12の仕込み組成と一致している。
表7−1〜表7−12に示しているように、No.7−1〜2、No.7−50〜53、No.7−101〜104、No.7−148〜151、No.7−187〜188は、V25:炭素Cのモル比が1:0.41〜0.54の範囲内でないので十分な蓄熱量が得られなかったが、No.7−3〜No.2−49、No.7−54〜No.7−100、No.7−105〜No.7−147、No.7−152〜No.7−186、No.7−189〜No.7−201は本発明の範囲内であり十分な蓄熱量が得られた。No.7−202〜203は、熱処理温度が低すぎるために十分な蓄熱量が得られず、一方、No.7−222〜223は、熱処理温度が高すぎて溶融してしまった。No.7−204〜No.7−221は本発明の範囲内であり十分な蓄熱量が得られた。No.7−224〜No.7−232は、熱処理時間を変えたものであるが、いずれも十分な蓄熱量が得られた。No.7−233〜234は、熱処理雰囲気を空気にしたものであるが、不活性雰囲気でなかったのでV1-xx2相は得られなかった。一方、熱処理雰囲気をアルゴンにしたNo.7−235〜237でも十分な蓄熱量が得られた。No.7−238〜246にあるように、V25の純度が高くなるほどより優れた蓄熱量を示した。No.7−247〜249及びNo.7−250〜252では、炭素材を木炭やカーボンブラックにしても十分な蓄熱量が得られた。
また、置換元素によって蓄熱温度(転移温度)が変化した。
表7−1〜表7−12に示すように、混合粉の充填密度が0.8g/cm3以上であれば蓄熱量差が小さく、反応ムラが少ないものであった。充填密度の最大は1.8g/cm3であり、これ以上充填密度を上げることはできなかった。また、匣鉢に充填した混合粉にガス抜き孔を施した方が蓄熱量差が小さくなる傾向であった。
Figure 0005902361
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(実施例9)
25、炭素材(天然黒鉛)、置換元素原料(Nb酸化物、Mo酸化物)を表8−1〜表8−4の各割合になるように計量し、合計で3kgをカワタ製スーパーミキサーにて1時間乾式混合した。得られた各混合粉を表8−1〜表8−4に示した充填密度になるように混合粉を押しつけて300mm×300mm×150mmの匣鉢に充填し、N2気流中の雰囲気焼成炉にて表8−1〜表8−4の条件で焼成した。尚、匣鉢に充填した混合粉には、表8−1〜表8−4の「孔」欄記載の個数のガス抜き孔を15mm径の棒を用いて形成した。
得られた試料は、実施例7と同様の方法で評価した。但し、生成相はV1-xx2である。尚、Mは置換元素を示す。尚、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法で生成物の組成分析をしているが、生成物の組成は表8−1〜表8−4の仕込み組成と一致している。
表8−1〜表8−4に示しているように、W以外の置換元素(Nb、Mo)についても表8の置換元素原料を用いて本発明の製造方法によれば良好な特性を有する蓄熱材料を作製できた。
表8−1〜表8−4に示すように、W以外の置換元素(Nb、Mo)についても、混合粉の充填密度が0.8g/cm3以上であれば蓄熱量差が小さく、反応ムラが少ないものであった。充填密度の最大は1.8g/cm3であり、これ以上充填密度を上げることはできなかった。また、匣鉢に充填した混合粉にガス抜き孔を施した方が蓄熱量差が小さくなる傾向であった。
Figure 0005902361
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Figure 0005902361
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(実施例10)
25、炭素材(天然黒鉛)、置換元素原料(WO3)を表9の各割合になるように合計で3kgになるように計量し、まず、V25と置換元素原料をカワタ製スーパーミキサーにて1時間乾式混合した。次に炭素材を加えて更に同スーパーミキサーにて1時間乾式混合した。得られた各混合粉を表9に示した充填密度になるように混合粉を押しつけて300mm×300mm×150mmの匣鉢に充填し、N2気流中の雰囲気焼成炉にて表9の条件で焼成した。尚、匣鉢に充填した混合粉には、表9の「孔」欄記載の個数のガス抜き孔を15mm径の棒を用いて形成した。
得られた試料は、実施例7と同様の方法で評価した。但し、生成相はV1-xx2である。尚、Mは置換元素を示す。尚、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法で生成物の組成分析をしているが、生成物の組成(V0.9900.0102)は表9の仕込み組成と一致している。
表9に示すように、V25と置換元素原料を予め混合する方が熱処理条件を短時間にしても優れた特性を有する蓄熱材料が得られた。
表9に示すように、混合粉の充填密度が0.8g/cm3以上であれば蓄熱量差が小さく、反応ムラが少ないものであった。充填密度の最大は1.8g/cm3であり、これ以上充填密度を上げることはできなかった。また、匣鉢に充填した混合粉にガス抜き孔を施した方が蓄熱量差が小さくなる傾向であった。
Figure 0005902361
(実施例11)
酸化ルテニウムRuO4、酸化タンタルTa25、酸化レニウムReO3、酸化オスニウムOsO4、酸化イリジウムIrO2の各置換元素原料を用いて、実施例9と同様に蓄熱材料を作製した。上記実施例と同様な結果が得られ、本発明の製造方法によれば良好な特性を有する蓄熱材料を作製できることを確認できた。
(実施例12)
実施例7〜12において、孔の深さは、混合粉の充填深さの1/3としたが、混合粉の充填深さの1/4以上から混合粉の充填深さであれば、孔を形成する効果が確認できた。孔の深さが充填深さの1/5では、孔を形成する効果が現れなかった。
1 匣鉢
2 混合粉
3 ガス抜き孔
4 孔形成型

