本出願に係る通信システム、携帯通信装置、制御方法、及び制御プログラムを実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明により、本出願に係る通信システム、携帯通信装置、制御方法、及び通信プログラムが限定されるものではない。以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯通信装置の一例として携帯電話機を取り上げるが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、通信が可能な他の装置に対しても適用できる。携帯通信装置として、例えば、タッチスクリーンを有する多機能携帯電話(スマートフォン)、PHS(Personal Handy−Phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等を用いても本発明は適用できる。
図1は、本発明の携帯通信装置を有する本発明の通信システムの概略構成を示す説明図である。図1に示す通信システム1は、GPS衛星2と、通信網3と、複数の基地局4と、サーバ6と、複数の第1携帯電話機10、10a、10bと第2携帯電話機50、50a、50bで構成されている。
GPS衛星2は、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)の通信機能を備える通信装置(通信端末、通信機器)に、該通信装置の位置情報を送信(提供)する衛星である。なお、図1でGPS衛星2を3つのみ示したが、GPS衛星2は、通信装置の位置を特定するために必要な数が配置されている。複数のGPS装置2は、通信装置の位置情報の特定に必要な情報(GPS衛星2の位置情報や時間情報)を出力する。通信装置は、GPS衛星2から出力される情報を取得し、解析することで、自身の位置情報を取得する。例えば、通信装置は、3つまたは4つのGPS衛星2から出力されるGPS信号の差分に基づいて、自身の位置を特定する。
通信網(コアネットワーク)3は、交換機や、有線の通信回線で構成されている。通信網3は、有線、無線の通信回線を用いて、基地局4を介して、第1携帯電話機10、10a、10bまたは第2携帯電話機50、50a、50bと、他の通信装置(他の携帯通信装置、固定型の通信装置、サーバ6)との間での情報通信を行う。通信網3は、通信装置間で通信を行うことができれば、種々の制御方法を用いることができる。例えば、衛星回線を利用して通信を行ってもよい。第1携帯電話機10、10a、10bまたは第2携帯電話機50、50a、50bと、は、自機以外の第1携帯電話機10、10a、10bまたは第2携帯電話機50、50a、50bを他の通信装置とすることもできる。
基地局4は、無線により第1携帯電話機10、10a、10bまたは第2携帯電話機50、50a、50bと通信信号の送受信を行う通信機器である。通信信号とは、通話や、メールの送受信や、インターネット通信を行うために、送受信するデータの信号である。また、基地局4は、通信網3と接続しており、通信網3と接続している通信端末と通信(通信信号を送受信)することができる。このように、基地局4は、通信網3と接続しており、第1携帯電話機10、10a、10bまたは第2携帯電話機50、50a、50bと無線で通信を行うことで、通信網3を利用した第1携帯電話機10、10a、10bまたは第2携帯電話機50、50a、50bの通信を中継する。なお、基地局4は、中継局を介して第1携帯電話機10、10a、10bまたは第2携帯電話機50、50a、50bと通信を行うようにしてもよい。
サーバ6は、呼び出し音や着信音の情報、呼び出し音及び着信音の制御条件、これらの制御プログラム、各通信装置を特定する情報(電話番号、アドレス)等種々のデータを有する。サーバ6は、通信網3及び基地局4を介して第1携帯電話機10、10a、10bまたは第2携帯電話機50、50a、50bと通信し、種々の情報を供給する。また、サーバ6は、通信装置から情報を受信しその情報に基づいて他の通信装置に情報を通信する、情報の中継も行う。
第1携帯電話機10、10a、10bは、基地局4を介して通信網3との間で無線通信を行う通信端末である。第1携帯電話機10は、音声信号等の信号を通信網3に送信し、通信網3から音声信号等の信号を受信する。また、それぞれの携帯通信装置には、固有の電話番号、端末番号が割り当てられ、記憶されている。第1携帯電話機10、10a、10bの構成については、後ほど説明する。
第2携帯電話機50、50a、50bは、基地局4を介して通信網3との間で無線通信を行う通信端末である。第2携帯電話機50は、音声信号等の信号を通信網3に送信し、通信網3から音声信号等の信号を受信する。それぞれの携帯通信装置には、固有の電話番号、端末番号が割り当てられ、記憶されている。なお、第2携帯電話機50、50a、50bは、通信網3を用いで実行する通信が、第1携帯電話機10、10a、10bよりも制限されている。第2携帯電話機50、50a、50bの構成については、後ほど説明する。なお、以下では、第1携帯電話機10、10a、10bを特に区別しない場合、第1携帯電話機10として説明し、第2携帯電話機50、50a、50bを特に区別しない場合、第2携帯電話機50として説明する。
通信システム1は、以上のような構成である。通信システム1は、ユーザの操作により第1携帯電話機10に発信操作が入力されると、第1携帯電話機10から通信網3に対して、発信信号と通信先の電話番号の情報が送られる。通信網3は、入力された通信先の電話番号が割り当てられている第1携帯電話機10を検索し、通信先の第1携帯電話機10に着信を通知する。その後、通信先の第1携帯電話機10で通話開始の操作が入力されたら、通信網3を介して通信を行う。つまり、通信システム1は、通信網3を介して情報の送受信を行うことで、第1携帯電話機10間で通信を行う。
通信システム1は、第1携帯電話機10間の通信と同様に第1携帯電話機10と第2携帯電話機50との間での通信を行うことができる。通信システム1は、第1携帯電話機10と同様に、ユーザの操作により第2携帯電話機50に発信操作が入力されると、基地局4及び通信網3で情報の送受信を行い、通信先の通信装置との間で通信を行う。なお、通信システム1は、通信端末間での通信は、音声通信に限定されず、データの送受信も行う。第1携帯電話機10及び第2携帯電話機50は、GPS衛星2から出力されたGPS信号を処理することで位置情報を取得することもできる。
本実施形態の通信システム1は、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50とが対応付けられている。通信システム1は、対応付けられた第1携帯電話機10と第2携帯電話機50との間で、他の通信装置とは異なる処理が可能となる。特定の第1携帯電話機10は、特定の第2携帯電話機50の動作を制御することができる。例えば、特定の第1携帯電話機10は、特定の第2携帯電話機50の着信可能な電話番号の設定、発信可能な電話番号の設定及び音声の出力方式の設定を行うことができる。特定の第1携帯電話機10は、特定の第2携帯電話機50の動作も制御することができる。特定の第2携帯電話機50は、特定の第1携帯電話機10からの指示に対応する処理を実行する。通信システム1は、基本的に特定の第1携帯電話機10を保護者が所持し、特定の第2携帯電話機50を対象者、つまり保護者によって保護される者が所持する。保護者によって保護される者は、主に幼児、小学生等の小児、児童であるが、高齢者、ペット等としてもよい。通信システム1は、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50とが1対1である必要はなく、1台の第1携帯電話機10が複数台の特定の第2携帯電話機50と対応付けられていてもよく、1台の第2携帯電話機50が複数台の特定の第1携帯電話機10と対応付けられていてもよい。
通信システム1は、サーバ6、第1携帯電話機10及び第2携帯電話機50の数は、図1に示す数に限定されない。通信システム1は、多数の、サーバ6と、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50と、を備えることができる。図1では、通信システム1の通信網3で通信を行う機器、つまり通信網3で通信可能な機器として、第1携帯電話機10、10a、10b、第2携帯電話機50、50a、50b及びサーバ6のみを示したが、これには限定されない。通信システム1は、通信網3を介して、公衆通信網で通信可能な種々の通信装置間で通信を実行できる。例えば、PC(Personal Computer)等の情報通信機能を備える固定型の情報端末や、有線の電話回線を介して通信網3と接続された電話装置(固定電話)との間でも通信を実行できる。
