JP6672640B2 - タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明はタイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
従来より、タイヤの転がり抵抗を低減して発熱を抑えることにより、車の低燃費化が行われているが、近年、低燃費化への要求がますます強くなり、タイヤ部材の中でも、タイヤにおける占有比率が高いトレッドに対して、より優れた低発熱性が要求されている。
このような問題を解決するため、近年、タイヤのトレッドの補強用充填剤としてシリカを使用することが行われてきた。
しかし、シリカはカーボンブラックに比べるとゴムに対する親和性が低いため、補強効果が小さい。
そこで、カーボンブラックと同程度の補強性を得るために、シリカの分散性を向上させたり、ゴムとシリカを化学的に結合させたりすることで補強性を増大させる試みがなされ、具体的には、シランカップリング剤を添加することやシリカ用に末端変性されたSBRを使用すること等が検討されてきた。
また、低発熱性を満足させる方法として、補強用充填剤であるシリカの配合量を減量する方法や補強性の小さい充填剤を用いることが知られているが、この方法では耐摩耗性能やグリップ性能が大きく低下するという問題があった。
このような問題に対して、例えば、特許文献1では、「(A)ビニル基を含有するジエン系ゴム、(B)窒素吸着比表面積30〜500m/gのシリカ及び/又は窒素吸着比表面積22〜250m/gのカーボンブラック、並びに(C)分子中に2個以上のメルカプト基を有する化合物を含有する未加硫複合体微粒子を含むことを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。」が提案されている([請求項1])。
特開2010−090203号公報
しかしながら、本発明者らが特許文献1に記載のゴム組成物について検討を重ねたところ、破断伸びが小さく、タイヤにしたときに剛性、耐久性および耐摩耗性に劣る場合があることが明らかとなった。
そこで、本発明は、破断伸びが大きく、タイヤにしたときの剛性、耐久性および耐摩耗性が良好となるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ジエン系ゴムに対して、ジエン系ゴムに非相溶の成分を主成分とする内側部分と、ジエン系ゴムに相溶する成分を主成分とする外側部分とを有する複合構造の有機微粒子を配合することにより、破断伸びが大きく、剛性、耐久性および耐摩耗性が良好な空気入りタイヤを作製できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1] ジエン系ゴム(A)100質量部と、
有機微粒子(B)1〜60質量部と、を含有し、
上記有機微粒子(B)の平均粒子径が、0.001〜100μmであり、
上記有機微粒子(B)が、上記ジエン系ゴム(A)と相溶する相溶成分と、上記ジエン系ゴム(A)と相溶しない非相溶成分とで構成された複合構造であり、
上記複合構造が、上記相溶成分よりも上記非相溶成分が多く存在する内側部分と、上記内側部分の少なくとも一部を覆い、かつ、上記非相溶成分よりも上記相溶成分が多く存在する外側部分とを有し、
上記複合構造が、上記ジエン系ゴム(A)と相溶する架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)と、上記ジエン系ゴム(A)と相溶しない架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)とを用いて、水、有機溶媒、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)および上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)のいずれか、あるいは、上記ジエン系ゴム(A)中で架橋させることにより微粒子の形態としたものである、タイヤ用ゴム組成物。
[2] 上記複合構造が、ミクロ相分離構造、複層構造、および、ランダムアロイ構造のいずれかの構造である、[1]に記載のタイヤ用ゴム組成物。
[3] 上記ミクロ相分離構造が、上記相溶成分と上記非相溶成分とがミクロ相分離した、球状ドメイン構造、円柱構造、および、ラメラ構造のいずれかの構造である、[2]に記載のタイヤ用ゴム組成物。
[4] 上記複層構造が、上記非相溶成分を上記相溶成分よりも多く含むコア部分と上記相溶成分を上記非相溶成分よりも多く含むシェル部分とを有するコアシェル構造である、[2]に記載のタイヤ用ゴム組成物。
[5] 上記ランダムアロイ構造が、上記相溶成分および上記非相溶成分が互いに独立した微粒子構造を有し、かつ、上記各微粒子の少なくとも一部が、一次粒子、二次粒子(アグリゲート)および三次粒子(アグロメレイト)のいずれかの形態においてランダムに配列したアロイ構造である、[2]に記載のタイヤ用ゴム組成物。
[6] 上記複合構造が、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)を水または有機溶媒を分散媒とした分散液中で架橋させて微粒子化した後に、上記分散媒を除去して粉末化することで得られる微粒子である、[1]〜[5]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
[7] 上記複合構造が、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)を上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)または上記ジエン系ゴム(A)中で架橋させて微粒子化した微粒子である、[1]〜[6]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
