JP5898018B2 - 原子炉格納容器のフィルタベント装置および原子炉格納容器 - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉格納容器のフィルタベント装置および原子炉格納容器に関する。
原子力発電プラントでは、設計基準事故を想定し、これに対応できるように機器・設備を設計する。しかし、万一、設計基準事故を超えるような事故が発生した場合にも、大きな災害とならないようにする必要がある。このため、原子力発電プラントの設計基準事故を超えるような事故時において、原子炉格納容器内を減圧しなければ原子炉格納容器の破損に至る可能性がある場合には、原子炉格納容器内の高温ガスを、前記ガスに放射性物質が含まれる場合は極力除去した上で、大気中に排出する必要がある。
この従来技術として、大気中に開口した排気筒と復水貯蔵容器を隔離弁等を介挿したベント配管で接続すると共に、前記復水貯蔵容器と原子炉格納容器との間を隔離弁等を介挿したベント配管で接続しているものがある(特許文献1参照)。
特開平9−61577号公報
特許文献1に記載のようなベント装置では、隔離弁の閉鎖後に、フィルタ容器の入口配管内の温度が次第に低下して内部の水蒸気が凝縮するため、入口配管内が真空状態となる。
入口配管が真空状態となることで、様々な問題が発生する。
例えば、フィルタ容器の入口配管内が真空状態となることで、フィルタ容器のプール水が入口配管内に吸い上げられてしまう。この際に、フィルタ容器の入口配管の上流側に低い箇所が存在する場合には、吸い上げられたプール水が入口配管における低い箇所に留まる可能性がある。
このため、フィルタ容器内のプール水の水量が減少し、放射性物質をスクラビングするための水の量が減少するために、スクラビングに期待する放射性物質の除去の効果が減少してしまうという問題が生じる。
本発明は、原子炉格納容器フィルタベント操作後のフィルタ容器の入口配管内の真空状態を速やかに解消することができる、原子炉格納容器のフィルタベント装置およびこのようなフィルタベント装置を備えた原子炉格納容器を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は、原子炉格納容器のフィルタベント装置であって、内部にプール水および放射性物質除去用のフィルタを有するフィルタ容器と、前記原子炉格納容器内のドライウェルとウェットウェルに連結したベント配管と、前記ベント配管に設けた隔離弁と、一端が前記ベント配管に連結され、他端が前記フィルタ容器のプール水内に導入された入口配管と、前記フィルタ容器内のフィルタに連結する出口配管と、前記原子炉格納容器のフィルタベント操作後に、開放中の前記隔離弁を閉鎖した後に、前記入口配管に外気を導入することで前記入口配管内で生起する真空を解消させるための真空解消手段とを備え、この真空解消手段は、一端が前記入口配管における前記ベント配管と前記フィルタ容器の間に連結し、他端が前記出口配管に連結した真空解消用配管と、前記真空解消用配管に設けられ、前記出口配管から前記入口配管への空気の流れのみを許容する2つの逆止弁とを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、原子炉格納容器フィルタベント操作後のフィルタ容器の入口配管内の真空状態を速やかに解消することができる。その結果、フィルタ容器内のスクラビング水の水量の減少を抑え、放射性物質を除去する効果を維持することができる。
本発明の原子炉格納容器およびフィルタベント装置の第1の実施形態の概略構成を示す縦断面図である。 本発明の原子炉格納容器およびフィルタベント装置の第2の実施形態の概略構成を示す縦断面図である。 本発明の原子炉格納容器およびフィルタベント装置の第2の実施形態の変形例の概略構成を示す縦断面図である。 本発明の原子炉格納容器およびフィルタベント装置の第3の実施形態の概略構成を示す縦断面図である。
以下に本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の実施形態を、図面を用いて説明する。
<第1の実施形態>
本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の第1の実施形態を、図1を用いて説明する。
図1は本発明の原子炉格納容器およびフィルタベント装置の第1の実施形態の概略構成を示す縦断面図、である。
本発明のフィルタベント装置の第1の実施形態は、原子炉圧力容器2が破損するなどの過酷事故時において、ドライウェル3ならびにウェットウェル4が内在する原子炉格納容器1内の圧力を減少させ、放射性物質を極力除去するものである。
