JP5896555B2 - 環境試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料体が置かれる温度環境や湿度環境を調整可能な環境試験装置に関するものであり、特に冷熱衝撃試験を行う環境試験装置として好適なものである。
近年、電子部品や電子機器の小型化・高機能化によって、その構成は複雑になっており、さらにそれらの機器は携帯電話や車載機器に搭載されて様々な環境で使用されている。そして、それらの機器は、使用環境や動作・停止の繰り返しにより温度ストレスを受けるため、その温度ストレスによって、当該機器の信頼性に大きな影響を及ぼす可能性があった。そこで、従来より、温度ストレスによる影響が懸念される機器等においては、温度ストレスに対する信頼性評価試験、つまり冷熱衝撃試験が実施されることが多い。
そこで、かかる冷熱衝撃試験を実施する環境試験装置の1つとして、機器等の試料体が配される試験室と、その試験室を冷却するために雰囲気温度が低温に設定された低温室と、試験室を加熱するために雰囲気温度が高温に設定された高温室とを備えた冷熱衝撃試験装置がある(特許文献1)。
特許文献1に開示された冷熱衝撃試験装置では、試験室内に、低温室から低温空気、高温室から高温空気を交互に送り込んで、試料体を急速に冷却又は加熱して熱ストレスを与える試験が実施される。すなわち、冷熱衝撃試験では、試験室と低温室とを連通状態にして試験室を急速に冷却する低温さらし試験と、試験室と高温室とを連通状態にして試験室を急速に加熱する高温さらし試験が、予め設定された時間や目標温度に基づいたサイクルで交互に実行される。そして、その低温さらし試験や高温さらし試験によって試料体に生じた熱ストレスに基づいて、試料体の評価が行われる。
また、試料体を載置した試験部を、低温槽と高温槽に移動させて、低温さらし試験や高温さらし試験を行う冷熱衝撃試験装置もある(特許文献2)。
この他、低温さらし試験と高温さらし試験に加えて、常温さらし試験を実施して試料体の評価を行う冷熱衝撃試験装置が、特許文献3に開示されている。
ところで、この種の冷熱衝撃試験装置の低温室内には、冷凍サイクルの一部を担う蒸発器と、室内温度を微調整する調整用ヒータが配されている。すなわち、低温室では、蒸発器で冷媒を低温気化させて、その気化熱によって低温室内の空気を冷却している。そして、その低温空気を用いて、試験室内を冷却し、低温雰囲気に試料体をさらして低温さらし試験が実施されている。
ところが、低温さらし試験においては、蒸発器の表面温度を低下させて室内温度を冷却するため、室内の空気に含有された水蒸気が蒸発器の表面に着霜してしまうことがある。そして、長期的(試験が累積して行われた場合を含む)に低温さらし試験が行われた場合には、蒸発器の表面において霜が大きく成長し、蒸発器の冷却能力が著しく低下してしまうという問題が生じていた。
そこで、従来より、この種の冷熱衝撃試験装置では、高温の冷媒ガスを蒸発器に送って除霜するホットガスデフロスト法や、水を蒸発器に散布して霜を融解させる散水除霜法などによって、蒸発器に形成された霜を除去して、冷却能力を復活させている。
なお、低温室内の蒸発器に水蒸気が着霜した場合のその他の除霜方法として、蒸発器の冷却動作を停止し、前記した調整用ヒータによって低温室内の雰囲気温度を昇温することで、霜を除去するという方法もある。
特開平5−203555号公報 特開2006−329701号公報 特開2010−271233号公報
しかしながら、いずれの除霜方法を採用した場合においても、蒸発器に着霜した霜を単に溶かすだけで、低温室内の水分量(液化した霜(ドレン)や液化したドレン(水蒸気))を極度に減らすことは困難であるため、徐々に、除霜を行うスパンが短縮されてしまい、試験時間が長期化されてしまう不満があった。
これについて具体的に説明すると、一般的に、除霜によって溶けた霜(ドレン)のうち蒸発器から自然落下した分は、排水口から外部に排出される。ところが、一部のドレンは、蒸発器から自然落下することはなく、当該蒸発器の表面に薄膜状に残存する。そして、この蒸発器に残存するドレンは、ホットガスや調整用ヒータ等の影響によって低温室内の雰囲気温度が昇温することで、気化が促進されて、低温室内を高湿状態とする。このように、従来の除霜方法では、蒸発器に形成された霜を除霜することはできても、低温室内には多量の水蒸気が含有された状態が維持される。このため、低温室内の除霜終了後の湿度は比較的高くなる。そして、この状態において、蒸発器による冷却動作が再び開始されると、前回よりも短い期間で、その蒸発器に対して多量の水蒸気が着霜するため、直前に行った除霜のタイミングよりも早い段階で蒸発器の冷却能力が低下してしまっていた。
このような事情により、従来技術の試験装置を用いた環境試験においては、除霜を行う度に次回の除霜までの期間が短縮されてしまい、結果的に試験全体を通して除霜に要する時間が増加するという不満を抱えていた。換言すれば、除霜回数が増加して、試験終了までに要する時間が長期化する傾向があった。
また、蒸発器は、気・液熱交換器であり、一般的には、蒸発器の冷媒配管内に液体冷媒が流れ、その冷媒配管及びフィンの表面に空気が流れて、互いに熱交換が行われることを前提に製造されているため、冷媒配管やフィンの表面に霜や水滴が付着した状態が長期的に継続すると、冷媒配管やフィンの腐食が早まってしまう問題があった。