[8] 上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、カーボンブラックおよび/または白色充填剤(C)を1〜100質量部含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いる空気入りタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、破断伸びが大きく、タイヤにしたときの剛性、耐久性および耐摩耗性が良好となるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
図1(A)〜(F)は、それぞれ、本発明のタイヤ用ゴム組成物に配合される有機微粒子の模式的な断面図を示す。 図2は、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの模式的な部分断面図である。
[タイヤ用ゴム組成物]
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム(A)100質量部と有機微粒子(B)1〜60質量部とを含有し、上記有機微粒子(B)の平均粒子径が0.001〜100μmであり、上記有機微粒子(B)が、上記ジエン系ゴム(A)と相溶する相溶成分と上記ジエン系ゴム(A)と相溶しない非相溶成分とで構成された複合構造を有する。
また、上記複合構造は、上記相溶成分よりも上記非相溶成分が多く存在する内側部分と、上記内側部分の少なくとも一部を覆い、かつ、上記非相溶成分よりも上記相溶成分が多く存在する外側部分とを有する。
更に、上記複合構造は、上記ジエン系ゴム(A)と相溶する架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)と、上記ジエン系ゴム(A)と相溶しない架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)とを用いて、水、有機溶媒、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)および上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)のいずれか、あるいは、上記ジエン系ゴム(A)中で架橋させることにより微粒子の形態としたものであり、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)と上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)とを段階的に別々に、または、これらを混合して、あるいはこれらを反応させて微粒子の形態としたものであるのが好ましい。
本発明においては、上述した通り、上記有機微粒子(B)を配合したゴム組成物を用いることにより、破断伸びが大きく、タイヤにしたときの剛性、耐久性および耐摩耗性が良好となる。
これは、詳細には明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
すなわち、特許文献1と異なり、微粒子が架橋性オリゴマーまたはポリマーを架橋させた有機微粒子であり、かつ、その外側部分が、ゴム組成物のマトリックスとなるジエン系ゴム(A)と相溶する構成であるため、局所的にかかる歪みを分散するだけでなく、架橋後においてもゴムの破断の起点とならないため、破断伸びが改善し、タイヤにしたときの剛性、耐久性および耐摩耗性が向上したと考えられる。
以下に、本発明のタイヤ用ゴム組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
〔ジエン系ゴム(A)〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物が含有するジエン系ゴム(A)は、主鎖に二重結合を有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記ジエン系ゴム(A)は、上述した各ゴムの末端や側鎖がアミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基等で変成(変性)された誘導体であってもよい。
これらのうち、NR、BR、SBRを用いるのが好ましく、SBRを用いるのがより好ましい。
本発明においては、作製されるタイヤの剛性がより良好となり、耐摩耗性、グリップ性および低転がり抵抗性も良好となる理由から、上記ジエン系ゴム(A)の50質量%以上がSBRであるのが好ましく、70〜100質量がSBRであるのがより好ましい。
〔有機微粒子(B)〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物が含有する有機微粒子(B)は、平均粒子径が0.001〜100μmであり、0.01〜50μmであるのが好ましく、0.05〜30μmであるのより好ましい。
ここで、有機微粒子(B)の「平均粒子径」とは、タイヤ用ゴム組成物の加硫試験体の断面を電子顕微鏡(倍率:500〜2000倍程度)にて画像解析し、観察された弾性微粒子(B)の粒子の最大長を任意の10個以上の粒子で測定し、平均化した値をいう。
本発明においては、上記有機微粒子(B)は、上記ジエン系ゴム(A)と相溶する相溶成分と、上記ジエン系ゴム(A)と相溶しない非相溶成分とで構成された複合構造である。
また、上記複合構造は、上記相溶成分よりも上記非相溶成分が多く存在する内側部分と、上記内側部分の少なくとも一部を覆い、かつ、上記非相溶成分よりも上記相溶成分が多く存在する外側部分とを有する構造である。
