JP5890499B2 - アリルアルコールからアクリル酸製造用不均一系触媒、これを用いたアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法 - Google Patents

アリルアルコールからアクリル酸製造用不均一系触媒、これを用いたアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、アリルアルコールからアクリル酸製造用不均一系触媒、これを用いたアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法に関するものであって、より詳細には、担体に金が担持された不均一系触媒の存在下で液相反応を行うことでアリルアルコールからアクリル酸を高収率で製造する方法に関するものである。
アクリル酸は、カルボン酸とビニル基を含む最も簡単な不飽和カルボン酸で、自体重量の5百倍〜1千倍程度の水分を吸収可能な機能を有する合成高分子物質である高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、SAP)の主原料である。高吸水性樹脂は、生理用具として実用化されはじめ、現在は子供用紙おむつなどの衛生用品のほか、園芸用土壌保水剤、土木、建築用止水材、育苗用シート、食品流通分野での鮮度保持剤、および湿布用などの材料として広く使用されている。したがって、従来の吸水材と比較して優れた吸水能力を有することが知られている高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、SAP)はその活用範囲がますます拡大していて、市場価値が高いとされ、その原料として使用されるアクリル酸も重要な市場価値を有する。このほか、アクリル酸は、アクリル繊維、塗料、粘接着剤、コーティング剤など、3000種余りの多様な用途において核心原料として使用されている。
現在、アクリル酸を生産する方法には、化石燃料から得られるプロピレンからアクロレインを経てアクリル酸を生産する工程が一般的である。
一方、植物油からバイオディーゼルを生産する過程でグリセロールが副産物として生成されるが、グリセロール由来のアリルアルコールからアクリル酸を生産する場合、化石燃料の使用なく環境に優しいバイオマスからアクリル酸を生産することができる利点がある。グリセロールをギ酸と反応させる場合、別の触媒なくても高収率でアリルアルコールが得られる方法が、WO2008/092115A1(特許文献1)に記載されている。したがって、アリルアルコールからアクリル酸を製造する場合、バイオディーゼルの副産物であるグリセロールの有効利用を可能にしてバイオディーゼルの効率性を高めることができ、グリセロールからアクリル酸を効果的に生産することができると期待される。
したがって、特殊な合成条件を用いることでアリルアルコールからアクリル酸を高収率で製造する方法に対する研究が必要である。
国際公開第2008/092115号パンフレット
Green Chem.2011、13、1624−1632 ChemSusChem、2009、2、57−58 Science301、2003、935−938
本発明は、上記の従来技術の問題を解決するためになされたものであって、担体に金が担持された不均一系触媒の存在下で液相反応を行うことでアリルアルコールからアクリル酸を高収率で製造する方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、
担体に5nm以下の粒径の金が担持されたことを特徴とする、アリルアルコールからアクリル酸製造用不均一系触媒を提供する。
また、本発明は、
a)担体に5nm以下の粒径の金が担持された不均一系触媒を、塩基性溶液およびアリルアルコールの混合溶液に投入するステップと、
b)前記ステップa)の混合溶液を含む反応器に酸素を含む気体を投入し、内部酸素分圧が絶対圧力を基準として1〜50barで、かつ、反応器の内部温度が30〜100℃の状態で反応させて、アクリル酸を含む液相反応生成物を製造するステップと、
c)前記製造された液相反応生成物からアクリル酸を分離するステップとを含む、アリルアルコールからアクリル酸を製造する方法を提供する。
本発明のアリルアルコールからアクリル酸製造用不均一系触媒、これを用いたアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法によれば、担体に5nm以下の粒径の金が担持されたアクリル酸製造用不均一系触媒を含むアリルアルコールの酸化反応を通じて、アリルアルコールからone−pot反応で直接アクリル酸を高収率で合成することができ、このため、アクリル酸を商業的規模で製造することが可能で、アクリル酸製造の生産性を従来の方法に比べてはるかに向上させることができる。
また、従来の化石燃料から得られるプロピレンからアクロレインを経てアクリル酸を生産する工程よりも、グリセロール由来のアリルアルコールからアクリル酸を生産する場合、化石燃料の使用なく環境に優しいバイオマスからアクリル酸を生産することができる利点がある。したがって、アリルアルコールからアクリル酸を製造する場合、バイオディーゼルの副産物であるグリセロールの有効利用を可能にしてバイオディーゼルの効率性を高めることができ、グリセロールからアクリル酸を効果的に生産することができる利点を有する。
(a)〜(d)は、本発明の実施例により製造された不均一系触媒を透過電子顕微鏡(JEM−2100、JEOL)で撮影した写真である。担体としては酸化セリウム(CeO2)を用いており、この時、触媒合成時間に応じて担体に担持される金粒子の大きさを示した。また、担体の総重量に対して含まれる金粒子の重量%をそれぞれの写真に併せて示した。