次に、図2から図4を用いて第1携帯電話機10について説明する。図2は、実施形態に係る第1携帯電話機の外観上の概略構成を示す正面図である。図3は、図2に示す第1携帯電話機の外観上の概略構成を示す側面図である。図2及び図3に示すように、第1携帯電話機10は、折り畳み式の筐体を有する。具体的には、第1携帯電話機10の筐体10Cは、図2に示すように、第1筐体10CAと第2筐体10CBとで開閉可能に構成される。第1携帯電話機10の筐体は、このような構造に限定されるものではない。例えば、第1携帯電話機10の筐体は、第1携帯電話機10を構成する2つの筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体と他方の筐体とを互いにスライドできるようにしたスライド式の筐体であってもよい。あるいは、第1携帯電話機10の筐体は、第1携帯電話機10を構成する2つの筐体の重ね合わせ方向に沿う軸線を中心として一方の筐体を回転させるようにしたもの、2軸ヒンジを介して両方の筐体を連結したものでもよい。あるいは、第1携帯電話機10は、図2及び図3に示すように、複数の筐体を連結したものには限定されず、スマートフォンのように、筐体が単一の構造であってもよい。
図2に示すように、第1筐体10CAと第2筐体10CBとは、連結部であるヒンジ機構18で連結されている。ヒンジ機構18で第1筐体10CAと第2筐体10CBとを連結することにより、第1筐体10CA及び第2筐体10CBは、ヒンジ機構8を中心としてともに回動して、図3の矢印Rで示す方向に回動できるように構成される。すなわち、第1筐体10CA及び第2筐体10CBは、互いに遠ざかる方向、又は互いに接近する方向に回動できる。図3の点線に示すように、第1携帯電話機10が折り畳まれた状態にある場合に、第1筐体10CAと第2筐体10CBとが互いに遠ざかる方向に回動すると、図3の実線に示すように、携帯電話機1が開いた状態になる。図3の実線に示すように、第1携帯電話機10が開いた状態にある場合に、第1筐体10CAと第2筐体10CBとが互いに接近する方向に回動すると、図3の点線で示すように、携帯電話機1が折り畳まれた状態となる。
第1筐体10CAには、表示部として、図2に示すディスプレイ12が設けられる。ディスプレイ12は、第1携帯電話機10が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、第1携帯電話機10の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。また、第1筐体10CAには、第1携帯電話機10の通話時に音声を出力する出力手段であるレシーバ23が設けられる。
第2筐体10CBには、操作キー24Aと、方向及び決定キー24Bとが設けられる。操作キー24Aは、通話相手の電話番号、又はメール作成時等の文字の入力に用いられる。方向及び決定キー24Bには、ディスプレイ12に表示されるメニューの選択及び決定、あるいは画面のスクロール等を容易に実行するために用いられる。操作キー24Aと方向及び決定キー24Bとは、第1携帯電話機10の操作部24を構成する。また、第2筐体10CBには、第1携帯電話機10の通話時に音声を受け取る音声取得手段であるマイク21が設けられる。操作部24は、図3に示す、第2筐体10CBの操作面10PCに設けられる。操作面10PCとは反対側の面が、第1携帯電話機10の背面10PBである。なお、操作部24は、上述のキー構成に代えて、表示部上に配置されたタッチセンサであってもよい。
図4は、図2、図3に示す第1携帯電話機10の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、第1携帯電話機10は、マイク21と、スピーカ22と、レシーバ23と、操作部24と、加速度センサ25と、表示部26と、カメラ27と、通信部28と、音声処理部30と、GPS通信部32と、近距離通信部33と、記憶部34と、制御部40とを有する。
マイク21は、例えば、通話時の音声、音声検索の利用時にユーザが発する音声、ノイズキャンセル処理時に利用する音など、種々の音を取得する。スピーカ22は、例えば、第1携帯電話機10の筐体10C内に配置されており、着信音やメールの送信音等を出力する。レシーバ23は、例えば、通話時の音声などを出力する。
操作部24は、上述したように、操作キー24Aと、方向及び決定キー24Bとを有し、図3に示す第2筐体10CBの操作面10PCに設けられる。操作キー24Aには、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー等の機能が割り当てられ、方向及び決定キー24Bには、例えば、方向キー、決定キーの機能が割り当てられる。そして、これらのキーがユーザの操作により入力されると、操作部24は、その操作内容に対応する信号を発生させる。発生した信号は、ユーザの指示として制御部40へ入力される。
加速度センサ25は、第1携帯電話機10に印加される加速度の方向及び大きさを検出する。加速度センサ25の検出結果は、例えば、第1携帯電話機10の方位が分かれば、第1携帯電話機10の姿勢の変化、あるいは第1携帯電話機10の移動の有無を判定する場合などに用いることもできる。
表示部26は、上述したように、ディスプレイ12を有し、制御部40から供給される映像データに応じた映像や画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。ディスプレイ12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Organic Elecro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネルで構成される。表示部26は、ディスプレイ12に加え、サブディスプレイを有していてもよい。カメラ27は、撮影した画像を取得する。
通信部28は、アンテナ28aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式などによる無線信号回線を確立し、基地局を介して、例えば、後述する第2携帯電話機50との間で電話通信及び情報通信を行う。
音声処理部30は、マイク21に入力される音声信号、スピーカ22及びレシーバ23から出力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部30は、マイク21から入力される音声を増幅し、アナログデジタル変換を実行した後、さらに符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換してから制御部40へ出力する。また、制御部40から送られる音声データの復号化、デジタルアナログ変換、増幅等の処理を施し、アナログの音声信号に変換してからスピーカ22及びレシーバ23へ出力する。
GPS通信部32は、GPS衛星2から出力されるGPS信号を受信する通信部である。また、GPS通信部32は、出力されるGPS信号を受信し解析することで第1携帯通信装置10の緯度経度を算出し、算出した緯度経度の情報を制御部40に送る。具体的には、GPS通信部32は、複数のGPS衛星2からGPS信号を取得し、GPS信号に含まれる時間情報と取得した時間情報との時間差や、受信した伝播電波の強度等によりそれぞれのGPS衛星2からの距離を算出する。GPS通信部32は、GPS衛星2からの距離と各GPS衛星2の位置情報を解析することで、自身の位置を算出する。
近距離通信部33は、近距離無線通信技術を用いて、近距離通信可能な他の通信機器と通信を行う通信部(情報通信部)である。なお、近距離無線通信技術としては、赤外線通信(IrDA(登録商標)、IrMC(登録商標)、IrSimple(登録商標))や、可視光通信や、Bluetooth(登録商標)や、磁界通信(RFID、Radio Frequency Identification)技術を用いることができる。
