JP5888677B2 - ノズルヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、容器内に充填された口内洗浄剤(液体口腔用組成物)や消毒用アルコールなど粘性が低く固化しにくい内容液を注出する手動押下げ注出ポンプに使用されるノズルヘッドに関する。
化粧料や整髪料、シャンプーあるいはリンス等を入れる容器としては、ハンディータイプや据え置きタイプに拘わらずポンプを装着したものが多数市販されており、容器の外に設けられたノズルヘッドを押し下げることにより、ノズルの先端から容器内の内容液を衛生的、かつ効率的に注出することができるようになっている。このようなノズルヘッドに関する先行技術としては、例えば以下の特許文献1などが存在している。
特許文献1に記載のノズルヘッドは、下方に開口する吐出口部とノズル基体とからなる吐出ノズルと、押圧ヘッド部とを具備し、吐出口部は、ノズル基体の先端面上端にヒンジを介して連設されており、ヒンジに近接して吐出口部の上面とノズル基体の上面に相互に係合し合う係止部を設け、吐出口部を、ヒンジを中心に回動させ、それぞれの係止部を係合させることによって、容器内の内溶液を吐出口部から吐出するようにしたものである。
特開2005−296925号公報
特許文献1に記載されたノズルヘッドでは、吐出口部が回動自在に装着されると共に、吐出口部の上面とノズル基体の上面に相互に係合し合う係止部が係止解除可能に構成されている。そして、吐出口部を回動させて係合部を係止状態に設定することにより、吐出口部の吐出方向を下向きに設定することができ、吐出終了後は、係止部の係止状態を解除し吐出口部を逆方向に回動させて流出口を露出させることにより、吐出口部及びノズル基体の流路内に残って付着している内容液を取り除いて、吐出ノズルの掃除をすることができるようになっている。このため、例えばボディソープ、ハンドソープなど固化しやすい内容液でも、このノズルヘッドを利用して吐出させることができるという優れた効果を有する。
しかしながら、例えば内溶液の対象が口内洗浄剤(液体口腔用組成物)や消毒用のアルコールなど粘性が低く固化しにくい液体である場合に、ノズルヘッドを大きな力で押し下げると、内溶液が吐出口部から勢い良く吐出することがあり、このとき吐出した内溶液が操作者の目などに入って不測の事故を引き起こす虞れがあった。
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、ノズルヘッドを押し下げたときに、粘性の低い内溶液がノズルヘッドの吐出口から勢いよく吐出することを防止することで安全性を高めた手動押下げ注出ポンプ用のノズルヘッドを創出することを課題とする。
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の主たる手段は、
ポンプに連結されたステムの先端に取り付けられると共にポンプが吸い上げた内容液を上方に導く吸上路を備えた押圧ヘッド部と、押圧ヘッド部の側面に突出形成され且つ吸上路に対して略水平に連通されて内容液を水平方向に導く流出路及び内溶液を外部に排出する吐出口とを備えたノズル筒と、流出路に連通されて内溶液を外部に導く吐出カバーと、吐出カバーをノズル筒に対して回動可能に連結するヒンジと、を有するノズルヘッドにおいて、
ノズル筒の先端である先筒部の両外側面と吐出カバーの両内側面との一方に形成された第1係止凸部と他方に形成された第1係止凹部とからなり、第1係止凸部と第1係止凹部とがアンダーカット結合する第1係止部と、
先筒部の両外側面以外の部分と吐出カバーの両内側面以外の部分との一方に形成された第2係止凸部と他方に形成された第2係止凹部とからなり、第2係止凸部と第2係止凹部とが互いに係止し合う第2係止部とを有し、
ヒンジを中心に吐出カバーを回動させて先筒部を覆うことにより、第1係止部におけるアンダーカット結合及び第2係止部における係止が達成されると共に、先筒部と吐出カバーとの間に流出路の向きを下向きに変えて吐出口に導く案内路が形成されることを特徴とする、というものである。
上記手段を備えたノズルヘッドでは、第1係止部を構成する第1係止凸部と第1係止凹部とがアンダーカット結合することにより、第1係止部が分離不能となり、先筒部を覆うように組み付いた吐出カバーが逆方向に回動して再び先筒部が露出されることがなくなる。同時に、第2係止部を構成する第2係止凸部と第2係止凹部とが係合することにより、ノズル筒の先端に対する吐出カバーの位置決めを達成する。そして、先筒部と吐出カバーとが対向する部分に、内溶液を流出路から吐出口に導く案内路を確実に形成する。また特に第1係止部を構成する第1係止凸部及び第1係止凹部が吐出カバー内に収納されるようになり、外部に露出されることのない状態を達成する。
