以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、例えば下水道管などの既設管の更生工法に使用される合成樹脂製のプロファイル100(帯状部材)に、本発明を提供したものであり、まず、そのプロファイル100について図1および図2を参照して説明する。
−プロファイルの一例−
本実施形態のプロファイル100は、可撓性を有する合成樹脂、例えば、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを押出成形して長尺帯状に成形したものであり、図4を参照して後述するように、既設管Kの内周面に沿うよう螺旋状に巻回されて、更生管S(管状体)を形成する。このときに既設管Kの内周面と対面することになるプロファイル100の裏面、即ち基板101の裏面には、プロファイル100の長手方向に沿って複数本の補強リブ102が設けられている。図の例では断面T字状の補強リブ102が3本、互いにプロファイル100の幅方向に等間隔をあけて設けられている。
また、基板101の一側縁部(図の右側縁部)の裏面には接合凸部103が立設され、他側縁部(図の左側縁部)には、前記一側縁部に対応する幅で基板101の厚み分だけ裏面側(図の上側)に段落ちした段落ち部104が形成されており、この段落ち部104には前記接合凸部103の嵌入される接合凹部105が設けられている。つまり、プロファイル100の幅方向の両側縁部にそれぞれ接合凸部103および接合凹部105が形成されている。
さらに、図の例では接合凹部105の幅方向内側に、補強リブ102と同じ高さになるよう断面T字状の追加リブ105aが一体に形成される一方、段落ち部104の幅方向外側には、基板101から上方に離れるに連れて幅方向外方に位置するように傾斜する傾斜リブ106が形成されている。なお、隣り合う補強リブ102の間に例えば金属製の補強材を嵌め込むようにしてもよい。
このようなプロファイル100は、ドラムD(図4参照)に巻き重ねられて施工現場に輸送され、このドラムDから繰り出されて連続的に製管装置1に供給される。この際、プロファイル100は、補強リブ102などが立設された基板101の裏面側が外周側になるように製管装置1に供給され、図2(a),(b)に示すように、螺旋において先行する巻回部分(図の右側の部分)の接合凹部105に、後続の巻回部分(図の左側の部分)の接合凸部103が嵌め込まれる。
つまり、螺旋状に巻回されたプロファイル100において、先行する巻回部分に近い側を先行側と呼び、後続の巻回部分に近い側を後続側と呼ぶと、互いに隣接する巻回部分の先行側の側縁部と後続側の側縁部とが順次、接合されることによって、更生管Sの周壁が形成されるのである。この際、先行する巻回部分の傾斜リブ106には、後続の巻回部分の先行側の側縁の補強リブ102が係止される。
−製管装置の一例−
次に、製管装置1の一例について図3を参照して説明する。この製管装置1は、上述したようにプロファイル100を右巻きの螺旋状に巻回し、互いに隣接する巻回部分の側縁部同士を接合させながら螺旋の中心軸Xの方向に向かって(図3の左奥に向かって)送り出すものである。図示の製管装置1は、環状の支持フレーム2と、その周方向に間隔をおいて支持され、プロファイル100を螺旋状にガイドする複数のガイドローラ3と、支持フレーム2の頂部に配設され、プロファイル100を挟み込んで送り出す駆動機構4と、この駆動機構4の前段においてプロファイル100の位置決めをする位置決め機構5と、を備えている。
前記の支持フレーム2は、前後一対の環状フレーム21,21をプロファイル100の幅寸法の約2倍の間隔をおいて配置し、複数の連結材22により連結したものであって、幾つかの部材に分割してマンホールM(図4参照)内に搬送し、組み立てることができる。こうして組み立てた支持フレーム2の前後の環状フレーム21,21に架け渡された軸に、複数のガイドローラ3がそれぞれ回転自在に支持されており、その回転軸は、プロファイル100を回転させながら螺旋状に送り出すよう、製管方向(螺旋の中心軸Xの方向)に対して斜めになっている。
駆動機構4は、組になった内面駆動ローラ41および外面駆動ローラ42と、支持フレーム2に固定された減速機43(例えば歯車箱)を介して内面駆動ローラ41および外面駆動ローラ42を互いに逆方向に回転させる油圧モータ44と、を備えている。油圧モータ44の出力は、図示しない歯車を介して内面駆動ローラ41および外面駆動ローラ42に伝達され、それら内面駆動ローラ41および外面駆動ローラ42を互いに逆方向に回転させる。
