本出願に係る通信端末、通信システム、制御方法及び緊急報知プログラムを実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施形態)
図1から図2を参照しながら、実施形態に係る通信システム1のシステム構成について説明する。図1に示すように、通信システム1は、通信端末となる第1通信端末10と、他の通信端末となる第2通信端末100と、を有する。第1通信端末10と第2通信端末100とは、公衆通信網等を介して電子メールの送受信が可能な構成となっている。本実施形態では、保護する対象者が第2通信端末100を所持し、対象者の保護者が第1通信端末10を所持している。対象者は、主に幼児、小学生等の小児、児童であるが、高齢者、ペット等としてもよい。
通信システム1は、第1通信端末10と第2通信端末100との間で通信を行い、第2通信端末100の情報を第1通信端末10に送る。これにより、保護者は、第2通信端末100の位置や状態を把握することができる。
以下、図1から図3を用いて、第1通信端末10について説明する。本実施形態の第1通信端末10は、いわゆるフィーチャーフォンといわれる携帯電話機である。第1通信端末10は、第2通信端末100を確認する機能を備える。ここで、本実施形態では、第1通信端末10をフィーチャーフォンとしたが、いわゆるスマートフォンとしてもよい。本実施形態では、第1通信端末10を携帯電話機としたがこれに限定されない。第1通信端末10は、電子メールの送受信機能を備えた各種電子機器で実現することもできる。
第1通信端末10は、図2に示すように、筐体11Cが複数の筐体で構成される。具体的には、筐体11Cは、第1筐体11CAと第2筐体11CBとで開閉可能に構成される。即ち、第1通信端末10は、折り畳み式の筐体11Cを有する。なお、第1通信端末10の筐体11Cは、このような構造に限定されるものではない。例えば、第1通信端末10の筐体11Cは、両方の筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体と他方の筐体とを互いにスライドできるようにしたスライド式の筐体であってもよいし、重ね合わせ方向に沿う軸線を中心に、一方の筐体を回転させるようにした回転式や、2軸ヒンジを介して両方の筐体を連結したものでもよい。第1通信端末10は、スマートフォンのように1枚の薄い板形状としてもよい。
第1筐体11CAと第2筐体11CBとは、ヒンジ機構8で連結されている。第1筐体11CA及び第2筐体11CBとは、ヒンジ機構8を中心として相対的に回動できる。第1筐体11CAと第2筐体11CBとは、ヒンジ機構8を中心として、折り畳み可能に移動することができる。
第1筐体11CAには、図2に示すディスプレイ12が設けられる。ディスプレイ12は、第1通信端末10が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、第1通信端末10の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。また、第1筐体11CAには、第1通信端末10の通話時に音声を出力するレシーバ16が設けられる。第1筐体11CAのディスプレイ12が配置されている面とは反対側の面には、着信音や警報音等を出力するスピーカ17が設けられている。
第1筐体11CAのヒンジ機構8とは反対側の端部で、かつ、ディスプレイ12が配置されている面とは反対側の面には、画像を撮影(取得)するカメラ40が設けられている。カメラ40の撮影窓は、第1筐体11CAの外部に露出している。
第2筐体11CBには、通話相手の電話番号や、電子メール作成時等に文字を入力するための操作キー13Aが複数設けられ、また、ディスプレイ12に表示されるメニューの選択及び決定や画面のスクロール等を容易に実行するための方向及び決定キー13Bが設けられる。操作キー13A及び方向及び決定キー13Bは、第1通信端末10の操作部13を構成する。また、第2筐体11CBには、第1通信端末10の通話時に音声を受け取る音声取得手段であるマイク15が設けられる。
第2筐体11CBの内部には、アンテナが設けられている。アンテナは、無線通信に用いる送受信アンテナであり、第1通信端末10と基地局との間で通話や電子メール等に係る電波(電磁波)の送受信に用いられる。
第1通信端末10は、図3に示すように、操作部13と、制御部22と、記憶部24と、送受信部26と、音声処理部30と、表示部32と、カメラ40と、バイブレータ50と、を有する。
