JP5901994B2 - ゴム用配合剤及びゴム組成物の製造方法 - Google Patents

ゴム用配合剤及びゴム組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゴム組成物に関し、また、ゴム組成物に配合されるゴム用配合剤の製造方法に関するものである。
従来、ゴム組成物の高弾性化のために、硫黄量を増量させたり、補強性充填剤としてのフィラー量を増量させたりする手法がある。しかしながら、これらの手法では、低発熱性や耐摩耗性などを満足させることは難しい。低発熱性は、ヒステリシスロスが小さいという特性であり、特にタイヤ用ゴム組成物においては、タイヤの転がり抵抗を低減させて低燃費性を向上する上で重要な特性であるが、上記のように高弾性化とはトレードオフの関係にあるため、両者のバランスを向上することが求められる。
下記特許文献1,2には、フィラーの一部を、架橋されたジエン系ゴム粒子からなるゴムゲルで置換する手法が開示されているが、高弾性化という点で不十分である。
特許第3299343号公報 特開平10−204217号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、高弾性化と低発熱性のバランスを向上することができるゴム組成物、及び、ゴム組成物に配合することで高弾性化と低発熱性のバランスを向上することができるゴム用配合剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るゴム用配合剤の製造方法は、架橋されたジエン系ゴム粒子からなるゴムゲルを有機溶剤にて膨潤させて樹脂を前記ゴムゲルの内部に含浸させた後、前記有機溶剤を除去することで、樹脂含有ゴムゲルからなるゴム用配合剤を得るものである。
本発明に係るゴム組成物の製造方法は、上記製造方法により得られたゴム用配合剤1〜100質量部と、マトリックスゴム成分としてのジエン系ゴム100質量部と、を混合するものである。
ゴムゲルに樹脂を含浸させてなる樹脂含有ゴムゲルは、その内部に樹脂を保持していることに加えて、もともとジエン系ゴム粒子からなるものであるため、マトリックスゴムとの架橋サイトを有し、マトリックスゴムとの共架橋が可能である。そのため、かかる樹脂含有ゴムゲルをゴム組成物に配合することにより、樹脂とマトリックスゴムとがゴムゲルを介して強固に結合するものと考えられ、これにより効果的に補強性を向上できると考えられる。よって、本発明によれば、高弾性化と低発熱性のバランスを向上することができる。
実施形態に係る樹脂含有ゴムゲルの製造工程を模式的に示した説明図である。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
実施形態に係るゴム組成物は、(A)ジエン系ゴムと、(B)樹脂含有ゴムゲルと、を含有するものであり、ジエン系ゴムを連続相、即ちマトリックスゴム成分として、これに分散相としての樹脂含有ゴムゲルが分散したものである。
上記(A)のマトリックスゴム成分としてのジエン系ゴムとしては、架橋されていない原料ゴムが用いられ、当然のことながら架橋されたジエン系ゴム粒子であるゴムゲルは、該マトリックスゴム成分としてのジエン系ゴムには含まれない。該ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。上記の中でも、タイヤ用に用いる場合、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴムのいずれか1種又は2種以上のブレンドが好ましい。
上記(B)の樹脂含有ゴムゲルは、架橋されたジエン系ゴム粒子からなるゴムゲルの内部に樹脂を含浸させることで得られたものである。かかる樹脂含有ゴムゲルをゴム組成物に配合することにより、ゴムゲルと樹脂を別々に配合する場合に比べて、高弾性化と低発熱性のバランスを向上することができる。その理由は次のように考えられる。上記樹脂含有ゴムゲルでは、樹脂とゴムゲル分子が絡み合いにより結合していることに加え、ジエン系ゴム粒子からなるゴムゲルがマトリックスゴムと共架橋している。従って、結果的に樹脂とマトリックスゴムとが、ゴムゲルを介して強固に結合することになり、樹脂自体による補強効果に加えて、樹脂がゴムゲルを介してマトリックスゴムに結合していることによる補強効果も得られる。これに対し、樹脂を単独使用した場合では、マトリックスゴムとの架橋サイトを持たないため、樹脂自体による補強効果しか得られず、補強性の増加幅が小さい。そのため、樹脂含有ゴムゲルを配合することによって、より効果的に補強性を向上することができるので、低発熱性の悪化を抑えながら高弾性化を図ることができ、よって、高弾性化と低発熱性のバランスが向上する。
