JP5900190B2 - スライドドア構造 - Google Patents

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本発明は、スライドドア構造に関する。
下記特許文献1には、車体の側面に形成されたドア開口を車両前後方向に沿って開閉するスライドドアとして、スライドドアの下部に設けられたロアヒンジに、車体に対して回動自在に連結された一対のリンクアームが取り付けられた構造が開示されている。
特開2007−145118号公報 特開2008−013142号公報
発明協会公開技報、公技番号2011−504669号
上記特許文献1に記載の構造では、スライドドアを開けるときに、ロアヒンジに車両前後方向と車両上下方向の二方向に入力が入る結果、ロアヒンジが固定されるロアヒンジリインフォースとインナパネルとが変形して接合部が高歪となる可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、ロアヒンジリインフォースとインナパネルとが変形して接合部が高歪となることを抑制することができるスライドドア構造を得ることが目的である。
請求項1の発明に係るスライドドア構造は、車体の側面に設けられたドア開口を車両前後方向に沿ってスライドさせて開閉するスライドドア本体と、前記スライドドア本体の内部の下部に設けられ、前記スライドドア本体の車両幅方向内側に配置されるインナパネルに固定されると共に、前記インナパネルの板厚よりも厚く設定されかつ前記インナパネルに取り付けられたロアヒンジを支持するロアヒンジリインフォースと、前記ロアヒンジリインフォースよりも前記インナパネル側に配置されると共に前記インナパネルの板厚よりも厚く設定された他のリインフォースと、前記ロアヒンジリインフォースに形成され、車両幅方向を厚さ方向として配置される板状の一般部と、前記ロアヒンジリインフォースに形成され、前記一般部の車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に延設されて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部と、前記ロアヒンジリインフォースにおける前記折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に延設されて形成されると共に、前記一般部の車両前側と接続され、少なくとも上部が前記インナパネル側に接合されている前面フランジ部と、前記前面フランジ部に形成され、内部で前記他のリインフォースと前記インナパネルとが接合されている開口と、を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のスライドドア構造において、前記他のリインフォースの前端部には、前記インナパネルと前記前面フランジ部との間で車両上下方向に延在するフランジ部が設けられている。
請求項3の発明に係るスライドドア構造は、車体の側面に設けられたドア開口を車両前後方向に沿ってスライドさせて開閉すると共に、車両幅方向内側に配置されるインナパネルの車両幅方向外側に配置されるアウタパネルを備え、前記インナパネルの端部と前記アウタパネルの端部とが折り返し部により結合されたスライドドア本体と、前記スライドドア本体の内部の下部に設けられ、前記インナパネルに固定されると共に、前記インナパネルに取り付けられたロアヒンジを支持するロアヒンジリインフォースと、前記ロアヒンジリインフォースに形成され、車両幅方向を厚さ方向として配置される板状の一般部と、前記ロアヒンジリインフォースに形成され、前記一般部の車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に延設されて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部と、前記ロアヒンジリインフォースにおける前記折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に延設されて形成されると共に、前記一般部の車両前側と接続され、少なくとも上部が前記インナパネル側に接合されている前面フランジ部と、前記前面フランジ部の車両上下方向の下部に形成された切り欠き部と、前記インナパネルの前記前面フランジ部より上方側に形成されると共にワックス塗布用のノズルが挿入される挿入口と、を有する。
請求項4の発明に係るスライドドア構造は、車体の側面に設けられたドア開口を車両前後方向に沿ってスライドさせて開閉するスライドドア本体と、前記スライドドア本体の内部の下部に設けられ、前記スライドドア本体の車両幅方向内側に配置されるインナパネルに固定されると共に、前記インナパネルに取り付けられたロアヒンジを支持するロアヒンジリインフォースと、前記ロアヒンジリインフォースに形成され、車両幅方向を厚さ方向として配置される板状の一般部と、前記ロアヒンジリインフォースに形成され、前記一般部の車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に延設されて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部と、前記ロアヒンジリインフォースにおける前記折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に延設されて形成されると共に、前記一般部の車両前側と接続され、少なくとも上部が前記インナパネル側に接合されている前面フランジ部と、前記前面フランジ部の車両上下方向の中間部に形成された取付穴と、前記取付穴内で前記インナパネルの壁部に取付具により固定されており、前記車体と前記スライドドア本体との間の異物の挟み込みを検出するタッチセンサと、を有する。
