JP5896861B2 - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents
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Description
そのため、上述した特許文献1の技術では、超臨界流体の温度を制御することは容易ではなく、よって、流体温度の制御によって過飽和度を制御することは困難である。
よって、貧溶媒の混合状態(例えば添加量)を調節することにより、過飽和度(詳しくは過飽和度の大きさ)を制御することができる。これにより、成膜の際の核発生及び結晶成長を調節できるので、成膜速度を調節することができる。
[実施形態]
(1)本発明において、超臨界流体とは、臨界点以上の温度・圧力下においた物質の状態のことである。また、貧溶媒とは、比較対象の溶媒(ここでは超臨界流体)よりも溶解度が低い溶媒であり、貧溶媒より溶解度が高い溶媒を良溶媒と称する。なお、貧溶媒になるかどうかは、超臨界流体である比較対象の溶媒や溶質の種類によって変わることがあるが、超臨界流体や溶質の種類に応じて、使用する貧溶媒の種類を選択すればよい。なお、この貧溶媒としては、気体又は液体、超臨界流体のいずれの状態でもよい。
前記過飽和度αは、α=(c−ceq)/ceqのように定義される値である。ここで、ceqは、飽和溶解度、cは濃度である。
なお、チャンバーの材料としては、例えばステンレス等の各種の金属を用いることができる。
(6)原料の組成としては、Cu、Ru、Pt、Al、Ni、Si、Ti、Ta、Sr、Hf、Mnのうち、少なくとも1種を含む材料(例えば下記に示す各種の前駆体)を使用できる。
Ru原料:Ru(tmhd)3 (化学式:C33H57O6Ru)
Pt原料:Me2PtCOD (化学式:C10H18Pt)
Al原料:Al(hfac)3 (化学式:C15H3F18O3Al)
Ni原料:NiCp2 (化学式:C10H10Ni)
Si原料:TEOS (化学式:C8H20O4Si)
Ti原料:Ti(O−iPr)2(tmhd)2(化学式:C28H52O6Ti)
Ta原料:Ta(i−OC3H7)5 (化学式:C15H35O5Ta)
Sr原料:Sr(tmhd)2 (化学式:C22H40O4Sr)
Hf原料:Hf(tmhd)4 (化学式:C44H80O8Hf)
Mn原料:Mn(pmcp)2 (化学式:C20H30Mn)
(7)超臨界流体としては、CO2を用いることができる。
つまり、原料を溶解した超臨界流体と貧溶媒とを別系統でチャンバーに供給することにより、それを混合する箇所及びその近傍において、成膜及びその促進を行うことができる。
これにより、各導入口が開口する箇所及びその近傍(被処理基板上の所定位置)において、成膜及びその促進を行うことができる。
これにより、チェンバー内の空間中ではなく、貧溶媒のチャンバーへの導入口が開口する箇所及びその近傍(被処理基板上の所定位置)において、確実に成膜及びその促進を行うことができる。
a)まず、本実施例の成膜方法を実施するための成膜装置について説明する。
図3に示す様に、前記成膜装置11を備えた成膜システム31は、流路の上流側より、上述した第1管路17と第2管路19とチャンバー15と第3管路21とを備えている。また、第1管路17の上流側には、第4管路33と第5管路35とが接続され、第2管路19の上流側には、第6管路37が接続されている。更に、第1管路17と第3管路21とを接続するように第7管路39が配置されている。
第4管路33は、超臨界流体となる二酸化炭素ガス(CO2)を、第1管路17に供給するための管路であり、上流側より、二酸化炭素ガスを収容する第1容器61と、二酸化炭素ガスを第1管路17に供給する第1ポンプ63と、前記第4手動弁47とが配置されている。
第3管路21は、チャンバー11内から排出されるガス(成膜後の排ガス)を、成膜装置11外に排出する管路であり、上流側より、前記第3手動弁45と圧力調整弁73とが配置されている。なお、圧力調整弁73は、上流側の圧力が所定値になるように制御する調整弁(即ち、所定圧力になると自動的に開弁する調整弁)である。
(1)前記図2に示す様に、まず、チャンバー15内において、ヒータ23上の所定位置に、基板1を配置する。
(3)次に、第1ポンプ63を作動させ、超臨界流体用の二酸化炭素ガスを、100cc/minの流量でチャンバー15内(空間13)に供給する。
(6)次に、第2、第5手動弁43、49を開く。
そして、この状態で、10分間にわたり成膜を行う。
この成膜処理によって、基板1上に、厚さ200nmのCu膜が形成されていた。
なお、成膜の反応式(1)を下記に示す。
d)次に、本実施例の作用効果について説明する。
図4に、貧溶媒である水素ガスを添加したときの原料の前駆体(Cu(tmhd)2)の超臨界状態の二酸化炭素ガス(40℃、15MPa)への溶解度を例示するように、二酸化炭素ガスに添加する水素ガスの添加量が増加すると、二酸化炭素ガスの溶解度が低下する。即ち、超臨界状態の二酸化炭素ガスの過飽和度が増加する。
また、原料を溶解した超臨界流体と貧溶媒とを混合することにより過飽和として成膜(及びその促進)を行うので、超臨界流体と貧溶媒との混合位置(即ち両導入口17a、19aの位置)を、上述の様に基板1の上流側の端部近傍に設定することにより、基板1上に好適に成膜を行うことができる。
本実施例の成膜装置は、実施例1とは、超臨界流体や貧溶媒を供給する経路が異なるので、異なる点を説明する。
