JPH0961577A - 原子炉格納容器のベント装置 - Google Patents

原子炉格納容器のベント装置

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JPH0961577A
JPH0961577A JP7221393A JP22139395A JPH0961577A JP H0961577 A JPH0961577 A JP H0961577A JP 7221393 A JP7221393 A JP 7221393A JP 22139395 A JP22139395 A JP 22139395A JP H0961577 A JPH0961577 A JP H0961577A
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containment vessel
condensate storage
reactor containment
storage container
vent
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JP7221393A
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Tatsutoshi Tokuyama
龍俊 徳山
Takashi Sato
崇 佐藤
Akira Tanabe
章 田辺
Yutaka Muramatsu
豊 村松
Masahiro Tsutagawa
雅洋 蔦川
Sukekazu Kanai
祐和 金井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子力発電プラントに設置されている復水貯蔵
容器を万一の苛酷事故時にフィルタ容器として流用する
ことにより、原子炉格納容器内での苛酷事故に際して原
子力発電プラントの健全性を維持することができる原子
炉格納容器のベント装置を提供する。 【解決手段】請求項1記載の発明に係る原子炉格納容器
のベント装置は、原子力発電プラントにおいて、大気中
に開口した排気筒4と復水貯蔵容器18を隔離弁26等を介
挿したベント配管 23 で接続すると共に、前記復水貯蔵
容器18と原子炉格納容器1のと間を隔離弁11,14等を介
挿したベント配管9,10で接続したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電プラン
トにおける原子炉格納容器に係り、特に原子炉における
苛酷事故に際して、原子炉格納容器内を減圧して放出放
射能を低減するための原子炉格納容器のベント装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラントについては、過去に
米国におけるTMI及び旧ソビエト連邦におけるチェル
ノブイリでの事故発生の影響から、原子力発電プラント
における苛酷事故を想定して、苛酷事故発生時にこの影
響緩和をはかるために、諸外国では苛酷事故対策の実施
が求められている。
【0003】例えば米国においては、Mark1型原子
炉格納容器を有する沸騰水型原子力発電プラントでは、
耐圧ベントシステムの設置が規制当局より求められてい
る。また、欧州の原子力発電プラントでは、耐圧ベント
システムに放射性物質の放出量を低減するフィルタを備
えた、フィルタベントシステムが導入されている。
【0004】一方、日本の原子力発電プラントにおいて
は、世界各国の原子力発電プラントと比較してその構造
上から安全性が高く、苛酷事故は工学的には起こり得な
い事象と考えられている。従って、そのために苛酷事故
対策を実施する義務づけは今のところないが、各原子力
発電プラントにおける自主的な実施の有効性判断につい
て検討が行われている。
【0005】欧州で実施されている従来のフィルタベン
トシステムは、図5の系統構成図に示すように、原子炉
格納容器1に連通して設けられたサプレッションチェン
バ2に、フィルタ容器3と排気筒4が配管5及び弁6等
により接続されている。このフィルタベントシステムで
は、苛酷事故時に原子炉格納容器1内の圧力が上昇した
場合は、原子炉格納容器1が破損に至る前に、サプレッ
ションチェンバ2の気相部より配管5及び弁6を介して
ガスをベントして、フィルタ容器3の水中でスクラビン
グを行う。
【0006】これにより、原子炉格納容器1内の圧力が
抑制されることから、原子炉格納容器1の健全性が維持
できる。さらに、原子炉格納容器1からのガスは、フィ