本発明の他の手段は、請求項1記載のノズルヘッドにおいて、ヒンジをノズル筒の先端上部と吐出カバーの前面上部との間に設けると共に、第2係止部の、先筒部の両外側面以外の部分を先筒部の正面に形成された下顎部の先端部とし、吐出カバーの両内側面以外の部分を吐出カバーの前面で且つ下顎部の先端部と対向する下端部とした、と云うものである。
上記手段では、吐出カバー前面の両端に、すなわち吐出カバー前面の一端である上端部にヒンジを形成することにより、上端部でのヒンジを中心とした吐出カバーのスムーズな回動動作を達成すると共に、吐出カバー前面の他端である下端部とこれに対向する先筒部の下顎部に第2係止部を形成して係止状態に設定することにより、組み付け後における先筒部に対する吐出カバーの位置決めを確実に達成する。
また本発明の他の手段は、請求項記載のノズルヘッドにおいて、第2係止凹部が、吐出カバーの前面を貫通する貫通孔で形成されており、この貫通孔の上面に、下顎部先端で且つ第2係止凸部の上部分に面対向する漏れ防止片を形成した、と云うものである。
上記手段では、漏れ防止片を、下顎部先端で且つ第2係止凸部の上部分に面対向させることで、案内路を通過する内溶液の貫通孔を介しての液漏れ防止を達成する。
また本発明の他の手段は、請求項記載のノズルヘッドにおいて、吐出カバーをノズル筒の先端に組み付けた状態において、吐出カバーの内壁天面とノズル筒の流出路天面との間に内壁天面側を上方に広げる段差を形成した、と云うものである。
上記手段では、下流側である案内路の入り口に相当する吐出カバーの内壁天面を、上流側の出口に相当する流出路の開口端よりも広げることにより、流出路から案内路に流出する際における内容液の円滑な流れを達成する。
また本発明の他の手段は、請求項記載のノズルヘッドにおいて、ヒンジを先筒部の正面に形成された下顎部の先端部と吐出カバーの前面下部との間に設けると共に、
第2係止部の、先筒部の両外側面以外の部分を先筒部の上面とし、吐出カバーの両内側面以外の部分を吐出カバーの前面上部とした、と云うものである。
上記手段においても、吐出カバー前面の両端に、すなわち吐出カバー前面の一端である下端部にヒンジを形成することにより、下端部側でのヒンジを中心とした吐出カバーのスムーズな回動動作を達成すると共に、吐出カバー前面の他端である上端部とこれに対向する先筒部の上面に第2係止部を形成して係止状態に設定することにより、組み付け後における先筒部に対する吐出カバーの位置決めを確実に達成する。
また本発明の他の手段は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のノズルヘッドにおいて、吐出カバーの内壁に、凹状の湾曲面を形成した、と云うものである。
上記手段では、流出路を通過した内溶液の方向を吐出口が形成された下向きに変えると共に、内溶液の勢い(流速)の弱化を達成する。
また本発明の他の手段は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のノズルヘッドにおいて、流出路に縮径部を形成した、と云うものである。
上記手段では、吸上路を通じて吸い上げられた内溶液の流速を、流出路に流入する最初の位置で減速させることにより、その勢いの弱化をより効果的に達成する。
また本発明の他の手段は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のノズルヘッドにおいて、内容液が、液体口腔用組成物である、と云うものである。
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成においては、吐出カバーをノズル筒先端に対し適正な状態で位置決めし且つ分離不能に組み付けることにより、内溶液の流出方向を変えてその勢いを弱化させる案内路を吐出口の近傍に形成することができる。このため、ノズルヘッドを押し下げたときに、吐出口から吐出する内溶液の勢い緩和され、内溶液が操作者の目などに入るという事故を防止できる。
