JP5895128B2 - 吸着ツール及び部品実装装置 - Google Patents

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Description

本発明は、部品実装装置が備える装着ヘッドに取り付けられ、上下方向に貫通する貫通穴を有した部品を真空吸着して基板に装着する吸着ツール及びこの吸着ツールを備えた部品実装装置に関するものである。
部品実装装置は所定の位置に位置決めした基板に対して電子部品等の部品を装着する装置であり、部品の装着には基板に対して移動自在に設けられた装着ヘッドが用いられる。装着ヘッドは下方に延びたシャフト部材の下端に吸着ツールを取り付けており、この吸着ツールを介して部品を真空吸着する。吸着ツールは、装着ヘッド側の真空圧供給路と接続される内部管路が部品との接触面である部品接触面に開口して形成する吸着口を有しており、装着ヘッド側の真空圧供給路内から吸着ツールの内部管路内に真空圧を供給することで吸着口に真空吸着力を発生させ、部品接触面を部品の上面に接触させて部品を吸着するようになっている。
このような部品実装装置が備える吸着ツールの中には、上下方向に貫通する貫通穴(例えば螺子穴)を有した部品(穴開き部品)を真空吸着できるものとして、複数の内部管路の開口部(吸着口)が部品接触面に部品の上面の形状に対応した形状(環状)に並んで配置されたものが知られている(例えば、特許文献1)。このような吸着ツールを用いて穴開き部品を基板に装着する場合には、先ず、基板上の部品の目標装着位置に固定用の半田(或いは接着剤)を予め塗布しておき、複数の吸着口が部品の貫通穴の内方空間内にはみ出さないように吸着ツールの部品接触面を部品の上面に接触させ、複数の吸着口により部品を吸着した状態で装着ヘッドを移動させて部品を基板上の目標装着位置の上方に位置させる。そして、吸着ツールを下降させて部品の下面を基板の上面に接触させ、部品が基板の上面に接触したタイミングで吸着ツール内への真空圧の供給を停止(更には更に吸着ツール内に正圧を供給)してから吸着ツールを上昇させるようにする。
特開平11−346092号公報
しかしながら、上記のようにして穴開き部品を吸着ツールにより吸着して基板上に装着するにおいて、吸着ツールの中心軸と部品の貫通穴の中心軸がずれた状態で部品を吸着したために吸着ツールの複数の吸着口の一部が部品の貫通穴の内方空間内にはみ出た状態となっていた場合には、そのまま部品を基板上に接触させると、基板の上面と吸着ツールの部品接触面とによって挟まれた部品の貫通穴の内方空間内に高レベルの吸い出し力が作用し、基板上に塗布されていた半田等の異物が吸着ツールに吸い込まれて吸着ツールの内部管路及び装着ヘッド側の真空圧供給路内に付着することで部品の吸着力が低下する場合があるという問題点があった。
そこで本発明は、上下方向に貫通する貫通穴を有した部品を基板に装着した際に部品の貫通穴内の異物を吸い込みにくくした吸着ツール及び部品実装装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の吸着ツールは、部品実装装置が備える装着ヘッドに取り付けられ、上下方向に貫通する貫通穴を有した部品を真空吸着して基板に装着する吸着ツールであって、前記装着ヘッド側の真空圧供給路に繋がる複数の内部管路の開口部である吸着口が前記部品との接触面である部品接触面に環状に並んで配置されており、これら複数の吸着口は、外気に連通する外気連通路と繋がる吸着口と、一部が前記貫通穴の内方空間にはみ出ている状態で前記部品を吸着する吸着口とを有している
請求項2に記載の吸着ツールは、請求項1に記載の吸着ツールであって、前記部品は前記貫通穴が螺子穴である。
請求項3に記載の部品実装装置は、請求項1又は2に記載の吸着ツールを備えた装着ヘッドを用いて基板に部品を装着する。
本発明では、部品接触面に環状に配置された複数の吸着口の少なくともひとつは外気に連通する外気連通路と繋がっており、部品接触面を部品の上面に接触させて部品を吸着している状態では外気連通路から真空圧がリークした状態となるので、吸着ツールの複数の吸着口の一部が部品の貫通穴の内方空間内にはみ出た状態で部品を吸着し、その部品を基板上に接触させた場合であっても、部品の貫通穴の内方空間内に高レベルの吸い出し力は作用せず、吸着ツールが部品の貫通穴内の異物を吸い込みにくくすることができる。
