JP5896861B2 - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被成膜対象の基板の表面に超臨界成膜を行う成膜装置及び成膜方法に関するものである。
従来、超臨界流体に原料を溶解して基板に供給することによって成膜する超臨界成膜は、CVDなどの気体を用いた成膜方法より、高濃度の原料を供給でき、成膜速度を高速化するポテンシャルがあることが知られている。これは、超臨界流体は、気体と比較して密度が高く、多くの原料を溶解することができるからである。
上述した超臨界成膜においては、その核発生及び結晶成長は、濃度と飽和溶解度によって表される過飽和の程度、即ち飽和溶解度よりどの程度過度に溶質(原料)が溶解されているかを示す過飽和度が影響する。つまり、過飽和度が大きくなるほど、核発生及び結晶成長が促進されて、成膜速度は速くなる。
しかし、過飽和度が大きすぎると、基板表面以外での核発生頻度が高くなり、膜ではなく粒子が生成されてしまう。そのため、膜を形成するとともに、その成膜速度の高速化には、過飽和度の制御が必要になる。
この対策として、下記特許文献1には、基板近傍での超臨界流体の温度を上げることによって超臨界流体の密度を下げ、それによって、飽和溶解度を下げて過飽和度の制御を行う技術が提案されている。
特許第4336769号公報
しかしながら、超臨界流体は温度によって密度が大きく変化するため、超臨界流体内では温度差によって激しく対流するという特性がある。
そのため、上述した特許文献1の技術では、超臨界流体の温度を制御することは容易ではなく、よって、流体温度の制御によって過飽和度を制御することは困難である。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、超臨界流体の過飽和度を制御して、好適に成膜を行うことができる成膜装置及び成膜方法を提供することにある。
本発明は、1又は複数の原料を溶解した超臨界流体を、被処理基板に供給して、被処理基板上に成膜を行う成膜方法に関するものであり、特に、原料を溶解した超臨界流体に、超臨界流体の溶解度を低下させる貧溶媒を混合することにより、超臨界流体の過飽和度を制御して成膜を行うことを特徴としている。
図4に例示するように、原料を溶解した超臨界流体に貧溶媒を混合すると、超臨界流体の溶解度が低下する。即ち、超臨界流体の過飽和度が増加する。
よって、貧溶媒の混合状態(例えば添加量)を調節することにより、過飽和度(詳しくは過飽和度の大きさ)を制御することができる。これにより、成膜の際の核発生及び結晶成長を調節できるので、成膜速度を調節することができる。
具体的には、例えば貧溶媒の添加量を多くすることにより、過飽和度を増加でき、これよって、核発生及び結晶成長を促進して、成膜速度を増加させることができる。
実施例1において、基板上に形成された薄膜を示す説明図である。 実施例1の成膜装置を示す説明図である。 実施例1の成膜装置を備えた成膜システムを示す説明図である。 超臨界流体と溶解度と貧溶媒の添加量と過飽和度との関係を示すグラフである。 実施例2の成膜装置を示す説明図である。
次に、本発明の成膜装置及び成膜方法の実施の形態ついて説明する。
[実施形態]
(1)本発明において、超臨界流体とは、臨界点以上の温度・圧力下においた物質の状態のことである。また、貧溶媒とは、比較対象の溶媒(ここでは超臨界流体)よりも溶解度が低い溶媒であり、貧溶媒より溶解度が高い溶媒を良溶媒と称する。なお、貧溶媒になるかどうかは、超臨界流体である比較対象の溶媒や溶質の種類によって変わることがあるが、超臨界流体や溶質の種類に応じて、使用する貧溶媒の種類を選択すればよい。なお、この貧溶媒としては、気体又は液体、超臨界流体のいずれの状態でもよい。
前記成膜の原料としては、(膜自体を構成する)例えばCu、Ru、Pt、Si、Ti等をそれぞれ含む前駆体を使用することができる。また、複数の原料を使用する場合は、例えばCuを含む前駆体とMnを含む前駆体を使用でき、これによって、CuMnOx膜を形成できる。なお、前駆体とは、下記表1に示す様に、反応によって膜自体を形成する元となる原料である。
前記被処理基板としては、Siウェハ、ガラスウェハ等を採用できる。
前記過飽和度αは、α=(c−ceq)/ceqのように定義される値である。ここで、ceqは、飽和溶解度、cは濃度である。
(2)貧溶媒は、超臨界流体に原料を溶解した後に混合することができる。この混合によって、超臨界流体の溶解度が低下して過飽和度が増加するので、成膜及びその成膜を促進することができる。また、混合によって成膜を開始させることができるので、混合する位置を調節することにより、空間内にて粒子が発生することを抑制するとともに、所望の位置(基板表面等)にて成膜を行うことができる。