また請求項2に記載の、ヒンジをノズル筒の先端上部と吐出カバーの前面上部との間に設けると共に、第2係止部の、先筒部の両外側面以外の部分を先筒部の正面に形成された下顎部の先端部とし、吐出カバーの両内側面以外の部分を吐出カバーの前面で且つ下顎部の先端部と対向する下端部とした構成では、先筒部の上端側においてヒンジを中心とする吐出カバーのスムーズな回動動作を達成すると共に、ノズル筒の先筒部に対して吐出カバーを正確に位置決めされ且つ分離不能に組み付けることができる。これにより、吐出カバーと先筒部とが対向する部分に、内溶液の勢いを弱化させる案内路を確実に形成することが可能となる。
また請求項3に記載の、第2係止凹部が、吐出カバーの前面を貫通する貫通孔で形成されており、この貫通孔の上面に、下顎部先端で且つ第2係止凸部の上部分に面対向する漏れ防止片を形成した構成にあっては、案内路を通過する内溶液の貫通孔からの液漏れを防止することができる。
また請求項4に記載の、吐出カバーをノズル筒の先端に組み付けた状態において、吐出カバーの内壁天面とノズル筒の流出路天面との間に内壁天面側を上方に広げる段差を形成した構成にあっては、流出路から案内路に流出する内容液の流れを円滑とし、内容液の漏れを防止することができる。
また請求項5に記載の、ヒンジを先筒部の正面に形成された下顎部の先端部と吐出カバーの前面下部との間に設けると共に、第2係止部の、先筒部の両外側面以外の部分を先筒部の上面とし、吐出カバーの両内側面以外の部分を吐出カバーの前面上部とした構成にあっても、先筒部の下端側においてヒンジを中心とする吐出カバーのスムーズな回動動作により、上記同様の効果を奏することができる。
また請求項6に記載の、吐出カバーの内壁に、凹状の湾曲面を形成した構成にあっては、流出路を通過した内溶液の方向を、適正な方向である吐出口が形成された下向きとなるように変えると共に内溶液の流速を減速させてその勢いを弱めることに寄与する。
また請求項7に記載の、流出路に縮径部を形成した構成にあっては、流出路内を流れる内溶液の勢いをより効果的に弱化させることができる。そして、このように内溶液の流速を二重に減速させることにより、ノズルヘッドを大きな力で押し下げても、ノズルヘッド先端の吐出口から内溶液が勢い良く吐出されることがなくなり、このようなノズルヘッドを有する押下げ注出ポンプの安全性、さらにはこのような注出ポンプを備えた注出容器全体の安全性を高めることが可能となる。
本発明のノズルヘッドの第1実施例として、吐出カバーを組み付ける前の状態を示す側面図である。 図1に示すノズルヘッドの縦断面図である。 吐出カバー組み付け後の状態を示す図1同様の側面図である。 吐出カバー組み付け後の状態を示す図2同様の縦断面図である。 図1のノズルヘッドの正面図であると共に吐出カバー組み付け前の状態を示す図である。 図3のノズルヘッドの正面図であると共に吐出カバー組み付け後の状態を示す図である。 ノズルヘッドの一部であるノズル先端を拡大して示す底面図であると共に吐出カバー組み付け前の状態を示す図である。 ノズルヘッドの一部であるノズル先端を拡大して示す底面図であると共に吐出カバー組み付け後の状態を示す図である。 本発明のノズルヘッドの第2実施例として、吐出カバーを組み付けた後の状態を示す側面図である。 図9に示すノズルヘッドの縦断面図である。 本発明のノズルヘッドの第3実施例として、吐出カバーを組み付ける前の状態を示す縦断面図である。 第3実施例のノズルヘッドの先端を拡大して示す平面図であると共に、吐出カバー組み付け前の状態を示す図である。 第3実施例のノズルヘッドの先端を拡大して示す側面図であると共に、吐出カバー組み付け前の状態を示す図である。 第3実施例のノズルヘッドの先端を拡大して示す底面図であると共に、吐出カバー組み付け前の状態を示す図である。 第3実施例のノズルヘッドの先端を拡大して示す正面図であると共に、吐出カバー組み付け前の状態を示す図である。 第3実施例のノズルヘッドの先端を拡大して示す側面図であると共に、吐出カバー組み付け後の状態を示す図である。 図16の縦断面図である。 第1実施例の変形例として、ノズルヘッドの先端を拡大して示す縦断面図である。 第1実施例の他の変形例として、ノズルヘッドの先端を拡大して示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明のノズルヘッドの第1実施例として、吐出カバーを組み付け前の状態を示す側面図、図2は図1に示すノズルヘッドの縦断面図、図3は吐出カバー組み付け後の状態を示す図1同様の側面図、図4は吐出カバー組み付け後の状態を示す図2同様の縦断面図、図5は図1のノズルヘッドの正面図であると共に吐出カバー組み付け前の状態を示す図、図6は図3のノズルヘッドの正面図であると共に吐出カバー組み付け後の状態を示す図、図7はノズルヘッドの一部であるノズル先端を拡大して示す底面図であると共に吐出カバー組み付け前の状態を示す図、図8はノズルヘッドの一部であるノズル先端を拡大して示す底面図であると共に吐出カバー組み付け後の状態を示す図である。