図1において、原子炉建屋内には原子炉格納容器1が格納されている。この原子炉格納容器1内には、ドライウェル3がその上部に設けられており、その下部には冷却水を保有するサプレッションプール5とその上方の気層のウェットウェル4が設けられている。原子炉格納容器1内には原子炉圧力容器2が収容されている。
ベント配管8は、原子炉格納容器1のドライウェル3に接続されている。このベント配管8には隔離弁6が配設されている。ベント配管9は、原子炉格納容器1のウェットウェル4に接続されており、このベント配管9には隔離弁7が配設されている。
これらベント配管8,9は、フィルタベント装置20におけるフィルタ容器12の入口配管10に接続されている。この入口配管10の先端側は、フィルタ容器12に導入されている。
フィルタ容器12内の下部側には、スクラビング用のプール水11が貯留されている。フィルタ容器12の上部側には放射性物質除去フィルタ17が設置されている。このフィルタ17には、フィルタ容器12の出口配管14の一端が接続されている。出口配管14の他端は遮蔽壁13を貫通して遮蔽壁13外に導出されている。この出口配管14の他端の先には排気筒15が設けられている。フィルタ容器12内は、プール水11中と放射性物質除去フィルタ17に放射性物質が蓄積することにより、非常に強い放射線源となる。このため、周辺環境への放射線の影響を十分に小さくし、事故後の原子力発電プラントの復旧作業を円滑に進めるために、フィルタ容器12の周りには遮蔽壁13が設けられている。
更に、入口配管10と出口配管14との間には、真空解消用配管37が接続されている。この真空解消用配管37には、出口配管14側から入口配管10側へのみ空気の流れを許容する2つの逆止弁36が設けられている。
フィルタベント装置20は、この例では、隔離弁6と、隔離弁7と、ベント配管8と、ベント配管9と、入口配管10と、フィルタ容器12と、遮蔽壁13と、出口配管14と、排気筒15と、逆止弁36と、真空解消用配管37とによって構成されている。
次に、万が一原子炉冷却材喪失事故が起こり、かつ安全系の動的機器に多重故障が発生した場合を想定して、本発明のフィルタベント装置の第1の実施形態の作用(動作)を説明する。
炉心の溶融などにより原子炉圧力容器2の破損が起きた場合、放射性物質を含んだ高温ガスが原子炉格納容器1内に吹き出し、高温ガスが充満することにより原子炉格納容器1内の圧力が上昇する。また、炉心の溶融が進行して、原子炉圧力容器2から原子炉格納容器1へ炉心溶融物が落下する。その後、炉心からの流出水、ならびに炉心溶融物の冷却のために注水された冷却材は、炉心溶融物の崩壊熱によって高温ガスとなる。この高温ガスが原子炉格納容器1内の圧力を一層上昇させることになる。
このように、原子炉格納容器1内の圧力が上昇し、減圧しなければ破損の危険性がある場合には、原子炉格納容器1が破損に至る前に原子炉格納容器1内を減圧する必要がある。
そのため、フィルタベント装置20は、隔離弁6もしくは隔離弁7を開放し、フィルタ容器12を介して放射性物質を極力除去した上で排気筒15から大気中にガスを放出し、原子炉格納容器1内の放射性物質低減ガスを排出する。
例えば、サプレッションプール5が通常水位の場合は、隔離弁6を閉鎖し、隔離弁7を開放する。
これにより、原子炉格納容器1内に発生した放射性物質を含む高温ガスは、ベント配管9と入口配管10を通して、フィルタ容器12内のプール水11と放射性物質除去フィルタ17とを通過する。そして、フィルタベント装置20は、プール水11によるスクラビングとフィルタ17による捕集により、ガス中の放射性物質を極力除去し、放射性物質を低減したガスを出口配管14を介して排気筒15から排出する。
また、サプレッションプール5の水位がベント配管9のウェットウェル4側開放端付近まで上昇した場合は、隔離弁7を閉鎖し、隔離弁6の開放操作をそれぞれ行う。
上述のような作業により、原子炉格納容器1内に発生した放射性物質を含む高温ガスを、ベント配管8と入口配管10を通して、放射性物質を除去するプール水11と放射性物質除去フィルタ17とを内蔵するフィルタ容器12に送る。そして、フィルタ容器12内のプール水11によるスクラビングとフィルタ17による捕集により、ガス中の放射性物質を極力除去し、放射性物質を低減したガスとして出口配管14を介して排気筒15から排出する。
この一連の原子炉格納容器におけるフィルタベント操作によって、原子炉圧力容器2が破損するなどの過酷事故時において、大気中への放射性物質の排出量を極力抑制しつつ、原子炉格納容器1内の各部の圧力を減少させる。この原子炉格納容器フィルタベント操作により、原子炉格納容器1内の圧力を低下させ、原子炉格納容器1の破損の危険性を回避したことを確認した後は、大気中への放射性物質の排出を抑えるために、開放中の隔離弁6もしくは隔離弁7を閉鎖する。
