JP5897327B2 - 被処理物搬送装置および静電塗装方法 - Google Patents

被処理物搬送装置および静電塗装方法 Download PDF

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Description

本発明は、被処理物搬送装置および静電塗装方法に関する。
特に、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を容易に施すことができる被処理物搬送装置およびそれを用いた静電塗装方法に関する。
従来、ガラス容器やプラスチック容器等の被処理物に対する塗装手段として、液状塗料のスプレー塗装が広く実施されている。
また、液状塗料を被処理物に対してより効率的に付着させることができることから、静電塗装が実施される場合も多い。
また、大量の被処理物に対して均一な塗膜を形成する観点から、通常、被処理物を水平方向に移動可能なスピンドルに対して取り付けた上で、スプレー塗装や静電塗装が実施される。
より具体的には、スピンドルにより回転しつつ搬送されている状態の被処理物に対して、搬送路の側方に設けられた塗装ノズルから噴射された液状塗料が吹き付けられることになる(例えば、特許文献1)。
すなわち、特許文献1には、図14(a)に示すように、複数のベアリングとして、第1のベアリング232、234および第2のベアリング216、219、236を有するとともに、移動手段250に載置されて水平方向に移動し、かつ、強制回転装置の強制回転部材との接触によって回転可能なスピンドル210を備えた被処理物搬送装置であって、第2のベアリングが当接するガイド部材を備えるとともに、スピンドル210が、下記部材(a)〜(c)を備えることを特徴とする被処理物搬送装置が開示されている。
(a)移動手段250に固定された回転軸239に対して、第1のベアリング232、234を介して回転可能に装着される回転支持部材210a
(b)強制回転部材に接触する接触面220bを有するとともに、当該接触面220bの上方および下方に第2のベアリング216、219、236をそれぞれ備え、かつ、回転支持部材210aに固定される接触駆動部材210b
(c)直接またはホルダーを介して被処理物を載置するための支持棒部材210cであって、接触駆動部材210bに固定される支持棒部材210c
また、その使用態様として、図14(b)に示すように、スピンドル210の先端部に固定され、回転している状態の被処理物257に対し、側方から複数の塗装ノズル258を用いて液状塗料を噴射する態様が開示されている。
特開2007−289823号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1に記載の被処理物搬送装置では、被処理物に対して複数色からなる縞模様やグラデーション模様を施そうとした場合、横向きの縞模様やグラデーション模様を施すことができるのみであり、得られる模様のバリエーションが少なく、ひいては、塗装により得られる被処理物の美感が限定されてしまうという問題が見られた。
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、湾曲アーム冶具を備えたスピンドルを用いることにより、被処理物をスピンドルの回転軸に対して傾斜した角度に保持した状態で回転させることができることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、被処理物をスピンドルの回転軸に対して傾斜した角度に保持した状態で回転させながら搬送し、かつ、その状態の被処理物に対して塗装を行うことにより、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を容易に施すことができる被処理物搬送装置および静電塗装方法を提供することにある。
本発明によれば、鉛直方向に回転軸を有するスピンドルを備えた被処理物搬送装置であって、スピンドルが、被処理物をスピンドルの回転軸に対して所定の傾斜角度に保持するための湾曲アーム冶具を備えるとともに、当該湾曲アーム冶具により、被処理物をスピンドルの回転軸に対して所定の傾斜角度に保持した状態で回転させることを特徴とする被処理物搬送装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、本発明の被処理物搬送装置であれば、湾曲アーム冶具を備えたスピンドルを備えることから、被処理物をスピンドルの回転軸に対して傾斜した角度に保持した状態で回転させることができる。
したがって、被処理物をスピンドルの回転軸に対して傾斜した角度に保持した状態で回転させながら搬送し、かつ、その状態の被処理物に対して塗装を行うことにより、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を容易に施すことができる。
また、本発明の被処理物搬送装置を構成するにあたり、被処理物の重心が、回転軸上に位置することが好ましい。
このように構成することにより、被処理物を安定的に回転させることができることから、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、より安定的に施すことができる。
また、本発明の被処理物搬送装置を構成するにあたり、被処理物の傾斜角度を、回転軸を基準として、1〜90°の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、多様な角度に傾斜した縞模様やグラデーション模様等を容易に施すことができる。
また、本発明の被処理物搬送装置を構成するにあたり、湾曲アーム冶具が、被処理物の傾斜角度を可変とする角度可変機構を備えることが好ましい。