記憶部34は、オペレーティングシステムプログラム及びアプリケーションプログラム等、制御部40での処理に利用される各種プログラム及び各種データを記憶する。例えば、記憶部34には、表示部26の動作を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスク、通信部28の動作を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスク及び音声処理部30の動作を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスクなどが記憶されている。また、記憶部34には、これらのタスク以外にも、例えば、通信、ダウンロードされた音声データ、あるいは記憶部34に対する制御に制御部40が用いるプログラム、通信相手の電話番号及びメールアドレス等が記述されたアドレス帳、発信音及び着信音等の音声ファイル、プログラムに基づく処理過程で用いられる一時的なデータ等が記憶される。
本実施形態において、記憶部34は、少なくとも、他の携帯電話機との間で通話を含む通信を行うためのプログラム、特定の第2携帯電話機の動作を制御し、受信した電子メールを処理し、かつ、近距離通信部36の動作を制御する制御プログラム34a、GPS通信部32の動作を制御し、位置情報を取得するための位置取得プログラム34b等が記憶される。記憶部34は、制御プログラム34aで処理する対象の第2携帯通信装置50を特定するための条件及び第2携帯通信装置50から受信した電子メールを処理する条件を記憶する条件データ34cが記憶される。
制御部40は、記憶部34に記憶されている各種プログラムに基づいて処理を実行する。制御部40は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processing Unit)で構成され、記憶部34に記憶されるプログラムから命令コードを順次読み込んで、読み込んだ命令コードで指示された手順に従って第1携帯電話機10の各種の処理を実行する。すなわち、制御部40は、第1携帯電話機10の各種の処理が、操作部24の操作、及び第1携帯電話機10の記憶部34に記憶されるプログラムに応じて適切な手順で実行されるように、表示部26、通信部28及び音声処理部30等の動作を制御する。
制御部40は、例えば、制御プログラム34aを実行することにより、所定の電子メールを受信した場合、所定の条件を満たした場合、特定の第2携帯電話機50に当該特定の第2携帯電話機50の位置情報を返信する指示を含む電子メールを送信する制御を実行することができる。制御部40は、例えば、制御プログラム34aを実行することにより、近距離無線通信で第2携帯電話機50と通信を行うための処理を実行することができる。具体的には、制御部40は、特定の第2携帯電話機50とペアリングができるかを判定し、ペアリングが成功したか失敗したかを判定する制御を実行することができる。制御部40は、例えば、制御プログラム34aを実行することにより、特定の第2携帯電話機50から送信された電子メールを処理する制御を実行することができる。具体的には、制御部40は、特定の第2携帯電話機50から送信された電子メールから必要な情報を抽出して、特定の第2携帯電話機50の位置を示す地図を表示部26に表示させる制御を実行することができる。制御部40は、例えば、位置取得プログラム34bを実行することにより、GPS通信部32の動作を制御し、自機の位置情報を取得する制御を実行することができる。
次に、第2携帯電話機50について説明する。図5は、実施形態に係る第2携帯電話機50の外観上の概略構成を示す正面図である。図5に示すように、第2携帯電話機50は、筐体の上面にストラップ51が設けられている。第2携帯電話機50は、筐体の正面に各種画像を表示するディスプレイ52と、操作入力に用いられる操作部53と、音声を出力するレシーバ56が設けられている。
図6は、図5に示す第2携帯電話機50の機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、第2携帯電話機50は、操作部53と、マイク54と、スピーカ55と、レシーバ56と、表示部57と、通信部58と、音声処理部60と、スイッチ部材61と、スイッチ検出部62と、GPS通信部64と、近距離通信部66と、記憶部68と、制御部70と、を有する。
操作部53は、例えば、数字キー、方向キー、決定キー、発信キー等の機能が割り当てられた複数のキーを有する。そして、これらのキーがユーザの操作により入力されると、操作部53は、その操作内容に対応する信号を発生させる。発生した信号は、ユーザの指示として制御部70へ入力される。
マイク54は、例えば、音声検索の利用時にユーザが発する音声、ノイズキャンセル処理時に利用する音など、種々の音を取得する。スピーカ55は、例えば、第1携帯電話機10の筐体10C内に配置されており、着信音やメールの送信音等を出力する。レシーバ56は、例えば、通話時の音声などを出力する。
表示部57は、ディスプレイ52を有し、制御部70から供給される映像データに応じた映像や画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。
通信部58は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式などによる無線信号回線を確立し、基地局を介して、例えば、上述した第1携帯電話機10との間で電話通信及び情報通信を行う。
音声処理部60は、マイク54に入力される音声信号、スピーカ55及びレシーバ56から出力される音声信号の処理を実行する。
スイッチ部材61は、筐体の上側に配置されており、ストラップ51と接続されている。スイッチ部材61は、ストラップ51が筐体に対して引っ張られることで筐体に対して移動可能な構造である。ユーザは、ストラップ51を手掛かりとして、スイッチ部材61を操作する。スイッチ部材61は、ストラップ51に引っ張られることで、筐体の上面に対して突出するように移動する。スイッチ部材61は、初期位置とストラップに引っ張られて初期位置から移動した突出位置とへ切替移動が可能な構成となっている。
スイッチ位置検出部62は、対象者の操作状態、具体的には、スイッチ部材61の位置を検出している。スイッチ位置検出部62は、スイッチ部材61が初期位置にある場合、操作状態が第1操作状態であるとして、第1操作信号を制御部70へ向けて出力する。また、スイッチ位置検出部62は、スイッチ部材61が突出位置にある場合、操作状態が第2操作状態であるとして、第2操作信号を制御部70へ向けて出力する。制御部70は、スイッチ位置検出部62から第1操作信号が出力されているか、第2操作信号が出力されているかでスイッチ部材61の位置を特定する。なお、スイッチ位置検出部62は、スイッチ位置が初期位置にある場合、操作信号を出力せず、スイッチ部材61が突出位置にある場合のみ操作信号を出力するようにしてもよい。
GPS通信部64は、GPS衛星2から出力されるGPS信号を受信する通信部である。また、GPS通信部64は、出力されるGPS信号を受信し解析することで第2携帯通信装置50の緯度経度を算出し、算出した緯度経度の情報を制御部70に送る。具体的には、GPS通信部64は、複数のGPS衛星2からGPS信号を取得し、GPS信号に含まれる時間情報と取得した時間情報との時間差や、受信した伝播電波の強度等によりそれぞれのGPS衛星2からの距離を算出する。GPS通信部64は、GPS衛星2からの距離と各GPS衛星2の位置情報を解析することで、自身の位置を算出する。
近距離通信部66は、近距離無線通信技術を用いて、近距離通信可能な他の通信機器と通信を行う通信部(情報通信部)である。なお、近距離無線通信技術としては、赤外線通信(IrDA(登録商標)、IrMC(登録商標)、IrSimple(登録商標))や、可視光通信や、Bluetooth(登録商標)や、磁界通信(RFID、Radio Frequency Identification)技術を用いることができる。
記憶部68は、制御部70での処理に利用される各種プログラム及び各種データを記憶する。本実施形態において、記憶部68には、少なくとも、第1携帯電話機10から送信された電子メールに基づいて実行する処理を決定し動作を制御するプログラム、ユーザの操作に基づいて通信を制御するプログラム及びGPS通信部64を用いて位置の検出を実行するプログラムが記憶される。
制御部70は、記憶部68に記憶されている各種プログラムに基づいて処理を実行する。制御部40は、例えば、マイクロプロセッサユニットで構成され、記憶部68に記憶されるプログラムから命令コードを順次読み込んで、読み込んだ命令コードで指示された手順に従って第2携帯電話機50の各種の処理を実行する。