隔離弁6や隔離弁7の閉鎖後には、入口配管10内の温度が次第に低下し、入口配管10内部の気体に含まれる水蒸気が凝縮し、配管内の圧力が低下して減圧状態(真空状態)となる。
このように、入口配管10内が真空状態となった場合、逆止弁36が作動して、排気15,出口配管14および真空解消用配管37を介して、外気(空気)が入口配管10内に流入するので、入口配管10内の真空状態が速やかに解消される。
上述した本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の第1の実施形態によれば、入口配管10内が真空になった場合、逆止弁36より外気が自動的に導入されるため、入口配管10内の真空状態を運転員の操作なしに速やかに解消することができる。
このため、以下に示すような様々な問題が生じることを防止することができる。
例えば、フィルタ容器12内にある入口配管10のプール水11の水面からの立ち上がり長さが、フィルタ容器1内の圧力に相当する水頭以下で、入口配管10上流側に低位置箇所が存在する場合には、吸い上げたプール水11が低位置箇所に留まる可能性がある。この場合、再び原子炉格納容器1内の圧力が上昇し、原子炉格納容器フィルタベント操作が必要となった場合に、プール水11の水量の減少に伴い、スクラビングに期待する放射性物質除去効果が低下する問題がある。
これに対し、本発明のフィルタベント装置の第1の実施形態によれば、入口配管10内が真空状態になることが防止されるため、入口配管10がプール水11を吸い上げることを防止でき、入口配管10に低位置箇所が存在しても、その低位置箇所にプール水11が留まることがなく、スクラビング効果が減少することがない。従って、ベント時に外部に放出される放射性物質の量を十分に低減することが可能である。
また、入口配管10が真空状態となると、プール水の吸い上げにより形成された入口配管10中の低位置箇所の滞留水と、原子炉格納容器フィルタベント操作の再開により上流側から流入する高温のガス、もしくはドレンとの衝突により、ウォーターハンマが発生する可能性がある。
しかし、本発明のフィルタベント装置の第1の実施形態によれば、入口配管10がプール水11を吸い上げることを防止できるため、ベント再開時に前述のようなウォーターハンマが発生することもなく、入口配管10へ余計なダメージが発生することを防止することができる。
更に、入口配管10が真空状態となると、入口配管10が、プール水11を吸い上げてプール水11を内包した状態になることで、原子炉格納容器フィルタベント操作の再開時に、入口配管10内のプール水11を押し出すために排気圧力が高くなり、原子炉格納容器内減圧効果が低減する可能性がある。
これに対し、本発明のフィルタベント装置の第1の実施形態によれば、入口配管10がプール水11を吸い上げることを防止できるため、ベント時に排気圧力が高くなることを防止でき、減圧効果の低減を防ぐことができる。
また、入口配管10が真空状態となると、原子炉格納容器フィルタベント操作の再開時、入口配管10が吸い上げたプール水11に原子炉格納容器1から高温ガスが流入し衝突した場合に、衝突部で凝縮振動が発生して入口配管10に過大な応力が発生する可能性がある。
しかし、本発明のフィルタベント装置の第1の実施形態によれば、入口配管10がプール水11を吸い上げることを防止できるため、凝縮振動の発生を防止でき、過大な応力が配管に加わることも防ぐことができる。
そのうえ、入口配管10が、プール水11を吸い上げることがないため、放射性物質を含んだプール水11が、入口配管10を通って、遮蔽壁13の外に出る可能性もなく、フィルタ容器12周辺の放射線量の増加を防止でき、メンテナンスや状況確認のためのアクセスに支障が発生することも防止することができる。
更に、最近では、原子炉圧力容器が破損するなどの過酷事故時だけでなく、安全系の動的機器に多重故障が発生し、サプレッションプールの冷却が長時間できないような設計基準事故を超える事故時にも、原子炉格納容器内を減圧するために、原子炉格納容器のベントに原子炉格納容器フィルタベント装置を用いることが検討されているが、本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の第1の実施形態であれば、上述のような様々な問題が発生することを防止することができる。
