以下、図面を用いて実施形態を説明する。
図1は、伝送装置を管理する管理システムの一例を示す。図1において、本実施形態に係る管理システム100は、伝送装置101と、管理端末102とを有する。伝送装置101は、LANなどで管理端末102に接続され、オペレータは管理端末102を操作して伝送装置101の設定や動作を管理する。例えば、オペレータは、伝送装置101に新たな機能を追加する場合に、追加される機能に対応できるように、伝送装置101の設定を行う。或いは、オペレータは、伝送装置101に障害が発生した場合に、伝送装置101の障害に関する情報を収集し、伝送装置101の設置場所に保守者を派遣するなどの障害内容に応じた対策を講じる。
伝送装置101は、複数の被管理パッケージを格納するユニット103と、ユニット103の各被管理パッケージに共通バス105で接続される管理パッケージ104とを有する。
ユニット103は、複数のスロットを有し、伝送装置101の機能に応じて、様々な種類(以降、タイプと称する)の被管理パッケージが搭載される。例えば、図1に示した伝送装置101は、SL01からSL07までの7つのスロットを有する。図1の例では、SL01にタイプAの被管理パッケージ(被管理パッケージAと呼ぶ)、SL04にタイプBの被管理パッケージ(被管理パッケージBと呼ぶ)、SL07にタイプXの被管理パッケージ(被管理パッケージXと呼ぶ)、がそれぞれ搭載されている。各被管理パッケージは、固有のID(IDentification)を有し、管理パッケージ104は、ユニット103に搭載されている被管理パッケージのIDを読み取って、搭載されている被管理パッケージのタイプを判別する。図1の例では、被管理パッケージAのIDは01、被管理パッケージBのIDは02、被管理パッケージXのIDは21、である。
管理パッケージ104は、ハードウェア110と、ファームウェア111とを有する。ハードウェア110は、CPU(Central Processing Unit)回路、LAN(Local Area Network)回路、メモリ131などを有する。CPU回路は、メモリ131に展開されるファームウェア111のプログラムに従って伝送装置101の動作を制御する。LAN回路は、管理端末102と通信するための物理的なLANインターフェースを提供し、ファームウェア111により通信処理が行われる。メモリ131は、ファームウェア111を展開する領域以外に、被管理パッケージのタイプ別の設定内容を保持するソフトストラップ設定テーブル132と、被管理パッケージのタイプ別の障害情報の内容を保持する障害情報収集テーブル133とを有する。尚、メモリ131の各テーブルは、ファームウェア111が展開されたメモリ領域とは別の領域(別のメモリでもよい)に保持されているので、外部参照メモリとも称する。
ソフトストラップ設定テーブル132は、被管理パッケージのタイプ別に設定内容を保持する。例えば、図1に示したソフトストラップ設定テーブル132は、タイプA用テーブル141と、タイプB用テーブル142と、タイプX用テーブル143とを有する。
障害情報収集テーブル133は、被管理パッケージのタイプ別に障害情報の内容を保持する。例えば、図1に示した障害情報収集テーブル133は、タイプA用テーブル151と、タイプB用テーブル152と、タイプX用テーブル153とを有する。
ファームウェア111は、管理端末通信処理部161と、被管理PKG(PaKaGe:パッケージ)通信処理部162と、ソフトストラップ設定処理部163と、障害情報収集処理部164とを有する。
管理端末通信処理部161は、LANで接続されている管理端末102との通信処理を行う。例えば、オペレータが管理端末102から送信する制御コマンドを受信して、制御コマンドに応じた処理を行う。或いは、伝送装置101に障害が発生したときに、アラームや障害情報を管理端末102に送信する。
被管理PKG通信処理部162は、伝送装置101内の共通バス105でユニット103に搭載された被管理パッケージとの通信処理を行う。例えば、被管理PKG通信処理部162は、伝送装置101の電源投入時や新たな被管理パッケージの装着時に、ユニット103に搭載されている被管理パッケージのパラメータなどを設定する。或いは、被管理PKG通信処理部162は、ユニット103に搭載されている被管理パッケージのIDや障害情報を読み取る。
ソフトストラップ設定処理部163は、伝送装置101の電源投入時や新たな被管理パッケージの装着時に、ユニット103に搭載されている被管理パッケージのIDを読み取って、被管理パッケージのタイプを判別する。そして、ソフトストラップ設定処理部163は、判別した被管理パッケージのタイプに対応する設定内容をメモリ131のソフトストラップ設定テーブル132を参照して当該被管理パッケージに設定する。例えば図1において、ソフトストラップ設定処理部163は、ユニット103のSL01に搭載されている被管理パッケージAのID=01を読み取って、メモリ131のソフトストラップ設定テーブル132のID=01の設定内容を参照する。そして、ソフトストラップ設定処理部163は、ソフトストラップ設定テーブル132のID=01に対応するタイプA用テーブル141の設定内容を参照して、被管理パッケージAに設定する。同様に、ソフトストラップ設定処理部163は、ID=02の被管理パッケージBに対してタイプB用テーブル142、ID=21の被管理パッケージXに対してタイプX用テーブル143の設定内容を参照して各被管理パッケージの設定を行う。
障害情報収集処理部164は、ソフトストラップ設定処理部163と同様に、ユニット103に搭載されている被管理パッケージのIDを読み取って、被管理パッケージのタイプを判別する。そして、障害情報収集処理部164は、判別した被管理パッケージのタイプに対応する障害情報の収集先をメモリ131の障害情報収集テーブル133を参照して当該被管理パッケージから障害情報を収集する。例えば図1において、障害情報収集処理部164は、ユニット103のSL01に搭載されている被管理パッケージAのID=01を読み取って、メモリ131の障害情報収集テーブル133のID=01の設定内容を参照する。そして、障害情報収集処理部164は、障害情報収集テーブル133のID=01に対応するタイプA用テーブル151の収集先を参照して、被管理パッケージAから障害情報を収集する。同様に、障害情報収集処理部164は、ID=02の被管理パッケージBについてはタイプB用テーブル152、ID=21の被管理パッケージXについてはタイプX用テーブル153の収集先を参照して各被管理パッケージから障害情報を収集する。
管理端末102は、ハードウェア120と、ソフトウェア121とを有する。ハードウェア120は、CPU回路、LAN回路、メモリなどを有する。CPU回路は、予め決められたソフトウェア121に従って伝送装置101の管理を行う。LAN回路は、管理パッケージ104と通信するための物理的なLANインターフェースを提供し、ソフトウェア121により通信処理が行われる。メモリは、ソフトウェア121を展開する領域以外に、伝送装置101を管理するためのパラメータや情報などを記憶する領域を有する。また、管理端末102は、LANに接続されている複数の伝送装置101の管理も行い、伝送装置101別に管理情報を記憶する。ここで、本実施形態に係る管理システム100において、管理端末102は、既存の端末と同様に、新たな機能の被管理パッケージが追加された場合、新たな機能の被管理パッケージに対応するためにソフトウェア121の更新を行う。本実施形態では、管理端末102のソフトウェア121の更新を行うが、伝送装置101の管理パッケージ104のファームウェア111の更新を行わずに、新たな機能の被管理パッケージに対応することができる。