そこで、本発明では、従来技術の問題点に鑑み、次回の除霜運転までに要する期間が短縮されて試験全体の期間が長期化してしまう可能性を低減し、さらに霜に起因した蒸発器の腐食が加速度的に早まってしまうおそれがない環境試験装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、空気の温度を低下させる低温空気生成部を有し、前記低温空気生成部は閉空間に冷凍サイクルの一部を担う蒸発器を内蔵したものであり、蒸発器によって周囲の空気を低下させる冷却機能と、蒸発器に着霜した霜を除去する除霜機能とを備えた環境試験装置であって、前記閉空間に乾燥気体を供給する乾燥気体供給手段と、閉空間内の雰囲気温度を昇温する昇温手段と、閉空間内の空気を攪拌する空気攪拌手段と、ドレン・気体排出口とを有し、前記乾燥気体供給手段は、空気攪拌手段の送風方向を基準に蒸発器よりも空気の流れ方向上流側に位置し、前記ドレン・気体排出口は、前記蒸発器よりも空気の流れ方向下流側に位置していて前記蒸発器を挟むように前記乾燥気体供給手段と前記ドレン・気体排出口が配置され、除霜運転においては、昇温手段及び空気攪拌手段によって閉空間内の温度を昇温する除霜時昇温動作と、乾燥気体供給手段によって閉空間内に乾燥気体を供給して閉空間内及び閉空間内の前記ドレン・気体排出口の気圧を大気圧よりも高圧にしつつ、閉空間内の気体をドレン・気体排出口から常時排出する除霜時気体供給動作とが実行されることを特徴とする環境試験装置である。
本発明の環境試験装置は、蒸発器に着霜した霜を除霜する際に、除霜時昇温動作に加えて乾燥空気を供給する除霜時気体供給動作を行う構成である。すなわち、本発明は、閉空間内を昇温させる際に得られる効果に加えて、閉空間内に供給される乾燥気体によって得られる効果との相乗効果によって、蒸発器に着霜した霜、液化した霜(ドレン)、並びに気化したドレン(水蒸気)を、効果的に除去及び閉空間の外部に排出する構成とされている。
具体的には、除霜時昇温動作は、昇温手段を熱源とし、空気攪拌手段で閉空間内全体の空気を攪拌して雰囲気温度を上昇させる制御である。すなわち、除霜時昇温動作が開始されると、閉空間内には、昇温手段から発せられる熱が一様に行き渡り、雰囲気温度が昇温する。これにより、蒸発器に付着した霜が加熱され、霜は液体(ドレン)に状態変化する。また、ドレンに状態変化した霜は、閉空間の雰囲気温度の上昇により気化が促進される。
除霜時気体供給動作は、乾燥気体供給手段によって閉空間内に乾燥気体を供給しつつ、ドレン・気体排出口から閉空間内の気体を常時排出する制御である。より詳細には、除霜時気体供給動作は、乾燥気体を供給して閉空間内の気圧を大気圧より高圧にし、その高圧状態のバランスを保ちながら、ドレン・気体排出口から閉空間内の空気を含んだ気体(以下、単に気体という)及びドレンを閉空間の外部に排出する。すなわち、除霜時気体供給動作が開始されると、閉空間内を占める気体の分子量が増加するため、実質的に閉空間内を循環する気体の分子量が増加する。これに伴い、蒸発器を通過する気体の分子量も増加するため、結果的に蒸発器に接触し得る気体の単位時間当たりの分子量が増大する。そして、前記したように、低温槽内を循環させる分子量を増加させるべく、乾燥気体が用いられている。すなわち、これらの相乗効果によって、蒸発器に霜が付着していれば、液化する速度が加速度的に早まり、また蒸発器にドレンが付着していれば、気化する速度が加速度的に速まる。さらに、除霜時気体供給動作においては、閉空間内の気体はドレン・気体排出口から常時排出されるため、気化したドレンはドレン・気体排出口から随時排出される。すなわち、除霜時気体供給動作を行うことで、閉空間内が気化したドレンによって高湿となることはなく、むしろ低湿に制御することが可能である。また、気化しなかったドレンも、閉空間内を大気圧よりも高圧状態に維持することによって、ドレン・気体排出口と連通した低気圧側に向けて流れ易くなるため、従来よりもドレンの排出時間を短縮することができる。
このように、除霜運転において、除霜時昇温動作に加えて、除霜時気体供給動作を制御することによって、蒸発器に形成された霜を効率的に液化することができる上、その液化したドレンを効率的に気化することができる。すなわち、蒸発器から霜及びドレンを除去するまでに要する時間を著しく短縮することができる。また、閉空間内の気圧を大気圧よりも高圧にし、閉空間内の気体が、常時外部に排出されるようにされているため、蒸発器から除去され液化したドレン及び気化した水蒸気は、排気の流れに乗って効率的に外部に排出される。すなわち、本発明では、蒸発器から除去されたドレン及び水蒸気が、気体排出口から排出されるまでに要する時間を著しく短くできる上、閉空間内の雰囲気湿度が高湿状態となることを防止することができる。
したがって、本発明によれば、除霜運転に要する時間を短縮することに伴って、環境試験全体に要する時間を確実に短縮することができ、さらに閉空間内の気体に含有する水分に起因した着霜の早期化を抑制することができる。またこの結果として、蒸発器に長期的に留まるドレンが減少するため、蒸発器が加速度的に腐食してしまう作用を抑制することができる。
また本発明は、前記乾燥気体供給手段は、空気攪拌手段の送風方向を基準に、蒸発器よりも空気の流れ方向上流側に位置し、前記ドレン・気体排出口は、前記蒸発器よりも空気の流れ方向下流側に位置すること特徴としている。
