JP5888634B2 - 水素発生ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットに関する。
我々が日常的に摂取する水は、健康の基礎作りとして極めて重要な役割を果たしており、人々の間で健康志向が高まる中、飲用水への注目が更に高まっている。
従来より、このようなニーズに合致するような飲用水は種々提案されており、例えば、飲用水中に酸素を多量に溶存させた酸素水や、水素を溶存させた水素水が知られている。
特に、分子状水素を含有させた水素水は、生体内酸化ストレスの低下や、血中LDLの増加抑制など、健康に寄与する報告が種々なされている。
このような水素水は、水中に水素を溶存させることで生成されるのであるが、水素の入手や純粋な水素を水中に溶解させることは一般には困難である。
また、水中に溶存させた水素は、水素透過性の極めて低い容器を用いない限り時間と共に徐々に抜けてしまうため、水素水の調製後できるだけ速やかに飲用に供するのが望ましい。
そこで、一般家庭などにおいても手軽に水素水を調製できるよう、数cm程度の有底筒状容器の内部に水素発生剤を封入した水素添加器具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような水素添加器具によれば、水を収容したペットボトル等の容器内に投入して密閉することで、水中に水素を含有させて水素水を生成できるとしている。
特願2010−159979号公報
ところが、上記従来の水素添加器具は、水素発生剤を防湿包装袋から取出し、この水素発生剤を別途密閉容器に挿入し、さらに水素発生剤と反応させるための水を所定量添加して閉蓋するという作業が必要となる。
このような煩雑な作業は、特に高齢者など手先の細かな作業が不得手な者にとっては困難であり、より手軽に水素水を生成できる手段が望まれていた。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、従来の水素添加器具に比して、水素を含有させた液体(以下、水素含有液という。)をより手軽に生成可能な水素発生ユニットを提供する。
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る水素発生ユニットでは、(1)液体中に投入することにより同液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットにおいて、同水素発生ユニットは、含水して水素を発生する水素発生剤と、水と、前記水を前記水素発生剤と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を水素ガスの放出手段を備えた収容体に収容して構成すると共に、前記非流出状態保持手段は、前記収容体外から所定量のエネルギーを付与することにより前記非流出状態の前記水を前記水素発生剤と反応可能な流出状態に変化させるものであり、前記エネルギーの付与をトリガーとして、前記流出状態となった前記水を前記水素発生剤と反応させ、前記収容体内にて生成した水素を前記放出手段を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成した。
本発明に係る水素発生ユニットによれば、液体中に投入することにより同液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットにおいて、同水素発生ユニットは、含水して水素を発生する水素発生剤と、水と、前記水を前記水素発生剤と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を水素ガスの放出手段を備えた収容体に収容して構成すると共に、前記非流出状態保持手段は、前記収容体外から所定量のエネルギーを付与することにより前記非流出状態の前記水を前記水素発生剤と反応可能な流出状態に変化させるものであり、前記エネルギーの付与をトリガーとして、前記流出状態となった前記水を前記水素発生剤と反応させ、前記収容体内にて生成した水素を前記放出手段を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成したため、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能な水素発生ユニットを提供することができる。
水素発生ユニットを用いて水素含有液を生成している状態を示した説明図である。 水素発生ユニットの構成を示した説明図である。 水素発生ユニットの使用状態を示した説明図である。 他の実施形態に係る水素発生ユニットの構成を示した説明図である。 他の実施形態に係る水素発生ユニットの構成を示した説明図である。 他の実施形態に係る水素発生ユニットの構成を示した説明図である。
本発明は、液体中に投入することにより同液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットに関するものである。
そして、本実施形態に係る水素発生ユニットに特徴的には、含水して水素を発生する水素発生剤と、水と、前記水を前記水素発生剤と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を撥水性水素透過膜を備えた収容体に収容して構成すると共に、前記非流出状態保持手段は、前記収容体外から所定量のエネルギーを付与することにより前記非流出状態の水を前記水素発生剤と反応可能な流出状態に変化させるものであり、前記エネルギーの付与をトリガーとして、前記流出状態となった水を前記水素発生剤と反応させ、前記収容体内にて生成した水素を前記撥水性水素透過膜を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成している。