操作部13は、図2及び図3に示すように、操作キー13Aと決定キー13Bとを有する。操作キー13Aは、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー等、各種の機能が割り当てられている。そして、これらのキーが保護者の操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。発生した信号は、保護者の指示として制御部22へ入力される。
制御部22は、第1通信端末10の全体的な動作を統括的に制御する機能を有する。制御部22は、第1通信端末10の各種の処理が、操作部13の操作や第1通信端末10の記憶部24に記憶されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、送受信部26や、音声処理部30や、表示部32等の動作を制御する。
制御部22は、記憶部24に記憶されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。制御部22は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processing Unit)で構成されている。制御部22は、前記ソフトウェアで指示された手順にしたがって上述した第1通信端末10の各種の処理を実行する。即ち、制御部22は、記憶部24に記憶されるオペレーティングシステムプログラムやアプリケーションプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
制御部22は、送受信部26を介して行う第2通信端末100を含む他の通信端末との通話、データ通信を制御する。具体的には、制御部22は、着信の検出、発信、終話、電子メールなどのデータの送受信等の制御を行う。制御部22は、操作部13の操作によって電子メールを作成し、当該電子メールを送受信部26によって送信する処理を行う。制御部22は、送受信部26による電子メールの受信をユーザである保護者に報知する。制御部22は、受信した1又は複数の電子メールの受信一覧から、保護者が操作部13の操作によって選択した電子メールを表示部32に表示する。また、制御部22は、カメラ40の起動、停止、画像取得、撮影モードの選択、焦点位置合わせ等の処理を行う。
記憶部24には、制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが記憶されている。記憶部24には、通信相手の電話番号やメールアドレス等が記述されて管理するアドレス帳44と、着信を報知する制御条件や、緊急報知であるか否かの判定に用いる条件を含む条件テーブル46とが記憶されている。記憶部24には、これら以外にも、例えば、通信によりダウンロードされた音声データ、あるいは、発信音、着信音、通知音、緊急報知音等に用いる音声ファイル、ソフトウェアの処理過程で用いられる一時的なデータ等が記憶されている。
アドレス帳44は、名前や電話番号やメールアドレス等が登録されたアドレス情報(1件分の登録データ)が複数件記憶されている。また、アドレス帳44に記憶されるアドレス情報には、種々の項目が入力可能であり、アドレス情報を分類するグループ情報も入力することができる。
条件テーブル46は、着信を報知する制御条件のテーブルとして、電子メールの受信、着信等を報知する設定に対応する複数の設定モードの情報が記憶されているテーブルを有する。ここで、設定モードとしては、マナーモード、サイレントモード、ボリューム0モード等がある。マナーモードは、通知音、着信音を出力せず、バイブレータ50で機器を振動させるモードである。サイレントモードは、表示部32への表示のみを行い、通知音、着信音を出力させず振動を発生させないモードである。ボリューム0モードは、音声の出力値を0として報知するモードである。さらに、記憶部24は、設定モードの中からどの設定モードが選択されているかを示す設定モード情報も記憶している。記憶部24は、設定モード情報として、上述したマナーモード、サイレントモード、ボリューム0モード等の設定モードまたは設定なしを記憶している。第1通信端末10は、基本的に設定モード情報に基づいて、対応する設定モードの処理で電子メールの受信、着信等を報知する。なお、設定なしは、通知音、着信音を出力するモードである。第1通信端末10は、設定モード情報が設定なしの場合、電子メールの受信等を通知音で報知する。
条件テーブル46は、緊急報知の判定に用いる条件データとして、送信元データとキーワードデータとを有する。送信元データは、例えば、メールアドレス、名前データ等が設定される。キーワードデータは、第2通信端末100との間で予め定められた、例えば「防犯ブザー報知」、「緊急報知」等のキーワードが設定される。これにより、制御部22は、送信元データに基づいて、受信した電子メールが第2通信端末100から送信された電子メールであるか否か、つまり第2通信端末100から送信された電子メールを受信したか否かを判定することができる。さらに、制御部22は、電子メールのメッセージ本体がキーワードを含むかを判定することで、緊急報知の電子メールであるか否かを判定することができる。なお、条件テーブル46を用いた制御部22の制御については、後述する。