このように構成することにより、傾斜角度ごとに複数種の湾曲アーム冶具を用意することなく、被処理物の傾斜角度の調整を容易に行うことができる。
また、本発明の被処理物搬送装置を構成するにあたり、湾曲アーム冶具が、被処理物を保持するための保持部を有するとともに、当該保持部が、被処理物の被保持部と螺合することが好ましい。
このように構成することにより、被処理物を、湾曲アーム冶具に対してより安定的に固定することができる。
また、本発明の被処理物搬送装置を構成するにあたり、湾曲アーム冶具の保持部が、被処理物を保持する際に、湾曲アーム冶具に対する被処理物の回転角度を規定するための回転角度規定機構を備えることが好ましい。
このように構成することにより、湾曲アーム冶具に対する被処理物の回転角度を所定の角度に調整することができることから、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、より広い態様で施すことができる。
また、本発明の被処理物搬送装置を構成するにあたり、湾曲アーム冶具が、分岐部を有するとともに、当該分岐部の分岐数に対応した複数の保持部を有することが好ましい。
このように構成することにより、1つの湾曲アーム冶具に対して複数の被処理物を固定することが可能となり、被処理物の処理効率を向上させることができる。
また、本発明の被処理物搬送装置を構成するにあたり、被処理物搬送装置における搬送路の側方に、被処理物に対して静電塗装を行うための静電塗装ノズルが設けてあることが好ましい。
このように構成することにより、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、さらに容易に施すことができる。
また、本発明の別の態様は、鉛直方向に回転軸を有するスピンドルと、静電塗装ノズルと、を備えた被処理物搬送装置を用いた静電塗装方法であって、スピンドルが、当該スピンドルに備えられた湾曲アーム冶具により、被処理物をスピンドルの回転軸に対して傾斜した角度に保持した状態で回転させると同時に、被処理物を搬送方向に沿って搬送し、かつ、回転しつつ搬送されている状態の被処理物に対して、静電塗装ノズルを用いて静電塗装を行うことを特徴とする静電塗装方法である。
すなわち、本発明の静電塗装方法であれば、所定の被処理物搬送装置を用いることから、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を容易に施すことができる。
また、本発明の静電塗装方法を実施するにあたり、湾曲アーム冶具の回転外径と、静電塗装ノズルの先端と、の間の最短距離を1〜30cmの範囲内の値とするとともに、静電塗装ノズルにおける印加電圧を5〜30kVの範囲内の値とすることが好ましい。
このように実施することにより、液状塗料の拡散と、被処理物への付着とのバランスが好適となって、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、より安定的に施すことができる。
また、本発明の静電塗装方法を実施するにあたり、静電塗装ノズルによる液状塗料の塗布量を20〜200ミリリットル/分の範囲内の値とすることが好ましい。
このように実施することにより、液状塗料の拡散と、被処理物への付着とのバランスがより好適となって、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、さらに安定的に施すことができる。
また、本発明の静電塗装方法を実施するにあたり、スピンドルの回転速度を10〜150rpmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように実施することにより、液状塗料の拡散と、被処理物への付着とのバランスがさらに好適となって、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、より一段と安定的に施すことができる。
図1は、本発明の被処理物搬送手段の概要を示すために供する図である。 図2(a)〜(b)は、本発明におけるスピンドルを説明するために供する図である。 図3(a)〜(b)は、縦向き、および傾斜した縞模様等を有する被処理物について説明するために供する図である。 図4(a)〜(d)は、湾曲部分のバリエーションを説明するために供する図である。 図5は、回転軸部分と、湾曲部分と、の取り付け方法を説明するために供する図である。 図6(a)〜(b)は、保持部に対する被処理物の取り付け方法を説明するために供する図である。 図7(a)〜(b)は、保持部に対する被処理物の取り付け方法を説明するために供する別の図である。 図8(a)〜(b)は、回転角度規定機構について説明するために供する図である。 図9(a)〜(b)は、回転角度規定機構について説明するために供する別の図である。 図10(a)〜(c)は、角度可変機構を説明するために供する図である。 図11(a)〜(b)は、湾曲アーム冶具のバリエーションを説明するために供する図である。 図12(a)〜(b)は、静電塗装ノズルについて説明するために供する図である。 図13(a)〜(b)は、本発明の静電塗装方法によって得られたガラス容器を示す写真である。 図14(a)〜(b)は、従来の被処理物搬送装置について説明するために供する図である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1に示すように、鉛直方向に回転軸Zを有するスピンドル1を備えた被処理物搬送装置80であって、スピンドル1が、被処理物5をスピンドル1の回転軸Zに対して所定の傾斜角度θ1に保持するための湾曲アーム冶具20を備えるとともに、当該湾曲アーム冶具20により、被処理物5をスピンドル1の回転軸Zに対して所定の傾斜角度θ1に保持した状態で回転させることを特徴とする被処理物搬送装置80である。