一方、貧溶媒の供給路(第2管路)87は、超臨界流体の供給路83より小径のノズルであり、超臨界流体の供給路83の内部にて同軸に配置されている。また、貧溶媒の供給路87の先端の開口部(導入口)87aは、超臨界流体の供給路83の導入口83aより基板1に近接して配置されている。
本実施例の成膜装置81は、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、貧溶媒の供給路87の導入口87aは、超臨界流体の供給路83の導入口83aより基板1に近接して配置されているので、基板表面に対して、より確実に成膜及びその促進を行うことができるという利点がある。
例えば、前記実施例では、手動で操作する成膜装置について述べたが、例えば手動弁に代えて電磁制御弁(開閉弁)を使用し、その電磁制御弁の開閉のタイミングや開閉の程度を電子制御装置によって制御して、自動的に薄膜を形成してもよい。また、ポンプの動作も電子制御装置によって制御することができる。
3…金属層(薄膜)
11、81…成膜装置
15…チャンバー
17、83…超臨界流体の供給路(第1管路)
17a、19a、83a、87a…導入口
19、89…貧溶媒の供給路(第2管路)
23…ヒータ
Claims (7)
- 1又は複数の原料を溶解した超臨界流体を、被処理基板(1)に供給して、該被処理基板(1)上に成膜を行う成膜方法において、
前記被処理基板(1)をチャンバー(15)に配置し、該チャンバー(15)内にて、前記原料を溶解した超臨界流体に、該超臨界流体の溶解度を低下させる貧溶媒を混合することにより、前記超臨界流体の過飽和度を制御して前記成膜を行う成膜方法であって、
前記原料を溶解した超臨界流体を前記チャンバー(15)内に導入する超臨界流体用の導入口(83a)と、前記貧溶媒を前記チャンバー(15)内に導入する貧溶媒用の導入口(87a)とを備えるとともに、前記貧溶媒用の導入口(87a)が、前記超臨界流体用の導入口(83a)と比べて前記被処理基板(1)に近い位置に設けられたチャンバー(15)を用い、
前記被処理基板(1)を配置した前記チャンバー(15)内に、前記超臨界流体用の導入口(83a)を介して前記原料を溶解した超臨界流体を導入するとともに、前記貧溶媒用の導入口(87a)を介して前記貧溶媒を導入し、前記原料を溶解した超臨界流体に前記貧溶媒を混合して前記成膜を行うことを特徴とする成膜方法。 - 前記貧溶媒は、還元剤又は酸化剤として作用する物質であることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
- 前記貧溶媒は、H2、O2、O3のうち、少なくとも1種を含む流体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成膜方法。
- 前記原料の組成として、Cu、Ru、Pt、Al、Ni、Si、Ti、Ta、Sr、Hf、Mnのうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成膜方法。
- 前記超臨界流体は、CO2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の成膜方法。
- 1又は複数の原料を溶解した超臨界流体を、被処理基板(1)に供給して、該被処理基板(1)上に成膜を行う成膜装置(11)において、
前記被処理基板(1)を収容するチャンバー(15)と、
前記原料を前記超臨界流体に溶解させる溶解手段(33、35)と、
前記原料を溶解した超臨界流体と該超臨界流体の溶解度を低下させる貧溶媒とを、別系統で前記チャンバー(15)内に供給する構成(17、19)と、
を備え、
前記被処理基板(1)を収容したチャンバー(15)内にて、前記原料を溶解した超臨界流体に前記貧溶媒を混合する成膜装置(11)であって、
前記別系統として、前記原料を溶解した超臨界流体を前記チャンバー(15)内に供給する超臨界流体用の導入口(83a)と前記貧溶媒を前記チャンバー(15)内に供給する貧溶媒用の導入口(87a)と、を備えるとともに、
前記貧溶媒用の導入口(87a)は、前記超臨界流体用の導入口(83a)と比べて前記被処理基板(1)に近い位置に設けられていることを特徴とする成膜装置。 - 1又は複数の原料を溶解した超臨界流体を、被処理基板(1)に供給して、該被処理基板(1)上に成膜を行う成膜装置(11)において、
前記被処理基板(1)を収容するチャンバー(15)と、
前記原料を前記超臨界流体に溶解させる溶解手段(33、35)と、
前記原料を溶解した超臨界流体と該超臨界流体の溶解度を低下させる貧溶媒とを、別系統で前記チャンバー(15)内に供給する構成(17、19)と、
を備え、
前記被処理基板(1)を収容したチャンバー(15)内にて、前記原料を溶解した超臨界流体に前記貧溶媒を混合する成膜装置(11)であって、
前記別系統として、前記原料を溶解した超臨界流体を前記チャンバー(15)内に供給する超臨界流体用の導入口(19a)と前記貧溶媒を前記チャンバー(15)内に供給する貧溶媒用の導入口(17a)と、を備えるとともに、
前記貧溶媒用の導入口(17a)と前記超臨界流体用の導入口(19a)とは、前記原料を溶解した超臨界流体及び前記貧溶媒を供給する方向において、前記被処理基板(1)に対して同じ距離となる位置に設けられていることを特徴とする成膜装置。
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