JP5900580B2 - 力学量センサ及び力学量センサの製造方法 - Google Patents
力学量センサ及び力学量センサの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5900580B2 JP5900580B2 JP2014229537A JP2014229537A JP5900580B2 JP 5900580 B2 JP5900580 B2 JP 5900580B2 JP 2014229537 A JP2014229537 A JP 2014229537A JP 2014229537 A JP2014229537 A JP 2014229537A JP 5900580 B2 JP5900580 B2 JP 5900580B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- substrate
- mechanical quantity
- quantity sensor
- electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Pressure Sensors (AREA)
Description
サによれば、可動電極と固定電極との接触(ON)から非接触(OFF)への変化を簡易な構造で検出するように構成することにより、可動電極を重力等の影響を受け難いものとし、印加された外力の大きさ及び方向並びに加速度等を安定した検出精度で検出することが可能となる。
センサによれば、固定電極と接触した際の可動電極の接触面積を減らすことができるため、外力の印加後に、静電引力等により、可動電極の一部が固定電極に接触したまま離れなくなるスティッキングを防止することができる。
<力学量センサの構造>
まず、本発明の第1の実施形態に係る力学量センサの基本的な構造について、図1を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る力学量センサ100の概略構造を示した断面図である。力学量センサ100は、第1基板104と、第1基板104上に形成された固定部102bと、固定部102bに一端部が支持されて第1基板104から離隔して形成された可動部102a、及び可動部102a上に形成された第1の膜101を含む可動電極102と、可動電極102の他端部に隣接して力学量の検出方向に配置される固定電極103aと、固定電極103aが形成された第2基板105とを含む。なお、本実施形態において、第1の膜101は、内部応力を有する薄膜(応力膜)である。固定部102bは、第1基板104上に固定されており、可動部102aは可撓性又は弾性を有し、力学量センサ100に印加される外力に応じて図中に示すZ軸方向に撓む。可動電極102は、外力が印加されないとき、可動部102a上に形成された第1の膜101の内部応力により、固定電極103aと電気的に接触する。
3aと可動電極102との導通の有無を検出することにより、力学量センサ100に印加された外力の大きさ及び方向並びに加速度等を検出することができる。
形成される。第1基板104と第2基板105とを封止材106を介して接合することにより、第1基板104上に形成された可動電極102の端部が、第2基板105上に形成された固定電極103aと電気的に接触する。なお、本実施形態においては、可動電極102は、第1の膜101の引張応力により、Z軸方向の上部に位置する固定電極103aと電気的に接触するものとする。
動電極102の接触面積を減らすことができるため、外力の印加後に、静電引力等により、可動電極102の一部が固定電極103aに接触したまま離れなくなるスティッキングを防止することができる。さらに、可動電極102及び固定電極103aの各々が接触する接触面上に、ボロンやリン等の不純物を高濃度にドープするか、あるいは金属成膜を行い、コンタクト性能を向上させるようにしてもよい。
次に、第1の実施形態に係る力学量センサ100の製造方法について、図2乃至図4を参照して説明する。図2は、力学量センサ100の概略構造を示した平面図であり、(a)は、第1基板104上に第1の膜101を配置した構造を示した平面図であり、(b)は、(a)に示した第1の膜101上に封止材106を配置した構造を示した平面図であり、(c)は、第2基板105上に固定電極を配置した構造を示した平面図である。図3は、力学量センサ100の第1基板104側の断面の概略構造を示した製造工程を説明するための図であり、(a)は、加工前の第1基板104、第2の膜110、及び第1の膜101を示す断面図であり、(b)は、第2の膜110及び第1の膜101に凹部102kを形成する工程を示す断面図であり、(c)は、第1基板104に凹部104kを形成して固定部102b及び可動部102aを形成する工程を示す断面図であり、(d)は、第1の膜101上に封止材106を形成する工程を示す断面図であり、(e)は、第1基板104と第2基板105とを接合する工程を示す断面図である。図4は、力学量センサ100の第2基板105側の断面の概略構造を示した製造工程を説明するための図であり、(a)は、加工前の第2基板105を示す断面図であり、(b)は、第2基板105に固定電極103aを形成する工程を示す断面図であり、(c)は、第2基板105に凹部105kを形成する工程を示す断面図であり、(d)は、第2基板105に配線用端子103c及び貫通電極103bを形成する途中の工程を示す断面図であり、(e)は、第2基板105に配線用端子103c及び貫通電極103bを形成した工程を示す断面図である。