ここで、本実施形態に係る管理システム100の特徴がわかり易いように、伝送装置101側の管理パッケージ104のファームウェア111を更新する場合の例について説明する。
図2は、管理パッケージ904のファームウェア911を更新する管理システム900の一例を示す。尚、図2の管理システム900において、図1と同符号のブロックは、図1と同一又は同様の機能を有する。伝送装置901が図1に示した伝送装置101と異なる部分は、管理パッケージ904のハードウェア910およびファームウェア911である。
図2において、ハードウェア910は、図1に示したハードウェア110と同様に、CPU回路、LAN回路、メモリなどを有する。CPUは、メモリに展開されるファームウェア911のプログラムに従って伝送装置901の動作を制御する。
ここで、ハードウェア910と図1に示したハードウェア110は、メモリに記憶される内容が異なる。管理パッケージ104のハードウェア110は、メモリ131にソフトストラップ設定テーブル132および障害情報収集テーブル133を記憶するが、管理パッケージ904のハードウェア910は、これらのテーブルを持たない。その代わり、管理パッケージ904は、ファームウェア911の中にソフトストラップ設定テーブル132および障害情報収集テーブル133に対応する専用の処理が組み込まれている。尚、ファームウェア911において、図1に示したファームウェア111と同符号の処理は、同一又は同様の処理を示す。
図2において、ソフトストラップ設定処理部963は、図1に示したソフトストラップ設定処理部163と同様に処理する。例えば、ソフトストラップ設定処理部963は、伝送装置901の電源投入時や新たな被管理パッケージの装着時に、ユニット103に搭載されている被管理パッケージのIDを読み取って、被管理パッケージのタイプを判別する。そして、ソフトストラップ設定処理部963は、判別した被管理パッケージのタイプに応じてファームウェア911に予め組み込まれた処理を実行して当該被管理パッケージに設定する。例えば図2において、ソフトストラップ設定処理部963は、ユニット103のSL01に搭載されている被管理パッケージAのID=01を読み取って、ID=01に対応付けられたタイプA用処理971を実行し、被管理パッケージAを設定する。同様に、ソフトストラップ設定処理部963は、ID=02の被管理パッケージBに対してタイプB用処理972、ID=21の被管理パッケージXに対してタイプX用処理973をそれぞれ実行し、各被管理パッケージを設定する。
障害情報収集処理部964は、障害情報収集処理部164と同様に、ユニット103に搭載されている被管理パッケージのIDを読み取って、被管理パッケージのタイプを判別する。そして、障害情報収集処理部964は、判別した被管理パッケージのタイプに対応する障害情報の収集先が予め組み込まれた処理を実行して当該被管理パッケージから障害情報を収集する。例えば図2において、障害情報収集処理部964は、ユニット103のSL01に搭載されている被管理パッケージAのID=01を読み取って、被管理パッケージのタイプを判別する。そして、障害情報収集処理部964は、判別した被管理パッケージのタイプに応じてファームウェア911に予め組み込まれた処理を実行して当該被管理パッケージの障害情報を収集する。同様に、障害情報収集処理部964は、ID=02の被管理パッケージBに対してタイプB用処理982、ID=21の被管理パッケージXに対してタイプX用処理983をそれぞれ実行し、各被管理パッケージの障害情報を収集する。
このように、図2に示した管理システム900は、ファームウェア911にタイプ別の専用の処理が予め組み込まれているので、新たな機能を有する被管理パッケージが伝送装置901に搭載された場合、当該ファームウェア911で処理することが難しい。
図3は、図2に示した管理システム900に新たに被管理パッケージが追加された時の一例を示す。尚、図3において、図2と同符号のブロックは同一又は同様の機能を有する。図3と図2との違いは、ユニット103のSL02に新たに被管理パッケージCが追加されることである。ところが、ファームウェア911のソフトストラップ設定処理部963は、被管理パッケージCのID=51を読み取るがID=51に対応するタイプが不明であるため、被管理パッケージCの設定を行うことが難しい。同様に、ファームウェア911の障害情報収集処理部964は、被管理パッケージCのID=51を読み取るがID=51に対応するタイプが不明であるため、被管理パッケージCの障害情報を収集することが難しい。
このため、オペレータは、管理端末102から伝送装置901の管理パッケージ904のファームウェア911を更新して、被管理パッケージCのタイプCに対応する設定処理をファームウェア911に組み込むことが求められる。ところが、ファームウェア911の更新作業は、保守者の手間が掛かり、伝送装置901の動作を停止するので、通信サービスの品質が低下するという問題が生じる。
これに対して、図1に示した本実施形態に係る管理システム100では、ソフトストラップ設定処理部163や障害情報収集処理部164は、メモリ131のソフトストラップ設定テーブル132や障害情報収集テーブル133を参照すればよい。このため、新たな機能を有する被管理パッケージが追加される場合、管理端末102は、メモリ131のソフトストラップ設定テーブル132や障害情報収集テーブル133に新たに追加される被管理パッケージのタイプに対応するテーブルを追加すればよい。
図4は、図1に示した管理システム100に新たに被管理パッケージが追加された時の一例を示す。尚、図4において、図1と同符号のブロックは同一又は同様の機能を有する。図4と図1との違いは、ユニット103のSL02に新たに被管理パッケージCが追加されていることである。そして、管理端末102は、ID=51の被管理パッケージCの設定内容が格納されたタイプC用テーブル154をソフトストラップ設定テーブル132に書き込む。そして、ソフトストラップ設定処理部163は、ユニット103のSL02に新たに搭載された被管理パッケージCのID=51を読み取って、メモリ131のソフトストラップ設定テーブル132のID=51の設定内容を参照する。さらに、ソフトストラップ設定処理部163は、ソフトストラップ設定テーブル132のID=51に対応するタイプC用テーブル144の設定内容を参照して、被管理パッケージCに設定する。同様に、管理端末102は、ID=51の被管理パッケージCの障害情報の収集先が格納されたタイプC用テーブル154を障害情報収集テーブル933に書き込む。そして、障害情報収集処理部164は、ID=51に対応するタイプC用テーブル154の収集先を参照して被管理パッケージXから障害情報を収集する。