送受信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号と、レシーバ16、スピーカ17から出力される音声信号の処理を実行する。音声処理部30は、制御部22の制御によって通知音、該通知音とは異なる緊急報知音等をスピーカ17から出力する。
表示部32は、上述した図2に示すディスプレイ12を有している。表示部32は、制御部22から供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像をディスプレイ12に表示させる。ディスプレイ12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等で構成された表示パネルで構成される。なお、表示部32は、ディスプレイ12に加え、サブディスプレイを有していてもよい。
カメラ40は、上述したように第1筐体11CAのレシーバ16が形成されている面とは反対側の面に設けられ、第1筐体11CAの外側(ディスプレイ12が設けられている面とは反対側)に対面している(向かい合っている)領域のうち一定の撮影領域の画像(被写体の画像)を取得する撮像機構である。バイブレータ50は、振動するモーターである。第1通信端末10は、基本的に以上のような構成である。
次に、図1及び図4を用いて、第2通信端末100について説明する。図4は、実施形態に係る第2通信端末100の概略構成を示すブロック図である。
第2通信端末100は、防犯ブザー機能を備えた携帯電話機である。第2通信端末100は、図1に示すように、1つの略箱型形状の筐体105に表示パネル106と操作キー107とマイク108とレシーバ109とが設けられている。
表示パネル106は、筐体105の正面に設けられる。表示パネル106は、電話の発着信やアプリケーションの起動を待ち受けている待受画面を表示する。表示パネル106は、第2通信端末100の操作を補助するメニュー画面を表示する。
操作キー107は、筐体105の正面の表示パネル106の近傍(図示下側)に設けられている。操作キー107は、通話相手の選択時や、メール作成にユーザに操作される。マイク108は、筐体105の正面の下方側端部に配置されている。マイク108は、第2通信端末100の通話時に音声が入力される。筐体105の正面の上方側端部には、第2通信端末100の通話時に音声を発するレシーバ109が設けられる。
ブザー部110は、筐体105の背面の上側に設けられている。ブザー部110は、第2通信端末100の警報発動時に警報音を発する。ブザー部110は、筐体105の外部へ警報を発動する警報部として機能している。
プルスイッチ部材112は、筐体105の背面の上側に設けられている。プルスイッチ部材112には、紐体113を介してストラップ114が連結されている。対象者、つまり第2通信端末100のユーザは、ストラップ114を手掛かりとして、紐体113を介してプルスイッチ部材112を操作する。プルスイッチ部材112は、紐体113を介してストラップ114に引っ張られることで、筐体105の上面に対して突出するように移動する。プルスイッチ部材112は、初期位置と、ストラップ114に引っ張られて初期位置から移動した突出位置と、に切替移動が可能な構成となっている。
次に、第2通信端末100の機能について説明する。第2通信端末100は、図4に示すように、マイク108と、レシーバ109と、ブザー部110と、プルスイッチ部材112と、制御部122と、記憶部124と、通信部126と、操作部128と、音声処理部130と、表示部132と、スイッチ位置検出部134と、GPS(Global Positioning System)部140と、を有する。マイク108と、レシーバ109と、ブザー部110と、プルスイッチ部材112と、は、上述した構成である。
図4に示す制御部122は、第2通信端末100の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。即ち、第2通信端末100の各種の処理が適切な手順で実行されるように、制御部122は通信部126、表示部132等の動作を制御する。制御部122は、記憶部124に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、制御部122は、複数のプログラム(アプリケーション、ソフトウェア)を並列で実行することができる。