以下、本発明のアリルアルコールからアクリル酸製造用不均一系触媒、これを用いたアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法について詳細に説明する。
本発明は、特殊な合成条件を用いてアクリル酸の収率を大きく高めた、アクリル酸を主生性物として製造する方法に関するものである。したがって、従来に比べて顕著に高い収率でアクリル酸を生産することができる。
1.アリルアルコールからアクリル酸製造用不均一系触媒
本発明で使用される用語である不均一系触媒とは、触媒に反応する物質と触媒の相が異なるものを意味し、反応後の生成物から触媒の分離が容易である利点がある。
このために、本発明のアリルアルコールからアクリル酸製造用不均一系触媒は、担体に5nm以下の粒径、好ましくは1nm以下の粒径の金が担持されたことを特徴とすることができる。金粒子の粒径が前記範囲を満足する場合、反応性および選択性に優れた効果を示す。また、金粒子の粒径が小さいほど、生成物であるアクリル酸と3−ヒドロキシプロピオン酸(3−HPA)の収率が高くなる効果を有する。特に、金粒子の粒径が1nm以下の場合、主生性物であるアクリル酸の収率が50%に達してより好ましい。
また、前記金は、担体の総乾燥重量に対して5重量%以下、好ましくは0.0001〜5重量%で含まれるとよいが、金が前記含有量範囲で含まれる場合、貴金属である金の使用を最小化しながら、反応性を極大化することができる利点を有する。
前記担体としては、活性炭(Carbon)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化亜鉛(ZnO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄(Fe23)、酸化バナジウム(V25)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、および酸化セリウム(CeO2)からなる群より選択される1種以上を含むものを使用することができる。より好ましくは、前記担体は、酸化セリウム(CeO2)または酸化セリウムを含む複合酸化物を使用することができる。
2.アリルアルコールからアクリル酸を製造する方法
本発明のアクリル酸を製造する方法において、前記アリルアルコールは、アクリル酸の製造に使用可能なものであれば、通常の購入可能なものを特別な制限なく使用することができ、好ましくは、純度60〜99.9%のアリルアルコールを使用することができる。
本発明の前記アリルアルコールからアクリル酸を製造する方法は、
a)担体に5nm以下の粒径の金が担持された不均一系触媒を、塩基性溶液およびアリルアルコールの混合溶液に投入するステップと、
b)前記ステップa)の混合溶液を含む反応器に酸素を含む気体を投入し、内部酸素分圧が絶対圧力を基準として1〜50barで、かつ、反応器の内部温度が30〜100℃の状態で反応させて、アクリル酸を含む液相反応生成物を製造するステップと、
c)前記製造された液相反応生成物からアクリル酸を分離するステップとを含む。
より詳細には、本発明の不均一系触媒を用いたアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法は、アリルアルコールからアクリル酸製造用不均一系触媒として、担体に5nm以下の粒径、好ましくは1nm以下の粒径の金が担持された触媒を投入することができる。金粒子の粒径が前記範囲を満足する場合、反応性および選択性に優れた効果を示す。また、金粒子の粒径が小さいほど、生成物であるアクリル酸と3−ヒドロキシプロピオン酸(3−HPA)の収率が高くなる効果を有する。特に、金粒子の粒径が1nm以下の場合、主生性物であるアクリル酸の収率が50%に達してより好ましい。
また、前記金は、担体の総乾燥重量に対して5重量%以下、好ましくは0.0001〜5重量%で含まれるとよいが、金が前記含有量範囲で含まれる場合、貴金属である金の使用を最小化しながら、反応性を極大化することができる利点を有する。
前記担体としては、活性炭(Carbon)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化亜鉛(ZnO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄(Fe23)、酸化バナジウム(V25)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、および酸化セリウム(CeO2)からなる群より選択される1種以上を含むものを使用することができる。より好ましくは、前記担体は、酸化セリウム(CeO2)または酸化セリウムを含む複合酸化物を使用することができる。
前記ステップa)で投入される塩基性溶液は、アリルアルコールの酸化反応で反応を活性化させる役割を果たす。前記塩基性溶液は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む塩基性化合物を水と混合して製造することができる。より具体的には、前記塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、および水酸化カルシウムからなる群より選択される1種以上を含むことができる。