これにより、内面駆動ローラ41および外面駆動ローラ42の間にプロファイル100を挟み込んで、支持フレーム2のガイドローラ3に沿うように送り出すことができる。この際、内面駆動ローラ41の平滑な外周面は、プロファイル100の基板101の平坦な表面に接触する。一方、外面駆動ローラ42には複数の大径部421および小径部422が交互に形成されており、各大径部421の外周面は、プロファイル100の隣り合う補強リブ102の間において基板101の裏面に接触し、小径部422の外周面は補強リブ102の先端面に接触する。
位置決め機構5については詳細は図示しないが、前記駆動機構4と同様に組になった内面ローラ51および外面ローラ52を備えており、支持フレーム2の上部において駆動機構4の前段、即ちプロファイル100の送り出し方向の上流側に配設されている。この位置決め機構5には駆動モータは備えられておらず、内面ローラ51および外面ローラ52は、前記の駆動機構4の動作によって引き込まれたプロファイル100を挟み込み、このプロファイル100が引き出されることによって互いに逆方向に回転する。
その際に内面ローラ51は、プロファイル100の先行する巻回部分および後続の巻回部分を適切に位置決めするように、それらの表面に接触して回転する。一方、外面ローラ52の大径部521は、プロファイル100の隣り合う補強リブ102,102間において基板101の裏面に接触して回転し、小径部522は補強リブ102の先端面に接触して回転する。
そして、前記の駆動機構4および位置決め機構5においては、螺旋状に巻回されるプロファイル100の二巻き分が幅方向に並んで内面駆動ローラ41(内面ローラ51)および外面駆動ローラ42(外面ローラ52)の間に挟み込まれ、隣り合う巻回部分の側縁部同士が重ね合わされて、先行する巻回部分の接合凹部105に後続の巻回部分の接合凸部103が嵌め込まれる。
−更生管の製管−
次に、前記の製管装置1により、プロファイル100を使用して更生管Sを製管する工法について、図4を参照して説明する。
一般に既設管Kには所定の距離(概略50mくらい)をあけてマンホールが設けられており、図示の例では、施工延長の上流側のマンホールを発進側マンホールM1、下流側のマンホールを到達側マンホールM2とし、これらのマンホールM1,M2を利用して既設管K内に更生管Sを製管する。すなわち、更生管Sを既設管Kの発進側マンホールM1から到達側マンホールM2に向けて製管する。
この際、図1に示したプロファイル100の巻き重ねられたドラムDと、図3に示した製管装置1とを使用するとともに、図示しない油圧ユニットおよび発電機からなる動力ユニットWなども使用する。これらのうちドラムDおよび動力ユニットWは、発進側マンホールM1の近くの地上に設置する。また、製管装置1がプロファイル100を巻回して更生管Sを製管しつつ送り出す際、移動しないように支持する架台(図示省略)を発進側マンホールM1のインバートVに設置する。
そして、製管装置1は、更生管Sの管径に合わせて支持フレーム2の外径を設定するとともに、複数の部材に分割して発進側マンホールM1に搬入し、組み立てて架台に固定する。この際、上下方向および左右方向の位置を調整して製管装置1をインバートVに対して浮動状に固定する。また、動力ユニットWからの油圧配管を駆動機構4の油圧モータ44に接続する。
こうして準備が完了すれば、地上のドラムDからプロファイル100を繰り出して発進側マンホールM1内に引き込み、その先端部を製管装置1の位置決め機構5に挿通し、次いで駆動機構4に挿通して、支持フレーム2のガイドローラ3の外周側に沿うように送り出す。その後、駆動機構4の油圧モータ44を動作させて、内面駆動ローラ41および外面駆動ローラ42の回転により、挟み込んだプロファイル100を連続的に送り出す。
こうして送り出されるプロファイル100がガイドローラ3に沿って支持フレーム2を一周し、その先端部が再び位置決め機構5に達したとき、プロファイル100は概ねその幅に相当する螺旋の1ピッチ分だけ、到達側マンホールM2に向かって偏位している。そこで、このプロファイル100の先端部を、先行する巻回部分に隣接させて位置決め機構5に挿通し、互いに隣接する巻回部分の側縁部同士を重ね合わせて接合する。
すなわち、螺旋状に巻回されたプロファイル100の後続の巻回部分における先行側の側縁部が、先行する巻回部分における後続側の側縁部、即ち段落ち部104(後続側の側縁部)に重ね合わされて、接合凸部103が接合凹部105に嵌め込まれるとともに、後続の巻回部分の先行側の補強リブ102には、先行する巻回部分の傾斜リブ106が係止される。