かかる構成によれば、乾燥気体は蒸発器よりも上流側から導入されるため、導入された乾燥気体は蒸発器を確実に通過する。すなわち、導入された乾燥気体の全てが除霜に寄与する。また、ドレン・気体排出口は、蒸発器よりも下流側に位置するため、蒸発器を通過して水蒸気を含んだ気体が排出され易い。すなわち、蒸発器よりも上流側に乾燥気体供給手段を配し、下流側にドレン・気体排出口を配することで、効率的に除霜を行うことができると共に、閉空間内の湿度が過度に上昇してしまうことを防止できる。
請求項2に記載の発明は、試料体が配される試験槽又は試験部又は試料配置空間又は試料載置装置の少なくともいずれかがあり、低温空気生成部は前記試験槽、試験部、試料配置空間、試料載置装置との間の空気の流通を制限でき、空気の流通を制限した状態で低温空気生成部内の空気を循環させて除霜運転が行われることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置である。
請求項3に記載の発明は、試料体の試験が実施される空間があり、低温空気生成部と前記空間との間の空気の流通を制限でき、空気の流通を制限した状態で低温空気生成部内の空気を循環させて除霜運転が行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置である。
本発明の環境試験装置は、ヒータによって昇温される高温槽と、蒸発器によって冷却される低温槽とを有し、高温槽を活用して試料体を高温の雰囲気温度にさらす高温さらし試験と、低温槽を活用して試料体を低温の雰囲気温度にさらす低温さらし試験とが繰り返し実施される冷熱衝撃試験を行うことができ、前記閉空間は、低温槽であり、当該低温槽の所定の位置に乾燥気体が通過する乾燥気体導入部と、前記ドレン・気体排出口が設けられているものであることが望ましい。(請求項
請求項に記載の発明は、前記乾燥気体供給手段は、前記乾燥気体導入部と繋がった気体供給流路と接続され、当該気体供給流路の中途は、前記高温槽内に配設されていることを特徴とする請求項に記載の環境試験装置である。
かかる構成によれば、高温槽に備え付けられた既設のヒータによって、乾燥気体を予め加熱することができるため、低温槽に導入する乾燥気体の相対湿度をより低いものとすることができる。これにより、低温槽に導入される乾燥気体は、気体内に含有可能な水蒸気量の余裕幅が大きくなるため、低温槽内の水蒸気の排出効率を高くすることができる。すなわち、気化したドレンの排出時間をより短縮することが可能となる。
請求項に記載の発明は、前記乾燥気体は、空気又は窒素であり、含有する水蒸気の露点温度が摂氏マイナス20度以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の環境試験装置である。
かかる構成によれば、乾燥気体に使用される気体が、空気や窒素であるため、除霜後に低温槽内に残留したとしても、試料体等と反応するおそれも殆どなく、試験精度の低下を引き起こすことがない。また、乾燥気体の露点温度が摂氏マイナス20度以下であるため、乾燥気体自体の絶対湿度は相当低く、その気体に含有されている水蒸気が蒸発器の冷却能力を実質的に低下させてしまうような阻害要因になり得ることはない。
本発明の環境試験装置は、除霜運転において、除霜時昇温動作に加えて、除霜時気体供給動作が実施されるため、除霜運転に要する時間が短縮されてることで、試験全体に要する時間が確実に短くなり、さらに蒸発器が加速度的に腐食してしまう可能性を低減することができる。
本発明の第一実施形態に係る冷熱衝撃試験装置を示す概念図である。 図1の冷熱衝撃試験装置の除霜運転時の動作を示すフローチャートである。 第二実施形態に係る環境試験装置であり、気体供給管が高温槽内を迂回した構成を備えた冷熱衝撃試験装置を示す概念図である。 第三実施形態に係る環境試験装置であり、試験部が高温槽と低温槽を往き来する構成を備えた冷熱衝撃試験装置を示す概念図である。 第四実施形態に係る環境試験装置であり、試料体配置部と空気流通路を備えた恒温恒湿装置を示す概念図である。 第五実施形態に係る環境試験装置であり、試料載置装置と低温空気生成装置とを備えた恒温恒湿装置を示す概念図である。 第五実施形態の変形例であり、試料載置プレートを備えた環境試験装置を示す概念図である。 結露抑制装置を示す概念図である。
以下、本実施形態の冷熱衝撃試験装置1について説明する。
本実施形態の冷熱衝撃試験装置1は、環境試験装置の一種であり、電子部品や電子機器等の試料体Wが配される試験槽5に熱風、冷風、並びに常温の風を所定のサイクルで送って、試験槽5の温度環境を急激に変化させ、高温環境と低温環境と常温環境の一連の冷熱サイクルに試料体Wを繰り返しさらして、その試料体Wに熱ストレスを与えることができる装置である。
すなわち、冷熱衝撃試験装置1は、図1に示すように、断熱性を備えた筐体4の内部に、試料体Wが載置される試験槽5と、その試験槽5の上部に隣接する高温槽2と、試験槽5の下部に隣接する低温槽3とを備えている。