請求項1記載の本発明によれば、スライドドア本体を車両前後方向に沿ってスライドさせることで、車体の側面に設けられたドア開口が開閉される。スライドドア本体の内部の下部には、インナパネルに固定されるロアヒンジリインフォースが設けられており、インナパネルに取り付けられたロアヒンジがロアヒンジリインフォースによって支持されている。ロアヒンジリインフォースには、車両幅方向を厚さ方向として配置される板状の一般部と、この一般部の車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に延設されて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部と、が形成されている。さらに、ロアヒンジリインフォースには、折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に延設されて形成されると共に、一般部の車両前側と接続される前面フランジ部が形成されており、少なくとも前面フランジ部の上部がインナパネル側に接合されている。このスライドドア構造では、ロアヒンジリインフォースの一般部の車両前後方向前側の上部が、車両幅方向外側に延設されて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部が形成されていることで、ロアヒンジリインフォースの車両前後方向の剛性が高まる。これにより、スライドドア本体を開けるときに、ロアヒンジに車両前後方向の入力が作用しても、ロアヒンジリインフォースの変形が抑制される。
また、ロアヒンジリインフォースには、折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に延設されて形成されると共に、一般部の車両前側と接続される前面フランジ部が形成されており、ロアヒンジリインフォースの車両上下方向の剛性が高まる。これにより、スライドドア本体を開けるときに、ロアヒンジに車両上下方向の入力が作用しても、ロアヒンジリインフォースの変形が抑制される。このため、ロアヒンジリインフォースとインナパネルとが変形することが抑制され、ロアヒンジリインフォースとインナパネルとの接合部が高歪となることが抑制される。さらに、ロアヒンジリインフォースよりもインナパネル側に他のリインフォースが配置されており、インナパネルの板厚は、ロアヒンジリインフォース及び他のリインフォースの板厚より薄く設定されている。ロアヒンジリインフォースの前面フランジ部に開口が形成されており、この開口内で他のリインフォースとインナパネルとが接合されている。例えば、インナパネルと他のリインフォースとロアヒンジリインフォースとの3枚を溶接等により接合する場合、これらの接合部でインナパネルが変形する可能性がある。これは、インナパネルに対して他のリインフォースとロアヒンジリインフォースが動きにくく、インナパネルの接合部に対して所謂いなし効果が少なくなるためである。これに対して、他のリインフォースとインナパネルとの2枚を溶接等により接合することで、ロアヒンジリインフォースに対して他のリインフォースとインナパネルとが相対的に動くことが可能となる。このため、所謂いなし効果により、インナパネルの変形を抑制することができる。
請求項記載の本発明によれば、他のリインフォースの前端部には、インナパネルと前面フランジ部との間で車両上下方向に延在するフランジ部が設けられており、他のリインフォースの車両上下方向の剛性が高まる。これにより、スライドドア本体を開けるときに、ロアヒンジに車両上下方向の入力が作用しても、他のリインフォースの変形が抑制される。このため、ロアヒンジリインフォースと他のリインフォースとインナパネルとが変形することがより効果的に抑制される。
請求項3記載の本発明によれば、スライドドア本体を車両前後方向に沿ってスライドさせることで、車体の側面に設けられたドア開口が開閉される。スライドドア本体の内部の下部には、インナパネルに固定されるロアヒンジリインフォースが設けられており、インナパネルに取り付けられたロアヒンジがロアヒンジリインフォースによって支持されている。ロアヒンジリインフォースには、車両幅方向を厚さ方向として配置される板状の一般部と、この一般部の車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に延設されて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部と、が形成されている。さらに、ロアヒンジリインフォースには、折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に延設されて形成されると共に、一般部の車両前側と接続される前面フランジ部が形成されており、少なくとも前面フランジ部の上部がインナパネル側に接合されている。このスライドドア構造では、ロアヒンジリインフォースの一般部の車両前後方向前側の上部が、車両幅方向外側に延設されて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部が形成されていることで、ロアヒンジリインフォースの車両前後方向の剛性が高まる。これにより、スライドドア本体を開けるときに、ロアヒンジに車両前後方向の入力が作用しても、ロアヒンジリインフォースの変形が抑制される。また、ロアヒンジリインフォースには、折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に延設されて形成されると共に、一般部の車両前側と接続される前面フランジ部が形成されており、ロアヒンジリインフォースの車両上下方向の剛性が高まる。これにより、スライドドア本体を開けるときに、ロアヒンジに車両上下方向の入力が作用しても、ロアヒンジリインフォースの変形が抑制される。このため、ロアヒンジリインフォースとインナパネルとが変形することが抑制され、ロアヒンジリインフォースとインナパネルとの接合部が高歪となることが抑制される。さらに、スライドドア本体は、インナパネルの車両幅方向外側に配置されるアウタパネルを備え、インナパネルの端部とアウタパネルの端部とがヘミング加工により結合されている。また、ロアヒンジリインフォースの前面フランジ部の車両上下方向の下部に切り欠き部が形成されており、インナパネルの前面フランジ部より上方側に形成された挿入口からワックス塗布用のノズルが挿入される。これにより、ロアヒンジリインフォースに前面フランジ部を設けた場合でも、ワックス塗布用のノズルの先端をロアヒンジリインフォースの切り欠き部まで挿入することができる。このため、インナパネルとアウタパネルとのヘミング加工された部位にワックスを塗布することが可能である。