こうしてプロファイル100の互いに接合された二巻き分を後段の駆動機構4にも挿通し、この駆動機構4の動作により送り出して、ガイドローラ3に沿って複数回、巻き回すと、開始用更生管Saが形成される。その後も駆動機構4の動作を継続すると、開始用更生管Saがガイドローラ3に沿うように回転しながら到達側マンホールM2に向けて送り出されてゆく。一方、新たに供給されるプロファイル100は位置決め機構5および駆動機構4に引き込まれ、開始用更生管Saの後端に付加されてゆく。
つまり、ドラムDから連続的に供給するプロファイル100を製管装置1により螺旋状に巻回し、更生管Sを形成しながら回転させて前方に延伸させ、1回転につき螺旋の一巻き(1ピッチ)分、到達側マンホールM2に向けて送り出してゆく。この更生管Sの前端が到達側マンホールM2に達すれば、プロファイル100を切断した後に製管装置1を分解して、発進側マンホールM1から撤去する。
−プロファイルの継ぎ足し接続−
ところで、前記のように更生管Sを製管する際に、一つのドラムDから繰り出されるプロファイル100の供給量だけでは不足する場合、このドラムDから製管装置1に供給したプロファイル100の末端部に、別のドラムから繰り出したプロファイル100の先端部を継ぎ足すことがある。また、悪天候などにより施工を一時、中断する場合には供給途中のプロファイル100を一旦、切断することがあり、その後の施工再開時にもプロファイル100の端部同士を継ぎ足すことになる。
(第1の実施形態)
以下、プロファイル100を長手方向に継ぎ足して接続する方法の第1の実施形態について図5、6を参照して説明する。この第1の実施形態では、ドラムDの近くで発進側マンホールM1から地上に延びるプロファイル100の末端部と、新たにドラムDから繰り出したプロファイル100の先端部とを、それぞれ長手方向に直交する断面において切断する。なお、このプロファイル100の端部の切断には、図8を参照して後述するプロファイル融着機6などを利用することができる。
次に、そうして真っ直ぐに切断したプロファイル100の端面100aから所定長さ(例えば50〜100mmくらい)に亘って、基板101の裏面の補強リブ102を削除する。これは例えば作業者がリューターを用いて補強リブ102の付け根を削り取ってもよいし、同様に鋏やニッパーなどで切り取ってもよい。或いは半田ゴテのような専用の除去機を用いて、補強リブ102の付け根を溶融させて切り離すこともできる。
こうしてプロファイル100の端面100aから所定長さに亘って、幅方向に並ぶ3つの補強リブ102を全て削除すると、図5に仮想線で示すように、基板101の裏面において接合凸部103および接合凹部105の間に概ね平坦な矩形状の領域Aを確保することができる。そこで、図6に示すように二つのプロファイル100の端面100a同士を突き合わせ、この突き合わせ部位に跨って前記の領域A、即ち補強リブ102の削除部位を覆うようにシート部材110を貼り着ける(以下、領域Aを貼着領域Aという)。
このシート部材110は、一例としてプロファイル100と同じ合成樹脂材料によって形成し、その厚みは例えば1〜3mmくらいとすればよい。厚い方が強度は高くしやすいが、シート部材110をあまり厚くすると、これを貼り着けたプロファイル100の基板101の裏面を製管装置1の駆動機構4の外面駆動ローラ42や位置決め機構5の外面ローラ52が乗り越え難くなるからである。
また、シート部材110を薄くしながらその強度を確保するために、繊維などによって補強してもよいし、或いはシート部材110をゴムないしエラストマ(例えば天然ゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、SBR、EPDM等々)によって形成してもよい。ゴムやエラストマによって形成した場合、シート部材110がプロファイル100の端面100aの突き合わせ部位に跨って配置されることから、防水シール性を高めることができる。
なお、前記のように3つの補強リブ102の全てを削除するのではなく、例えば真ん中の補強リブ102だけを削除したり、これを含めた2つの補強リブ102を削除したりしてもよい。接続強度を高めるという点では補強リブ102を多く削除して、シート部材110の貼着領域Aを広くする方がよいが、補強リブ102は、製管装置1の駆動機構4の外面駆動ローラ42などをガイドする機能も有しているので、例えば接合凸部103に最も近い補強リブ102は削除せず、残すようにしてもよい。
