JP2020186819A - 地下水利用型熱交換装置およびこれを用いた空調システム - Google Patents

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勝司 長谷
光洋 長谷
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Abstract

【課題】限られた少ないスペースの中で高い熱交換効率を実現しつつ、それでいて出来るだけ人手を介さずに定期的なメンテナンスを実行可能な地下水利用型熱交換装置およびこれを用いた空調システムを提供する。【解決手段】本発明の地下水利用型熱交換装置は、筐体と、筐体の一側に設けられて屋内を循環した戻り空気を取り入れる戻り空気取入口と、筐体内に配設されて地下水を用いて戻り空気と熱交換を行うプレートフィンクーラーと、筐体の他側に設けられてプレートフィンクーラーと熱交換を行った戻り空気を温調空気として筐体外部へ供給する温調空気供給口と、地下水を第1の大きさの水滴に変化させて戻り空気に吹き付ける第1噴射ノズルと、第2の大きさの水滴に地下水を変化させてプレートフィンクーラーに吹き付ける第2噴射ノズルと、を含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、工場や事務所などの建屋内を循環する空気に対して熱交換を行う熱交換技術に関し、より具体的には、地下から汲み上げられる一定温度の地下水を利用して暖房や冷房が実現可能な地下水利用型熱交換装置およびこれを用いた空調システムに関する。
人々の生活を豊かにする各種の物資は工場で日々生産されており、かような生産現場では多数の人が事務所などで生産管理など行っている。かような工場や事務所では、例えば事務所内では仕事の能率を高めることなどを目的として、あるいは工場では製造物の品質を保つことなどを目的として、建屋内の空気を循環させる空調制御が行われていることが多い。
かような空調制御を行う設備としては、例えば一般的なエアコンなどの空調装置を多数設置することも考えられるが、この場合にはその設置費用や運用コストが膨大となってしまう。これに対して近年においては、例えば特許文献1や特許文献2に示すようなコストが相対的に安価となる自然エネルギーを利用した空調設備も提案されている。
この自然エネルギーとしての地下水は、年間を通じてその地域の年間平均気温とほぼ一定の温度であることから、例えば特許文献1では地下水を熱源に利用して熱交換を行うヒートポンプシステムが提案されている。
さらに特許文献2に記載の空調及び清浄化装置では、屋内循環空気を空気取入口から取り入れるとともにその内部で処理された空気を空気排出口から吐出する熱交換器本体と、前記屋内循環空気の流れ方向に沿って地下水のシャワー流を噴射する噴射ノズルと、前記噴射ノズルからのシャワー流と前記屋内循環空気との混合流体をその前端から取り入れて冷却又は加熱する金属ハニカム構造体と、前記金属ハニカム構造体の後端から排出された混合流体中の温度及び湿度を調整するラジエーターと、を備えることが提案されている。
これにより循環空気を地下水と接触させることによって屋内循環空気の温度や湿度などの調整を行なうことが可能となっている。
特開2014−47988号公報 特開2015−158314号公報
しかしながら、上述した特許文献に限らず現在の技術では市場のニーズを適切に満たしているとは言えず、以下に述べるごとき課題が未だ存在する。
すなわち上述した工場や学校あるいは公共施設などの比較的大規模な建物は、通常は利用効率を最大限に生かす設計がなされている。しかしながら例えば建物が林立する都会や地方の中心部では土地が無制限にあるわけではなく、限られた少ないスペースの中で効率の良い空調システムを設置せねばならない。
これに加え、上記したような地下水を利用した空調システムにあっても効率のよいメンテナンス手法が希求されており、特に比較的大規模な建物は郊外にあることも多く、出来るだけ人手を介さずに定期的なメンテナンスを実行できることが理想的と言える。
ここで、上記した比較的大規模な建物の屋内に空調システムを設置する場合、どうしてもチリや埃などの汚染要因が多いため一般家庭用途の空調システムに比して汚れ具合が早く進行する傾向にある。
これに対して上記した特許文献1及び特許文献2を含む従来技術においては、省エネ・省スペースに適応しつつ更に効率の良いメンテナンスが可能な空調システムは未だ提案されておらず、このような課題の認識すらない状況と言える。
本発明は、上記した課題を一例に鑑みて為され、限られた少ないスペースの中で高い熱交換効率を実現しつつ、それでいて出来るだけ人手を介さずに定期的なメンテナンスを実行可能な地下水利用型熱交換装置およびこれを用いた空調システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態における地下水利用の密閉式熱交換装置は、(1)フィン付チューブに地下水を通し屋内の空気と接触させて熱交換を行う地下水利用型熱交換装置であって、筐体と、前記筐体の一側に設けられ、前記屋内を循環した戻り空気を取り入れる戻り空気取入口と、前記筐体内に配設されて、前記地下水を用いて前記戻り空気と熱交換を行うプレートフィンクーラーと、前記筐体の他側に設けられ、前記プレートフィンクーラーと熱交換を行った戻り空気を温調空気として当該筐体の外部へ供給する温調空気供給口と、前記地下水を第1の大きさの水滴に変化させて前記戻り空気に吹き付ける第1噴射ノズルと、前記第1の大きさよりも大きな第2の大きさの水滴に前記地下水を変化させて、前記プレートフィンクーラーに吹き付ける第2噴射ノズルと、を含むことを特徴とする。