請求項記載の本発明によれば、スライドドア本体を車両前後方向に沿ってスライドさせることで、車体の側面に設けられたドア開口が開閉される。スライドドア本体の内部の下部には、インナパネルに固定されるロアヒンジリインフォースが設けられており、インナパネルに取り付けられたロアヒンジがロアヒンジリインフォースによって支持されている。ロアヒンジリインフォースには、車両幅方向を厚さ方向として配置される板状の一般部と、この一般部の車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に折り曲げられて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部と、が形成されている。さらに、ロアヒンジリインフォースには、折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に折り曲げられて形成されると共に、一般部の車両前側と接続される前面フランジ部が形成されており、少なくとも前面フランジ部の上部がインナパネル側に接合されている。このスライドドア構造では、ロアヒンジリインフォースの一般部の車両前後方向前側の上部が、車両幅方向外側に折り曲げられて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部が形成されていることで、ロアヒンジリインフォースの車両前後方向の剛性が高まる。これにより、スライドドア本体を開けるときに、ロアヒンジに車両前後方向の入力が作用しても、ロアヒンジリインフォースの変形が抑制される。また、ロアヒンジリインフォースには、折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に折り曲げられて形成されると共に、一般部の車両前側と接続される前面フランジ部が形成されており、ロアヒンジリインフォースの車両上下方向の剛性が高まる。これにより、スライドドア本体を開けるときに、ロアヒンジに車両上下方向の入力が作用しても、ロアヒンジリインフォースの変形が抑制される。このため、ロアヒンジリインフォースとインナパネルとが変形することが抑制され、ロアヒンジリインフォースとインナパネルとの接合部が高歪となることが抑制される。さらに、ロアヒンジリインフォースの前面フランジ部の車両上下方向の中間部に取付穴が形成されており、タッチセンサが取付穴内でインナパネルの壁部に取付具により固定されている。このため、タッチセンサをインナパネルの壁部に取付具により固定する際に、取付穴により取付具とロアヒンジリインフォースとが干渉することを防止することができる。
本発明のスライドドア構造によれば、ロアヒンジリインフォースとインナパネルとが変形して接合部が高歪となることを抑制することができる。
一実施形態に係るスライドドア構造が適用された車体を示す斜視図である。 図1に示す車体に設けられたスライドドアの開放状態を示す斜視図である。 一実施形態に係るスライドドア構造に用いられるスライドドアを車両内側から見た斜視図である。 図3に示すスライドドアを車体の側面に沿ってスライドさせるロアヒンジ、ロアローラ及びロアローラガイド付近の構成を示す平面図である。 図3に示すスライドドアをアウタパネルを省略した状態で車両外側から見た斜視図である。 図5に示すスライドドアに用いられるロアヒンジリインフォース及び第2リインフォース付近の構成を示す拡大斜視図である。 図3に示すスライドドアに取り付けられるロアヒンジ付近の構成を示す斜視図である。 図5に示すスライドドアのインナパネルに形成された挿入口から挿入されるワックス塗布用のノズルと、ロアヒンジリインフォースの切り欠き部付近を示す斜視図である。 図5に示すスライドドアに取り付けられるタッチセンサ及びロアヒンジリインフォース付近の構成を示す断面図である。 スライドドアを開けたときにロアヒンジに入力が加わることにより、スライドドアが変形した状態を示す図6に対応する拡大斜視図である。 スライドドアの変形前と変形後の状態を図示するための断面位置を示す斜視図である。 (A)は、 図11中の12Y−12Y線に沿ったスライドドアの変形前の状態を示す断面図であり、(B)は、 図11中の12Y−12Y線に沿ったスライドドアの変形後の状態を誇張して示した断面図である。 比較例のスライドドアに用いられるロアヒンジリインフォース及び第2リインフォース付近の構成を示す拡大斜視図である。 図13に示すスライドドアを開けたときにロアヒンジに下向きの入力が加わることにより、ロアヒンジが変形した状態を示す斜視図である。 図13に示すスライドドアを開けたときにロアヒンジに下向きの入力が加わることにより、インナパネルの締結面に作用する荷重を示す斜視図である。 (A)は、 図15中の16Y−16Y線に沿ったスライドドアの変形前の状態を示す断面図であり、(B)は、 図15中の16Y−16Y線に沿ったスライドドアの変形後の状態を誇張して示した断面図である。 図13に示すスライドドアを開けたときにロアヒンジに下向きの入力が加わることにより、スライドドアが変形した状態を示す拡大斜視図である。
以下、図1〜図12を用いて、本発明の一実施形態に係るスライドドア構造について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両後方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。また、矢印RRは車両後方側を示している。
図1には、本実施形態のスライドドア構造10が適用された車体が斜視図にて示されており、図2には、車体に設けられたスライドドアの開扉状態が斜視図にて示されている。図1及び図2に示されるように、スライドドア構造10が適用された車体(車両本体)12は、車体12の側面12Aに沿って車両前後方向にスライドされるスライドドア本体としてのスライドドア14を備えている。スライドドア14は、車体12の側面12Aに設けられたドア開口16を開閉することで、乗員が助手席等の前席に乗車することが可能とされた所謂前席スライドドアである。
図2に示されるように、車体12は、その側部に車両前後方向を長手方向として延在するロッカ18と、ロッカ18の車両前方側の端部から車両上方側に延在するフロントピラー20と、を備えている。また、車体12は、その側部にフロントピラー20の車両上方側の端部から車両後方側に延在するルーフサイドレール22と、ルーフサイドレール22の車両後方側の端部から車両下方側に延在すると共に、下端部がロッカ18の後端部に接続されたリアピラー24と、を備えている。車体12のドア開口16は、ロッカ18とフロントピラー20とルーフサイドレール22とリアピラー24とで囲まれた範囲に設けられており、車両側面視にて略矩形状とされている。車体12は、スライドドア14を開ける(開方向にスライドさせる)ことにより、ドア開口16を通じて車外側と車室26内とが連通されるようになっている。
