JP5891254B2 - 空調及び清浄化装置 - Google Patents
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Description
例えば、自然エネルギーである地熱を利用した住宅が提案されている(例えば特許文献1(特開平2−89935号公報)参照)。このような地熱を利用した住宅は、地中の温度は夏季、冬季を問わず15℃程度に略一定していることから、地中に埋設した熱交換パイプによって空気を加温又は冷却した後に室内を循環させることにより暖房や冷房の空調負荷を低減させるものである。
例えば、特許文献2(特開2000−97586号公報)に記載の建物の自然力利用空調システムは、熱交換器となる地中パイプを埋設し、地上に設置した空調機の熱源設備(ヒートポンプ)とパイプとの間で水を循環させるように構成したものである。地中パイプが埋設される地盤中では年間を通じて温度が15℃前後に維持され、夏期には室内空気が地中パイプを介して冷却され、冬期には室内空気が加熱されるようになっている。
例えば、気液接触式のものとして、特許文献3(特開2000−225310号公報)には、最上部に送風機を備え、その下部に略水平に金属フィルタと多孔板プレート、貯水タンクとを順に配設し、揚水ポンプを介して当該貯水タンクから吸い揚げた水を金属フィルタと多孔板プレートの間に放出制御するようにした空気循環洗浄装置が開示されている。
また、地中深部までパイプを埋設させたり、大径のパイプを用いたりするなどして、より多くの水を循環させ熱効率を高めることも考えられるが、大容量のポンプによって水を循環させる必要が生じ、結果的に消費エネルギーの削減効果が低下してしまうという欠点があった。
(1)本発明の空調及び清浄化装置は、循環空気を地下水と接触させることによって、
室内循環空気の温度、湿度及び清浄化処理を行なう装置であって、
室内循環空気を空気取入口から取り入れるとともにその内部で処理された空気を空気排出口から吐出する熱交換器本体と、
室内循環空気を空気取入口から供給される室内循環空気の流れの中に配置された噴射ノズルと、
前記噴射ノズルからのシャワー流と前記室内循環空気との混合流体をその前端から取り入れ、その後端から排出して循環空気を冷却又は加熱する金属ハニカム構造体と、
前記金属ハニカム構造体の後端から排出された混合流体中の温度及び湿度を調整するラジエーターと、を備え、
該噴射ノズルは、1台の金属ハニカム構造体に対応して1台が配置されており、
該金属ハニカム構造体の貫通孔前端にのみ向けて、地下水を水源としたシャワー流を直接噴射するとともに、金属ハニカム構造体を冷却又は加熱して、
該金属ハニカム構造体は、
その通過する循環空気を冷却又は加熱するようにしたことを特徴とする。
(2)本発明の空調及び清浄化装置は、上記(1)において、前記金属ハニカム構造体、噴射ノズル及びラジエーターの組み合わせを、複数組備えたことを特徴とする。
(3)本発明の空調及び清浄化装置は、上記(1)又は(2)において、前記室内循環空気を空気取入口から取り入れるとともにその内部で処理された空気を空気排出口から吐出する熱交換器本体を縦置きにし、前記金属ハニカム構造体の上方から噴射ノズルによってシャワー流を噴射するようにしたことを特徴とする。
(4)本発明の空調及び清浄化装置は、上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記熱交換器本体の後端に湿度センサーを設け、前記金属ハニカム構造体に噴射する噴射ノズルから噴出させる水流の量を調整するようにしたことを特徴とする。
さらに、前記室内循環空気を空気取入口から取り入れるとともにその内部で処理された空気を空気排出口から吐出する熱交換器本体を縦置きにし、前記金属ハニカム構造体の上方から噴射ノズルによってシャワー流を噴射するようにしたので、金属ハニカム構造体に付着する汚れなどを落としやすくメンテナンス性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る空調及び清浄化装置は、循環空気を地下水と接触させることによって、室内循環空気の温度や湿度、清浄化などの処理を行なう装置である。
この空調及び清浄化装置の熱交換器本体は、室内循環空気を空気取入口から取り入れるとともにその内部で処理された空気を空気排出口から吐出するようになっている。
また、噴射ノズルは、前記空気取入口から供給される室内循環空気の流れの中に配置され、前記室内循環空気の流れ方向に沿ってシャワー流を噴射するようになっている。