具体的には、制御部70は、ユーザがストラップ51を引っ張り、スイッチ部材61が突出位置に移動したことをスイッチ位置検出部62で検出した場合、スピーカ55から防犯用のブザー音を出力させ、防犯機能が作動したことを示す電子メールを第1携帯電話機に送信する。制御部70は、通信部58を介して、第1携帯電話機10から位置情報の通知の返信要求を受信すると、位置測位を実行し、測位した位置情報を通信部58により第1携帯電話機10に返信する。制御部70は、所定の条件を満足する場合、近距離通信部66で第1携帯電話機10とのペアリング処理を実行する。ここで、ペアリング処理は、対象とする通信装置と近距離無線通信で通信ができるように、対象の通信装置を検索し、発見した場合、必要な情報を交換する処理である。例えば、制御部70は、近距離通信部66で周囲の通信機器に検索要求を出力(送信)する。つまり、制御部70は、近距離通信部66により近距離無線通信の通信信号が到達する範囲内に検索要求を出力する。検索要求は、第2携帯電話機50が近距離無線通信による通信可能な範囲内にいる通信機器を検索する信号である。検索要求を取得した通信装置は、検索要求を出力した第2携帯電話機50に対して自機の固有番号(MACアドレス)を送信する。近距離通信部66は、送信された固有番号を受信する。制御部70は、受信した固有番号のなかに対象の通信装置の固有番号を含む応答があった場合、当該固有番号を出力した通信装置と近距離通信を用いた通信を確立することでペアリングを行う。制御部70は、ペアリング処理が成功し、通信が確立できた場合、近距離通信部66を用いて、近距離無線通信で当該通信機器と情報の送受信が可能となる。
以上のように第2携帯電話機50は、防犯機能が作動した場合、第1携帯電話機10から返信の要求があった場合、または、予め設定された条件を満たす場合、位置情報を検出し、検出した位置情報を特定の第1携帯電話機10に送る。第2携帯電話機50は、第1携帯電話機10により設定された条件を満たす場合、位置情報を検出し、検出した位置情報を特定の第1携帯電話機10に送るようにしてもよい。設定された条件としては、例えば、周期または時間帯等の時間の条件や、設定された範囲の外に出る等の位置の条件がある。
第2携帯電話機50は、予め設定された特定の条件に起因して、位置情報を検出し、検出した位置情報を特定の第1携帯電話機10に送る処理、つまり位置情報送信処理を実行すると判定した場合、当該処理を実行する前に、近距離通信部66で第1携帯電話機10とのペアリング処理を実行する。第2携帯電話機50は、近距離通信部66で第1携帯電話機10との通信を確立できた場合、位置情報を検出し、検出した位置情報を特定の第1携帯電話機10に送る処理を実行しない。
以下、図7から図12を用いて、通信システム1の動作、特に対応付けられた特定の第1携帯電話機10と特定の第2携帯電話機50とで実行される処理動作について説明する。図7及び図8を用いて、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50との間で実行される処理の一例を説明する。図7及び図8は、それぞれ第1携帯電話機と第2携帯電話機との間で実行される処理の一例を示す図である。図7は、通信システム1のうち、1つの第1携帯電話機10と1つの第2携帯電話機50の通信ユニット100のみを示している。第1携帯電話機10と第2携帯電話機50とは、予め対応付けられており特定の処理を実行可能な設定となっている。通信ユニット100は、第1携帯電話機10が親端末となり、第2携帯電話機50が子端末となる。図8に示す通信ユニット100aは、通信ユニット100と同じ第1携帯電話機10と第2携帯電話機50とで構成され、かつ一部の処理の結果が異なる状態を示している。
以下、本実施形態は、所定の通知として緊急地震速報を受信した場合として説明する。所定の通知としては、種々の通知を用いることができる。所定の通知としては、緊急情報を含む電子メールを用いることが好ましい。緊急情報を含む電子メールとしては、気象庁が配信する緊急地震速報及び津波警報、地方公共団体が発信する災害情報及び避難情報などの報知型の所定の電子メール(メッセージ)がある。第1携帯電話機10は、受信した電子メールのヘッダに含まれる情報、本文の情報及びメールの種類の少なくとも1つを解析することで、緊急情報を含む電子メールか否かを判定することができる。例えば、受信した電子メールがBCSMSなどを利用した一斉配信型のブロードキャストメッセージである場合がある。第1携帯電話機10は、ブロードキャストメッセージであり、受信した電子メールの拡張システムパラメータのブロードキャスト用の領域がページングチャネルに設定されている場合、その領域内に記述された信号を確認することにより、緊急地震速報などの報知型の所定のメッセージであるかを判定する。例えば、受信した電子メールが通信事業者により一斉配信されるエリアメールである場合がある。この場合、第1携帯電話機10は、エリアメールのヘッダ内に設けられたシステム領域のパラメータを確認することにより、緊急地震速報などの報知型の所定のメッセージであるかを判定する。
図7に示すように、通信ユニット100は、ステップS1として、第1携帯電話機10が緊急地震速報を受信する。通信ユニット100は、ステップS1で第1携帯電話機10が緊急地震速報を受信したら、ステップS2として、第1携帯電話機10から第2携帯電話機50に現在位置要求コマンドを出力し、第1携帯電話気10から出力された現在位置要求コマンドを第2携帯電話機50が受信する。つまり、第1携帯電話機10は、ステップS2として第2携帯電話機50の位置情報要求を出力し、当該位置情報要求を第2携帯電話機50が受信する。第1携帯電話機10は、電子メールに位置情報要求を示すコマンドを含めることで、当該コマンドを第2携帯電話機50に送信することができる。第1携帯電話機10は、位置情報要求を示すコマンドとともに当該位置情報要求が緊急地震速報に起因していることを示す情報も電子メールに含める。つまり、第1携帯電話機10は、緊急地震速報を受信したことで、位置情報要求を示すコマンドを送信したことが検出できる電子メールを第2携帯電話機50に送る。コマンドと実行する処理との関係は、第1携帯電話機10及び第2携帯電話機50の両方に予め記憶されている。
第2携帯電話機50は、ステップS2で受信した位置情報要求を含む電子メールの解析を行い、当該位置情報要求のコマンドが緊急地震速報に起因すると判定した場合、ステップS3として、ペアリング処理、つまり近距離通信部66を用いた通信の確立の処理を開始する。第1携帯電話機50は、ステップ2で緊急地震速報に起因する位置情報要求のコマンドを含む電子メールを送信したら、ステップS3として、ペアリング処理、つまり近距離通信部33を用いた通信の確立の処理を開始する。通信ユニット100は、ステップS3で第1携帯電話機10と第2携帯電話機50の両方でペアリング処理を実行し、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50との間で近距離通信による通信を確立したら、処理を終了する。つまり、通信ユニット100は、近距離通信による通信が確立でき、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50とが一定の距離内にあることを検出した場合、位置情報要求に対する応答を行わずに、処理を終了する。
これに対して、図8に示す通信システム100aは、ステップS4としてペアリングを失敗したことを検出する。つまり、通信システム100aは、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50とが近距離通信で相手の通信装置を検出することができず、近距離通信による通信を確立できなかったことを検出する。
第2携帯電話機50は、ステップS4でペアリングの失敗を検出したら、ステップS5として、GPS信号を受信し、第2携帯電話機50、つまり自機の位置情報を取得する。第2携帯電話機50は、GPS通信部64によりGPS信号を取得し、取得したGPS信号を解析して自機の現在の位置の情報を取得する。
通信ユニット100aは、ステップS5で第2携帯電話機50が自機の位置情報を取得したら、ステップS6として、第2携帯電話機50から第1携帯電話機10に第2携帯電話機50の位置情報を返信する。つまり、第2携帯電話機50は、ステップS2で取得した位置情報を第1携帯電話機50に送信する。本実施形態の第2携帯電話機50は、位置情報を含む電子メールを第1携帯電話機50に送る。第1携帯電話機10は、第2携帯電話機50から送信された第2携帯電話機の位置情報を受信する。本実施形態の第1携帯電話機10は、第2携帯電話機50から送信された電子メールを受信することで、第2携帯電話機の位置情報を受信する。