ここで、内側部分における非相溶成分の割合は、10〜100質量%であるのが好ましく、外側部分における相溶成分の割合は、10〜100質量%であるのが好ましい。なお、内側部分における非相溶成分の割合の下限値、および、外側部分における相溶成分の割合の下限値が、いずれも50質量%超となっていない理由は、例えば、一次粒子として、内側部分の100質量%が非相溶成分で構成され、外側部分の100質量%が相溶成分で構成されたコアシェル構造の有機微粒子であったとしても、それらの粒子が固着や癒着等によって新たな粒子(二次粒子)を形成した場合等を考慮したものである。
また、「(上記ジエン系ゴム(A)と)相溶する相溶成分」とは、上記ジエン系ゴム(A)に包含される全てのゴム成分に対して相溶する相溶成分という意味ではなく、上記ジエン系ゴム(A)と有機微粒子(B)の外側部分に用いる各々の具体的な成分が、分子構造、極性、SP値(溶解度パラメータ)等の化学的特性が近似であるため、互いに相溶する方向に働く成分であることを意味する。
また、「(上記ジエン系ゴム(A)と)相溶しない非相溶成分」とは、上記ジエン系ゴム(A)に包含される全てのゴム成分に対して相溶しない非相溶成分という意味ではなく、上記ジエン系ゴム(A)と有機微粒子(B)の内側部分に用いる各々の具体的な成分が、分子構造、極性、SP値(溶解度パラメータ)等の化学的特性が異なることで反発し、互いに相溶しない方向に働く成分であることを意味する。
また、有機微粒子(B)の複合構造としては、例えば、ミクロ相分離構造、複層構造、および、ランダムアロイ構造などが好適に挙げられる。
ここで、上記ミクロ相分離構造としては、例えば、上記相溶成分と上記非相溶成分とがミクロ相分離した、球状ドメイン構造、円柱(シリンダー)構造、ラメラ構造などが挙げられる。具体的には、図1(A)に示す球状ドメイン構造(符号11:内側部分、符号12:外側部分)、図1(B)に示す円柱構造(符号11:内側部分、符号12:外側部分)、図1(C)に示すラメラ構造(符号11:内側部分、符号12:外側部分)が挙げられる。
また、上記複層構造としては、例えば、上記非相溶成分を上記相溶成分よりも多く含むコア部分と上記相溶成分を上記非相溶成分よりも多く含むシェル部分とを有するコアシェル構造などが挙げられる。具体的には、図1(D)に示すコアシェル構造(符号11:内側部分、符号12:外側部分)や、シェル部分も微粒子で形成された図1(E)に示すコアシェル構造(符号11:内側部分、符号13:外側部分)が挙げられる。
また、上記ランダムアロイ構造としては、上記相溶成分および上記非相溶成分が互いに独立した微粒子構造を有し、かつ、上記各微粒子の少なくとも一部が、一次粒子、二次粒子(アグリゲート)および三次粒子(アグロメレイト)のいずれかの形態においてランダムに配列したアロイ構造が挙げられる。具体的には、上記相溶成分および上記非相溶成分が互いに独立した1次粒子を形成し、これらがランダムに集合して2次粒子を形成した図1(F)に示すランダムアロイ構造(符号11:内側部分、符号12:外側部分)が挙げられる。
また、本発明においては、上記内側部分は、上記ジエン系ゴム(A)と相溶する架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)と、上記ジエン系ゴム(A)と相溶しない架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)とを用いて、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)を、水もしくは有機溶媒、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)または上記ジエン系ゴム(A)中で架橋させることにより微粒子の形態としたものである。
なお、上記内側部分(微粒子)の平均粒子径は、有機微粒子(B)の平均粒子径とほぼ同様であり、0.001〜100μmであるのが好ましく、0.01〜50μmであるのがより好ましく、0.05〜30μmであるの更に好ましい。
<内側部分>
有機微粒子(B)の内側部分を構成している架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)は、上記ジエン系ゴム(A)に相溶せず、架橋性を有するオリゴマーまたはポリマーであれば特に限定されない。
上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)としては、例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、アクリル系もしくはシロキサン系の重合体または共重合体等が挙げられる。
これらのうち、例えば、強靭なウレタンゴムを作製できる観点から、ポリエーテル系もしくはポリカーボネート系の共重合体であるのが好ましく、ポリカーボネート系の共重合体であるのがより好ましい。
上記ポリカーボネート系の共重合体としては、例えば、ジアルキルカーボネートとポリオール化合物(例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等)とのエステル交換反応により得られるもの;ポリカーボネートジオールとジイソシアネート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等)との縮合反応により得られるもの(以下、「ポリカーボネートウレタンプレポリマー」とも略す。);等が挙げられる。
一方、架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)が有する架橋性官能基としては、具体的には、例えば、水酸基、加水分解性シリル基、シラノール基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基等が挙げられる。