このように、図4に示した管理システム100は、ファームウェア111を更新することなく、メモリ131のソフトストラップ設定テーブル132や障害情報収集テーブル133に新たに追加される被管理パッケージのタイプに対応するテーブルを追加すればよい。
[ソフトストラップ設定処理の例]
図5は、ソフトストラップ設定処理の一例を示す。尚、図5のソフトストラップ設定処理は、伝送装置101が起動されて動作を開始する時のソフトストラップ設定処理部163の処理の流れを示している。ここで、ソフトストラップ設定処理は、被管理パッケージの動作や機能を制御するためのスイッチを設定する処理である。例えば被管理パッケージが光インターフェースのパッケージである場合は、光出力の有無の設定や光出力レベルの設定などを行う。
ステップS101において、伝送装置101の起動時に、ソフトストラップ設定処理部163は、伝送装置101のユニット103に搭載されている被管理パッケージの設定を順番に行う処理を開始する。
ステップS102において、ソフトストラップ設定処理部163は、例えば図1に示したスロットSL01の被管理パッケージAのソフトストラップ設定を行う。
ステップS103において、ソフトストラップ設定処理部163は、例えば図1に示したスロットSL02に被管理パッケージが搭載されている場合、その被管理パッケージに対するソフトストラップ設定を行う。
ステップS104において、ソフトストラップ設定処理部163は、ステップS103と同様に、例えば図1に示したスロットSL03に被管理パッケージが搭載されている場合、その被管理パッケージに対するソフトストラップ設定を行う。
ステップS105において、ソフトストラップ設定処理部163は、例えば図1に示したスロットSL07の被管理パッケージXのソフトストラップ設定を行う。
ステップS106において、ソフトストラップ設定処理部163は、伝送装置101の起動時のソフトストラップ設定処理を終了する。
このように、ソフトストラップ設定処理部163は、伝送装置101のユニット103に搭載されている被管理パッケージのソフトストラップ設定処理をスロット順に実行する。
次に、ソフトストラップ設定処理部163がスロット毎に被管理パッケージのソフトストラップ設定を行う処理について説明する。尚、図5では、スロットSL01の被管理パッケージAのソフトストラップ設定を行う処理を示してあるが、ソフトストラップ設定処理部163は、他のスロットに搭載される被管理パッケージについても同様にソフトストラップ設定を行う。
ステップS151において、ソフトストラップ設定処理部163は、パッケージIDを取得する。そして、パッケージIDの取得に成功すれば次のステップS152の処理に進み、パッケージIDの取得に失敗した場合は次のスロットSL02の処理(S103)に進む。図1の例では、スロットSL01に搭載される被管理パッケージAのパッケージIDは01である。
ステップS152において、ソフトストラップ設定処理部163は、外部参照メモリ131内のソフトストラップ設定テーブル132からステップS151で取得したパッケージIDと一致するテーブルを検索しテーブルの設定情報を取得する。そして、ソフトストラップ設定処理部163は、パッケージID対応するテーブルの取得に成功した場合はステップS153の処理に進み、テーブルの取得に失敗した場合はステップS155の処理に進む。図1の例では、スロットSL01に搭載される被管理パッケージAのパッケージID=01に対応するタイプA用テーブル141を取得する。
ステップS153において、ソフトストラップ設定処理部163は、取得したテーブルの設定情報を読み出してプログラム上に展開する。
ステップS154において、ソフトストラップ設定処理部163は、プログラム上に展開されたテーブルの設定情報を用いて、スロットSL01の被管理パッケージAのソフトストラップ設定処理を行う。
ステップS155において、ソフトストラップ設定処理部163は、テーブルの取得に失敗した場合、次のスロットの処理に進む。図5の例では、スロットSL02のソフトストラップ設定処理(S103)に進む。
このようにして、伝送装置101の起動時に、ユニット103の各スロットに搭載されている被管理パッケージのソフトストラップ設定処理を行うことができる。
ここで、ソフトストラップ設定テーブル132を用いない図2で説明した伝送装置901におけるソフトストラップ設定処理について説明する。基本的な流れは図5の場合と同じだが、ソフトストラップ設定テーブル132を用いずに、ファームウェア911に組み込まれた処理により、ソフトストラップ設定処理を行うことが、図5の伝送装置101とは異なる。
図6は、ファームウェア111にタイプ別の専用のソフトストラップ設定処理が組み込まれたソフトストラップ設定処理部963の処理の一例を示す。尚、図6のソフトストラップ設定処理は、図2に示した伝送装置901が起動されて動作を開始する時のソフトストラップ設定処理部963の処理の流れを示している。ここで、ステップS901、S902、S903、S904、S905およびS906の各処理は、図5に示したステップS101、S102、S103、S104、S105およびS106の各処理と基本的には同じ流れで実行される。例えば、図2に示した伝送装置901の起動時に、ソフトストラップ設定処理部963は、伝送装置901のユニット103に搭載されている被管理パッケージの設定を行う処理を開始する。そして、ソフトストラップ設定処理部963は、スロットの順番にソフトストラップ設定処理を行った後、ステップS906で終了する。
図6において、図5と異なるのは、被管理パッケージのパッケージIDに応じた専用のソフトストラップ設定を行う処理が組み込まれていることである。尚、図6では、スロットSL01の被管理パッケージAのソフトストラップ設定を行う処理を示してあるが、他のスロットに搭載される被管理パッケージについても同様にソフトストラップ設定が行われる。
ステップS951の処理は、図5に示したステップS151の処理と同じである。そして、パッケージIDの取得に成功すれば次のステップS952の処理に進み、パッケージIDの取得に失敗した場合は次のスロットSL02の処理に進む。
ステップS952において、ソフトストラップ設定処理部963は、ステップS951で取得したパッケージIDに応じて予めファームウェア911に組み込まれたソフトストラップ設定処理を実行する。図6の例では、ID=01の場合にタイプA用処理(S953)、ID=02の場合にタイプB用処理(S954)、ID=21の場合にタイプX用処理(S955)をそれぞれ実行する。ここで、ファームウェア911に予め組み込まれていないパッケージIDの場合は、未サポートパッケージなので処理を終了して次のスロットのソフトストラップ設定処理を行う。
ところが、図6の例では、タイプA用処理、タイプB用処理およびタイプX用処理は、予めファームウェア911に組み込まれている。このため、オペレータは、例えば図3に示したように、スロットSL02にID=51の被管理パッケージCが新たに搭載された場合、タイプC用処理をファームウェア911に組み込むためにファームウェア911のバージョンアップが求められる。