より具体的には、試験槽5と高温槽2は、熱風導入口(開口)20と熱風排出口(開口)21を介して連通され、試験槽5と低温槽3は、冷風導入口(開口)22と冷風排出口(開口)23を介して連通されており、さらに試験槽5と外部は、常温空気導入口25と常温空気排出口26を介して連通されている。そして、熱風導入口20と熱風排出口21には、高温槽側ダンパ30、31が設けられ、冷風導入口22と冷風排出口23には、低温槽側ダンパ32、33が設けられ、常温空気導入口(通気口)25と常温空気排気口(通気口)26には、試験槽側ダンパ35、36が設けられている。すなわち、隣接する槽同士は、ダンパ30〜33の開口20〜23に対する姿勢を変更することで空気の流通を制限でき、試験槽5の内外は、ダンパ35、36の各通気口25、26に対する姿勢を変更することで空気の流通を制限できる構成である。
また、試験槽5は、前記したように、試料体Wが載置される部屋であり、実際に試料体Wの冷熱衝撃試験が実施される空間たる試験部11を有する構成である。そして、試験槽5には、試験部11と外部が連通した試料体W用の出し入れ開口(図示しない)が設けられている。前記出し入れ開口に対しては、開閉可能な扉(図示しない)が取り付けられている。
なお、試験槽5は、常温空気が通過する前記通気口25、26が設けられており、導入側の通気口25近傍には公知の試験槽側送風機(図示しない)が設けられているため、試験部11に外部の常温空気を流通させる機能を備えた部屋でもある。
高温槽2は、槽内温度を予め設定した所望の高温側設定温度(例えば60〜200℃)まで加熱して、その高温空気を試験槽5との間で循環させる機能を備えた部屋であり、空気を加熱する2つの加熱用ヒータ6a、6bと、空気の流れを形成する公知の高温槽側送風機7と、高温槽2内の温度を検知する高温槽側温度センサ(図示しない)を有する。また、本実施形態の高温槽2には、吸気側換気口37と排気側換気口38が設けられており、必要に応じて外部の常温空気を流通させることができる構成とされている。
低温槽(低温空気生成部)3は、槽内温度を予め設定した所望の低温側設定温度(例えば−65〜0℃)まで冷却して、その低温空気を試験槽5との間で循環させる機能を備えた部屋(閉空間)であり、空気を冷却する冷却器8と、熱エネルギーを蓄冷する蓄冷器9と、空気の流れを形成する公知の低温槽側送風機(空気攪拌手段)10と、雰囲気温度の微調整をする3つの微調整用ヒータ11a〜11cと、低温槽3内の温度を検知する低温槽側温度センサ(図示しない)を有する。
冷却器8は、冷凍サイクルを備えた公知の冷凍機(図示しない)の一部であり、具体的には蒸発器である。そして、その蒸発器たる冷却器8は、冷媒が流通する冷媒配管(図示しない)とその冷媒配管に取り付けられたフィン(図示しない)を備えている。また、本実施形態では、冷却器8の冷媒配管の入側及び出側のそれぞれに、冷媒温度を検知する温度センサ(図示しない)が取り付けられている。
蓄冷器9は、主に冷却器8によって冷却された空気の冷熱エネルギーを蓄熱するもので、本実施形態では、低温槽側送風機10を駆動した際に形成される空気の流れ方向を基準に、冷却器8よりも上流側に設けられている。
また、低温槽3には、本実施形態の特徴的構成として、乾燥気体を槽内に導入する乾燥気体導入部12と、槽内に発生したドレンや気体(空気や乾燥気体等)を排出するドレン・気体排出口13が設けられている。
乾燥気体導入部12は、乾燥気体を低温槽3内に導く外部と連通した連通孔である。また、乾燥気体導入部12は、低温槽側送風機10を駆動した際に形成される空気の流れ方向を基準に、冷却器8よりも上流側、より好ましくは蓄冷器9よりも上流側の位置に設けられている。そして、その乾燥気体導入部12には、乾燥気体供給装置40と接続され気体供給流路を形成した気体供給管15が取り付けられている。すなわち、乾燥気体供給装置40から吐出された乾燥気体は、気体供給管15及び乾燥気体導入部12を介して、低温槽3内に導入される。
なお、乾燥気体供給装置40は、タンク内に高い圧力で気体を貯留した高圧ガス貯留容器であり、流量調整弁41の開度を調整することで、乾燥気体を一定以上の圧力で吐出することができる装置である。また、乾燥気体には、窒素が採用されている。
ドレン・気体排出口13は、液体たるドレンと気体の双方を外部に排出する開口であり、低温槽3内に乾燥空気が所定の圧力で供給された際に、低温槽3内が大気圧よりも高圧(例えば、大気圧の1.02〜1.05倍程度の気圧)となり得る開口面積に設定されている。また、ドレン・気体排出口13は、低温槽3の下部側であって、低温槽側送風機10を駆動した際に形成される空気の流れ方向を基準に、冷却器8よりも下流側の位置に設けられている。
また、本実施形態の冷熱衝撃試験装置1は、図示しない制御装置を有しており、当該制御装置によって、予め設定された条件(例えば、高温さらし運転→常温さらし運転→低温さらし運転といった一連の試験サイクルや目標設定温度等)や、各槽内の現在の温度情報等に基づいて、冷熱衝撃試験運転や除霜運転を制御できる構成である。
次に、本実施形態の冷熱衝撃試験装置1における冷熱衝撃試験運転の動作について説明する。
なお、以下においては、高温さらし試験、常温さらし試験、低温さらし試験の順番で一連の試験サイクルが繰り返し実施される冷熱衝撃試験について説明する。