前記塩基性溶液に含まれる塩基性化合物は、アリルアルコール1モルを基準として0.01〜10モル比で投入することが好ましく、2〜5モル比で投入されることがより好ましい。前記塩基性化合物の投入量に応じて、アリルアルコールの転換率と、アクリル酸、3−ヒドロキシプロピオン酸(3−HPA)、グリセリン酸の収率、および選択度に影響を与える。
また、生成物中、アクリル酸と3−ヒドロキシプロピオン酸(3−HPA)を含む酸形態の生成物は、塩基性化合物の添加によって塩形態(salt)で生成できる。
前記ステップb)で投入される気体は、酸素を含む気体であることを特徴とし、前記ステップb)では、内部温度を30〜100℃に加温して高温状態を維持すると同時に、酸素を含む気体を投入することにより、酸素を反応器内に供給すると同時に、溶液が反応する間、内部酸素分圧を、絶対圧力を基準として1〜50barの高圧状態に維持させることができる。また、前記反応器内の内部温度が30℃未満であれば、酸化反応速度が非常に遅くなってアリルアルコールの転換率が大きく減少する問題が生じ、100℃を超えると、温度上昇によって副反応が大きく増加して選択度が大きく減少する問題が発生する。さらに、前記反応器内に投入される気体は、酸素を10体積%以上含むことができ、好ましくは、酸素を20〜100体積%含むことができ、より好ましくは30〜100体積%含むことができる。前記酸素の含有量が10体積%未満であれば、酸化反応速度が非常に遅くなる問題がある。また、前記反応器内の酸素部分圧力が1bar以下であれば、酸化反応が起こりにくい問題が生じ、50barを超えると、圧力上昇による追加的な効果が微々たるものになる。
また、前記ステップb)で使用される反応器は、回分式反応器、連続撹拌タンク反応器(CSTR)、プラグフロー反応器(PFR)、流動層反応器など、一般的に知られている反応器ですべて適用可能である。
前記液相反応生成物は、アクリル酸、3−ヒドロキシプロピオン酸(3−HPA)、グリセリン酸を含む群より選択された1種以上であることを特徴とすることができる。
前記ステップc)の液相反応生成物からアクリル酸を分離することは、酸性化、イオン交換、抽出、結晶化および蒸留などの方法を利用することができる。
前記製造方法によって製造された本発明のアクリル酸は、収率が30%以上、より好ましくは50%以上であるため、経済性に優れる。
また、本発明において、前記アリルアルコールの転換率(Allyl Alcohol conversion)は、70%以上である特徴を有する。
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範疇および技術思想の範囲内で多様な変更および修正が可能であることは当業者にとって自明であり、このような変更および修正が添付した特許請求の範囲に属することはいうまでもない。
実施例1.アリルアルコールからアクリル酸製造用不均一系触媒の製造方法
HAuCl4・3H2O12mgを蒸留水100mlに溶かし、0.2Mの水酸化ナトリウム水溶液を用いて溶液のpHを10に合わせた。その後、酸化セリウム190mgを前記溶液に分散させ、溶液を撹拌させながら、70℃でそれぞれ1、3、6、12時間維持させた後、フィルタリング、ワッシング、乾燥ステップを経て触媒を得た。
実施例2.アリルアルコールからアクリル酸を製造する方法
前記実施例1の方法で製造された触媒30mgを、蒸留水17.24ml、水酸化ナトリウム2.07g、アリルアルコール1.17mlが混合された溶液に入れて、前記溶液を50mlの体積のガラス反応器に入れた。ガラス反応器を真空状態に調節した後、3barの酸素を含む気体で充填した。その後、ガラス反応器を50℃で24時間反応させた。溶液が反応する間、酸素を含む気体が3barとなるように反応器の内部を維持させた。前記方法で得られた液相反応生成物を、液体クロマトグラフィー(LC)によって定性および定量分析を実施した。
実験例
前記実施例2で製造された液相反応生成物に対して、液体クロマトグラフィー(YL9100HPLC、Young Lin Instrument Co.)を用いて、アクリル酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、グリセリン酸を、HPLC面積%分析を通じて分析した。アリルアルコールの転換率およびアクリル酸の選択度、アクリル酸の収率を、下記の数式1〜数式3を用いて計算した。
[数式1]
アリルアルコールの転換率(conversion、%)=100x(反応前のアリルアルコールのモル量−反応後のアリルアルコールのモル量)/(反応前のアリルアルコールのモル量)
[数式2]
アクリル酸の収率(yield、%)=100x(生成されたアクリル酸のモル量)/(反応前のアリルアルコールのモル量)
アクリル酸の選択度の場合、アリルアルコールの転換率およびアクリル酸の収率データから、下記の数式3を用いて計算されてよい。
[数式3]
アクリル酸の選択度(selectivity、%)=100x(アクリル酸の収率)/(アリルアルコールの転換率)
図1(a)〜図1(d)は、本発明の実施例により製造された不均一系触媒を透過電子顕微鏡(JEM−2100、JEOL)で撮影した写真である。担体としては酸化セリウム(CeO2)を用いており、この時、触媒合成時間に応じて担体に担持される金粒子の大きさを示した。また、担体の総重量に対して含まれる金粒子の重量%をそれぞれの写真に併せて示した。