これに対して、本実施形態に係る管理システム100は、外部参照メモリ131に記憶されるソフトストラップ設定テーブル132に新たに搭載する被管理パッケージCのID=51に対応するタイプC用テーブル144を追加しておくだけでよい。
図7は、ソフトストラップ設定テーブル132を参照してソフトストラップ設定処理を行うソフトストラップ設定処理部163の処理の一例を示す。尚、図7において、図5と同符号のブロックは、図5と同一又は同様の処理を行う。また、ステップS151、S152、S153、S154およびS155は、図5ではスロットSL01に対する処理であったが、図7では新たに搭載されるスロットSL02に対する処理を示している。
ステップS151において、ソフトストラップ設定処理部163は、スロットSL02のパッケージIDを取得する。図4の例では、スロットSL02に新たに搭載される被管理パッケージCのパッケージIDは51である。
ステップS152において、ソフトストラップ設定処理部163は、外部参照メモリ131内のソフトストラップ設定テーブル132からステップS151で取得したパッケージID=51と一致するテーブルを検索し、テーブルを取得する。そして、ソフトストラップ設定処理部163は、パッケージID対応するテーブルの取得に成功した場合はステップS153の処理に進み、テーブルの取得に失敗した場合はステップS155の処理に進む。ここでは、管理端末102から管理パッケージ104のソフトストラップ設定テーブル132に新たに搭載される被管理パッケージのID=51に対応するタイプC用テーブル144を追加しているので、取得成功になり、ステップS153の処理に進む。
ステップS153において、ソフトストラップ設定処理部163は、ステップS152で取得に成功したパッケージID=51に対応するタイプC用テーブル144の設定情報を読み出してプログラム上に展開する。
ステップS154において、ソフトストラップ設定処理部163は、プログラム上に展開されたテーブルの設定情報を用いて、スロットSL02に新たに搭載された被管理パッケージCのソフトストラップ設定処理を行う。
このように、ファームウェア111は、図5で説明した時と同様の処理を行うだけで新たに搭載される被管理パッケージのタイプに対応する設定を行うことができる。これにより、オペレータは、管理端末102から管理パッケージ104のファームウェア111を更新する作業を行わず、ファームウェア111が参照するメモリ131のソフトストラップ設定テーブル132に新たなタイプの設定情報を追加するだけでよい。
次に、図1に示したソフトストラップ設定テーブル132について説明する。
図8は、メモリ131内のソフトストラップ設定テーブル132に記憶されるタイプ別の設定情報の一例を示す。
図8において、各テーブルは、パッケージIDと、有効データ数と、アドレスと、設定値とを有する。例えば、タイプA用テーブル141の場合、パッケージIDは01、有効データ数は05である。尚、有効データ数は、設定値の数を示す。図8のタイプA用テーブル141の例では、アドレス0600に設定値0001、アドレス0602に設定値0021、アドレス0604に設定値0301、アドレス0610に設定値4001、アドレス0620に設定値0501、がそれぞれ記憶されている。ここで、テーブルの各アドレスは、相対アドレスである。相対アドレスは、上位側のアドレスが付加されて実際のアドレス空間(絶対アドレス)に展開される。例えば、上位のアドレスが00011である場合、下位側に相対アドレスの600が付加された00011600が絶対アドレスとなる。
同様に、タイプB用テーブル142の場合、パッケージIDは02、有効データ数は07で、アドレス0600に設定値FFFFが記憶されている。また、タイプX用テーブル143の場合、パッケージIDは21、有効データ数は01で、アドレス0600に設定値1311が記憶されている。
ここで、オペレータは、新たな種類の被管理パッケージが開発されて、伝送装置101に配置する毎に、管理端末102の管理用のソフトウェア121の更新を行う。そして、ソフトウェア121が更新された管理端末102は、管理パッケージ104のメモリ131のソフトストラップ設定テーブル132に、新たな種類に対応する設定情報を追加する。
図8の吹き出し部分は、ソフトストラップ設定テーブル132に新たなパッケージの設定情報を追加する例を示す。これにより、ID=51のタイプC用テーブル144がソフトストラップ設定テーブル132に追加されるので、例えば図4で説明したように、タイプCの被管理パッケージが伝送装置101に新たに搭載された場合に管理することができる。
尚、管理端末102は、管理パッケージ104に新たな種類に対応する設定情報を送信する時に、被管理パッケージに固有の「パッケージID」と、そのパッケージIDに対応するタイプの「ソフトストラップ設定テーブル」とを送信する。送信データの形式は予め決められてよい、管理パッケージ104のファームウェア111は、受信データに含まれる設定情報を抽出する。そして、ファームウェア111は、抽出した設定情報をメモリ131のソフトストラップ設定テーブル132に追加する処理や、新たな種類の被管理パッケージが搭載された時に追加されたテーブルを参照する処理がファームウェア111に組み込まれている。この処理は、汎用性があるのでファームウェア111をバージョンアップすることなく、新たに追加された被管理パッケージの設定情報を参照することができる。例えば、ファームウェア111は、パッケージIDでテーブルを検索するので、新たに追加されたパッケージIDがテーブル内に書き込まれていれば検出することができ、パッケージIDに関連付けて記憶されている設定情報を参照することができる。
図8の例では、一つのパッケージのタイプ毎に最大8個のソフトストラップ設定を登録可能な例であり、1タイプ当たりのデータ長は、「パッケージID」+「有効データ数」+「(設定アドレス+設定値)×8」となる。例えば、図8に示した数値が16進数である場合、「パッケージID」は1バイト、「有効データ数」は1バイト、1つの設定アドレスは2バイト、1つの設定値は2バイト、となるので、合計のデータ長は、1+1+(2+2)×8=34バイトとなる。ここで、図8に示したタイプA用テーブル141は、有効データ数が5なので、設定アドレスが0600から0620までの5つの設定値が有効なデータで、設定アドレスが0000の3つの設定値は0000のままである。
上記の例は、データ長が固定の例であるが、拡張性を高めるために、1パッケージ当たりのデータ長を可変にする方式を用いてもよい。データ長を可変にした場合、1タイプ当たりのデータ長は、「パッケージID」+「有効データ数」+「(設定アドレス+設定値)×有効データ数」となる。
また、ファームウェア111は、ソフトストラップ設定テーブル132に新たなタイプのテーブルが追加された場合、テーブル内に記載された設定アドレスに対応するファームウェア111のプログラム領域に設定値を書きこむ処理を行う。この処理は、例えば有効データ数分だけ繰り返して書き込む処理で、ファームウェア111の設計当初にソフトストラップ設定処理部163に予め組み込んでおくことで、ファームウェア111の更新を行わずに済ませることができる。これにより、管理端末102は、管理パッケージ104に新規のパッケージタイプに関するテーブルを追加する処理を行えばよい。