記憶部124には、制御部122での処理に利用されるアプリケーションのプログラムやデータが保存されている。具体的には、アプリケーションのプログラムとして、ブザー部110により警報を発するアプリケーションのプログラム、第2通信端末100の位置を電子メールで定期的に報知するアプリケーションのプログラム、メール送受信アプリケーションのプログラム等が保存されている。また、データとしては、画像データ、音声データ、アドレス帳データ等が記憶されている。
通信部126は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。通信部126は、例えばメールサーバに電子メールを送信する。これにより、電子メールはメールサーバから第1通信端末10に配信される。
図1及び図4に示すように、操作部128は、例えば、数字キー、方向キー、決定キー、終話キーなど、各種の機能が割り当てられた操作キー107を有する。操作部128は、これらのキーに対する対象者の操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、対象者の指示として制御部122へ入力される。
図4に示す音声処理部130は、マイク108に入力される音声信号やレシーバ109から出力される音声信号の処理を実行する。
図1及び図4に示すように、表示部132は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro-Luminescence)パネルなどで構成された表示パネル106を備える。表示部132は、制御部122から供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネル106に表示させる。
図4に示すスイッチ位置検出部134は、対象者の操作状態、具体的には、プルスイッチ部材112の位置を検出している。スイッチ位置検出部134は、プルスイッチ部材112が初期位置にある場合、操作状態が第1操作状態であるとして、第1操作信号を制御部122へ向けて出力する。また、スイッチ位置検出部134は、プルスイッチ部材112が突出位置にある場合、操作状態が第2操作状態であるとして、第2操作信号を制御部122へ向けて出力する。
GPS部140は、第2通信端末100の位置を検出する。GPS部140は、複数のGPS衛星から出力された電波を受信するGPSアンテナ141を有する。GPS部140は、GPSアンテナ141で受信した複数のGPS衛星から出力された電波の情報(つまりGPS信号)に基づいて、自端末の位置情報を取得する。GPS部140は、取得した位置情報を制御部122に送る。位置情報の一例としては、緯度・経度の位置データと、取得した取得日時データと、を有して構成している。第2通信端末100は、以上のような構成である。
以下、図5から図7を用いて、通信システム1の処理動作について説明する。まず、第2通信端末100の防犯ブザーの鳴動に関する動作について説明する。
第2通信端末100の制御部122は、プルスイッチ部材112が突出位置にある場合、つまり、対象者がストラップ114を引っ張った場合、ブザー部110により警報音を発生させる。このように、第2通信端末100は、スイッチ位置検出部134でプルスイッチ部材112が突出位置にあることを検出した場合、ブザー部110により警報音を出力させる。第2通信端末100は、ブザー部110により警報音を出力させることで、防犯機能を作動させる。
次に、図5を用いて、防犯機能が作動したことを報知する第2通信端末100の緊急報知機能に関する制御動作について説明する。図5は、第2通信端末100の報知にかかる処理を制御部122が実行する処理手順の例を示す図である。図5に示す処理手順は、制御部122がプログラムを実行することによって実現される。
図5に示すように、制御部122は、ステップS101として、スイッチ位置検出部134による第1操作状態から第2操作状態への変化の検出に応じて、プルスイッチ部材112のスイッチ位置が変化したか否かを判定する。即ち、制御部122は、対象者(子供等)が危険を感じて、第2通信端末100のストラップ114を手掛かりとして、紐体113を介してプルスイッチ部材112を操作したか否かを監視している。
一方、制御部122は、ステップS101でスイッチ状態が変化したと判定した場合(ステップS101:Yes)、防犯ブザーを鳴動させていることから、ステップS102の処理に移行する。制御部122は、ステップS102として、GPS部140が検出した位置情報を取得して記憶部124に記憶し、ステップS103の処理に移行する。制御部122は、ステップS103として、緊急報知メールを作成し、ステップS104の処理に移行する。緊急報知メールは、ヘッダ部とメッセージ本体部と備える電子メールである。緊急報知メールは、防犯ブザーを鳴動させたことを保護者などに報知する内容を含む。