(3)被処理基板をチャンバー内に配置し、このチャンバー内にて貧溶媒を混合することができる。これによって、チャンバー内にて、成膜及びその促進を行うことができる。
なお、チャンバーの材料としては、例えばステンレス等の各種の金属を用いることができる。
(4)貧溶媒としては、還元剤又は酸化剤として作用する物質を用いることができる。 例えば、Cu成膜において前駆体Cu(tmhd)2を超臨界CO2に溶解した場合、還元剤であるH2を貧溶媒として用いることができる。また、SiO2成膜において前駆体TEOSを超臨界CO2に溶解した場合、酸化剤であるO2を貧溶媒として用いることができる。
ここで、膜材料と前駆体と還元剤、酸化剤の関係を、下記表1に例示する。
(5)貧溶媒としては、H2、O2、O3のうち、少なくとも1種を含む流体を用いることができる。
(6)原料の組成としては、Cu、Ru、Pt、Al、Ni、Si、Ti、Ta、Sr、Hf、Mnのうち、少なくとも1種を含む材料(例えば下記に示す各種の前駆体)を使用できる。
Cu原料:Cu(tmhd)2 (化学式:C22384Cu)
Ru原料:Ru(tmhd)3 (化学式:C33576Ru)
Pt原料:Me2PtCOD (化学式:C1018Pt)
Al原料:Al(hfac)3 (化学式:C153183Al)
Ni原料:NiCp2 (化学式:C1010Ni)
Si原料:TEOS (化学式:C8204Si)
Ti原料:Ti(O−iPr)2(tmhd)2(化学式:C28526Ti)
Ta原料:Ta(i−OC375 (化学式:C15355Ta)
Sr原料:Sr(tmhd)2 (化学式:C22404Sr)
Hf原料:Hf(tmhd)4 (化学式:C44808Hf)
Mn原料:Mn(pmcp)2 (化学式:C2030Mn)
(7)超臨界流体としては、CO2を用いることができる。
(8)1又は複数の原料を溶解した超臨界流体を、被処理基板に供給して、被処理基板上に成膜を行う成膜装置については、原料を超臨界流体に溶解させる溶解手段と、原料を溶解した超臨界流体に、超臨界流体の溶解度を低下させる貧溶媒を混合する混合手段とを備えた成膜装置を用いることができる。
ここで、原料を超臨界流体に溶解させる溶解手段としては、例えばボンベ等からポンプ等により原料を供給する管路と、例えばボンベ等からポンプ等により超臨界流体を供給する管路とを接続した構成を採用できる。
また、原料を溶解した超臨界流体に(超臨界流体の溶解度を低下させる)貧溶媒を混合する混合手段としては、例えば溶解手段から原料を含む超臨界流体等をチャンバーに供給する管路と、例えばボンベ等からポンプ等を介して貧溶媒をチャンバーに供給する管路とを採用できる。
(9)成膜装置としては、原料を溶解した超臨界流体と貧溶媒とを別系統でチャンバーに供給する構成を採用できる。
つまり、原料を溶解した超臨界流体と貧溶媒とを別系統でチャンバーに供給することにより、それを混合する箇所及びその近傍において、成膜及びその促進を行うことができる。
(10)また、貧溶媒のチャンバーへの導入口と、原料を溶解した超臨界流体のチャンバーへの導入口とを、被処理基板に対して同様な位置に設けてもよい。
これにより、各導入口が開口する箇所及びその近傍(被処理基板上の所定位置)において、成膜及びその促進を行うことができる。
(11)或いは、貧溶媒のチャンバーへの導入口を、原料を溶解した超臨界流体のチャンバーへの導入口と比べて、被処理基板に近い位置に設けられてもよい。
これにより、チェンバー内の空間中ではなく、貧溶媒のチャンバーへの導入口が開口する箇所及びその近傍(被処理基板上の所定位置)において、確実に成膜及びその促進を行うことができる。
次に、本発明の成膜装置及び成膜方法の具体的な実施例ついて、図面に基づいて説明する。
a)まず、本実施例の成膜方法を実施するための成膜装置について説明する。
本実施例の成膜方法は、図1に示す様に、超臨界成膜の技術を用いて、例えば表面に50nmのTiNのシード層1bを成膜したSiウェハ1aからなる基板1上に、Cuからなる例えば厚さ200nmの金属層(薄膜)3を形成するものであり、この成膜方法では、図2に示す成膜装置11を用いる。
図2に示す様に、本実施例の成膜装置11は、内部に空間13を有する略直方体形状のステンレス製のチャンバー(反応室)15と、チャンバー15の上流側に配置された超臨界流体(詳しくは原料を溶解した超臨界流体)の供給路(第1管路)17及び貧溶媒の供給路(第2管路)19と、チャンバー15の下流側に配置された排気路(第3管路)21とを備えている。