これらのうち、作製される空気入りタイヤの耐摩耗性がより良好となる理由から、加水分解性シリル基または酸無水物基を有しているのが好ましい。
なお、本明細書においては、「(メタ)アクリロイルオキシ基」とは、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)またはメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を意味するものとする。
上記内側部分は、比較的均一の形態を形成しやすい理由から、上述した架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)を、水または有機溶媒(例えば、MEK、MIBK、ブチルセロソルブ、シクロヘキサノンなど)を分散媒とした分散液中で微粒子化した後に、上記分散媒を除去して一旦粉末化することで得られる微粒子であってもよい。
また、上記コア部分は、上記分散液中で微粒子化する際に、界面活性剤、乳化剤、分散剤、シランカップリング剤等の添加剤を用いて調製するのが好ましい。
また、上記内側部分は、水や有機溶媒を除去する手間を省きつつ均一形態を形成しやすい理由から、上述した架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)を、上記ジエン系ゴム(A)と相溶する架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)または上述したジエン系ゴム(A)中で微粒子化させる態様であるのが好ましい。
<外側部分>
有機微粒子(B)の外側部分は、上述した通り、上記非相溶成分よりも上記相溶成分が多く存在し、かつ、上記内側部分の少なくとも一部を覆う部分である。
上記相溶成分、すなわち、上記ジエン系ゴム(A)と相溶する架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)としては、例えば、脂肪族系、飽和炭化水素系もしくは植物由来系の重合体または共重合体等が挙げられる。
ここで、脂肪族系の重合体または共重合体としては、例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体などの液状ジエン系ポリマー;クロロプレンゴム;ブチルゴム;ニトリルゴム等が挙げられる。
また、飽和炭化水素系の重合体または共重合体としては、例えば、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、エチレンプロピレン、エピクロルヒドリン、塩素化ポリエチレン、クロロスルフォン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、ポリイソブチレン、アクリルゴム等が挙げられる。
また、植物由来系の重合体または共重合体としては、例えば、ヒマシ油、大豆油などの植物油脂;ポリ乳酸などを改質したポリエステルポリオールなどから誘導される各種エラストマー;等が挙げられる。
これらのうち、脂肪族系の重合体または共重合体であるのが好ましく、ゴム組成物の加硫時に上記ジエン系ゴム(A)とともに架橋することができ、タイヤの耐摩耗性がより良好となる理由から、液状ジエン系ポリマーであるのがより好ましい。
ここで、液状ポリイソプレンの市販品としては、例えば、クラプレンLIR−30、クラプレンLIR−50(以上、クラレ社製)、Poly ip(出光興産社製)等が挙げられ、変成液状ポリイソプレンの市販品としては、例えば、クラプレンLIR−403(エチレン−イソプレン共重合体)、クラプレンLIR−410(1,3−ブタジエン−イソプレン共重合体)(以上、クラレ社製)等が挙げられる。
また、液状ポリブタジエンとしては、クラプレンLBR−305(クラレ社製)などのホモポリマータイプ;Poly bd(出光興産社製)などの1,2−結合型ブタジエンと1,4−結合型ブタジエンとのコポリマータイプ;クラプレンL−SBR−820(クラレ社製)などのエチレンと1,4−結合型ブタジエンと1,2−結合型ブタジエンとのコポリマータイプ;等が挙げられる。
本発明においては、上記外側部分は、上記内側部分の少なくとも一部を覆うものであるが、有機微粒子(B)の平均粒子径が0.001〜100μmとなる範囲であれば被覆形態は特に限定されず、平均粒子径が0.01〜10μmとなる微粒子で被覆されているのが好ましい。
また、本発明においては、内側部分と外側部分とが結合していることが好ましく、具体的には、上記ジエン系ゴム(A)と相溶しない架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)で構成された内側部分と、上記ジエン系ゴム(A)と相溶する架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)で構成された外側部分とが、化学結合により結合していることが好ましい。
このように化学結合により結合させる方法としては、例えば、後述する実施例における合成例で示す通り、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカーボネートジオール、水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有ポリブタジエン等の水酸基含有オリゴマーに、ジイソシアネート化合物を付加させてイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを合成した後に、このウレタンプレポリマーを水中でトリメチロールプロパンと反応させることによりウレタン結合で架橋させた微粒子(内側部分)を形成し、次いで、内側部分を被覆する材料として水酸基含有ポリイソプレンを導入することにより、内側部分と外側部分とをウレタン結合により結合させる方法;等が挙げられる。