そうしてプロファイル100の裏面の貼着領域Aに貼り着けるシート部材110とは別に、図6に示すようにプロファイル100の表面(図の下面)にも同じシート部材110を貼り着ける。すなわち、前記のようにプロファイル100の裏面にシート部材110を貼り着けた後に、図示は省略するがプロファイル100を裏返してシート部材110を貼り着ければよい。図の例ではプロファイル100の表裏に同じシート部材110を貼り着けているが、プロファイル100の基板101の表面は全体が平坦なので、より大きなシート部材を貼り着けることもできる。
以上、説明したように第1の実施形態によると、予め二つのプロファイル100の端部において裏面の補強リブ102を所定長さ削除し、広くて平坦な貼着領域Aを確保した上で、それらの端面100a同士を突き合わせ、この突き合わせ部位に跨って前記の貼着領域Aに貼り着けたシート部材110によって、プロファイル100の端部を接続するようにした。
このため、例えば補強リブ102を避けるようにプロファイル100の基板101の裏面にシート部材110を貼り着けたり、補強リブ102を上から覆うように貼り着けたりするのに比べて、シート部材110の貼り着け作業は容易なものとなり、十分な大きさの貼着領域Aを確保できることも相俟って、接着不良の起きる心配は殆どない。
そして、プロファイル100の突き合わせる端面100aは融着や接着などしていないので、従来、例えばバット融着していた場合に必要なビードの削除が不要になり、この点でも作業が容易化される。ビードを削除する際にプロファイル100の基板101の裏面に傷をつけてしまう心配もない。なお、補強リブ102を削除するときには基板101の裏面(貼着領域A)に傷をつけてしまう可能性があるが、その上からシート部材110を貼着するので、不具合は生じない。
(第2の実施形態)
図7には、本発明の第2の実施形態に係るプロファイル100の接続方法を示す。この第2の実施形態では、前記第1の実施形態と同じくプロファイル100の接続部位に跨って貼り着けるシート部材120に、プロファイル100の補強リブ102に対応するようなリブ部121を形成したものである。
このリブ部121が形成されていること以外、シート部材120の構造は前記実施形態1と同じであり、プロファイル100や製管装置1の構造も同じなので、同一の部材には同一の符号を付してその説明は省略する。また、プロファイル100の末端部に別のプロファイル100の先端部を継ぎ足して接続する手順も前記実施形態1と同じである。
図7に示すシート部材120には、プロファイル100の補強リブ102と同じ幅方向の間隔をあけて3本のリブ部121が形成されている。それぞれのリブ部121は、シート部材120の厚み(1〜3mm)の分だけ高さは低いが、プロファイル100の補強リブ102と略同じT字の断面形状を有しており、図に仮想線で示すようにシート部材120がプロファイル100の接続部位に跨って貼り着けられると、リブ部121がプロファイル100の補強リブ102と連続するようになる。
このことで、上述したように製管装置1の駆動機構4や位置決め機構5にプロファイル100を挿通したときには、このプロファイル100の裏面の補強リブ102に沿って外面駆動ローラ42や外面ローラ52が転動し、シート部材120による接続部位においてもリブ部121に沿ってローラ42,52がスムーズに通過するようになる。つまり、これらのローラ42,52によってプロファイル100をガイドする機能が接続部位においても安定的に得られる。
なお、この第2の実施形態のようにシート部材120にリブ部121などを形成するのであれば、プロファイル100の裏面の貼着領域Aを拡大するために、補強リブ102を削除するだけでなく、接合凸部103も削除してしまってもよい。この場合、貼り着けるシート部材120には、リブ部121だけでなく、削除した接合凸部103に対応するような凸部も形成すればよい。
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態として、プロファイル100の突き合わせる端面100a同士をバット融着する場合について説明する。こうして端面100aを融着させること以外、プロファイル100の接続の手順は前記実施形態1と同じであり、プロファイル100やシート部材110、製管装置1などの構造も同じなので、同一の部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