図3〜図5に示されるように、スライドドア14は、車両幅方向内側に配置されるドアインナパネル(インナパネル)30と、このドアインナパネル30の車両幅方向外側に配置されるドアアウタパネル(アウタパネル)32とを主要な要素として構成されている(図7参照)。図3及び図4に示されるように、スライドドア14の車両幅方向内側におけるドアインナパネル30の車両前側の下部には、ロアヒンジ34が取り付けられている。ロアヒンジ34は、車両正面視にて略L字状に屈曲された側面部34Aと横壁部34Bとを備えている。ドアインナパネル30は、車両幅方向内側に配置されて車両上下方向及び車両前後方向に延在される壁面30Aを備えており、ロアヒンジ34の側面部34Aがドアインナパネル30の壁面30Aに固定されている(図7参照)。ロアヒンジ34の横壁部34Bの先端には、ブラケット36が取り付けられており、ブラケット36には、ロアローラ38が設けられたベース部40が回動可能に連結されている(図4参照)。ロアヒンジ34は、車体12とスライドドア14とをブラケット36を介して連結しスライドドア14を開閉可能に構成している。
車体12におけるドア開口16の下方側には、略車両前後方向に沿って長尺状のロアローラガイド42(図4参照)が設けられている。ロアローラガイド42は、前端部よりも後端部が車両幅方向外側に配置されるように湾曲して形成されている。ロアローラ38が車体12側のロアローラガイド42内を移動することで、スライドドア14が略車両前後方向に沿ってスライドするようになっている。車体12におけるドア開口16の後方側には、全開ストッパ(図示省略)が設けられており、スライドドア14を全開したときに全開ストッパに当たることで、スライドドア14が全開位置でロックされるようになっている。
図4、図7及び図12(A)に示されるように、ドアインナパネル30及びドアアウタパネル32は、車両前後方向及び車両幅方向に延在する板状のプレス成型部品である。ドアインナパネル30の外周には、フランジ状の端部30Bが形成されており、この端部30Bにドアアウタパネル32の端部32Aが折り返されてヘミング加工されることによって結合されている。
図6には、スライドドア14の車両前側の下部がドアアウタパネル32(図4参照)を省略した状態で斜視図にて示されている(図5参照)。図5及び図6に示されるように、スライドドア14の内部(ドアインナパネル30とドアアウタパネル32との間)には、ドアインナパネル30を補強するロアヒンジリインフォース50と、第2リインフォース(他のリインフォース)52とが設けられている。第2リインフォース52は、ロアヒンジリインフォース50よりドアインナパネル30側に配置されており、第2リインフォース52を設けることで、ロアヒンジ34のドアインナパネル30への締結部が更に補強されている。ロアヒンジリインフォース50の車両外側には、車両側面視にて略三角形状に形成され外周部にフランジが立設された板状のリテーナ54が設けられている。なお、スライドドア14の内部には、略車両前後方向に沿って延在されるインパクトビーム94(図5参照)がドアインナパネル30に固定されている。
図6及び図7に示されるように、略三角形状に形成されたリテーナ54の3箇所の角部付近で、ロアヒンジリインフォース50及び第2リインフォース52を介してドアインナパネル30の車両幅方向内側に配置されるロアヒンジ34の側面部34Aが締結具により固定されている。より具体的には、図6及び図7では、車両前方の上側の締結部66Aと、車両前方の下側の締結部66Bと、車両後方の下側の締結部66Cの3箇所で、ロアヒンジ34の側面部34Aがドアインナパネル30側に固定されている。ロアヒンジ34の側面部34Aは、ドアインナパネル30を介して第2リインフォース52、ロアヒンジリインフォース50及びリテーナ54によって支持されており、ロアヒンジ34の締結部が補強されている。
ドアインナパネル30は、壁面30A(図7参照)の前端部から車両幅方向外側に屈曲される壁部としての前壁部30Dと、壁面30Aの下端部から車両幅方向外側に屈曲される下壁部30E(図6参照)と、を備えている。図6に示されるように、ロアヒンジリインフォース50は、車両幅方向を厚さ方向として配置される板状の一般部としての縦壁部50Aと、縦壁部50Aの車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に折り曲げられて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部50Bと、を備えている。本実施形態では、折り曲げ部50Bは、車両正面視にて、縦壁部50Aの上部が車両幅方向外側に折り曲げられた斜め方向の壁と、その壁の車両幅方向外側の端部から略車両上方側に折り曲げられた縦壁と、を備えている(図12(A)参照)。また、折り曲げ部50Bは、縦壁部50Aの上部が車両幅方向外側に折り曲げられた壁の車両幅方向外側端部が、平面視(車両上面視)にて車両後方側から車両前方側に向かうにしたがって車両幅方向外側に延びるような構成とされている。
また、ロアヒンジリインフォース50は、折り曲げ部50Bの車両前後方向前端部に車両幅方向外側に折り曲げられて形成されると共に、縦壁部50Aの車両前側と接続された前面フランジ部50Cを備えている。言い換えると、前面フランジ部50Cは、折り曲げ部50Bの前端部及び縦壁部50Aの前端部から車両幅方向外側に延びると共に、車両上下方向に沿って延びている。前面フランジ部50Cは、ドアインナパネル30の前壁部30Dに沿って配置されている。
第2リインフォース52は、ドアインナパネル30に沿って配置されており、第2リインフォース52の車両上下方向の下部側は、車両幅方向でロアヒンジリインフォース50とほぼ重なる位置に配置されている。第2リインフォース52の上部52Aは、ロアヒンジリインフォース50より車両上方に延在されている(図5参照)。第2リインフォース52の前端部には、車両幅方向外側に屈曲されたフランジ部52B(図6参照)を備えている。フランジ部52Bは、車両上下方向に沿って延びており(車両上下方向に繋がっており)、ドアインナパネル30の前壁部30Dとロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cとの間に配置されている。
ドアインナパネル30の板厚は、ロアヒンジリインフォース50及び第2リインフォース52のそれぞれの板厚より薄く設定されている。なお、ロアヒンジリインフォース50と第2リインフォース52の板厚は、どちらが厚くてもよいし、又両方とも同じでもよいが、本実施形態では第2リインフォース52の板厚がロアヒンジリインフォース50の板厚より厚く設定されている。
ロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cの上端部は、第2リインフォース52のフランジ部52Bに打点56Aに示すスポット溶接等により接合されている。本実施形態では、打点56Aによって、前面フランジ部50Cとフランジ部52Bとが接合されており(2枚打点)、ドアインナパネル30の前壁部30Dとは接合されていない。
ロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cの上下方向中間部は、第2リインフォース52のフランジ部52Bに打点56Bに示すスポット溶接等により接合されている。本実施形態では、打点56Bによって、前面フランジ部50Cとフランジ部52Bとが接合されており(2枚打点)、ドアインナパネル30の前壁部30Dとは接合されていない。
ロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cには、打点56Aと打点56Bとの間、及び打点56Bの車両下方側に、開口58が2個形成されている。これらの開口58内で、第2リインフォース52のフランジ部52Bとドアインナパネル30の前壁部30Dとが打点59A、59Bに示すスポット溶接等により接合されている。本実施形態では、開口58は、円形状であるが、第2リインフォース52のフランジ部52Bとドアインナパネル30の前壁部30Dとの溶接が可能であれば、他の形状に変更してもよい。
本実施形態では、組み付け時には、まずロアヒンジリインフォース50と第2リインフォース52とが接合される。その過程で、ロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cと第2リインフォース52のフランジ部52Bとが打点56A、56Bに示すスポット溶接等により接合される。
その後、第2リインフォース52とドアインナパネル30とが接合される。その過程で、第2リインフォース52のフランジ部52Bとドアインナパネル30の前壁部30Dとがロアヒンジリインフォース50の開口58内で、打点59A、59Bに示すスポット溶接等により接合される。これにより、ドアインナパネル30に第2リインフォース52及びロアヒンジリインフォース50が取り付けられる。
また、ロアヒンジリインフォース50における前面フランジ部50Cの車両上下方向の下部には、縦壁部(一般部)50Aとの間を略L字状に切り欠いた切り欠き部60が形成されている。ロアヒンジリインフォース50の切り欠き部60は、ドアインナパネル30の車両前方の下端の角部30F付近と対向するように配置されている。
図8に示されるように、ドアインナパネル30におけるロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cより上方側には、ワックス塗布用のノズル90が挿入される挿入口62が形成されている。ロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cに切り欠き部60が設けられていることにより、前面フランジ部50Cの挿入口62から挿入されたワックス塗布用のノズル90の先端90Aが切り欠き部60の位置まで挿入されるようになっている。これにより、ドアインナパネル30の下端の角部30F付近におけるドアアウタパネル32の端部32Aとヘミング加工された部位に防錆用のワックスが塗布されるようになっている。
さらに、ロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cの車両上下方向の中間部には、打点56Bとその下方側の開口58との間に、取付穴64が形成されている。図9に示されるように、取付穴64は、スライドドア14と車体12との間の異物の挟み込みを検出するためのタッチセンサ70をドアインナパネル30の前壁部30Dに取り付けるための穴である。また、第2リインフォース52のフランジ部52Bにも、取付穴64の位置と合わせて取付穴68が形成されている。本実施形態では、取付穴64及び取付穴68は略円形状に形成されているが、他の形状に変更してもよい。ドアインナパネル30の前壁部30Dの前方側には、車両上下方向に沿ってタッチセンサ70が配置されている。そして、取付穴64及び取付穴68内で第2リインフォース52の側からタッチセンサ70に取付具としてのクリップ72が嵌合されることで、タッチセンサ70がドアインナパネル30の前壁部30Dに固定されている。これにより、スライドドア14を閉方向にスライドさせるときに、スライドドア14と車体12との異物の挟み込みをタッチセンサ70により検出するようになっている。
次に、本実施形態のスライドドア構造10の作用並びに効果について説明する。
図2に示されるように、スライドドア14を車両後方側(開方向)にスライドさせることで、車体12のドア開口16を開放する。スライドドア14を開方向にスライドさせると、スライドドア14が車体12のドア開口16の後方側に設けられた全開ストッパ(図示省略)に当たり、スライドドア14がロックされる。そのとき、図3に示されるように、ロアヒンジ34に車両前後方向の入力(車両前方側への入力)A及び車両上下方向の入力(車両下方側への入力)Bが加わる。
図6に示されるように、ロアヒンジリインフォース50には、縦壁部(一般部)50Aの車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に折り曲げられて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部50Bが形成されている。これによって、車両前方側への入力Aに対するロアヒンジリインフォース50の剛性を増加させることができる。
また、ロアヒンジリインフォース50には、折り曲げ部50Bの車両前後方向前端部に車両幅方向外側に折り曲げられて形成されると共に、縦壁部50Aの車両前側と接続された前面フランジ部50Cが形成されている。この前面フランジ部50Cは、ドアインナパネル30の前壁部30Dに沿って配置されている。これによって、車両下方側への入力Bに対するロアヒンジリインフォース50の剛性を増加させることができる。