第1基板104の上面全体に、第2の膜110を形成し、第2の膜110の上面全体に、第1の膜101を形成する。本実施形態において、第1基板104は、シリコン基板であってもよく、ガラス基板であってもよい。第2の膜110は、シリコン(Si)膜とする。第1基板104の大きさは、その外周が例えば2.5mm×2.5mmの略正方形状であってもよい。第1の膜101、第2の膜110、及び第1基板104の厚さは、それぞれ、0.2μm〜2.0μm、10μm〜40μm、400μm程度であってもよい。なお、それぞれの厚さは、この数値に限定されるものではなく、仕様に応じて変更され得る。第2の膜110は、力学量センサ100の可動部102a及び固定部102bを構成する層である。第2の膜110及び第1の膜101は、例えば貼り合せ法により第1基板104上に第2の膜110を形成し、必要に応じて第2の膜110の研磨等により所定の厚さとなるように設定し、第2の膜110上に第1の膜101を真空成膜法等により形成する。例えば、第1基板104上に、Siウエハ基板を貼り合せて、CMP研磨等により所定の厚さに薄膜化し、第2の膜110を形成してもよい。またSOI基板を用いて第1
基板104と第2の膜110を予め一体構成しておいてもよい。
可動電極102を加工するためのマスク(図示せず)を形成し、該マスクを介して第1の膜101及び第2の膜110をエッチングすることにより、図3(b)に図示したように、可動電極102が形成される位置を除いた凹部102kを形成する。エッチング方法として、材料に応じたエッチャントを有するドライエッチングあるいはウェットエッチングを用いてもよい。ウェットエッチングの場合には、EDP水溶液(Ethylene diamine +Pyrocatechol+water)やKOH水溶液(KOH+isopropyl alchol+water)やヒドラジン水
溶液(Hydrazine+ isopropyl alchol+water)を用いることができる。その際、エッチン
グ液にKOH系を使用すると著しい異方性エッチング特性を有し、第2の膜110のSi膜のオリエンテーション(110)面の膜であるならば、異方性エッチングの特性により(111)側面をもつ垂直の溝加工をすることができるので最適である。その際、第1基板104すなわち、ガラスSiO2膜と、第2の膜110すなわちSi材のエッチング選択比は、1:100のため、第1基板104は、ほとんどエッチングされず、第2の膜110のエッチングを終了することができる。よって、第1の膜101を含め第2の膜110の形状を保持することができる。第1基板104がエッチングされると、第2の膜110のサイドエッチングが顕著になる。なお、このときの第1の膜101は、上面から見ると、図2(a)に図示した形状に形成される。
可動電極102を加工するためのマスク(図示せず)を介して、第1基板104をエッチングすることにより、可動部102aが形成される位置の第2の膜110と接していた第1基板104が除去され、図3(c)に図示した凹部104kが形成される。これにより、図3(c)に図示したように、第1基板104から離隔させて可動部102aが形成
され、第1基板104から離隔させずに第1基板104上に固定された固定部102bを形成することができる。なお、このときの可動電極102の断面形状は、図3(c)に図示したように、第1の膜101の引張応力により可動部102aの端部が撓んで上方へ持ち上がるため、下に凸状の略円弧形状となる。また、可動部102aの上面の形状は、図2(a)に図示した第1の膜101と同様の形状となる。エッチング方法としては、HF希釈水溶液(例えば、50%HFを10%に希釈する)、または、NH4F水溶液をエッチング液として用いるウェットエッチングを挙げることができる。