ここで、管理端末102からソフトストラップ設定テーブル132を設定する方法として、管理端末102のソフトウェア121と、管理パッケージ104のファームウェア111との間で専用の設定コマンドやインタフェースを設けてもよい。そして、ファームウェア111は、管理端末102から設定コマンドを受け取った場合、外部参照用のメモリ131に追加する処理を行う。同様に、既に外部参照用のメモリ131に登録されているソフトストラップ設定テーブル132の設定情報の更新する処理も行う。これにより、同じタイプの被管理パッケージの変更が行われた場合などでも対応することができる。
ここで、ファームウェア111は、各スロットに搭載されている被管理パッケージのタイプに対応する設定情報をソフトストラップ設定テーブル132から読み出し、被管理パッケージに設定する。例えば、図1の場合、スロットSL01には、ID=01のタイプAの被管理パッケージAが搭載されているので、タイプA用テーブル141を読み出して被管理パッケージAに設定する。
このようにして、ファームウェア111は、各スロットに搭載されている被管理パッケージのタイプに応じて、ソフトストラップ設定テーブル132から適宜、設定情報を読み出して、設定処理を行うことができる。例えば図1に示した伝送装置101のスロットSL01の被管理パッケージAが被管理パッケージBに置き換えられた場合、ファームウェア111は、ソフトストラップ設定テーブル132を参照して、スロットSL01用のアドレス[0600]の設定値を”0001”から”FFFF”に書き換える。
例えば、図8の吹き出し部分で示したように、ソフトストラップ設定テーブル132に新たなテーブルを追加する場合、ファームウェア111は次のように処理する。ファームウェア111は、ソフトストラップ設定テーブル132を参照して、スロットSL02用のアドレス[0600]に設定値”4321”を設定する。
このように、本実施形態では、新たなタイプの被管理パッケージが伝送装置101に搭載される場合、図8に示したソフトストラップ設定テーブル132に新たなタイプの設定値を追加するだけでよく、ファームウェア111を更新せずに済ませることができる。
図9は、管理端末102と伝送装置101の管理パッケージ104および被管理パッケージとの間の処理を示す。尚、図9は、図1に対応し、ユニット103のスロットSL01、SL04,SL07に被管理パッケージA、被管理パッケージBおよび被管理パッケージXがそれぞれ搭載されている。
ステップS201において、管理パッケージ104は、スロットSL01の被管理パッケージAからパッケージIDを取得する。
ステップS202において、管理パッケージ104は、ソフトストラップ設定テーブル132から取得したパッケージIDに対応するタイプA用テーブル141を取得する。
ステップS203において、管理パッケージ104は、ソフトストラップ設定テーブル132から取得したタイプA用テーブル141の設定情報に基づいて被管理パッケージAを設定する。
ステップS204において、管理パッケージ104は、スロットSL01の被管理パッケージAの動作や設定内容をチェックする。
ステップS205において、管理パッケージ104は、スロットSL01の被管理パッケージAの状態を通知する。例えば管理パッケージ104は、伝送装置101のスロットSL01にはタイプAの被管理パッケージAが搭載されていること、その被管理パッケージAは正常に動作していること、などを通知する。
ステップS206において、管理端末102は、管理パッケージ104から通知される情報を画面に表示する。
このようにして、スロットSL01の被管理パッケージAのソフトストラップ設定処理を行う。同様に、管理パッケージ104は、次のスロットSL02についてもソフトストラップ設定処理を行う。
尚、正常時のステップS204およびステップS205の処理は省略して、被管理パッケージに異常がある場合に管理端末102に通知するようにしてもよい。
以降、ステップS207からステップS212までの処理は、ステップS201からステップS206までのそれぞれの処理と基本的には同じである。異なる点は、スロットがSL04であること、パッケージIDが02であること、搭載されている被管理パッケージが被管理パッケージBであることである。同様に、ステップS213からステップS218までの処理は、ステップS201からステップS206までのそれぞれの処理と基本的には同じである。異なる点は、スロットがSL07であること、パッケージIDが21であること、搭載されているパッケージが被管理パッケージXであることである。
図10は、新たな被管理パッケージがスロットSL02に搭載された時の処理の一例を示す。尚、図10において、管理端末102は、管理用のソフトウェア121を更新し、新たなタイプの被管理パッケージに対応するテーブルを管理パッケージ104のメモリ131内の例えばソフトストラップ設定テーブル132に追加する。
ステップS301において、オペレータは、保守管理スケジュールに基づいて、被管理パッケージCのタイプCが用いられる予定なので、管理端末102のソフトウェア121を更新する。例えば、図4の場合、被管理パッケージCのタイプCに対応する管理用のソフトウェア121に更新する。
ステップS302において、オペレータは、更新されたソフトウェア121により、管理パッケージ104のメモリ131内のソフトストラップ設定テーブル132にタイプCに対応するタイプC用テーブル144を書き込む。
ステップS303において、管理パッケージ104は、管理端末102から受信するタイプCに対応するタイプC用テーブル144をソフトストラップ設定テーブル132に追加する。
ここまでの処理によって、タイプC用テーブル144は、ソフトストラップ設定テーブル132に追加される。そして、伝送装置101のスロットSL02に被管理パッケージCが搭載されると、管理パッケージ104は、図9と同様の処理を実行する。図10において、ステップS221からS226までの処理は、図9のステップS201からS206までの処理と基本的には同じである。異なる点は、スロットがSL02であること、パッケージIDが51であること、搭載されている被管理パッケージが被管理パッケージCであることである。
このようにして、新たに搭載される被管理パッケージのタイプに対応して、ソフトストラップ設定処理を行うことができる。
尚、図10の例では、オペレータが新たに搭載される被管理パッケージCのテーブルを管理パッケージ104のソフトストラップ設定テーブル132に追加する操作を行うようにしたが、自動的にソフトストラップ設定テーブル132を更新するようにしてもよい。
図11は、管理端末102が自動的にソフトストラップ設定テーブル132を更新する例を示す。尚、図11において、図10と同符号のブロックは、図10と同一又は同様の処理を示す。