Claims (7)

  1. 五酸化バナジウムV25と炭素材Cとを混合する工程(a)、
    前記混合する工程(a)で調製した混合粉を充填密度0.8〜1.8g/cm 3 で匣鉢に充填する工程(c)、
    前記混合した混合物を不活性雰囲気中で加熱する工程(b)を含み、
    前記混合する工程(a)において、五酸化バナジウムV25と炭素材との混合割合が、五酸化バナジウムV25:炭素材中の炭素Cのモル比で1:0.41〜0.54の範囲であり、
    前記加熱する工程(b)において、該加熱温度が900℃を超え1542℃未満であることを特徴とするVO2系蓄熱材料の製造方法。
  2. 前記匣鉢に充填する工程(c)において、匣鉢に充填した混合粉にガス抜き孔を形成することを特徴とする請求項に記載のVO2系蓄熱材料の製造方法。
  3. 前記混合する工程(a)において、バナジウムサイトを置換する元素を含む置換元素原料を混合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のVO2系蓄熱材料の製造方法。
  4. 前記混合する工程(a)が、五酸化バナジウムV25、酸化タングステンWO3、及び炭素材とを混合する工程であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のVO2系蓄熱材料の製造方法。
  5. 前記混合する工程(a)において、五酸化バナジウムV25と置換元素を含む置換元素原料とを混合した後に炭素材を加えて混合する工程であることを特徴とする請求項又は請求項4に記載のVO2系蓄熱材料の製造方法。
  6. 前記混合する工程(a)において使用する五酸化バナジウムV25の純度が、含有する総カチオンに対するバナジウムイオンのモル%とする純度で90%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のVO2系蓄熱材料の製造方法。
  7. 前記混合する工程(a)において、五酸化バナジウムV25と炭素材との混合割合が、五酸化バナジウムV25:炭素材中の炭素Cのモル比で1:0.43〜0.51の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のVO2系蓄熱材料の製造方法。
JP2015543174A 2014-11-26 2015-08-26 二酸化バナジウム系蓄熱材料の製造方法 Active JP5902361B1 (ja)

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