上記ゴムゲルは、ジエン系ゴム構造を有する架橋体からなる微粒子状ゴムであり、ゴム分散液を架橋することにより製造することができる。ゴム分散液としては、懸濁重合により製造されるゴムラテックス、溶液重合されたゴムを水中に乳化させて得られるゴム分散液などが挙げられ、また、架橋剤としては、有機ペルオキシド、硫黄系架橋剤など挙げられる。また、ゴム粒子の架橋は、ゴムの乳化重合中に、架橋作用を持つ多官能化合物との共重合によっても行うことができる。具体的には、例えば、特開平6−57038号公報、特開平10−204225号公報、特表2004−504465号公報、特表2004−506058号公報、特表2004−530760号公報などに開示の方法を用いることができる。
ゴムゲルを構成するジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、ニトリルゴムなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。好ましくは、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムを主成分とするものである。
ゴムゲルのガラス転移温度(Tg)は−100〜−10℃であることが好ましい。このようなガラス転移温度の低いゴムゲルを用いることでヒステリシスロスを低くして低発熱化を図ることができる。ガラス転移温度は、より好ましくは、−100〜−50℃である。ゴムゲルのガラス転移温度は、ベースとなるジエン系ゴムの種類と、その架橋度により調整することができる。ガラス転移温度は、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定される値(昇温速度20℃/分)である。
ゴムゲルの粒径は、マトリックスゴム成分に対する分散性や低発熱性、補強性等の観点から、平均粒子径(DIN 53 206によるDVN値(d50))が5〜2000nmであることが好ましく、より好ましくは10〜500nmであり、更に好ましくは20〜200nmである。
ゴムゲルとしては、特に限定するものではないが、トルエン膨潤指数Qiが2〜16であるものが好ましく用いられる。トルエン膨潤指数は、より好ましくは3〜10であり、更に好ましくは4〜8である。トルエン膨潤指数Qiが小さすぎると、有機溶剤による膨潤が小さくなって樹脂を含浸させることが困難となる。逆にQiが大きすぎると、粒子が柔らかくなり、補強効果を向上する効果が小さくなるおそれがある。ここで、トルエン膨潤指数は、ゴムゲルをトルエンに膨潤させた後、乾燥させることにより測定される。すなわち、ゴムゲル250mgを、トルエン25mL中で、24時間、振とう下に膨潤させ、20000rpmで遠心分離してから、濡れ質量を秤量し、次いで70℃で質量一定まで乾燥させてから、乾燥質量を秤量して、Qi=(ゲルの濡れ質量)/(ゲルの乾燥質量)により求められる。
ゴムゲルとしては、官能基を有する変性ジエン系ゴム粒子であってもよい。官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、スルホ基などのヘテロ原子を含むものが挙げられる。このような官能基は、ジエン系ゴムの重合時に、官能基が導入されたモノマーを用いて合成してもよく、また重合後の活性末端に官能基を導入してなる末端変性ゴムを用いることもできる。また、上記架橋によりジエン系ゴム粒子を作製した後に、その粒子表面のC=C二重結合に対して官能基を有する化合物を反応させることにより、粒子表面に官能基を組み込むこともできる。
上記ゴムゲルに含浸させる樹脂としては、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもよく、両者を併用してもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、スチレン、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの単独又は共付加重合体であるビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記フェノール樹脂としては、フェノール、レゾルシン又はこれらのアルキル誘導体(例えば、クレゾール、キシレノール)等のフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合した各種フェノール樹脂、例えば、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、及びこれらの変性樹脂等を用いることができる。