図11において、図10と異なる点は、スロットSL02に新たに被管理パッケージCが搭載されるまでソフトストラップ設定テーブル132の更新が行われないことである。そして、タイプ不明のIDの被管理パッケージが搭載された場合、管理パッケージ104から管理端末102に通知を行い、管理端末102からタイプ不明のパッケージIDに対応するテーブルをソフトストラップ設定テーブル132に追加する処理を自動的に行う。尚、管理端末102のソフトウェア121の更新は、ステップS301で実行済である。
ステップS231において、管理パッケージ104は、スロットSL02に新たに搭載された被管理パッケージCからパッケージID=51を取得する。
ステップS232において、管理パッケージ104は、ソフトストラップ設定テーブル132から取得したパッケージID=51に対応するテーブルを取得しようとするが、テーブルが無いため、タイプ不明と判断する。
ステップS233において、管理パッケージ104は、タイプ不明のパッケージID=51は管理対象外と判断して、パッケージID=51を管理端末102に通知する。
ステップS302aにおいて、管理端末102は、図10のステップS302と同様に、パッケージID=51に対応するタイプCのタイプC用テーブル144をメモリ131のソフトストラップ設定テーブル132に書き込む。ここで、管理端末102は、ステップS301で管理用のソフトウエア121の更新が行われるので、管理パッケージ104から通知されるID=51に対応するタイプCの設定情報を持っており、対応が可能である。
ステップS303において、管理パッケージ104は、図10のステップS303と同様に、管理端末102から受信するタイプCに対応するタイプC用テーブル144をソフトストラップ設定テーブル132に追加する。
以降、ステップS221からステップS226までの処理は、図9と同符号の処理と同じである。
このようにして、伝送装置101は、管理端末102と伝送装置101との間で、自動的にソフトストラップ設定テーブル132を更新することができる。
[障害情報収集処理の例]
図12は、障害情報収集処理の一例を示す。尚、図12の障害情報収集処理は、定期的(例えば1秒毎)に、各スロットに搭載されている被管理パッケージの障害情報を収集する障害情報収集処理部164の処理の流れを示している。ここで、障害情報収集処理は、被管理パッケージの故障などの障害に関する情報を収集する処理である。例えば被管理パッケージが光インターフェースのパッケージである場合は、光出力レベルの低下やレーザーの故障などの情報を収集する。
ステップS401において、障害情報収集処理部164は、予め設定された時間間隔(例えば1秒毎)で定期的に被管理パッケージの監視処理を行う。尚、障害情報収集処理部164は、伝送装置101のユニット103に搭載されている被管理パッケージの障害情報の収集をスロット番号の順に行う。
ステップS402において、障害情報収集処理部164は、例えば図1に示したスロットSL01の被管理パッケージAの障害情報を収集する。
ステップS403において、障害情報収集処理部164は、例えば図1に示したスロットSL02に被管理パッケージが搭載されている場合、その被管理パッケージに対する障害情報を収集する。
ステップS404において、障害情報収集処理部164は、ステップS403と同様に、例えば図1に示したスロットSL03に被管理パッケージが搭載されている場合、その被管理パッケージに対する障害情報を収集する。
ステップS405において、障害情報収集処理部164は、例えば図1に示したスロットSL07の被管理パッケージXの障害情報を収集する。
ステップS406において、障害情報収集処理部164は、定期的な障害情報を収集する処理を終了する。
このように、障害情報収集処理部164は、伝送装置101のユニット103に搭載されている被管理パッケージの障害情報を収集する処理をスロット順に実行する。
次に、スロット毎に被管理パッケージの障害情報を収集する処理について説明する。尚、図12では、スロットSL01の被管理パッケージAの障害情報を収集する処理を示してあるが、障害情報収集処理部164は、他のスロットに搭載される被管理パッケージについても同様に障害情報を収集する。
ステップS451において、障害情報収集処理部164は、パッケージIDを取得する。そして、パッケージIDの取得に成功すれば次のステップS452の処理に進み、パッケージIDの取得に失敗した場合は次のスロットSL02の処理(S403)に進む。図1の例では、スロットSL01に搭載される被管理パッケージAのパッケージIDは01である。
ステップS452において、障害情報収集処理部164は、外部参照メモリ131内の障害情報収集テーブル133からステップS451で取得したパッケージIDと一致するテーブルを検索してテーブルを取得する。そして、障害情報収集処理部164は、パッケージID対応するテーブルの取得に成功した場合はステップS453の処理に進み、テーブルの取得に失敗した場合はステップS455の処理に進む。図1の例では、スロットSL01に搭載される被管理パッケージAのパッケージID=01に対応するタイプA用テーブル151を取得する。
ステップS453において、障害情報収集処理部164は、取得したテーブルの設定情報を読み出してプログラム上に展開する。
ステップS454において、障害情報収集処理部164は、プログラム上に展開されたテーブルを用いて、スロットSL01の被管理パッケージAから障害情報を収集する処理を行う。
ステップS455において、障害情報収集処理部164は、テーブルの取得に失敗した場合、次のスロットの処理に進む。図12の例では、スロットSL02の障害情報を収集する処理(S403)に進む。
このようにして、管理パッケージ104は、定期的に、ユニット103の各スロットに搭載されている被管理パッケージの障害情報を収集する処理を行うことができる。
ここで、図2で説明したように、障害情報収集テーブル133を用いない伝送装置901における障害情報の収集処理について説明する。基本的な流れは図12の場合と同じだが、障害情報収集テーブル133を用いずに、ファームウェア911に組み込まれた処理により、障害情報を収集する処理を行うことが、図12の伝送装置101とは異なる。
図13は、ファームウェア111にタイプ別の専用の障害情報を収集する処理が組み込まれた障害情報収集処理部964の処理の一例を示す。ここで、ステップS911、S912、S913、S914、S915およびS916の各処理は、図12に示したステップS401、S402、S403、S404、S405およびS406の各処理と基本的には同じ流れで実行される。例えば、障害情報収集処理部964は、定期的に、伝送装置901のユニット103に搭載されている被管理パッケージの障害情報を収集する処理を行う。そして、障害情報収集処理部164は、スロット番号の順に障害情報を収集する処理を行った後、ステップS916で定期的な監視処理を終了する。
図13において、図12と異なるのは、被管理パッケージの障害情報を収集する専用の処理がファームウェア111に組み込まれていることである。尚、図13では、スロットSL01の被管理パッケージAの障害情報を収集する処理を示してあるが、他のスロットに搭載される被管理パッケージについても同様に障害情報を収集する処理が行われる。