本発明においては、上記有機微粒子(B)の含有量は、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して1〜60質量部であり、5〜50質量部であるのが好ましく、10〜40質量部であるのがより好ましい。
また、上記有機微粒子(B)の含有量は、タイヤ用ゴム組成物の全質量に対して1〜50質量%であるのが好ましく、1〜40質量%であるのがより好ましく、5〜30質量%であるのがより好ましい。
〔カーボンブラックおよび/または白色充填剤(C)〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラックおよび/または白色充填剤(C)を含有しているのが好ましい。
<カーボンブラック>
上記カーボンブラックとしては、具体的には、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPE、SRF等のファーネスカーボンブラックが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記カーボンブラックは、ゴム組成物の混合時の加工性や空気入りタイヤの補強性等の観点から、窒素吸着比表面積(N2SA)が10〜300m2/gであるのが好ましく、20〜200m2/gであるのがより好ましい。
ここで、N2SAは、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K 6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
<白色充填剤>
上記白色充填剤としては、具体的には、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、補強性の観点から、シリカが好ましい。
シリカとしては、具体的には、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、転がり抵抗、グリップ性能、耐摩耗性等のバランスという観点から、湿式シリカが好ましい。
上記シリカは、混練性の観点から、CTAB吸着比表面積が50〜300m2/gであるのが好ましい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面への臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムの吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
本発明においては、上記カーボンブラックおよび/または白色充填剤(C)の含有量は、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して1〜100質量部であるのが好ましく、40〜90質量部であるのがより好ましく、45〜80質量部であるのが更に好ましい。
ここで、カーボンブラックおよび/または白色充填剤(C)の含有量とは、カーボンブラックのみを含有する場合はカーボンブラックの含有量のことをいい、白色充填剤のみを含有する場合は白色充填剤の含有量のことをいい、カーボンブラックおよび白色充填剤を含有する場合はこれらの合計の含有量をいう。
〔シランカップリング剤〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述した白色充填剤(特に、シリカ)を含有する場合、タイヤの補強性能を向上させる理由から、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。
上記シランカップリング剤を配合する場合の含有量は、上記白色充填剤100質量部に対して、0.1〜20質量部であるのが好ましく、4〜12質量部であるのがより好ましい。
上記シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、補強性改善効果の観点から、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよび/またはビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用することが好ましく、具体的には、例えば、Si69[ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド;エボニック・デグッサ社製]、Si75[ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド;エボニック・デグッサ社製]等が挙げられる。
〔その他の成分〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述した成分以外に、炭酸カルシウムなどのフィラー;ジニトロソペンタメチレンテトラアミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテトラミン、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド(OBSH)、ベンゼンスルフォニルヒドラジド誘導体、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、窒素を発生するトルエンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルセミカルバジド、ニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソフタルアミド、P,P′−オキシービス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などの化学発泡剤;硫黄等の加硫剤;スルフェンアミド系、グアニジン系、チアゾール系、チオウレア系、チウラム系などの加硫促進剤;酸化亜鉛、ステアリン酸などの加硫促進助剤;ワックス;アロマオイル;老化防止剤;可塑剤;等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種のその他添加剤を配合することができる。
これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。例えば、ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、硫黄は0.5〜5質量部、加硫促進剤は0.1〜5質量部、加硫促進助剤は0.1〜10質量部、老化防止剤は0.5〜5質量部、ワックスは1〜10質量部、アロマオイルは5〜30質量部、それぞれ配合してもよい。
〔タイヤ用ゴム組成物の製造方法〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等)を用いて、混練する方法等が挙げられる。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明のタイヤ用ゴム組成物を、タイヤトレッドに用いた空気入りタイヤである。
図2に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの模式的な部分断面図を示すが、本発明のタイヤは図2に示す態様に限定されるものではない。
図2において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3は本発明のタイヤ用ゴム組成物から構成されるトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば、本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いられたジエン系ゴム、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤の種類およびその配合割合に応じた温度で加硫または架橋し、タイヤトレッド部を形成することにより製造することができる。
<有機微粒子1の調製>
ポリカーボネートジオール(T6001、旭化成製)200gと、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(ミリオネートMT、日本ポリウレタン工業製)100gとを、80℃で5時間反応させ、末端イソシアネートポリカーボネートウレタンプレポリマー(反応物1)を得た。
次いで、得られたウレタンプレポリマー(反応物1)44gに、メチルイソブチルケトン(MIBK)3.5g、ジメチロールブタン酸(DMBA)2.0g、および、トリエチルアミン(TEA)1.5gを混合し、10分間撹拌した。
次いで、水77gとソルビタン酸系界面活性剤(TW−0320V、花王製)4.0gとジブチルチンジラウレート(DBTL)0.06gとを投入し、ディゾルバー付き撹拌装置で、ディゾルバー回転数1000rpmで10分間撹拌した。その後、70℃まで徐々に昇温し、1時間撹拌を続け、乳白色エマルジョン溶液を得た。
次に、先のウレタンプレポリマー(反応物1)44gと、水酸基含有液状ポリイソプレン(Poly ip、出光興産株式会社製)40gと、メチルイソブチルケトン(MIBK)37gとを投入し、回転数1000rpmで10分間撹拌した。
次いで、水77gとソルビタン酸系界面活性剤(TW−0320V、花王製)4.0gとをさらに投入し、ディゾルバー付き撹拌装置で、ディゾルバー回転数1000rpmで10分間撹拌した。その後、70℃まで徐々に昇温し、30分間撹拌を続け、乳白色エマルジョン溶液を得た。
この溶液をガラスプレート上に塗布し、水を蒸発させてレーザー顕微鏡で観察すると、コア部分とシェル部分が観察される複合構造を有する、平均粒子径が5μmの球状微粒子が生成していることが確認された。
この溶液を撹拌しながら80℃まで昇温して水分を蒸発させ、白色の粉末を得た。これを有機微粒子1とする。
<有機微粒子2の調製>
水酸基含有液状ポリイソプレン(Poly ip、出光興産株式会社製)の代わりに、水酸基含有液状ポリブタジエン(Poy bd R−45HT、出光興産株式会社製)44gを用いること以外は、有機微粒子1と同様の方法で、有機微粒子2を調製した。
なお、有機微粒子2についても、コア部分とシェル部分が観察される複合構造を有する、平均粒子径が5μmの球状微粒子であることが確認された。
<有機微粒子3の調製>
ポリカーボネートジオール(T6001、旭化成製)100gと、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(ミリオネートMT、日本ポリウレタン工業製)43.5gと、MIBK70gとを80℃で5時間反応性させ、末端イソシアネートポリカーボネートウレタンプレポリマー(反応物2)を得た。
次いで、得られたウレタンプレポリマー(反応物2)210g、メチルイソブチルケトン(MIBK)10g、ジメチロールブタン酸(DMBA)5.0g、トリエチルアミン(TEA)3.0g、および、トリメチロールプロパン(TMP、三菱ガス化学製)2.5gを、高速ディゾルバー式撹拌機に投入し、5分間撹拌した。
次いで、水200gとソルビタン酸系界面活性剤(TW−0320V、花王製)5.0gを投入し、ディゾルバー回転数1000rpmで10分間撹拌した。