第1噴射ノズルは、戻り空気の中の質量のある物質を除去させる目的で細霧を放出する。このとき第1噴射ノズルから噴射された細霧は戻り空気と共にプレートフィンクーラーに到達する。第2噴射ノズルは、上記したプレートフィンクーラー、筐体などを清掃する目的で細霧よりも粒径が大きな粗霧を放出する。
なお、上記した(1)に記載の地下水利用型熱交換装置においては、(2)前記第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルは、前記戻り空気取入口と前記プレートフィンクーラーの間に設置されて、前記プレートフィンクーラーの前面に向けてそれぞれ水滴を吹き付けることが好ましい。
また、上記した(1)または(2)に記載の地下水利用型熱交換装置においては、(3)前記第1噴射ノズル及び前記第2噴射ノズルを保持するノズル保持機構を有し、前記ノズル保持機構は、それぞれの水滴が前記プレートフィンクーラーに向けて噴射されるように前記筐体の内に設置されてなることが好ましい。
また、上記した(1)〜(3)のいずれかに記載の地下水利用型熱交換装置においては、(4)前記第2噴射ノズルは、前記第1噴射ノズルの吹き付けタイミングとは異なるタイミングで、間欠的に前記第2の大きさの水滴を前記プレートフィンクーラーに吹き付けることが好ましい。
また、上記した(4)に記載の地下水利用型熱交換装置においては、(5)前記温調空気の温度を検出するセンサーと、を更に備え、前記センサーによって検出された前記温調空気の温度に基づいて、前記第2噴射ノズルの前記プレートフィンクーラーへの噴射タイミングが制御されることが好ましい。
さらに上記した課題を解決するため、本実施形態のまた、上記した(1)〜(5)のいずれかに記載の循環気体用熱交換装置においては、(6)前記噴射ノズルは前記筐体に複数設けられ、前記循環気体の温度に基づいて、前記複数の噴射ノズルのうちのいずれで前記液体を噴射するか選択する制御を行う制御装置をさらに具備することが好ましい。
さらに上記した課題を解決するため、本発明の一実施形態における空調システムは、(6)屋内に設置される上記(1)〜(5)のいずれかに記載の地下水利用型熱交換装置と、前記地下水利用型熱交換装置の戻り空気取入口と接続されて前記屋内の空気が戻り空気として吸引される吸引ダクトと、前記吸引ダクトの前記戻り空気を流通させる送風機構と、前記地下水利用型熱交換装置の温調空気供給口と接続されて前記屋内に温調空気を供給する供給ダクトと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、一年を通して温度の安定した地下水による夏の冷熱、冬の温熱利用でエネルギーとCO削減の大きな効果に加え、噴射ノズルによる空気の清浄と加湿並びに機器の定期清掃によってメンテナンスを効率良く行うことが可能となる。
しかし乍ら、空調規模が大型化するにつれて地下水の使用量が大幅に増大するため、例えば温・冷熱利用の際には密閉式プレートフィンクーラーとし、一方で空気の清浄化で利用する際などは少量吐出タイプの噴射ノズルと組合せることで利用済地下水の処理を有効に行うことが可能となる。
実施形態における地下水利用型熱交換装置100Aを含む空調システム200の全体構成を示す模式図である。 地下水利用型熱交換装置100Aを含む空調システム200の側面を模式的に示す側面図である。 地下水利用型熱交換装置100Aにおける第1噴射ノズル50および第2噴射ノズル60の設置態様を示す模式図である。 地下水利用型熱交換装置100Aを含む空調システム200の地下水流通経路を示す模式図である。 実施形態におけるメンテナンス方法(地下水利用型熱交換装置の洗浄方法)を説明するフローチャートである。 変形例1における地下水利用型熱交換装置100Bの第1噴射ノズル50および第2噴射ノズル60の設置態様を示す模式図である。 変形例2における地下水利用型熱交換装置100Cを含む空調システム200の地下水流通経路を示す模式図である。 変形例3における地下水利用型熱交換装置100Dを含む空調システム200を示す模式図である。 変形例4における地下水利用型熱交換装置100Eを含む空調システム200を示す模式図である。 変形例5における地下水利用型熱交換装置100Fを含む空調システム200を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための一つの実施形態について説明する。なお、以下で特に詳述する構成以外の構造については、例えば特開2015−158314号公報など地下水を利用した公知の熱交換システムを適宜適用してもよい。
[空調システム200]
図1は本発明の実施形態における地下水利用型熱交換装置100Aを含む空調システム200の全体構成を模式的に示す外観斜視図であり、図2は地下水利用型熱交換装置100Aを含む空調システム200の側面図である。
これらの図から明らかなとおり、空調システム200は、屋内に設置される地下水利用型熱交換装置100A、この地下水利用型熱交換装置100Aの戻り空気取入口20と接続されて屋内の空気が吸引される吸引ダクト110と、この吸引ダクト110の戻り空気RAを流通させる送風機構120と、地下水利用型熱交換装置100Aの温調空気供給口40と接続されて屋内に温調空気SAを供給する供給ダクト130と、を含んで構成されている。
なお本実施形態でいう「屋内」とは、工場や社屋あるいは学校や病院といった公共設備や比較的大規模な建築物の内部を言う。しかしながら前記した比較的大規模な建物に導入する場合に比して効果の程度は下がるものの、スペースが許す限りにおいて本実施形態の「屋内」には戸建ての住宅やマンションといった一般家屋の内部も含むようにしてもよい。