図8には、バット融着に用いる公知のプロファイル融着機の一例を示す。このプロファイル融着機6については、特許文献2として引用した特開平1−308619号公報にも記載されているので、詳細な説明は省略するが、プロファイル100の端面100aを加熱して溶融させた後に突き合わせて押圧し、融着させるようにしたものである。
すなわち、プロファイル融着機6は、扁平な直方体状の架台60の長手方向の一方(図の左奥)の端部上にプロファイル100の先端部支持台61が、また、他方(図の右手前)の端部上には同じく末端部支持台62がそれぞれ配設されて、プロファイル100の先端部および末端部をそれぞれ概ね水平に支持するとともに、長手方向に離間した複数の固定バー63によって上方から把持して固定するようになっている。
図の例では先端部支持台61は架台60の長手方向には移動せず、位置調整ハンドル65の操作によって図示しないボールねじ機構が動作し、幅方向に移動する。先端部支持台61の上面には長手方向に延びる突条部(プロファイルガイド61a)が設けられており、詳細は図示しないが、このプロファイルガイド61aをプロファイル100の接合凹部105に嵌め入れて、幅方向に位置決めすることができる。
一方、末端部支持台62は架台60の幅方向には移動せず、押当て力調整ハンドル66の操作によって図示しないギヤが回転し、長手方向に延びるラック67上を転動することによって、架台60の長手方向に移動するようになっている。この際、末端部支持台62はロッドやレールのような長手方向のガイド部材64に沿って移動する。なお、末端部支持台62の上面にも長手方向に延びる突条部(プロファイルガイド62a)が設けられている。
このようなプロファイル融着機6を用いる第3の実施形態では、まず、前記第1の実施形態と同様にプロファイル100の裏面の補強リブ102を端面100aから所定長さ削除する。そして、プロファイル100の先端部を先端部支持台61に、また、末端部を末端部支持台62にそれぞれ取り付けて、固定バー63によって把持固定する。この際、プロファイル100の端面100a同士を概ね突き合わせて、位置調整ハンドル65の操作により先端部支持台61の位置を幅方向に移動させ、プロファイル100の先端部の位置を末端部に合わせる。
次いで押当て力調整ハンドル66の操作によって、末端部支持台62を先端部支持台61から離れるように移動させ、プロファイル100の突き合わせた末端部および先端部の端面100aの間に所定の間隔をあけて、ここにヒーター(図示せず)を挿入する。この状態で暫く保持して突き合わせた端面100aを溶融させた後にヒーターを離脱させ、今度は押当て力調整ハンドル66の操作によって末端部支持台62を先端部支持台61に近づくように移動させて、溶融した端面100a同士を突き当てて押圧する。
そうして所定の押圧力にて所定時間、加圧保持した後に、先端部支持台61および末端部支持台62のそれぞれの固定バー63を解除して、プロファイル100を取り外す。こうしてバット融着されたプロファイル100の端面100aの周囲には、図9に一例を示すようにビードBが形成されるので、このビードBを削除した上で、前記第1の実施形態と同様に接続部位に跨って、貼着領域Aにシート部材110を貼り着ける。
ここで、プロファイル100の側縁部の接合凸部103や接合凹部105の周囲のビードB(図9にクロスハッチを入れて示す)は、従来までと同様に概ね完全に削除しなくてはならないので、手間がかかるものの、既に補強リブ102が削除されている貼着領域AにおいてはビードBを削除しなくてもよいし、削除するとしても直線的にビードBを削除するだけなので、手間はかからない。しかも、貼着領域Aにはシート部材110を貼り着けるので、ビードBの削除の際に傷をつけてしまったとしても不具合は生じない。
つまり、この第3の実施形態によれば、突き合わせたプロファイル100の端面100a同士をバット融着させることによって、より高い接続強度が得られるにもかかわらず、複数の補強リブ102のそれぞれに傷をつけないよう注意しながらビードを削除する、といった手間のかかる作業がなくなり、作業性が大幅に改善される。
なお、図示は省略するが、この第3の実施形態においても、前記第2の実施形態のように貼着領域Aにはリブ部121を形成したシート部材120(図7参照)を貼り着けてもよい。また、補強リブ102だけでなく接合凸部103も削除してしまい、リブ部121だけでなく接合凸部103に対応する凸部も形成したシート部材を貼り着けることもできる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、前記の第3実施形態と同じくプロファイル100の突き合わせた端面100a同士をバット融着した上で、その突き合わせ部位に跨ってシート部材110を貼り着けるものであるが、さらに接続強度を高めるためにプロファイル100の端面100aを傾斜面としている。