ここで、制御部122による緊急報知メールの作成例を説明する。以下の作成例では、第1通信端末10の条件データに「防犯ブザーが鳴動しました」を含む場合について説明する。つまり、第1通信端末10は、メッセージ本体部に「防犯ブザーが鳴動しました」を含んでいる場合に、緊急報知であると判定する設定として説明する。この場合、第2通信端末100は、条件データの「防犯ブザーが鳴動しました」を含む文字情報を記憶部124に記憶している。
制御部122は、発信元を特定する情報、送信先を特定する情報及び件名の情報等を含むヘッダ部を作成する。発信元を特定する情報としては、電子メールの送信者、つまり自機に設定された名前または名称のデータや、自機のメールアドレスが例示される。送信先を特定する情報としては、電子メールを送信する先のメールアドレス、本実施形態では、保護者の第1通信端末10のメールアドレスが例示される。件名は、文字データであり、例えば送信する電子メールの内容に対応する表題が含まれる。第2通信端末100は、これらのヘッダ部分を構成する情報を記憶部124に予め記憶している。制御部122は、記憶部124から文字情報を読み出して、「防犯ブザーが鳴動しました。鳴動端末 はるか」を含むメッセージ本体部を作成する。なお、記憶部124に記憶させる文字情報は、条件データの文字列を含んでいればよく、本実施形態のように、条件データの文字列に「鳴動端末 はるか」を追加した文字情報としてもよい。なお、第2通信端末100は、記憶部124に記憶させるデータを条件データのみとし、条件データに対応する文字列のみのメッセージ本体部を作成してもよい。制御部122は、ヘッダ部とメッセージ本体部とを作成することで、緊急報知メールを作成する。さらに、制御部122は、GPS部140で検出した自端末の位置情報のデータや、自端末の位置情報が記憶されたURL(Uniform Resource Locator)をメッセージ本体部に含めてもよい。
制御部122は、ステップS103で緊急報知メールを作成したら、ステップS104として、作成した緊急報知メールを通信部126から送信させ、ステップS109の処理に進む。これにより、緊急報知メールが第1通信端末10に送信される。
制御部122は、スイッチ位置が変化していないと判定した場合(ステップS101:No)、ステップS105として、通知タイミングであるか否かを判定する。通知タイミングは、定期的な第1タイミングと、第1通信端末10からの要求に応じた第2タイミングと、を含む。制御部122は、タイマを用いて経過時間を検出し、経過時間が所定の時間が経過したときに第1タイミングの通知タイミングであると判定する。制御部122は、時計機能を用いて、設定された時刻となったときに第1タイミングの通知タイミングであると判定してもよい。制御部122は、第1通信端末10からの要求を受信したかを判定し、当該要求を受信したときに第2タイミングの通知タイミングであると判定する。制御部122は、通知タイミングであると判定した場合(ステップS105:Yes)、ステップS106の処理に移行する。制御部122は、通知タイミングではないと判定した場合(ステップS105:No)、ステップS109の処理に移行する。
制御部122は、ステップS105でYesと判定した場合、ステップS106として、GPS部140が検出した位置情報を取得して記憶部124に記憶し、ステップS107の処理に移行する。制御部122は、ステップS107として、通常の通知メールを作成する。通知メールは、保護者などに位置情報を通知する電子メールである。
ここで、制御部122による通知メールの作成例を説明する。制御部122は、電子メールの送信者の名前やメールアドレス、予め定められた送信先である第1通信端末10のメールアドレス、件名などの情報を備えたヘッダ部を作成する。制御部122は、自端末である第2通信端末100の位置情報、又は位置情報のURL(Uniform Resource Locator)を備えたメッセージ本体部を作成する。以上により、制御部122は、ヘッダ部とメッセージ本体部とを備えた通知メールを作成する。
制御部122は、ステップS107でメールを作成したら、ステップS108として、作成した通知メールを通信部126から送信させ、ステップS109の処理に進む。これにより、通知メールが第1通信端末10に送信される。
制御部122は、ステップS104、S108の処理を実行した場合、または、ステップS105でNoと判定した場合、ステップS109として、終了要求があったか否かを判定する。制御部122は、終了要求はなかったと判定した場合(ステップS109:No)、ステップS101の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、制御部122は、終了要求があったと判定した場合(ステップS109:Yes)、図5に示す処理手順を終了する。