本発明のノズルヘッド1は射出成形法により一体成形された合成樹脂製であり、図示しない容器内に設けられるポンプから口筒部を通じて容器の外部に延出されるステムの先端に取り付けられて使用されるものである。
図1及び図2等に示すように、ノズルヘッド1は、押圧ヘッド部2、連結部3及びノズル部4を有して形成されている。この実施例に示すノズル部4は、押圧ヘッド部2の側面2Aから略水平方向に延びるノズル筒5と、このノズル筒5の先端に形成された先筒部8と、ノズル筒5の先端上部に連設されたヒンジ6と、先筒部8を覆うことが可能な吐出カバー7とを有して構成されている。
連結部3は押圧ヘッド部2の下面に管状に垂設されており、この連結部3の内部には垂直方向に沿って吸上路9が形成されている。図示することは省略するが、この連結部3には容器内に設けられたポンプから延びるステムの先端が連結されることにより、ノズルヘッド1が容器の口筒部の上部に取り付けられるようになっている。
ノズル筒5の内部には内溶液が流れる流出路10が略水平方向に沿って形成されている。流出路10の一端である奥部は、押圧ヘッド部2の中心方向に延び、連結部3内の吸上路9に連通している。また流出路10の他端は先筒部8の末端まで延びており、先筒部8の正面側の端面には流出路10の末端が開口形成されている。
図2に示すように、流出路10の奥部には、流出路10の他の区間もよりも細く絞って小さな断面積とした縮径部10aが形成されている。縮径部10aの奥部の先端は吸上路9に達しており、その長さ寸法Lは、吐出時に要求される内溶液の流速に応じ、流出路10の全長の範囲内で適宜設定することができる。また内溶液の種類によって設定してもよい。
ノズル筒5の前方の先端に形成された先筒部8は、図1に示すように上部側よりも下部が前方に突き出る略台形状をしており、その最下部の位置には更に前方に突出する下顎部8aが一体に形成されている。この下顎部8aには垂直方向に貫通する吐出口11が穿設されている。
図5に示すように、先筒部8はノズル筒5よりも狭い幅寸法で形成され、ノズル筒5の前方の端面で、且つ先筒部8の左右の外側面8A,8Aの外側の位置には逆U字形状からなる段差部8bが形成されている。また両外側面8A,8Aには、第1係止部12を構成する一方の第1係止凸部12a,12aが突設されている。図1及び図7などに示すように、第1係止凸部12aの前方には後方に向かって緩やかに幅広となるテーパー部12a1が形成され、続くテーパー部12a1の頂部には外側面8Aに向かって垂直に切り立つアンダーカット部12a2が形成されている。また下顎部8aの先端には、第2係止部13を構成する凸状の第2係止凸部13aが突設されている。
図2、図4及び図5などに示すように、先筒部8の正面8Bには流出路10と、流出路10に続く案内路14の一部を構成するハーフパイプ状の後方案内路14aとが形成されている。
図1及び図2などに示すように、吐出カバー7は、左右の一対の側面7A,7Aと、この両側面7Aどうしを連結する湾曲状の前面7Bを有すると共に、後部7C及び底部7D側が開口するフード状をしている。そして、前面7Bの上部とノズル筒5の先端上部とがヒンジ6を介して回動自在に連結されている。
図2に示すように、左右の両側面7Aの内壁である内側面7A1,7A1には第1係止部12を構成する第1係止凹部12b,12bがそれぞれ形成され、前面7Bの内壁には、案内路14の一部を構成するハーフパイプ状の前方案内路14bが形成されている。そして、前方案内路14bの上部で且つ流出路10の末端と対向する位置には、凹状の湾曲面7aが形成されている(図4参照)。
図4において吐出カバー7の前面7Bの下端となる位置には、第2係止部13を構成する第2係止凹部13bが形成されている。この第2係止凹部13bは前面7Bの内壁に凹溝状に形成してもよいし、図2に示すように前面7Bを貫通する孔で形成してもよい。すなわち、本発明における第2係止凹部13bは凹溝だけでなく、貫通孔をも含む概念であり、この点は第1係止凹部12bにおいても同様である(以下の実施例も同様である)。