かかる被処理物搬送装置80であれば、図1に示すように、被処理物5をスピンドル1の回転軸Zに対して傾斜した角度に保持した状態で回転させながら搬送し、かつ、その状態の被処理物5に対して塗装を行うことにより、被処理物5に対し、横向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を容易に施すことができる。
以下、第1の実施形態の被処理物搬送装置について、図面を適宜参照しながら、具体的に説明する。
1.被処理物
本発明における被処理物は、特に制限されるものではなく、例えば、ガラス製品、プラスチック製品、金属製品および木材製品等を挙げることができる。
中でも、高い装飾性が求められることから、化粧品等を収容するためのガラス容器およびプラスチック容器は、本発明における被処理物として、特に好ましい。
また、かかるガラス容器やプラスチック容器の形状についても、特に制限されるものではないが、例えば、ボトルネック型、矩形状、円筒状および異形等が挙げられる。
2.スピンドル
本発明の被処理物搬送装置は、図2(a)〜(b)に示すように、鉛直方向に回転軸Zを有するスピンドル1であって、湾曲アーム冶具20を備えたスピンドル1を備えることを特徴とする。
以下、本発明におけるスピンドルについて、構成部分に分けて説明する。
(1)本体部分
本発明におけるスピンドルの本体部分は、鉛直方向に回転軸を有し、かかる回転軸を回転軸として回転可能な回転機構を有するものであれば、特に制限されるものではない。
したがって、例えば、図2(a)〜(b)に示すような独立した本体部分50を用いてもよいし、一本の長尺部材に対して複数の回転軸が設けてあるようなものであってもよい。
(2)湾曲アーム冶具
本発明におけるスピンドル1は、図2(a)〜(b)に示すように、湾曲アーム冶具20を備えることを特徴とする。
この理由は、湾曲アーム冶具20を備えることにより、被処理物5をスピンドル1の回転軸Zに対して傾斜した角度に保持した状態で回転させることができるためである。
その結果、被処理物5をスピンドル1の回転軸Zに対して傾斜した角度に保持した状態で回転させながら搬送し、かつ、その状態の被処理物5に対して塗装を行うことにより、図3(a)〜(b)に示すように、被処理物5に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を容易に施すことができる(5a、5b)。
(2)−1 基本的構成
図2(a)〜(b)に示すように、湾曲アーム冶具20は、基本的に、スピンドル1の本体部分50における先端部に取り付けるための回転軸部分20a、当該回転軸部分20aの上端部に設けられ、回転軸Zよりも側方に張り出した略コの字状の湾曲部分20b、および湾曲部分20bの上端部に設けられる、被処理物5を取り付けるための保持部20cからなることが好ましい。
(2)−2 回転軸部分
また、図2(a)〜(b)に示すように、回転軸部分20aは、その軸心がスピンドル1の回転軸Zと一致する直線状の部分であり、本体部分50の先端部に取り付けられる。
かかる回転軸部分20aを本体部分50の先端部に取り付ける方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、本体部分50の先端部に回転軸Zの方向に延びる孔部を設けておき、かかる孔部に対して回転軸部分20aを挿入した上でネジ等により固定する方法が好ましい。
あるいは、本体部分50の先端部に傘様の板バネ部材を設けておき、かかる板バネ部材を回転軸部分20aの下端部に設けられた孔部に対して圧入することにより固定する方法であってもよい。
また、回転軸部分20aの大きさについても特に制限されるものではないが、本体部分50に対して取り付けた際に、本体部分50の先端部から露出している部分の長さL1を、通常、15〜200mmの範囲内の値とすることが好ましく、回転軸部分20aが棒状物の場合には、直径を7〜12mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、回転軸部分20aが板状物の場合には、幅を7〜12mmの範囲内の値とするとともに、厚さを0.5〜5mmの範囲内の値とすることが好ましい。
さらに、回転軸部分20aの材料物質についても、特に制限されるものではなく、通常、ステンレスやアルミニウム合金等の金属、もしくは、プラスチック材料とすることが好ましい。
(2)−3 湾曲部分
また、図2(a)〜(b)に示すように、湾曲部分20bは、回転軸Zよりも側方に張り出した略コの字状の部分であり、上述した回転軸部分20aの上端部に取り付けられていることが好ましい。
また、湾曲部分20bのその他の形状としては、図2(a)〜(b)に示すようなコの字状のほか、図4(a)に示すようなくの字状や図4(b)に示すようなムの字状等が挙げられる。
あるいは、図4(c)に示すような半円状や図4(d)に示すような椅子状等であってもよい。
いずれにしても、被処理物を取り付ける際に傾斜角度をつけることができる形状であれば、特に制限されるものではない。
また、湾曲部分20bを回転軸部分20aの上端部に取り付ける方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、図2(a)〜(b)等に示すように、回転軸部分20aと一体に成形してもよいし、図5に示すように、金属やプラスチック材料等からなる連結部材25を介して取り付けられていてもよい。
なお、かかる連結部材25としては、例えば、図5に示すように、両側にネジ孔を有するくの字状のナット部材等を用いることができる。
この場合、回転軸部分20aの上端部および湾曲部分20bの下端部には、連結部材25のネジ孔と螺合することができるように、それぞれネジ溝を切っておけばよい。