また、フィルタ容器内の入口配管に真空解消用の弁を設置すると、放射性物質の崩壊熱で発生するプール水の蒸気が入口配管内に流入し、その流入した蒸気が凝縮することで再び真空状態となり、弁が何度も作動するとの問題があるが、本実施形態のように、真空解消用配管37の他端側を出口配管14に接続することによって、放射性物質除去フィルタ17を通過する前の放射性物質の除去が十分に行われていないガスが入口配管10側に戻ることを防止でき、入口配管10付近の線量増加を防止することができる。そのうえ、入口配管10の真空の解消時に、放射性物質の崩壊熱で発生するプール水11の蒸気が流入し、その流入した蒸気が凝縮することで、再び真空状態となり、逆止弁36が何度も作動する可能性を防止でき、安定した真空解消が可能となる。
更に、特許文献1のように入口配管と出口配管とを接続するバイパス配管にバイパス隔離弁を設ける場合、バイパス配管に設けられているバイパス隔離弁は、原子炉格納容器のベント後も炉心への注水等のために復水貯蔵容器の保有水を確保する必要がある場合に、原子炉格納容器内の雰囲気を、復水貯蔵容器を迂回し、バイパス配管を経由して排気筒ら大気中に放出するために設けられているために、本発明のようにバイパス隔離弁を逆止弁とすることができない。
<第2の実施形態>
本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の第2の実施形態を図2を用いて説明する。
図2は本発明の原子炉格納容器およびフィルタベント装置の第2の実施形態の概略構成を示す縦断面図、である。
本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の第2の実施形態も、原子炉圧力容器2が破損するなどの過酷事故時において、ドライウェル3ならびにウェットウェル4が内在する原子炉格納容器1内の圧力を減少させ、放射性物質を極力除去するものである。
図2に示すように、フィルタベント装置および原子炉格納容器の第2の実施形態は、第1の実施形態のフィルタベント装置20に、逆止弁36および真空解消用配管37に加えて、更に、フィルタベント装置20の入口配管10に、窒素供給装置31と窒素供給弁32とを設けた窒素供給配管33を接続したものである。
具体的には、窒素供給配管33の一端は、隔離弁6、7下流側のベント配管8,9,もしくは入口配管10に接続されている。窒素供給配管33の他端には、窒素供給装置31が接続されている。窒素供給配管33には窒素供給弁32が設けられている。
更に、フィルタベント装置20の出口配管14に、原子炉格納容器フィルタベント操作時には確実に作動する設定圧力としたラプチャディスク16を設けている。このラプチャディスク16に加えて、更に、出口配管14に窒素排出用の配管35を接続し、この窒素排出用の配管35に窒素排出弁34を設けてある。
上述した窒素供給配管33と、窒素供給配管33の他端に連結した窒素供給装置31と、窒素供給配管33に設けた窒素供給弁32と、窒素排出弁34および配管35とは、ベント操作時に、原子炉格納容器1内で発生した水素の流入による爆轟気の形成を避けるために、待機運転中に原子炉格納容器フィルタベント装置20内を窒素雰囲気で維持するためのものである。
なお、ラプチャディスク16、窒素供給配管33、窒素供給装置31、窒素供給弁32、窒素排出弁34および配管35以外の構成は第1の実施形態のフィルタベント装置および原子炉格納容器と略同じであり、詳細は省略する。
本発明のフィルタベント装置20の第2の実施形態は、隔離弁6と、隔離弁7と、ベント配管8と、ベント配管9と、入口配管10と、フィルタ容器12と、遮蔽壁13と、出口配管14と、排気筒15と、窒素供給装置31と、窒素供給弁32と、窒素供給配管33と、窒素排出弁34と、配管35と、逆止弁36と、真空解消用配管37とによって構成されている。
以下に、万が一原子炉冷却材喪失事故が起こり、かつ安全系の動的機器に多重故障が発生した場合を想定して、本発明のフィルタベント装置の第2の実施形態の作用(動作)を説明する。
原子炉格納容器1内の圧力が上昇し、減圧しなければ破損の危険性がある場合に、原子炉格納容器1が破損に至る前に原子炉格納容器1内を減圧するために隔離弁6もしくは隔離弁7を開放し、隔離弁6や隔離弁7を閉鎖するまでの作用・動作は、フィルタベント装置の第1の実施形態と略同じである。
隔離弁6または隔離弁7の閉鎖後、運転員は、窒素供給装置31を作動して窒素供給弁32を開放し、窒素供給配管33を介して窒素を入口配管10内に供給し、入口配管10内が真空となるのを防ぐ。
ここで、何らかの事情で窒素供給装置31、窒素供給弁32のいずれかが作動せず、入口配管10が真空状態となったとしても、逆止弁36が作動して、排気15,出口配管14および真空解消用配管37を介して外気が入口配管10内に流入し、入口配管10内の真空状態が解消される。