図1乃至図6に示すように、ヒンジ6を中心に吐出カバー7を回動させてノズル筒5の先端に組み付けると、吐出カバー7の左右の両側面7A,7A間に先筒部8が挿入され、先筒部8全体を覆い隠すことができる。このとき、先筒部8側の下顎部8aの先端に形成された第2係止凸部13aと、吐出カバー7側の前面7B下端に形成された第2係止凹部13bとが係止し合う。これにより、先筒部8に対する吐出カバー7の、特に高さ方向の位置決めが行われる。
同時に、図7及び図8に示すように、先筒部8側の左右の両外側面8A,8Aに形成された第1係止凸部12a,12aが、吐出カバー7側の両内側面7A1,7A1に形成された第1係止凹部12b,12bのテーパー部12a1を相対的に乗り越えてアンダーカット部12a2に対して分離不能にアンダーカット結合する。なお、吐出カバー7の後部7Cが、ノズル筒5の先端である逆U字形状からなる段差部8bに当接することで先筒部8全体が覆われることになる。
また図4に示すように、先筒部8側の後方案内路14aと吐出カバー7側の前方案内路14bとが組み付けられて管状の案内路14が形成される。これにより、ノズル筒5側の流出路10の末端と先筒部8の下顎部8aに形成された吐出口11とが連通され、吸上路9、流出路10、案内路14及び吐出口11に続く一連の流路が完成する。
ノズルヘッド1の成形にあたっては、図1及び図2に示すように、吐出カバー7を、ノズル筒5に対してヒンジ6を介して上方にほぼ90度回動させた状態の形状からなる成形金型と、ノズル筒5内の流出路10を形成する流出路成形用ピンを備えるスライドコア(図示せず)とを用いる射出成形法によって一体成形される。流出路成形用ピンの先端形状を他の部分よりも太く形成し、成形後に流出路成形用ピンを引く抜くことにより、ノズル筒5内に流出路10と縮径部10aとが同時に形成される。
押圧ヘッド部2を押し下げると、図示しない容器から注出ポンプを介して吸い上げられた内溶液が、吸上路9→流出路10の縮径部10a→流出路10の本体→案内路14の順に流出して吐出口11から吐出される。
この吐出過程においては、吸上路9から流出路10に達した内溶液を、まず流出路10内に形成された断面積の小さな縮径部10aを通過させることでその流速を減速させることができる。続いて、流出路10から案内路14を通過するときに、その流出方向を水平方向から下向き方向に変更させることにより、再度減速させることができる。
なお、吐出カバー7の内壁に凹状の湾曲面7aを形成することにより、流出路10を通過した内溶液の方向を、適正な方向、すなわち吐出口11が形成された下向きに向けることが可能となる。
図9は本発明のノズルヘッドの第2実施例として、吐出カバーを組み付けた後の状態を示す側面図、図10は図9に示すノズルヘッドの縦断面図である。
図9及び図10に第2実施例として示すノズルヘッド1が、上記第1実施例のノズルヘッド1と異なる点は、押圧ヘッド部2の側面2Aに対するノズル筒5の形成位置を上部にして、ノズル筒5の上面が押圧ヘッド部2の頂部2Bから延長される形状とした点にあり、その他の点は上記第1実施例のノズルヘッド1と同様の構成である。
図11乃至図17は本発明の第3実施例としてのノズルヘッドを示しており、図11は吐出カバーを組み付ける前の状態を示す縦断面図、図12はノズルヘッドの先端を拡大して示す平面図であると共に、吐出カバー組み付け前の状態を示す図、図13はノズルヘッドの先端を拡大して示す側面図であると共に、吐出カバー組み付け前の状態を示す図、図14はノズルヘッドの先端を拡大して示す底面図であると共に、吐出カバー組み付け前の状態を示す図、図15はノズルヘッドの先端を拡大して示す正面図であると共に、吐出カバー組み付け前の状態を示す図、図16はノズルヘッドの先端を拡大して示す側面図であると共に、吐出カバー組み付け後の状態を示す図、図17は図16の縦断面図である。なお、以下においては、第1実施例と同一部材については同一符号を付して説明する。
第3実施例に示すノズルヘッド1が、第1実施例のノズルヘッド1と異なる点は、ノズル筒5先端の構成、すなわちヒンジ6、吐出カバー7及び先筒部8の構成、具体的には吐出カバー7が先筒部8の下端側の位置にて回動自在に連結されている点が大きく相違しているが、その他の構成は上記第1実施例のノズルヘッド1と同様の構成である。