第1の膜101上に、封止材106を形成する。このとき、封止材106は、図3(d)に図示したように、第1基板104をエッチングした際に形成した凹部104kの縁部よりも外側であって、第1基板104に固定された第1の膜101上に形成される。また、封止材106は、図2(b)に図示したように、可動部102a上に形成された第1の膜101を囲むように、フレーム形状を有して形成される。なお、図3(d)は、図2(b)に示したA−A´線から見た第1基板104側の構造の断面図である。封止材106は、後述する工程において第1基板104と第2基板105とを接合させて、可動電極102の変位範囲を確保するギャップを維持する役割をする。従って、図1に図示したように、封止材106のZ軸方向の厚みは、後の工程で第1基板104と接合される第2基板105上の固定電極103aの厚みより厚いものとする。また、封止材106は、接着剤等の接合可能な材料を用いてもよい。接着剤としては一般的な樹脂材料を用いてもよいが、例えば、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等の接着剤を用いて形成してもよい。また、接着剤にはフィラーやビーズ等の補強材を含有する樹脂等を用いてもよく、またギャップを維持するためにスペーサーが挿入されてもよい。封止材106は印刷法、インクジェット法、フォトリソ法等により形成する。
図4(a)に図示した第2基板105は、ガラス基板、半導体基板、絶縁性樹脂基板等を用いてもよい。以下では、第2基板105としてガラス材料を用いる場合について説明する。図4(a)に図示するように、第2基板105上に、スパッタリング、スクリーン印刷、CVD法あるいは電解めっき法等を用いて導電性を有する導電材108を形成する。次に、図4(b)に図示するように、固定電極103aを加工するためのマスク(図示せず)を形成し、該マスクを介して導電材108をエッチングすることにより固定電極103aを形成する。
図4(c)に図示するように、図4(b)に図示した固定電極103aが形成された第2基板105を反転させ、固定電極103aに接続される貫通電極103bを形成するため、貫通電極103bの形成位置に所定のマスクが形成された第2基板105にレーザー
やサンドブラストにより貫通孔105kを形成する。図6(d)及び(e)に図示するように、この貫通孔105kの内部に、スパッタリング、導電性ペースト充填(スクリーン印刷)、CVD法あるいは電解めっき法等を用いて導電性を有する導電材109を形成し、配線用端子103cを加工するためのマスク(図示せず)を形成し、該マスクを介して導電材109をエッチングすることにより、貫通電極103b及び配線用端子103cを形成する。例えば、CVD法により、貫通孔105kの内壁に導電性不純物を含む多結晶シリコン(Poly−Si)からなる導電層を堆積させて、貫通電極103b及び配線用端子103cを形成してもよい。導電層としては、多結晶シリコン以外に、例えば、金属材料(Ti,Cuなど)を用いてもよい。また、配線用端子103cは、貫通電極103bが露出する上面部に対応させて、貫通電極103bと電気的に接続されるように、例えば、Alからなるパターンによって形成されてもよい。これらの配線用端子103cは、力学量センサ100が実装される電子機器内の力学量検出信号を処理する回路に接続される。
可動電極102及び封止材106の形成された第1基板104(図2(b)参照)と、固定電極103a及び配線用端子103cの形成された第2基板105(図2(c)参照)とを、封止材106を介して接合する。このとき、図1及び図3(e)に図示したように、第2基板105に形成された固定電極103aと、第1基板104に形成された可動電極102の端部とが電気的に接触されるように、第1基板104と第2基板105とを位置合わせして接合する。なお、上述した配線用端子103cは、第1基板104と第2基板105との接合後に、第2基板105に形成されてもよい。
第1基板104と第2基板105とを封止材106により接合した後、第1基板104と第2基板105との間の空間107に、ダンピング材を封入してもよい。ダンピング材としては、気体を用いる場合、例えば、不活性ガスAr、Xe、Kr等、窒素、酸素、空気等を封入し、加圧状態として形成してもよい。また、液体を用いる場合は、シリコンオイル、炭酸プロピレン、純水、アルコール類等を用いてもよく、添加物を加えて導電性を持たせてもよい。なお、ダンピング材は、可動電極102の端部が固定電極103aと接触した際に、ダンピング材が原因で接点の接続がとれなくなるようなことが起きず、また接点の腐食が起こらないように所望の粘性を有する材料や封入条件を選択する。好適な材料としては、シリコンオイルを挙げることができる。これにより、外部からの衝撃による可動電極102の過度な振動等を抑制し、可動電極102の一部が固定電極103aに接触したまま離れなくなるスティッキングを抑制することができる。
置までZ軸方向に変位する。このとき、可動電極102の変位端B1から変位端B2までの変位距離を、たわみ量δとする。なお、固定端A1は第1の実施形態に示した固定部102bに対応し、変位端B1、B2は第1の実施形態に示した可動電極102の端部に対応する。
101の厚みdを0.2μmとすると、可動部102aの厚みbは20μm程度にする必要があることがわかる。また、たわみ量δを2μm程度生じさせるために、第1の膜101の厚みdを変化させて計測した場合、可動部102aの長さlが400μm、厚みbを30μmとすると、第1の膜101の厚みdは0.4〜0.6μm程度にする必要があることがわかる。
<力学量センサの構造>