また、待機運転時に、窒素排出弁34を開放後、窒素供給装置31を作動し、窒素供給弁32を開放し、配管35から外部に窒素を排出した後、窒素排出弁34を閉鎖することで、フィルタベント装置20内を窒素雰囲気で維持する。
本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の第2の実施形態においては、隔離弁6または隔離弁7の閉鎖後に、窒素供給装置31を作動して窒素供給弁32を開放して窒素を入口配管10内に供給することで、入口配管10内が真空状態となることを防止できる。また、万が一、運転員が窒素導入作業を実施できずに、入口配管10に窒素が供給できなかったとしても、入口配管10内が真空状態となった場合に、逆止弁36がすぐに作動して、外気が入口配管10内に流入し、入口配管10内の真空状態が、運転員の操作なしに解消され、前述したフィルタベント装置および原子炉格納容器の第1の実施形態とほぼ同様な効果が得られる。
更に、本実施形態によれば、待機運転時に、窒素排出弁34を開放後、窒素供給装置31を作動し、窒素供給弁32を開放し、配管35から外部に窒素を排出した後、窒素排出弁34を閉鎖することにより、フィルタベント装置20内を窒素雰囲気で維持することができる。よって、原子炉格納容器1のフィルタベント操作開始直後に、炉心で発生した水素がフィルタベント装置20内に流入しても、水素流入による爆轟気の形成を避けることができる。
<第2の実施形態の変形例>
なお、フィルタベント装置および原子炉格納容器の第2の実施形態では、逆止弁36および真空解消用配管37に加えて、更に、入口配管10に、窒素供給装置31と窒素供給弁32とを設けた窒素供給配管33を接続したが、第2の実施形態はこれに限定されない。以下、第2の実施形態の変形例について図3を用いて説明する。
図3は本発明の原子炉格納容器およびフィルタベント装置の第2の実施形態の変形例の概略構成を示す縦断面図、である。
本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の第2の実施形態の別の態様は、図3に示すように、窒素供給装置31と窒素供給弁32に加えて、圧力センサ38と制御部39とを備えたものである。
圧力センサ38は、入口配管10内の圧力を検出するためのセンサであり、入口配管10に接続された配管10Aに設けられている。
制御部39は、圧力センサ38の検出値(入口配管10内の圧力)を取り込み、この検出値が予め設定された設定値に達したら、窒素供給弁32を開くよう開信号を窒素供給弁32に対して出力する。
この開信号の入力を受けて、窒素供給弁32は開かれる。
このような態様のフィルタベント装置および原子炉格納容器においても、隔離弁6または隔離弁7の閉鎖後に、窒素供給装置31を作動させて窒素供給弁32を開放して窒素を入口配管10内に供給することや、入口配管10内が真空状態となった場合に、逆止弁36がすぐに作動して、外気が入口配管10内に流入することによって、入口配管10内の真空状態が解消される。
更に、入口配管10内の圧力を検出し、この検出値が予め設定された設定値に達したら、窒素供給弁32を開くよう制御するため、隔離弁6または隔離弁7の閉鎖後に、運転員が必ずしも窒素供給装置31を作動させて窒素供給弁32を開放する必要がなく、入口配管10内が真空状態となることを防止することができるとともに、原子炉格納容器フィルタベント装置20内を窒素雰囲気で維持することもより容易となる。
なお、本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の第2の実施形態では、入口配管10に、窒素供給装置31と窒素供給弁32とを設けた窒素供給配管33や、窒素供給装置31と窒素供給弁32とを設けた窒素供給配管33と圧力センサ38および制御部39と、からなる窒素供給系統を設けたが、入口配管10内に導入するガスは、窒素に限られず、空気などの他の種類のガスを供給するためのガス供給ラインを設けることもできる。
<第3の実施形態>
本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の第3の実施形態を図4を用いて説明する。
図4は本発明の原子炉格納容器およびフィルタベント装置の第3の実施形態の概略構成を示す縦断面図、である。
本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の第3の実施形態も、原子炉圧力容器2が破損するなどの過酷事故時において、ドライウェル3ならびにウェットウェル4が内在する原子炉格納容器1内の圧力を減少させ、放射性物質を極力除去するものである。