吸引ダクト110および供給ダクト130は、共に地下水利用型熱交換装置100Aに接続される。これらのダクトの材質や形状としては、特に制限はなく、公知の種々の形状(断面が矩形や円形など)のエアダクトを適用してもよい。
本実施形態においては、上記したダクトを用い、屋内の空気を取り込んで地下水利用型熱交換装置100Aも循環させることで、この屋内の空気に対する空調を効率良く行っている。
送風機構120は、屋内の空気を戻り空気RAとして地下水利用型熱交換装置100Aに導くと共に、当該地下水利用型熱交換装置100Aから清浄で温度調整された温調空気SAを屋内に再び供給する機能を有している。より具体的に本実施形態の送風機構120は、地下水利用型熱交換装置100Aの上流側(吸引ダクト110側)に設置され、空調システム200内の空気を所望の方向に向けて循環させる機能を有している。
かような送風機構120としては、例えば業務用扇風機、電動送風ポンプ、ストレートシロッコファン、片吸込形シロッコファン、斜流ダクトファンなど公知の種々の送風機が適用できる。
なお設置スペースの効率化などの観点から、上記送風機構120の一例として、例えば吸引ダクト110に設置可能な小型の送風ポンプ(エアーポンプ)を適用してもよい。また、本実施形態では図1などに示すとおり1つの送風機構120を地下水利用型熱交換装置100Aの上流側(吸引ダクト110側)に設置したが、これに代えて/又は加えて地下水利用型熱交換装置100Aの下流側(供給ダクト130側)に送風機構120を設置してもよい。
[地下水利用型熱交換装置100A]
以下、図1〜図4を参照しつつ、本実施形態における地下水利用型熱交換装置100Aについて説明する。
これらの図に示すとおり、地下水利用型熱交換装置100Aは、熱交換器を介して地下水GWと接触させることによって屋内Idの空気に対して熱交換を行う機能を有して構成されている。より具体的に本実施形態の地下水利用型熱交換装置100Aは、筐体10、戻り空気取入口20、プレートフィンクーラー30、温調空気供給口40、第1噴射ノズル50及び第2噴射ノズル60を含んで構成されている。
筐体10は、後述する地下水利用型熱交換装置100Aを収容する機能を有した外装材である。より具体的に本実施形態の筐体10は、例えばメインとなる筒状体の開口両端にロート状に先細りした円錐筒が接続された構成であり、例えば公知の金属または樹脂で形成されている。なお、筐体11のうち地下水利用型熱交換装置100Aが配置されるメインとなる部位は断面形状が円状となっており、上記した筒状体としては円筒が用いられている。しかしながら筐体11の上記断面形状は円に限られず、例えば楕円の他、四角形などの矩形や六角形などの多角形状でもよい。なお筐体10は、地下水利用型熱交換装置100Aの熱効率を向上させる目的などから公知の断熱材で覆われていてもよい。
戻り空気取入口20は、前記した筐体10の一側(戻り空気RAが入ってくる側)に設けられる開口である。本実施形態では、この戻り空気取入口20を介して、屋内Idを循環した空気(この屋内Idから戻り空気取入口20に入る空気を特に「戻り空気RA」と称する)を地下水利用型熱交換装置100Aに取り入れるように構成されている。図示からも明らかなとおり、この戻り空気取入口20の径は、上記した吸引ダクト110の接続端部110eの径とほぼ一致している。
プレートフィンクーラー30は、前記した筐体10内に配設されて、地下水GWを用いて戻り空気RAと熱交換を行う機能を有している。上述のとおり地下水は通年で一定の温度(その地域の年間平均気温に等しい温度)であるため、夏場は屋内の熱された空気に対して冷熱として作用するとともに冬場は冷えた空気に対して温熱として作用する。このように本実施形態の地下水利用型熱交換装置100Aでは、地下水を熱媒体(冷熱もしくは温熱)として利用することで、空調用のエネルギー消費量を大きく削減することが可能となっている。
なお本実施形態においては、地下水GAを利用した熱交換器の具体例として最も効率が良い形態を種々検討した結果、図2等に示した上記プレートフィンクーラー30を適用した。かような「熱交換器」の一例であるプレートフィンクーラー30は、小規模施設には規格品を利用するが、施設規模、設置場所に合わせて伝熱管フィン、ケースの材質や方法などを自在に定めることができコストと性能が最もバランスの取れたベストモードとしての適用例であると考えられる。しかしながら本発明に適用可能な熱交換器はプレートフィンクーラー30に限定されるわけでなく、地下水を利用して熱交換を行うための他の公知の熱交換器を適用してもよい。
温調空気供給口40は、前記した筐体10の他側(上記一側と反対側)に設けられる開口である。本実施形態では、この温調空気供給口40を介して、上記したプレートフィンクーラー30と熱交換を行った戻り空気RAを温調空気SAとして生成するように構成されている。なお図示からも明らかなとおり、この温調空気供給口40の径は、上記した供給ダクト130の接続端部130eの径とほぼ一致している。かような温調空気SAは、この後に供給ダクト130を介して当該筐体10の外部(すなわち屋内Id)へ供給される。
次に図3も参照しつつ、本実施形態における第1噴射ノズル50と第2噴射ノズル60について詳述する。
第1噴射ノズル50は、前記した地下水GWを第1の大きさLの水滴dpに変化させて戻り空気RAに吹き付ける機能を具備している。かような第1噴射ノズル50としては、例えば地下水を直径100〜300μの細霧を気液混合体として噴出可能な公知のノズルが適用できる。