次に、図6、7を用いて、第1通信端末10の電子メール受信時の動作について説明する。図6は、第1通信端末10の電子メール受信にかかる処理を制御部22が実行する処理手順の例を示している。図7は、第1通信端末10の制御部22が実行する緊急報知判定処理の処理手順の例を示している。図6に示す処理手順は、制御部22がプログラムを実行することによって実現される。図6に示す処理手順は、設定モード情報の設定モードがマナーモードのみを設定できる場合に限定して説明し、サイレントモード、ボリューム0モードの説明は省略する。
図6を用いて、第1通信端末10の電子メール受信時の制御動作について説明する。図6に示すように、制御部22は、ステップS201として、送受信部26で電子メールを受信したか否かを判定する。制御部22は、電子メールを受信していないと判定した場合(ステップS201:No)、ステップS208の処理に移行する。一方、制御部22は、電子メールを受信したと判定した場合(ステップS201:Yes)、ステップS202の処理に移行する。
制御部22は、ステップS202として、緊急報知判定処理を実行する。以下、図7を用いて、緊急報知判定処理について説明する。制御部22は、図7に示すステップS251として、受信した電子メールが第2通信端末100から送信された電子メールであるかを判定する。制御部22は、電子メールのヘッダ部に含まれる送信元のアドレスと条件テーブル46に記憶されている送信元の項目のアドレスとを比較し、受信した電子メールが第2通信端末100から送信された電子メールであるかを判定する。具体的には、制御部22は、ヘッダ部に含まれる送信元のアドレスと条件テーブル46の送信元の項目のアドレスとが一致した場合、第2通信端末100から送信された電子メールであると判定する。制御部22は、第2通信端末100からの電子メールであると判定した場合(ステップS251:Yes)、ステップS252の処理に移行する。制御部22は、ヘッダ部に含まれる送信元のアドレスと条件テーブル46の送信元の項目のアドレスとが一致しない場合、第2通信端末100から送信された電子メールではないと判定する。制御部22は、第2通信端末100からの電子メールではないと判定した場合(ステップS251:No)、ステップS254の処理に進む。
制御部22は、ステップS251でNoと判定した場合、ステップS252として、通知タイミングの電子メールであるかを判定する。具体的には、制御部22は、ステップS251で第2通信端末100から送信されたと判定した電子メールが通知タイミングで送信された電子メールであるかを判定する。制御部22は、電子メールのヘッダ部やメッセージ本体部の情報や、第2通信端末100に送信した電子メールの内容に基づいて、通知タイミングの電子メールであるかを判定する。制御部22は、電子メールのヘッダ部やメッセージ本体部を解析して、送信時間の情報を抽出することで、第1タイミングの通知タイミングで送信された電子メールであるかを判定する。また、制御部22は、電子メールのヘッダ部やメッセージ本体部を解析して、または、第2通信端末100に送信した電子メールの内容を解析して、第2通信端末100に送信した要求に対する応答の第2タイミングの通知タイミングの電子メールであると判定する。制御部22は、通知タイミングの電子メールであると判定した場合(ステップS252:Yes)、ステップS254の処理に移行する。一方、制御部22は、通知タイミングの電子メールではないと判定した場合(ステップS252:No)、ステップS253の処理に移行する。
制御部22は、ステップS252でYesと判定した場合、ステップS253として、条件データのキーワードを含むかを判定する。具体的には、制御部22は、ステップS251で第2通信端末100から送信されたと判定した電子メールのメッセージ本体部に、条件データに対応する文字列、つまりキーワードを含んでいるかを判定する。制御部22は、条件テーブル46の条件データに含まれるキーワードで電子メールのメッセージ本体部を検索し、メッセージ本体部が条件データのキーワードを含んでいるかを判定する。制御部22は、メッセージ本体部が条件データのキーワードを含んでいないと判定した場合(ステップS253:No)、ステップS254の処理に移行する。
制御部22は、ステップS251でNo、ステップS252でYes、ステップS253でNoと判定した場合、ステップS254として、緊急報知の電子メールではないと判定し、本処理を終了する。
制御部22は、ステップS253で、メッセージ本体部が条件データを含んでいると判定した場合(ステップS253:Yes)、ステップS255として、緊急報知の電子メールであると判定し、本処理を終了する。