図11に示すように、先筒部8の正面8Bに突出形成された下顎部8aの先端と吐出カバー7の前面7Bの下部(図17に示す吐出カバー組み付け後の状態で下部となる部分)との間にヒンジ6が形成されており、吐出カバー7はこの下部側に設けられたヒンジ6を介して先筒部8に対して回動自在に連結されている。
図12、図13及び図15などに示すように、先筒部8の左右の両外側面8A,8Aには第1係止部12の一方を構成する第1係止凸部12a,12aが形成され、これと対向する吐出カバー7の両内側面7A1,7A1には第1係止部12の他方を構成する第1係止凹部12b,12bが形成されている。また先筒部8の上面8Cには第2係止部13の一方を構成する第2係止凸部13aが形成され、これと対向する吐出カバー7の前面7Bの上部(図17に示す吐出カバー組み付け後の状態で上部となる部分)には第2係止部13の他方を構成する第2係止凹部13bが形成されている。
ヒンジ6を中心として、図11に示す矢印方向に吐出カバー7を略180度回動させることにより、上記同様に吐出カバー7をノズル筒5の先端に組み付けることができ、先筒部8を吐出カバー7で覆い隠すことができる。
このとき、先筒部8側の第2係止凸部13aと吐出カバー7の第2係止凹部13bとが係合し合う。これにより、先筒部8に対する吐出カバー7の、特に高さ方向の適正な位置決めが行われる。
同時に、先筒部8側の第1係止凸部12aと吐出カバー7側の第1係止凹部12bとが分離不能にアンダーカット結合する。そして、吐出カバー7の後部7Cがノズル筒5の先端である逆U字形状からなる段差部8bに当接する。
そして、第1実施例同様に、先筒部8側の後方案内路14aと吐出カバー7側の前方案内路14bとが組み付けられて管状の案内路14が形成され、ノズル筒5側の流出路10の末端と先筒部8の下顎部8aに形成された吐出口11とが連通されて吸上路9、流出路10、案内路14及び吐出口11に続く一連の流路が完成する(図17参照)。
第3実施例においても第1実施例同様に、流出路10の奥部先端に縮径部10aが設けられ、且つ組み付き合った先筒部8と吐出カバー7との間には案内路14が形成されている(図11参照)。
よって、内溶液の吐出過程において、吸上路9から流出路10に達した内溶液を、流出路10内に形成された断面積の小さな縮径部10aを通過させることでその流速を減速させることができ、続く案内路14を通過する際に、その流出方向を水平方向から下向き方向に変更させることで更なる減速を達成することが可能となる。
なお、吐出カバー7の内壁に凹状の湾曲面7aを形成することにより、流出路10を通過した内溶液の方向を、適正な方向、すなわち吐出口11が形成された下向きに向けることが可能となる。
図18は第1実施例の変形例として、ノズルヘッドの先端を拡大して示す縦断面図である。
図18に第1実施例の変形例として示すノズルヘッド1が、第1実施例のノズルヘッド1と異なる点は、吐出カバー7の構成にあり、その他の構成は上記第1実施例のノズルヘッド1と同様である。
図18に示すように、この変形例においても、第2係止部13を構成する第2係止凹部13bが前面7Bを貫通する貫通孔7bで形成されており、この貫通孔7b内に、下顎部8aの先端に突設された凸状の第2係止凸部13aが挿入されることで係止し合う点は上記第1実施例と同様である。
ただし、この変形例では、貫通孔7bの上面に漏れ防止片8a1が一体に形成されている構成である点で異なっている。
この漏れ防止片8a1は、吐出カバー7を回動させて先筒部8全体を覆い、先筒部8側の第2係止凸部13aと吐出カバー7側の第2係止凹部13bとが係止し合うと、下顎部8a先端で且つ第2係止凸部13aの上部分に面対向するように設置される。これにより、案内路14を通過する内溶液の貫通孔7bからの液漏れを防止することが可能となる。
図19は第1実施例の他の変形例として、ノズルヘッドの先端を拡大して示す縦断面図であり、図18に示す第1実施例の変形例のさらなる変形例に相当している。
図19に第1実施例の他の変形例として示すノズルヘッド1が、図18に示す第1実施例の変形例と異なる点は、ノズル筒5の先端と吐出カバー7とが接する部分の構成にあり、その他の構成は上記第1実施例のノズルヘッド1と同様である。