金属ハニカム構造体は、前記噴射ノズルからのシャワー流と前記室内循環空気との混合流体をその前端から取り入れて冷却又は加熱するようになっている。
ラジエーターは、前記金属ハニカム構造体の後端から排出された混合流体中の温度及び湿度を調整するようになっている。
ラジエーターとしては、車などに用いられる熱交換機などが挙げられる。
これによって、建物において、室内空気の温度や湿度の調整や、室内循環空気中の塵埃、臭い、化学物質などの有害物を効果的に除去清浄化を、経済的に行なうことができる。
この時、噴射ノズルに給水される水は地下水であり水温は年間を通して約17℃前後と常に一定しているので、この井戸水の温度を金属ハニカム構造体に伝達する。
そして、金属ハニカム構造体の貫通孔内を通過する室内循環空気は、夏は冷却され、冬は加熱されるようになる。
こうして、室内循環空気と地下水とをシャワー流として微細化した状態で直接的に接触させることで、室内空気の温度や湿度の調整や、室内循環空気中の塵埃、臭い、化学物質などの有害物を効果的に除去清浄化を、効率的に行なうことができる。
これによって、建物内を適度な温度や湿度に保つことができ、人間にとっては健康的な空気を室内送出口から排出して再び室内に循環させることができる。
なお、室内循環空気の温度、湿度、清浄度を調節するため、必要に応じて温度センサー、湿度センサー、空気清浄度センサーなどを併用、付加することもできる。
このような金属ハニカム構造体の貫通孔の前端に向けて噴射ノズルからのシャワー流を噴射させて室内循環空気との混合流体を形成し、金属ハニカム構造体の後端から排出させるようになっている。
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る空調及び清浄化装置についてさらに詳細に説明する。
図1は空調及び清浄化装置の概略説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図1に示すように、実施例の空調及び清浄化装置10は、その全体が金属製素材などからなる箱型状の熱交換器本体11を有し、熱交換器本体11の左右両側には、熱交換器本体11に室内循環空気を供給する空気取入口12と、熱交換器本体内で清浄化処理された処理済空気を排出するための空気排出口13が設けられている。
金属ハニカム構造体15は、断面が6角形の貫通孔15aが多数隣接形成されてなるアルミ金属製のハニカムを、パンチングメタルなどからなる支持フレーム15c内にその貫通孔軸心が水平方向となるように配置して構成したものである。
この6角形の貫通孔内を水滴と空気との混合流体を貫通孔の壁面に衝突させながら通過させる。
実施例において、噴射ノズル14に地下水用給水配管14aを介して給水する水は地下水を用いており、水温は年間を通して17℃前後と常に一定している。
実施例では、温度が安定した地下水をシャワー流の水源として、地下水用給水配管14aを介して噴射ノズル14に供給して噴射ノズル14から噴射させ、熱交換器本体11の出側に設置された吸引機(ストレートシロッコファン)19によって空気取入口12から吸引される室内循環空気と混合して混合流体を形成するようになっている。
なお、熱交換器本体11の後端に湿度センサーSを設け、金属ハニカム構造体15に噴射する噴射ノズル14から噴出させる水流の量を調整することもできる。
これにより、室内循環空気の温度や湿度、清浄度を調整することができる。
ここで、ラジエーターとは、アルミニウム合金製などのフィン付きの細管を多数並べた構造をしており、チューブとフィンで構成されたコアとその両側のタンクからなるものがある。熱交換器本体11後部に設置されることによって、金属ハニカム構造体15を通過した後の空気の流れの中で、さらに空気の温度や湿度を調整する機能を持っている。
こうして、吸引機19によって吸引された室内循環空気は、金属ハニカム構造体15及びラジエーター17を通過し、その温度や湿度を調整されて空気排出口13から排出され、室内送出口16を介して再び室内に戻される。
図2は金属ハニカム構造体、噴射ノズル、ラジエーターの組み合わせを2組設けた空調及び清浄化装置の概略説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
実施例2の空調及び清浄化装置20は、実施例1の空調及び清浄化装置において設けられている1組の金属ハニカム構造体とラジエーターを、熱交換器本体21内にさらにもう1組追加した構成となっている点において異なるが、その他の点では実施例1の空調及び清浄化装置10と同様である。
金属ハニカム構造体25、噴射ノズル24及びラジエーター27の組み合わせを、2組備えることにより、工場などの大型建物において、室内空気の温度や湿度の調整や、室内循環空気中の塵埃、臭い、化学物質などの有害物を効果的に除去清浄化を、効率よく行なうことができる。