ルタベント容器3内の水中でスクラビングを行うことに
より、ガス中のよう素等の可溶性の放射性物質を大幅に
除去すると共に浄化し、その後に排気筒4より大気中へ
放出する。
【0007】また、一部の原子力発電プラントでは、ガ
スを水中でスクラビングするのではなく、ステンレスフ
ァイバーフィルタ等にガスを通すことにより、放出放射
性物質の低減をはかっているものもある。なお、図面に
は各種隔離弁等が信頼性向上のために2個直列に記載し
ているが、便宜上一つの符号を付して以下も同様に説明
する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】万一の苛酷事故を想定
してフィルタ容器3を設置するフィルタベントシステム
では、専用のフィルタ容器3による設備の増大と、これ
を据付するための設置スペースが必要となる。特に既設
の原子力発電プラントにおいては、フィルタ容器3を新
設するための設備物量の増加と、設置スペースを確保す
ることに課題があり、また、他の設備への影響を回避す
る対策も問題となる。
【0009】さらに、苛酷事故時用設備の設置に関して
は、一般大衆に対して原子力発電プラントについて安全
性の不安を必要以上に感じさせて、原子力発電への社会
的理解を得る点で好ましくないという支障があった。
【0010】本発明の目的とするところは、原子力発電
プラントに設置されている復水貯蔵容器を万一の苛酷事
故時にフィルタ容器として流用することにより、原子炉
格納容器内での苛酷事故に際して原子力発電プラントの
健全性を維持することができる原子炉格納容器のベント
装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する請
求項1記載の発明に係る原子炉格納容器のベント装置
は、原子力発電プラントにおいて、大気中に開口した排
気筒と復水貯蔵容器を隔離弁等を介挿したベント配管で
接続すると共に、前記復水貯蔵容器と原子炉格納容器の
と間を隔離弁等を介挿したベント配管で接続したことを
特徴とする。原子炉格納容器のベントを復水貯蔵容器に
導入して、フィルタベントするのでフィルタ容器を必要
とせずに原子炉格納容器内での苛酷事故が防止できる。
【0012】請求項2記載の発明に係る原子炉格納容器
のベント装置は、復水貯蔵容器と原子炉格納容器との間
を接続したベント配管が、復水貯蔵容器側端を内包する
水中に開放すると共に、原子炉格納容器側端はその気相
部に開放して設けたことを特徴とする。原子炉格納容器
の気相部からベントは、ベント配管により復水貯蔵容器
内の水中に導入され、フィルタベントされるので可溶性
の放射性物質等が除去、浄化去れる。
【0013】請求項3記載の発明に係る原子炉格納容器
のベント装置は、復水貯蔵容器の排気筒に接続したベン
ト配管の排気筒側と、前記原子炉格納容器と復水貯蔵容
器と接続したベント管の復水貯蔵容器側との間にバイパ
ス隔離弁を介挿したバイパス配管を接続したことを特徴
とする。
【0014】原子炉格納容器のベント後も炉心への注水
等のために復水貯蔵容器の保有水を確保する必要がある
場合は、バイパス隔離弁を開くことにより、原子炉格納
容器内の雰囲気は復水貯蔵容器を迂回し、バイパス配管
を経由して排気筒ら大気中に放出される。これにより、
スクラビング機能は喪失するものの、原子炉格納容器の
耐圧ベント機能は実施されて、原子炉格納容器の健全性
は維持できる。
【0015】請求項4記載の発明に係る原子炉格納容器
のベント装置は、復水貯蔵容器において、原子炉格納容
器と接続した前記ベント配管の先端を運転中の保有水面
の低レベルより下の位置で開放したことを特徴とする。
運転中の保有水面の低レベルより下の位置でベント配管
からベントするので、復水貯蔵容器における保有水の供
給機能を維持したまま、フィルタベント機能が行える。
【0016】請求項5記載の発明に係る原子炉格納容器
のベント装置は、復水貯蔵容器を前記原子炉格納容器等
を取り囲んで設けた二次格納施設内に設置すると共に、
この復水貯蔵容器の気相部と前記二次格納容器を連通さ
せることを特徴とする。復水貯蔵容器でフィルタベント
されたベントを、二次格納容器内で滞留させてこの間に
短半減期の放射能は消滅する。
【0017】請求項6記載の発明に係る原子炉格納容器
のベント装置は、復水貯蔵容器を耐圧容器として前記二
次格納施設の外に設置すると共に、この復水貯蔵容器の
気相部と二次格納施設とを連通させることを特徴とす
る。復水貯蔵容器を二次格納施設外に設置するので設置
スペースの確保が容易で、レイアウトの自由度が拡張さ
れる。