この実施形態のフィルタベント装置20では、図1に示す第1の実施形態における出口配管14に接続した真空解消用配管37を大気解放させたものである。
なお、真空解消用配管37A以外の構成は図1に示す第1の実施形態のフィルタベント装置および原子炉格納容器と略同じであるので、詳細は省略する。
本発明のフィルタベント装置20の第3の実施形態は、隔離弁6と、隔離弁7と、ベント配管8と、ベント配管9と、入口配管10と、フィルタ容器12と、遮蔽壁13と、出口配管14と、排気筒15と、逆止弁36と、真空解消用配管37Aとによって構成されている。
本発明のフィルタベント装置および原子炉格納容器の第3の実施形態においても、入口配管10内が真空状態となった場合、逆止弁36が作動して、真空解消用配管37を介して、外気が入口配管10内に流入し、入口配管10内の真空状態が、運転員の操作なしに解消され、前述したフィルタベント装置および原子炉格納容器の第1の実施形態とほぼ同様な効果が得られる。
また、この第3の実施形態においても、第2の実施形態やその変形例のように、入口配管10に、窒素供給装置31と窒素供給弁32とを設けた窒素供給配管33や、窒素供給装置31と窒素供給弁32とを設けた窒素供給配管33と圧力センサ38および制御部39と、からなる窒素供給系統を設けることができ、同様の効果が得られる。
なお、本発明は上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。
1…原子炉格納容器、
2…原子炉圧力容器、
3…ドライウェル、
4…ウェットウェル、
5…サプレッションプール、
6,7…隔離弁、
8,9…ベント配管、
10…入口配管、
10A…配管、
11…プール水、
12…フィルタ容器、
13…遮蔽壁、
14…出口配管、
15…排気筒、
16…ラプチャディスク、
20…フィルタベント装置、
31…窒素供給装置、
32…窒素供給弁、
33…窒素供給配管、
34…窒素排出弁、
35…窒素排出配管、
36…逆止弁、
37,37A…真空解消用配管、
38…圧力センサ
39…制御部

Claims (5)

  1. 原子炉格納容器のフィルタベント装置であって、
    内部にプール水および放射性物質除去用のフィルタを有するフィルタ容器と、
    前記原子炉格納容器内のドライウェルとウェットウェルに連結したベント配管と、
    前記ベント配管に設けた隔離弁と、
    一端が前記ベント配管に連結され、他端が前記フィルタ容器のプール水内に導入された入口配管と、
    前記フィルタ容器内のフィルタに連結する出口配管と、
    前記原子炉格納容器のフィルタベント操作後に、開放中の前記隔離弁を閉鎖した後に、前記入口配管に外気を導入することで前記入口配管内で生起する真空を解消させるための真空解消手段とを備え
    この真空解消手段は、
    一端が前記入口配管における前記ベント配管と前記フィルタ容器の間に連結し、他端が前記出口配管に連結した真空解消用配管と、
    前記真空解消用配管に設けられ、前記出口配管から前記入口配管への空気の流れのみを許容する2つの逆止弁とを備え
    ことを特徴とする原子炉格納容器のフィルタベント装置。
  2. 請求項に記載の原子炉格納容器のフィルタベント装置において、
    一端が前記入口配管における前記ベント配管と前記フィルタ容器の間に連結した窒素供給配管と、
    前記窒素供給配管の他端に連結した窒素供給装置と、
    前記窒素供給配管に設けた窒素供給弁とを更に備えた
    ことを特徴とする原子炉格納容器のフィルタベント装置。
  3. 請求項に記載の原子炉格納容器のフィルタベント装置において、
    前記出口配管に設けた、原子炉格納容器フィルタベント操作時に作動する設定圧力としたラプチャディスクと、
    前記出口配管に接続した窒素排出用配管と、
    この窒素排出用配管に設けた窒素排出弁とを更に備えた
    ことを特徴とする原子炉格納容器のフィルタベント装置。
  4. 請求項に記載の原子炉格納容器のフィルタベント装置において、
    前記入口配管に設けた圧力センサと、
    前記圧力センサの検出値を取り込み、この検出値が予め設定された設定値に達したら、前記窒素供給弁に開信号を出力する制御部とを更に備えた
    ことを特徴とする原子炉格納容器のフィルタベント装置。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の原子炉格納容器のフィルタベント装置を備えたことを特徴とする原子炉格納容器。
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