次に、本発明の第2の実施形態に係る力学量センサの基本的な構造について、図8乃至図11を参照して説明する。図8は本発明の第2の実施形態に係る力学量センサ200の概略構造を示した断面図である。
向に配置される固定電極203aと、固定電極203aが形成された第2基板205とを含む。以下では、力学量センサ200の構成について、力学量センサ100と同様の構成については、詳細な説明を省略することとする。
次に、第2の実施形態に係る力学量センサ200の製造方法について、図9乃至図11を参照して説明する。図9は、力学量センサ200の概略構造を示した平面図であり、(a)は、第1基板上に第1の膜を配置した構造を示した平面図であり、(b)は、(a)に示した第1基板上に封止材を配置した構造を示した平面図であり、(c)は、第2基板上に固定電極及び固定部電極を配置した構造を示した平面図である。図10は、力学量センサ200の第1基板側の断面の概略構造を示した製造工程を説明するための図であり、(a)は、図9(a)に示した(i)線から見た第1基板上の可動電極を形成する工程を説明するための断面図であり、(b)は、図9(a)に示した(ii)線から見た第1基板上の可動電極を形成する工程を説明するための断面図であり、(c)は、図9(a)に
示した(iii)線から見た第1基板上の可動電極を形成する工程を説明するための断面図である。図11は、本発明の第2の実施形態に係る力学量センサの第2基板側の断面の概略構造を示した製造工程を説明するための図であり、(a)は加工前の第2基板を示す断面図であり、(b)は第2基板に固定部電極を形成する途中の工程を示す断面図であり、(c)は第2基板に固定部電極及び固定電極を形成する途中の工程を示す断面図であり、(d)は第2基板に固定部電極及び固定電極を形成した工程を示す断面図であり、(e)は第2基板に貫通電極を形成する途中の工程を示す断面図であり、(f)は第2基板に貫通電極及び配線用端子を形成する途中の工程を示す断面図であり、(g)は第2基板に貫通電極及び配線用端子を形成した工程を示す断面図である。
シリコン基板である第1基板204上に、BOX層(酸化シリコン)208及びシリコン膜である第2の膜210が形成された半導体基板(SOI基板)Wを用意する。半導体基板Wは、その外周が例えば2.5mm×2.5mmの略正方形状であり、第2の膜210、BOX層208、第1基板204の厚さは、それぞれ10〜40μm、2μm、400μmであってもよい。なお、半導体基板Wの外形、第2の膜210、BOX層208、第1基板204それぞれの厚さは、一例であり、上記に限定されるものではない。第2の膜210は、力学量センサ200の固定部202b及び可動部202aを構成する層である。BOX層208は、第2の膜210と第1基板204とを接合する層であり、かつエッチングストッパ層として機能する層である。半導体基板Wは、貼り合せ法等により作製される。なお、第1の膜201は、第1の実施形態に係る第1の膜101と同様の材料及び製造方法を用いて形成され、第1の実施形態に係る第1の膜101と同様の寸法を有するものとする。そのため、詳細な説明は省略する。
図10(a1)〜(c1)に示した第1の膜201上に、可動部202a及び固定部202bを加工するためのマスク(図示せず)を形成し、該マスクを介して、第1の膜201、第2の膜210、及びBOX層208をエッチングすることにより、可動部202a及び固定部202bを形成する部分を残すように図中に示す部分208kを除去する。エッチング方法として、材料に応じたエッチャントを有するドライエッチングあるいはウェットエッチングを用いることができる。なお、エッチング方法は、第1の実施形態と同様の方法を用いてもよいため、詳細な説明については省略する。なお、このときの第1の膜201は、上面から見ると、図9(a)に図示した形状に形成される。また、第2の膜210についても、図9(a)に図示した第1の膜201と同様の形状に形成される。
BOX層208をサイドエッチングすることにより、可動部202a及び固定部202bが形成される位置の第2の膜210と接していたBOX層208が除去される。図9(a)に図示したように、固定部202bが形成される位置に対応する第2の膜210及び第1の膜201は、BOX層208と接している面積が、可動部202aが形成される位置のBOX層208と接している面積よりも大きいため、可動部202aが形成される位置の第2の膜210と接していたBOX層208が完全に除去されるまでエッチングしても、固定部202bと第1半導体基板104との間には必要なBOX層208が残される。これにより、図10(a4)〜(c4)に図示したように、固定部202bは第1基板204から離隔させずに形成し、可動部202aは第1基板204から離隔させて形成することができる。エッチング方法としては、HF希釈(例えば、50%HFを10%に希釈する)、または、NH4F水溶液をエッチング液として用いるウェットエッチングを挙げることができる。また、ドライエッチングによって可動部202aを第1基板204から離隔させることともできる。なお、このときの第1の膜201及び可動部202aを含む可動電極202の断面形状は、図10(c4)に図示したように、第1の膜201の引