ここで、水素を溶解させるための液体は特に限定されるものではないが、水やジュース、お茶等をはじめとする飲料や、注射・点滴等に使用する薬液など、ヒトに拘わらず生体に対して使用する液体物とすることができる。
また、水素発生剤は水分と接触することにより水素を発生するものであれば特に限定されるものではなく、また、混合物であっても良い。
水分と接触することにより水素を発生する混合物としては、例えば、水素よりイオン化傾向の高い金属又は金属化合物と、酸やアルカリなどの反応促進剤との混合物を挙げることができる。
また、好適に用いることのできる金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、ニッケル、コバルト、亜鉛等を挙げることができ、好適な反応促進剤としては、例えば、各種酸のほか、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、陰イオン交換樹脂、焼成カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等を用いることができる。
また、水素発生剤には、実用上必要な水素生成反応を阻害しない範囲において、必要に応じ適宜機能性を有する物質を添加しても良い。例えば、水との接触により吸熱反応を生じるような物質(例えば尿素や、これと同様の効果を生起する食品添加物に該当する物質。)を添加しておくことにより、水素生成反応に伴って発生する熱を抑制することもできる。
水は、水素発生剤から水素を生成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、純水や水道水、井戸水等を用いることができる。また、水は、水素含有液が生成不可能な程度に水素の発生を妨げるものでなければよく、何らかの物質が溶存しているものであっても良い。例えば、反応促進剤としての酸を溶存させておき、金属や金属化合物と反応させることで水を供給しつつ水素発生剤を構成して水素を発生させるようにしても良い。
非流出状態保持手段は、水を水素発生剤(水の添加と同時に水素発生剤を構成する場合には金属や金属化合物)と反応しない非流出状態に保持するための手段である。このような手段は物理的な構造のみならず、物性に由来するものであっても良い。
物理的な構造によって実現する非流出状態保持手段の一例としては、例えば、水を密閉収容して非流出状態とする可撓性の区画室によるものを挙げることができる。
そして、区画室には、所定量の外力が付与されることにより収容していた水を吐出して流出状態とする脆弱部を形成しておくことで、使用者が所望の際に水素発生の反応を開始させることができる。
また、物性によって実現する非流出状態保持手段の一例としては、例えば、水を凍結させておくことを挙げることができる。すなわち、凍結した水(氷)は、水素発生剤や金属化合物等と接触状態にあっても水素生成反応を開始することはないため、凍結した水自体を非流出状態保持手段として機能させることができる。
また、凍結に限らず、例えば寒天のように、流動性の極めて低い状態や固化状態と流動性の高い状態との間で熱により変化する高分子化合物を水に添加することで、ゲル化させた水自体を非流出状態保持手段として機能させるようにしても良い。すなわち、エネルギーの付与前の状態では水素発生剤に対して水素生成反応を惹起せず、エネルギーを付与することにより、水素含有液を生成可能な程度の水素生成反応を惹起可能な水分を水素発生剤に対して供給可能なゲル化剤を水に含ませて非流出状態保持手段を実現させても良い。
非流出状態保持手段に付与するエネルギーは、水を非流出状態から流出状態に変化可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、力や熱、光を含む電磁波、音波等を挙げることができる。
特に、前述の区画室によって非流出状態保持手段を実現した場合には、エネルギーとして外力を加えることにより、水素生成反応のトリガーとして利用することができる。なお、前述の脆弱部はこの外力によって水を吐出可能な程度に形成しておくのは勿論である。
また、前述の凍結した水によって非流出状態保持手段を実現した場合には、エネルギーとして熱を加えることにより、水素生成反応のトリガーとして利用することができる。なお、電磁波等によって凍結した水を流出状態に変化させることも可能であるが、多くの場合熱運動により液体状になるのであって、本明細書においては熱を加えることと同義であると解釈すべきである。
これら水素発生剤や水、非流出状態保持手段は、収容体に収容されることで水素発生ユニットが形成される。この収容体は、前述の非流出状態保持手段に対して付与されるエネルギーを伝達可能な素材や構造を備えるようにしても良い。
すなわち、前述の区画室によって非流出状態保持手段を実現した場合には、収容体は区画室に外力を伝達可能な部位、例えば指先などで押圧した際に撓むことで収容体の壁部を介して区画室に外力を付与可能な素材や構成を挙げることができる。
また、前述の凍結した水によって非流出状態保持手段を実現した場合には、熱を伝達させたり電磁波等を透過させることで、凍結した水を流出状態に変化させることができる部位が設けられる。
また、水素発生剤や水、非流出状態保持手段は、必ずしも収容体と一体的に構成されなくとも良い。具体的な一例としては、水素発生剤や水、非流出状態保持手段を収容した袋(以下、水素生成構成体という。)と、同水素生成構成体を収容する収容体とをそれぞれ別体としつつ水素発生ユニットを構成することもできる。
すなわち、区画室によって非流出状態保持手段を実現したならば、水素生成構成体の区画室を指先などで押圧して水素発生剤に水を接触させ、水素生成反応が開始した水素生成構成体を収容体に収容して水素発生ユニットとして液体中に投入するようなケースを挙げることができる。