また、下記の表1は、触媒合成時間に応じた金粒子の平均大きさおよびアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法の反応条件によって生成された反応生成物の収率、アリルアルコールの転換率を示した結果で、金粒子の平均大きさが小さいほど、アクリル酸と3−HPAの収率が高くなる傾向を示すことを確認することができた。特に、合成されて担持された金粒子の平均大きさが1nm以下の場合、アクリル酸の収率が50%以上となった。このように、アリルアルコールからone−pot反応で直接アクリル酸を高収率で合成することができることを、下記の結果から確認することができた。
下記の表2は、アリルアルコールからアクリル酸を製造する方法において、反応時間に応じた最適な反応時間を探索するためのテストで、9時間の反応時間までは3−HPAおよびアクリル酸の収率が共に上昇したが、その後は、3−HPAは大幅で、アクリル酸は小さい幅で収率が減少することを確認することができた。
下記の表3は、触媒を入れなかったり、または金を担持しない担体だけを入れて反応させた場合を示すもので、生成物としてアクリル酸が生成されなかっただけでなく、3−HPAの収率も低いことを確認することができた。
下記の表4は、担体のない金ナノ粒子、または金がナノ粒子の形態で存在せずに塩化合物(金前駆体)として存在する時の反応性を示した結果である。生成物としてアクリル酸が生成されなかっただけでなく、3−HPAの収率も低いことを確認することができた。また、担体に担持された金触媒を使用した時よりも転換率が減少することを確認することができた。
したがって、本発明のアリルアルコールからアクリル酸製造用不均一系触媒を含むことでアリルアルコールからアクリル酸を製造する場合、従来の方法と比較して、アリルアルコールからone−pot反応で直接アクリル酸を高収率で合成することができることを、前記結果から確認することができた。

Claims (13)

  1. 酸化セリウム(CeO 2 担体に担持された粒径5nm以下の金を含む、アリルアルコールからアクリル酸を製造するための不均一系触媒。
  2. 前記金の粒径は、1nm以下である、請求項1に記載の不均一系触媒。
  3. 前記金は、前記担体の総乾燥重量に対して5重量%以下で含まれる、請求項1または2に記載の不均一系触媒。
  4. a)酸化セリウム(CeO 2 担体に担持された粒径5nm以下の金を含む、請求項1に記載の不均一系触媒を、塩基性溶液およびアリルアルコールの混合溶液に投入するステップと、
    b)前記ステップa)の混合溶液を含む反応器に酸素を含む気体を注入し、内部酸素分圧が絶対圧力を基準として1〜50barで、かつ、反応器の内部温度が30〜100℃の状態で反応させて、アクリル酸を含む液相反応生成物を製造するステップと、
    c)前記液相反応生成物からアクリル酸を分離するステップとを含むことを特徴とする、アリルアルコールからアクリル酸を製造する方法。
  5. 前記ステップa)の不均一系触媒は、担体に担持された粒径1nm以下の金を含む、請求項4に記載のアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法。
  6. 前記ステップa)の金は、前記担体の総乾燥重量に対して5重量%以下で含まれる、請求項4または5に記載のアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法。
  7. 前記液相反応生成物は、アクリル酸、3−ヒドロキシプロピオン酸(3−HPA)、およびグリセリン酸を含む群より選択された1種以上である、請求項4〜6のいずれか一項に記載のアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法。
  8. 前記ステップa)で投入される塩基性溶液は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む塩基性化合物を水と混合して製造する、請求項4〜7のいずれか一項に記載のアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法。
  9. 前記塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、および水酸化カルシウムからなる群より選択される1種以上を含む、請求項8に記載のアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法。
  10. 前記塩基性溶液に含まれる塩基性化合物は、アリルアルコール1モルを基準として0.01〜10モルの量で用いられる、請求項8または9に記載のアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法。
  11. 前記アクリル酸の収率が30%以上である、請求項4〜10のいずれか一項に記載のアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法。
  12. 前記アリルアルコールの転換率(Allyl Alcohol conversion)が70%以上である、請求項4〜11のいずれか一項に記載のアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法。
  13. 前記反応器は、回分式反応器、連続撹拌タンク反応器(CSTR)、プラグフロー反応器(PFR)、および流動層反応器からなる群より選択された1種以上である、請求項4〜12のいずれか一項に記載のアリルアルコールからアクリル酸を製造する方法。
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