張応力により可動部202aの端部が撓んで上方へ持ち上がるため、下に凸状の略円弧形状となる。また、可動電極202の上面の形状は、図9(a)に図示した第1の膜201と同様の形状となる。
可動電極202を形成した第2基板204上に、封止材206を形成する。このとき、封止材206は、図8及び図9(b)に図示したように、可動電極202を囲むように、フレーム形状を有して形成される。封止材206は、後述する工程において第1基板204と第2基板205とを接合させて、可動電極202の変位範囲を確保するギャップを維持する役割をする。従って、図8に図示したように、封止材206のZ軸方向の厚みは、後の工程で第1基板204と接合される第2基板205上の固定部電極203dの厚みよりも厚いものとする。なお、封止材206の材料及び製造方法については、第1の実施形態に係る封止材106と同様の材料及び製造方法を用いることができるため、詳細な説明については省略する。
第2基板205は、第1の実施形態に係る第2基板105と同様に、ガラス基板、半導体基板、絶縁性樹脂基板等を用いてもよい。以下では、第2基板205としてガラス材料を用いる場合について説明する。図11(a)に図示するように、第2基板205上に、スパッタリング、スクリーン印刷、CVD(Chemical Vapaor Deposition)法あるいは電解めっき法等を用いて導電性を有する導電材209を形成する。次に、図11(b)に図示するように、固定部電極203dに高さを加えて固定電極203aよりも高くするための凸部209aを加工するため、マスク(図示せず)を形成し、該マスクを介して導電材209をエッチングすることにより凸部209aを形成する。次に、図11(c)に図示するように、凸部209a上、及び固定電極203aの形成位置を覆うように、第2基板205上に、導電材212を形成する。導電材212は、導電材209と同様の方法で形成されてもよい。次に、図11(d)に図示するように、固定電極203aおよび固定部電極203dを加工するためのマスク(図示せず)を形成し、該マスクを介して導電材212をエッチングすることにより固定電極203aおよび固定部電極203dが形成される位置を除いた凹部212kを形成する。エッチング方法として、ドライエッチングを用いることができる。これにより、固定電極203a及び、固定電極203aよりも高さの高い固定部電極203dが形成される。
次に、図11(e)乃至(g)に図示するように、図11(d)に図示した固定電極203aおよび固定部電極203dが形成された第2基板205を反転させ、図4(c)乃至(e)に図示した製造方法と同様の方法で、図11(g)に図示したように、固定部電極203d及び固定電極203aとそれぞれ接続される配線用端子203c、203eを形成する。配線用端子203c、203eは、固定電極203a及び固定部電極203dと、第2基板205内部に形成された貫通電極203b、203gによりそれぞれ接続される。図11(e)に図示するように、固定電極203a及び固定部電極203dの形成位置に合わせて所定のマスクが形成された第2基板205に、レーザーやサンドブラスト等により貫通孔205kを形成する。図11(f)及び(g)に図示したように、この貫通孔205kの内部に、スパッタリング、導電性ペースト充填(スクリーン印刷)、CVD(Chemical Vapaor Deposition)法あるいは電解めっき法等を用いて導電性を有する導電材213を形成し、配線用端子203c、203eを加工
するためのマスク(図示せず)を形成し、該マスクを介して導電材213をエッチングすることにより、貫通電極203b、203g及び配線用端子203c、203eを形成してもよい。例えば、CVD法により、貫通孔205kの内壁に導電性不純物を含む多結晶シリコン(Poly−Si)からなる導電層を堆積させて、貫通電極203b、203g及び配線用端子203c、203eを形成してもよい。導電層としては、多結晶シリコン以外に、例えば、金属材料(Ti,Cuなど)を用いてもよい。また、配線用端子203c、203eは、貫通電極203b、203gが露出する上面部に対応させて、貫通電極203b、203gと電気的に接続されるように、例えば、Alからなるパターンによって形成されてもよい。これらの配線用端子203c、203eは、力学量センサ200が実装される電子機器内の力学量検出信号を処理する回路に接続される。
可動電極202及び封止材206の形成された第1基板204(図9(b)参照)と、固定電極203a及び固定部電極203dの形成された第2基板205(図9(c)参照)とを、封止材206を介して接合する。このとき、図8に図示したように、第2基板205に形成された固定部電極203dと、第1基板204に形成された固定部202b上の第1の膜201とが電気的に接続されるように、第1基板204と第2基板205とを位置合わせして接合する。これにより、第2基板205に形成された固定電極203aと、第1基板204に形成された可動電極202の端部とが電気的に接触するように接合する。なお、上述した配線用端子203c、203eは、第1基板204と第2基板205との接合後に、第2基板205に形成されてもよい。