次に、図9を用いて、第2携帯電話機50の位置情報を取得した第1携帯電話機10で実行する処理について説明する。図9は、第1携帯電話機の表示部に表示される画面の一例を示す図である。第1携帯電話機10は、第2携帯電話機50の位置情報を取得した場合、図9に示すように、第2携帯電話機50の位置を示す地図画像101をディスプレイ12に表示させる。地図画像101は、第2携帯電話機50の位置情報を含む範囲の地図である。地図画像101は、マーク102を含む。マーク102は、第2携帯電話機50の位置を示している。
次に、図10を用いて、第2携帯電話機50で実行する処理について説明する。図10は、第2携帯電話機で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、第2携帯電話機50の制御部70が記憶部68に記憶されたプログラムを処理して各動作を実行することで実現することができる。
制御部70は、ステップS40として位置情報要求を受信すると、ステップS42として、第1携帯電話機とのペアリング処理を実行する。制御部70は、ステップS42でペアリング処理を実行したら、ステップS44でペアリングに成功したかを判定する。つまり、制御部70は、位置情報要求を送信した第1携帯電話機10と近距離通信による通信を確立したかを判定する。制御部70は、ステップS44でペアリングに成功(ステップS44でYes)つまり通信を確立したと判定した場合、本処理を終了する。
制御部70は、ステップS44でペアリングに失敗(ステップS44でNo)つまり通信を確立できていないと判定した場合、ステップS46として、GPS信号を受信し、位置を特定する。つまり、制御部70は、GPS通信部64を用いてGPS信号を受信し、受信したGPS信号を処理して第2携帯電話機50の位置を特定する。制御部70は、ステップS46で位置を特定したら、ステップS48として、第1携帯電話機10に位置情報を出力し、本処理を終了する。つまり制御部70は、取得した位置情報を対応付けられている特定の第1携帯電話機10に出力する。位置情報の出力方法は、特に限定されないが、上述したように電子メールとして出力することが好ましい。
図10に示す例では、ステップS40で位置情報要求を受信した場合としたが、ステップS40はこれに限定されない。第2携帯電話機50は、上述したように位置情報を送信するトリガーとなる各種条件を満たしたと判定した場合、図10の処理を実行すればよい。
次に、図11を用いて、第1携帯電話機10で実行する処理について説明する。図11は、第1携帯電話機で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す処理は、第1携帯電話機10の制御部40が記憶部34に記憶されたプログラムを処理して各動作を実行することで実現することができる。
制御部40は、ステップS50として、緊急地震速報を受信したかを判定する。制御部40は、ステップS50で緊急地震速報を受信していない(ステップS50でNo)と判定した場合、本処理を終了する。制御部40は、ステップ50で緊急地震速報を受信した(ステップS50でYes)と判定した場合、ステップS52として、位置情報要求を第2携帯電話機に送信し、ステップS54として、第2携帯電話機とのペアリング処理を実行する。制御部40は、ステップS54でペアリング処理を実行したら、ステップS56でペアリングに成功したかを判定する。つまり、制御部40は、位置情報要求の送信先である第2携帯電話機10と近距離通信による通信を確立したかを判定する。制御部40は、ステップS56でペアリングに成功(ステップS56でYes)つまり通信を確立したと判定した場合、本処理を終了する。
制御部40は、ステップS56でペアリングに失敗(ステップS56でNo)つまり通信を確立できていないと判定した場合、ステップS58として、第2携帯電話機から送信された位置情報を受信する。つまり、制御部40は、ステップS58で第2携帯電話機の位置情報を取得する。制御部40は、ステップS58で位置情報を受信したら、ステップS60として、第2携帯電話機50の位置とに基づいて地図の範囲、縮尺を特定する。具体的には、第2携帯電話機50の位置が入る範囲を抽出し、抽出した範囲がディスプレイ12に表示される縮尺を決定する。地図の範囲は、第2携帯電話機50の位置が、画面の端部、つまり範囲の端から一定の割合以上離れた位置となるように決定する。地図の範囲は、第2携帯電話機50の位置が画面の中心から一定の距離以内となるように決定してもよい。
制御部40は、ステップS60で地図の範囲と縮尺を特定したら、ステップS62として、使用する地図データを抽出する。つまり、制御部40は、使用する範囲と縮尺に対応する地図の画像データを抽出する。地図データは、記憶部38に記憶してもよいし、通信部28を用いた通信でサーバ3等の外部の通信装置から取得してもよい。
制御部40は、ステップS62で使用する地図データを抽出したら、ステップS64として、地図データ上に第2携帯電話機50の位置の表示、つまりマークの表示を追加する。制御部40は、ステップS64で位置の表示を追加したら、ステップS66として表示部26、本実施形態ではディスプレイ12に表示させる。制御部40は、ステップS66で地図を表示した場合、本処理を終了する。
通信システム1は、以上のように、第1携帯電話機10が緊急地震速報を受信した場合、第1携帯電話機10から第2携帯電話機50に位置情報要求を出力させ、第2携帯電話機50の位置を取得する処理を実行する。これにより、通信システム1は、緊急地震速報が出願された状態、つまり緊急性が高い場合、保護する対象者が所持する第2携帯電話機50の位置を保護者が所持する第1携帯電話機10に通知することができる。
通信システム1は、緊急地震速報に起因して第1携帯電話機10から位置情報要求が出力された場合、ペアリングを行い、ペアリングが成功、つまり第1携帯電話機10と第2携帯電話機50との間で近距離通信による通信が確立された場合、第2携帯電話機50から第1携帯電話機10に位置情報を送信しない。通信システム1は、緊急地震速報の受信時に、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50とが近くにいる場合、位置情報の送受信を実行しない。これにより、第1携帯電話機10を所持する保護者と、第2携帯電話機50を所持する保護する対象者とが一緒にいる場合、またはすぐに確認できる位置にいる場合に、ネットワークを介して情報の送受信が行われることを抑制することができる。これにより、必要性の低い位置情報が送受信されることを抑制でき、操作性を高くすることができる。また、必要性の低い情報がネットワークを介して送受信されることを抑制できるため、ネットワークにかかる負荷も少なくすることができる。
通信システム1及び第1携帯電話機10は、ペアリングが失敗した場合、第2携帯電話機50の位置情報を取得し、図9に示すように第2携帯電話機50の位置情報を含む地図を表示させる。これにより、通信システム1及び第1携帯電話機10は、第2携帯電話機50の位置を表示させることができる。これにより、第1携帯電話機10は、ユーザである保護者に対して、第2携帯電話機50のユーザである保護の対象者の位置をわかりやすい状態で示すことができる。
ここで、通信システム1、第1携帯電話機10及び第2携帯電話機50は、ペアリングが成立した場合、対象の携帯電話機が近くにあることを示すメッセージを表示部に表示させることが好ましい。これにより、通信部を介して通信を用いなくても、対応の携帯電話機が一定範囲内にあることを知ることができる。また、位置情報を受信し、表示されないことをユーザにより短時間で適切に理解させることができる。
ここで、上記実施形態の通信システム1は、第1携帯電話機10が緊急受信速報を受信した場合、ペアリング処理を実行する場合として説明したが、上述した緊急地震速報以外の緊急情報を含む電子メールも同様にペアリング処理を実行してもよい。通信システム1は、第1携帯電話機10が予め設定された所定のメッセージに起因して、つまり受信したことをトリガーとして位置情報要求を送信する場合も、ペアリング処理を実行してもよい。