ここで、上記した第1の大きさLの水滴dpとしては直径が100〜300μm程度であり、戻り空気RA中の粉塵を除去することが目的のため噴量は0.3〜0.5リットル/minとすることが好ましい。また、上記したノズルの構造としては、地下水GWを第1の大きさLの水滴dpに変化可能であれば特に制限はなく公知の種々の構造を適用してもよい。
本実施形態の第1噴射ノズル50は、戻り空気取入口20とプレートフィンクーラー30の間に設置されて、プレートフィンクーラー30に入る以前の戻り空気RAに対して第1の大きさLの水滴dpを吹き付けるように構成されていることが好ましい。これによりプレートフィンクーラー30には比較的清浄な戻り空気RAが供給されることになり、プレートフィンクーラー30の汚染を抑制することが可能となっている。
なお図3に示すとおり、本実施形態においては、この第1噴射ノズル50及び後述する第2噴射ノズル60は、それぞれノズル保持機構70を介して戻り空気取入口20に設置される構成となっている。またノズル保持機構70は、例えば第1噴射ノズル50及び第2噴射ノズル60を保持する金属材で構成されている。なおノズル保持機構70の表面は、塗装やめっき処理などの公知の防錆処理が施されていることが望ましい。
さらに同図から明らかなとおり、本実施形態におけるノズル保持機構70は、第1噴射ノズル50及び第2噴射ノズル60におけるそれぞれの水滴がプレートフィンクーラー30に向けて噴射されるように筐体10内(本例では戻り空気取入口20)に設置されてなることが好ましい。このように配置することで、空気の流れに沿って上流側から下流側へ水滴を効率良く噴射することが可能となる。
第2噴射ノズル60は、前記した第1の大きさLよりも大きな第2の大きさLの水滴dpを噴射できる粗霧スプレーとして、第1噴射ノズル50と並列に(例えば上下に並列又は左右に並列)設置してプレートフィンクーラー30に吹き付ける機能を具備している。
ここで、上記した第2の大きさLの水滴dpとしては、第1の大きさLよりも大きくプレートフィンクーラー30に付着した埃などを除去する効果を有する限り特に制限はないが、例えば1mm〜2mm程度とすることが好ましい。かようなノズルの構造としては、地下水GWを第2の大きさLの水滴dpに変化可能であれば特に制限はなく公知の種々の構造を適用してもよい。
そして第2噴射ノズル60は、第1噴射ノズル50と同様に、戻り空気取入口20とプレートフィンクーラー30の間に設置されて、プレートフィンクーラー30に対して所定のタイミングで第2の大きさLの水滴dpを吹き付けるように構成されていることが好ましい。なお、第2噴射ノズル60による地下水GWの噴射タイミングについては後に詳述する。
また、本実施形態では、第2噴射ノズル60は、ノズル保持機構70を介して第1噴射ノズル50とほぼ同じ場所(設置高さが異なる程度)に設置されているが、この形態に限られない。例えば第1噴射ノズル50と第2噴射ノズル60は、それぞれ別体のノズル保持機構70によって異なる箇所に設置されていてもよい。
なお図4や図7を用いて後述するとおり、第1噴射ノズル50や第2噴射ノズル60から噴射された水滴(地下水)及びプレートフィンクーラー30よりのドレイン水(図7の場合)は、筐体10の底部に設けられたドレインパンの排水口11を介して筐体10の外に排出されるように構成されている。より具体的には例えば図4に示すとおり、排出口11には排水パイプ12aが連結されており、この排水パイプ12aを介して使用済の地下水は下水道Wに放流される。一方で図4においては、プレートフィンクーラー30よりのドレイン水は、下流に位置する還元井302又は浸透井303に適宜還流あるいは放出される。
<地下水の流通形態>
ここで図4を参照しつつ、本実施形態における地下水GWの流通形態の一例についてより具体的に説明する。
同図に示すとおり、本実施形態の空調システム200は、地下水脈300から地下水GWを上部の地点(揚水井)301で採水して熱交換や洗浄に利用する。そしてこれらの処理を終えた使用済の地下水は、その後に下流側の地点(還元井)302にて地下水脈300に還元される。なお本実施形態においては、バルブVdやVeを介してプレートフィンクーラー30よりのドレイン水を還元井302又は浸透井303に戻しているが、他の公知の手法を用いてもよい。
また、プレートフィンクーラー30よりのドレイン水は、後述する変形例とは異なってその後に噴射ノズルへ供給されないことから、還元井302又は浸透井303に戻さずに空調システム200が設置された施設の雑用水などに少なくとも一部が再利用されてもよい。すなわち、プレートフィンクーラー30で使用したドレイン水は、密閉式であるためその水質はほぼ汲み上げ時のままであり、温度調整だけに利用するものである。したがって、例えば使用済のドレイン水は、そのまま還元井や浸透井に戻したりできることに加え、後述するとおり雑用水として少なくとも一部が二次利用できる。このようにドレイン水を雑用水として施設内の他の水に二次利用する場合には水道料を大幅に軽減できる。
より具体的に本実施形態においては、上流側の地点301で採水された地下水は、まず流量調整バルブVaと流通パイプPaを介して地下水利用型熱交換装置100Aへと供給される。なお地下水利用型熱交換装置100A(プレートフィンクーラーや各噴射ノズル)に供給された地下水(プレートフィンクーラーからのドレイン水や各噴射ノズルからのスプレー水)は、排水口11などを介して系外(上記した還元井、浸透井又は下水道)に排出される。
一方、上記プレートフィンクーラー30への供給と並列して、上流側の地点301で採水された地下水は、流量調整バルブVb、Vcと流通パイプPaを介して第1噴射ノズル50と第2噴射ノズル60へと供給される。