【0018】請求項7記載の発明に係る原子炉格納容器
のベント装置は、復水貯蔵容器を複数の原子力発電プラ
ントで共用することを特徴とする。苛酷事故は発生がま
れであることから、ベント容器とする1基の復水貯蔵容
器を複数の原子力発電プラントで共用することにより、
設備効率が向上する。
【0019】請求項8記載の発明に係る原子炉格納容器
のベント装置は、複数の原子力発電プラントで共用する
復水貯蔵容器において、底部に1つ以上のしきり壁を設
置して内包する安全用水源となる部分を複数に区画した
ことを特徴とする。復水貯蔵容器の保有水はフィルタベ
ントとして共用し、安全用水源は各原子力発電プラント
ごとに確保するので、苛酷事故時と共に通常運転時の安
全性が維持できる。
【0020】請求項9記載の発明に係る原子炉格納容器
のベント装置は、復水貯蔵容器の底部にしきり壁を設置
して、内包する安全用水源となる部分を区画すると共
に、前記安全用水源の区画外でしきり壁上端より下の水
中に原子炉格納容器と接続したベント配管の先端を開放
させたことを特徴とする。しきり壁による区画で安全用
水源を確保して、苛酷事故時にもフィルタベント作動に
影響されずに安全用水の供給ができるので安全性が向上
する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例について図面を
参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ構成
部分については同一符号を付して詳細な説明を省略す
る。第1実施例は請求項1乃至請求項4に対応し、図1
の系統構成図に示すように、原子炉格納容器1と、この
原子炉格納容器1に連通して設けられたサプレッション
チェンバ2には、ドライウェル7あるいは、ウエットウ
ェル8の気相部が存在し、それぞれに、ベント配管9と
ベント配管10が接続されている。
【0022】前記原子炉格納容器1からのベント配管9
には隔離弁11が介挿されており、また、サプレッション
チェンバ2からのベント配管10には、ラプチャーディス
ク12とバイパス弁13が並列で、さらに隔離弁14が直列に
介挿されている。なお、前記ラプチャーディスク12の設
定圧は、例えば前記原子炉格納容器1の設計圧力の約2
倍に設定する。
【0023】さらに、前記ベント配管9は隔離弁11、及
びベント配管10は隔離弁14の先で、ベント配管15に一括
した後に分岐し、一方はバイパス配管16としてバイパス
隔離弁17を介して排気筒4に接続され、他方は復水貯蔵
容器18に接続している。この復水貯蔵容器18には、前記
分岐したベント配管15の先端が、内部の保有水19の中に
水没し、開放して設置されている。また、復水貯蔵容器
18の上部には、気相部と連通したエア抜き配管20と隔離
弁21が接続されていると共に、ハッチ22が設けてあり、
底部には復水配管18aが接続されている。
【0024】さらに、前記復水貯蔵容器18の気相部より
排気筒4に接続されたベント配管23には、ラプチャーデ
ィスク24とバイパス弁25が並列で、これに隔離弁26が直
列に介挿されて構成している。なお、上記ベント配管15
と排気筒4の間に接続したバイパス配管16は、前記復水
貯蔵容器18を迂回させるためのものである。また、復水
貯蔵容器18内において、保有水19中に開放して設置する
ベント配管15の先端位置は、保有水19の水面27よりの深
さ28を5m以上に設定する。
【0025】次に上記構成による作用について説明す
る。原子力発電プラントにおいては、苛酷事故の発生は
工学的には全く考えられないが、さらに、万全を期する
ために仮に苛酷事故が発生した場合を想定する。
【0026】原子炉格納容器1内の冷却が困難となり、
当該原子炉格納容器1内の圧力が上昇すると、原子炉格
納容器圧力を常時監視している図示しない圧力計からア
ラームが発生するので、運転員は手動で隔離弁21を閉じ
る。なお、この時に隔離弁21の閉操作は、原子炉格納容
器内の圧力信号による自動ロジックを備えることによ
り、圧力計の発するアラームにより自動的に実施するよ
うにしてもよい。
【0027】次いで、原子炉格納容器1内の圧力がラプ
チャーディスク12の設定圧、例えば原子炉格納容器1の
設計圧力の2倍に達すると、ラプチャーディスク12が作
動し、前記原子炉格納容器1内の雰囲気が、サプレッシ
ョンチェンバ2とベント配管10を経由して前記復水貯蔵
容器18内に導かれて、原子炉格納容器1内の圧力は低下
する。
【0028】さらに、ドライウェル7の圧力がある規定