フェノール樹脂を用いる場合、上記マトリックスゴム成分との混練時に、硬化剤として、ヘキサメチレンテトラミンやメラミン誘導体等のメチレン供与体を配合することが好ましい。メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、メチロールメラミンの部分エーテル化物、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物等が用いられ、その中でもヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。メチレン供与体の配合量は、特に限定されないが、フェノール樹脂100質量部に対して5〜200質量部であることが好ましい。
樹脂含有ゴムゲル中における樹脂の含有量は、ゴムゲル(樹脂を含有させる前のゴムゲル)100質量部に対して、例えば1〜20質量部とすることができ、好ましくは5〜10質量部である。特に5〜10質量部とすることにより、高弾性化と低発熱性のバランスをより向上させることができる。
このような樹脂含有ゴムゲルは、以下のようにして製造することができる。すなわち、図1に示すように、ゴムゲルを有機溶剤にて膨潤させ、これに樹脂を添加することで樹脂をゴムゲルの内部に含浸させた後、乾燥等により有機溶剤を除去することにより、樹脂含有ゴムゲルが得られる。有機溶剤としては、ゴムゲルを膨潤させることができるとともに、樹脂を溶解させることができるものであれば、特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ヘキサン、ジオキサン等が挙げられる。なお、予め樹脂を有機溶剤に溶解させてから、得られた樹脂溶液をゴムゲルに加えて膨潤させることにより、樹脂をゴムゲル内部に含浸させてもよい。
該樹脂含有ゴムゲルは、ゴム組成物に配合するためのゴム用配合剤として用いられ、その配合量は、上記(A)のジエン系ゴム100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜100質量部であり、更に好ましくは10〜50質量部である。樹脂含有ゴムゲルの配合量が少なすぎると、弾性率を向上させる効果が不十分となり、逆に、配合量が多すぎると、破断伸びが低下してしまう。
本実施形態に係るゴム組成物には、シリカやカーボンブラック等の補強性充填剤(無機充填剤)を配合することが好ましい。これらの補強性充填剤は、マトリックスゴム成分との混練時に上記樹脂含有ゴムゲルを剪断によって分散させる効果を発揮すると考えられる。そのため、補強性充填剤を配合することにより、樹脂含有ゴムゲルによる弾性率の向上効果を発揮させやすくすることができ、また、破断伸びの低下を抑えることができる。補強性充填剤の配合量は、上記(A)のジエン系ゴム100質量部に対して30〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは30〜100質量部であり、更に好ましくは40〜70質量部である。
該補強性充填剤としてのシリカとしては、特に限定されず、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられ、そのうち含水珪酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。シリカのBET比表面積は、特に限定されないが50〜250m/gであることが好ましく、より好ましくは130〜220m/gである。BET比表面積は、BET法による窒素吸着比表面積であり、ISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。なお、補強性充填剤としてシリカを配合する場合、スルフィドシランやメルカプトシランなどのシランカップリング剤を併用することが好ましく、シランカップリング剤は、通常、シリカ100質量部に対して2〜25質量部にて用いることができる。