制御部22は、図6のステップS202として、図7の判定処理を行い、緊急報知の電子メールではないと判定した場合(ステップS202:No)、ステップS203に進む。制御部22は、ステップS203として、設定モードに基づいて電子メールの受信を報知する。具体的には、制御部22は、記憶部24に記憶している設定モード情報に基づいて、選択されている設定モードを特定し、特定した設定モードに基づいた方法で電子メールの受信を報知する。例えば、制御部22は、マナーモードが設定されていると判定した場合、通知音を出力せず、バイブレータ50により第1通信端末10を振動させて報知を行う。また、制御部22は、設定モード情報が設定なしの場合、設定されている通知音をスピーカ17から出力させて報知を行う。ここで、制御部22は、設定されている時間、通知音をスピーカ17から出力させる。制御部22は、受信の報知を行った場合、ステップS208に進む。
制御部22は、ステップS202で緊急報知の電子メールであると判定した場合(ステップS202:Yes)、ステップS204として、緊急報知音を出力する。つまり、制御部22は、設定モード情報の設定を無視して、記憶部24に記憶している緊急報知音をスピーカ17から出力させる。第1通信端末10は、ステップS204の処理を行うことで、例えば「ピピピピピ」等の緊急報知音をスピーカ17から出力させる。
制御部22は、ステップS204で緊急報知音を出力させたら、ステップS205として、緊急報知の電子メールに基づいて、緊急報知画面を作成して表示部32に表示させる。制御部22は、ステップS205の処理とステップS204の処理の順序を逆にしてもよいし、同時に行ってもよい。
以下、図8を用いて、緊急報知画面の一例を説明する。図8に示す緊急報知画面Gは、メッセージ表示部G1と確認ボタンG2とを有する。メッセージ表示部G1は、電子メールのメッセージ本体部のメッセージと、防犯ブザーが鳴動した第2通信端末100の持ち主と、を表示する。確認ボタンG2は、保護者が確認操作を行うOKボタンを表示する。なお、緊急報知画面Gは、緊急報知対象の電子メールをそのまま表示する画面としてもよいが、緊急報知対象の電子メールを受信した旨のみを表示する画面としてもよい。
制御部22は、ステップS205で緊急報知画面Gを表示部32に表示させたら、ステップS206として、確認操作ありかを検出する。ここで、確認操作とは、電子メールの受信を確認した際に入力される操作であり、予め設定されている。確認操作としては、例えば、確認ボタンG2の押下に対応して設定した操作部13の操作がある。制御部22は、確認操作がないと判定した場合(ステップS206:No)、ステップS206に戻り、ステップS206の処理を行う。制御部22は、確認操作を検出するまでステップS206の判定処理を繰り返す。なお、制御部22は、ステップS206の処理を繰り返している間、ステップS204の緊急報知音の出力を継続し、緊急報知画面Gの表示を継続する。
制御部22は、確認操作ありと判定した場合(ステップS206:Yes)、ステップS207として、緊急報知音の出力と緊急報知画面Gの表示とを停止する。つまり、音声の出力を停止させ、画像の表示も停止させる。
制御部22は、ステップS203またはステップS207の処理を行った場合、ステップS208として、終了要求があるかを判定する。制御部22は、終了要求を受けていないと判定した場合(ステップS208:No)、ステップS201の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、制御部22は、終了要求を受けていると判定した場合(ステップS208:Yes)、図6に示す処理手順を終了する。
第1通信端末10は、受信した電子メールを解析して、第2通信端末100からの緊急報知の電子メールであるか否かを判定し、緊急報知メールである場合、緊急報知音で報知する。さらに、第1通信端末10は、受信した電子メールが緊急報知メールである場合、設定モードの設定によらず、緊急報知メールの受信を緊急報知音で報知する。以上により、第1通信端末10は、第1通信端末10の設定によらず、緊急報知メールの受信を保護者により高い確率で気づかせることができる。つまり、第1通信端末10は、設定モードが、マナーモード、サイレントモード等、電子メールの受信の通知を音声出力部から音を出力させずに通知するモードであっても、緊急報知音を出力される。これにより、第1通信端末10は、防犯機能が実行されたこと、本実施形態では防犯ブザーが作動したことを第1通信端末10のユーザに迅速に通知することができる。これにより、第1通信端末10は、第1通信端末10のユーザ(つまり保護者)による第2通信端末100のユーザ(つまり保護する対象者)の迅速な保護に貢献することができる。