の圧力、例えば原子炉格納容器1の設計圧力の2倍以上
に達した場合に、運転員は手動で隔離弁11を開にする。
これにより、原子炉格納容器1内の雰囲気がベント配管
9を経由して復水貯蔵容器18内に導かれるので、原子炉
格納容器1内の圧力は低下する。
【0029】前記2つの操作により、ベント配管9及び
ベント配管10を経由して復水貯蔵容器18へ導かれた前記
雰囲気中の蒸気は、復水貯蔵容器18内の保有水19により
冷却されて凝縮すると共に、雰囲気中の放射性物質は保
有水19により有効にスクラビングされ、よう素等の可溶
性の放射性物質を除去し浄化される。
【0030】さらに、原子炉格納容器1から導入された
雰囲気により復水貯蔵容器18内の圧力が上昇して、ラプ
チャーディスク24の設定値に達するとラプチャーディス
ク24が開となる。これにより、復水貯蔵容器18において
浄化された前記原子炉格納容器1からの雰囲気は、ベン
ト管23を通り排気筒4に導かれて大気中に放出される。
【0031】また、原子炉格納容器1のベント後も、炉
心への注水等のために復水貯蔵容器18の保有水19を確保
する必要がある場合には、復水貯蔵容器18を迂回するバ
イパス配管16に介挿されているバイパス隔離弁17を運転
員が手動で開にする。この操作により、原子炉格納容器
1内の雰囲気は復水貯蔵容器18を迂回し、バイパス配管
16を経由して排気筒4に導かれて大気中に放出される。
【0032】これにより、復水貯蔵容器18における保有
水19中でのスクラビング機能は喪失するものの、原子炉
格納容器1の耐圧ベント機能は実施されて、原子炉格納
容器1の健全性が維持できる。なお、復水貯蔵容器18内
のベント配管15の先端を、その水面27からの深さ28を5
m以上とすることにより、保有水19中で行われるスクラ
ビングで雰囲気に含まれたよう素の大部分を除去するこ
とができる。
【0033】また、他の実施例として請求項5及び請求
項6に対応して、復水貯蔵容器18を図1の例えば一点鎖
線で示す原子炉建屋における放射線管理区域の二次格納
施設1a内に設置し、復水貯蔵容器18よりのベント配管
23の開放端を二次格納施設1a内とするか、あるいは、
図1において原子炉格納容器1のベントの際に、復水貯
蔵容器18のエア抜き配管20中の隔離弁21を開とする等の
運用をする。
【0034】この場合には、原子炉格納容器1から復水
貯蔵容器18に導かれてスクラビングされた雰囲気は、前
記二次格納施設1a内へ放出される。二次格納施設1a
内に放出された雰囲気は、この二次格納施設1a内でし
ばらく滞留した後に、半減期の短い放射性物質は放射能
が消滅し、図示しない非常用ガス処理系により浄化され
て外気へ放出される。
【0035】また、二次格納施設1aは外気に対して気
密性に優れており、たとえば前記非常用ガス処理系が停
止した場合に、僅かな差圧による漏洩があっても、原子
炉格納容器1内の雰囲気の二次格納施設1a内の滞留時
間が増大することから、半減期の短い放射性物質の二次
格納施設1a外への放出は抑制される。また、復水貯蔵
容器18を耐圧容器とすることにより、二次格納施設1a
外の放射線管理区域外に設置が可能となることから、原
子力発電プラントにおける設置スペースの制約が緩和さ
れて、レイアウトの自由度が拡張する。
【0036】本第1実施例によれば、専用のフィルタ容
器3を設置することなく、苛酷事故時には復水貯蔵容器
18により、原子炉格納容器1内の雰囲気のフィルタベン
トが可能となる。このために、原子力発電プラントにお
ける設備や配置スペースの増大が抑制できるので、既設
プラントへの適用が容易に可能である。また復水貯蔵容
器18は、原子力発電プラントの通常運転に必要不可欠な
ものであり、このように常時利用されている一般的な設
備を苛酷事故時のフィルタベント容器として流用するこ
とで、プラントの安全性を大幅に向上できる。
【0037】第2実施例は請求項7に対応し、一基の復
水貯蔵容器を複数の原子力発電プラントで共用するもの
で、ここでは2基への適用例を示す。図2の要部構成図
に示すように、復水貯蔵容器29と図示しない2基の原子
力発電プラント、及び2基の原子炉格納容器を、ベント
配管30及びベント配管31により接続して構成する。
【0038】また、前記ベント配管30は、第1の原子力
発電プラントの原子炉格納容器に、ベント配管31は、第
2の原子力発電プラントの原子炉格納容器と接続してい
て、復水貯蔵容器29の底部には、各原子力発電プラント
に供給する復水配管29a,29bが接続されている。な
お、前記復水貯蔵容器29の基本構成は、上記図1に示し
