JP5898894B2 - 半導体装置及び半導体システム - Google Patents
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Description
そして、リード端子を基板に電気的に接続することで、基板上の他の電子部品と半導体素子との間で電気的な信号のやりとりが行われるとともに、半導体素子において生じた熱がアイランドの下面や前述の突出部分から外気に伝達される。
本発明の半導体装置は、熱伝導シートと、前記熱伝導シートの一部上に一端部が配置され、前記熱伝導シートよりも曲げ剛性の大きな材料で形成されたリードと、前記リードの一端部に対する前記熱伝導シートの一部とは反対側に配置された半導体チップと、前記熱伝導シートの一部上に配置され、前記リードの一端部および前記半導体チップを封止しつつ前記リードの他端部を露出させるモールド樹脂と、を備え、前記半導体チップに対する前記リードの一端部とは反対側の前記モールド樹脂の外面である上外面は、前記モールド樹脂のみで覆われるように封止され、前記熱伝導シートの残部は、前記モールド樹脂から突出して前記モールド樹脂の側外面に沿って配されるように湾曲または屈曲されてなり、前記熱伝導シートの残部の突出方向の先端は、前記モールド樹脂の上外面まで延び、前記モールド樹脂の前記外面と前記熱伝導シートの残部との間には、隙間が形成され、前記隙間は、前記熱伝導シートの残部と一部との接続部分から前記残部の前記突出方向の先端まで延びることを特徴としている。
この発明によれば、熱伝導シートと外気との接触面積を維持しつつ、熱伝導シートの質量を低減させることができる。
この発明によれば、熱伝導シートと外気との接触面積を増加させて、熱伝導シートによる放熱効率をさらに高めることができる。
この発明によれば、半導体チップで発生し熱伝導シートに伝導された熱を、ケースを介して外部により効果的に伝達させることができる。
以下、本発明に係る半導体装置の第1実施形態を、図1から図8を参照しながら説明する。
図1および図2に示すように、本半導体装置1は、熱伝導シート10と、熱伝導シート10の一方の面10a上に一端部21aが接続された複数のリード21と、リード21の一端部21aに固定された半導体チップ22と、熱伝導シート10の一部11、リード21の一端部21a、および半導体チップ22を封止するモールド樹脂23とを備えている。
熱伝導シート10としては、アルミニウム以外にも、銅などの熱伝導率の高い金属などを適宜用いることができる。
絶縁シート26には、例えば、エポキシ樹脂や、フィラー入りのエポキシ樹脂を用いることができるが、絶縁シート26を薄く形成するには、ポリイミドで形成することが好ましい。絶縁シート26がポリイミドで形成されている場合には、その厚さは、例えば、25μm以上150μm以下に設定することができる。
リード21は、銅を帯板状に形成して構成され、その厚さは、例えば、500μmに設定されている。リード21の一端部21aは、モールド樹脂23内に埋設された状態で金属箔27に接合されている。リード21の他端部21bは、モールド樹脂23から外部に露出している。リード21における一端部21aと他端部21bとの間には、積層方向Dにおいて、熱伝導シート10の一部11に対して一端部21aより他端部21bの方が離間するように段部21cが形成されている。
なお、リード21としては、銅以外にも、アルミニウムなどの電気抵抗が少なく、かつ、熱伝導率の高い金属材料を用いることができる。
本実施形態の半導体装置1は、リード21を形成するリード用シート材より、熱伝導シート10を形成する熱伝導用シート材の方が、幅方向E(熱伝導シート10の一部11から残部12に向かう方向、および、積層方向Dにそれぞれ直交する方向。)の単位長さ当たりの曲げ剛性を小さく設定している。具体的には、リード用シート材と熱伝導用シート材とが同一の材料で形成されている場合には、リード用シート材の厚さより熱伝導用シート材の厚さを薄く設定する。また、リード用シート材と熱伝導用シート材との厚さが同じ場合には、リード用シート材の縦弾性係数より熱伝導用シート材の縦弾性係数の方を小さく設定する。
本実施形態では、互いに構成の異なるリード用シート材および熱伝導用シート材を用い、リード用シート材からリード21を、熱伝導用シート材から熱伝導シート10をそれぞれ形成することで、熱伝導シート10を曲げ加工しやすくすることができる。
モールド樹脂23は、積層方向Dに見たときに、絶縁シート26と同じ形状になるように形成されている。モールド樹脂23における絶縁シート26が接合された面とは反対側の面には、段部23aが形成されている。段部23aは、幅方向Eに延びるように形成されている。モールド樹脂23としては、公知のエポキシ樹脂などを用いることができる。