また、湾曲部分20bの大きさについても特に制限されるものではないが、側方への張り出し長さL2を20〜200mmの範囲内の値とすることが好ましく、高さL3を20〜200mmの範囲内の値とすることが好ましく、図4(a)〜(c)に示すように、湾曲部分20bが棒状物の場合には、直径を7〜20mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、図4(d)に示すように、湾曲部分20bが板状物の場合には、幅を7〜12mmの範囲内の値とするとともに、厚さを0.5〜5mmの範囲内の値とすることが好ましい。
さらに、湾曲部分20bの材料物質についても、特に制限されるものではなく、上述した回転軸部分20aの材料物質と同様に、ステンレスやアルミニウム合金等の金属、もしくは、プラスチック材料とすることが好ましい。
(2)−4 保持部
また、図2(a)〜(b)に示すように、保持部20cは、被処理物5を取り付けるための部分であり、湾曲部分20bの上端部に取り付けられる。
また、かかる保持部20cは、図6(a)〜(b)に示すように、被処理物5の被保持部5´と螺合するように構成してあることが好ましい。
この理由は、保持部20cをこのように構成することにより、被処理物5を、湾曲アーム冶具20に対してより安定的に固定することができるためである。
なお、被処理物5をより容易に取り付ける観点からは、かかる保持部20cを、図7(a)〜(b)に示すように、被処理物5の被保持部5´を周囲から挟み込むことによって固定するクランプ部材とすることも好ましい。
また、かかる保持部20cを湾曲部分20bの上端部に取り付ける方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、保持部20cの後部にネジ孔を設けるとともに、湾曲部分20bの上端部にネジ溝を切っておき、これらを螺合させることが好ましい。
また、保持部20cの大きさについても特に制限されるものではなく、被処理物5の被保持部5´の態様に合わせて、適宜、調整することが好ましいが、通常、長さL4を5〜40mmの範囲内の値とすることが好ましく、幅L5を10〜100mmの範囲内の値とすることが好ましい。
さらに保持部20cの材料物質についても、特に制限されるものではないが、被処理物5の被保持部5´を安定的に保持することができ、かつ、液状塗料を熱硬化させる場合であっても十分な耐熱性を有することから、真鍮やアルミニウム合金等の金属材料とすることが好ましい。
なお、液状塗料を紫外線硬化させる場合であれば、プラスチック材料とすることも好ましい。
また、図8(a)〜(b)および図9(a)〜(b)に示すように、湾曲アーム冶具20の保持部20cが、被処理物5を保持する際に、湾曲アーム冶具20に対する被処理物5の回転角度θ2を規定するための回転角度規定機構30を備えることが好ましい。
この理由は、かかる回転角度規定機構30を備えることにより、湾曲アーム冶具20に対する被処理物5の回転角度を一定にすることができることから、被処理物5に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、より広い態様で施すことができるためである。
より具体的な回転角度規定機構30の態様としては、例えば、図8(a)〜(b)に示すように、保持部20cの上面に対し、かかる面方向において進行方向(A、B)が異なる2以上の溝部(30a、30b)を設ける態様が挙げられる。
このような回転角度規定機構30であれば、複数の溝部(30a、30b)のうち、いずれか1つの溝部(30a、30b)を選択し、当該選択した溝部(30a、30b)に対して湾曲部分20bを嵌合させつつネジ20dにて両者を固定することができる。
したがって、溝部30aを選択した場合には、図9(a)に示すように、回転角度θ2=0°の状態で被処理物5を湾曲アーム冶具20に対して固定することができ、溝部30bを選択した場合には、図9(b)に示すように、回転角度θ2=45°の状態で被処理物5を湾曲アーム冶具20に対して固定することができる。
これにより、例えば、θ2=0°の場合には塗装しにくい被処理物5の側面(幅の狭い方の側面)に対しても、θ2=45°の場合には容易に塗装することができるようになる等、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、より広い態様で施すことができるようになる。
なお、回転角度θ2は、所望のデザインに対応して、適宜、0〜90°の範囲内で調整することが好ましい。
(2)−5 傾斜角度
また、図2(a)〜(b)に示す被処理物5の傾斜角度θ1を、回転軸Zを基準として、1〜90°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、被処理物5の傾斜角度θ1をかかる範囲内の値とすることにより、多様な角度に傾斜した縞模様やグラデーション模様等を容易に施すことができるためである。
なお、傾斜角度θ1は、所望のデザインに対応して、適宜、1〜90°の範囲内で調整することが好ましい。
(2)−6 角度可変機構
また、図10(a)〜(c)に示すように、湾曲アーム冶具20が、被処理物5の傾斜角度θ1を可変とする角度可変機構40を備えることが好ましい。
この理由は、かかる角度可変機構40を備えることにより、傾斜角度θ1ごとに複数種の湾曲アーム冶具20を用意することなく、被処理物5の傾斜角度θ1の調整を容易に行うことができるためである。
また、より具体的な角度可変機構40の態様としては、例えば、図10(a)〜(c)に示すような態様が挙げられる。
すなわち、かかる態様の角度可変機構40においては、湾曲部分20bの中間部分にヒンジ式の角度可変部41が設けてあるとともに、湾曲部分20bの上端部近傍に支持棒部材42の上端を回転可能に取り付けてなる上端支持部43が設けてある。