た第1実施例の復水貯蔵容器18と同様のものである。
【0039】上記構成による作用としては、原子力発電
プラントにおける苛酷事故は極めてまれな事象であり、
複数の原子力発電プラントにおいて同時に発生すること
は通常考えられない。従って、2基の原子力発電プラン
トの内で第1の原子力発電プラントにて苛酷事故が発生
したことを想定すると、この時に復水貯蔵容器29はベン
ト配管30を介して第1の原子力発電プラントのフィルタ
容器として運用される。
【0040】一方、異常のない第2の原子力発電プラン
トについては、復水貯蔵容器29の保有水19が復水配管29
bより供給されて正常運転が行われる。なお、各原子力
発電プラントにおける原子炉格納容器1からベントをす
る作用は、上記第1実施例と同様に行われる。
【0041】本第2実施例においては、複数の原子力発
電プラントで復水貯蔵容器29の保有水19を共用すること
により、単機が利用できる保有水19の量、及び水面27の
高さの利用は、原子力発電プラントごとに単独の復水貯
蔵容器18を設置する場合と比較して、見掛け上の余裕が
大きくなる。
【0042】苛酷事故時のフィルタベント機能にとって
保有水19の深さ28は、放射能除去能力に対して最も大き
な効果を持つ。従って、共用の復水貯蔵容器29をフィル
タ容器として用いることにより、より大きな放射能除去
能力を期待できることから、安全性をさらに大きく向上
する効果がある。
【0043】第3実施例は請求項8に対応し、図3の要
部構成図に示すように、復水貯蔵容器を複数の原子力発
電プラントで共用する場合に、復水貯蔵容器32の底部に
しきり壁33を設けて、復水貯蔵容器32内の下部を共用す
る原子力発電プラントの数と同数に区画して構成する。
なお、図3では1つのしきり壁33により2区画とした場
合を示し、それぞれの復水配管32a,32bは別々の原子
力発電プラントに接続している。
【0044】上記構成による作用は、原子力発電プラン
トの運転に際して、最低限の安全用水源を確保すること
が望ましい。従って、復水貯蔵容器32内部をしきり壁33
により区画することにより、それぞれの区画で各原子力
発電プラントに対する保有水19の最低限を確保する。
【0045】本第3実施例によれば、上記第2実施例と
同様に原子炉格納容器1からのフィルタベントを行った
場合に、苛酷事故時にはより大きな放射能除去能力を確
保すると共に、通常の事故対策としての安全用水源を各
原子力発電プラントで別々に確保することが可能とな
り、苛酷事故時のみならず設計基準事故時の安全性を1
基の復水貯蔵容器により確保する効果がある。
【0046】第4実施例は請求項9に対応し、図4の要
部構成図に示すように、復水貯蔵容器34の底部にしきり
壁33を設置し、復水貯蔵容器34内の底部を例えば2つの
区画35,36に分けて、そのうちの区画35には図示しない
原子炉格納容器1からのベント配管15を設け、また区画
36の底部には復水配管34aを接続して構成する。なお、
前記ベント配管15の先端は、しきり壁33の上端37より深
さ28が5m以上の位置に開放して設置する。
【0047】上記構成による作用としては、復水貯蔵容
器34の底部をしきり壁33により区画することにより、炉
心を収容した原子炉圧力容器への注水等に用いる安全用
水源36とフィルタベント用水源35とが分離できる。これ
により、上記第2実施例と同様に原子炉格納容器1から
のフィルタベントを行った場合にも、通常の事故への対
策としての安全用水源を区画36により確保する。
【0048】さらに、フィルタベント用水源を区画35に
独立して確保すると共に、しきり壁33はフィルタベント
の際の気泡等の影響が区画36の安全用水源に及ぶことを
防止する。また、前記ベント配管15の先端位置を、上記
第1実施例の場合と同様に十分なフィルタ機能が得られ
る深さ28を、しきり壁33の上端37より5m以上とするこ
とにより、スクラビングにおいてベントの雰囲気に含ま
れたよう素の大部分を除去することができる。
【0049】もちろん、本第4実施例は上記第3実施例
と同様に復水貯蔵容器内で、安全用水源を区分けして復
水貯蔵容器を複数の原子力発電プラントで共用すること
も可能である。
【0050】
【発明の効果】以上本発明によれば、フィルタ容器を新
設することなく苛酷事故時のフィルタベント機能を達成
して原子炉格納容器の健全性を維持することができるの
で、設備及び設置スペースの増大がなく、既設の原子力
発電プラントに対しても容易に適用して安全性を向上す