そして、第1管路17と第2管路19とは、チャンバー15内にて、超臨界流体と貧溶媒とが、基板1の配置場所に到達するまでは混合しないように、基板1の上流側の端部の位置に到るまで分離板27により分離されている。
なお、分離板27によって分離された上側の流路の端部が、第1管路17の開口部(導入口)17aであり、下側の流路の端部が、第2管路19の開口部(導入口)19aである。
また、チャンバー15内部の底部には、中央に板状の基板加熱機構であるヒータ23を備えるとともに、ヒータ23の周囲には、発泡シリカからなる板状の断熱材25を備えている。なお、ヒータ23の上部には基板1が配置される。
そして、上述した成膜装置11は、図3に示す成膜システム31に用いられる。
図3に示す様に、前記成膜装置11を備えた成膜システム31は、流路の上流側より、上述した第1管路17と第2管路19とチャンバー15と第3管路21とを備えている。また、第1管路17の上流側には、第4管路33と第5管路35とが接続され、第2管路19の上流側には、第6管路37が接続されている。更に、第1管路17と第3管路21とを接続するように第7管路39が配置されている。
なお、第1、第2、第3、第4、第5、第7管路17、19、21、33、35、39には、それぞれ管路を手動にて開閉する第1〜第6手動弁41、43、45、47、49、51が配置されている。なお、各手動弁41〜51に代えて、電子制御装置からの制御信号によって開閉する制御弁を使用してもよい。
以下、各構成について詳細に説明する。
第4管路33は、超臨界流体となる二酸化炭素ガス(CO2)を、第1管路17に供給するための管路であり、上流側より、二酸化炭素ガスを収容する第1容器61と、二酸化炭素ガスを第1管路17に供給する第1ポンプ63と、前記第4手動弁47とが配置されている。
第5管路35は、薄膜3を形成するための原料である前駆体(アセトンに溶解したCu(tmhd)2)を、第4管路33(従って第1管路17)に供給するための管路であり、上流側より、原料を収容する第2容器65と、原料を第1管路17に供給する第2ポンプ67と、前記第5手動弁49とが配置されている。
第6管路37は、貧溶媒である水素ガス(H2)を、第2管路19に供給するための管路であり、上流側より、水素ガスを収容する第3容器69と、水素ガスを第2管路19に供給する第3ポンプ71とが配置されている。
第1管路17は、前記第4、5管路33、35から供給される超臨界流体用の二酸化炭素ガスと原料とを(即ち原料が溶解した超臨界流体を)、第1手動弁41を介して、チャンバー11内(即ち、空間13)に供給する管路である。
第2管路19は、前記第6管路37から供給される貧溶媒である水素ガスを、第2手動弁43を介して、チャンバー11内に供給する管路である。
第3管路21は、チャンバー11内から排出されるガス(成膜後の排ガス)を、成膜装置11外に排出する管路であり、上流側より、前記第3手動弁45と圧力調整弁73とが配置されている。なお、圧力調整弁73は、上流側の圧力が所定値になるように制御する調整弁(即ち、所定圧力になると自動的に開弁する調整弁)である。
なお、第7管路39は、チャンバー15をバイパスする管路であり、第5管路35の分岐点35a及び第1手動弁41の間と、第3手動弁37及び圧力調整弁73の間とに接続されている。
c)次に、前記成膜装置11等を用いて行われる成膜方法について説明する。
(1)前記図2に示す様に、まず、チャンバー15内において、ヒータ23上の所定位置に、基板1を配置する。
(2)次に、第1、第3、第4手動弁41、45、47を開く。なお、他の手動弁は閉じておく。
(3)次に、第1ポンプ63を作動させ、超臨界流体用の二酸化炭素ガスを、100cc/minの流量でチャンバー15内(空間13)に供給する。
(4)それとともに、成膜装置11全体を、図示しないヒータによって40℃に加熱し、チャンバー15内等を圧力15MPaに昇圧する。なお、圧力の調整は、前記圧力調整弁73で行う。
(5)そして、全体の圧力を15MPaに保持しながら、基板加熱用のヒータ23で基板1を加熱し、基板温度を200℃に昇温する。
(6)次に、第2、第5手動弁43、49を開く。
(7)次に、第2、第3ポンプ67、71を作動させる。これにより、水素ガスのモル濃度が0.4mol/Lとなるように、水素ガスをチャンバー15内に供給するとともに、膜材料の原料(前駆体)のモル濃度が7.0×10-3mol/Lとなるように、第1管路17(従ってチャンバー15内)に供給する。