また、該補強性充填剤としてのカーボンブラックとしては、特に限定されず、例えば、SAFクラス(N100番台)、ISAFクラス(N200番台)、HAFクラス(N300番台)、FEF(N500番台)、GPF(N600番台)(ともにASTMグレード)のものなどが挙げられる。なお、これらのカーボンブラックやシリカ等の補強性充填剤は、いずれか一種を単独で用いてもよく、あるいはまた複数種を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の成分の他に、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される種々の添加剤を任意に配合することができる。ゴム組成物を製造するに際しては、マトリックスゴム成分としてのジエン系ゴムに、樹脂含有ゴムゲル、補強性充填剤、及びこれらの添加剤を添加し、混合(混練)すればよい。通常は、第1混合段階で、加硫剤や加硫促進剤などの加硫系添加剤を除く薬品を、樹脂含有ゴムゲル及び補強性充填剤とともに、マトリックスゴム成分としてのジエン系ゴムに添加し混練しておいて、その後の第2混合段階で、第1混合段階で得られた混練物に加硫系添加剤を添加し混合することによりゴム組成物を製造することができる。混合には、ゴム組成物の調製において一般に用いられるバンバリーミキサーやオープンロール、単軸混練機、二軸混練機等の混合機を用いることができる。
上記加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は、上記(A)のジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、上記(A)のジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
このようにして得られるゴム組成物は、常法に従い加硫成形することにより、例えば、トレッドやサイドウォール、ベルトやプライのトッピングゴム、ビードフィラー、リムストリップ等のタイヤ、コンベアベルト、防振ゴムなどの各種用途に用いることができる。好ましくは、該ゴム組成物は、低発熱性の悪化を抑えながら、高弾性化を図ることができるので、空気入りタイヤのゴム部材として用いることであり、タイヤに要求される補強性と低燃費性のバランスを向上することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[ゴムゲルの合成]
ゴムゲルの合成はブタジエンラテックスを合成した後に有機過酸化物を添加し橋架けを行うことにより行った。詳細には、反応容器に、蒸留水252gと、ロジン酸カリウム(荒川化学工業株式会社製「ロンジスK25」)6.6gと、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩(花王株式会社製「デモールN」)0.14gと、塩化カリウム0.70gと、テトラエチレンペンタミン0.14gと、ドデカンチオール0.34gを入れ、窒素バブリングした後、反応容器を0℃に保ち、液化ブタジエン100.8gを気化法にて反応容器へ移送、乳化させた。その後、クメンヒドロキシペルオキシド0.28gを添加して重合を開始し、24時間反応を行うことで、ブタジエンラテックスを得た。
合成したブタジエンラテックスのゴムゲル濃度が20質量%になるように蒸留水を加えた後、ブタジエンラテックス(20質量%)200gに、t−ブチルパーオキシラウレート(日本油脂株式会社製「パーブチルL」)3.6gを添加し、反応容器の温度を40℃にし、30rpmで撹拌、緩やかに窒素バブリングを行った。2時間後、設定温度を緩やかに上昇させて、1時間ほどかけて90℃にした。ゲル化反応中は撹拌速度を5rpmにし、窒素バブリングは止めた。4時間反応後、室温に戻しエタノールを注ぐことで試料(ゴムゲル)を析出させた。その後、試料を洗浄し、真空乾燥することにより、Tg=−80℃、平均粒子径=130nm、トルエン膨潤指数Qi=4.7であるゴムゲル(ポリブタジエンゲル)を得た。
[樹脂含有ゴムゲル1の作製]
樹脂として、フェノール樹脂(住友化学株式会社製「スミカノール620」、レゾルシン−アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂)を用いた。
フェノール樹脂1.5gをTHF80mLに溶かして、樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液を上記で得られたゴムゲル30gに加えて、ゴムゲルを膨潤させて、内部に樹脂を含浸させた。この膨潤したゴムゲルを減圧乾燥することにより、樹脂含有ゴムゲル1を得た。得られた樹脂含有ゴムゲル1中における樹脂の含有量は、元のゴムゲル100質量部に対して5質量部であった。