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の原子炉格納容器のベ
ント装置の系統構成図。
【図2】本発明に係る第2実施例の原子炉格納容器のベ
ント装置の要部構成図。
【図3】本発明に係る第3実施例の原子炉格納容器のベ
ント装置の要部構成図。
【図4】本発明に係る第4実施例の原子炉格納容器のベ
ント装置の要部構成図。
【図5】従来のフィルタベントシステムによる原子炉格
納容器の系統構成図。
【符号の説明】
1…原子炉格納容器、1a…二次格納施設、2…サプレ
ッションチェンバ、3…フィルタ容器、4…排気筒、5
…配管、6…弁、7…ドライウェル、8…ウエットウェ
ル、9,10,15,23,30,31…ベント配管、11,14,2
1,26…隔離弁、12,24…ラプチャーディスク、13,25
…バイパス弁、16…バイパス配管、17…バイパス隔離
弁、18,29,32,34…復水貯蔵容器、18a,29a,29
b,32a,32b,34a…復水配管、19…保有水、20…エ
ア抜き配管、22…ハッチ、27…水面、28…深さ、33…し
きり壁、35…フィルタベント用水源の区画、36…安全用
水源の区画、37…しきり壁上端。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村松 豊 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 蔦川 雅洋 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 金井 祐和 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子力発電プラントにおいて、大気中に
    開口した排気筒と復水貯蔵容器を隔離弁等を介挿したベ
    ント配管で接続すると共に、前記復水貯蔵容器と原子炉
    格納容器のと間を隔離弁等を介挿したベント配管で接続
    したことを特徴とする原子格納容器のベント装置。
  2. 【請求項2】 前記復水貯蔵容器と原子炉格納容器との
    間を接続したベント配管が、復水貯蔵容器側端を内包す
    る水中に開放すると共に、原子炉格納容器側端はその気
    相部に開放して設けたことを特徴とする請求項1記載の
    原子炉格納容器のベント装置。
  3. 【請求項3】 前記復水貯蔵容器の排気筒に接続したベ
    ント配管の排気筒側と、前記原子炉格納容器と復水貯蔵
    容器と接続したベント管の復水貯蔵容器側との間にバイ
    パス隔離弁を介挿したバイパス配管を接続したことを特
    徴とする請求項1記載の原子炉格納容器のベント装置。
  4. 【請求項4】 前記復水貯蔵容器において、原子炉格納
    容器と接続した前記ベント配管の先端を運転中の保有水
    面の低レベルより下の位置で開放したことを特徴とする
    請求項1記載の原子炉格納容器のベント装置。
  5. 【請求項5】 前記復水貯蔵容器を前記原子炉格納容器
    等を取り囲んで設けた二次格納施設内に設置すると共
    に、この復水貯蔵容器の気相部と前記二次格納容器を連
    通させることを特徴とする原子炉格納容器のベント装
    置。
  6. 【請求項6】 前記復水貯蔵容器を耐圧容器として前記
    二次格納施設の外に設置すると共に、この復水貯蔵容器
    の気相部と二次格納施設とを連通させることを特徴とす
    る原子炉格納容器のベント装置。
  7. 【請求項7】 前記復水貯蔵容器を複数の原子力発電プ
    ラントで共用することを特徴とする原子炉格納容器のベ
    ント装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の原子力発電プラントで共用す
    る復水貯蔵容器において、底部に1つ以上のしきり壁を
    設置して内包する安全用水源となる部分を複数に区画し
    たことを特徴とする請求項7記載の原子炉格納容器のベ
    ント装置。
  9. 【請求項9】 前記復水貯蔵容器において、底部にしき
    り壁を設置して内包する安全用水源となる部分を区画す
    ると共に、前記安全用水源の区画外でしきり壁上端より
    下の水中に原子炉格納容器と接続したベント配管の先端
    を開放させたことを特徴とする原子炉格納容器のベント
    装置。
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