JP5894417B2 - デシカント空調システムおよびその運転方法 - Google Patents
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Description
コントローラ300は、露点温度制御として、温度センサS1が検出する露点温度tdpvを目標露点温度tdspに一致させるように、再生ファン1の回転数、デシカントロータ3の回転数および再生コイル5の加熱能力の少なくとも1つを制御する。この例では、露点温度制御として、再生ファン1の回転数、すなわち再生側の空気の流量を制御するものとする。
コントローラ300は、再生コイル出口温度制御として、温度センサS3が検出する再生コイル出口温度tr1pvを設定温度(再生コイル出口温度設定値)tr1spに一致させるように、温水弁VL2の開度を制御する。すなわち、再生コイル出口温度制御として、再生コイル(加熱装置)5の加熱能力を制御する。
コントローラ300は、ロータ再生側出口温度制御として、温度センサS4が検出するロータ再生側出口温度tr2pvを設定温度(ロータ再生側出口温度設定値)tr2spに一致させるように、デシカントロータ3の回転数を制御する。
コントローラ300は、温度センサS2が検出する予冷コイル出口温度tspvを設定温度(予冷コイル出口温度設定値)tsspに一致させるように、冷水弁VL1の開度を制御する。すなわち、予冷コイル出口温度制御として、予冷コイル(予冷装置)4の冷却能力を制御する。
コントローラ300は、圧力センサS5が計測する給気ダクト圧Pspvを設定値(給気ダクト圧設定値)Psspに一致させるように、給気ファン2の回転数を制御する。すなわち、圧力一定制御として、処理側の空気の流量を制御する。
このデシカント空調システムにおいて、処理側の空気として取り込まれた外気OAは、予冷コイル4により冷却されてデシカントロータ3へ送られる。この空気は、デシカントロータ3を通過する際、その空気中に含まれる水分がデシカントロータ3の固体吸着剤に吸着(吸湿)される。そして、このデシカントロータ3による吸湿後の空気、すなわちデシカントロータ3によって除湿された空気が、デシカント空調機100からの給気SAとしてドライエリア200へ供給される。
一方、再生側では、再生側の空気として外気OA或いはドライエリア200からの還気RAが取り込まれ、再生コイル5に送られて加熱される。これによって、外気OA或いは還気RAの温度が上昇し、相対湿度が下げられる。この場合、外気OA或いは還気RAは100℃を超える高温とされる。そして、この相対湿度が下げられた高温の外気OA或いは還気RAが、再生用空気としてデシカントロータ3へ送られる。なお、外気OA或いは還気RAをなしとし、デシカントロータ3からのパージの空気流のみを再生側の空気としてもよい。
図14に露点温度制御によって変化するコントローラ300からの再生ファン1に対する回転数の調整出力(再生ファンINV出力)を示す。なお、図14には、再生ファンINV出力と合わせて、目標露点温度tdspに対する露点温度tdpvの変化も示している。
再生側の空気の流量が増加し始めると、再生コイル出口温度設定値tr1spに対して再生コイル出口温度tr1pvが低下し(図15に示すt2点)、再生コイル出口温度制御のフィードバックによって、コントローラ300からの再生コイル5に対する温水の調整出力(再生コイルバルブ開度出力)が増加し、再生コイル5の加熱能力が増加する。この場合、再生ファンINV出力が上昇し始めてから(図15に示すt1点)、再生コイルバルブ開度出力が増加し始めるまでには(図15に示すt2点)、タイムラグτ1があるため、再生コイル5の加熱能力が増加するまでの時間T1が長くなる。
再生側の空気の流量が増加し始めると、ロータ再生側出口温度設定値tr2spに対してロータ再生側出口温度tr2pvが上昇し(図16に示すt2点)、ロータ再生側出口温度制御のフィードバックによって、コントローラ300からのデシカントロータ3に対する回転数の調整出力(ロータINV出力)が上昇する。これにより、デシカントロータ3の除湿能力が最適化される。この場合、再生ファンINV出力が上昇し始めてから(図16に示すt1点)、ロータINV出力が上昇し始めるまでには(図16に示すt2点)、タイムラグτ2があるため、デシカントロータ3の除湿能力が最適化されるまでの時間T2が長くなる。