このため、図10に示されるように、ロアヒンジ34(図3参照)に車両前方側への入力A及び車両下方側への入力Bが作用したとき、ロアヒンジリインフォース50の変形を抑制することができる。すなわち、前面フランジ部50Cがない場合には、ロアヒンジ34(図3参照)に車両下方側への入力Bが作用すると、ロアヒンジリインフォースの車両上下方向の中間部の上下が車両幅方向外側へ略L字状に変形しやすい。本実施形態では、前面フランジ部50Cを設けることで、ロアヒンジリインフォース50が縦壁部50Aと折り曲げ部50Bとの境界付近を中心に略L字状に変形することを抑制することができる。また、ロアヒンジリインフォース50の変形を抑制することで、ドアインナパネル30の変形を抑制することができる。
ここで、本実施形態のスライドドア構造10の作用についてより詳細に説明する前に、図13〜図17を用いて、比較例のスライドドア構造100について説明する。
図13に示されるように、比較例のスライドドア構造100では、本実施形態のスライドドア構造10のロアヒンジリインフォース50及び第2リインフォース52(図6参照)に代えて、ロアヒンジリインフォース102及び第2リインフォース104が設けられている。ロアヒンジリインフォース102は、車両幅方向を厚さ方向として配置される板状の一般部としての縦壁部50Aと、縦壁部50Aの車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に折り曲げられて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部50Bと、を備えている。また、ロアヒンジリインフォース102は、縦壁部50Aの車両上下方向中間部の前端部から車両幅方向外側に屈曲された屈曲部102Aを備えている。屈曲部102Aは、車両背面視にて略U字状に突出する形状とされている。なお、ロアヒンジリインフォース102には、本実施形態のロアヒンジリインフォース50における前面フランジ部50C(図6参照)は設けられていない。
第2リインフォース104は、車両上下方向に沿って配置された縦壁部104Aと、縦壁部104Aの前端部から車両幅方向外側に配置された上側前壁部104Bと、を備えている。さらに、第2リインフォース104は、上側前壁部104Bの下方側に、縦壁部104Aの前端部から車両幅方向外側に配置された下側前壁部104Cを備えている。
ロアヒンジリインフォース102の折り曲げ部50Bの先端部は、第2リインフォース104及びドアインナパネル30の前壁部30Dに打点106Aに示すスポット溶接等により接合されている(3枚打点)。また、ロアヒンジリインフォース102の屈曲部102Aは、ドアインナパネル30の前壁部30Dに打点106Bに示すスポット溶接等により接合されている。第2リインフォース104の上側前壁部104Bと下側前壁部104Cは、ドアインナパネル30の前壁部30Dに打点106C、106Dに示すスポット溶接等によりそれぞれ接合されている。
また、ロアヒンジ34の側面部34Aは、ドアインナパネル30と第2リインフォース104とロアヒンジリインフォース102とリテーナ54に3箇所の締結部112A、112B、112Cで固定されている(図14参照)。
比較例のスライドドア構造100では、ロアヒンジリインフォース102に縦壁部50Aの車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に折り曲げられて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部50Bが設けられている。これにより、車両前方側への入力A(図3参照)に対するロアヒンジリインフォース50の剛性が増す。このため、スライドドア110を開方向にスライドさせたときに、ロアヒンジ34に車両前方側への入力Aが作用しても、折り曲げ部50Bによりロアヒンジリインフォース102の変形を抑制することができる。
一方、図14に示されるように、スライドドア110を開方向にスライドさせたときに、ロアヒンジ34に車両下方側への入力Bが作用すると、ロアヒンジ34が下向きに変形しやすい。これによって、図15に示されるように、ロアヒンジ34がドアインナパネル30の壁面30Aと締結固定される上側の締結部112Aに、車両内側への荷重(矢印C)が作用する。これと共に、ロアヒンジ34がドアインナパネル30の壁面30Aと締結固定される下側の締結部112Bに、車両外側への荷重(矢印D)が作用する。
図16(A)には、スライドドア110におけるロアヒンジ34とドアインナパネル30の締結面の変形前の状態が断面図にて示されている。図16(B)には、スライドドア110におけるロアヒンジ34とドアインナパネル30の締結面の変形後の状態が断面図にて示されている。図16(B)は、比較例のスライドドア構造100の構成及び作用をより分かりやすくするため、変形状態を誇張して図示している。なお、図16(A)、(B)では、ロアヒンジ34とドアインナパネル30等を締結固定する締結具は省略している。
図16(B)に示されるように、ロアヒンジ34の側面部34Aは、車両内側への荷重(矢印C)と車両外側への荷重(矢印D)が加わることにより、車両前後方向の軸周りに回転するように変形する。このロアヒンジ34の側面部34Aの変形に伴って、図17に示されるように、ロアヒンジ34の締結面に配置されたロアヒンジリインフォース102が、縦壁部50Aと折り曲げ部50Bとの境界のR部120で曲がりやすくなる。このため、ロアヒンジリインフォース102が、縦壁部50Aと折り曲げ部50Bとの境界のR部120を中心に略L字状に折れ曲がる(図17中の点線122を参照)。
また、図17に示されるように、ロアヒンジリインフォース102の変形により、ドアインナパネル30の周縁部(矢印124の部位)が、矢印E、Fに示すように圧縮される方向に変形する。ドアインナパネル30の周縁部(矢印124の部位)が圧縮される方向に変形することで、ドアインナパネル30の打点面が変形し、ドアインナパネル30の前壁部30Dと第2リインフォース104の上側前壁部104Bとを接合する打点106Dが高歪となる可能性がある。
これに対して、本実施形態のスライドドア構造10では、ロアヒンジリインフォース50の折り曲げ部50Bの車両前後方向前端部に車両幅方向外側に折り曲げられて形成されると共に、縦壁部50Aの車両前側と接続された前面フランジ部50Cが形成されている。これにより、図10に示されるように、ロアヒンジ34(図3参照)に車両下方側への入力Bが作用したときに、ロアヒンジリインフォース50の折れ曲がり変形を抑制することができる。すなわち、比較例のスライドドア構造100におけるロアヒンジリインフォース102の点線122に示す変形状態に比べて、ロアヒンジリインフォース50が縦壁部50Aと折り曲げ部50Bとの境界付近を中心に略L字状に変形することを抑制することができる。また、ロアヒンジリインフォース50の変形が抑制されることで、ドアインナパネル30の周縁部(矢印31に示す部位)の変形量も低減することができる。