[樹脂含有ゴムゲル2の作製]
上記フェノール樹脂3gをTHF80mLに溶かして樹脂溶液を作製し、また、この樹脂溶液をゴムゲル30gに加えてゴムゲルに樹脂を含浸させ、その他は樹脂含有ゴムゲル1と同様にして、樹脂含有ゴムゲル2を得た。得られた樹脂含有ゴムゲル2中における樹脂の含有量は、元のゴムゲル100質量部に対して10質量部であった。
[樹脂含有ゴムゲル3の作製]
上記フェノール樹脂4.5gをTHF80mLに溶かして樹脂溶液を作製し、また、この樹脂溶液をゴムゲル30gに加えてゴムゲルに樹脂を含浸させ、その他は樹脂含有ゴムゲル1と同様にして、樹脂含有ゴムゲル3を得た。得られた樹脂含有ゴムゲル3中における樹脂の含有量は、元のゴムゲル100質量部に対して15質量部であった。
[樹脂含有ゴムゲル4の作製]
樹脂として、ポリスチレン(ナカライテスク株式会社製「スチレン(ポリマー)」)を用い、該ポリスチレン3gをTHF80mLに溶かして樹脂溶液を作製し、また、この樹脂溶液をゴムゲル30gに加えてゴムゲルに樹脂を含浸させ、その他は樹脂含有ゴムゲル1と同様にして、樹脂含有ゴムゲル4を得た。得られた樹脂含有ゴムゲル4中における樹脂の含有量は、元のゴムゲル100質量部に対して10質量部であった。
[樹脂含有ゴムゲル5の作製]
樹脂として、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA、ナカライテスク株式会社製「メタクリル酸メチル(ポリマー)」)を用い、PMMA3gをTHF80mLに溶かして樹脂溶液を作製し、また、この樹脂溶液をゴムゲル30gに加えてゴムゲルに樹脂を含浸させ、その他は樹脂含有ゴムゲル1と同様にして、樹脂含有ゴムゲル5を得た。得られた樹脂含有ゴムゲル5中における樹脂の含有量は、元のゴムゲル100質量部に対して10質量部であった。
[第1実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、ゴム組成物を調製した。詳細には、第一混合段階で、硫黄と加硫促進剤を除く成分を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で硫黄と加硫促進剤を添加混合して、ゴム組成物を調製した。表中の各成分については以下の通りである。なお、表中の樹脂含有ゴムゲル1〜5は、上記で得られた各樹脂含有ゴムゲルであり、また、表中のゴムゲル、フェノール樹脂、ポリスチレン、PMMAは、これら樹脂含有ゴムゲルの合成に使用した各原料と同じものである。
・IR:ポリイソプレンゴム、JSR株式会社製「IR2200」
・シリカ:デグサ社製「Ultrasil VN3」、BET比表面積=168m/g
・カーボンブラック:東海カーボン株式会社製「シースト3」、HAF
・メラミン誘導体:ヘキサメトキシメチルメラミン、三井サイテック株式会社製「サイレッツ963L」
・シランカップリング剤:デグサ社製「Si75」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS−20」
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華3号」
・硫黄:鶴見化学工業株式会社製「粉末硫黄」
・加硫促進剤CZ:住友化学株式会社製「ソクシノールCZ」
・加硫促進剤D:大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーD」
得られた各ゴム組成物について、160℃×20分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、複素弾性率Eと、損失係数tanδと、破断時伸びEBと、を測定した。測定方法は以下の通りである。
・E:JIS K6394に準じて、温度25℃、周波数10Hz、動歪み5%、静歪み10%の条件で、複素弾性率Eを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど複素弾性率が高く、高弾性化効果に優れることを示す。
・tanδ:JIS K6394に準じて、温度25℃、周波数10Hz、動歪み5%、静歪み10%の条件で、損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、従って、ヒステリシスロスが小さく、低発熱性(低燃費性)に優れることを示す。
・EB:JIS K6251に準じた引張り試験(ダンベル状3号形)により、破断時の伸びを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、破断時の伸びが大きく、好ましい。
