JP5900150B2 - 筒内噴射式内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関の始動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関で駆動される高圧ポンプにより供給される燃料を筒内に直接噴射する筒内噴射式内燃機関の始動制御装置に関する発明である。
気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式エンジンは、吸気ポートに燃料を噴射する吸気ポート噴射式エンジンと比較して、噴射から燃焼までの時間が短く、噴射燃料を霧化させる時間を十分に稼ぐことができないため、噴射圧力を高圧にして噴射燃料を微粒化する必要がある。そのため、筒内噴射式エンジンでは、電動式の低圧ポンプで燃料タンクから汲み上げた燃料を、エンジンの動力で駆動される高圧ポンプに供給し、この高圧ポンプから吐出される高圧の燃料を燃料噴射弁へ圧送するようにしている。
このような筒内噴射式エンジンでは、低温始動時に燃料が気化し難くなって燃料の霧化状態が悪くなるため、低温時の始動性が悪化する傾向がある。この対策として、例えば、特許文献1(特開2009−216050号公報)に記載されているように、排気バルブのリフト動作を停止させて排気バルブを閉弁状態にする弁停止機構を備え、低温始動時に排気バルブのリフト動作を停止させた状態でクランキングを行うポンピング制御を所定期間実行して吸気温度を上昇させた後に、燃料噴射及び点火を開始することで、燃料の霧化を促進するようにしたものがある。
特開2009−216050号公報
筒内噴射式エンジンの始動時には、バッテリの電力でスタータを駆動してエンジンをクランキングすると共に、バッテリの電力でクランキングされたエンジンの動力で高圧ポンプも駆動して燃圧(燃料の圧力)を上昇させる技術が採用される場合がある。低温始動時(特に極低温始動時)に前述したポンピング制御(排気バルブのリフト動作を停止させた状態でクランキングを行う制御)を実行する場合、低温時のエンジンオイル(潤滑油)の粘度上昇によるフリクションの増加や、排気行程での筒内空気圧縮による負荷トルクの増加によってクランキングトルクが増加するため、バッテリ負荷が増大する。
しかし、上記特許文献1の技術では、低温始動時に、クランキング開始当初からポンピング制御を実行するため、バッテリ負荷の増大によるバッテリ電圧不足によって、燃圧を所定の目標燃圧に上昇させるまでクランキングを継続することが困難になり、燃圧を目標燃圧まで上昇させることができない可能性がある。このため、燃圧不足により噴射燃料の微粒化不足や噴射量不足が発生して、低温始動時(特に極低温始動時)の始動性が悪化する可能性がある。
また、上記特許文献1の技術では、低温始動時に、クランキング開始当初からポンピング制御を実行するため、前回のエンジン停止時に予め排気バルブのリフト動作を停止させた状態に切り換えておく必要がある。このため、温間始動時でポンピング制御を実行しない場合には、始動時に排気バルブのリフト動作を停止させた状態から排気バルブをリフト動作させる状態に戻す時間が必要となり、その分、始動制御の開始が遅れて始動完了が遅くなるという欠点がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、温間始動時の始動性を確保しながら、低温始動時の始動性を向上させることができる筒内噴射式内燃機関の始動制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、内燃機関(11)で駆動される高圧ポンプ(42)により供給される燃料を筒内に直接噴射する筒内噴射式内燃機関に適用され、内燃機関(11)の排気バルブ(34)の開閉動作を停止させて該排気バルブ(34)を閉弁状態に維持する排気バルブ停止機構(36)を備えた筒内噴射式内燃機関の始動制御装置において、内燃機関(11)の始動時に所定の低温条件が成立したときに、高圧ポンプ(42)により供給される燃料の圧力が目標燃圧に上昇するまで燃料噴射及び点火を停止すると共に排気バルブ(34)を開閉動作させて内燃機関(11)をクランキングする燃圧上昇制御と、該燃圧上昇制御後に所定期間が経過するまで燃料噴射及び点火を停止すると共に排気バルブ(34)の開閉動作を停止させて該排気バルブ(34)を閉弁状態に維持して内燃機関(11)をクランキングする筒内温度上昇制御とを実行した後に、燃料噴射及び点火を実行すると共に排気バルブ(34)を開閉動作させて内燃機関(11)をクランキングする始動制御手段(30)を備えた構成としたものである。
低温始動時(特に極低温始動時)に、排気バルブを閉弁状態に維持して内燃機関をクランキングする筒内温度上昇制御を実行する場合、低温時のエンジンオイル(潤滑油)の粘度上昇によるフリクションの増加や、排気行程での筒内空気圧縮による負荷トルクの増加によってクランキングトルクが増加するため、バッテリ負荷が増大する。
このような事情を考慮して、本発明では、内燃機関の始動時に低温条件が成立したときには、筒内温度上昇制御を実行する前に、まず、燃圧上昇制御を実行する。排気バルブを開閉動作させて内燃機関をクランキングする燃圧上昇制御は、排気バルブを閉弁状態に維持して内燃機関をクランキングする筒内温度上昇制御と比較して、バッテリ負荷を低減することができるため、筒内温度上昇制御を実行する前に、燃圧上昇制御を実行することで、バッテリ電圧不足を招くことなく、燃圧が目標燃圧に上昇するまで燃圧上昇制御を継続して、燃圧を確実に目標燃圧まで上昇させることができる。