より具体的には図4に示すとおり、流量調整バルブVa以降の流通パイプPaは、まずプレートフィンクーラー側と噴射ノズル側とに分岐し、さらに第1噴射ノズル50と第2噴射ノズル60の手前で分岐してそれぞれ第1噴射ノズル50と第2噴射ノズル60に接続される。
また、第1噴射ノズル50と第2噴射ノズル60の手前には流量調整バルブVb、Vcがそれぞれ配置されて各噴射ノズルへの流量調整が行われている。これら上記した流量調整バルブVa〜Vcは、後述する制御装置90によって開閉状態が制御される構成となっている。
なお第1噴射ノズル50や第2噴射ノズル60によって噴射された地下水(上記スプレー水)は、排出口11と排水パイプ12aを介して系外(この場合は下水道SW)に排出されることは上述のとおりである。
本実施形態においては上述のとおり各バルブVa〜Vcの開度を上記制御装置90が制御することで、適切なタイミングで適切な流量の地下水GWをそれぞれ地下水利用型熱交換装置100Aや第1噴射ノズル50あるいは第2噴射ノズル60へ供給することが可能となっている。
<地下水GWを利用した空調方法>
次に図5も参照しつつ、本実施形態における地下水GWを利用した空調方法について説明する。なお以下の空調方法は、制御装置90によって地下水利用型熱交換装置100Aや送風機構120と各種センサー(後述)の動作が制御されることで実行される。かような制御装置90としては、例えばメモリなどの記憶手段やCPUなどの演算装置が組み込まれた公知のコンピュータやスマートフォンなどの携帯端末が例示できる。
まず使用者は、不図示のリモコンなどを介し、上記した空調システム200の電源をONにして空調制御を開始する。
すると図4及び5に示すとおり、上記した制御装置90は、ポンプPo及び流量調整バルブVaの開度を調整して地下水GWを上流側の地点(揚水井)301から取水する制御を行う。このとき一定温度に保たれた地下水GWは流通パイプPaを介して地下水利用型熱交換装置100Aのプレートフィンクーラー30などへと供給される(ステップ1)。
このステップ1と並行して、上記した制御装置90は、送風機構120を制御して屋内Idの空気を吸引ダクト110に吸引させ、この吸引した空気(戻り空気RA)を地下水利用型熱交換装置100Aへと吸引ダクト110を介して流通させる制御を行う(ステップ2)。なおこのステップ2は、ステップ1と少なくとも一部が並行していてもよい。また上記したステップ1とステップ2は、本例ではステップ1から開始される例で説明したが、ステップ2から開始されるなどいずれが早く開始されてもよい。
次いで戻り空気RAがプレートフィンクーラー30へ向けて流通すると、上記制御装置90は、第1噴射ノズル50から第1の大きさLの水滴dpを戻り空気RAへ吹き付ける制御を行う(ステップ3)。より具体的に上記制御装置90は、流量調整バルブVbの開度を調整して流通パイプPaを介して第1噴射ノズル50に地下水GWを供給する制御を行う。
これにより、戻り空気RA中に浮遊するチリや埃などの粉塵が水滴dpによって除去されて戻り空気RAが清浄化されるとともに、プレートフィンクーラー30を通過する戻り空気RAと地下水GWとで熱交換が行われる。したがって、例えば屋内の気温が摂氏25度を超える夏場であれば、この戻り空気RAがプレートフィンクーラー30内を流通する地下水GWによって冷却され、これにより戻り空気RAは温調空気SAとして供給ダクト130から屋内へと供給(循環)される。
次いで上記制御装置90は、地下水利用型熱交換装置100Aにて戻り空気RAと地下水GWの熱交換が開始してから所定時間(例えば予め設定した温度検出タイミングであり、例えば数分〜数十分などが例示できる)が経過したか否かを判定する(ステップ4)。そしてこのステップ4で上記した所定の時間が経過していなければ、ステップ3に戻って地下水利用型熱交換装置100Aによる熱交換処理を継続する。
ステップ4で上記した所定の時間が経過した場合、次いで制御装置90は温調空気SAの温度を検出する制御を行う(ステップ5)。
ここで図2に示すとおり、本実施形態における空調システム200は、地下水利用型熱交換装置100Aで熱交換された温調空気SAの温度を検出する第1センサー80を備えている。より具体的に本実施形態においては、この第1センサー80は、地下水利用型熱交換装置100Aの下流側(供給ダクト130内)に設置されている。
次いで、図5に示すとおり、上記制御装置90は、第1センサー80で取得した温度の値が目標値の範囲内にあるか否かを判定する(ステップ6)。ここで、「目標値」としては、例えば上記リモコンに温度設定の機能(地下水脈中の水温付近が想定される)がある場合にはその設定温度のことを言い、通常は目標値としてその地域の地下水脈の水温+1〜3°程度であると言える。
そしてステップ6でNoの場合、すなわち温調空気SAが目標値の範囲内に入っていない場合には、上記制御装置90は第2噴射ノズル60からプレートフィンクーラー30に第2の大きさL2の水滴dp2を噴射する制御を行う(ステップ7B)。これにより、例えばプレートフィンクーラー30の外面にも第2噴射ノズル60から地下水GWが噴射されることで、プレートフィンクーラー30の冷却効果を向上させるとともに、プレートフィンクーラー30に付着した汚れを洗い流すことが可能となる。これによりプレートフィンクーラー30に付着した汚れが除去されることで戻り空気RAの熱交換を促進することが可能となる。
一方でステップ6においてYesの場合、すなわち温調空気SAが目標値の範囲内に入っている場合には、上記制御装置90は第2噴射ノズル60からの地下水GWの噴射を停止する制御を行う(ステップ7A)。