また、湾曲部分20bの下端近傍には支持棒部材42の下端を取り外し可能に固定してなる下端支持部44が設けてあるとともに、さらに、湾曲部分20bの下端近傍には、支持棒部材42の下端を取り外し可能に固定するための角度調整孔45が複数設けてある。
したがって、複数の角度調整孔45のうち、使用する角度調整孔45を、適宜、選択し、支持棒部材42の下端を固定するための下端支持部44とすることにより、図10(a)〜(c)に示すように、被処理物5の傾斜角度θ1を容易に調整することができる。
(2)−7 重心
また、図2(a)〜(b)等に示すように、被処理物5の重心が、回転軸Zの上に位置するように、湾曲アーム冶具20を構成することが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、被処理物5を安定的に回転させることができることから、被処理物5に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、より安定的に施すことができるためである。
すなわち、被処理物5の重心を回転軸Zの上に位置させることにより、スピンドル1を回転させた場合であっても、被処理物5が回転しながら振動したり、あるいは、被処理物5の回転速度にムラが生じたりすることを効果的に抑制することができるためである。
なお、被処理物5の重心の位置を調整する方法としては、例えば、湾曲部分20bにおける側方への張り出し長さL2を変えたり、あるいは、上述した角度可変機構40を用いて、被処理物5の傾斜角度θ1を変えたりすることにより行うことができる。
(2)−8 その他の態様
また、図11(a)〜(b)に示すように、湾曲アーム冶具20が、分岐部21を有するとともに、当該分岐部21の分岐数に対応した複数の保持部20cを有することも好ましい。
この理由は、このような湾曲アーム冶具20であれば、1つの湾曲アーム冶具20に対して複数の被処理物5を取り付けることが可能となり、被処理物5の処理効率を向上させることができるためである。
また、複数の被処理物5を対称に取り付けることにより、被処理物5の全体の重心を、回転軸Zの上に位置させることが容易となり、スピンドル1を回転させた場合であっても、被処理物5が回転しながら振動したり、あるいは、被処理物5の回転速度にムラが生じたりすることを効果的に抑制することができるためである。
より具体的には、例えば、図11(a)〜(b)に示すように、3つの被処理物5を120°間隔で配置することができるが、被処理物5の個数は特に制限されるものではない。
また、その他の湾曲アーム冶具20の態様についても、特に制限されるものではなく、例えば、図11(a)に示すようなプロペラ状の態様であってもよく、図11(b)に示すように、被処理物5が湾曲アーム冶具20の内側に配置されるような態様であってもよい。
3.移動手段
本発明におけるスピンドル1は、図1に示すように、移動手段60に取り付けられ、水平方向に移動可能であることが好ましい。
この理由は、スピンドル1が移動手段60に取り付けられ、水平方向に移動することによって、静電塗装ノズル100や赤外線乾燥装置等(図示せず)をスピンドル1の進行方向の側方等に配置して、連続的、かつ、安定的に所望の処理を実施することができるためである。
かかる移動手段60としては、スピンドル1を水平方向に移動させることができるとともに、スピンドル1を回転可能に装着できるものであれば、特に制限されるものではないが、特に好ましいものとしては、コンベヤチェーンを用いた移動手段60が挙げられる。
この理由は、移動手段60がコンベヤチェーンであれば、スピンドル1を回転可能に装着することが容易となるばかりか、スピンドル1の進行路を任意の方向へとカーブさせることも容易となるためである。
4.塗装ノズル
また、図1に示すように、被処理物搬送装置80における搬送路の側方に、被処理物5に対して静電塗装を行うための静電塗装ノズル100が設けてあることが好ましい。
この理由は、このように静電塗装ノズル100を設けることにより、被処理物5に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、さらに容易に施すことができるためである。
すなわち、静電塗装であれば、液状塗料と、被処理物との間の電位差により、積極的に液状塗料が被処理物に付着することから、被処理物に付着することなく、廃棄されることになる無駄な液状塗料を減らし、少ない吐出量で効率的な塗装をすることができるためである。
また、回転している被処理物の裏面に対しても、液状塗料を回り込ませて付着させることができる。
さらに、被処理物の回転により生じる気流により、液状塗料を飛散させることなく、液状塗料を的確に被処理物に対して付着させることができる。
また、静電塗装ノズルとしては、一般に公知の静電塗装ノズルであれば好適に使用することができるが、例えば、図12(a)に例示されるような静電塗装ノズル100を使用することができる。
すなわち、静電塗装ノズル100は、その先端部に設けてある塗料噴射孔115と、液状塗料に高電圧を付与するための電極112を突出させてなる高電圧印加部103と、液状塗料を噴射する際に、空気を供給するための2つの空気噴射孔107、108と、を備えていることが好ましい。
また、静電塗装ノズル100の本体101には、高電圧印加部103に対して、通電するための高電圧供給部110と、塗料噴射孔115に対して、液状塗料の貯蔵部(図示せず)から供給するための塗料供給路104と、2つの空気噴射孔107、108に対して、圧縮空気を供給するための空気供給路(図示せず)と、を備えていることが好ましい。
また、静電塗装ノズルとして、塗料を均一に噴射できるように、図12(b)に示すように、塗料噴射孔115を回転ヘッドとする静電塗装ノズル100´とすることも好ましい。