このとき、チャンバー15に供給された超臨界流体用の二酸化炭素ガスの状態は、その臨界点(圧力7.38MPa、温度31.1℃)を超える超臨界状態である。
そして、この状態で、10分間にわたり成膜を行う。
(8)成膜終了後、第2、第5手動弁43、49を閉じるとともに、第2、第3ポンプ67、71を停止して、膜材料の前駆体及び水素ガスの供給を停止する。また、ヒータ23をオフにする。そして、この状態で、チャンバー15内に超臨界流体用の二酸化炭素ガスを供給して10分間パージする。
(9)その後、温度及び圧力を、常温常圧にして終了する。
この成膜処理によって、基板1上に、厚さ200nmのCu膜が形成されていた。
なお、成膜の反応式(1)を下記に示す。
22384Cu+H2→Cu+2H(C11192)・・(1)
d)次に、本実施例の作用効果について説明する。
図4に、貧溶媒である水素ガスを添加したときの原料の前駆体(Cu(tmhd)2)の超臨界状態の二酸化炭素ガス(40℃、15MPa)への溶解度を例示するように、二酸化炭素ガスに添加する水素ガスの添加量が増加すると、二酸化炭素ガスの溶解度が低下する。即ち、超臨界状態の二酸化炭素ガスの過飽和度が増加する。
よって、本実施例では、(原料を溶解した)超臨界流体である二酸化炭素ガスに水素ガスを添加することにより、過飽和度を増加させ、これによって、成膜の際の核発生及び結晶成長を増加させて、成膜速度を増加させている。
つまり、本実施例では、原料を溶解した超臨界流体(二酸化炭素ガス)に、超臨界流体の溶解度を低下させる貧溶媒(水素ガス)を混合することにより、超臨界流体の過飽和度を制御して成膜を行っている。
これにより、超臨界流体の過飽和度を制御(特に従来に比べて精度良く制御)して、好適に(即ち従来より速やかに)成膜を行うことができるという顕著な効果を奏する。
また、原料を溶解した超臨界流体と貧溶媒とを混合することにより過飽和として成膜(及びその促進)を行うので、超臨界流体と貧溶媒との混合位置(即ち両導入口17a、19aの位置)を、上述の様に基板1の上流側の端部近傍に設定することにより、基板1上に好適に成膜を行うことができる。
つまり、従来の様に空間13内にて粒子が発生することを抑制して、目的とする基板1表面に対して好適に成膜を行うことができる。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。なお、実施例1と同様な部材には、同様な番号を付す。
本実施例の成膜装置は、実施例1とは、超臨界流体や貧溶媒を供給する経路が異なるので、異なる点を説明する。
図5に示す様に、本実施例の成膜装置81は、前記実施例1と同様に、チャンバー15を備えており、チャンバー15内の底部には、中央にヒータ23を備えるとともに、ヒータ23の周囲には、断熱材25を備えている。
特に本実施例では、(原料を溶解した)超臨界流体の供給路(第1管路)83は、ヒータ23の中央に載置された基板1の中心に対向するように、基板1の上方の壁面85に、垂直方向に取り付けられている。
これにより、超臨界流体の供給路83の開口部(導入口)83aは、基板1の中心の真上において、上部の壁面85の近傍にて開口している。
一方、貧溶媒の供給路(第2管路)87は、超臨界流体の供給路83より小径のノズルであり、超臨界流体の供給路83の内部にて同軸に配置されている。また、貧溶媒の供給路87の先端の開口部(導入口)87aは、超臨界流体の供給路83の導入口83aより基板1に近接して配置されている。
なお、チャンバー15の底部の外周部分には、排気路(第3管路)89が設けられている。
本実施例の成膜装置81は、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、貧溶媒の供給路87の導入口87aは、超臨界流体の供給路83の導入口83aより基板1に近接して配置されているので、基板表面に対して、より確実に成膜及びその促進を行うことができるという利点がある。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、前記実施例では、手動で操作する成膜装置について述べたが、例えば手動弁に代えて電磁制御弁(開閉弁)を使用し、その電磁制御弁の開閉のタイミングや開閉の程度を電子制御装置によって制御して、自動的に薄膜を形成してもよい。また、ポンプの動作も電子制御装置によって制御することができる。
1…基板
3…金属層(薄膜)
11、81…成膜装置
15…チャンバー