第1通信端末10は、第2通信端末100から定期的に位置を知らせる電子メール、第2通信端末100から第1通信端末10の要求に応答した電子メール等を受信する。第1通信端末10は、第2通信端末100から送信された電子メールであっても緊急報知以外の電子メールを受信した場合、設定モードに基づいた方法で報知する。これにより、第1通信端末10は、緊急性の低い電子メールの受信時に、設定モードを無視して音声を出力させることを抑制することができる。これにより、緊急時により有用な機能を使いやすくすることができる。また、緊急報知の電子メールとその他の電子メールとで、報知の規則を切り換えることで、緊急報知の電子メールが緊急報知以外の電子メールに埋もれて、保護者が緊急報知の電子メールの受信に気がつかない確率を低減させることができる。
第1通信端末10は、緊急報知の電子メールの受信時は、当該電子メールに対する確認操作が入力されるまで、緊急報知音の出力を継続させることで、保護者が、緊急報知メールの受信に気がつかない確率をより低減させることができる。
本実施形態の第1通信端末10は、緊急報知メールを受信した場合、緊急報知画面Gを強制的に表示する場合について説明したが、これに限定されない。本実施形態の第1通信端末10は、緊急報知音の出力のみを行い、緊急報知メールは保護者の操作に応じて表示することができる。
第1通信端末10は、緊急報知音を、ステップS204で出力した通知音の音声ファイルとは異なる音声ファイルを用いて出力する音声とすることが好ましい。つまり、第1通信端末10は、緊急報知音を、通知音とは異なるパターンの音で出力することが好ましい。第1通信端末10は、緊急報知音を通知音と異なる音として出力することで、緊急報知音を出力していること、つまり通知音ではない音を出力していることを、第1通信端末10のユーザ、つまり保護者に確実に認識させることができる。このように通知音とは異なる緊急報知音を出力させることで、緊急報知の電子メールを受信したことを、より高い確率で保護者に認識させることができ、緊急報知の電子メールが他の電子メールに埋もれてしまう確率を低減させることができる。緊急報知音は、保護者が通知音との区別が可能であればよく、例えば警報音、ブザー音、緊急報知と認識できるメッセージの声等を用いることができる。
第1通信端末10は、緊急報知画面Gを表示部32に表示させることで、どの通信端末から緊急報知が送信されたか、緊急報知となった状態等を、第1通信端末10のユーザ、つまり保護者に高い確率で認識させることができる。緊急報知メールのメッセージ本体部に第2通信端末100の位置情報が付加されている場合、第1通信端末10は、緊急報知画面Gに、第2通信端末100の位置情報を含む地図を表示させてもよい。また、第1通信端末10は、緊急報知画面Gの表示中に確認操作が入力された場合、第2通信端末100の位置情報を含む地図を表示させてもよい。保護者は、第2通信端末100の位置情報を含む地図が表示されることで、表示された位置情報を参照して、防犯ブザー鳴動時の第2通信端末100の位置を確認することができる。
第1通信端末10の制御部22は、図7に示す緊急報知判定処理を実行することで、緊急報知の電子メールかその他の電子メールかの判定精度をより高くすることができる。また、制御部22は、送信元の判定を行うことで、第2通信端末100以外から送信された電子メールに対して、メッセージ本体部の解析等を実行せずに判定を行うことができる。これにより判定処理時の負荷を低減することができる。上記実施形態では、通知タイミングであるか否かを判定したが、メッセージ本体部に緊急報知であることを示すメッセージがあるか否かのみの判定を行うことでも、緊急報知の電子メールかその他の電子メールかの判定を行うことができる。通信システム1は、件名をヘッダ部の一部としたが、メッセージ本体部の一部としてもよい。
制御部22は、図6に示す処理において、上記効果を得ることができるため、確認操作があるまで緊急報知音の出力を継続させたが、これに限定されない。制御部22は、緊急報知音、緊急報知画面Gを所定の出力時間が経過するまで出力させ、その後停止するようにしてもよい。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成により具現化されるべきである。
上記の実施形態では、第1通信端末10として折り畳み式の携帯電話機を一例として説明した。添付の請求項に係る通信端末は、携帯電話機以外の電子メールの送受信機能を備えた各種通信端末であってもよい。通信端末は、例えばスマートフォン、タブレット、パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、テレビジョン受信機及びゲーム機である。