本発明の一実施の形態における部品実装装置の構成図 本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える吸着ツールの(a)上方斜視図(b)下方斜視図 本発明の一実施の形態における吸着ツールを穴開き部品とともに示す一部断面側面図 (a)(b)本発明の一実施の形態における吸着ツールにより吸着した穴開き部品を基板に装着する様子を示す図 (a)(b)本発明の一実施の形態における吸着ツールにより吸着した穴開き部品を基板に装着する様子を示す図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示す部品実装装置1は、上下に貫通する貫通穴2a(例えば螺子穴)を有した部品(以下、穴開き部品と称する)2を基板3上に装着する装置であり、図示しない基台上に設けられて基板3の搬送と位置決めを行う基板搬送コンベア11、穴開き部品2の供給を行う部品供給部としてのトレイ12、基台上に設けられた直交軸ロボットから成る装着ヘッド移動機構13によって基板搬送コンベア11の上方を移動自在な装着ヘッド14、装着ヘッド14の側方に取り付けられた基板カメラ15及び基台上に設けられた部品カメラ16を備えている。
装着ヘッド14には昇降自在及び上下軸回りに回転自在な複数のシャフト部材21が設けられており、これら複数のシャフト部材21のうちの一部の下端には穴開き部品2を吸着するための吸着ツール22が取り付けられている。
基板カメラ15は撮像視野を下方に向けており、装着ヘッド14とともに移動して基板3上に設けられた基板マーク3m(図1)を上方から撮像する。部品カメラ16は撮像視野を上方に向けており、装着ヘッド14が吸着ツール22を介して吸着した穴開き部品2を下方から撮像する。
基板搬送コンベア11は部品実装装置1が備える制御装置17に制御されて作動し(図1)、基板3の搬送及び所定の作業位置への位置決めを行う。
装着ヘッド移動機構13は制御装置17に制御されて作動し(図1)、装着ヘッド14を水平面内で移動させる。装着ヘッド14が備えるシャフト部材21の昇降動作及び回転動作は制御装置17が図示しないアクチュエータ等から成るシャフト部材駆動機構31の作動制御を行うことによってなされ(図1)、吸着ツール22を介した穴開き部品2の吸着動作は制御装置17が図示しないアクチュエータ等から成る吸着機構32の作動制御を行うことによってなされる(図1)。
図1において、基板カメラ15による撮像動作の制御と部品カメラ16による撮像動作の制御は制御装置17によってなされる。基板カメラ15の撮像動作によって得られた画像データと部品カメラ16の撮像動作によって得られた画像データはそれぞれ制御装置17に送信され、制御装置17の画像認識部17aにおいて画像認識処理がなされる。
図2(a),(b)及び図3に示すように、吸着ツール22は円筒形状の本体部41、本体部41の上面41aから上方に突出して設けられたシャフト部材挿入部42及び本体部41の下面である部品接触面41bから下方に突出して延びた円錐台状の突出部43を有して成る。シャフト部材挿入部42は、シャフト部材21の下端に下方から挿入されてシャフト部材21に取り付けられる。
本体部41の部品接触面41bは穴開き部品2の上面2b(図1及び図3)に接触される面であり、装着ヘッド14側の真空圧供給路14aに繋がる複数の内部管路44の開口部である吸着口45が上記部品接触面41bに環状に並んで配置されている。突出部43は吸着ツール22により穴開き部品2を吸着する際、穴開き部品2の貫通穴2aの内部に上方から入り込み、これにより吸着ツール22に対する穴開き部品2の大雑把な位置決めがなされるようになっている。複数の吸着口45の少なくともひとつは外気に連通する外気連通路46と繋がっている。この外気連通路46は、図2及び図3では部品接触面41b上を延びて吸着ツール22の側面に開口しているが、必ずしも部品接触面41b上を延びなくてもよく、吸着ツール22の内部を通って吸着ツール22の側面に開口するのであってもよい。