上記実施形態の通信システム1の第2携帯電話機50は、位置情報要求を受信した場合、ペアリング処理を実行したが、これに限定されない。以下、図12を用いて、第2携帯電話機50で実行する処理について説明する。図12は、第2携帯電話機で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12は、第2携帯電話機が緊急地震速報を受信した場合、ペアリング処理を実行する処理である。
制御部70は、ステップS70として、緊急地震速報を受信したかを判定する。制御部70は、ステップS70で緊急地震速報を受信していない(ステップS70でNo)と判定した場合、本処理を終了する。制御部70は、ステップS70で緊急地震速報を受信した(ステップS70でYes)と判定した場合、ステップS72として、第1携帯電話機とのペアリング処理を実行する。制御部70は、ステップS62でペアリング処理を実行したら、ステップS74でペアリングに成功したかを判定する。つまり、制御部70は、位置情報要求を送信した第1携帯電話機10と近距離通信による通信を確立したかを判定する。制御部70は、ステップS74でペアリングに成功(ステップS74でYes)つまり通信を確立したと判定した場合、本処理を終了する。
制御部70は、ステップS74でペアリングに失敗(ステップS74でNo)つまり通信を確立できていないと判定した場合、ステップS76として、GPS信号を受信し、位置を特定する。つまり、制御部70は、GPS通信部64を用いてGPS信号を受信し、受信したGPS信号を処理して第2携帯電話機50の位置を特定する。制御部70は、ステップS76で位置を特定したら、ステップS78として、第1携帯電話機10に位置情報を出力し、本処理を終了する。つまり制御部70は、取得した位置情報を対応付けられている特定の第1携帯電話機10に出力する。
第2携帯電話機50は、図12に示すように、緊急地震速報を受信した場合、ペアリング処理を実行するようにしてもよい。通信システム1は、第2携帯電話機50が緊急地震速報を受信した場合、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50との間でペアリング処理を実行し、ペアリングが成功したら処理を終了し、ペアリングが失敗したら位置情報を送信してもよい。これにより、通信システム1は、第2携帯電話機50が緊急地震速報を受信し、かつ、第2携帯電話機50が第1携帯電話機10の近くにない場合も、第1携帯電話機10に第2携帯電話機50の位置情報を通知することができる。
このように、通信システム1は、第1携帯電話機10から送信された電子メール以外の処理が実行された場合も、ペアリング処理を実行するようにしてもよい。具体的には、第2携帯電話50から第1携帯電話に位置情報を送信する処理を実行する場合、位置情報の送信処理を実行する前に、ペアリング処理を実行するようにしてもよい。
ここで、通信システム1は、第1携帯電話機10の操作部をユーザが操作し、第2携帯電話機50の位置情報を取得する場合は、ペアリング処理の結果に係らずまたはペアリング処理を実行せずに、第2携帯電話機50の位置情報を第1携帯電話機10に送信することが好ましい。これにより、第1携帯電話機10のユーザが第2携帯電話機50の位置を検出する操作を実行した場合、第2携帯電話機50が近くにある場合も位置情報を取得することができる。
通信システム1の第1携帯電話機10と第2携帯電話機50は、第2携帯電話機の位置情報を取得する処理を実行するトリガーとなる処理に応じて、実行する処理が変化することが好ましい。以下、図13及び図14を用いて説明する。
図13を用いて、第2携帯電話機50で実行する処理について説明する。図13は、第2携帯電話機で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す処理は、第2携帯電話機50の制御部70が記憶部68に記憶されたプログラムを処理して各動作を実行することで実現することができる。
制御部70は、ステップS110として位置確認処理を実行することを検出する。具体的には、制御部70は、上述した種々のトリガーのいずれか1つに基づいて、第2携帯電話機50の位置情報を検出し、第1携帯電話機10に検出結果を送信する処理を開始することを検出する。
制御部70は、ステップS110で位置確認処理を実行することを検出したら、ステップS112として、緊急地震速報に基づく指示であるか、つまり緊急地震速報をトリガーとして位置確認処理を開始したかを判定する。制御部70は、緊急地震速報を受信する通信装置が、第1携帯電話機10、第2携帯電話機50のいずれでも緊急地震速報をトリガーとして位置確認処理を開始したと判定する。
制御部70は、ステップS112で緊急地震速報に基づく指示である(ステップS112でYes)と判定した場合、ステップS42に進む。制御部70は、ステップS112で緊急地震速報に基づく指示ではない(ステップS112でNo)と判定した場合、ステップS114として、ペアリング処理を実行するかを判定する。具体的には、制御部70は、ステップS110で検出した処理に基づいて、ペアリング処理を実行する処理であるかを判定する。制御部70は、ステップS114でペアリング処理を実行しない(ステップS114でNo)と判定した場合、ステップS46に進む。制御部70は、ステップS114でペアリング処理を実行する(ステップS114でYes)と判定した場合、ステップS42に進む。
制御部70は、ステップS112、S114でYesと判定した場合、ステップS42として、第1携帯電話機とのペアリング処理を実行する。制御部70は、ステップS42でペアリング処理を実行したら、ステップS44でペアリングに成功したかを判定する。つまり、制御部70は、位置情報要求を送信した第1携帯電話機10と近距離通信による通信を確立したかを判定する。制御部70は、ステップS44でペアリングに成功(ステップS44でYes)つまり通信を確立したと判定した場合、本処理を終了する。
制御部70は、ステップS44でペアリングに失敗(ステップS44でNo)つまり通信を確立できていないと判定した場合、または、ステップS114でNoと判定した場合、ステップS46として、GPS信号を受信し、位置を特定する。つまり、制御部70は、GPS通信部64を用いてGPS信号を受信し、受信したGPS信号を処理して第2携帯電話機50の位置を特定する。制御部70は、ステップS46で位置を特定したら、ステップS48として、第1携帯電話機10に位置情報を出力し、本処理を終了する。つまり制御部70は、取得した位置情報を対応付けられている特定の第1携帯電話機10に出力する。位置情報の出力方法は、特に限定されないが、上述したように電子メールとして出力することが好ましい。
次に、図14を用いて、第1携帯電話機10で実行する処理について説明する。図14は、第1携帯電話機で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す処理は、第1携帯電話機10の制御部40が記憶部34に記憶されたプログラムを処理して各動作を実行することで実現することができる。
制御部40は、ステップS120として位置確認処理を実行することを検出する。具体的には、制御部40は、上述した種々のトリガーのいずれか1つに基づいて、第2携帯電話機50の位置情報を検出する処理を開始することを検出したかを判定する。ここで、ステップS120の処理は、緊急地震速報の受信をトリガーとした処理は含まない。
制御部40は、ステップS120で位置確認処理を実行する(ステップS120でYes)と判定した場合、ステップS122として、位置情報要求を送信するかを判定する。制御部40は、ステップS122として、位置情報要求を送信する(ステップS122でYes)と判定した場合、ステップS52に進み、位置情報要求を送信しない(ステップS122でNo)と判定した場合、ステップS124に進む。
制御部40は、ステップS120で位置確認処理を実行しない(ステップS120でNo)と判定した場合、ステップS50として、緊急地震速報を受信したかを判定する。制御部40は、ステップS50で緊急地震速報を受信していない(ステップS50でNo)と判定した場合、本処理を終了する。制御部40は、ステップ50で緊急地震速報を受信した(ステップS50でYes)と判定した場合、ステップS52として、位置情報要求を第2携帯電話機に送信する。制御部40は、ステップS52の処理を実行した場合、または、ステップS122でNoと判定した場合、ステップS124として、ペアリング処理を実行するかを判定する。具体的には、制御部40は、ステップS120またはステップS50で検出した処理に基づいて、ペアリング処理を実行する処理であるかを判定する。制御部40は、ステップS124でペアリング処理を実行しない(ステップS124でNo)と判定した場合、ステップS58に進む。制御部40は、ステップS124でペアリング処理を実行する(ステップS124でYes)と判定した場合、ステップS54に進む。