本実施形態では、冷熱衝撃試験運転が開始されると、まず1サイクル目の高温さらし試験が開始される。すなわち、冷熱衝撃試験装置1は、全てのダンパ30〜33、ダンパ35、36が閉鎖状態であることを確認したことを条件に、高温槽2の加熱用ヒータ6a、6b及び高温槽側送風機7を起動し、高温槽2内を予め設定された目標設定温度まで加熱する(予熱動作)。その後、高温槽2内の雰囲気温度が、目標設定温度に達すれば、高温槽側ダンパ30、31を開放状態に制御し、高温さらし試験が開始される。高温さらし試験では、高温槽2側から試験槽5側に高温空気が送り込まれる。高温空気は、熱風導入口20を介して試験部11内に導入されるため、試料体Wは加熱される。そして、試験部11を通過した高温空気は、熱風排出口21を介して、再び高温槽2側に流入する。すなわち、高温さらし試験は、高温槽側ダンパ30、31が開放状態に制御された後、高温槽2と試験槽5との間で高温空気を循環させて、常温環境から急激に高温域まで加熱した際における試料体Wの評価、及び、高温環境における試料体Wの評価を図れるものである。このようにして、高温さらし試験が実施される。そして、この高温さらし試験は、予め設定された所定の時間(以下、高温さらし時間という)行われる。
前記高温さらし時間の終了に至ると、1サイクル目の高温さらし試験が終了し、同サイクルの常温さらし試験が開始される。すなわち、冷熱衝撃試験装置1は、高温槽側ダンパ30、31を閉鎖状態に制御すると同時に、試験槽側ダンパ35、36を開放状態に制御し、さらに図示しない試験槽側送風機を起動して常温さらし試験が開始される。常温さらし試験では、高温槽2側からの高温空気の流通が絶たれて、外部から試験槽5内に常温空気が導入される。常温空気は、常温空気導入口25を介して試験部11内に導入されるため、高温に加熱された試料体Wは常温域(例えば、15〜30℃)まで冷やされる。すなわち、常温さらし試験は、試験槽側ダンパ35、36が開放状態に制御された後、試験部11内に外部の常温空気を通過させて、高温環境から急激に常温域まで冷却した際における試料体Wの評価、及び、常温環境における試料体Wの評価を図れるものである。このようにして、常温さらし試験が実施される。そして、この常温さらし試験は、予め設定された所定の時間(以下、常温さらし時間という)行われる。
なお、高温さらし試験から常温さらし試験に移行した後、高温槽2では、加熱用ヒータ6a、6b及び高温槽側送風機7を停止あるいは出力を最低出力に維持する制御が実行される。
前記常温さらし時間の終了に至るまで、常温さらし試験が実施されると、1サイクル目の常温さらし試験が終了し、同サイクルの低温さらし試験が開始される。
ここで、本実施形態では、低温さらし試験を実行するにあたっては、高温さらし試験あるいは常温さらし試験が実施されているときに、並行して予冷動作が実行されている。すなわち、前記したタイミングにおいて、低温槽側ダンパ32、33を閉止姿勢に制御した状態で、冷凍機(図示しない)を起動して冷却器8に冷媒を流すと共に、低温槽側送風機10を起動し、さらに微調整用ヒータ11a〜11cを起動して、低温槽3内の冷却を開始する。これにより、常温さらし試験が終了した時点においては、低温槽3内の雰囲気温度は、予め設定された目標設定温度に至ることとなる。すなわち、予冷動作を行うことで、常温さらし試験が終了した際に、好適に低温さらし試験が開始できる。
したがって、常温さらし試験が終了すると、冷熱衝撃試験装置1は、試験槽側ダンパ35、36を閉鎖状態に制御すると共に、試験槽側送風機を停止し、さらに同時に、低温槽側ダンパ32、33を開放状態に制御して低温さらし試験が開始される。なお、このとき前記したように予冷動作により、低温槽側送風機10は既に起動されている。低温さらし試験では、試験槽5に導入される常温空気の流入が絶たれて、低温槽3側から試験槽5側に低温空気が送り込まれる。低温空気は、冷風導入口22を介して試験部11内に導入されるため、常温域まで冷却された試料体Wはさらに低温域まで冷やされる。すなわち、低温さらし試験は、低温槽側ダンパ32、33が開放状態に制御された後、低温槽3と試験槽5との間で低温空気を循環させて、常温環境から急激に低温域まで冷却した際における試料体Wの評価、及び、低温環境における試料体Wの評価を図れるものである。このようにして、低温さらし試験が実施される。そして、この低温さらし試験は、予め設定された所定の時間(以下、低温さらし時間という)行われる。
そして、この低温さらし試験が終了すると、2サイクル目の高温さらし試験が実施され、前記同様の動作が所定のサイクルに至るまで、繰り返し行われる。
なお、低温さらし試験から高温さらし試験に移行した後、低温槽3では、微調整用ヒータ11a〜11cを停止すると共に、冷凍機及び低温槽側送風機10を停止あるいは出力を最低出力に維持する制御が実行される。
このようにして、冷熱衝撃試験は、予め設定された所定数分のサイクルに至るまで、高温さらし試験、常温さらし試験、並びに、低温さらし試験が繰り返し行われるが、一定の試験精度を確保するためには、試験中に、除霜運転を行わなければならない。
これについて説明すると、低温さらし試験では、冷却器8を摂氏マイナス65度という低温域まで冷やすため、冷却器8の表面において、槽内の空気に含有された水蒸気が凝縮し着霜する。すなわち、低温さらし試験が実施されると、冷却器8を構成する冷媒配管やフィンの表面に水蒸気が着霜する。そして、この冷却器8に形成される霜は、低温さらし試験が実施される時間の経過とともに成長していくため、次第に冷却器8の冷却能力は低下し、目標設定温度に至らなくなったり、あるいは、目標設定温度に至るまでに要する時間が長期化する(冷却能力の低下)。この状態を放っておくと、予め設定された試験環境が形成されなくなり、試験の精度が著しく低下してしまう。