このような場合、水素生成構成体が、外力や熱等を非流出状態保持手段に伝達可能に構成されていれば、収容体自体にこのような伝達可能な部位を必ずしも設ける必要はない。ただし、水素生成構成体は収容体内に水素を放出可能に形成しておく必要がある。
また、収容体には、同収容体内部にて発生した水素を水素発生ユニット外へ放出させるための放出手段として、撥水性水素透過膜を備えている。
この撥水性水素透過膜は、水素発生ユニット外の液体が収容体内へ浸入するのを防止でき、且つ、収容体内部にて発生した水素を収容体外へ放出可能な素材にて形成されていれば良い。
また、さらに望ましくは、水素発生剤を構成する成分など、金属イオンや無機化合物、有機質を透過させないものが良い。
このような素材としては、例えば、防水透湿性素材(液体状の水の透過は阻止しつつも気体状の水を透過させる素材)や、半透膜、逆浸透膜、伸延PTFE等を挙げることができる。
撥水性水素透過膜を防水透湿性素材や、半透膜、逆浸透膜で構成することにより、放出手段を比較的安価に構築することができる。
また、伸延PTFEは所謂ゴアテックス(登録商標)の中心的役割を果たす素材の一つであり、液体状の水の透過は阻止しつつ、水蒸気や水素は透過できるのは勿論のこと、極めて優れた耐熱性を有しており、水素生成反応によって生じた反応熱で放出手段が変性してしまうことを堅実に防止することができる。
また、撥水性水素透過膜の液体と接触する側の表面には、液体との接触面積を増大させるために、微細な凹凸や毛状体を複数設けるようにしても良い。撥水性水素透過膜の表面に複数の微細な凹凸を設けたり、微細なブラシ状に形成することにより、液体と気泡との接触面積を拡大させることができ、より効率的に水素含有液を生成することができる。
ところで、放出手段は逆止弁の如き機械的な弁機構によって実現することも可能である。すなわち、発生させた水素の内圧により、液体の浸入を阻止する弁機構の付勢力に抗して瞬間的に開放させることにより、水素の気泡を収容体内から液体中へ放出することもで
きる。
しかしながら、液体に対する水素の溶解量は、一般に温度が低いほど多く、温度が高くなるに従い減少する。
水素生成反応は発熱を伴うことが多く、収容体内部の水素は比較的高い温度となっており、前述の弁機構を介して液体中へ高温の水素を気泡状態で放出しても、気泡が液体中を上昇してゆく間に水素が溶け込むのは困難である。
それ故、前述の特許文献1に記載されているような従来の水素添加器具では、同水素添加器具を液体中に投入して静置した状態にあっては、例え液体中に沈降した状態を保つことが可能であっても、水素が高濃度に溶解した水素含有液を得るのは困難であり、また、水素を高濃度に溶解させるためには水素発生後に十分な攪拌を行う必要がある。
また、弁機構を介しての液体中への水素気泡の放出では、その気泡の径が大きく、液体と気泡との界面における水素の接触面積が極めて小さいため、液体中への水素の溶解効率は低い。
一方、本実施形態に係る水素発生ユニットでは、放出手段として撥水性水素透過膜を用いることとしており、収容体内部にて発生した高温の水素は、収容体外の液体によって冷却された撥水性水素透過膜を通過する際に熱交換が行われ、十分に冷やされた状態で気泡として放出されることとなる。
従って、放出手段を弁機構にて実現した場合に比して、気泡の上昇中における液体中への水素の溶解を助長することができ、高濃度の水素を溶存させた水素含有液を容易に得ることができる。特に、水素発生後の攪拌の手間を軽減することができる。
また、極めて微細な孔を多数備えた微多孔フィルム素材を撥水性水素透過膜として使用すれば、同膜を介して液体側へ移行した水素が形成する気泡は極めて細かく、これによっても液体中への高濃度の水素溶存を期待することができる。
更に付言すれば、撥水性水素透過膜は機械的な逆止弁構造に比べ、素材の通過孔の大きさと性質によって、例えば水蒸気状態の微小水分子や水素のようなガス状分子を選択的に通過させるので、通過した水素ガス粒子は極めて微小で多数に及び、飲用水への溶解がはるかに容易である。撹拌せずとも、高濃度の水素ガス溶存を期待できる。なお、ここでは放出手段として撥水性水素透過膜の弁機構に対する有用性について述べたが、上記記載は放出手段として弁機構を採用することを阻害するものではない。従って、本明細書は放出手段として弁機構を採用することについても包含していると解釈すべきである。
このように、本実施形態に係る水素発生ユニットによれば、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成することができる。また、液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず水素含有液を生成すべく構成しているため、水素発生ユニット内外における液体の流通に伴って水素発生剤の成分が液体へ漏出するおそれを可及的抑制することができる。
以下、本実施形態に係る水素発生ユニットについて、図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本第1の実施形態に係る水素発生ユニットAを用いて水素含有液を生成している状態を示した説明図である。図1に示すように、調製容器10内に収容した所定液体としての飲用水11中に水素発生ユニットAを投入することで、飲用水11中に水素を含有させて水素含有液を調製している。