尚、ステップS961の処理は、図12に示したステップS451の処理と同じである。そして、パッケージIDの取得に成功すれば次のステップS962の処理に進み、パッケージIDの取得に失敗した場合は次のスロットSL02の処理(S913)に進む。
ステップS962において、障害情報収集処理部964は、ステップS961で取得したパッケージIDに応じて予めファームウェア911に組み込まれた障害情報を収集する処理を選択する。図13の例では、ID=01の場合にタイプA用処理(S963)、ID=02の場合にタイプB用処理(S964)、ID=21の場合にタイプX用処理(S965)をそれぞれ実行する。ここで、ファームウェア911に予め組み込まれていないパッケージIDの場合は、未サポートパッケージなので処理を終了して次のスロットの障害情報を収集する処理(S913)に進む。
ここで、図13の例では、タイプA用処理、タイプB用処理およびタイプX用処理は、予めファームウェア911に組み込まれているため、例えば図3に示したように、スロットSL02にID=51の被管理パッケージCが新たに搭載される場合、タイプC用処理をファームウェア911に組み込むことが求められる。つまり、ファームウェア911をバージョンアップする作業が発生する。
これに対して、本実施形態に係る管理システム100は、外部参照メモリ131に記憶される障害情報収集テーブル133に新たに搭載する被管理パッケージCのID=51に対応するタイプC用テーブル154を追加しておけばよい。
図14は、障害情報収集テーブル133を参照して障害情報を収集する処理を行う障害情報収集処理部164の処理の一例を示す。尚、図14において、図12と同符号のブロックは、図12と同一又は同様の処理を行う。また、ステップS451、S452、S453、S454およびS455は、図12ではスロットSL01に対する処理であったが、図13ではスロットSL02に対する処理を示している。
ステップS451において、障害情報収集処理部164は、スロットSL02のパッケージIDを取得する。図4の例では、スロットSL02に新たに搭載される被管理パッケージCのパッケージIDは51である。
ステップS452において、障害情報収集処理部164は、外部参照メモリ131内の障害情報収集テーブル133からステップS451で取得したパッケージID=51と一致するテーブルを検索し、テーブルを取得する。そして、障害情報収集処理部164は、パッケージID対応するテーブルの取得に成功した場合はステップS453の処理に進み、テーブルの取得に失敗した場合はステップS455の処理に進む。ここでは、管理端末102から管理パッケージ104のメモリ131内の障害情報収集テーブル133に新たに搭載される被管理パッケージのID=51に対応するタイプC用テーブル154を追加しているので、取得成功になり、ステップS453の処理に進む。
ステップS453において、障害情報収集処理部164は、ステップS452で取得に成功したパッケージID=51に対応するタイプC用テーブル154の設定情報を読み出してプログラム上に展開する。
ステップS454において、障害情報収集処理部164は、プログラム上に展開されたテーブルの情報を用いて、スロットSL02に新たに搭載された被管理パッケージCの障害情報を収集する処理を行う。
このように、障害情報収集処理部164のファームウェア111は、図12で説明した時と同様の処理を行うだけで新たに搭載される被管理パッケージのタイプに対応する障害情報を収集することができる。これにより、オペレータは、管理端末102から管理パッケージ104のファームウェア111を更新する作業を行わずに済ませることができる。そして、オペレータは、管理端末102により、ファームウェア111が参照するメモリ131の障害情報収集テーブル133に新たなタイプの被管理パッケージから障害情報を収集するためのテーブルを追加すればよい。
次に、図1に示した障害情報収集テーブル133について説明する。
図15は、メモリ131内の障害情報収集テーブル133に記憶されるタイプ別の障害情報を収集するための情報の一例を示す。
図15において、各テーブルは、パッケージIDと、有効データ数と、アドレスと、マスク値とを有する。例えば、タイプA用テーブル151の場合、パッケージIDは01、有効データ数は03である。尚、有効データ数は、障害情報を抽出するマスク値の数を示す。図15のタイプA用テーブル151の例では、アドレス0200にマスク値0F0F、アドレス0202にマスク値0001、アドレス0204にマスク値00FF、がそれぞれ記憶されている。ここで、図8の場合と同様に、各テーブルのアドレスは相対アドレスである。
同様に、タイプB用テーブル152の場合、パッケージIDは02、有効データ数は07で、アドレス0200に設定値FFFFが記憶されている。また、タイプX用テーブル153の場合、パッケージIDは21、有効データ数は01で、アドレス0200に設定値0101が記憶されている。
ここで、障害情報収集テーブル133についても、ソフトストラップ設定テーブル132と同様に、ファームウェア111の実行領域のアドレス空間内に配置される。このように、障害情報収集テーブル133についてもソフトストラップ設定テーブル132と同様に、ファームウェア111は、被管理パッケージが搭載されているスロットに対応する障害情報を収集する処理を行う。
障害情報収集テーブル133のマスク値は、例えば障害情報のビットを抽出するための用いられる。例えばアドレス200の16ビットのデータの下位ビットから3ビット目がレーザーダイオードの故障の有無を示すビットである場合、この故障情報を抽出するためのマスク値は、0004となる。
このようにして、ファームウェア111は、各スロットに搭載されている被管理パッケージのタイプに応じて、障害情報収集テーブル133を参照して、被管理パッケージから障害情報を収集することができる。例えば図1に示した伝送装置101のスロットSL01の被管理パッケージAが被管理パッケージBに置き換えられた場合、ファームウェア111は次のように処理する。ファームウェア111は、スロットSL01用のアドレス[0200]のマスク値を”0F0F”から”FFFF”に書き換える。
ここで、図15の吹き出し部分は、図15に示した障害情報収集テーブル133に新たなパッケージを追加する例を示す。これにより、ID=51のタイプC用テーブル154が追加されるので、例えば図4で説明したように、スロットSL02にタイプCの被管理パッケージが新たに搭載された場合に対応することができる。この場合、ファームウェア111は、アドレス[0200]のマスク値を”11FF”に設定する。
このように、本実施形態では、新たなタイプの被管理パッケージが伝送装置101に搭載される場合、図15に示した障害情報収集テーブル133に新たなタイプのテーブルを追加すればよく、ファームウェア111を更新せずに済ませることができる。
図16は、管理端末102と伝送装置101の管理パッケージ104および被管理パッケージとの間の処理を示す。尚、図16は、図1に対応し、ユニット103のスロットSL01、SL04,SL07に被管理パッケージA、被管理パッケージBおよび被管理パッケージXがそれぞれ搭載されている。