制御部40は、ステップS124でYesと判定した場合、ステップS54として、第2携帯電話機とのペアリング処理を実行する。制御部40は、ステップS54でペアリング処理を実行したら、ステップS56でペアリングに成功したかを判定する。つまり、制御部40は、位置情報要求の送信先である第2携帯電話機10と近距離通信による通信を確立したかを判定する。制御部40は、ステップS56でペアリングに成功(ステップS56でYes)つまり通信を確立したと判定した場合、本処理を終了する。
制御部40は、ステップS56でペアリングに失敗(ステップS56でNo)つまり通信を確立できていないと判定した場合、ステップS58として、第2携帯電話機から送信された位置情報を受信する。つまり、制御部40は、ステップS58で第2携帯電話機の位置情報を取得する。制御部40は、ステップS58で位置情報を受信したら、ステップS60として、第2携帯電話機50の位置とに基づいて地図の範囲、縮尺を特定する。具体的には、第2携帯電話機50の位置が入る範囲を抽出し、抽出した範囲がディスプレイ12に表示される縮尺を決定する。地図の範囲は、第2携帯電話機50の位置が、画面の端部、つまり範囲の端から一定の割合以上離れた位置となるように決定する。地図の範囲は、第2携帯電話機50の位置が画面の中心から一定の距離以内となるように決定してもよい。
制御部40は、ステップS60で地図の範囲と縮尺を特定したら、ステップS62として、使用する地図データを抽出する。つまり、制御部40は、使用する範囲と縮尺に対応する地図の画像データを抽出する。地図データは、記憶部38に記憶してもよいし、通信部28を用いた通信でサーバ3等の外部の通信装置から取得してもよい。
制御部40は、ステップS62で使用する地図データを抽出したら、ステップS64として、地図データ上に第2携帯電話機50の位置の表示、つまりマークの表示を追加する。制御部40は、ステップS64で位置の表示を追加したら、ステップS66として表示部26、本実施形態ではディスプレイ12に表示させる。制御部40は、ステップS66で地図を表示した場合、本処理を終了する。
通信システム1は、図13及び図14に示すように、第2携帯電話機50から第1携帯電話機10に位置情報を送信する処理を実行する場合、当該処理を開始するトリガーによって、実行する処理を切り換えることで、より適切な処理を実行することができる。
また、上記実施形態の通信システム1は、第2携帯電話機の位置情報を出力する場合、第2携帯電話機の位置情報のみを地図上に表示させたが、第1携帯電話機10の位置も合わせて地図上に表示させることも好ましい。
図15を用いて、第1携帯電話機10で実行する処理について説明する。図15は、第1携帯電話機で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す処理は、第1携帯電話機10の制御部40が記憶部34に記憶されたプログラムを処理して各動作を実行することで実現することができる。図15に示す処理は、第2携帯電話機の位置を第1携帯電話機に送信した後の処理である。
制御部40は、ステップS142として、第2携帯電話機から送信された位置情報を受信する。つまり、制御部40は、ステップS142で第2携帯電話機の位置情報を取得する。制御部40は、ステップS142で地位情報を受信したら、ステップS144として、GPS信号を受信し、自端末である第1携帯電話機10の位置を特定する。
制御部40は、ステップS144で位置を特定、つまり位置情報を取得したら、ステップS146として、第1携帯電話機10の位置と第2携帯電話機50の位置とに基づいて地図の範囲、縮尺を特定する。具体的には、第1携帯電話機10の位置と第2携帯電話機50の位置との両方が入る範囲を抽出し、抽出した範囲がディスプレイ12に表示される縮尺を決定する。地図の範囲は、第1携帯電話機10の位置と第2携帯電話機50の位置との両方が、画面の端部、つまり範囲の端から一定の割合以上離れた位置となるように決定する。また、地図の範囲は、第2携帯電話機50の位置が画面の中心から一定の距離以内となるように決定してもよい。
制御部40は、ステップS146で地図の範囲と縮尺を特定したら、ステップS148として、使用する地図データを抽出する。つまり、制御部40は、使用する範囲と縮尺に対応する地図の画像データを抽出する。地図データは、記憶部38に記憶してもよいし、通信部28を用いた通信でサーバ3等の外部の通信装置から取得してもよい。
制御部40は、ステップS148で使用する地図データを抽出したら、ステップS150として、地図データ上に第2携帯電話機50と第1携帯電話機10の位置の表示、つまりマークの表示を追加する。制御部40は、ステップS150で位置の表示を追加したら、ステップS152として表示部26、本実施形態ではディスプレイ12に表示させる。
制御部40は、ステップS152で地図を表示したら、ステップS154として第2携帯電話機用の地図を表示するかを判定する。制御部40は、設定した条件を満足した場合、第2携帯電話機用の地図を表示すると判定する。ここで、第2携帯電話機50用の地図とは、図17及び図18に示すように、第2携帯電話機50の位置を拡大して示す地図である。
制御部40は、ステップS154で地図を表示しない(ステップS154でNo)と判定した場合、ステップS164に進む。制御部40は、ステップS154で地図を表示する(ステップS154でYes)と判定した場合、ステップS156として、第2携帯電話機50の位置に基づいて地図の範囲、縮尺を特定する。具体的には、第2携帯電話機50の位置が入る範囲を抽出し、抽出した範囲がディスプレイ12に表示される縮尺を決定する。地図の範囲は、予め設定した大きさの範囲としてもよい。また、地図の縮尺は、予め設定した縮尺としてもよい。
制御部40は、ステップS156で地図の範囲と縮尺を特定したら、ステップS158として、使用する地図データを抽出する。つまり、制御部40は、使用する範囲と縮尺に対応する地図の画像データを抽出する。
制御部40は、ステップS158で使用する地図データを抽出したら、ステップS160として、地図データ上に第2携帯電話機50の位置の表示、つまりマークの表示を追加する。制御部40は、ステップS160で位置の表示を追加したら、ステップS162として表示部26、本実施形態ではディスプレイ12に表示させる。なお、ステップS160で作成した地図画像は、ディスプレイ12の一部に表示させてもよく、全体に表示させてもよい。
制御部40は、ステップS162の処理を行ったら、またはステップS154でNoと判定した場合、ステップS164として表示終了かを判定する。制御部40は、ステップS164で表示終了ではない(ステップS164でNo)と判定した場合、ステップS154に進み、上記処理を繰り返す。制御部40は、ステップS164で表示終了(ステップS164でYes)と判定した場合、本処理を終了する。
次に、図16から図18を用いて、第1携帯電話機10の位置情報と第2携帯電話機50の位置情報を取得した第1携帯電話機10で実行する処理について説明する。図16から図18は、それぞれ第1携帯電話機の表示部に表示される画面の一例を示す図である。図16は、図15のステップS152で表示される地図の一例であり、図17、18は、それぞれ図15のステップS162で表示される地図の一例である。
第1携帯電話機10は、第1携帯電話機10の位置情報と第2携帯電話機50の位置情報を取得した場合、図16に示すように、2台の位置を示す地図画像110をディスプレイ12に表示させる。地図画像110は、第1携帯電話機10の位置情報と第2携帯電話機50の位置情報との両方を含む範囲の地図である。地図画像110は、マーク112とマーク114とを含む。マーク112は、第2携帯電話機50の位置を示している。マーク114は、第1携帯電話機10の位置を示している。