17、83…超臨界流体の供給路(第1管路)
17a、19a、83a、87a…導入口
19、89…貧溶媒の供給路(第2管路)
23…ヒータ

Claims (7)

  1. 1又は複数の原料を溶解した超臨界流体を、被処理基板(1)に供給して、該被処理基板(1)上に成膜を行う成膜方法において、
    前記被処理基板(1)をチャンバー(15)に配置し、該チャンバー(15)内にて、前記原料を溶解した超臨界流体に、該超臨界流体の溶解度を低下させる貧溶媒を混合することにより、前記超臨界流体の過飽和度を制御して前記成膜を行う成膜方法であって、
    前記原料を溶解した超臨界流体を前記チャンバー(15)内に導入する超臨界流体用の導入口(83a)と、前記貧溶媒を前記チャンバー(15)内に導入する貧溶媒用の導入口(87a)とを備えるとともに、前記貧溶媒用の導入口(87a)が、前記超臨界流体用の導入口(83a)と比べて前記被処理基板(1)に近い位置に設けられたチャンバー(15)を用い、
    前記被処理基板(1)を配置した前記チャンバー(15)内に、前記超臨界流体用の導入口(83a)を介して前記原料を溶解した超臨界流体を導入するとともに、前記貧溶媒用の導入口(87a)を介して前記貧溶媒を導入し、前記原料を溶解した超臨界流体に前記貧溶媒を混合して前記成膜を行うことを特徴とする成膜方法。
  2. 前記貧溶媒は、還元剤又は酸化剤として作用する物質であることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記貧溶媒は、H、O、Oのうち、少なくとも1種を含む流体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成膜方法。
  4. 前記原料の組成として、Cu、Ru、Pt、Al、Ni、Si、Ti、Ta、Sr、Hf、Mnのうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の成膜方法。
  5. 前記超臨界流体は、COであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の成膜方法。
  6. 1又は複数の原料を溶解した超臨界流体を、被処理基板(1)に供給して、該被処理基板(1)上に成膜を行う成膜装置(11)において、
    前記被処理基板(1)を収容するチャンバー(15)と、
    前記原料を前記超臨界流体に溶解させる溶解手段(33、35)と、
    前記原料を溶解した超臨界流体と該超臨界流体の溶解度を低下させる貧溶媒とを、別系統で前記チャンバー(15)内に供給する構成(17、19)と、
    を備え、
    前記被処理基板(1)を収容したチャンバー(15)内にて、前記原料を溶解した超臨界流体に前記貧溶媒を混合する成膜装置(11)であって、
    前記別系統として、前記原料を溶解した超臨界流体を前記チャンバー(15)内に供給する超臨界流体用の導入口(83a)と前記貧溶媒を前記チャンバー(15)内に供給する貧溶媒用の導入口(87a)と、を備えるとともに、
    前記貧溶媒用の導入口(87a)は、前記超臨界流体用の導入口(83a)と比べて前記被処理基板(1)に近い位置に設けられていることを特徴とする成膜装置。
  7. 1又は複数の原料を溶解した超臨界流体を、被処理基板(1)に供給して、該被処理基板(1)上に成膜を行う成膜装置(11)において、
    前記被処理基板(1)を収容するチャンバー(15)と、
    前記原料を前記超臨界流体に溶解させる溶解手段(33、35)と、
    前記原料を溶解した超臨界流体と該超臨界流体の溶解度を低下させる貧溶媒とを、別系統で前記チャンバー(15)内に供給する構成(17、19)と、
    を備え、
    前記被処理基板(1)を収容したチャンバー(15)内にて、前記原料を溶解した超臨界流体に前記貧溶媒を混合する成膜装置(11)であって、
    前記別系統として、前記原料を溶解した超臨界流体を前記チャンバー(15)内に供給する超臨界流体用の導入口(19a)と前記貧溶媒を前記チャンバー(15)内に供給する貧溶媒用の導入口(17a)と、を備えるとともに、
    前記貧溶媒用の導入口(17a)と前記超臨界流体用の導入口(19a)とは、前記原料を溶解した超臨界流体及び前記貧溶媒を供給する方向において、前記被処理基板(1)に対して同じ距離となる位置に設けられていることを特徴とする成膜装置。
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