図12(A)には、図11中の12Y−12Y線に沿ったスライドドア14の変形前の状態が断面図にて示されており、図12(B)には、図11中の12Y−12Y線に沿ったスライドドア14の変形後の状態が断面図にて示されている。図12(B)は、本実施形態のスライドドア構造10の構成及び作用をより分かりやすくするため、変形状態を誇張して図示している。なお、図12(A)、(B)では、ロアヒンジ34とドアインナパネル30等を締結固定する締結具は省略している。図12(B)に示されるように、本実施形態のスライドドア構造10では、比較例のスライドドア構造100におけるロアヒンジリインフォース102の点線126に示す変形状態に比べて、ロアヒンジリインフォース50の変形量を低減することができる。また、ロアヒンジリインフォース50の変形量が低減されることで、ドアインナパネル30の変形量も低減することができる。
すなわち、本実施形態のスライドドア構造10では、ロアヒンジリインフォース50の前端部に前面フランジ部50Cを設けることで、ロアヒンジ34に車両上下方向の荷重が作用したときに、前面フランジ部50Cで荷重を伝達することができる。このため、比較例のスライドドア構造100におけるロアヒンジリインフォース102の変形状態に比べて、ドアインナパネル30の前壁部30Dの変形を抑制することができる。これにより、ドアインナパネル30の前壁部30Dと第2リインフォース52のフランジ部52Bとを接合する打点59Bが高歪となるのを抑制することができる。
また、本実施形態のスライドドア構造10では、ドアインナパネル30の板厚は、ロアヒンジリインフォース50及び第2リインフォース52の板厚より薄く設定されている。図6に示されるように、ロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cに2つの開口58が形成されている。そして、これらの開口58内で、第2リインフォース52のフランジ部52Bとドアインナパネル30の前壁部30Dとが打点59A、59Bに示すスポット溶接等により接合されている。
例えば、ドアインナパネルと第2リインフォースとロアヒンジリインフォースとの3枚を溶接により接合する場合、これらの接合部でドアインナパネルが変形する可能性がある。すなわち、ドアインナパネルの板厚よりも第2リインフォース及びロアヒンジリインフォースの板厚が厚い場合、3枚溶接では、ドアインナパネルの打点に対して第2リインフォース及びロアヒンジリインフォースが動きにくい。このため、ドアインナパネルの打点に対して所謂いなし効果が少なくなり、これらの接合部でドアインナパネルが変形しやすくなる。
これに対して、本実施形態では、第2リインフォース52のフランジ部52Bとドアインナパネル30の前壁部30Dとの2枚が打点59A、59Bに示すスポット溶接等により接合されている。これにより、ロアヒンジリインフォース50に対し第2リインフォース52とドアインナパネル30とが相対的に動きやすくなり、所謂いなし効果により、ドアインナパネル30の変形を抑制することができる。
また、第2リインフォース52の前端部には、ドアインナパネル30の前壁部30Dとロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cとの間で車両上下方向に繋がったフランジ部52Bが設けられている。これにより、第2リインフォース52の車両上下方向の剛性が高まり、スライドドア14を開方向にスライドさせるときに、ロアヒンジ34に車両下方側への入力Bが作用しても、第2リインフォース52の変形が抑制される。このため、ロアヒンジリインフォース50と第2リインフォース52とドアインナパネル30とが変形することをより効果的に抑制することができる。
また、ロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cの車両上下方向の下部に切り欠き部60が形成されている。図8に示されるように、ドアインナパネル30の前面フランジ部50Cより上方側には、挿入口62が形成されており、挿入口62からワックス塗布用のノズル90が挿入される。これにより、ワックス塗布用のノズル90の先端90Aをロアヒンジリインフォース50の切り欠き部60まで挿入することができる。このため、ロアヒンジリインフォース50に前面フランジ部50Cを設けた場合でも、ドアインナパネル30の端部30Bとドアアウタパネル32の端部32Aとのヘミング加工された部位にワックスを塗布することができる。
さらに、図9に示されるように、ロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cの車両上下方向の中間部に取付穴64が形成されており、タッチセンサ70が取付穴64内でドアインナパネル30の前壁部30Dにクリップ72により固定されている。このため、タッチセンサ70をドアインナパネル30の前壁部30Dにクリップ72により固定する際に、取付穴64によりクリップ72とロアヒンジリインフォース50とが干渉することを防止することができる。
なお、本実施形態では、ロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cの上端部と第2リインフォース52のフランジ部52Bとの2枚が打点56Aに示すスポット溶接等により接合されているが、これに限定されるものではない。2枚打点に代えて、前面フランジ部50Cとフランジ部52Bとドアインナパネル30の前壁部30Dとの3枚を溶接により接合してもよい。
また、縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部50Bの折り曲げ角度は、本実施形態に限定されるものではなく、変更が可能である。例えば、折り曲げ部は、車両正面視にて、縦壁部50Aの上部が車両幅方向外側に折り曲げられた略横方向の壁と、その壁の車両幅方向外側の端部から略車両上方側又は車両斜め上方側に折り曲げられた縦壁と、を備える構成でもよい。
また、本実施形態では、第2リインフォース52の前端部には、ドアインナパネル30と前面フランジ部50Cとの間で車両上下方向に繋がったフランジ部52Bが設けられているが、これに限定されるものではない。フランジ部52Bの形状は、必ずしも車両上下方向に繋がっている必要はなく、変更可能である。