調製容器10は、炭酸水等を市販する際に用いられるような耐圧性を有する500ml容量のペットボトル容器であり、中空状の容器本体10aと、同容器本体10aの上部開口に螺合して気密密閉するスクリューキャップ10bとで構成している。なお、本実施形態では容器としてペットボトル(ポリエチレンテレフタレート製容器)を用いているがこれに限定されるものではなく、ガラスやアルミ素材にて形成された容器を用いても良い。
調製容器10内には飲用水11をボトルネック部近傍(調製容器10の内容積の50分の48〜250分の249)まで収容して液相部とする一方、その上部を気溜まり部12として気相部を形成している。
図1において水素発生ユニットAは既に水素生成反応が開始された状態を示しており、その表面からは水素を豊富に含んだ気泡13が気溜まり部12へ向けて立ち上っている。すなわち、気泡13を飲用水11中で上昇させつつ飲用水11中に水素を溶解させて水素含有液を調製している。
図2は水素発生ユニットAの構成を示した説明図である。図2に示すように水素発生ユニットAは、収容体20の内部に水素発生体21と反応水22と区画室23とを収容して構成している。
収容体20は、チューブ状の逆浸透膜(RO膜)の両端を封止して密封された袋状に形成したものであり、その略全体が撥水性水素透過膜として機能する。
水素発生体21は、流出状態となった反応水22と接触することで水素生成反応を行う部位であり、内部には水素発生剤が収容されている。なお、本実施形態において水素発生剤は、アルミニウムと水酸化カルシウムとを主成分として含有する混合粉末としている。
反応水22は、水素発生体21(水素発生体21内の水素発生剤)と接触させて水素生成反応を生起させるための水であり、本実施形態においては純水を用いている。また、図2において反応水22は、区画室23内に収容されており、非流出状態に保持されている。
区画室23は、反応水22を水素発生体21内の水素発生剤と反応しない非流出状態に保持するための非流出状態保持手段として機能する部位であり、収容体20の内部空間を区画シール部23aで水密状に区画することで形成している。
また、区画シール部23aの一部には、水密性を保ちながらもそのシール強度を弱めて形成した脆弱部23bが設けられている。
この脆弱部23bは、図3に示すように、収容体20の区画室23部分を使用者Pが指等により押圧した際の圧力で収容体20内において区画室23の内外を連通可能なシール強度で形成しており、上述のような外力が付与されることにより、反応水22を脆弱部23bを介して吐出して流出状態とすることができる。
このようにして水素生成反応を開始させた水素発生ユニットAを、図1にて示したように、調製容器10内に収容された飲用水11中に投入することで、水素含有液の生成を容易且つ手軽に行うことができる。
特に、前述の特許文献1にて示された水素添加器具では、水素生成反応を生起させるに際し、水素発生剤に対してわざわざ所定量計量した水を添加する作業が必要であったが、本実施形態にかかる水素発生ユニットAによれば、このような計量作業を必要とすることなく、手軽に水素生成反応を開始させることができる。
さらに、収容体20の表面は半透膜(撥水性水素透過膜)にて形成しているため、飲用水11の収容体20内への浸入や、水素発生剤の反応生成物等が収容体20外に流出することを堅実に防止することができる。
しかも、発生させた水素は、半透膜を介して冷却され、細かな気泡となって飲用水11中に放散されることとなるため、液体に対する水素溶解度の温度依存性の観点からも効率良く高濃度の水素含有液を調製することができる。
次に、水素発生ユニットAを用いて実際に行った水素含有液の調製試験について述べる。
まず、RO(Reverse Osmosis)水の生成に用いられている逆浸透膜(RO膜)を筒状に加工して前述の水素発生体を収容すると共に、内部に反応水を収容した小型のビニール袋を収容し、両端開口部をシールして密封した。なお、小型のビニール袋は区画室23として機能するものであり、区画シール部23a及び脆弱部23bに相当する部位が設けられている。また、両端開口部のシールは、熱溶着によって行うものであっても良く、ウレタン或いは水に不溶性の接着剤等によって密封するものであっても良い。
このようにして形成した水素発生ユニットAを指先で押圧して区画室23をつぶすことにより破水させ、純水を充填した500ml容量のペットボトル中に投入して沈降させた後閉蓋した。
水素発生ユニットAの表面からは5〜10分ほどで気泡が発生し、この気泡は徐々にペットボトルの上部に向かって立ち上った。また、ペットボトルを把持すると硬くなっており、内圧が高まっていることが確認された。
12時間経過後、ペットボトルの蓋を開け、メチレンブルー試薬を用いて溶存水素ガス濃度の測定を複数回行ったところ、6.9〜7.4ppm、平均としては7.1ppmという値が得られた。このことから、本実施形態に係る水素発生ユニットAによれば、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能であることが示された。
また、水素含有液を質量分析装置に供して溶存夾雑物の確認を行ったが、同水素含有液中には、アルミニウムやカルシウムの溶出は検出されなかった。また、水素発生ユニットAに由来する陽イオンや陰イオンも検出されず、水素イオン濃度も中性のままであった。
このように、本実施形態に係る水素発生ユニットAによれば、金属を主要な成分とする水素発生体に反応水を添加して水素ガスを発生せるに際し、水素ガス或いは水以外の金属元素等が飲用水などの液体(所謂、生体適応液等)中へ向けて透過できない半透膜を利用することにより、従来の方法よりもはるかに安全かつ簡便に、高濃度の水素ガスを含有した水素含有液を生成させることができる。特に、今後の人類の健康維持に欠かせない医療ガスである水素を、より広く利用できるようにしているため、医療、産業状の利用価値は計り知れないものと言える。