次いでステップ7Aの後は、上記制御装置90は、ステップ8において電源がOFFとなっているか確認し、電源がOFFとなっていない場合には再びステップ6へと戻って温調空気SAの温度が目標値の範囲内かが判定される。
なおステップ7Aにおいては、第2噴射ノズル60からの地下水GWの噴射を停止するときも依然として第1噴射ノズル50からの地下水GWの噴射は継続されている。
したがってステップ8で電源がOFFとなった場合には、上記制御装置90は、第1噴射ノズル50からの地下水GWの噴射を停止する制御を行うとともに、必要に応じて送風機構120の動作やポンプPoの駆動も停止する制御を行う。
このように本実施形態における上記制御装置90は、第1センサー80によって検出された温調空気SAの温度に基づいて、第2噴射ノズル60のプレートフィンクーラー30への噴射タイミングを制御している。より具体的な噴射タイミングの制御態様としては、本実施形態の第2噴射ノズル60は、第1噴射ノズル50の吹き付けタイミングとは異なるタイミングで、間欠的に上記した第2の大きさLの水滴dpをプレートフィンクーラー30に吹き付けている。
このとき図2からも明らかなとおり、第1噴射ノズル50からの水滴dpは、吸引ダクト110からの戻り空気RAの流れを阻害しない方向に噴射されている。換言すれば、第1噴射ノズル50からの噴射方向(第1噴射ノズル50の向き)は、戻り空気RAの流れに逆らわない方向(すなわち下流側)へ向かうように設定されていると言える。
これにより戻り空気RAの循環を阻害せずに当該戻り空気RA内の埃などの粉塵を効率的に除去することが可能となっている。
以上説明した第1実施形態における地下水利用型熱交換装置100Aおよび空調システム200によれば、温度の安定した地下水脈からの地下水GWによってプレートフィンクーラーを介して戻り空気RAと熱交換を行う際に、空気の清浄/加湿と、熱交換器の機器(プレートフィンクーラーや筐体など)のメンテナンスとを高い次元で効率良く行うことが可能となっている。
また、本実施形態のごとき地下水GWを利用した空調システムを実現する場合、特にシステムが大規模となると使用する地下水の量も膨大となる。したがってこのような多量の水(一例として年間で12kトンなど)に排水する場合には、周囲の排水基準値(ある湖では生物化学的酸素要求量や浮遊物質量が基準値以内であることが要求される)を順守しなければならない。
これに対して本実施形態では、噴射ノズルからのスプレー水は下水道に排水するとともに、プレートフィンクーラーからのドレイン水は還元井や浸透井に還流する構成とした。このように開放式と密閉式とを組合せることで、上記した排水の問題に対して水質を調整する装置を別途設けることなく効率的に地下水を利用した空調システムを実現することができる。
なお上記した実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、上述の実施形態に適宜適用が可能な変形例について図を用いて説明する。なお、以下の変形例においても、既述の構成と同じ機能・作用を奏するものは同じ参照番号を付し、その説明は適宜省略する。
<変形例1>
図6に、変形例1における地下水利用型熱交換装置100Bの第1噴射ノズル50および第2噴射ノズル60の設置態様を示す。上記した実施形態では第1噴射ノズル50と第2噴射ノズル60はそれぞれ単数配設されていた。これに対して、同図に示すとおり、本例の噴射ノズルは、第1噴射ノズル50Aと50B、および第2噴射ノズル60Aと60Bのように、それぞれ複数設けられている点に主とした特徴がある。
これにより上記した制御装置90は、第1噴射ノズル50A及び50B並びに第2噴射ノズル60A及び60Bのそれぞれについて各ノズルから噴射される地下水滴の量と噴射タイミングを制御することが可能となっている。
なお本例ではさらに、電磁モーターなど公知の回転手段(不図示)をノズル保持機構70に具備してもよい。そしてこの回転手段を介して第1噴射ノズル50および第2噴射ノズル60がノズル保持機構70に保持されることで、これら噴射ノズルは中心Oを基準に戻り空気RAの流通軸周り(吸引ダクト110の周方向)に回転することが可能となる。上記した制御装置90は、所定のタイミングで、回転手段を制御することで第1噴射ノズル50および第2噴射ノズル60を吸引ダクト110内で回転させる制御を行うことができる。
これにより、吸引ダクト110の周方向において、より万遍なく効率的に第1噴射ノズル50および第2噴射ノズル60から地下水GWを噴射することが可能となる。
なお本例では、第1噴射ノズル50および第2噴射ノズル60のそれぞれが複数配設される例を示したが、この例に限られず第1噴射ノズル50および第2噴射ノズル60のうちの少なくとも一方が複数配設される形態であってもよい。また、第1噴射ノズル50および第2噴射ノズル60は、必ずしも同じ数だけ配設される必要はなく、互いに異なる数の第1噴射ノズル50および第2噴射ノズル60が配設されていてもよい。
また、上記回転手段によって第1噴射ノズル50および第2噴射ノズル60を同時に回転させる必要は必ずしもなく、これらが別体のノズル保持機構で保持される前提で、いずれか一方だけを吸引ダクト110の周方向に回転させるようにしてもよい。
<変形例2>
図7に、変形例2における地下水利用型熱交換装置100Cを含む空調システム200の地下水流通経路を示す。
上記した実施形態では地下水脈300からそれぞれ個別系統でプレートフィンクーラーと噴射ノズルとに並列的に地下水GWが流通していた。すなわち上記実施形態では、噴射ノズルに対してもプレートフィンクーラーを経由しない新鮮な地下水GWが供給されていた。これに対して、同図に示すとおり、本例における地下水GWの流通形態は、プレートフィンクーラーと噴射ノズルとに直列的に地下水GWが流通している点に主とした特徴がある。