再生側の空気の流量が増加し始めると、給気ダクト圧設定値Psspに対して給気ダクト圧Pspvが低下し(図17に示すt2点)、圧力一定制御のフィードバックによって、コントローラ300からの給気ファン2に対する回転数の調整出力(給気ファンINV出力)が上昇する。これにより、処理側の空気の流量が増加する。この場合、再生ファンINV出力が上昇し始めてから(図17に示すt1点)、給気ファンINV出力が上昇し始めるまでには(図17に示すt2点)、タイムラグτ3があるため、処理側の空気の流量(外気の取入量)が増加するまでの時間T3が長くなる。
再生側の空気の流量の増加によって、処理側の空気の流量が増加し始めると、予冷コイル出口温度設定値tsspに対して予冷コイル出口温度tspvが上昇し(図18に示すt2点)、予冷コイル出口温度制御によって、コントローラ300からの予冷コイル4に対する冷水CWの調整出力(予冷コイルバルブ開度出力)が増加し、予冷コイル4の冷却能力が増加する。この場合、再生ファンINV出力が上昇し始めてから(図18に示すt1点)、予冷コイルバルブ開度出力が増加し始めるまでには(図18に示すt2点)、タイムラグτ4があるため、予冷コイル4の冷却能力が増加するまでの時間T4が長くなる。
〔実施の形態1:循環型デシカント空調機〕
図1はこの発明に係るデシカント空調システムの一実施の形態(実施の形態1)の概略を示す図である。同図において、図13と同一符号は図13を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。
このデシカント空調システムにおいて、除湿負荷が低く制御が安定している状態(再生ファン1の回転数が低い状態)で、除湿負荷が急上昇した場合、露点温度制御によって再生側の空気の流量が増加する。
再生ファン1の回転数が低い状態で、除湿負荷が急上昇し、目標露点温度tdspに対して露点温度tdpvが急上昇すると(図3に示すt1点)、露点温度制御のフィードバックによって、再生ファンINV出力が上昇する。これにより、再生側の空気の流量が増加し始める。
再生ファンINV出力が上昇し始めると、今回の再生ファンINV出力と前回の再生ファンINV出力とからフィードフォワード量が演算され(FF演算部FFC)、この演算されたフィードフォワード量によって再生コイル5に対する再生コイルバルブ開度出力が補償される(FF補償部FF2)。
再生ファンINV出力が上昇し始めると、今回の再生ファンINV出力と前回の再生ファンINV出力とからフィードフォワード量が演算され(FF演算部FFC)、この演算されたフィードフォワード量によってデシカントロータ3に対するロータINV出力が補償される(FF補償部FF3)。
再生ファンINV出力が上昇し始めると、今回の再生ファンINV出力と前回の再生ファンINV出力とからフィードフォワード量が演算され(FF演算部FFC)、この演算されたフィードフォワード量によって給気ファン2に対する給気ファンINV出力が補償される(FF補償部FF4)。
再生ファンINV出力が上昇し始めると、今回の再生ファンINV出力と前回の再生ファンINV出力とからフィードフォワード量が演算され(FF演算部FFC)、この演算されたフィードフォワード量によって予冷コイル4に対する予冷コイルバルブ開度出力が補償される(FF補償部FF1)。
実施の形態1では、デシカント空調機を循環型デシカント空調機とした場合を例にとって説明したが、実施の形態2ではデシカント空調機をワンウェイ型デシカント空調機とする。図8に実施の形態2のデシカント空調システムを示す。
実施の形態3でも、デシカント空調機をワンウェイ型デシカント空調機とする。図10にデシカント空調機をワンウェイ型デシカント空調機とした場合の実施の形態3のデシカント空調システムを示す。この例において、デシカント空調機は符号102で示し、実施の形態2におけるデシカント空調機101と区別する。また、コントローラを符号300Cで示し、実施の形態2におけるコントローラ300Bと区別する。
Claims (8)
- 再生側の空気流を形成する再生側ファンと、処理側の空気流を形成する処理側ファンと、前記再生側の空気の流路および前記処理側の空気の流路に跨って配設され処理側の空気からの吸湿と再生側の空気への放湿とを回転しながら連続的に行うデシカントロータと、前記デシカントロータによる吸湿前の処理側の空気を冷却する予冷装置と、前記デシカントロータによる放湿前の再生側の空気を加熱する加熱装置とを備え、前記デシカントロータによって吸湿された処理側の乾燥した空気を被空調空間に供給するデシカント空調システムにおいて、
前記処理側の乾燥した空気が流れる流路中に定められた所定の位置における水分量を常時検出する水分量検出手段と、
前記再生側の空気の流量、前記デシカントロータの回転数および前記加熱装置の加熱能力の少なくとも1つを水分量の制御対象とし、前記水分量検出手段によって検出される水分量が目標とする水分量となるように、前記水分量の制御対象に対する制御値を一定周期ごとに決定する制御値決定手段と、