すなわち、静電塗装ノズル100´の回転ヘッド115が、空気噴射孔108から吹き出すエアーの噴射力によって回転軸を中心に回転し、それによって生じる遠心力により、塗料噴射孔115から噴射される液状塗料は被処理物5に対して、均一に吹き付けることができる。
また、静電塗装ノズルの小型化を図るために、図12(b)に示すように、塗料供給路104の一部120を、コイル状に構成して、静電塗装ノズル100´の先端部近傍に収容することも好ましい。
このように燃料供給路104をコイル状とすることにより、液状塗料の低抵抗に起因する絶縁破壊やショートを防止するとともに、静電塗装ノズルを全体としてコンパクトな設計とすることができる。
なお、本発明の場合、被処理物5に対して縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を施すことを目的としている。
したがって、図1に示すように、複数の静電塗装ノズル100に由来した複数色の液状塗料が、被処理物5に対して、位置をずらしつつ同時に噴射されるように、複数の静電塗装ノズル100を上下方向において隣接するように配置しておくことが好ましい。
なお、所望とする模様のレベルによっては、上述した静電塗装ノズル以外に、例えば、エアースプレーノズル(エアースプレーガン)を用いることも好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、鉛直方向に回転軸を有するスピンドルと、静電塗装ノズルと、を備えた被処理物搬送装置を用いた静電塗装方法であって、スピンドルが、当該スピンドルに備えられた湾曲アーム冶具により、被処理物をスピンドルの回転軸に対して傾斜した角度に保持した状態で回転させると同時に、被処理物を搬送方向に沿って搬送し、かつ、回転しつつ搬送されている状態の被処理物に対して、静電塗装ノズルを用いて静電塗装を行うことを特徴とする静電塗装方法である。
以下、第2の実施形態の静電塗装方法について、図面を適宜参照しながら、具体的に説明する。
1.被処理物搬送装置
第2の実施形態としての静電塗装方法においては、第1の実施形態として記載した被処理物搬送装置を用いることを特徴とする。
この理由は、所定の被処理物搬送装置を用いることにより、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を容易に施すことができるためである。
なお、かかる所定の被処理物搬送装置についての内容は、第1の実施形態として既に説明したため、省略する。
また、本発明の静電塗装方法においては、湾曲アーム冶具の回転外径と、静電塗装ノズルの先端と、の間の最短距離を1〜30cmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、湾曲アーム冶具の回転外径と、静電塗装ノズルの先端と、の間の最短距離をかかる範囲内の値とすることにより、液状塗料の拡散と、被処理物への付着とのバランスが好適となって、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、より安定的に施すことができるためである。
すなわち、かかる最短距離が1cm未満の値となると、スピンドルの振動等により、湾曲アーム冶具または被処理物と、静電塗装ノズルの先端とが衝突する場合があるためである。一方、かかる最短距離が30cmを超えた値となると、複数色の液状塗料が重なり合い、縞模様やグラデーション模様が過度にぼやけてしまう場合があるためである。
したがって、湾曲アーム冶具の回転外径と、静電塗装ノズルの先端と、の間の最短距離を2〜20cmの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜10cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明の静電塗装方法においては、静電塗装ノズルにおける印加電圧を5〜30kVの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、静電塗装ノズルにおける印加電圧をかかる範囲内の値とすることにより、液状塗料の拡散と、被処理物への付着とのバランスがより好適となって、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、より安定的に施すことができるためである。
すなわち、かかる印加電圧が5kV未満の値となると、被処理物に対する液状塗料の付着効率が過度に低下したり、液状塗料が所望の箇所以外の箇所に付着し易くなったりする場合があるためである。一方、かかる印加電圧が30kVを超えた値となると、回転している被処理物の裏側に対し、液状塗料が過度に回り込んで、液状塗料が所望の箇所以外の箇所に付着し易くなる場合があるためである。
したがって、静電塗装ノズルにおける印加電圧を8〜25kVの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜20kVの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明の静電塗装方法においては、静電塗装ノズルによる液状塗料の塗布量を20〜200ミリリットル/分の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、静電塗装ノズルによる液状塗料の塗布量をかかる範囲内の値とすることにより、液状塗料の拡散と、被処理物への付着とのバランスがより好適となって、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、さらに安定的に施すことができるためである。