第1基板204と第2基板205とを封止材206により接合した後、第1基板204と第2基板205との間の空間207に、ダンピング材を封入してもよい。なお、ダンピング材の材料及び製造方法は、第1の実施形態に係るダンピング材と同様であるため、詳細な説明は省略する。
<力学量センサの構造>
次に、本発明の第3の実施形態に係る力学量センサの基本的な構造について、図12乃至図14を参照して説明する。図12は、第3の実施形態に係る力学量センサ300の概略構造を示した平面図であり、(a)は、第1基板304上に第1の膜301を配置した構造を示した平面図であり、(b)は、(a)に示した第1基板304上に封止材306を配置した構造を示した平面図であり、(c)は、第2基板305上に固定電極303a−1〜3及び固定部電極303dを配置した構造を示した平面図である。図13は、第3の実施形態に係る力学量センサ300の概略構造を示した断面図であり、(a)は、図12に示した第1基板304と第2基板305とを接合した後の(i)線から見た力学量センサ300の断面図であり、(b)は、図12に示した第1基板304と第2基板305とを接合した後の(ii)線から見た力学量センサ300の断面図であり、(c)は、図12に示した第1基板304と第2基板305とを接合した後の(iii)線から見た力学量センサ300の断面図である。図14は、本発明の第3の実施形態に係る力学量セン
サ300の動作を説明するための表であり、印加される外力の方向及び大きさと、複数の可動電極302−1〜3と固定電極303a−1〜3との導通関係を表す表である。
次に、第3の実施形態に係る力学量センサ300の動作について、図14を参照して説明する。図14は、図11及び12に図示した力学量センサ300の動作を説明するための表であり、印加される外力の方向及び大きさと、複数の可動電極302−1〜3と固定電極303a−1〜3との導通関係を表す表である。なお、図14に示したD1〜D3は、それぞれ力学量センサ300に印加されるZ軸方向の正から負(Z軸方向に図中の上から下に向かう方向)に向かって印加される外力の方向及び大きさを表し、外力D1〜D3の大きさの関係は、D1<D2<D3である。なお、図14では、可動電極302−1〜3が固定電極303a−1〜3に接触した状態を「○」で示し、可動電極302−1〜3が固定電極303a−1〜3に接触していない状態を「×」で示す。
<複合型力学量センサの構造>
次に、本発明の第4の実施形態に係る複合型力学量センサ400の構造について、図15を参照して説明する。図15は、本発明の第4の実施形態に係る複合型力学量センサ400の概略構造を示した図である。
よれば、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の外力の方向及び大きさを検出することができる。また、複数の可動電極のうち、どの可動電極が固定電極に接触したかを時間経過とともに導通の有無で検知することにより、外力の方向及び大きさだけでなく、加速度も検出することができる。なお、複合型力学量センサ400は、上述した力学量センサ100、200、300と同様の簡易な製造方法により製造することができるため、製造コストを抑えることができる。以上、第3基板401上に複数の力学量センサを配置した例について説明をしたが、MEMS技術を用いて同一基板内に領域を分けて複数の力学量センサを作製し、これらを同一チップ内に収容したタイプであってもよい。また、複数の力学量センサの組合せとしては、検出方向が異なるもの、可動部の弾性又は可撓性が異なるもの、ダンピング材の材料又は封入条件を異ならせて外力に対して応答性を異ならせたもの、等の種々の組合せを採用することが可能である。
以下、本発明の第1乃至第4の実施形態に示した力学量センサ及び複合型力学量センサ100〜400により検出される力学量検出信号を処理する処理回路の構成例について、図16を参照して説明する。
値を対応付けて記憶するメモリを用意しておき、このメモリから検出信号に対応する外力の大きさ示す値を出力させるようにしてもよい。
第5の実施形態では、上述した第1乃至第4の実施形態に示した力学量センサ100〜400のうちの何れか一つを力学量センサ500として搭載する電子回路基板510と、この電子回路基板510を搭載する電子機器600の例を説明する。
Claims (15)
- 第1基板と、
前記第1基板に封止材を介して接合された第2基板と、
前記第1基板、前記第2基板及び前記封止材で囲まれた空間と、
前記第1基板上に配置された固定部と、
前記固定部に一端部が支持されるとともに他端部が前記固定部に対して前記空間内で可動する可動部を含む可動電極と、