次に、これとは別に、水酸基含有液状ポリイソプレン(Poly ip、出光興産株式会社製)200gと4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(ミリオネートMT、日本ポリウレタン工業製)40gとを80℃で5時間反応させ、末端イソシアネートポリイソプレンプレポリマー(反応物3)を得た。
このウレタンプレポリマー(反応物3)180gとメチルイソブチルケトン(MIBK)30gとジメチロールブタン酸(DMBA)13gと、トリエチルアミン(TEA)6.5gとを、先の高速撹拌機に投入し、回転数1000rpmで10分間撹拌した。
その後、70℃までで徐々に昇温し、30分間撹拌を続け、乳白色のエマルジョン溶液を得た。
この溶液をガラスプレート上に塗布し、水を蒸発させてレーザー顕微鏡で観察すると、コア部分とシェル部分が観察される複合構造を有する、平均粒子径が5μmの球状微粒子が生成していることが確認された。
この溶液を撹拌しながら80℃まで昇温して水分を蒸発させ、白色の粉末を得た。これを有機微粒子3とする。
<比較微粒子1の調製>
ポリカーボネートジオール(T6001、旭化成製)200gと、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(ミリオネートMT、日本ポリウレタン工業製)110.5gと、MIBK40gとを80℃で5時間反応性させ、末端イソシアネートポリカーボネートウレタンプレポリマー(反応物4)を得た。
次いで、得られたウレタンプレポリマー(反応物4)170g、メチルイソブチルケトン(MIBK)50g、ジメチロールブタン酸(DMBA)5.0g、トリエチルアミン(TEA)3.0g、および、トリメチロールプロパン(TMP、三菱ガス化学製)3.0g、およびキシリレンジイソシアネート(XDI、タケネート500、三井化学社製)5.0gを、高速ディゾルバー式撹拌機に投入し、5分間撹拌した。
次いで、水200gとソルビタン酸系界面活性剤(TW−0320V、花王製)5.0gを投入し、徐々に70℃まで昇温しながら、ディゾルバー回転数1000rpmで2時間撹拌し乳白色のエマルジョン溶液を得た。
この溶液をガラスプレート上に塗布し、水を蒸発させてレーザー顕微鏡で観察すると、平均粒子径が20μmの球状微粒子が生成していることが確認された。
この溶液を撹拌しながら80℃まで昇温して水分を蒸発させ、白色の粉末を得た。これを比較微粒子1とする。
<比較微粒子2の調製>
水酸基含有液状ポリイソプレン(Poly ip、出光興産株式会社製)200gとキシリレンジイソシアネート(XDI、タケネート500、三井化学社製)35gと、ジメチロールブタン酸(DMBA)6g、トリメチロールプロパン(TMP、三菱ガス化学製)3g、および、メチルエチルケトン(MEK)150gを、高速ディゾルバー式撹拌機を用いて、5分間撹拌した。次いで、水600gと非イオン性界面活性剤(エマルゲン104P、花王製)15.0gを投入し、徐々に70℃まで昇温しながら、ディゾルバー回転数1000rpmで4時間撹拌し乳白色のエマルジョン溶液を得た。
この溶液をガラスプレート上に塗布し、水を蒸発させてレーザー顕微鏡で観察すると、平均粒子径が20μmの球状微粒子が生成していることが確認された。
この溶液を撹拌しながら80℃まで昇温して水分を蒸発させ、白色の粉末を得た。これを比較微粒子2とする。
<実施例1〜4および比較例1〜3>
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、150℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。
次に、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に、得られたゴム組成物をランボーン摩耗用金型(直径63.5mm、厚さ5mmの円板状)中で、170℃で10分間加硫して加硫ゴムシートを作製した。
<弾性率(M300)>
作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、20℃、引張り速度500mm/分の条件で、300%モジュラス(M300)を測定した。
測定結果は、比較例1の値を100とする指数で表した。指数が大きいほど弾性率が大きいことを意味する。
<破断伸び>
作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、20℃、引張り速度500mm/分の条件で、破断伸び(EB)を測定した。
測定結果は、比較例1の値を100とする指数で表した。指数が大きいほど破断伸びが大きいことを意味する。
<耐摩耗性(破断強度)>
作製した加硫ゴムシートについて、JISK6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度100℃、引張り速度500mm/分の条件で、破断強度(破断時の応力)を測定した。
測定結果は、比較例1の値を100とする指数で表した。指数が大きいほど破断強度が大きく、タイヤにしたときに耐摩耗性に優れる。
上記第1表中の各成分は、以下のものを使用した。
・SBR:水酸基を有するスチレンブタジエンゴム(商品名:E581(SBR100質量部に対して油展オイル37.5質量部を添加した油展品))
・BR:ブタジエンゴム(Nipol1220、日本ゼオン社製)
・シリカ:1165MP(Solvay社製)
・カーボンブラック:シーストN(東海カーボン社製)
・シランカップリング剤:TESP(Si69、Evonik社製)