モールド樹脂23は、リード21の他端部21bが露出するように、熱伝導シート10の一部11、絶縁シート26、金属箔27、リード21の一端部21a、および半導体チップ22を封止している。
図2に示すように、熱伝導シート10の残部12とモールド樹脂23の側面23cとの間には、隙間S1が形成されている。同様に、残部12とモールド樹脂23の主面23dとの間には、隙間S2が形成されている。
本半導体装置1の製造方法は、熱伝導シート10、リード21、および半導体チップ22などを互いに接続する接続工程と、互いに接続したこれらの部品をモールド樹脂23で封止する封止工程と、熱伝導シート10の残部12を、モールド樹脂23の外面に沿って配されるように屈曲させる形状修正工程とを備えている。
銅製のリード用シート材をプレスすることなどで、段部21cを有するリード21を複数形成する。
金属箔27上に不図示のハンダペーストを塗布してリード21の一端部21aを載置し、さらに、リード21の一端部21a上の所定の領域にハンダペーストを塗布して半導体チップ22を載置する。
この状態で、リフローを実施することにより、ハンダを介して、図3に示すように、リード21の一端部21aが金属箔27に接続され、半導体チップ22がリード21の一端部21aに固定される。以上の手順により、半導体チップ22に関する電気的接続が完了する。
このとき、モールド樹脂23からリード21の他端部21bが露出するとともに、モールド樹脂23から熱伝導シート10の残部12を突出させるように封止する。
このとき、熱伝導シート10の残部12とモールド樹脂23の側面23cとの間に隙間S1が形成され、さらに、残部12とモールド樹脂23の主面23dとの間に隙間S2が形成されるように調節する。
以上の工程により、半導体装置1が製造される。
複数のリード21の一部から所定の電圧波形などを入力すると、その信号は半導体チップ22で処理されて、リード21の残部から出力される。信号を処理するときに、半導体チップ22で熱が発生する。
半導体チップ22で発生した熱の一部は、リード21の一端部21a、金属箔27、および絶縁シート26を介して、熱伝導シート10の一部11に伝導される。熱伝導シート10の一部11に伝導された熱は、一部11におけるモールド樹脂23とは反対側の面、および、熱伝導シート10の残部12から外部に伝達される。
モールド樹脂23の側面23cおよび主面23dと熱伝導シート10の残部12との間には、隙間S1、S2が形成されている。これにより、熱伝導シート10と外気(空気)との接触面積を増加させて、熱伝導シート10による放熱効率をさらに高めることができる。また、熱伝導シート10からモールド樹脂23に熱が伝えられるのを抑制することができる。
例えば、半導体装置を配置する空間の周囲に余裕がある場合には、図6に示す半導体装置1Aのように、前記第1実施形態の半導体装置1において、屈曲部15は形成されなくてもよい。
さらに、半導体装置1Aにおいて、屈曲部14を形成せず、残部12を平坦な形状に形成してもよい。この場合、前述の半導体装置1の製造方法において、形状修正工程を行わないことになる。
このように半導体装置1Bを構成することで、熱伝導シート10と外気との接触面積を増加させて、熱伝導シート10による放熱効率をさらに高めることができる。
なお、本変形例の複数の凹部31は、直交方向Fに延びるとともに幅方向Eに互いに間隔を開けて形成してもよい。この場合、半導体装置1Bをリード21が鉛直方向と平行になるように基板などに取り付けたときに、複数の凹部31も鉛直方向と平行になるように配置される。半導体装置1Bで発生した熱により、半導体装置1Bの近傍には上向きに自然対流が発生する。凹部31が自然対流が流れる向きに沿って配置されることで、自然対流により生じる層流が凹部31に沿って流れやすくなり、凹部31における放熱効率を高めることができる。
また、熱伝導シート10に、凹部31に代えて凸部を形成してもよいし、凹部および凸部の両方を形成してもよい。このように構成しても、本変形例と同様の効果を奏することができる。
このように半導体装置1Cを構成することで、熱伝導シート10と外気との接触面積を維持しつつ、熱伝導シート10の質量を低減させることができる。
なお、本変形例では、貫通孔32は厚さ方向に見て円形状に形成されているとした。しかし、貫通孔の形状はこれに限ることなく、厚さ方向に見て楕円形状や、多角形状に形成されていてもよい。
次に、本発明の第2実施形態について図9および図10を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図9に示すように、本実施形態の半導体装置2は、前記第1実施形態の半導体装置1において、熱伝導シート10に代えて、半導体チップ22を覆うように配置された熱伝導シート40を備えている。熱伝導シート40は、熱伝導シート10の構成に加えて、一対の側部41を有している。