また、ドアインナパネル30の板厚が、ロアヒンジリインフォース50及び第2リインフォース52の板厚より薄く設定されているが、これに限定するものではなく、板厚は変更可能である。
また、ドアインナパネル30の前面フランジ部50Cより上方側に、ワックス塗布用のノズル90が挿入される円形状の挿入口62が形成されているが、挿入口62の位置や形状は変更可能である。
また、ロアヒンジリインフォース50の前面フランジ部50Cの車両上下方向の中間部に、タッチセンサ70を取り付けるための円形状の取付穴64が形成されているが、取付穴64の位置や形状は変更可能である。
また、本発明のスライドドア構造は、本実施形態の前席スライドドアに限定されるものではなく、他のスライドドアにも適用可能である。例えば、車体の側面に複数のサイドドアを備える場合、後席スライドドアにも本発明のスライドドア構造を適用することができる。
10 スライドドア構造
12 車体
12A 側面
14 スライドドア(スライドドア本体)
16 ドア開口
30 ドアインナパネル(インナパネル)
30B 端部
30D 前壁部(壁部)
32 ドアアウタパネル(アウタパネル)
32A 端部
34 ロアヒンジ
50 ロアヒンジリインフォース
50A 縦壁部(一般部)
50B 折り曲げ部
50C 前面フランジ部
52 第2リインフォース(他のリインフォース)
52B フランジ部
56A 打点(溶接により接合される打点)
56B 打点(溶接により接合される打点)
58 開口
59A 打点(溶接により接合される打点)
59B 打点(溶接により接合される打点)
60 切り欠き部
62 挿入口
64 取付穴
70 タッチセンサ
72 クリップ(取付具)
90 ノズル
90A 先端

Claims (4)

  1. 車体の側面に設けられたドア開口を車両前後方向に沿ってスライドさせて開閉するスライドドア本体と、
    前記スライドドア本体の内部の下部に設けられ、前記スライドドア本体の車両幅方向内側に配置されるインナパネルに固定されると共に、前記インナパネルの板厚よりも厚く設定されかつ前記インナパネルに取り付けられたロアヒンジを支持するロアヒンジリインフォースと、
    前記ロアヒンジリインフォースよりも前記インナパネル側に配置されると共に前記インナパネルの板厚よりも厚く設定された他のリインフォースと、
    前記ロアヒンジリインフォースに形成され、車両幅方向を厚さ方向として配置される板状の一般部と、
    前記ロアヒンジリインフォースに形成され、前記一般部の車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に延設されて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部と、
    前記ロアヒンジリインフォースにおける前記折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に延設されて形成されると共に、前記一般部の車両前側と接続され、少なくとも上部が前記インナパネル側に接合されている前面フランジ部と、
    前記前面フランジ部に形成され、内部で前記他のリインフォースと前記インナパネルとが接合されている開口と、
    を有するスライドドア構造。
  2. 前記他のリインフォースの前端部には、前記インナパネルと前記前面フランジ部との間で車両上下方向に延在するフランジ部が設けられている請求項1に記載のスライドドア構造。
  3. 車体の側面に設けられたドア開口を車両前後方向に沿ってスライドさせて開閉すると共に、車両幅方向内側に配置されるインナパネルの車両幅方向外側に配置されるアウタパネルを備え、前記インナパネルの端部と前記アウタパネルの端部とが折り返し部により結合されたスライドドア本体と、
    前記スライドドア本体の内部の下部に設けられ、前記インナパネルに固定されると共に、前記インナパネルに取り付けられたロアヒンジを支持するロアヒンジリインフォースと、
    前記ロアヒンジリインフォースに形成され、車両幅方向を厚さ方向として配置される板状の一般部と、
    前記ロアヒンジリインフォースに形成され、前記一般部の車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に延設されて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部と、
    前記ロアヒンジリインフォースにおける前記折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に延設されて形成されると共に、前記一般部の車両前側と接続され、少なくとも上部が前記インナパネル側に接合されている前面フランジ部と、
    前記前面フランジ部の車両上下方向の下部に形成された切り欠き部と、
    前記インナパネルの前記前面フランジ部より上方側に形成されると共にワックス塗布用のノズルが挿入される挿入口と、
    を有するスライドドア構造。
  4. 車体の側面に設けられたドア開口を車両前後方向に沿ってスライドさせて開閉するスライドドア本体と、
    前記スライドドア本体の内部の下部に設けられ、前記スライドドア本体の車両幅方向内側に配置されるインナパネルに固定されると共に、前記インナパネルに取り付けられたロアヒンジを支持するロアヒンジリインフォースと、
    前記ロアヒンジリインフォースに形成され、車両幅方向を厚さ方向として配置される板状の一般部と、
    前記ロアヒンジリインフォースに形成され、前記一般部の車両前後方向前側の上部が車両幅方向外側に延設されて縦断面形状が略クランク状とされた折り曲げ部と、
    前記ロアヒンジリインフォースにおける前記折り曲げ部の車両前後方向前端部に車両幅方向外側に延設されて形成されると共に、前記一般部の車両前側と接続され、少なくとも上部が前記インナパネル側に接合されている前面フランジ部と、
    前記前面フランジ部の車両上下方向の中間部に形成された取付穴と、
    前記取付穴内で前記インナパネルの壁部に取付具により固定されており、前記車体と前記スライドドア本体との間の異物の挟み込みを検出するタッチセンサと、
    を有するスライドドア構造。
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