また、試験結果についての言及は省略するが、半透膜を用いた水素発生ユニットAを液体で充密させた容器に入れることにより、半透膜を介して液体を水素発生ユニットA内に浸入させ、区画室の押圧作業すらも必要とすることなく、水素生成反応を生起させることもできる。
上述してきた本第1実施形態は、以下のような水素発生ユニットや方法を具体的に述べたものであると言える。
(1-1)半透膜にて形成され水素発生体を収容した水素発生ユニット。
(1-2)水素発生体を収容するための、半透膜を素材に用いた水素発生ユニット。
(1-3)水素発生体を収容する半透膜よりなる水素発生ユニットであって、弁などの機械
的機構によらず半透膜のみにより水或いは水素ガスを通過させる水素発生ユニット。
(1-4)水素発生体を収容し、発生した水素ガスを水素発生ユニット内から水素発生ユニット外へ透過させるための半透膜の素材としてRO(Reverse Osmosis)水を作るための逆浸透膜(RO膜)を用いた水素発生ユニット。
(1-5)水素発生体を収容する半透膜よりなる水素発生ユニット内で水素ガスを発生させ、液体を充填した容器内にこの水素発生ユニットを投入することにより、発生した水素ガスによる容器内圧力の上昇によって、水素ガスを液体内に容易かつ高濃度に含有させる方法。
(1-6)水素発生体を収容し、発生した水素ガスを水素発生ユニット内から水素発生ユニット外へ透過させるための素材として半透膜を用いた水素発生ユニット。
(1-7)水素発生体を収容し、水素ガスを発生させるための反応水を、液体を満たした容器内の液体から、容器内に収容した水素発生ユニットの内部へ、同水素発生ユニットの収容体の一部又は全部を構成する半透膜を透して液体を浸透させ、水素発生体に接触させて反応させることにより水素ガスを発生させる方法。
(1-8)水素発生体を収容し、発生した水素ガスを水素発生ユニット内から水素発生ユニット外へ透過させるための素材としての半透膜を備えた水素発生ユニットにおいて、半透膜は、液体としては水分子、またガス状分子としては水素分子を透過させ、かつ液体に溶解している水分子以外の金属イオンや無機化合物、有機質を透過させないものであることを特徴とする水素発生ユニット。
(1-9)外力を作用させて破水させることにより、非流出状態に保持していた反応水を流出状態として拡散させうる区画室を備えた水素発生ユニット。
(1-10)外力を作用させて破水させることにより、非流出状態に保持していた反応水を流出状態として拡散させうる区画室を収容体又は通水可能な付属器具内に内封させておき、液体を充密させた容器に投入する前にその区画室内の反応水を破水させ、収容体内にて水素ガスを発生させ、半透膜を介して水素ガスを液体に拡散せしめ、安全に水素ガスを液体に含有させる方法。
(1-11)水素発生体中に収容された水素発生剤を構成する成分として、食品添加物である金属アルミニウム、酸化カルシウム、又は水酸化カルシウム等や、マグネシウム、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、リチウム、ナトリウム、カリウム、ストロンチウム、バリウム、リン、糖類、芳香族炭化水素、アルコールのいずれかを含み、これに水を反応させることにより、水素ガスを液体中に溶存させる方法。
なお、本実施形態とは逆に、水素発生剤の方を脆弱な素材で隔離し、外部からのエネルギーで、その素材の外側あるいは離れた位置にある水と反応させるように構成しても良い。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態に係る水素発生ユニットEについて説明する。本実施形態では、水素発生ユニットEについて特に図示しないが、この水素発生ユニットEは、水素発生ユニットAと略同様の構成を備えているものの、収容体20を防水透湿性素材、より具体的にはゴアテックス(登録商標)に用いられる伸延PTFEにて形成している点、及び区画室23と同区画室23に保持される反応水22を備えていない点で構成を異にしている。
このようにして形成した水素発生ユニットEについても、図1にて示したように、調製容器10内に収容された飲用水11中に投入することで、収容体20を介して飲用水11中の水を水素発生ユニットE内に浸入させて水素生成反応を惹起させることができ、水素含有液の生成を容易且つ手軽に行うことができる。
次に、水素発生ユニットEを用いて実際に行った水素含有液の調製試験について述べる。
まず、伸延PTFE膜を筒状に加工して前述の水素発生体を収容し、両端開口部をシールして密封した。なお、両端開口部のシールは、熱溶着によって行うものであっても良く、ウレタン或いは水に不溶性の接着剤等によって密封するものであっても良い。
このようにして形成した水素発生ユニットEを、純水を充填した500ml容量のペットボトル中に投入して沈降させた後閉蓋した。
水素発生ユニットEの表面からは2〜3時間ほどで気泡が発生し、この気泡は徐々にペットボトルの上部に向かって立ち上った。また、ペットボトルを把持すると硬くなっており、内圧が高まっていることが確認された。
12時間経過後、ペットボトルの蓋を開け、メチレンブルー試薬を用いて溶存水素ガス濃度の測定を複数回行ったところ、6.9〜7.4ppm、平均としては7.1ppmという値が得られた。このことから、本実施形態に係る水素発生ユニットEによれば、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能であることが示された。
また、水素含有液を質量分析装置に供して溶存夾雑物の確認を行ったが、同水素含有液中には、アルミニウムやカルシウムの溶出は検出されなかった。また、水素発生ユニットEに由来する陽イオンや陰イオンも検出されず、水素イオン濃度も中性のままであった。