吸着ツール22が装着ヘッド14のシャフト部材21の下端に取り付けられた状態では、装着ヘッド14側の真空圧供給路14aと吸着ツール22の各内部管路44は連通した状態となる(図3)。このため吸着機構32から装着ヘッド14内の真空圧供給路14a内に真空圧を供給することにより(空気の流れを図3において破線で示す)、吸着ツール22の複数の吸着口45に真空吸着力を発生させることができる。
次に、本実施の形態における部品実装装置1による穴開き部品2の基板3への装着作業について説明する。
部品実装装置1による穴開き部品2の基板3への装着作業では、制御装置17は先ず、基板搬送コンベア11を作動させて部品実装装置1の上流工程側の装置から送られてきた基板3を受け取って搬送し、その基板3を所定の作業位置に位置決めする。制御装置17は、基板3を作業位置に位置決めしたら、装着ヘッド移動機構13の作動制御を行って装着ヘッド14を移動させ、基板カメラ15に基板3上の一対の基板マーク3mの撮像を行わせる。制御装置17は、一対の基板マーク3mの画像データが得られたら、その基板マーク3mの画像認識を行って基板3の基準位置からの位置ずれを求める。
制御装置17は、基板3の基準位置からの位置ずれを求めたら、装着ヘッド移動機構13の作動制御を行って装着ヘッド14をトレイ12の上方に位置させるとともに、シャフト部材駆動機構31及び吸着機構32の作動制御を行って装着ヘッド14が備える吸着ツール22に穴開き部品2を吸着させる。
この吸着ツール22による穴開き部品2の吸着では、吸着ツール22が備える突出部43をトレイ12上の穴開き部品2の貫通穴2aに上方から挿入させるようにして吸着ツール22の部品接触面41bを穴開き部品2の上面2bに接触させたうえで、吸着機構32を作動させ、装着ヘッド14側の真空圧供給路14aから吸着ツール22の内部管路44内に真空圧を供給する。これにより穴開き部品2は吸着ツール22に吸着(真空吸着)される。
この部品接触面41bを穴開き部品2の上面2bに接触させて穴開き部品2を吸着している状態では、吸着ツール22の部品接触面41bに環状に配置された複数の吸着口45の少なくともひとつは外気連通路46を通じて外気に連通しており、そこから真空圧はリークしているので、吸着ツール22による穴開き部品2の吸着力はそのリーク分だけ弱められた状態となっている。
制御装置17は、吸着ツール22に穴開き部品2を吸着させたら、装着ヘッド14を移動させて、穴開き部品2が部品カメラ16の上方を通過するようにする。そして、部品カメラ16に穴開き部品2の撮像を行わせ、得られた画像データに基づく画像認識を行って、吸着ツール22に対する穴開き部品2の位置ずれを算出する。
制御装置17は、穴開き部品2の撮像及び画像認識を行って吸着ツール22に対する穴開き部品2の位置ずれを算出したら、装着ヘッド移動機構13の作動制御を行って、装着ヘッド14を基板3の上方に位置させ、穴開き部品2が基板3上の目標装着位置の上方に位置するようにする(図4(a)又は図5(a))。この基板3上の目標装着位置には、穴開き部品2を基板3上に固定するための半田Hd(或いは接着剤)が塗布されている。
制御装置17は、穴開き部品2を基板3上の目標装着位置の上方に位置させたら、シャフト部材21を装着ヘッド14に対して下動させて穴開き部品2を下降させて(図4(a)又は図5(a)中に示す矢印A)、穴開き部品2を基板3の目標装着位置に接触させる(図4(b)又は図5(b))。
この穴開き部品2を基板3上に接触させるにおいて、吸着ツール22の複数の吸着口45のいずれもが穴開き部品2の貫通穴2aの内方空間内にはみ出ていない状態では(図4(a)→図4(b))、基板3の上面と吸着ツール22の部品接触面41bとによって挟まれた穴開き部品2の貫通穴2aの内方空間内に高レベルの吸い出し力が作用しないのは勿論であるが、吸着ツール22の中心軸と穴開き部品2の貫通穴2aの中心軸がずれた状態で穴開き部品2を吸着したために、吸着ツール22の複数の吸着口45の一部が穴開き部品2の貫通穴2aの内方空間内にはみ出ている状態であっても(図5(a)→図5(b))、基板3の上面と吸着ツール22の部品接触面41bとによって挟まれた穴開き部品2の貫通穴2aの内方空間内に高レベルの吸い出し力は作用しない。