前記第2基板に設けられ、前記可動電極の他端部に隣接して配置された固定電極と、
前記可動電極に電気的に接続された第1端子と、
前記固定電極に電気的に接続された第2端子と、を備え、
前記可動電極は、内部応力を有する第1膜を含み、
前記可動電極において、
外力無印加時、前記可動電極の前記他端部は、前記第1膜の内部応力による前記可動電極の撓みにより対向する前記固定電極と電気的に接触しており、
外力印加時、前記可動電極の前記他端部は印加される外力に応じて変位し、前記固定電極と電気的に非接触となることを特徴とする力学量センサ。 - 前記封止材は、前記可動電極を囲むフレーム形状を有することを特徴とする請求項1に記載の力学量センサ。
- 前記空間にダンピング材を封入することを特徴とする請求項1又は2に記載の力学量センサ。
- 前記第1膜は導電性を有し、
前記可動電極は第2膜をさらに含み、
前記第1膜は前記第2膜上に配置され、
前記可動電極の前記他端部は、前記第1膜を介して前記固定電極と電気的に接触することを特徴とする請求項1に記載の力学量センサ。 - 前記第1膜がPtまたはCrであり、前記第2膜がシリコン膜であることを特徴とする請求項4に記載の力学量センサ。
- 前記第1膜は絶縁性を有し、
前記可動電極は導電性を有する第2膜をさらに含み、
前記第1膜は前記第2膜上に配置され、
前記可動電極の前記他端部は、前記第1膜から露出された前記第2膜または前記第1膜から露出された前記第2膜上に配置された導電性の端子を介して前記固定電極と電気的に接触することを特徴とする請求項1に記載の力学量センサ。 - 前記第1膜が窒化シリコン膜であることを特徴とする請求項6に記載の力学量センサ。
- 前記可動電極のたわみ量δは、0.5μm<δ<7μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の力学量センサ。
- 前記可動電極を複数備え、
前記複数の可動電極は、それぞれ長さが異なり、
印加される外力の大きさが大きくなるにつれて、前記複数の可動電極のうち長さが短いものから順に前記可動電極が前記固定電極と電気的に非接触となることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の力学量センサ。 - 前記複数の可動電極は、それぞれ異なる方向に延在していることを特徴とする請求項9に記載の力学量センサ。
- 前記複数の可動電極が、それぞれ対応する前記固定電極に接触又は非接触する状態を検出することにより、前記外力の大きさと印加方向を検出することを特徴とする請求項9または10に記載の力学量センサ。
- 請求項9乃至11のいずれか一項に記載の力学量センサを、外力を検出する方向に応じて、第3基板上に複数配置したことを特徴とする複合型力学量センサ。
- 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の力学量センサと、
前記力学量センサを搭載する配線基板と、
前記配線基板上に配置され、前記力学量センサと電気的に接続されたICチップと、を備えることを特徴とする電子回路基板。 - 請求項12記載の複合型力学量センサと、
前記複合型力学量センサを搭載する配線基板と、
前記配線基板上に配置され、前記複合型力学量センサと電気的に接続されたICチップと、を備えることを特徴とする電子回路基板。 - 請求項13又は14に記載の電子回路基板と、
前記電子回路基板を収容する筐体と、
前記電子回路基板と電気的に接続された入力部及び出力部と、を少なくとも備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014229537A JP5900580B2 (ja) | 2014-11-12 | 2014-11-12 | 力学量センサ及び力学量センサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014229537A JP5900580B2 (ja) | 2014-11-12 | 2014-11-12 | 力学量センサ及び力学量センサの製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010207129A Division JP5678535B2 (ja) | 2010-09-15 | 2010-09-15 | 力学量センサ及び力学量センサの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015062024A JP2015062024A (ja) | 2015-04-02 |
JP5900580B2 true JP5900580B2 (ja) | 2016-04-06 |
Family