図19に示す他の変形例では、吐出カバー7をノズル筒5の先端に組み付けた状態において、吐出カバー7側の案内路14の上端をこれと対向するノズル筒5先端の流出路10の開口端よりも上方に広げた構成としたものである。すなわち、吐出カバー7の湾曲面7a上部の内壁天面7cの高さ位置を、ノズル筒5の流出路天面10bの高さ位置よりも僅かに上側となるように形成することにより、組み付け状態において内壁天面7cと流出路天面10bとの間に内壁天面7c側を上方に広げる段差15が形成されている。
内壁天面7cと流出路天面10bとを同一平面で形成する思想では、製造誤差等により内壁天面7cが流出路天面10bよりも下方の位置に形成されてしまう場合がある。このような場合には、内容液が流出路10から案内路14に流出する際に吐出カバー7側の内壁天面7cの角に当たって飛散し、飛散した内容液の一部が内壁天面7cと流出路天面10bとの連結部分に形成される隙間を介して外部に漏れる可能性がある。
しかしながら、図19に第1実施例の他の変形例のように、内壁天面7cと流出路天面10bとの間に内壁天面7c側を上方に広げた段差15を有する構成とすることにより、内容液が流出路10から案内路14に流出する際に吐出カバー7側の内壁天面7cの角に当たって飛散することがなくなる。よって、上流側の流出路10から下流側の案内路14に流出する内容液の流れが円滑となり、内容液の漏れを防止することが可能となる。
以上のように、上記第1乃至第3実施例及び上記変形例においては、ノズルヘッド1内に、流出路10の前後に案内路14と縮径部10aをそれぞれ設けることにより、内部を流れる内溶液の流速を二重に減速させることができる。よって、押圧ヘッド部2を大きな力で押し下げても吐出口11から吐出される内溶液の速度を十分に減速させることが可能である。
ところで、本発明のノズルヘッドに使用される内容液としての液体口腔組成物としては、例えばアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤のうち少なくとも1つ以上の界面活性剤を含有するものが好ましい。
この場合の界面活性剤の総含有量は0.01重量%以上、5.0重量%以下が好ましく、さらには以下に述べる試験法によって測定した25℃における粘度が0mPa・s以上、50mPa・s以下であるものが好ましい。
粘度測定法(口腔用組成物)
300mlのトールビーカーに口腔用組成物300gを量り取る。次に、25℃恒温水槽に1時間静置後、BL型粘度計を用いて正確に1分後の粘度を測定する。
なお、粘度計は東京計器社製のBL型粘度計を用い、測定条件はローターNo.1、回転数60rpmである。
なお、液体口腔用組成物の好適な成分及び配合量の実施例として、ノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油)を使用した例を以下の表1〜表3に示す。
Figure 0005888677
Figure 0005888677
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以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
例えば、上記各実施例では、第1係止部12について、先筒部8の左右の外側面8A,8Aに第1係止凸部12a,12aを、吐出カバー7の両内側面7A1,7A1に第1係止凹部12b,12bを形成した構成を示して説明したが、先筒部8側に第1係止凹部12b,12bを形成し、吐出カバー7側に第1係止凸部12a,12aを形成した構成であってもよい。
同様に、第2係止部13についても、第2係止凸部13aを吐出カバー7の前面7Bの内壁に設け、第2係止凹部13bを下顎部8aの先端または先筒部8の上面8Cに形成した構成としたものであってもよい。
また案内路14を縮径状に形成して流出路10の断面積よりも小さくする構成とすることにより、吐出口11から吐出する内溶液の速度を減速してその勢いを弱化させるようにすることも可能である。
本発明のノズルヘッドは、容器内に充填された口内洗浄剤(液体口腔用組成物)や消毒用アルコールなど粘性が低く固化しにくい内容液を注出するための手動押下げ注出ポンプ用のノズルヘッド分野における用途展開をさらに広い領域で図ることができる。
1 ; ノズルヘッド
2 ; 押圧ヘッド部
3 ; 連結部
4 ; ノズル部
5 ; ノズル筒
6 ; ヒンジ
7 ; 吐出カバー
7A ; 側面
7A1; 内側面
7B ; 前面
7C ; 後部
7D ; 底部
7a ; 湾曲面
7b ; 貫通孔
7c ; 内壁天面
8 ; 先筒部