夏期における運転では、MS1、MS2(マグネットスイッチ)を開とし、MS3は閉とする。BV1、BV2,BV3(ボールバルブ)は開として、金属ハニカム構造体25、ラジエーター27に地下水を供給する。
なお、除湿のため、BV3を閉とすることもある。この時は、MS4は開として地下水を排水する。
また、冬期における運転では、MS1は開、MS2は閉とし、BV1は開、BV2は閉とする。地下水は空気導入側の金属ハニカム構造体25のみに供給する。地下水のみでは室内循環空気の加熱が十分でないときは、MS3を開、MS2,MS4は閉とし、ヒートポンプやボイラーを用いて加熱した温水を循環させることもできる。
また、工場の機械冷却水である温水を利用することもできる。
なお、2台あるラジエーターのうち1台のみを用いれば足りることもある。
さらに、中間期における運転では、主として空気の清浄化が主目的となる。
この場合は、MS1は開、BV1は開、MS4を開とし、MS3は閉とする。状況により、BV2を開にすることもできる。
図3は、実施例3の空調及び清浄化装置であり、装置を縦置きにした場合の概略説明図である。
実施例3の空調及び清浄化装置30は、室内循環空気を空気取入口32から取り入れるとともにその内部で処理された空気を空気排出口33から吐出する熱交換器本体31を縦置きにし、金属ハニカム構造体35の上方から噴射ノズル34によってシャワー流を噴射するようにした点において実施例2の空調及び清浄化装置と異なるが、その他の点では同様である。
装置を縦置きにすることにより、金属ハニカム構造体に付着する汚れなどを落としやすくメンテナンス性を向上させることができる。
加えて、消費電力や燃料等の使用量節減が可能であることから二酸化炭素排出量を大幅に低減可能な空調及び清浄化装置とすることができ、コスト低減や効率性に優れ、産業上の利用可能性が極めて大きいものといえる。
11 熱交換器本体
12 空気取入口
13 空気排出口
14 噴射ノズル
14a 地下水用給水配管
15 金属ハニカム構造体
15b 金属ハニカム構造体
15c 支持フレーム
16 室内送出口
17 ラジエーター
18 水抜き孔
19 吸引機(ストレートシロッコファン)
20 実施例2の空調及び清浄化装置
21 熱交換器本体
22 空気取入口
24 噴射ノズル
25 金属ハニカム構造体
27 ラジエーター
30 実施例3の空調及び清浄化装置
31 熱交換器本体
32 空気取入口
34 噴射ノズル
35 金属ハニカム構造体
37 ラジエーター
S 湿度センサー
Claims (4)
- 循環空気を地下水と接触させることによって、
室内循環空気の温度、湿度及び清浄化処理を行なう装置であって、
室内循環空気を空気取入口から取り入れるとともにその内部で処理された空気を空気排出口から吐出する熱交換器本体と、
室内循環空気を空気取入口から供給される室内循環空気の流れの中に配置された噴射ノズルと、
前記噴射ノズルからのシャワー流と前記室内循環空気との混合流体をその前端から取り入れ、その後端から排出して循環空気を冷却又は加熱する金属ハニカム構造体と、
前記金属ハニカム構造体の後端から排出された混合流体中の温度及び湿度を調整するラジエーターと、を備え、
該噴射ノズルは、1台の金属ハニカム構造体に対応して1台が配置されており、
該金属ハニカム構造体の貫通孔前端にのみ向けて、地下水を水源としたシャワー流を直接噴射するとともに、金属ハニカム構造体を冷却又は加熱して、
該金属ハニカム構造体は、
その通過する循環空気を冷却又は加熱するようにしたことを特徴とする空調及び清浄化装置。 - 前記金属ハニカム構造体、噴射ノズル及びラジエーターの組み合わせを、複数組備えたことを特徴とする請求項1に記載の空調及び清浄化装置。
- 前記室内循環空気を空気取入口から取り入れるとともにその内部で処理された空気を空気排出口から吐出する熱交換器本体を縦置きにし、
前記金属ハニカム構造体の上方から噴射ノズルによってシャワー流を噴射するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の空調及び清浄化装置。 - 前記熱交換器本体の後端に湿度センサーを設け、前記金属ハニカム構造体に噴射する噴射ノズルから噴出させる水流の量を調整するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調及び清浄化装置。
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