このように、本実施形態に係る水素発生ユニットEによれば、金属を主要な成分とする水素発生体に反応水を添加して水素ガスを発生せるに際し、水素ガス或いは水以外の金属元素等が飲用水などの液体(所謂、生体適応液等)中へ向けて透過できない撥水通気性素材を利用することにより、従来の方法よりもはるかに安全かつ簡便に、高濃度の水素ガスを含有した水素含有液を生成させることができる。特に、今後の人類の健康維持に欠かせない医療ガスである水素を、より広く利用できるようにしているため、医療、産業状の利用価値は計り知れないものと言える。
なお、本実施形態では、区画室23及び反応水22を備えない例について言及したが、これらを備えるようにしても良いのは勿論である。
上述してきた本第2実施形態は、以下のような水素発生ユニットや方法を具体的に述べたものであると言える。
(2-1)防水透湿性素材又は撥水通気性素材にて形成した収容体に水素発生体を収容して形成した水素発生ユニット。
(2-2)水素発生体を収容し、発生した水素ガスを水素発生ユニット内から水素発生ユニット外へ透過させるための防水透湿性素材として、ゴアテックス(登録商標)素材を用いた水素発生ユニット。
(2-3)水素発生体を収容し、発生した水素ガスを水素発生ユニット内から水素発生ユニット外へ透過させるための防水透湿性素材を用いる場合、水蒸気の透過性を水素発生ユニット外から水素発生ユニット内への方向性を持たせるように防水透湿性素材を袋状にした水素発生ユニット。
(2-4)水素発生体を収容し、発生した水素ガスを水素発生ユニット内から水素発生ユニット外へ透過させるための防水透湿性素材を用いる場合、水蒸気の透過性を水素発生ユニット内から水素発生ユニット外への方向性を持たせるように防水透湿性素材を袋状にした水素発生ユニット。
(2-5)水素発生体を収容する防水透湿性素材又は撥水通気性素材よりなる水素発生ユニットを、液体を充填した容器内に投入した状態で水素ガスを発生させることにより、防水透湿性素材又は撥水通気性素材を透して液体中に拡散した水素ガスによる容器内圧力の上昇によって、水素ガスを液体内に容易かつ高濃度に含有させる方法。
(2-6)水素発生体を収容し、水素ガスを発生させるための反応水を、容器内に満たされた液体から、容器内に投入されている水素発生ユニットの内部へ、同水素発生ユニットの少なくとも一部を構成する素材である防水透湿性素材を介して水蒸気の状態で侵入させ、水素発生体に接触し反応させることによって水素ガスを発生させる方法。
(2-7)水素発生体を収容し、発生した水素ガスを水素発生ユニット内から水素発生ユニット外へ透過させるための素材としての防水透湿性素材を備えた水素発生ユニットにおいて、防水透湿性素材は、ガス状分子としては水素分子と水蒸気とを透過させ、かつ液体に溶解している金属イオンや無機化合物、有機質を透過させないものであることを特徴とする水素発生ユニット。
(2-8)外力を作用させて破水させることにより、非流出状態に保持していた反応水を流出状態として拡散させうる区画室を収容体又は通水可能な付属器具内に内封させておき、液体を充密させた容器に投入する前にその区画室内の反応水を破水させ、収容体内にて水素ガスを発生させ、防水透湿性素材を介して水素ガスを液体に拡散せしめ、安全に水素ガスを液体に含有させる方法。
(2-9)水素発生剤を収容する収容体の一部又は全部を、例えばゴアテックスなどの防水透湿性素材或いは撥水通気性素材で形成した水素発生ユニットを、液体を充密させた容器内に入れ、水素発生ユニット内において発生した水素によって液体を充密させた容器内の圧力を上昇させ、その圧力によって水素ガスを高濃度で溶解させる方法において、液体を充密させた容器内の圧力と、防水透湿性素材或いは撥水通気性素材に生じる浸透圧を拮抗させ、防水透湿性素材或いは撥水通気性素材内外の圧力差を小さくすることによって、防水透湿性素材或いは撥水通気性素材を透した水素ガスあるいは水蒸気の流通を安全に可能とする方法。
(2-10)水素発生体中に収容された水素発生剤を構成する成分として、食品添加物である金属アルミニウム、酸化カルシウム、又は水酸化カルシウム等や、マグネシウム、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、リチウム、ナトリウム、カリウム、ストロンチウム、バリウム、リン、糖類、芳香族炭化水素、アルコールのいずれかを含み、これに水を反応させることにより、水素ガスを液体中に溶存させる方法。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態に係る水素発生ユニットBについて図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係る水素発生ユニットBの一部を切欠して示した説明図である。なお、以下の説明において、前述の水素発生ユニットAと同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
に示すように水素発生ユニットBは、水素発生ユニットAと略同様の構成を備えているが、反応水30を凍結させることにより、この凍結させた反応水30自体を非流出状態保持手段として機能させている点で構成を異にしている。
具体的に水素発生ユニットBは、収容体20内に水素発生体31を収容して構成している。
水素発生体31は、少なくとも水素が透過可能に構成された発生剤収容袋31a内に、粉末状の水素発生剤31bを封入して構成している。
発生剤収容袋31aは、収容体20内で水素発生剤31bが散逸するのを防止する役割を果たすものであり、本実施形態では不織布にて形成している。
水素発生剤31bは、図4の一部拡大図に示すように、アルミニウム粉末33と、水酸化カルシウム粉末34とを含んでおり、液体状の水が供給されることにより、水素生成反応を生起可能に構成している。