すなわち、かかる塗布量が20ミリリットル/分未満の値となると、霧状に噴霧された液状塗料が、被処理物に対してドット状に付着して、付着しない箇所が生じ、均一な塗膜を形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかる塗布量が200ミリリットル/分を超えた値となると、被処理物に塗布された液状塗料に垂れが生じたり、液状塗料の使用量が過度に増加して、コスト面での問題が生じたりする場合があるためである。
したがって、静電塗装ノズルによる塗料の塗布量を25〜150ミリリットル/分の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜90ミリリットル/分の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明の静電塗装方法においては、スピンドルの回転速度を10〜150rpmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、スピンドルの回転速度をかかる範囲内の値とすることにより、液状塗料の拡散と、被処理物への付着とのバランスがさらに好適となって、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を、より一段と安定的に施すことができるためである。
すなわち、かかる回転速度が10rpm未満の値となると、被処理物が一回転する前に静電塗装ノズルの前を通り過ぎてしまい、塗装できない部分が生じる場合があるためである。一方、かかる回転速度が150rpmを超えた値となると、被処理物の回転により生じる気流により、液状塗料が拡散し、所望の箇所に液状塗料を付着させることが困難になる場合があるためである。
したがって、スピンドルの回転速度を20〜120rpmの範囲内の値とすることがより好ましく、30〜90rpmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明の静電塗装方法においては、被処理物の搬送速度を1〜8m/分の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる搬送速度が1m/分未満の値となると、被処理物の処理効率が過度に低下する場合があるためである。一方、かかる搬送速度が8m/分を超えた値となると、被処理物が一回転する前に静電塗装ノズルの前を通り過ぎてしまい、塗装できない部分が生じる場合があるためである。
したがって、被処理物の搬送速度を1.5〜6m/分の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜4m/分の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
2.液状塗料
(1)種類
また、静電塗装方法において用いる液状塗料の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等からなる群から選択される少なくとも一種の樹脂であることが好ましい。
また、これらの樹脂を硬化主成分とし、その硬化剤として、アミノ化合物、ホルムアルデヒド化合物、フェノール化合物、イソシアネート化合物、ポリアミド化合物、金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物等を混合したものを使用することが好ましい。
(2)硬化性樹脂
また、静電塗装方法において用いる液状塗料として、熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂を使用することが好ましい。
この理由は、かかる硬化性樹脂を使用することにより、被処理物の表面と、塗膜の間の密着力を高めることができるとともに、表面保護性に優れた薄膜からなる塗膜を形成することができるためである。
また、熱硬化性樹脂を用いた場合には、加熱炉を用いて容易に塗膜を形成することができ、紫外線硬化性樹脂を用いた場合には、紫外線照射によって、迅速に形成することができる。
(3)粘度
また、液状塗料の粘度(25℃)を5〜10,000mPa・sの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、液状塗料の粘度が5mPa・s未満の値になると、取り扱いが困難になったり、塗膜の厚膜化が困難になったりする場合があるためである。一方、液状塗料の粘度が100,000mPa・sを超えた値になると、塗膜の厚さの制御が困難になったり、あるいは、静電塗装処理自体が困難になったりする場合があるためである。
したがって、液状塗料の粘度(25℃)を10〜10,000mPa・sの範囲内の値とすることがより好ましく、100〜5,000mPa・sの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)塗膜の厚さ
また、液状塗料からなる塗膜の厚さは特に制限されるものではないが、例えば、5〜200μmの範囲内の値であることが好ましい。
この理由は、かかる塗膜の厚さが5μm未満の値になると、機械的強度が低下して、被処理物の表面から容易に剥離する場合があるためである、一方、かかる塗膜の厚さが200μmを超えた値となると、塗膜の形成やその乾燥処理に過度に時間がかかる場合があるためである。
したがって、液状塗料からなる塗膜の厚さを10〜100μmの範囲内の値とすることがより好ましく、20〜50μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、図13(a)〜(b)に、本発明の具体的な実施結果を示す。
すなわち、13(a)には、スピンドルに装着された状態のガラス容器の写真を示し、図13(b)には、静電塗装により得られた塗装後のガラス容器を示す。
なお、具体的な実施条件は以下の通りである。
1.被処理物の準備