前記制御値決定手段によって決定された今回の制御値と前回の制御値とからフィードフォワード量を演算するフィードフォワード量演算手段と、
前記水分量の制御対象の制御値が前回の制御値から今回の制御値へと変更するのに関連して計測値が変化する他の制御対象を関連制御対象とし、前記フィードフォワード量演算手段によって演算されたフィードフォワード量を補償量として、前記関連制御対象の制御の遅れを改善するフィードフォワード補償手段とを備え、
前記関連制御対象は、
前記再生側の空気の流量、前記デシカントロータの回転数および前記加熱装置の加熱能力のうち前記水分量の制御対象として選択されなかったものおよび前記処理側の空気の流量ならびに前記予冷装置の冷却能力からなる他の制御対象の中から選択された制御対象である
ことを特徴とするデシカント空調システム。 - 請求項1に記載されたデシカント空調システムにおいて、
前記水分量の制御対象は、前記再生側の空気の流量であり、
前記関連制御対象は、前記加熱装置の加熱能力である
ことを特徴とするデシカント空調システム。 - 請求項1に記載されたデシカント空調システムにおいて、
前記水分量の制御対象は、前記再生側の空気の流量であり、
前記関連制御対象は、前記加熱装置の加熱能力および前記デシカントロータの回転数である
ことを特徴とするデシカント空調システム。 - 請求項1に記載されたデシカント空調システムにおいて、
前記水分量の制御対象は、前記再生側の空気の流量であり、
前記関連制御対象は、前記処理側の空気の流量、前記デシカントロータの回転数、前記加熱装置の加熱能力および前記予冷装置の冷却能力である
ことを特徴とするデシカント空調システム。 - 再生側の空気流を形成する再生側ファンと、処理側の空気流を形成する処理側ファンと、前記再生側の空気の流路および前記処理側の空気の流路に跨って配設され処理側の空気からの吸湿と再生側の空気への放湿とを回転しながら連続的に行うデシカントロータと、前記デシカントロータによる吸湿前の処理側の空気を冷却する予冷装置と、前記デシカントロータによる放湿前の再生側の空気を加熱する加熱装置とを備え、前記デシカントロータによって吸湿された処理側の乾燥した空気を被空調空間に供給するデシカント空調システムに適用されるデシカント空調システムの運転方法において、
前記処理側の乾燥した空気が流れる流路中に定められた所定の位置における水分量を常時検出する水分量検出ステップと、
前記再生側の空気の流量、前記デシカントロータの回転数および前記加熱装置の加熱能力の少なくとも1つを水分量の制御対象とし、前記水分量検出ステップによって検出される水分量が目標とする水分量となるように、前記水分量の制御対象に対する制御値を一定周期ごとに決定する制御値決定ステップと、
前記制御値決定ステップによって決定された今回の制御値と前回の制御値とからフィードフォワード量を演算するフィードフォワード量演算ステップと、
前記水分量の制御対象の制御値が前回の制御値から今回の制御値へと変更するのに関連して計測値が変化する他の制御対象を関連制御対象とし、前記フィードフォワード量演算ステップによって演算されたフィードフォワード量を補償量として、前記関連制御対象の制御の遅れを改善するフィードフォワード補償ステップとを備え、
前記関連制御対象は、
前記再生側の空気の流量、前記デシカントロータの回転数および前記加熱装置の加熱能力のうち前記水分量の制御対象として選択されなかったものおよび前記処理側の空気の流量ならびに前記予冷装置の冷却能力からなる他の制御対象の中から選択された制御対象である
ことを特徴とするデシカント空調システムの運転方法。 - 請求項5に記載されたデシカント空調システムの運転方法において、
前記水分量の制御対象は、前記再生側の空気の流量であり、
前記関連制御対象は、前記加熱装置の加熱能力である
ことを特徴とするデシカント空調システムの運転方法。 - 請求項5に記載されたデシカント空調システムの運転方法において、
前記水分量の制御対象は、前記再生側の空気の流量であり、
前記関連制御対象は、前記加熱装置の加熱能力および前記デシカントロータの回転数である
ことを特徴とするデシカント空調システムの運転方法。 - 請求項5に記載されたデシカント空調システムの運転方法において、
前記水分量の制御対象は、前記再生側の空気の流量であり、
前記関連制御対象は、前記処理側の空気の流量、前記デシカントロータの回転数、前記加熱装置の加熱能力および前記予冷装置の冷却能力である
ことを特徴とするデシカント空調システムの運転方法。
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