ステップS501において、管理パッケージ104は、スロットSL01の被管理パッケージAからパッケージID(01)を取得する。
ステップS502において、管理パッケージ104は、障害情報収集テーブル133から取得したパッケージID(01)に対応するタイプA用テーブル151を取得する。
ステップS503において、管理パッケージ104は、障害情報収集テーブル133から取得したタイプA用テーブル151の情報に基づいて被管理パッケージAから障害情報を収集する。そして、管理パッケージ104は、収集した障害情報を管理端末102に通知する。尚、通知は、障害情報に変化があった時に行うようにしてもよい。
ステップS504において、管理端末102は、管理パッケージ104から通知される障害情報を画面に表示する。
このようにして、管理パッケージ104は、スロットSL01の被管理パッケージAの障害情報を収集する処理を行う。
以降、ステップS505からステップS508までの処理は、ステップS501からステップS504までのそれぞれの処理と基本的には同じである。異なる点は、スロットがSL04であること、パッケージIDが02であること、搭載されている被管理パッケージが被管理パッケージBであることである。同様に、ステップS509からステップS512までの処理は、ステップS501からステップS504までのそれぞれの処理と基本的には同じである。異なる点は、スロットがSL07であること、パッケージIDが21であること、搭載されているパッケージが被管理パッケージXであることである。
図17は、新たな被管理パッケージがスロットSL02に搭載された時の処理の一例を示す。尚、図17において、管理端末102は、管理用のソフトウェア121を更新し、新たなタイプの被管理パッケージに対応するテーブルを管理パッケージ104のメモリ131内の例えば障害情報収集テーブル133に追加する。
ステップS601において、オペレータは、保守管理スケジュールに基づいて、被管理パッケージCのタイプCが用いられる予定なので、管理端末102のソフトウェア121を更新する。例えば、図4の場合、オペレータは、被管理パッケージCのタイプCに対応できるように、管理端末102のソフトウェア121を更新する。
ステップS602において、オペレータは、更新されたソフトウェア121により、管理パッケージ104の障害情報収集テーブル133にタイプCに対応するタイプC用テーブル154を書き込む。
ステップS603において、管理パッケージ104は、管理端末102から受信するタイプCに対応するタイプC用テーブル154を障害情報収集テーブル133に追加する。
ここまでの処理によって、タイプC用テーブル154は、障害情報収集テーブル133に追加される。そして、伝送装置101のスロットSL02に被管理パッケージCが搭載されると、管理パッケージ104は、図16と同様にタイプCに対する処理を実行する。図17において、ステップS521からS526までの処理は、図16のステップS501からS504までの処理と基本的には同じである。異なる点は、スロットがSL02であること、パッケージIDが51であること、搭載されている被管理パッケージが被管理パッケージCであることである。
このようにして、伝送装置101は、新たに搭載される被管理パッケージのタイプに対応して、障害情報を収集を行うことができる。
尚、図17の例では、オペレータが新たに搭載される被管理パッケージCのテーブルを管理パッケージ104の障害情報収集テーブル133に追加する操作を行うようにした。これに対して、図11に示したソフトストラップ設定テーブル132と同様に、管理端末102が自動的に障害情報収集テーブル133を更新するようにしてもよい。
図18は、管理端末102が自動的に障害情報収集テーブル133を更新する例を示す。尚、図18において、図17と同符号のブロックは、図17と同一又は同様の処理を示す。
図18において、図17と異なる点は、スロットSL02に新たに被管理パッケージCが搭載されるまで障害情報収集テーブル133の更新が行われないことである。そして、タイプ不明のIDの被管理パッケージが搭載された場合に、管理パッケージ104から管理端末102に通知を行い、管理端末102からタイプ不明のパッケージIDに対応するテーブルを障害情報収集テーブル133に追加する処理を自動的に行う。尚、管理端末102のソフトウェア121の更新は、ステップS601で実行済である。
ステップS531において、管理パッケージ104は、スロットSL02に新たに搭載された被管理パッケージCからパッケージID=51を取得する。
ステップS532において、管理パッケージ104は、障害情報収集テーブル133から取得したパッケージID=51に対応するテーブルを取得しようとするが、テーブルが無いため、タイプが不明である。
ステップS533において、管理パッケージ104は、タイプが不明のパッケージID=51は管理対象外と判断して、パッケージID=51を管理端末102に通知する。
ステップS602aにおいて、管理端末102は、管理パッケージ104からパッケージIDの通知を受けた場合、図17のステップS602と同様の処理を行う。そして、管理端末102は、パッケージID=51に対応するタイプCのタイプC用テーブル154をメモリ131の障害情報収集テーブル133に書き込む。ここで、管理端末102は、ステップS601で管理用のソフトウエア121の更新が行われるので、管理パッケージ104から通知されるID=51に対応するタイプCの設定情報を持っており、伝送装置101の通知に対応することができる。
ステップS603において、管理パッケージ104は、図17のステップS603と同様に、管理端末102から受信するタイプCに対応するタイプC用テーブル154を障害情報収集テーブル133に追加する。
以降、ステップS521からステップS526までの処理は、図17と同符号の処理と同じである。
このようにして、伝送装置101は、管理端末102と伝送装置101との間で、自動的に障害情報収集テーブル133を更新することができる。
以上、説明してきたように、本実施形態の伝送装置101は、インタフェース種別など種類の異なる被管理パッケージをユニット103に任意に実装可能で、被管理パッケージとその管理を行う管理パッケージ104とを有する。そして、本実施形態の伝送装置101は、ユニット103内の共通バス105を介して管理パッケージ104と被管理パッケージとが通信する方式の装置である。また、伝送装置101において、新たにユニット103に搭載される種類が異なる被管理パッケージのソフトストラップ設定や障害情報を収集する場合に、管理パッケージ104内のファームウェア111を更新せずに済ませることができる。オペレータは、管理端末102の管理用ソフトウェア121を更新することで、種類が異なる被管理パッケージに対応することができる。これにより、本実施形態に係る管理システム100は、機能を追加する時の開発コストの低減や作業時間の短縮および保守性の向上を図ることができる。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。