通信システム1及び第1携帯電話機10は、図16に示すように第2携帯電話機50の位置情報を取得した場合、第1携帯電話機10の位置情報も取得して、第1携帯電話機10の位置情報と第2携帯電話機50の位置情報の両方の位置を含む地図を表示させる。これにより、通信システム1及び第1携帯電話機10は、第1携帯電話機10のユーザに第1携帯電話機10の位置と第2携帯電話機50の位置との相対関係をよりわかりやすく表示させることができる。これにより、第1携帯電話機10は、ユーザである保護者に対して、自身の位置と第2携帯電話機50のユーザである保護の対象者の位置との相対関係をわかりやすい状態で示すことができる。ユーザである保護者は、相対的な位置関係が把握できることで、第2携帯電話機50がある位置に土地勘がない状態でも、第2携帯電話機50の位置を把握しやすくすることができる。
第1携帯電話機10は、図16に示すマーク112、114を含む地図画像110をディスプレイ12に表示させている状態で、設定した条件が満たされた場合、ディスプレイ12に図17に示す地図画面120を表示させる。なお、設定した条件としては、所定時間の経過や、設定した操作の検出等がある。地図画像120は、地図画像110の一部、具体的には、第2携帯電話機50の位置を含む範囲の地図である。つまり、地図画像120は、地図画像110の範囲のうち、第2携帯電話機50の位置の周辺部分を拡大した画像である。地図画像120は、マーク112aとテキスト122とを含む。マーク112aは、第2携帯電話機50の位置を示している。テキスト122は、第2携帯電話機50の位置の住所である。
通信システム1及び第1携帯電話機10は、地図画像110を示している状態で、所定の条件が満たされた場合、図17に示す第2携帯電話機50の位置を拡大して示す地図画像120を表示させることで、第2携帯電話機50の位置をより正確に把握することができる。つまり、ユーザは、図16に示す地図画像110で相対位置を把握し、その後、地図画像120で第2携帯電話機60の正確な位置を把握することができる。これにより、例えば、第2携帯電話機60を探している場合、どの位置にいるかを見つけやすくすることができる。
第1携帯電話機10は、図16に示すマーク112、114を含む地図画像110をディスプレイ12に表示させている状態で、設定した条件が満たされた場合、ディスプレイ12に図18に示す地図画面110aを表示させてもよい。地図画像110aは、地図画像110と同じ範囲の地図の画像であり、マーク112と、マーク114と地図画像130とを含む。つまり、地図画像110aは、地図画像110の上に地図画像130を重ねた画像である。地図画像130は、地図画像110aの一部、具体的には、マーク112とマーク114の両方に重ならない領域に表示されている。地図画像130は、地図画像110の一部、具体的には、第2携帯電話機50の位置を含む範囲の地図である。つまり、地図画像130は、地図画像110の範囲のうち、第2携帯電話機50の位置の周辺部分を拡大した画像である。地図画像130は、マーク112bとテキスト132とを含む。マーク112bは、第2携帯電話機50の位置を示している。テキスト132は、第2携帯電話機50の位置の住所である。
通信システム1及び第1携帯電話機10は、地図画像110を示している状態で、所定の条件が満たされた場合、図18に示す地図画像110aを表示させることで、自身の位置と第2携帯電話機50の位置との相対位置を把握しつつ、第2携帯電話機50の位置をより正確に把握することができる。つまり、ユーザは、地図画像110aの地図画像110と同様の構成の部分で相対位置を把握し、かつ、地図画像130で第2携帯電話機60の正確な位置を把握することができる。これにより、例えば、第2携帯電話機60を探している場合、どの位置にいるかを見つけやすくすることができる。なお、通信システム1及び第1携帯電話機10は、地図画像110を表示させずに地図画像110aを最初に表示させてもよい。
上述した実施形態の通信システム1は、第1携帯電話機10から第2携帯電話機50に第2携帯電話機50の位置情報を送信する指示を送信した後、ペアリング処理を行ったがこれに限定されない。通信システム1は、第2携帯電話機50から第1携帯電話機50に位置情報を送信する指示が検出された場合、近距離通信部によるペアリング処理を実行してもよい。この場合、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50とは、近距離通信部を実行した状態としたり、他の近距離通信部からの指示で起動する設定としたりすることで、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50とでペアリング処理を実行することができる。第1携帯電話機10は、先にペアリング処理を実行する場合、ペアリングが成功したら、第2携帯電話機50に第2携帯電話機50の位置情報を送信する指示を送信しないことが好ましい。これにより、通信網を介して行う通信を少なくすることができ、処理を迅速に実行することができる。また、通信網への負荷も少なくすることができる。
上述した実施形態の通信システム1は、第1携帯電話機10で第2携帯電話機50の位置の表示が追加された地図データを作成した場合としたが、これに限定されない。例えば、第1携帯電話機10は、第2携帯電話機50の位置の表示が追加された地図データをサーバ6から取得してもよい。この場合、第1携帯電話機10は、第2携帯電話機50の位置情報と、第2携帯電話機50の位置を含む地図データの取得要求と、をサーバ6に送信する。サーバ6は、第1携帯電話機10から送信された地図データの取得要求、第2携帯電話機50の位置情報を受信すると、第2携帯電話機50の位置情報を含む地図データを作成する。サーバ6は、地図データを含む電子メールを第1携帯電話機10に送信する。第1携帯電話機10は、サーバ6から送信された地図データを含む電子メールを受信すると、当該地図データをディスプレイ2Aに表示する。ここで、サーバ6は、地図データを含む電子メールを送信してもよいが、地図データのリンク先を示すアドレスを添付した電子メールを送信してもよい。第1携帯電話機10は、地図データのリンク先を示すアドレスを添付した電子メールを受信した場合、当該アドレスにアクセスすることで第2携帯電話機50及び自機の位置情報を含む地図データを取得することができる。
通信システム1は、このように、サーバ6で第2携帯電話機50と第1携帯電話機10との位置の表示が追加された地図データを作成することで、第1携帯電話機10で実行する処理を少なくすることができる。つまり、第1携帯電話機10は、取得した第2携帯電話機50の位置情報を含む地図データの取得要求を送信するのみで、第2携帯電話機50の位置の表示が追加された地図データを取得することができる。
通信システム1は、第1携帯電話機10と第2携帯電話機50との間で送受信される情報をサーバ6で監視し、情報を取得、加工してもよい。サーバ6は、第2携帯電話機50から第1携帯電話機10に送信される情報を解析し、第2携帯電話機50の位置情報を取得してもよい。この場合、第1携帯電話機10は、第2携帯電話機50の位置情報を含む地図データの取得要求を送信することで、地図データを取得することができる。また、サーバ6は、第2携帯電話機50から送信される位置情報を含む電子メールに基づいて第2携帯電話機50の位置情報を含む地図データを作成し、当該電子メールに作成した地図データのリンク先を示すアドレスを添付し、第1携帯電話機10に送信してもよい。つまり、通信システム1は、第2携帯電話機50から第1携帯電話機10に送信される位置情報を含む電子メールに作成した地図データのリンク先を示すアドレスを添付してもよい。この場合、これにより、第1携帯電話機10のユーザは、リンク先の地図データを取得することで、当該地図を表示部に表示させることができる。
また、上記実施形態では、第2携帯電話機50が自機の位置情報を送信したが、これに限定されない。第1携帯電話機10は、第2携帯電話機50で送信された位置情報を含む情報を受信した場合、当該位置情報を含む地図データを表示すればよい。すなわち、第1携帯電話機10は、第2携帯電話機50で送信された当該第2携帯電話機50以外の携帯電話機の位置情報を受信した場合も、同様に当該位置情報を含む地図データを表示することができる。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成により具現化されるべきである。
上記の実施形態では、第1携帯電話機10として折り畳み式の携帯電話機を一例として説明した。添付の請求項に係る第1通信装置は、携帯電話機以外の電子メールの送受信機能を備えた各種通信機器であってもよい。通信機器は、例えばスマートフォン、タブレット、パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、テレビジョン受信機、及びゲーム機である。