側部41は、図9および図10に示すように、熱伝導シート40の残部12に対して折られることで、モールド樹脂23の幅方向Eの両側面23fをそれぞれ覆っている。
さらに、半導体装置2は、モールド樹脂23を覆う面積が熱伝導シート10より大きな熱伝導シート40を備えることで、半導体チップ22が外部の電磁気的なノイズから受ける影響をさらに低減させることができる。
次に、本発明の第3実施形態について図11を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図11に示すように、本実施形態の半導体システム3は、前述の半導体装置1と、アルミニウムなどの金属で形成されたケース50とを備えている。
金属箔27、リード21の一端部21aには、挿通孔27a、21eがそれぞれ形成されていて、挿通孔27a、21eは内径が等しく設定されている。挿通孔27aの内径はモールド樹脂23の挿通孔23gより大きく設定されていて、挿通孔27a、21eの内周面がモールド樹脂23から露出しないように構成されている
挿通孔11a、26a、23gにネジ部材56の軸部57を挿通させ、ネジ部材56の頭部58をモールド樹脂23の主面23dに係止させるとともに、軸部57の雄ネジ部57aをケース50の雌ネジ部51に螺合させることで、ケース50に半導体装置1が取り付けられる。
たとえば、前記第1実施形態から第3実施形態では、熱伝導シート10の残部12はモールド樹脂23の側面23cおよび主面23dに沿って配されるように屈曲されているとした。しかし、熱伝導シート10の残部12は、モールド樹脂23の側面23cおよび主面23dに沿って配されるように湾曲されるように構成してもよい。
3 半導体システム
10 熱伝導シート
11 一部
12 残部
21 リード
21a 一端部
21b 他端部
22 半導体チップ
23 モールド樹脂
23c 側面(外面)
23d 主面(外面)
31 凹部
32 貫通孔
50 ケース
S1、S2 隙間
Claims (7)
- 熱伝導シートと、
前記熱伝導シートの一部上に一端部が配置され、前記熱伝導シートよりも曲げ剛性の大きな材料で形成されたリードと、
前記リードの一端部に対する前記熱伝導シートの一部とは反対側に配置された半導体チップと、
前記熱伝導シートの一部上に配置され、前記リードの一端部および前記半導体チップを封止しつつ前記リードの他端部を露出させるモールド樹脂と、を備え、
前記半導体チップに対する前記リードの一端部とは反対側の前記モールド樹脂の外面である上外面は、前記モールド樹脂のみで覆われるように封止され、
前記熱伝導シートの残部は、前記モールド樹脂から突出して前記モールド樹脂の側外面に沿って配されるように湾曲または屈曲されてなり、
前記熱伝導シートの残部の突出方向の先端は、前記モールド樹脂の上外面まで延び、
前記モールド樹脂の前記外面と前記熱伝導シートの残部との間には、隙間が形成され、
前記隙間は、前記熱伝導シートの残部と一部との接続部分から前記残部の前記突出方向の先端まで延びることを特徴とする半導体装置。 - 前記モールド樹脂には、前記上外面が凹んでいることで段部が形成され、
前記熱伝導シートの残部の前記突出方向の先端は、前記モールド樹脂の前記段部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 前記熱伝導シートの一部と前記リードの一端部との間に配置された絶縁膜と、
前記絶縁膜と前記リードの一端部との間に配置された金属箔と、を備え、
前記熱伝導シートの一部及び前記絶縁膜が積層される積層方向に見たときに、前記金属箔は前記絶縁膜より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。 - 前記熱伝導シートは、前記モールド樹脂の側面を覆う側部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記熱伝導シートの前記残部には、前記熱伝導シートの厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記熱伝導シートの表面に、凹部および凸部の少なくとも一方が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の半導体装置と、
前記熱伝導シートに接続され、金属で形成されたケースと、
頭部が前記モールド樹脂に係止されるとともに軸部が前記熱伝導シートに挿通されており、前記軸部が前記ケースに螺合するネジ部材と、
を備えることを特徴とする半導体システム。
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