結果は表1に示す通りであり、樹脂含有ゴムゲルを配合した実施例1〜5であると、基準配合である比較例1に対して、低発熱性の悪化を抑えながら、高弾性化が図られており、低発熱性と高弾性化のバランスが向上していた。また、実施例2では、同量のゴムゲル及び樹脂を別々に添加した比較例5に対し、低発熱性と高弾性化の双方で良好となる傾向があり、両者のバランスが向上していた。なお、比較例2〜4に示すように、樹脂のみ単独で用いた場合は、高弾性化の効果には優れるものの、低発熱性が大幅に悪化していた。
実施例1〜3の結果より、樹脂含有ゴムゲル中の樹脂量が多くなるほど、高弾性化の効果は高いが、低発熱性は悪化する傾向が見られた。実施例3では、ゴムゲルの内部だけでなく、表面にも比較的多量に樹脂が付着したため、分散性が悪化したことにより、低発熱性と破断伸びが低下したものと考えられる。この結果より、樹脂含有ゴムゲル中の樹脂量は上記のように5〜10質量部であることが好ましいことが分かる。また、実施例2、6及び7の結果より、樹脂含有ゴムゲルの配合量が多いほど、弾性率の向上幅は大きくなるが、多すぎると破断伸びが低下する傾向であり、実施例7のものでは低発熱性も悪化していた。但し、実施例7は、弾性率の向上幅が大きいので、低発熱性と高弾性化のバランスという点では、比較例1よりも改良されていた。
実施例8,9は、補強性充填剤の配合量が比較例1に対して少ないため、弾性率については同等ないしやや劣るものであったが、低発熱性が顕著に改善されており、そのため、両性能のバランスという点では改善されていた。また、実施例8,9の結果より、補強性充填剤の配合量が少ないと、弾性率の向上効果が小さく、また樹脂含有ゴムゲルの分散性が悪化するためか、破断伸びが悪化していた。なお、これらの実施例8及び9は、補強性充填剤の配合量が同程度の比較例6に対しては、顕著な高弾性化の効果が認められた。
[第2実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合(質量部)に従って、第1実施例と同様にしてゴム組成物を調製した。表中の各成分については以下の通りであり、その他は第1実施例と同じである。
・SBR:スチレンブタジエンゴム、JSR株式会社製「SBR1502」
・BR:ポリブタジエンゴム、JSR株式会社製「BR01」
得られた各ゴム組成物について、第1実施例と同様に、試験片を作製した上で複素弾性率Eと損失係数tanδと破断時伸びEBを測定した。測定方法は上記の通りであるが、ここでは比較例7の値を100とした指数で表示した。
結果は表2に示す通りであり、第1実施例と同様、マトリックスゴム成分となるジエン系ゴムの種類を変更しても、樹脂含有ゴムゲルを配合することで、破断伸びを大幅に悪化させることなく、高弾性化しかつ低発熱性も改善されるという優れた効果が得られた。
本発明に係るゴム組成物は、タイヤ、防振ゴム、ベルトなどの各種ゴム製品に用いることができ、好ましくは、空気入りタイヤを構成するゴム部材に用いることができる。

Claims (6)

  1. 架橋されたジエン系ゴム粒子からなるゴムゲルを有機溶剤にて膨潤させて樹脂を前記ゴムゲルの内部に含浸させた後、前記有機溶剤を除去することで、樹脂含有ゴムゲルからなるゴム用配合剤を得ることを特徴とするゴム用配合剤の製造方法。
  2. 前記樹脂含有ゴムゲルは、前記樹脂を前記ゴムゲル100質量部に対して5〜10質量部含有することを特徴とする請求項1記載のゴム用配合剤の製造方法
  3. 前記ゴムゲルは、平均粒子径が5〜2000nmであり、かつガラス転移温度が−100〜−10℃であることを特徴とする請求項1又は2記載のゴム用配合剤の製造方法
  4. 樹脂を有機溶剤に溶解させた樹脂溶液を前記ゴムゲルに加えて膨潤させることにより、前記樹脂を前記ゴムゲルの内部に含浸させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム用配合剤の製造方法。
  5. 請求項1記載の製造方法により得られたゴム用配合剤1〜100質量部と、マトリックスゴム成分としてのジエン系ゴム100質量部と、を混合する、ゴム組成物の製造方法
  6. 更に補強性充填剤を前記ジエン系ゴム100質量部に対して30〜150質量部混合することを特徴とする請求項5記載のゴム組成物の製造方法
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