同図に示すとおり本例では、まず地下水脈300における上流側の地点(揚水井)301で採水された地下水GWは、流通パイプPaと流量調整バルブVaを介してプレートフィンクーラー30に供給される。なお図示のとおり、流通パイプPa上にはポンプPoが設置されていて当該ポンプPoと流量調整バルブVaを上記制御装置90が制御することで地下水GWの流量が調整されている。
そしてプレートフィンクーラー30から排出された熱交換後の地下水GWは、流通パイプPbを介して第1噴射ノズル50と第2噴射ノズル60とにそれぞれ供給される。このとき流通パイプPbは第1噴射ノズル50と第2噴射ノズル60とに途中で分岐されており、分岐後のパイプ上にはそれぞれ流量調整バルブVbとVcが設置されている。これにより上記制御装置90は、流量調整バルブVa〜Vcを適宜制御することで任意の流通経路で地下水GWを流通させることが可能となっている。
次いで第1噴射ノズル50及び/又は第2噴射ノズル60からそれぞれ噴射された地下水GWの水滴は、排出経路Pc(パイプや受け皿など公知の集水手段が例示できる)を介して最終的に排出口11で集められ、さらにこの後は排水パイプ12aを介して系外(下水道SW)に排出される。
このように本例では、まず揚水した地下水GWをプレートフィンクーラー30の熱交換で利用し、次いでこの熱交換に利用した後の地下水GWを第1噴射ノズル50や第2噴射ノズル60に供給する構成とした。これにより、上記実施形態に比してよりシンプルでメンテナンスが容易な地下水の利用を実現することが可能となっている。
<変形例3>
図8に、変形例3における地下水利用型熱交換装置100Dを含む空調システム200を示す。本例における筐体10内は、温調空気SAに対して除湿を行う除湿機構が設けられている点に主とした特徴がある。
すなわち同図に示すとおり、地下水利用型熱交換装置100Dの筐体10は、上記除湿機構として、除湿部材13と、この除湿部材13を挿入する挿入部14と、筐体10内で除湿部材13を固定して保持する除湿部材保持部15と、をさらに含んで構成されている。
除湿部材13は、例えば活性炭やシリカゲルなどの吸湿部材で構成された公知の除湿シートを外枠材で固定した除湿基材を幅方向(図8の紙面を貫く方向であって、温調空気SAの流れる方向と交差する方向)に複数個並べた形態を有している。本例では、この除湿部材13は、熱交換器(プレートフィンクーラー30)に対して下流側となるように配置されている。
従ってこの除湿部材13における各除湿シートの間隙を温調空気SAが通過することで、この温調空気SA中に含まれる余剰な水分が除去されることになる。
なお本例では除湿シートが間隙を隔てて複数並置される構成としたが、単一の除湿シートを設置してもよい。また、本例では除湿専用の電源を用いずに地下水GWの除湿を行っているが、除湿部材13としては上記の例に限られず、例えば電力を利用した公知の除湿機構を適用してもよい。
なお、上記した除湿部材13を筐体10の上方から挿入可能な開口を有する挿入部14には、別途ガラス板などの透明板が用いられて筐体10内部の様子が視認可能となっていてもよい。
また、除湿部材保持部15としては、特に構造的な制約はなく、筐体10内で安定して除湿部材13を保持可能であれば、例えば筐体10内の天井側から吊り下げ固定する形態であってもよいし、筐体10内の底部で除湿部材13を立設して固定する形態であってもよい。
本例によれば除湿部材13を用いることで簡易に地下水GWから余剰な水分を除去することが可能となる。なお除湿部材13の挿入態様については機械によって自動的に行ってもよいし、作業者が手作業で任意のタイミングで行ってもよい。
<変形例4>
図9に、変形例4における地下水利用型熱交換装置100Eを含む空調システム200を示す。上記した実施形態では、地下水利用型熱交換装置100Aの下流側に温度を計測する第1センサー80が設置されていた。これに対して、本例における空調システム200では、第1噴射ノズル50の上流側にもセンサーが設けられている点に主とした特徴がある。
すなわち同図に示すとおり、地下水利用型熱交換装置100Eを含む空調システム200は、戻り空気RAの温度を計測する第2センサー81をさらに具備している。より具体的に本例における第2センサー81は、第1噴射ノズル50の上流側のうち吸引ダクト110内に設置されている。
したがって上記した制御装置90は、第2センサー81で検出した戻り空気RAの温度が設定値から所定値以上(例えば設定温度から10°以上離れている場合など)離れているときは、第2噴射ノズル60を強制的に始動させてプレートフィンクーラー30に向けて水滴dpを噴射することができる。
あるいは、上記した制御装置90は、熱交換器(プレートフィンクーラー30)の下流側の第1センサー80と、上流側の第2センサー81との差分値から、第2噴射ノズル60を強制的に始動させてプレートフィンクーラー30に向けて水滴dpを噴射する制御をしてもよい。当該差分値としては、例えば第1センサー80と第2センサー81とで検出した温度の差分値が10°以上の場合などが例示できる。
以上説明した本例の地下水利用型熱交換装置100E及び空調システム200によれば、熱交換器の上流側と下流側とで複数のセンサーを用いて空調システム200の状態を適切に維持することが可能となり、よりメンテナンスの手間が省けたシステムを実現することが可能となっている。
<変形例5>