そして、本実施形態に係る水素発生ユニットBに特徴的には、更に水素発生剤31b中に、反応水30を氷結させて形成した氷粒35を混在させている。
従って、水素発生ユニットB(水素発生剤31b)が反応水30の凝固点以下の温度、例えば冷凍庫内等の環境下にあっては、反応水30は非流出状態に保持されることとなり、水素生成反応は生起されない。
また、水素発生ユニットBを冷凍庫内から出して、常温雰囲気下に晒したり、手などによって暖めたり、飲用水11中に投入されるなどして、氷粒35にエネルギーとしての熱が与えられると、氷粒35は氷解して反応水30が流出状態に変化し、アルミニウム粉末33や水酸化カルシウム粉末34と反応して水素が生成されることとなる。
このように構成された水素発生ユニットBによっても、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成することができる。
次に、水素発生ユニットBを用いて実際に行った水素含有液の調製試験について述べる。
まず、ゴアテックスや伸延PTFE膜等の防水透湿性素材膜を筒状に加工して前述の水素発生体31(水素ガス生成反応に十分な量の水を氷結させて形成した氷を混合したもの)を収容し、凍結温度条件下にて両端開口部をシールして密封した。なお、両端開口部のシールは、熱溶着によって行うものであっても良く、ウレタン或いは水に不溶性の接着剤等によって密封するものであっても良い。
このようにして形成した水素発生ユニットBを例えば冷凍庫から取出し、純水を充填した500ml容量のペットボトル中に投入して沈降させた後閉蓋した。
水素発生ユニットBの表面からは10〜20分ほどで気泡が発生し、この気泡は徐々にペットボトルの上部に向かって立ち上った。また、ペットボトルを把持すると硬くなっており、内圧が高まっていることが確認された。
12時間経過後、ペットボトルの蓋を開け、メチレンブルー試薬を用いて溶存水素ガス濃度の測定を複数回行ったところ、6.8〜7.4ppm、平均としては7.2ppmという値が得られた。このことから、本実施形態に係る水素発生ユニットによれば、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能であることが示された。
また、水素含有液を質量分析装置に供して溶存夾雑物の確認を行ったが、同水素含有液中には、アルミニウムやカルシウムの溶出は検出されなかった。また、水素発生ユニットに由来する陽イオンや陰イオンも検出されず、水素イオン濃度も中性のままであった。
このように、本実施形態に係る水素発生ユニットBによれば、水素生成反応に必要な量の水分を凍結状態で水素発生剤に混入させ、使用時に解凍温度にて液体を充密させた容器に投入して密封し、解凍されて流出状態となった水分(反応水)と水素発生剤とを反応させることにより、使用時に容器内に投入した水素発生ユニットより水素ガスを発生させ、半透膜や防水透湿性素材膜、撥水通気性素材膜を介して水素ガスを液体中に拡散させることで、安全に、かつ簡便に水素ガスを液体中に含有させることができる。すなわち、従来の方法よりもはるかに安全でかつ簡便に、高濃度水素ガスを含有した水素含有液を調製することができるため、今後の人類の健康に欠かせない医療ガスである水素をより広く利用できることとなり、医療、産業上の利用価値は計り知れないと言える。
なお、本実施形態では、アルミニウム粉末33や水酸化カルシウム粉末34と共に氷粒35を混合して水素発生剤31bを調製したがこれに限定されるものではない。例えば、前述の氷粒35を含まない水素発生体21と、水素生成反応に必要な量の水を氷結させて形成した氷塊とを収容体20内に別体に収容しておくようにしても良い。このような構成によっても、氷塊が解けて反応水が流出状態となることにより、水素生成反応を惹起させることができる。
上述してきた本第3実施形態は、以下のような水素発生ユニットや方法を具体的に述べたものであると言える。
(3-1)水と反応することによって水素ガスを発生する水素発生剤中に、凍結水を凍結温度にて含有させた水素発生ユニット。
(3-2)水と反応することによって水素を発生しうる金属等を含む水素発生剤に、水素を発生させるに足る水分を、冷凍温度すなわち凍結状態で混入させた水素発生ユニット。
(3-3)水と反応することによって水素を発生しうる金属等を含む水素発生剤に、水素を発生させるに足る水分を吸収しかつゆっくりと漏出させる不織布等でできた吸水性の素材を、凍結状態で混入させた水素発生ユニット。
(3-4)水と反応することによって水素を発生しうる金属等を含む水素発生剤に、水素を発生させるに足る凍結させた水分を混在させ、使用時に解凍温度にて、液体を充密させた容器に入れて密封閉蓋し、解凍により流出状態となった水素発生剤中の反応水と、水と反応することによって水素を発生しうる金属等の成分とを反応させる方法。
(3-5)水と反応することによって水素を発生しうる金属等を含む水素発生剤に、水素を発生させるに足る氷結させた水分をビニール素材などの容易に破水させることができる素材(区画室)に密封して混在させ、使用前に解凍温度にて破水させ、液体を充密させた容器に入れて密封閉蓋し、解凍により流出状態となった水素発生剤中の反応水と、水と反応することによって水素を発生しうる金属等の成分とを反応させる方法。
なお、本実施形態では、非流出状態保持手段として水を凍結させることにより実現したが、前述のように、流動性の極めて低い状態や固化状態であって水素発生剤に水素生成反応を惹起させない状態(非流出状態)と、流動性が高く水素発生剤に水素生成反応を惹起させうる状態(流出状態)との間でエネルギーの付与により変化させることのできるゲル化剤等を用いて非流出状態保持手段を実現しても良い。