この燃圧上昇制御の実行後に、筒内温度上昇制御を実行する。排気バルブを閉弁状態に維持して内燃機関をクランキングする筒内温度上昇制御では、排気行程でも筒内の空気を圧縮して筒内の空気の温度を上昇させることができる。そして、次の吸気行程で吸気バルブが開弁したときに筒内の昇温された空気が一旦吸気ポートへ拭き戻された後に再び筒内に吸入されるため、筒内温度(筒内の吸気温度)を上昇させることができ、これにより、同じ圧縮比でも着火性に大きく影響する圧縮端温度(圧縮上死点付近での筒内温度)を高くすることができる。
このようにして、燃圧上昇制御によって燃圧を目標燃圧に上昇させることで、噴射燃料の微粒化を促進することができると共に必要な噴射量を確保することができ、更に、筒内温度上昇制御によって筒内温度を上昇させることで、圧縮端温度上昇及び燃料霧化促進効果により、混合気の着火性を向上させることができるため、低温始動時の始動性を向上させることができ、極低温始動時でも始動性を確保することができる。
また、排気バルブを開閉動作させて内燃機関をクランキングする燃圧上昇制御を実行した後に、排気バルブを閉弁状態に維持して内燃機関をクランキングする筒内温度上昇制御を実行するため、前回のエンジン停止時に予め排気バルブを閉弁状態に維持する状態に切り換えておく必要がない。このため、温間始動時で筒内温度上昇制御を実行しない場合でも、速やかに通常の始動制御を開始することができ、温間始動時の始動性を確保することができる。
図1は本発明の実施例1におけるエンジン制御システムの概略構成を示す図である。 図2は燃料供給システムの概略構成を示す図である。 図3は冷間始動時の始動制御の実行例を示すタイムチャートである。 図4は実施例1の始動制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図5は外気温度に応じた目標燃圧のマップの一例を概念的に示す図である。 図6は吸気温度に応じた目標燃圧のマップの一例を概念的に示す図である。 図7は燃料温度に応じた目標燃圧のマップの一例を概念的に示す図である。 図8はシリンダ壁面温度に応じた目標燃圧のマップの一例を概念的に示す図である。 図9は外気温度に応じた所定期間のマップの一例を概念的に示す図である。 図10は吸気温度に応じた所定期間のマップの一例を概念的に示す図である。 図11は燃料温度に応じた所定期間のマップの一例を概念的に示す図である。 図12はシリンダ壁面温度に応じた所定期間のマップの一例を概念的に示す図である。 図13は実施例2の始動制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図14は実施例2の筒内温度上昇制御の際の吸気バルブ制御を説明する図である。 図15は実施例3の始動制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図16は実施例3の筒内温度上昇制御の際の吸気バルブ制御を説明する図である。 図17は実施例4の始動制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図18は実施例4の筒内温度上昇制御の際の吸気バルブ制御を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図12に基づいて説明する。
筒内噴射式の内燃機関である筒内噴射式エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、エンジン11の各気筒には、それぞれ筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各気筒の点火プラグ22の火花放電によって各気筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、ノッキングを検出するノックセンサ27が取り付けられている。また、クランク軸28の外周側には、クランク軸28が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ29が取り付けられ、このクランク角センサ29の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
更に、吸気温センサ31によって吸気温度が検出され、外気温センサ32によって外気温度が検出される。吸気温センサ31は、エアフローメータ14と一体化したタイプのものを用いても良いし、エアフローメータ14とは別体で吸気管12に配置するタイプのものを用いても良い。
また、エンジン11には、吸気バルブ33のバルブタイミング(開閉タイミング)を変化させる可変バルブタイミング機構35(可変バルブ機構)と、排気バルブ34のリフト量を変化させる可変バルブリフト機構36とが設けられ、この可変バルブリフト機構36によって排気バルブ34のリフト量を「0」にすることで、排気バルブ34の開閉動作を停止させて排気バルブ34を閉弁状態に維持することができるようになっている。この可変バルブリフト機構36が特許請求の範囲でいう排気バルブ停止機構としての役割を果たす。更に、エンジン11には、吸気カム軸の回転に同期してカム角信号を出力する吸気カム角センサ37と、排気カム軸の回転に同期してカム角信号を出力する排気カム角センサ38が設けられている。
次に、図2を用いて燃料供給システムの構成を説明する。
燃料を貯溜する燃料タンク39内には、燃料を汲み上げる低圧ポンプ40が設置されている。この低圧ポンプ40は、バッテリ(図示せず)を電源とする電動モータ(図示せず)によって駆動される。この低圧ポンプ40から吐出される燃料は、燃料配管41を通して高圧ポンプ42に供給される。燃料配管41には、プレッシャレギュレータ43が接続され、このプレッシャレギュレータ43によって低圧ポンプ40の吐出圧力(高圧ポンプ42への燃料供給圧力)が所定圧力に調圧され、その圧力を越える燃料の余剰分が燃料戻し配管44により燃料タンク39内に戻されるようになっている。
高圧ポンプ42は、円筒状のポンプ室45内でピストン46を往復運動させて燃料を吸入/吐出するピストンポンプであり、ピストン46は、エンジン11のカム軸47(吸気カム軸又は排気カム軸)に嵌着されたカム48の回転運動によって駆動される。
この高圧ポンプ42の吸入口49側には、燃圧制御弁50が設けられている。この燃圧制御弁50は、常開型の電磁弁であり、吸入口49を開閉する弁体51と、この弁体51を開弁方向に付勢するスプリング52と、弁体51を閉弁方向に電磁駆動するソレノイド53とから構成されている。
高圧ポンプ42の吸入行程(ピストン46の下降時)において燃圧制御弁50の弁体51が開弁してポンプ室45内に燃料が吸入され、高圧ポンプ42の吐出行程(ピストン46の上昇時)において燃圧制御弁50の弁体51が閉弁してポンプ室45内の燃料が吐出されるようにソレノイド53の通電を制御する。その際、ソレノイド53の通電開始時期を制御して燃圧制御弁50の閉弁期間(閉弁開始時期からピストン46の上死点までの閉弁状態のクランク角区間)を制御することで、高圧ポンプ42の吐出量を制御して燃圧(燃料圧力)を制御する。
例えば、燃圧を上昇させるときには、ソレノイド53の通電開始時期を進角させて燃圧制御弁50の閉弁開始時期を進角させることで、燃圧制御弁50の閉弁期間を長くして高圧ポンプ42の吐出量を増加させる。逆に、燃圧を低下させるときには、ソレノイド53の通電開始時期を遅角させて燃圧制御弁50の閉弁開始時期を遅角させることで、燃圧制御弁50の閉弁期間を短くして高圧ポンプ42の吐出量を減少させる。
一方、高圧ポンプ42の吐出口54側には、吐出した燃料の逆流を防止する逆止弁55が設けられている。高圧ポンプ42から吐出される燃料は、高圧燃料配管56を通してデリバリパイプ57に送られ、このデリバリパイプ57からエンジン11の各気筒に取り付けられた燃料噴射弁21に高圧の燃料が分配される。デリバリパイプ57(又は高圧燃料配管56)には、高圧燃料配管56やデリバリパイプ57等の高圧燃料通路内の燃圧を検出する燃圧センサ58が設けられている。また、デリバリパイプ57には、リリーフ弁59が設けられ、このリリーフ弁59の排出ポートがリリーフ配管60を介して燃料タンク39(又は低圧側の燃料配管41)に接続されている。
エンジン11は、クランク軸28の動力がタイミングチェーン等(図示せず)によりカム軸47に伝達されるようになっている。エンジン11の始動時には、バッテリ(図示せず)の電力でスタータ61(図1参照)を駆動してエンジン11をクランキングすると共に、バッテリの電力でクランキングされたエンジン11のクランク軸28の動力をカム軸47に伝達することで高圧ポンプ42を駆動して燃圧を上昇させるようにしている。
上述した各種センサの出力は、電子制御ユニット(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御用のプログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて、燃料噴射量、点火時期、スロットル開度(吸入空気量)等を制御する。
また、ECU30は、後述する図4の始動制御ルーチンを実行することで、図3に示すように、エンジン11の始動時に所定の低温条件が成立したときには、まず、燃圧が目標燃圧に上昇するまで燃料噴射及び点火を停止すると共に排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングする燃圧上昇制御を実行し、この燃圧上昇制御後に所定期間が経過するまで燃料噴射及び点火を停止すると共に排気バルブ34の開閉動作を停止させて排気バルブ34を閉弁状態に維持してエンジン11をクランキングする筒内温度上昇制御を実行する。この後、燃料噴射及び点火を実行すると共に排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングすることで、エンジン11を始動させる。
低温始動時(特に極低温始動時)に、排気バルブ34を閉弁状態に維持してエンジン11をクランキングする筒内温度上昇制御を実行する場合、低温時のエンジンオイル(潤滑油)の粘度上昇によるフリクションの増加や、排気行程での筒内空気圧縮による負荷トルクの増加によってクランキングトルクが増加するため、バッテリ負荷が増大する。
このような事情を考慮して、本実施例では、エンジン11の始動時に低温条件が成立したときには、筒内温度上昇制御を実行する前に、まず、燃圧上昇制御を実行する。排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングする燃圧上昇制御は、排気バルブ34を閉弁状態に維持してエンジン11をクランキングする筒内温度上昇制御と比較して、バッテリ負荷を低減することができるため、筒内温度上昇制御を実行する前に、燃圧上昇制御を実行することで、バッテリ電圧不足を招くことなく、燃圧が目標燃圧に上昇するまで燃圧上昇制御を継続して、燃圧を確実に目標燃圧まで上昇させることができる。
この燃圧上昇制御の実行後に、筒内温度上昇制御を実行する。排気バルブ34を閉弁状態に維持してエンジン11をクランキングする筒内温度上昇制御では、排気行程でも筒内の空気を圧縮して筒内の空気の温度を上昇させることができる。そして、次の吸気行程で吸気バルブ33が開弁したときに筒内の昇温された空気が一旦吸気ポートへ拭き戻された後に再び筒内に吸入されるため、筒内温度(筒内の吸気温度)を上昇させることができ、これにより、同じ圧縮比でも着火性に大きく影響する圧縮端温度(圧縮上死点付近での筒内温度)を高くすることができる。
以下、ECU30が実行する図4の始動制御ルーチンの処理内容を説明する。
図4に示す始動制御ルーチンは、例えばスタータスイッチ(図示せず)がオンされたときに実行され、特許請求の範囲でいう始動制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、所定の低温条件が成立しているか否かを判定する。この場合、例えば、外気温センサ32で検出した外気温度が所定値以下であるか否かによって低温条件が成立しているか否かを判定する。
尚、低温条件が成立しているか否かの判定方法は、これに限定されず、適宜変更しても良く、例えば、吸気温センサ31で検出した吸気温度が所定値以下であるか否かによって低温条件が成立しているか否かを判定するようにしても良い。
また、燃料温度を検出する燃温センサを備えたシステムの場合には、燃温センサで検出した燃料温度が所定値以下であるか否かによって低温条件が成立しているか否かを判定するようにしても良い。
或は、所定の温度情報(例えば、外気温度、吸気温度、燃料温度、冷却水温、油温等のうちの少なくとも一つ)に基づいてシリンダ壁面温度を推定し、このシリンダ壁面温度が所定値以下であるか否かによって低温条件が成立しているか否かを判定するようにしても良い。
また、外気温度と吸気温度と燃料温度とシリンダ壁面温度のうちの二つ又は三つ以上の温度情報が所定値以下であるか否かによって低温条件が成立しているか否かを判定するようにしても良い。
このステップ101で、低温条件が不成立であると判定された場合には、低温始動時ではないと判断して、ステップ109に進み、燃料噴射及び点火を実行すると共に排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングする通常始動制御を実行する。
これに対して、上記ステップ101で、低温条件が成立していると判定された場合には、低温始動時であると判断して、ステップ102以降の低温始動時の始動制御に関する処理を次のようにして実行する。
まず、ステップ102で、燃料霧化状態と相関関係を有する温度情報に応じて目標燃圧を設定する。例えば、燃料霧化状態と相関関係を有する温度情報として外気温度を用いる場合には、図5に示す外気温度に応じた目標燃圧のマップを参照して、外気温センサ32で検出した外気温度に応じた目標燃圧を算出する。一般に外気温度が低くなるほど燃料霧化状態が悪くなる傾向があるため、図5の目標燃圧のマップは、外気温度が低くなるほど目標燃圧が高くなるように設定されている。これにより、外気温度が低くなるほど目標燃圧を高くして噴射燃料の微粒化を促進することができ、燃料霧化状態の悪化を防止することができる。図5の目標燃圧のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成してECU30のROMに記憶しておく。
尚、目標燃圧の設定方法は、これに限定されず、適宜変更しても良く、例えば、燃料霧化状態と相関関係を有する温度情報として吸気温度を用いるようにしても良い。この場合、図6に示す吸気温度に応じた目標燃圧のマップを参照して、吸気温センサ31で検出した吸気温度に応じた目標燃圧を算出する。一般に吸気温度が低くなるほど燃料霧化状態が悪くなる傾向があるため、図6の目標燃圧のマップは、吸気温度が低くなるほど目標燃圧が高くなるように設定されている。これにより、吸気温度が低くなるほど目標燃圧を高くして噴射燃料の微粒化を促進することができ、燃料霧化状態の悪化を防止することができる。図6の目標燃圧のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成してECU30のROMに記憶しておく。
また、燃料温度を検出する燃温センサを備えたシステムの場合には、燃料霧化状態と相関関係を有する温度情報として燃料温度を用いるようにしても良い。この場合、図7に示す燃料温度に応じた目標燃圧のマップを参照して、燃温センサで検出した燃料温度に応じた目標燃圧を算出する。一般に燃料温度が低くなるほど燃料霧化状態が悪くなる傾向があるため、図7の目標燃圧のマップは、燃料温度が低くなるほど目標燃圧が高くなるように設定されている。これにより、燃料温度が低くなるほど目標燃圧を高くして噴射燃料の微粒化を促進することができ、燃料霧化状態の悪化を防止することができる。図7の目標燃圧のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成してECU30のROMに記憶しておく。
或は、燃料霧化状態と相関関係を有する温度情報としてシリンダ壁面温度を用いるようにしても良い。この場合、図8に示すシリンダ壁面温度に応じた目標燃圧のマップを参照して、所定の温度情報(例えば、外気温度、吸気温度、燃料温度、冷却水温、油温等のうちの少なくとも一つ)に基づいて推定したシリンダ壁面温度に応じた目標燃圧を算出する。一般にシリンダ壁面温度が低くなるほど燃料霧化状態が悪くなる傾向があるため、図8の目標燃圧のマップは、シリンダ壁面温度が低くなるほど目標燃圧が高くなるように設定されている。これにより、シリンダ壁面温度が低くなるほど目標燃圧を高くして噴射燃料の微粒化を促進することができ、燃料霧化状態の悪化を防止することができる。図8の目標燃圧のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成してECU30のROMに記憶しておく。
また、外気温度と吸気温度と燃料温度とシリンダ壁面温度のうちの二つ又は三つ以上の温度情報に応じて目標燃圧を算出するようにしても良い。
このようにして目標燃圧を設定した後、ステップ103に進み、燃料噴射及び点火を停止すると共に排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングする燃圧上昇制御を実行する。この後、ステップ104に進み、燃圧センサ58で検出した燃圧が目標燃圧以上であるか否かを判定し、燃圧が目標燃圧よりも低いと判定されれば、上記ステップ103に戻り、燃圧上昇制御を継続する。
その後、上記ステップ104で、燃圧が目標燃圧以上であると判定された時点で、ステップ105に進み、筒内温度と相関関係を有する温度情報に応じて所定期間(筒内温度上昇制御を実行する期間)を設定する。尚、所定期間は、時間で設定しても良いが、クランク角やサイクル数等で設定しても良い。
例えば、筒内温度と相関関係を有する温度情報として外気温度を用いる場合には、図9に示す外気温度に応じた所定期間のマップを参照して、外気温センサ32で検出した外気温度に応じた所定期間を算出する。一般に外気温度が低くなるほど筒内温度が低くなる傾向があるため、図9の所定期間のマップは、外気温度が低くなるほど所定期間が長くなるように設定されている。これにより、外気温度が低くなるほど所定期間(筒内温度上昇制御を実行する期間)を長くして、筒内温度上昇制御により筒内温度を上昇させ、圧縮端温度上昇および燃料霧化促進効果により、着火性を向上させることができる。図9の所定期間のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成してECU30のROMに記憶しておく。
尚、所定期間の設定方法は、これに限定されず、適宜変更しても良く、例えば、筒内温度と相関関係を有する温度情報として吸気温度を用いるようにしても良い。この場合、図10に示す吸気温度に応じた所定期間のマップを参照して、吸気温センサ31で検出した吸気温度に応じた所定期間を算出する。一般に吸気温度が低くなるほど筒内温度が低くなる傾向があるため、図10の所定期間のマップは、吸気温度が低くなるほど所定期間が長くなるように設定されている。これにより、吸気温度が低くなるほど所定期間(筒内温度上昇制御を実行する期間)を長くして、筒内温度上昇制御により筒内温度を燃料霧化を促進可能な温度まで上昇させることができる。図10の所定期間のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成してECU30のROMに記憶しておく。
また、燃料温度を検出する燃温センサを備えたシステムの場合には、筒内温度と相関関係を有する温度情報として燃料温度を用いるようにしても良い。この場合、図11に示す燃料温度に応じた所定期間のマップを参照して、燃温センサで検出した燃料温度に応じた所定期間を算出する。一般に燃料温度が低くなるほど筒内温度が低くなる傾向があるため、図11の所定期間のマップは、燃料温度が低くなるほど所定期間が長くなるように設定されている。これにより、燃料温度が低くなるほど所定期間(筒内温度上昇制御を実行する期間)を長くして、筒内温度上昇制御により筒内温度を上昇させ、圧縮端温度上昇および燃料霧化促進効果により、着火性を向上させることができる。図11の所定期間のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成してECU30のROMに記憶しておく。
或は、筒内温度と相関関係を有する温度情報としてシリンダ壁面温度を用いるようにしても良い。この場合、図12に示すシリンダ壁面温度に応じた所定期間のマップを参照して、所定の温度情報(例えば、外気温度、吸気温度、燃料温度、冷却水温、油温等のうちの少なくとも一つ)に基づいて推定したシリンダ壁面温度に応じた所定期間を算出する。一般にシリンダ壁面温度が低くなるほど筒内温度が低くなる傾向があるため、図12の所定期間のマップは、シリンダ壁面温度が低くなるほど所定期間が長くなるように設定されている。これにより、シリンダ壁面温度が低くなるほど所定期間(筒内温度上昇制御を実行する期間)を長くして、筒内温度上昇制御により筒内温度を上昇させ、圧縮端温度上昇および燃料霧化促進効果により、着火性を向上させることができる。図12の所定期間のマップは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成してECU30のROMに記憶しておく。
また、外気温度と吸気温度と燃料温度とシリンダ壁面温度のうちの二つ又は三つ以上の温度情報に応じて所定期間を算出するようにしても良い。
このようにして所定期間を設定した後、ステップ106に進み、燃料噴射及び点火を停止すると共に可変バルブリフト機構36によって排気バルブ34のリフト量を「0」にすることで排気バルブ34の開閉動作を停止させて排気バルブ34を閉弁状態に維持してエンジン11をクランキングする筒内温度上昇制御を実行する。この後、ステップ107に進み、筒内温度上昇制御を開始してから所定期間が経過したか否かを判定し、所定期間が経過していないと判定されれば、上記ステップ106に戻り、筒内温度上昇制御を継続する。
その後、上記ステップ107で、筒内温度上昇制御を開始してから所定期間が経過したと判定された時点で、ステップ108に進み、燃料噴射及び点火を実行すると共に排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングすることで、エンジン11を始動させる。この際、エンジン11の吸気行程と圧縮行程でそれぞれ燃料を噴射する分割噴射を実行する。
以上説明した本実施例1では、エンジン11の始動時に低温条件が成立したときには、筒内温度上昇制御を実行する前に、まず、燃圧上昇制御を実行するようにしたので、バッテリ電圧不足を招くことなく、燃圧が目標燃圧に上昇するまで燃圧上昇制御を継続して、燃圧を確実に目標燃圧まで上昇させることができ、この燃圧上昇制御の実行後に、筒内温度上昇制御を実行することで、筒内温度を上昇させて圧縮端温度を高くすることができる。このようにして、燃圧上昇制御によって燃圧を目標燃圧に上昇させることで、噴射燃料の微粒化を促進することができると共に必要な噴射量を確保することができ、更に、筒内温度上昇制御によって筒内温度を上昇させることで、圧縮端温度上昇及び燃料霧化促進効果により、混合気の着火性を向上させることができるため、低温始動時の始動性を向上させることができ、極低温始動時でも始動性を確保することができる。
また、排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングする燃圧上昇制御を実行した後に、排気バルブ34を閉弁状態に維持してエンジン11をクランキングする筒内温度上昇制御を実行するため、前回のエンジン停止時に予め排気バルブ34を閉弁状態に維持する状態に切り換えておく必要がない。このため、温間始動時で筒内温度上昇制御を実行しない場合でも、速やかに通常の始動制御を開始することができ、温間始動時の始動性を確保することができる。
次に、図13及び図14を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例2では、ECU30により後述する図13の始動制御ルーチンを実行することで、図14に示すように、筒内温度上昇制御の際に、吸気バルブ33の閉弁タイミングを下死点付近(下死点又は下死点から所定範囲内)に制御するようにしている。
本実施例2で実行する図13のルーチンは、前記実施例1で説明した図4のルーチンのステップ105の処理とステップ106の処理との間に、ステップ105aの処理を追加したものであり、それ以外の各ステップの処理は図4と同じである。
図13の始動制御ルーチンでは、低温条件が成立していると判定された場合には、燃料霧化状態と相関関係を有する温度情報(例えば外気温度等)に応じて目標燃圧を設定した後、燃圧が目標燃圧に上昇するまで燃料噴射及び点火を停止すると共に排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングする燃圧上昇制御を実行する(ステップ101〜104)。
この後、ステップ105に進み、筒内温度と相関関係を有する温度情報(例えば外気温度等)に応じて所定期間を設定した後、ステップ105aに進み、可変バルブタイミング機構35によって吸気バルブ33の閉弁タイミングを下死点付近に制御する。
この後、ステップ106に進み、燃料噴射及び点火を停止すると共に排気バルブ34の開閉動作を停止させて排気バルブ34を閉弁状態に維持してエンジン11をクランキングする筒内温度上昇制御を実行する。この後、ステップ107に進み、筒内温度上昇制御を開始してから所定期間が経過したか否かを判定し、所定期間が経過していないと判定されれば、上記ステップ105aに戻り、吸気バルブ33の閉弁タイミングを下死点付近に制御した状態で、筒内温度上昇制御を継続する。
その後、上記ステップ107で、筒内温度上昇制御を開始してから所定期間が経過したと判定された時点で、ステップ108に進み、燃料噴射(分割噴射)及び点火を実行すると共に排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングすることで、エンジン11を始動させる。
以上説明した本実施例2では、筒内温度上昇制御の際に、吸気バルブ33の閉弁タイミングを下死点付近に制御するようにしたので、実圧縮比を大きくして筒内温度上昇制御による筒内温度上昇効果を高めることができ、機械圧縮比が同じ場合、圧縮端温度を最も高くすることができ、低温始動時の始動性を更に向上させることができる。
尚、上記実施例2では、筒内温度上昇制御の際に、吸気バルブ33の閉弁タイミングを下死点付近に制御するようにしたが、これに限定されず、例えば、吸気バルブ33の閉弁タイミングを通常始動制御時よりも下死点に近付く方向に制御するようにしても良い。
次に、図15及び図16を用いて本発明の実施例3を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例3では、ECU30により後述する図15の始動制御ルーチンを実行することで、図16に示すように、筒内温度上昇制御の際に、吸気バルブ33の開弁タイミングを上死点付近(上死点又は上死点から所定範囲内)に制御するようにしている。
本実施例3で実行する図15のルーチンは、前記実施例1で説明した図4のルーチンのステップ105の処理とステップ106の処理との間に、ステップ105bの処理を追加したものであり、それ以外の各ステップの処理は図4と同じである。
図15の始動制御ルーチンでは、低温条件が成立していると判定された場合には、燃料霧化状態と相関関係を有する温度情報(例えば外気温度等)に応じて目標燃圧を設定した後、燃圧が目標燃圧に上昇するまで燃料噴射及び点火を停止すると共に排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングする燃圧上昇制御を実行する(ステップ101〜104)。
この後、ステップ105に進み、筒内温度と相関関係を有する温度情報(例えば外気温度等)に応じて所定期間を設定した後、ステップ105bに進み、可変バルブタイミング機構35によって吸気バルブ33の開弁タイミングを上死点付近に制御する。
この後、ステップ106に進み、燃料噴射及び点火を停止すると共に排気バルブ34の開閉動作を停止させて排気バルブ34を閉弁状態に維持してエンジン11をクランキングする筒内温度上昇制御を実行する。この後、ステップ107に進み、筒内温度上昇制御を開始してから所定期間が経過したか否かを判定し、所定期間が経過していないと判定されれば、上記ステップ105bに戻り、吸気バルブ33の開弁タイミングを上死点付近に制御した状態で、筒内温度上昇制御を継続する。
その後、上記ステップ107で、筒内温度上昇制御を開始してから所定期間が経過したと判定された時点で、ステップ108に進み、燃料噴射(分割噴射)及び点火を実行すると共に排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングすることで、エンジン11を始動させる。
以上説明した本実施例3では、筒内温度上昇制御の際に、吸気バルブ33の開弁タイミングを上死点付近に制御するようにしたので、排気行程上死点で最も昇温された筒内の空気を、吸気行程で膨張させることなく吸気ポートに拭き戻した後に再び筒内に吸入することができ、筒内温度上昇制御による筒内温度上昇効果を高めることができ、低温始動時の始動性を更に向上させることができる。
尚、上記実施例3では、筒内温度上昇制御の際に、吸気バルブ33の開弁タイミングを上死点付近に制御するようにしたが、これに限定されず、例えば、吸気バルブ33の開弁タイミングを通常始動制御時よりも上死点に近付く方向に制御するようにしても良い。
次に、図17及び図18を用いて本発明の実施例4を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例4では、吸気バルブ33のリフト量とバルブタイミングを変化させる可変バルブ機構(図示せず)を備え、ECU30により後述する図17の始動制御ルーチンを実行することで、図18に示すように、筒内温度上昇制御の際に、吸気バルブ33の開弁タイミングを上死点付近(上死点又は上死点から所定範囲内)に制御すると共に閉弁タイミングを下死点付近(下死点又は下死点から所定範囲内)に制御するようにしている。
本実施例4で実行する図17のルーチンは、前記実施例1で説明した図4のルーチンのステップ105の処理とステップ106の処理との間に、ステップ105cの処理を追加したものであり、それ以外の各ステップの処理は図4と同じである。
図17の始動制御ルーチンでは、低温条件が成立していると判定された場合には、燃料霧化状態と相関関係を有する温度情報(例えば外気温度等)に応じて目標燃圧を設定した後、燃圧が目標燃圧に上昇するまで燃料噴射及び点火を停止すると共に排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングする燃圧上昇制御を実行する(ステップ101〜104)。
この後、ステップ105に進み、筒内温度と相関関係を有する温度情報(例えば外気温度等)に応じて所定期間を設定した後、ステップ105cに進み、可変バルブ機構によって吸気バルブ33の開弁タイミングを上死点付近に制御すると共に閉弁タイミングを下死点付近に制御する。
この後、ステップ106に進み、燃料噴射及び点火を停止すると共に排気バルブ34の開閉動作を停止させて排気バルブ34を閉弁状態に維持してエンジン11をクランキングする筒内温度上昇制御を実行する。この後、ステップ107に進み、筒内温度上昇制御を開始してから所定期間が経過したか否かを判定し、所定期間が経過していないと判定されれば、上記ステップ105cに戻り、吸気バルブ33の開弁タイミングを上死点付近に制御すると共に閉弁タイミングを下死点付近に制御した状態で、筒内温度上昇制御を継続する。
その後、上記ステップ107で、筒内温度上昇制御を開始してから所定期間が経過したと判定された時点で、ステップ108に進み、燃料噴射(分割噴射)及び点火を実行すると共に排気バルブ34を開閉動作させてエンジン11をクランキングすることで、エンジン11を始動させる。
以上説明した本実施例4では、筒内温度上昇制御の際に、吸気バルブ33の開弁タイミングを上死点付近に制御すると共に閉弁タイミングを下死点付近に制御するようにしたので、前記実施例2と前記実施例3の両方の効果を得ることができ、筒内温度上昇制御による筒内温度上昇効果を更に高めることができる。
尚、上記実施例4では、筒内温度上昇制御の際に、吸気バルブ33の開弁タイミングを上死点付近に制御すると共に閉弁タイミングを下死点付近に制御するようにしたが、これに限定されず、例えば、吸気バルブ33の開弁タイミングを通常始動制御時よりも上死点に近付く方向に制御したり、吸気バルブ33の閉弁タイミングを通常始動制御時よりも下死点に近付く方向に制御したりするようにしても良い。
尚、上記各実施例1〜4では、燃圧上昇制御の際に、燃料霧化状態と相関関係を有する温度情報に応じて目標燃圧を設定するようにしたが、これに限定されず、目標燃圧を予め設定した固定値としても良い。
また、上記各実施例1〜4では、筒内温度上昇制御の際に、筒内温度と相関関係を有する温度情報に応じて所定期間を設定するようにしたが、これに限定されず、所定期間を予め設定した固定値としても良い。
また、上記各実施例1〜4では、可変バルブリフト機構36によって排気バルブ34のリフト量を「0」にすることで、排気バルブ34の開閉動作を停止させて排気バルブ34を閉弁状態に維持するようにしたが、排気バルブ停止機構は、これに限定されず、適宜変更しても良く、例えば、排気バルブ34と該排気バルブを駆動するカム軸との間の動力伝達を切り離すことで、排気バルブ34の開閉動作を停止させて排気バルブ34を閉弁状態に維持する構成としても良い。
11…エンジン(内燃機関)、30…ECU(始動制御手段)、33…吸気バルブ、34…排気バルブ、35…可変バルブタイミング機構(可変バルブ機構)、36…可変バルブリフト機構(排気バルブ停止機構)、42…高圧ポンプ

Claims (9)

  1. 内燃機関(11)で駆動される高圧ポンプ(42)により供給される燃料を筒内に直接噴射する筒内噴射式内燃機関に適用され、前記内燃機関(11)の排気バルブ(34)の開閉動作を停止させて該排気バルブ(34)を閉弁状態に維持する排気バルブ停止機構(36)を備えた筒内噴射式内燃機関の始動制御装置において、
    前記内燃機関(11)の始動時に所定の低温条件が成立したときに、前記高圧ポンプ(42)により供給される燃料の圧力が目標燃圧に上昇するまで燃料噴射及び点火を停止すると共に前記排気バルブ(34)を開閉動作させて前記内燃機関(11)をクランキングする燃圧上昇制御と、該燃圧上昇制御後に所定期間が経過するまで前記燃料噴射及び点火を停止すると共に前記排気バルブ(34)の開閉動作を停止させて該排気バルブ(34)を閉弁状態に維持して前記内燃機関(11)をクランキングする筒内温度上昇制御とを実行した後に、前記燃料噴射及び点火を実行すると共に前記排気バルブ(34)を開閉動作させて前記内燃機関(11)をクランキングする始動制御手段(30)を備えていることを特徴とする筒内噴射式内燃機関の始動制御装置。
  2. 前記始動制御手段(30)は、前記燃圧上昇制御の際に、燃料霧化状態と相関関係を有する温度情報に応じて前記目標燃圧を設定することを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関の始動制御装置。
  3. 前記燃料霧化状態と相関関係を有する温度情報として、外気温度、吸気温度、シリンダ壁面温度、燃料温度のうちの少なくとも一つを用いることを特徴とする請求項2に記載の筒内噴射式内燃機関の始動制御装置。
  4. 前記内燃機関(11)の吸気バルブ(33)の閉弁タイミングを変化させる可変バルブ機構(35)を備え、
    前記始動制御手段(30)は、前記筒内温度上昇制御の際に、前記吸気バルブ(33)の閉弁タイミングを下死点又は該下死点に近付く方向に制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関の始動制御装置。
  5. 前記内燃機関(11)の吸気バルブ(33)の開弁タイミングを変化させる可変バルブ機構(35)を備え、
    前記始動制御手段(30)は、前記筒内温度上昇制御の際に、前記吸気バルブ(33)の開弁タイミングを上死点又は該上死点に近付く方向に制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関の始動制御装置。
  6. 前記始動制御手段(30)は、前記筒内温度上昇制御の際に、筒内温度と相関関係を有する温度情報に応じて前記所定期間を設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関の始動制御装置。
  7. 前記筒内温度と相関関係を有する温度情報として、外気温度、吸気温度、シリンダ壁面温度、燃料温度のうちの少なくとも一つを用いることを特徴とする請求項6に記載の筒内噴射式内燃機関の始動制御装置。
  8. 前記始動制御手段(30)は、前記筒内温度上昇制御の実行後に前記燃料噴射及び点火を実行する際に、前記内燃機関(11)の吸気行程と圧縮行程でそれぞれ燃料を噴射する分割噴射を実行することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関の始動制御装置。
  9. 前記始動制御手段(30)は、前記内燃機関(11)の始動時に、外気温度、吸気温度、シリンダ壁面温度、燃料温度のうちの少なくとも一つが所定値以下の場合に前記低温条件が成立していると判定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関の始動制御装置。
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