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:6PPD(フレキシス社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤1:加硫促進剤CBS(ノクセラーCZ−G、大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:サンセラーD−G(三新化学工業社製)
・オイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
第1表に示す結果から、有機微粒子を配合した実施例1〜4のゴム組成物は、いずれも破断伸び、弾性率および破断強度が大きく、有機微粒子を配合していない比較例1〜3よりも、タイヤにしたときの剛性および耐久性が良好となり、また、耐摩耗性が良好となることが分かった。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
10 有機微粒子
11 内側部分
12、13 外側部分

Claims (9)

  1. ジエン系ゴム(A)100質量部と、
    有機微粒子(B)1〜60質量部と、を含有し、
    前記有機微粒子(B)の平均粒子径が、0.001〜100μmであり、
    前記有機微粒子(B)が、脂肪族系、飽和炭化水素系もしくは植物由来系の重合体または共重合体から選択される架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)と、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、アクリル系もしくはシロキサン系の重合体または共重合から選択される架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)とで構成された複合構造であり、
    前記複合構造が、前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)よりも前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)が多く存在する内側部分と、前記内側部分の少なくとも一部を覆い、かつ、前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)よりも前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)が多く存在する外側部分とを有し、
    前記複合構造が、前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)と、前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)とを用いて、水、有機溶媒、前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)および前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)のいずれか、あるいは、前記ジエン系ゴム(A)中で架橋させることにより微粒子の形態としたものである、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記複合構造が、ミクロ相分離構造、複層構造、および、ランダムアロイ構造のいずれかの構造である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ミクロ相分離構造が、前記相溶成分と前記非相溶成分とがミクロ相分離した、球状ドメイン構造、円柱構造、および、ラメラ構造のいずれかの構造である、請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記複層構造が、前記非相溶成分を前記相溶成分よりも多く含むコア部分と前記相溶成分を前記非相溶成分よりも多く含むシェル部分とを有するコアシェル構造である、請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記ランダムアロイ構造が、前記相溶成分および前記非相溶成分が互いに独立した微粒子構造を有し、かつ、前記各微粒子の少なくとも一部が、一次粒子、二次粒子および三次粒子のいずれかの形態においてランダムに集合したアロイ構造である、請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記有機微粒子(B)が、前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)を水または有機溶媒を分散媒とした分散液中で架橋させて微粒子化した後に、前記分散媒を除去して粉末化することで得られる微粒子である、請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記有機微粒子(B)が、前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b2)を前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(b1)または前記ジエン系ゴム(A)中で架橋させて微粒子化した微粒子である、請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、カーボンブラックおよび/または白色充填剤(C)を1〜100質量部含有する、請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いる空気入りタイヤ。
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