すなわち、突き合わせて融着させる端面100aを、プロファイル100の長手方向に直交する仮想面(直交面)に対して傾斜するように切断したものであるが、この点を除いてプロファイル100の接続の手順は前記実施形態3と同じであり、プロファイル100やシート部材110、製管装置1などの構造も同じなので、同一の部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
図10に一例を示すように本実施形態では、プロファイル100の端面100aを幅方向に対して傾斜させることにより、融着される面積を大きくしてその強度を高くすることができる。この端面100aの傾斜方向は、上述したようにプロファイル100が螺旋状に巻回されたときに(図4を参照)、その湾曲中心の軸方向、即ち螺旋の中心軸Xの方向と一致しないように設定されている。
この傾斜方向について詳しくは、図4にも表れているように本実施形態ではプロファイル100を右巻きの螺旋状に巻回するので、このプロファイル100を螺旋の外周側、即ち裏面から見ると、図11に模式的に示すようにプロファイル100はその長手方向の前側(先に巻回される側)ほど螺旋の中心軸Xの方向の前方(図11の左)、即ち更生管Sの送り出される方に位置するように、傾斜している。
そのように傾斜するプロファイル100の継ぎ足し接続部位における端面100a(突き合わされて融着されているので、以下、融着面ともいう)の傾斜方向が仮に、図11に破線で示すように螺旋の中心軸Xの方向と一致すると、螺旋状に巻回されて湾曲するプロファイル100において曲げ応力がその融着面(端面100a)に集中的に作用することから、プロファイル100が折れ易くなる。
そこで、本実施形態では図11に実線で示すように、裏面から見たプロファイル100の融着面(端面100a)が、幅方向の右側において左側よりもプロファイル100の長手方向の前側に位置するように傾斜させている。換言すれば、プロファイル100の端面100aを、幅方向の後続側(螺旋の後続の巻回部分に近い側)が先行側(同じく先行する巻回部分に近い側)よりもプロファイル100の長手方向の前側に位置するように傾斜させている。
このように傾斜する端面100aは、プロファイル100が螺旋状に巻回されたときにその湾曲中心の軸(螺旋の中心軸X)の方向と一致することがないから、湾曲するプロファイル100において曲げ応力が端面100a(融着面)に集中することがなく、この面に沿ってプロファイル100が折れてしまうことを抑制できる。つまり、プロファイル100の接続部位の強度を確保する上で有利になる。
前記のように傾斜する端面100aをしっかりと押圧して融着させるために、本実施形態では図12に示すようなプロファイル融着機6’を使用する。このプロファイル融着機6’においては、先端部支持台61および末端部支持台62においてそれぞれプロファイル100の先端部および末端部を把持する固定バー63のうち、突き合わされる端面100aに最も近いものが幅方向に対し所定角度、斜めに配置されている。
また、このプロファイル融着機6’において末端部支持台62は、架台60の長手方向に対して前記所定角度、斜めに(長手方向への移動に連れて幅方向にも変位するように)移動する構造になっている。すなわち、末端部支持台62の移動方向を規定するガイド部材64およびラック67が、架台60の上部において先端部支持台61から離れるほど幅方向の一側(図の右奥側)に変位するよう、長手方向に対して斜めに配設されている。
そして、この第4の実施形態では、前記第3の実施形態と同様に補強リブ102を所定長さ削除した上で、プロファイル100の先端部を先端部支持台61に、また、末端部を末端部支持台62に取り付けて、それぞれ斜めの固定バー63に沿って切断する。それから末端部および先端部の端面100a同士を幅方向に位置合わせした後に、両端面100a間にヒーターを挿入して溶融させる。
その後、ヒーターを離脱させ、押当て力調整ハンドル66の操作によって末端部支持台62を先端部支持台61に近づくよう移動させて、溶融した端面100a同士を突き当てて押圧する。この際、末端部支持台62が長手方向に対して斜めに移動し、互いに突き合わされた斜めの端面100a同士が直交する方向にしっかりと押圧される。