8A ; 外側面
8B ; 正面
8C ; 上面
8a ; 下顎部
8a1; 漏れ防止片
8b ; 段差部
9 ; 吸上路
10 ; 流出路
10a; 縮径部
10b; 流出路天面
11 ; 吐出口
12 ; 第1係止部
12a; 第1係止凸部(第1係止部)
12a1; テーパー部
12a2; アンダーカット部
12b; 第1係止凹部(第1係止部)
13 ; 第2係止部
13a; 第2係止凸部(第2係止部)
13b; 第2係止凹部(第2係止部)
14 ; 案内路
14a; 後方案内路
14b; 前方案内路
15 ; 段差

Claims (8)

  1. ポンプに連結されたステムの先端に取り付けられると共に前記ポンプが吸い上げた内容液を上方に導く吸上路(9)を備えた押圧ヘッド部(2)と、該押圧ヘッド部(2)の側面に突出形成され且つ前記吸上路(9)に対して略水平に連通されて前記内容液を水平方向に導く流出路(10)及び前記内溶液を外部に排出する吐出口(11)とを備えたノズル筒(5)と、前記流出路(10)に連通されて前記内溶液を外部に導く吐出カバー(7)と、該吐出カバー(7)を前記ノズル筒(5)に対して回動可能に連結するヒンジ(6)と、を有するノズルヘッドにおいて、
    前記ノズル筒(5)の先端である先筒部(8)の両外側面(8A)と前記吐出カバー(7)の両内側面(7A1)との一方に形成された第1係止凸部(12a)と他方に形成された第1係止凹部(12b)とからなり、前記第1係止凸部(12a)と前記第1係止凹部(12b)とがアンダーカット結合する第1係止部(12)と、
    前記先筒部(8)の前記両外側面(8A)以外の部分と前記吐出カバー(7)の前記両内側面(7A1)以外の部分との一方に形成された第2係止凸部(13a)と他方に形成された第2係止凹部(13b)とからなり、前記第2係止凸部(13a)と前記第2係止凹部(13b)とが互いに係止し合う第2係止部(13)とを有し、
    前記ヒンジ(6)を中心に前記吐出カバー(7)を回動させて前記先筒部(8)を覆うことにより、前記第1係止部(12)におけるアンダーカット結合及び前記第2係止部(13)における係止が達成されると共に、前記先筒部(8)と前記吐出カバー(7)との間に前記流出路(10)の向きを下向きに変えて前記吐出口(11)に導く案内路(14)が形成されることを特徴とするノズルヘッド。
  2. ヒンジ(6)をノズル筒(5)の先端上部と吐出カバー(7)の前面(7B)上部との間に設けると共に、
    第2係止部(13)の、先筒部(8)の両外側面(8A)以外の部分を前記先筒部(8)の正面(8B)に形成された下顎部(8a)の先端部とし、前記吐出カバー(7)の両内側面(7A1)以外の部分を前記吐出カバー(7)の前面(7B)で且つ前記下顎部(8a)の先端部と対向する下端部とした請求項1記載のノズルヘッド。
  3. 第2係止凹部(13b)が、吐出カバー(7)の前面(7B)を貫通する貫通孔(7b)で形成されており、前記貫通孔(7b)の上面に、下顎部(8a)先端で且つ第2係止凸部(13a)の上部分に面対向する漏れ防止片(8a1)を形成した請求項2記載のノズルヘッド。
  4. 吐出カバー(7)をノズル筒(5)の先端に組み付けた状態において、前記吐出カバー(7)の内壁天面(7c)と前記ノズル筒(5)の流出路天面(10b)との間に前記内壁天面(7c)側を上方に広げる段差(15)を形成した請求項3記載のノズルヘッド。
  5. ヒンジ(6)を先筒部(8)の正面(8B)に形成された下顎部(8a)の先端部と吐出カバー(7)の前面(7B)下部との間に設けると共に、
    第2係止部(13)の、前記先筒部(8)の両外側面(8A)以外の部分を前記先筒部(8)の上面(8C)とし、前記吐出カバー(7)の両内側面(7A1)以外の部分を前記吐出カバー(7)の前面(7B)上部とした請求項1記載のノズルヘッド。
  6. 吐出カバー(7)の内壁に、凹状の湾曲面(7a)を形成した請求項1乃至5のいずれか一項に記載のノズルヘッド。
  7. 流出路(10)に縮径部(10a)を形成した請求項1乃至6のいずれか一項に記載のノズルヘッド。
  8. 内容液が、液体口腔用組成物である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のノズルヘッド。
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