図10に、変形例5における地下水利用型熱交換装置100Fを含む空調システム200を示す。本例においては、空気中の埃などの粉塵を計測可能なダストセンサー82を地下水利用型熱交換装置100F及び空調システム200が具備するように構成されている。
より具体的には、同図に示すとおり、本例の吸引ダクト110内にはダストセンサー82が設置されている。かようなダストセンサー82としては、埃などを検知可能な公知のダストセンサーを適用できる。また、ダストセンサー82の設置箇所としては、熱交換器(プレートフィンクーラー30)の上流側(この場合は戻り空気RAが計測対象)に加え又は代えて、熱交換器(プレートフィンクーラー30)下流側(この場合は温調空気SAが計測対象)に設定されていてもよい。
以上説明した本例の地下水利用型熱交換装置100F及び空調システム200によれば、熱交換器の上流側及び/又は下流側でダストセンサーを用いて空調システム200に流通する空気の状態を検出することが可能となり、より効率的な熱交換器(プレートフィンクーラー30)による熱交換処理などを実現することが可能となっている。
<その他の変形例>
なお、上記実施形態又は変形例に加え、本発明の空調システム200は、戻り空気RA又は温調空気SAの脱臭を行う活性炭フィルターなど公知の空気脱臭機をさらに具備していてもよい。
また、上記実施形態又は変形例に加え、本発明の空調システム200は、戻り空気RA又は温調空気SAの除菌を行うプラズマ除菌装置などの公知の除菌装置をさらに具備していてもよい。
以上説明した形態は一例であって、本願の趣旨を逸脱しない限り上記で説明した実施形態および変形例の要素を適宜組み合わせて循環気体用熱交換装置や空調システムを構成してもよい。例えば本発明の空調システム200は、実施形態および変形例3〜変形例5で示した第1センサー80、第2センサー81およびダストセンサー82のすべてを具備する構成としてもよい。
また上記では温調空気SAが目標値の範囲内に入っていない場合に第2噴射ノズル60から水滴を噴射しているが、これに限らず例えば第2噴射ノズル60から定期的に(例えば3ヶ月に1回の割合で)噴霧するよう電磁弁がセットされているようにしてもよい。すなわち第2噴射ノズル60からの粗霧は筐体やプレートフィンクーラー30の定期的な清掃も目的とし、通常の場合は設置されるフィルターを付けずに、フリーメンテナンスを可能としつつ同時に温調空気SAの温度が予定温度に達しないときに自動的にスプレーする形態であってもよい。
以上説明したように、本発明は、省スペースでメンテナンスの頻度が低減されて高い熱交換効率を実現する地下水利用型熱交換装置および空調システムを構築するのに適している。
100A〜100F 地下水利用型熱交換装置
200 空調システム
10 筐体
20 戻り空気取入口
30 プレートフィンクーラー
40 温調空気供給口
50 第1噴射ノズル
60 第2噴射ノズル
70 ノズル保持機構
80 第1センサー
81 第2センサー
82 ダストセンサー
110 吸引ダクト
120 送風機構
130 供給ダクト

Claims (6)

  1. 地下水と接触させることによって屋内の空気に対して熱交換を行う地下水利用型熱交換装置であって、
    筐体と、
    前記筐体の一側に設けられ、前記屋内を循環した戻り空気を取り入れる戻り空気取入口と、
    前記筐体内に配設されて、前記地下水を用いて前記戻り空気と熱交換を行うプレートフィンクーラーと、
    前記筐体の他側に設けられ、前記プレートフィンクーラーと熱交換を行った戻り空気を温調空気として当該筐体の外部へ供給する温調空気供給口と、
    前記地下水を第1の大きさの水滴に変化させて前記戻り空気に吹き付ける第1噴射ノズルと、
    前記第1の大きさよりも大きな第2の大きさの水滴に前記地下水を変化させて、前記プレートフィンクーラーに吹き付ける第2噴射ノズルと、
    を含むことを特徴とする地下水利用型熱交換装置。
  2. 前記第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルは、前記戻り空気取入口と前記プレートフィンクーラーの間に設置されて、前記プレートフィンクーラーの前面に向けてそれぞれ前記地下水の水滴を吹き付ける請求項1に記載の地下水利用型熱交換装置。
  3. 前記第1噴射ノズル及び前記第2噴射ノズルを保持するノズル保持機構を有し、
    前記ノズル保持機構は、それぞれの水滴が前記プレートフィンクーラーに向けて噴射されるように前記筐体の内に設置されてなる請求項1又は2に記載の地下水利用型熱交換装置。
  4. 前記第2噴射ノズルは、前記第1噴射ノズルの吹き付けタイミングとは異なるタイミングで、間欠的に前記第2の大きさの水滴を前記プレートフィンクーラーに吹き付ける請求項1〜3のいずれか一項に記載の地下水利用型熱交換装置。
  5. 前記温調空気の温度を検出するセンサーと、を更に備え、
    前記センサーによって検出された前記温調空気の温度に基づいて、前記第2噴射ノズルの前記プレートフィンクーラーへの噴射タイミングが制御される請求項4に記載の地下水利用型熱交換装置。
  6. 屋内に設置される請求項1〜5のいずれか一項に記載の地下水利用型熱交換装置と、
    前記地下水利用型熱交換装置の戻り空気取入口と接続されて前記屋内の空気が戻り空気として吸引される吸引ダクトと、
    前記吸引ダクトの前記戻り空気を流通させる送風機構と、
    前記地下水利用型熱交換装置の温調空気供給口と接続されて前記屋内に温調空気を供給する供給ダクトと、
    を含むことを特徴とする空調システム。
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