このような理由により、この種の試験においては、試験中、冷却器8の冷却能力が所定の基準よりも低下すると、除霜運転が実施される。
そこで、本実施形態では、予冷動作の最中、低温さらし試験の最中、あるいは、低温さらし試験が終了した時点で、冷却器8の機能が所定の条件を満たしていない状態であれば、その低温さらし試験の終了後、高温さらし試験に移行せずに除霜運転を行い、その除霜運転の終了後、高温さらし試験に移行する制御が実行される。
以下に、本実施形態の冷熱衝撃試験装置1における除霜運転の動作について説明する。
本実施形態の除霜運転では、除霜効果の向上を図るべく、除霜時昇温動作と、除霜時気体供給動作の双方の動作が同時に実行される。具体的には、本実施形態では、図2のフローチャートに示すように、冷却器8が作動している状態であれば、まず、その冷却器8の機能が所定の条件を満足しているか否かが確認される(ステップ1)。すなわち、ステップ1においては、冷却器8における冷却能力が所定の基準よりも低下しているか否かを確認するべく、冷凍サイクルの一部を担う圧縮機(図示しない)への冷媒の液戻りの有無の確認が行われている。
本実施形態では、その液戻りの判断手法として、冷却器8の冷媒配管における入側と出側の温度が用いられている。すなわち、通常、冷却器8において冷媒が正常に蒸発した場合であれば、入側の温度が出側の温度よりも低温となるが、冷却器8の表面に霜が形成されて熱交換効率が低下した場合等においては、冷却器8の入側の温度が出側の温度よりも高温となるため、その温度変化に基づいて冷媒の液戻りの有無が判断されている。
このようにして、冷却器8の冷却能力の低下が確認されれば、ステップ2に移行し、その冷却能力の低下した状態が一定時間経過したか否かを確認し、その状態で一定時間経過すれば除霜運転が実行される。すなわち、ステップ3に移行し、低温槽側ダンパ32、33が閉鎖状態に制御され、除霜時昇温動作及び除霜時気体供給動作を実行する(ステップ4)
除霜時昇温動作は、低温槽3内の雰囲気温度を所定の温度(例えば40℃)まで昇温させる制御である。すなわち、冷凍機(図示しない)を停止した状態で、微調整用ヒータ11a〜11cを最大出力に制御しつつ、低温槽側送風機10による送風制御が行われる。具体的には、除霜時昇温動作が開始されると、低温槽3内の空気は、低温槽側送風機10を基点として、蓄冷器9、冷却器8、微調整用ヒータ11a〜11cの順番で流れ、微調整用ヒータ11a〜11cにおいて流通する空気が加熱される。そして、加熱された空気は、低温槽側送風機10に至り、再び蓄冷器9側に流される。このように、この動作においては、微調整用ヒータ11a〜11cによってその周囲の空気が加熱され、低温槽側送風機10によってその加熱空気が低温槽3内全体を循環するため、低温槽3内の雰囲気温度が効率的に昇温する(低温槽3内の昇温)。この結果、冷却器8に形成された多量の霜が液化してドレンとなり、また冷却器8に付着したドレンは気化が促進される。
除霜時気体供給動作は、低温槽3内に乾燥気体を導入しつつ、低温槽3内の一部の気体(乾燥気体と空気との混合気体)及びドレンを低温槽3の外部に排出する制御である。すなわち、流量調整弁41が開方向に制御されて、乾燥気体供給装置40に充填された乾燥気体が、乾燥気体導入部12を介して、所定の圧力で低温槽3内に放出される。
一方、前記したように、ドレン・気体排出口13は、低温槽3内に所定の圧力で乾燥気体を導入した場合に、低温槽3内の気圧を一定以上維持できる開口面積に設定されている。
したがって、除霜時気体供給動作が開始されて、所定の圧力で乾燥気体が導入されると、低温槽3内の気圧が大気圧より高圧となる。そして、低温槽3内に乾燥気体が導入されて、低温槽3内の気圧が大気圧よりも高圧になることによって、低温槽3内を循環する気体の分子量が増大する(低温槽3内の循環分子量の増大)。すなわち、冷却器8と熱交換し得る単位時間当たりの気体の分子量が増加するため、熱交換率が向上する。換言すれば、気体の循環分子量が増加することによって、冷却器8の表面に形成された霜が、単位時間当たりに気体から奪う熱が増大するため、霜からドレンに状態変化するまでの時間を短縮することができる。同時に、液体に状態変化した霜は、分子量が増大した気体にさらされることで、気化し易くなる。
また、大気圧よりも高圧状態の低温槽3内の気体は、ドレン・気体排出口13から排出され易い状態となる。この結果、低温槽3内のドレンが気化して低温槽3内の雰囲気中の水蒸気量が増加し得る状態になったとしても、低温槽3内の水蒸気を含有した気体は、乾燥気体の導入が継続されている限り、ドレン・気体排出口13から常時外部に排出される(低温槽3内の気体の常時排出)。これにより、低温槽3内の湿度が著しく増大してしまうことが防止される。
このように、本実施形態では、ステップ4において、除霜時昇温動作及び除霜時気体供給動作の双方が同時に制御されるため、冷却器8の表面に形成された霜は、液化時間及び気化時間が短縮され、さらに低温槽3内の雰囲気湿度が増大することが防止される。すなわち、除霜時昇温動作及び除霜時気体供給動作によって、冷却器8の霜が効率的に除霜される。