ID=52821399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014229537A Expired - Fee Related JP5900580B2 (ja) | 2014-11-12 | 2014-11-12 | 力学量センサ及び力学量センサの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5900580B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5212253Y2 (ja) * | 1971-11-30 | 1977-03-17 | ||
JPS579698Y2 (ja) * | 1975-05-06 | 1982-02-24 | ||
US4855544A (en) * | 1988-09-01 | 1989-08-08 | Honeywell Inc. | Multiple level miniature electromechanical accelerometer switch |
JPH0521808Y2 (ja) * | 1988-10-31 | 1993-06-04 | ||
KR20050092384A (ko) * | 2003-01-02 | 2005-09-21 | 사임베트 코퍼레이션 | 고체배터리 작동소자 및 그 제조방법 |
-
2014
- 2014-11-12 JP JP2014229537A patent/JP5900580B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015062024A (ja) | 2015-04-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101740113B1 (ko) | 주변압에서의 변화 및 압력파를 센싱하기 위한 mems 센서 구조체 | |
US9670059B2 (en) | Sensor structure for sensing pressure waves and ambient pressure | |
US8207586B2 (en) | Substrate bonded MEMS sensor | |
JP2015515609A (ja) | カテーテルダイおよびその製造方法 | |
US8263426B2 (en) | High-sensitivity z-axis vibration sensor and method of fabricating the same | |
TWI733711B (zh) | 半導體結構以及其製造方法 | |
TW201524889A (zh) | 微機械構件與製造微機械構件的方法 | |
US9856134B2 (en) | Microelectromechanical system and a method of manufacturing a microelectromechanical system | |
JP5678535B2 (ja) | 力学量センサ及び力学量センサの製造方法 | |
JP4486103B2 (ja) | 加速度センサ、及び加速度センサの製造方法 | |
JP5900580B2 (ja) | 力学量センサ及び力学量センサの製造方法 | |
CN104198763B (zh) | Tsv圆片级封装的三轴mems加速度计 | |
JP2008241482A (ja) | センサ装置 | |
JP5475946B2 (ja) | センサモジュール | |
JP2007263765A (ja) | ウェハレベルパッケージ構造体およびセンサ装置 | |
JP2010225654A (ja) | 半導体装置 | |
JP5118923B2 (ja) | 半導体装置 | |
JP5221940B2 (ja) | 半導体素子の実装構造 | |
JP2010008123A (ja) | センサモジュール | |
JP7222838B2 (ja) | センサ | |
JP7240289B2 (ja) | Mems素子 | |
JP4000168B2 (ja) | センサ装置 | |
JP2009047650A (ja) | センサ装置およびその製造方法 | |
JP2012122838A (ja) | Mems素子及びmems素子の製造方法 | |
JP2008185374A (ja) | センサ装置の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150924 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150929 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160209 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160222 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5900580 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |