JP5899662B2 - 変速用アクチュエータの組付け方法 - Google Patents
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Description
図24は、前進5段(1速〜5速)、後退1段(R)の6種類の変速状態を実現する特許文献1の変速ユニットの変速パターンを示すものであり、セレクト動作では、シフトレバーを、何れの変速状態にもならない(シンクロメッシュ機構がフリー状態となっている)ニュートラル状態のまま、図24の左右方向両端位置と左右方向中央位置との3種類の位置を選択する。また、シフト動作では、シフトレバーを、前述したニュートラル状態での3種類の位置から何れかの方向(図24の上方又は下方)に変位させ、何れかのシンクロメッシュ機構を接続状態として、所定の変速状態とする。
また、特許文献1の変速用駆動装置は、変速用アクチュエータのカバーを取り外して作業を行なう際に、変速用アクチュエータの内部が外部に露出してしまうので、変速用アクチュエータの内部構造の機密性が損なわれるおそれがある。
さらに、本発明に係る請求項5記載の発明は、請求項1記載の変速用アクチュエータの組付け方法において、前記切替シャフトは、前記変速ユニット側から前記シャフト先端側に、第1シャフト側回転伝達要素、第1シャフト側非回転伝達要素、第2シャフト側回転伝達要素、第2シャフト側非回転伝達要素、第3シャフト側回転伝達要素、第3シャフト側非回転伝達要素及び前記拡径部を備え、前記駆動腕は、前記切替シャフトの前記第1〜第3シャフト側回転伝達要素に結合しない駆動側非回転伝達要素と、この駆動側非回転伝達要素を間に位置して軸線方向に連続して形成された一対の前記駆動側回転伝達要素とを備えており、前記第2シャフト側回転伝達要素及び前記第3シャフト側回転伝達要素の軸長を合わせた長さが、前記所定ストロークの1/2以下の長さに設定され、各シャフト側回転伝達要素は、各駆動側回転伝達要素より軸線方向の長さが短く設定され、前記第2シャフト側回転伝達要素及び前記第3シャフト側回転伝達要素が軸方向に離間する長さが、前記所定ストロークの1/2以上に設定され、前記2箇所のシャフト側回転伝達要素が離間する長さが、前記一対の前記駆動側回転伝達要素が離間する長さよりも長く設定されている。
さらに、本発明に係る請求項6記載の発明は、請求項5記載の変速用アクチュエータの組付け方法において、前記第1シャフト側回転伝達要素、前記第2シャフト側回転伝達要素及び前記第3シャフト側回転伝達要素は、雄スプライン、或いは雄セレーションであり、前記駆動腕に形成した前記駆動側回転伝達要素は、雌スプライン、或いは雌セレーションである。
さらにまた、本発明に係る請求項7記載の発明は、請求項5記載の変速用アクチュエータの組付け方法において、前記第1シャフト側回転伝達要素、前記第2シャフト側回転伝達要素及び前記第3シャフト側回転伝達要素は、横断面多角形状に形成した雄型の回転伝達要素であり、前記駆動腕に形成した前記駆動側回転伝達要素は、環状部材の内周面を多角形状に形成した雌型の回転伝達要素である。
図1は、本発明に係る1実施形態としての自動車用変速装置の概略を示す構成図であり、エンジン20から第1出力軸21を介してクラッチ装置22に回転力が伝達され、クラッチ装置22から第2出力軸24を介して変速ユニット23に回転力が伝達され、変速ユニット23で変速された回転力がプロペラシャフト25を介して駆動輪26,26伝達されるようになっている。クラッチ装置22は、一般の手動変速機と組み合わされる乾式単板クラッチであり、油圧式、或は電動式のクラッチ用アクチュエータ27により断接させるようになっている。変速ユニット23の変速比の切り換えは、変速用アクチュエータ28により行なわれる。
図2から図4は、変速用アクチュエータ28の構造を示すものである。
図2及び図3に示すように、変速用アクチュエータ28は、アクチュエータケーシング32と、アクチュエータケーシング32に外付けされたセレクト用電動モータ33の回転力を切替シャフト30に軸方向変位として伝達するセレクトアクチュエータ部34と、アクチュエータケーシング32に外付けされたシフト用電動モータ35の回転力を切替シャフト30に回転変位として伝達するシフトアクチュエータ部36とを備えた装置であり、アクチュエータケーシング32の外周には、ミッションケース29の外壁に締結ボルトを介して固定される取付けブラケット31a〜31dが一体に形成されているとともに、アクチュエータケーシング32に設けた上部開口部は、アクチュエータケーシング32にネジ止めされるアクチュエータカバー37で閉塞されている。なお、セレクト用電動モータ33及びシフト用電動モータ35はブラシレスモータで構成されている。
歯車アーム40は、一端に中間回転軸39の外周に同軸に固定された環状の結合部40aが形成されており、他端に出力用平歯車38に噛合する減速用平歯車40bが形成されている。
駆動腕46は、セレクトアクチュエータ部34の揺動腕41,42が切替シャフト30に係合して延在している方向に対して切替シャフト30の軸回りに90°の角度で向きを変えた方向に延在しており、図5に示すように、一端部に、貫通穴の内周面に雌スプライン部46aが形成され、他端部に、結合ピン45が挿通する長穴46bが形成されている。
切替シャフト30は、図6(a)に示すように、ミッションケース29近くの基端側から先端側に、雄スプライン部47、第1縮径部48、第2縮径部49及び拡径部50が形成されている。
第2縮径部49は、第1縮径部48よりさらに縮径した外径寸法D2(D2<D1)に設定した円筒部であり、第1縮径部48との境界に第1段差面51を形成している。
切替シャフト30の先端に形成されている拡径部50は、第2縮径部49との境界に第2段差面52を形成して径方向外方に突出した部位であり、第1縮径部48の外径寸法D1と同一寸法で突出するように軸対称位置に一対設けられている。
ここで、図7に示すように、第2縮径部49、第1段差面51及び第2段差面52が、前述した係合溝部(以下、係合溝部54と称する)であり、この係合溝部54の溝幅(第1段差面51と第2段差面52との間の距離)は、円板係合部41b,42bの外径寸法と略同一に設定されている。そして、この係合溝部54に、揺動腕41,42の円板係合部41b,42bが嵌まり込んだ揺動腕41,42が結合部41a,42aを回転中心として回動することで、切換シャフト30が軸方向に変位するようになっている。
また、変速用アクチュエータ28の移動とともに、切替シャフト30の係合溝部54に嵌まり込んでいる円板係合部41b,42bを中心として一対の揺動腕41,42が回動し、図4で示した位置に配置される。
そして、図24の変速パターンのニュートラル状態の左右方向中央位置(前進3段及び前進4段の間)では、図11に示すように、一対の揺動腕41,42の円板係合部41b,42bがP0に示す位置となる。
すなわち、図8に示した第1組付け工程において、変速用アクチュエータ28をミッションケース29側に移動する際に、一対の揺動腕41,42の円板係合部41b,42bが、切替シャフト30の先端に形成した拡径部50に対応せず、第1段差面51を臨む位置となるように変速用アクチュエータ28の向きを設定し、図9に示した第2組付け工程において、変速用アクチュエータ28をミッショケース29に向けて移動させることで、円板係合部41b,42bを第1段差面51に当接させ、切替シャフト30の先端部を通過した駆動腕46の雌スプライン部46aを切替シャフト30の第1縮径部48の周囲に回転可能に位置させ、図10で示した第3組付け工程において、変速用アクチュエータ28を切替シャフト30の軸線P回りに90°回転させることで、円板係合部41b,42bを切替シャフト30の係合溝部54に嵌め込んで一対の揺動腕41,42を切替シャフト30に軸方向変位が伝達可能に組付けることができ、図11に示した第4組付け工程において、変速用アクチュエータ28をミッションケース29の外壁に当接するまでさらに移動させることで、駆動腕46の雌スプライン部46aを切替シャフトの雄スプライン部47にスプライン結合させ、駆動腕46を切替シャフト30に回転変位が伝達可能に組付けることができ、このような第1組付け工程から第4の組付け工程までの一連の作業を行なうことで、変速用アクチュエータ28を切替シャフト30に容易に組付けることができる。
次に、変速用アクチュエータ28を切替シャフト30に組付ける第2実施形態の組付け手順について、図12から図15を参照して説明する。なお、本実施形態の手順を説明する際には、図8から図11で示した第1実施形態で示したものと同一構成部分について図示をせずに使用している。また、図13から図15の変速用アクチュエータ28では、動作を明確にするために、セレクトアクチュエータ部34の一対の揺動腕41,42と、シフトアクチュエータ部36の駆動腕46だけを示している。
本実施形態の組付け手順は、先ず、図12に示すように、所定の選択ギヤ位置(図24で示した1、3、5、或いは2、4、Rの選択ギヤの何れか)となるように、ミッションケース29から外部に突出している切替シャフト30を時計回り方向に所定の回転角度αまで回転変位させる(第1組付け工程)。
次に、変速用アクチュエータ28をミッショケース29から離間した上方位置に配置し、一対の揺動腕41,42の円板係合部41b,42bを、切替シャフト30の第1段差面51を臨む位置に配置する(第3組付け工程)。
本実施形態の組付け手順を行なうと、図14から図15で示したように、変速用アクチュエータ28を切替シャフト30回りに小さな回転角度β(β = 90 − α)で回転させて組付けることができ、図8から図11で示した第1実施形態の組立て手順と比較して、変速用アクチュエータ28の周囲に大きな組立てスペースを確保しなくてもよいので、さらに自動車用変速装置の製造効率を向上させることができる。
次に、図16から図19に示すものは、第1実施形態で示した切替シャフト30と異なる構造の切替シャフト55に、変速用アクチュエータ28を組付ける手順を説明したものである。なお、図1から図11で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
本実施形態の切替シャフト55は、図16に示すように、ミッションケース29近くの基端側から先端側に、第1雄スプライン部56、第1縮径部57、第2雄スプライン部58、第2縮径部59及び拡径部50が形成されている。
第1縮径部57は、駆動腕46が回転自在となるように、駆動腕46の雌スプライン部46aの最小溝径よりも小さい外径寸法に設定した円筒部である。この第1縮径部57の軸長は、駆動腕46の雌スプライン部46aの軸長より長く、第2雄スプライン部58の軸長より長く設定されている。
そして、図16に示すように、第2縮径部59、第1段差面60及び第2段差面52で係合溝部61が形成されており、この係合溝部61の溝幅(第1段差面60と第2段差面52との間の距離)は、円板係合部41b,42bの外径寸法と略同一に設定されている。
先ず、図16に示すように、変速用アクチュエータ28をミッショケース29から離間した上方位置に配置する(第1組付け工程)。
図24においてニュートラル状態の左右方向左端部(前進1段及び前進2段の間)であるセレクト動作を行なうと、切替シャフト55が図19に示す第1ストロークS1方向に軸方向変位し、切替シャフト55の第1雄スプライン部58の下部側に駆動腕46の雌スプライン部46aがスプライン結合する。
さらに、図20から図23に示すものは、第1実施形態で示した切替シャフト30及び変速用アクチュエータ28の駆動腕46と異なる構造の切替シャフト62及び駆動腕70の組付け状態を示したものである。
本実施形態の切替シャフト62は、図20に示すように、ミッションケース29近くの基端側から先端側に、第1雄スプライン部63、第1縮径部64、第2雄スプライン部65、第2縮径部66、第3雄スプライン部67、第3縮径部68及び拡径部50が形成されている。
第3縮径部68は、第1縮径部64及び第2縮径部66よりさらに縮径した円筒部であり、第3雄スプライン部67との境界に第1段差面73を形成している。
また、駆動腕70は、第1雌スプライン部71及び第2雌スプライン部72の間に、切替シャフト62の第2雄スプライン部65の最大溝径よりも大きな外径寸法に設定され、第2雄スプライン部65の軸長より長く設定した駆動腕縮径部75が形成されている。
先ず、第1実施形態と同様に、変速用アクチュエータ28をミッショケース29から離間した上方位置に配置する(第1組付け工程)。
図24においてニュートラル状態の左右方向左端部(前進1段及び前進2段の間)であるセレクト動作を行なうと、切替シャフト62が図22に示す第1ストロークS1方向に軸方向変位し、切替シャフト62の第1雄スプライン部63に駆動腕70の第1雌スプライン部71及び第2雌スプライン部72がスプライン結合する。
Claims (7)
- 変速ユニットから外部に突出した切替シャフトに変速用アクチュエータを組付ける方法であって、
前記切替シャフトの先端側から拡径部及び縮径部が形成され、この拡径部の一部に形成され、前記縮径部の外径寸法と同一寸法で形成した切欠き部と、
シャフト基端側の外周に形成したシャフト側回転伝達要素と、前記縮径部及び前記シャフト側回転伝達要素の間に形成したシャフト側非回転伝達要素とを備え、
前記変速用アクチュエータは、先端部に形成した揺動側嵌合部が前記縮径部に嵌まり込んだ状態で揺動することで前記切替シャフトに対して軸方向運動を伝達する揺動腕と、先端部に形成した環状の駆動側回転伝達要素が前記シャフト側回転伝達要素に対して軸方向の相対移動が許容されながら結合することで前記切替シャフトに回転運動を伝達する駆動腕とを内蔵しており、
先ず、前記切替シャフトの軸線方向から見て前記揺動腕の前記揺動側嵌合部が前記切欠き部を臨む位置であり、前記駆動腕の前記駆動側回転伝達要素が前記切替シャフトと同軸となるように前記変速用アクチュエータを配置し、
次に、前記変速用アクチュエータを前記切替シャフトの軸線方向に移動することで、前記揺動側嵌合部が前記切欠き部に位置して前記縮径部に連続する段差面に当接するとともに、前記駆動側回転伝達要素を前記シャフト側非回転伝達要素の外周に配置し、
次に、前記変速用アクチュエータを前記切替シャフトの軸線回りに回転することで、前記駆動側回転伝達要素が前記シャフト側非回転伝達要素に対して非接触状態で回転しながら、前記揺動側嵌合部が前記縮径部に嵌まり込んで係合し、
次に、前記変速用アクチュエータを前記切替シャフトの軸線方向にさらに移動することで、前記駆動側回転伝達要素が前記シャフト側回転伝達要素に結合することを特徴とする変速用アクチュエータの組付け方法。 - 前記切替シャフトは、前記変速ユニット側から前記シャフト先端側に、第1シャフト側回転伝達要素、第1シャフト側非回転伝達要素、第2シャフト側回転伝達要素、第2シャフト側非回転伝達要素及び前記拡径部を備えており、
前記第2シャフト側回転伝達要素の軸線方向の長さが、前記所定ストロークの1/2以下の長さに設定されており、前記第1シャフト側非回転伝達要素は、前記所定ストロークの間に、前記第2シャフト側回転伝達要素より軸線方向の長さを長くして設けられていることを特徴とする請求項1記載の変速用アクチュエータの組付け方法。 - 前記第1シャフト側回転伝達要素及び前記第2シャフト側回転伝達要素は、雄スプライン、或いは雄セレーションであり、前記駆動腕に形成した前記駆動側回転伝達要素は、雌スプライン、或いは雌セレーションであることを特徴とする請求項2記載の変速用アクチュエータの組付け方法。
- 前記第1シャフト側回転伝達要素及び前記第2シャフト側回転伝達要素は、
横断面多角形状に形成した雄型の回転伝達要素であり、前記駆動腕に形成した前記駆動側回転伝達要素は、環状部材の内周面を多角形状に形成した雌型の回転伝達要素であることを特徴とする請求項2記載の変速用アクチュエータの組付け方法。 - 前記切替シャフトは、前記変速ユニット側から前記シャフト先端側に、第1シャフト側回転伝達要素、第1シャフト側非回転伝達要素、第2シャフト側回転伝達要素、第2シャフト側非回転伝達要素、第3シャフト側回転伝達要素、第3シャフト側非回転伝達要素及び前記拡径部を備え、
前記駆動腕は、前記切替シャフトの前記第1〜第3シャフト側回転伝達要素に結合しない駆動側非回転伝達要素と、この駆動側非回転伝達要素を間に位置して軸線方向に連続して形成された一対の前記駆動側回転伝達要素とを備えており、
前記第2シャフト側回転伝達要素及び前記第3シャフト側回転伝達要素の軸長を合わせた長さが、前記所定ストロークの1/2以下の長さに設定され、各シャフト側回転伝達要素は、各駆動側回転伝達要素より軸線方向の長さが短く設定され、
前記第2シャフト側回転伝達要素及び前記第3シャフト側回転伝達要素が軸方向に離間する長さが、前記所定ストロークの1/2以上に設定され、前記2箇所のシャフト側回転伝達要素が離間する長さが、前記一対の前記駆動側回転伝達要素が離間する長さよりも長く設定されていることを特徴とする請求項1記載の変速用アクチュエータの組付け方法。 - 前記第1シャフト側回転伝達要素、前記第2シャフト側回転伝達要素及び前記第3シャフト側回転伝達要素は、雄スプライン、或いは雄セレーションであり、前記駆動腕に形成した前記駆動側回転伝達要素は、雌スプライン、或いは雌セレーションであることを特徴とする請求項5記載の変速用アクチュエータの組付け方法。
- 前記第1シャフト側回転伝達要素、前記第2シャフト側回転伝達要素及び前記第3シャフト側回転伝達要素は、横断面多角形状に形成した雄型の回転伝達要素であり、前記駆動腕に形成した前記駆動側回転伝達要素は、環状部材の内周面を多角形状に形成した雌型の回転伝達要素であることを特徴とする請求項5記載の変速用アクチュエータの組付け方法。
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