そして、ステップ5において、予め設定された除霜に要する一定時間(予め実験等によって決定された時間)が経過したことが確認されれば、除霜運転を停止して(ステップ6)、再び冷熱衝撃試験運転に移行する。
以上のように、本実施形態では、除霜運転において、除霜時昇温動作及び除霜時気体供給動作の双方が同時に制御されるため、低温槽3内の昇温、低温槽3内の循環分子量の増大、並びに、低温槽3内の気体の常時排出、による相乗的な除霜効果を図ることができる。すなわち、冷却器8における霜の液化時間や気化時間の短縮ができ、気化されたドレンに関しては、乾燥気体の導入することによって、外部に押し出すように排出することができる。そして、これらの作用によって、除霜運転に要する時間が短縮されるため、冷熱衝撃試験全体を通した除霜運転に要する時間が確実に短縮される。さらに除霜運転中に発生した水蒸気の低温槽3内における滞留率が低下され、除霜運転後の低温槽3内の雰囲気湿度の上昇が防止されるため、次回の除霜運転までに要する期間が短縮されることがない。
したがって、本実施形態によれば、冷熱衝撃試験の実施時間が全体を通して長期化されることがない。また、結果的に、冷却器8の表面に霜及びドレンが留まる時間が短縮されるため、冷却器8の腐食が加速度的に早まるという不具合が防止される。
上記実施形態では、冷却器8前後の温度変化によって液戻りを確認し、その変化した状態が一定時間継続すれば、除霜運転を開始する制御を示したが、本発明はこれに限定されず、冷却器8前後の温度変化が確認された時点で、除霜運転を開始する制御であっても構わない。また、冷却器8前後の温度変化ではなく、予冷動作や、低温さらし試験における低温槽3内の雰囲気温度の一定時間当たりの低下勾配が、所定の基準よりも緩くなったことを条件に、除霜運転を開始する制御を行っても構わない。
また、上記実施形態では、除霜運転において、除霜時昇温動作と除霜時気体供給動作をほぼ同時に実行する制御を示したが、本発明はこれに限定されず、一方の動作が他方の動作よりも先行して行われる制御であっても構わない。
上記実施形態では、乾燥気体として、窒素を採用した構成を示したが、アルゴン等の希ガスや、乾燥した空気であっても構わない。要するに、露点温度が−20℃以下に調整され、試料体Wやその試料体から発せられる揮発性ガス等との反応性が低い気体であればいかなるものであっても構わない。
上記実施形態では、低温槽(低温空気生成部)3の閉空間内に微調整用ヒータ11a〜11cを有し、除霜運転においては、その低温槽3内の微調整用ヒータ11a〜11cを利用して槽内を昇温させる制御を備えた環境試験装置1を示したが、本発明はこれに限定されず、低温槽内にヒータを備えているか否かに関わらず、低温槽とは異なる場所にヒータを設け、除霜運転においては、そのヒータによって低温槽内の雰囲気温度を昇温させる制御(除霜時昇温動作)を備えた環境試験装置であっても構わない。
また、上記実施形態では、乾燥気体供給装置40から吐出された乾燥気体を、温度を変化させることなく直接的に低温槽3内に導入する構成を示したが、本発明はこれに限定されず、予め昇温させた乾燥気体を低温槽3内に導入する構成であっても構わない。すなわち、その環境試験装置には、図3に示すように、高温槽2の加熱用ヒータ6a、6bを利用する構成を備えた冷熱衝撃試験装置51が考えられる(第二実施形態)。
この第二実施形態の冷熱衝撃試験装置51は、上記した冷熱衝撃試験装置1とほぼ同様の構成を有するが、乾燥気体供給装置に関する構成のみが異なるため、その異なる点に注目して説明する。
すなわち、冷熱衝撃試験装置51は、乾燥気体供給装置52が高温槽2内に一部が配設された気体供給管53に接続され、さらにその高温槽2内には気体供給管53が接続される熱交換器55が設けられている。すなわち、本実施形態では、乾燥気体供給装置52から吐出される乾燥気体を、高温槽2内に設けた加熱用ヒータ6a、6bで予め加熱することができるため、低温槽3内に導入する乾燥気体の相対湿度を、より低いものとすることができる。これにより、乾燥気体による除霜作用や、液体の気化作用をより高めることができる。したがって、冷熱衝撃試験装置51においても、上記実施形態と同様の作用効果を期待することができる。
なお、図示はしないが、第二実施形態の変形例として、気体供給管が、高温槽2内に一部が配設されず、その気体供給管の中途において、新たに設けたヒータ等によって乾燥気体を加熱する構成を備えた環境試験装置もある。
上記第一、第二実施形態では、高温槽2と低温槽3の他、試料体Wが載置される試験槽5を備えた環境試験装置の構成を示したが、本発明はこれに限定されず、図4に示すように、試験槽5を備えず、試料体Wが載置される試験部62が、高温槽2と低温槽3を往き来できる構成を備えた環境試験装置(冷熱衝撃試験装置)61であっても構わない(第三実施形態)。
上記第一〜三実施形態では、高温槽2と低温槽3を備え、それぞれの槽において、熱風、冷風を生成して、環境試験を行う制御を備えた冷熱衝撃試験装置1、51、61を示したが、本発明はこれに限定されず、図5に示すように、試料体Wが載置される試料配置空間64と、その試料配置空間64と連通した空気が流通する空気流通路65と、その空気流通路65に配置された加湿器66と、蒸発器67と、空気加熱用ヒータ68と、送風機69等を備えた環境試験装置たる恒温恒湿装置63を採用しても構わない(第四実施形態)。ただし、この恒温恒湿装置63を採用した場合、試料配置空間64と空気流通路65との境界にダンパを設けると共に、このダンパを閉鎖した際に、空気流通路65と連通する補助流路70を設ける構成が好適である。すなわち、この追加構成によって、除霜運転においては、空気流通路65と補助流路70との間で空気を循環させることができるため、除霜運転が試験の最中に実行されたとしても、試験の精度が低減してしまうおそれがない。