こうして傾斜した端面100a同士をしっかりと押圧して融着した後に、前記した第3の実施形態と同様に所定部位のビードBを削除し、前記図10に示したように接続部位に跨って貼着領域Aにシート部材110を貼り着ければ、プロファイル100の継ぎ足し接続が完了する。
したがって、この第4の実施形態によれば、前記第3の実施形態と同じ効果が得られる上に、融着させるプロファイル100の端面100aを傾斜させたことにより、融着面の面積を増大させて、その強度を高めることができる。しかも、その端面100aの傾斜方向を適切に設定したことで、製管時に湾曲するプロファイル100が接続部位にて折れることも防止できる。
なお、この実施形態4において、プロファイル100の傾斜する端面100a同士を融着させるのではなく、例えば接着剤によって接着させてもよいし、溶着も接着もせずにシート部材110によって接続するのみとしてもよい。この場合でも、突き合わされる端面100aの面積が大きくなることから、接合状態の安定化が図られる。
また、前記のように傾斜させる端面100aに沿うように3つの補強リブ102の削除する長さを異ならせて、シート部材110の貼着領域を平行四辺形状としてもよいし、図7に示したようにリブ部121を形成したシート部材120を貼り着けてもよい。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、前記の第4実施形態と同じくプロファイル100の突き合わせる端面100aを傾斜させるにあたって、図13に一例を示すようにプロファイル100の厚み方向に傾斜させ、幅方向には傾斜させない(つまりプロファイルの長手方向に直交させる)ようにした。このように端面100aを厚み方向に傾斜させることによっても融着面積が増大するので、その強度を確保する上で有利になる。
そして、そのようにプロファイル100の厚み方向に傾斜する端面100aを直交する方向から押圧して融着させるために、本実施形態では図14に示すようなプロファイル融着機6”を使用する。このプロファイル融着機6”においては、末端部支持台62が先端部支持台61から離れるに連れて上方に変位するよう、斜め上下に移動する構造になっている。
すなわち、末端部支持台62の移動方向を規定するガイド部材64やラック67が、架台60の上部において先端部支持台61から離れるほど上方に変位するよう水平面に対して斜めに配設されており、その水平面に対する傾斜角度は、前記のように傾斜させる端面100aの直交面(プロファイル100の長手方向に直交する仮想の面)に対する傾斜角度に相当するよう、予め設定されている。
そして、この実施形態では、まず、前記第3、第4の実施形態と同様に裏面の補強リブ102を所定長さ削除した上で、プロファイル100の端面100aを厚み方向に斜めに切断する。この傾斜の向きは、プロファイル100の先端部においては端面100aの下側(基板101の表面側)が外方に突出するように傾斜させる一方、末端部においては反対に端面100aの上側(基板101の裏面側)が外方に突出するように傾斜させる。
それからプロファイル100の先端部を先端部支持台61に、また、末端部を末端部支持台62にそれぞれ取り付けて固定バー63により把持固定し、末端部および先端部の端面100a同士を幅方向に位置合わせした後に、両端面100a間にヒーターを挿入して溶融させる。
その後、ヒーターを離脱させて押当て力調整ハンドル66を操作し、末端部支持台62を先端部支持台61に近づくよう移動させて、溶融した端面100a同士を突き当てる。この際、末端部支持台62が先端部支持台61に近づくほど下方に位置するよう斜めに移動し、突き合わせた斜めの端面100a同士を直交する方向にしっかりと押圧しながら、融着させることができる。
なお、この実施形態5においても前記第4の実施形態と同様に、プロファイル100の傾斜する端面100a同士を融着させるのではなく、例えば接着剤によって接着させてもよいし、溶着も接着もせずにシート部材110によって接続するのみとしてもよい。この場合でも、突き合わされる端面100aの面積が大きくなることから、接合状態の安定化が図られる。また、図7に示したようにリブ部121を形成したシート部材120を貼り着けてもよい。
(第6の実施形態)
第6の実施形態は前記第4、第5の実施形態と同様に、プロファイル100の幅方向ないし厚み方向に傾斜させた端面100a同士を突き合わせて、融着もしくは接着させるものであるが、それらの実施形態とは異なりシート部材110、120は使用しない。