これは、前述したように、部品接触面41bに環状に配置された複数の吸着口45の少なくともひとつが外気に連通する外気連通路46と繋がっており、その外気連通路46を通じて真空圧がリークしているからである。これにより穴開き部品2の貫通穴2aの内方空間内の半田Hdは、吸着口45から装着ヘッド14の側に吸い出されることなく、基板3上にとどまることとなる。
制御装置17は、上記のようにして穴開き部品2を基板3に接触させたら、吸着機構32の作動制御を行って吸着ツール22による穴開き部品2の真空吸着を解除し、装着ヘッド14に対してシャフト部材21を上動させる。これによりひとつの穴開き部品2が基板3上の目標装着位置に装着された状態となる。
制御装置17は上記のようにしてひとつの穴開き部品2を基板3上に装着したら、まだ穴開き部品2を装着していない基板3上の目標装着位置に対して穴開き部品2の装着を行う。このようにして基板3に装着すべき全ての穴開き部品2を基板3上に装着したら、制御装置17は基板搬送コンベア11を作動させて、基板3を部品実装装置1の下流工程側の装置に搬出する。なお、基板3上に装着された穴開き部品2は、その下流工程側において、別途用意される図示しないカバー部材の螺子止め等に使用される。
以上説明したように、部品実装装置1が備える装着ヘッド14に取り付けられ、上下方向に貫通する貫通穴2aを有した穴開き部品2を真空吸着して基板3に装着する吸着ツール22は、装着ヘッド14側の真空圧供給路14aに繋がる複数の内部管路44の開口部である吸着口45が穴開き部品2との接触面である部品接触面41bに環状に並んで配置され、これら複数の吸着口45の少なくともひとつは外気に連通する外気連通路46と繋がった構成となっているので、部品接触面41bを穴開き部品2の上面2bに接触させて穴開き部品2を吸着している状態では外気連通路46から真空圧がリークした状態となる。このため、吸着ツール22の複数の吸着口45の一部が穴開き部品2の貫通穴2aの内方空間内にはみ出た状態で穴開き部品2を吸着し、その穴開き部品2を基板3上に接触させた場合であっても、穴開き部品2の貫通穴2aの内方空間内に高レベルの吸い出し力は作用せず、吸着ツール22が穴開き部品2の貫通穴2a内の半田Hd等の異物を吸い込みにくくすることができる。
また、このような吸着ツール22を備えた装着ヘッド14を用いて基板3に穴開き部品2を装着する部品実装装置1は、異物の吸い込みの少ない状態で穴開き部品2の基板3への装着を行うことができるので、不良基板の発生頻度の少ない生産効率の高いものとなる。
上下方向に貫通する貫通穴を有した部品を基板に装着した際に部品の貫通穴内の異物を吸い込みにくくした吸着ツール及び部品実装装置を提供する。
1 部品実装装置
2 穴開き部品(部品)
2a 貫通穴
14 装着ヘッド
14a 真空圧供給路
22 吸着ツール
41b 部品接触面
44 内部管路
45 吸着口
46 外気連通路

Claims (3)

  1. 部品実装装置が備える装着ヘッドに取り付けられ、上下方向に貫通する貫通穴を有した部品を真空吸着して基板に装着する吸着ツールであって、
    前記装着ヘッド側の真空圧供給路に繋がる複数の内部管路の開口部である吸着口が前記部品との接触面である部品接触面に環状に並んで配置されており、これら複数の吸着口は、外気に連通する外気連通路と繋がる吸着口と、一部が前記貫通穴の内方空間にはみ出ている状態で前記部品を吸着する吸着口とを有していることを特徴とする吸着ツール。
  2. 前記部品は前記貫通穴が螺子穴であることを特徴とする請求項1に記載の吸着ツール。
  3. 請求項1又は2に記載の吸着ツールを備えた装着ヘッドを用いて基板に部品を装着することを特徴とする部品実装装置。
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