上記第一〜四実施形態では、低温空気生成部たる低温槽3や空気流通路65が、試験槽5、試験部62、並びに、試料配置空間64と一体的に構成された環境試験装置1、51、61、63を示したが、本発明はこれに限定されず、図6に示すように、試料体Wが載置される試料載置装置72と低温空気生成装置73とを、空気が流通する接続流路74で接続し、さらに低温空気生成装置73に補助流路70を接続した環境試験装置71を採用しても構わない(第五実施形態)。
なお、第五実施形態の変形例として、図7に示すように、試料載置装置76が試料載置プレート77を有し、そのプレート77が低温空気生成装置73で生成された低温空気によって冷却される構成を備えた環境試験装置75もある。
また、本発明においては、上記第一〜五実施形態における低温空気形成部(低温槽3、空気流通路65、低温空気形成装置73)に対して、予め着霜を抑制するべく、図8に示す結露抑制装置80を追加した構成の環境試験装置を採用しても構わない。なお、結露抑制装置80は、公知のそれと同様であり、本体81の内部に膨張及び収縮可能な袋体82を備え、低温空気形成部の圧力変化に応じて、袋体82が膨張あるいは収縮し、低温空気形成部の圧力を調整する装置である。
1、51、61 冷熱衝撃試験装置(環境試験装置)
2 高温槽
3 低温槽(低温空気生成部)
試験槽
8 冷却器
10 低温槽側送風機(空気攪拌手段)
11 微調整用ヒータ
12 乾燥気体導入部
13 ドレン・気体排出口
15、53 気体供給管
40、52 乾燥気体供給装置
55 熱交換器
62 試験部
63 恒温恒湿装置(環境試験装置)
67 蒸発器
68 空気加熱用ヒータ
69 送風機(空気攪拌手段)
71、75 環境試験装置
72 試料載置装置
73 低温空気生成装置(低温空気生成部)

Claims (6)

  1. 空気の温度を低下させる低温空気生成部を有し、前記低温空気生成部は閉空間に冷凍サイクルの一部を担う蒸発器を内蔵したものであり、蒸発器によって周囲の空気を低下させる冷却機能と、蒸発器に着霜した霜を除去する除霜機能とを備えた環境試験装置であって、
    前記閉空間に乾燥気体を供給する乾燥気体供給手段と、閉空間内の雰囲気温度を昇温する昇温手段と、閉空間内の空気を攪拌する空気攪拌手段と、ドレン・気体排出口とを有し、
    前記乾燥気体供給手段は、空気攪拌手段の送風方向を基準に蒸発器よりも空気の流れ方向上流側に位置し、前記ドレン・気体排出口は、前記蒸発器よりも空気の流れ方向下流側に位置していて前記蒸発器を挟むように前記乾燥気体供給手段と前記ドレン・気体排出口が配置され、
    除霜運転においては、昇温手段及び空気攪拌手段によって閉空間内の温度を昇温する除霜時昇温動作と、乾燥気体供給手段によって閉空間内に乾燥気体を供給して閉空間内及び閉空間内の前記ドレン・気体排出口の気圧を大気圧よりも高圧にしつつ、閉空間内の気体をドレン・気体排出口から常時排出する除霜時気体供給動作とが実行されることを特徴とする環境試験装置。
  2. 試料体が配される試験槽又は試験部又は試料配置空間又は試料載置装置の少なくともいずれかがあり、低温空気生成部は前記試験槽、試験部、試料配置空間、試料載置装置との間の空気の流通を制限でき、空気の流通を制限した状態で低温空気生成部内の空気を循環させて除霜運転が行われることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
  3. 試料体の試験が実施される空間があり、低温空気生成部と前記空間との間の空気の流通を制限でき、空気の流通を制限した状態で低温空気生成部内の空気を循環させて除霜運転が行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置。
  4. ヒータによって昇温される高温槽と、蒸発器によって冷却される低温槽とを有し、高温槽を活用して試料体を高温の雰囲気温度にさらす高温さらし試験と、低温槽を活用して試料体を低温の雰囲気温度にさらす低温さらし試験とが繰り返し実施される冷熱衝撃試験を行うことができ、
    前記閉空間は、低温槽であり、当該低温槽の所定の位置に乾燥気体が通過する乾燥気体導入部と、前記ドレン・気体排出口が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の環境試験装置。
  5. 前記乾燥気体供給手段は、前記乾燥気体導入部と繋がった気体供給流路と接続され、当該気体供給流路の中途は、前記高温槽内に配設されていることを特徴とする請求項に記載の環境試験装置。
  6. 前記乾燥気体は、空気又は窒素であり、含有する水蒸気の露点温度が摂氏マイナス20度以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の環境試験装置。
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