すなわち、この実施形態では前記第1〜5の各実施形態のように補強リブ102を削除することはなく、例えば図15に示すように補強リブ102を含めて、プロファイル100の端面100aを幅方向に斜めに切断するか、或いは図16に示すように補強リブ102を含めて、端面100aを厚み方向に斜めに切断する。そして、それら斜めの端面100a同士を突き合わせて融着もしくは接着させる。
前記図15のように端面100aを幅方向に傾斜させるのであれば、図12を参照して上述したプロファイル融着機6’を使用して、突き合わせた端面100a同士を直交する方向に押圧しながら融着させる。また、端面100aの傾斜の向きについては図11を参照して上述したように、プロファイル100が螺旋状に巻回されたときに、その湾曲中心の軸方向、即ち螺旋の中心軸Xの方向と一致しないように設定すればよい。
一方、前記図16のように端面100aを厚み方向に傾斜させるのであれば、図13を参照して上述したプロファイル融着機6”を使用して、突き合わせた端面100a同士を直交する方向に押圧しながら融着させればよい。
−他の実施形態−
上述したように第1〜5の実施形態においては、それぞれ、プロファイル100の端面100aから所定長さに亘って裏面の補強リブ102を削除し、平坦な貼着領域Aにシート部材110、120を貼り着けるとともに、プロファイル100の基板101の表面にもシート部材110を貼り着けているが、この表面へのシート部材110の貼着は省略することもできる。
また、第4〜6の実施形態においてはプロファイル100の端面100aをその幅方向または厚み方向のいずれか一方にのみ傾斜させ、他方については長手方向に直交させるようにしたが、プロファイル100の端面100aを幅方向および厚み方向の両方に傾斜させてもよい。
また、第1〜6の各実施形態においては、図1に示したプロファイル100によって更生管Sを製管する場合について説明したが、このようなプロファイル100に限定するものではない。一例として図17に示すように、プロファイル100の補強リブ102の数を減らして、二つの補強リブ102の間に金属板製の補強材107を装着してなる補強材付きプロファイル100’であってもよい。図の例では補強材107は、帯板状の鋼板などを断面略W字状などに折曲したものであるが、これにも限定されない。
そのように金属板製の補強材107を備えたプロファイル100’を継ぎ足して接続する場合、図示のように端面の突き合わせ部位100a’に跨って補強材107を架け渡すようにしてもよい。すなわち、図示は省略するが、まず、例えばプロファイル100’の一方の端部において端面から所定長さ補強材107を切断する一方、これに突き合わされる他方の端部においては端面から所定長さ補強材107を残して、それ以外を切断する。
それから前記第1、2の実施形態のように補強リブ102を削除し、シート部材110を貼着した後に、一方の端部の端面から長手方向外方に突出する補強材107を、他方の端部の補強材107と溶接して接続する。こうすると、図示のように補強材107の溶接部位107aとプロファイル100’の接続部位100a’(端面の突き合わせ部位)とが長手方向にずれることになり、プロファイル100’の接続強度が非常に高くなる。
また、一例を図18に示すように、螺旋状に巻回する主プロファイル130の隣接する巻回部分を接合材140によって接合し、更生管を形成するような工法においても、その主プロファイル130を長手方向に継ぎ足して接続する場合に本発明を適用することができる。すなわち、同図(a)に示すように主プロファイル130は、その基板131に複数本の断面T字状の補強リブ132を有するとともに、基板131の両端部に嵌合溝133がそれぞれ形成されてなる。一方、接合材140は、主プロファイル130の嵌合溝133に嵌まり込む嵌合突条141を有している。
そして、主プロファイル130の幅方向に隣接する巻回部分同士を接合するために、同図(b)に拡大して示すように、当該主プロファイル130の嵌合溝133に跨がって接合材140の嵌合突条141を嵌め込むようになっている。
さらにまた、上述した製管装置1の構造や更生管Sの製管方法も一例に過ぎず、本発明を適用するプロファイルは、種々の構造の製管装置を使用した種々の製管方法に用いることができる。例えば、上述した製管装置1を使用する、いわゆる元押し式の工法に限定されず、いわゆる自走式の工法に使用されるプロファイルの継ぎ足し接続にも本発明を適用することができる。