ボトルネック型のガラスビンであって、ネック部分の長さが12mm、胴部の形状が高さ70mm、幅50mm、厚さ25mmの直方体であるガラスビンを用意した。
2.静電塗装工程
次いで、図1に示すような被処理物搬送装置(静電塗装装置)を用いて、以下の条件にて、ガラス容器の表面に静電塗装を実施した。
液状塗料1:黄色カラークリアー樹脂(アクリルメラミン系樹脂)
液状塗料2:黒色カラークリアー樹脂(アクリルメラミン系樹脂)
液状塗料3:青色カラークリアー樹脂(アクリルメラミン系樹脂)
粘度(25℃):100mPa・s
被処理物の傾斜角度:45°
湾曲アーム冶具の回転外径と、静電塗装ノズルの先端との間の距離:10cm
静電塗装ノズルにおける印加電圧:10kV
液状塗料の塗布量:90ミリリットル/分
スピンドルの回転速度:20rpm
被処理物の搬送速度:3m/分
3.硬化工程
次いで、静電塗装によりガラス容器表面に塗装した液状塗料を、赤外線熱硬化装置を用いて硬化させ、15μmの塗膜を形成した。
本発明の被処理物搬送装置およびそれを用いた静電塗装方法によれば、湾曲アーム冶具を備えたスピンドルを用いることにより、被処理物をスピンドルの回転軸に対して傾斜した角度に保持した状態で回転させることができるようになった。
その結果、被処理物をスピンドルの回転軸に対して傾斜した角度に保持した状態で回転させながら搬送し、かつ、その状態の被処理物に対して塗装を行うことにより、被処理物に対し、縦向き、もしくは傾斜した縞模様やグラデーション模様等を容易に施すことができるようになった。
したがって、本発明の被処理物搬送装置およびそれを用いた静電塗装方法によれば、優れた美感を有するガラス瓶等を、大量かつ安価に製造することが可能となる。
1:スピンドル、5:被処理物、5´:被保持部、20:湾曲アーム冶具、20a:回転軸部分、20b:湾曲部分、20c:保持部、20d:ネジ、20d´:ネジ孔、25:連結部材、30:回転角度規定機構、30a:溝部、30b:溝部、40:角度可変機構、41:角度可変部、42:支持棒部材、43:上端支持部、44:下端支持部、45角度調整孔、50:本体部分、60:移動手段、80:被処理物搬送装置、100:静電塗装ノズル、106:高圧印加部、108:空気噴射孔、112:電極、115:塗料噴射孔

Claims (8)

  1. 鉛直方向に回転軸を有するスピンドルと、移動手段と、を備え、前記スピンドルに保持された被処理物としてのガラス容器を、前記移動手段により、搬送路に沿って搬送しながら静電塗装を施すための被処理物搬送装置であって、
    前記スピンドルが、前記被処理物を、前記スピンドルの回転軸に対して所定の傾斜角度に保持するとともに、前記所定の傾斜角度に保持した状態で回転させるための湾曲アーム冶具を備えており、
    前記被処理物の傾斜角度を、前記回転軸を基準として、1〜90°の範囲内の値としており、
    前記被処理物の重心が、前記回転軸上に位置しており、
    前記湾曲アーム冶具が、前記被処理物の被保持部を螺合した状態で保持するための保持部を有しており、
    さらには、前記搬送路の側方に、前記被処理物に対して静電塗装を行うための静電塗装ノズルが設けてあることを特徴とする被処理物搬送装置。
  2. 前記湾曲アーム冶具が、前記被処理物の傾斜角度を可変とする角度可変機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の被処理物搬送装置。
  3. 前記湾曲アーム冶具の保持部が、前記被処理物を保持する際に、前記湾曲アーム冶具に対する前記被処理物の回転角度を規定するための回転角度規定機構を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の被処理物搬送装置。
  4. 前記湾曲アーム冶具が、分岐部を有するとともに、当該分岐部の分岐数に対応した複数の保持部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の被処理物搬送装置。
  5. 鉛直方向に回転軸を有するスピンドルと、移動手段と、静電塗装ノズルと、を備え、前記スピンドルに保持された被処理物としてのガラス容器を、前記移動手段により、搬送路に沿って搬送しながら静電塗装を施すための静電塗装方法であって、
    前記スピンドルが、前記被処理物を、前記スピンドルの回転軸に対して所定の傾斜角度に保持するとともに、前記所定の傾斜角度に保持した状態で回転させるための湾曲アーム冶具を備えており、
    前記被処理物の傾斜角度を、前記回転軸を基準として、1〜90°の範囲内の値としており、
    前記被処理物の重心が、前記回転軸上に位置しており、
    前記湾曲アーム冶具が、前記被処理物の被保持部を螺合した状態で保持するための保持部を有しており、
    前記スピンドルが、前記湾曲アーム冶具により、前記被処理物を回転させると同時に、前記被処理物を搬送方向に沿って搬送し、かつ、
    回転しつつ搬送されている状態の前記被処理物に対して、前記静電塗装ノズルを用いて静電塗装を行うことを特徴とする静電塗装方法。
  6. 前記湾曲アーム冶具の回転外径と、前記静電塗装ノズルの先端と、の間の最短距離を1〜30cmの範囲内の値とするとともに、前記静電塗装ノズルにおける印加電圧を5〜30kVの範囲内の値とすることを特徴とする請求項5に記載の静電塗装方法。
  7. 前記静電塗装ノズルによる液状塗料の塗布量を20〜200ミリリットル/分の範囲内の値とすることを特徴とする請求項5または6に記載の静電塗装方法。
  8. 前記スピンドルの回転速度を10〜150rpmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の静電塗装方法。
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