〔第4の実施形態〕
次に、第4の実施形態に係る水素発生ユニットCについて、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る水素発生ユニットCの構成を示した説明図である。
水素発生ユニットCは、反応水22を収容した非流出状態保持手段としての区画室23と、水素発生体21とを備える小袋状の水素生成構成体40を、樹脂にて形成した略スピッツ管状の収容体41内に収容して形成している。
水素生成構成体40は、前述の水素発生ユニットAと略同様の構成を備えているが、水素発生体21や区画室23を内包する袋体を撥水性水素透過膜に限定せず、水素発生体21からの発熱に耐えうる所定の樹脂にて形成し、水素発生体収容袋40aとしている。
水素発生体収容袋40aには、水素生成反応に伴って生じた水素を、水素発生体収容袋40aの内部から収容体41内に放出させるための細孔部40bが設けられており、同細孔部40bに穿設された複数の細孔を介して円滑に水素を放散可能としている。
収容体41は、樹脂にて形成した有底管状の収容体本体41aと、同収容体本体41aの上部開口を閉蓋する収容体蓋体41bとで構成している。
収容体本体41aは、水素発生ユニットCを液体中に投入するに際し、水素生成構成体40を収容するための部位である。
収容体蓋体41bは、収容体本体41aの上部開口に嵌合可能に形成された略筒状の部材であり、略中央に孔部41cを備えている。
また、孔部41cの上端部には撥水性水素透過膜を張設して形成した透過膜部41eが形成されており、収容体41内部の水素を収容体41外へ放散可能としている。
そして、このような構成を備える水素発生ユニットCによれば、水素含有液の生成にあたり、まず、水素生成構成体40の区画室23を押圧して内包された反応水22を流出状態となし、水素発生体21に接触させて水素生成反応を生起させる。
次いで、水素生成反応を開始させた水素生成構成体40を収容体本体41a内に収容し、収容体蓋体41bで閉蓋して液体中へ投入する。
すると、水素生成構成体40内にて発生した水素は、細孔部40bを介して収容体41内に貯溜することとなる。
収容体41内の水素は、その内圧の高まりに応じて透過膜部41eから徐々に放出されることとなり、液体に水素を溶存させて水素含有液が生成する。
このように、本実施形態に係る水素発生ユニットCによっても、従来の水素添加器具に比して、反応水22を計量等する手間を可及的省くことができ、水素含有液をより手軽に生成することができる。
〔第5の実施形態〕
次に、第5の実施形態に係る水素発生ユニットDについて、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る水素発生ユニットDの構成を示した説明図である。
水素発生ユニットDは、有底有蓋略筒状に形成された収容体50と、同収容体50の内部に収容された水素発生体21とで構成している。
収容体50は、同収容体50の下部を構成する下筒部51と、上部を構成する上筒部52とを備えており、下筒部51と上筒部52との間には浮子部53が介設されている。
下筒部51は上部開口を有する有底筒状の部材であり、その内部に水素発生体21を収容すべく構成している。
また、下筒部51の底部外面には、収容体50を液体中で沈降させるための錘として機能する沈子部51aが配設されている。
上筒部52は、下部開口を有する有蓋筒状の部材であり、その素材は指先の力などにより容易に変形できるよう、シリコンなどの弾力性を有する柔らかい素材にて形成している。
また、上筒部52の内部には、略漏斗状の隔壁部52aを配設して区画し、その上方を反応水22を収容して非流出状態に保持するための非流出状態保持手段として機能する区画室23としている。
また、下方へ向けて狭窄させた隔壁部52aの先端部には、区画室23内に収容した反応水22を非流出状態としつつも、指先などによる区画室23(上筒部52)への力により破断して流出状態とする脆弱部52bが形成されている。
浮子部53は、発生させた水素によって浮き輪状に膨張する部位であり、図6(b)に示すように、浮子部53の内周に沿って周回りに形成したスリット部53aの上縁を上筒部52の下部開口周縁に連結し、スリット部53aの下縁を下筒部51の上部開口周縁に連結して形成している。なお、図6(a)において浮子部53は、水素生成反応を行わせる前のしぼんだ状態を示している。
また、浮子部53は、撥水性水素透過膜にて形成しており、浮子部53内に貯溜された水素を収容体50外へ放出可能としている。
そして、このような構成を備える水素発生ユニットDによれば、水素含有液の生成にあたり、まず、上筒部52の区画室23を押圧して内包された反応水22を流出状態となし、水素発生体21に接触させて水素生成反応を生起させて液体中へ投入する。
すると、水素発生ユニットDは、下筒部51に設けられた沈子部51aにより、液体中を沈降し、例えば図1にて示した調製容器10内において底部に到達する。
収容体50内にて発生した水素は、図6(b)に示すようにスリット部53aを介して浮子部53内に貯溜され、浮子部53を形成する撥水性水素透過膜を介して気泡13が生成され液体中へ徐々に放散される。すなわち、液体に水素を溶存させて水素含有液が生成する。
また、これと共に浮子部53は徐々に膨張して浮き輪状となり、水素発生ユニットを浮揚させる浮力を生じさせる。
これにより、水素発生ユニットは、調製容器10内において徐々に上部へ向かうこととなる。
それ故、調製容器10を開封して水素含有液を調製容器10内から取り出す際には、水素発生ユニットが調製容器10の上部開口にまで浮揚しているため、調製容器10内から水素発生ユニットを容易に取出すことができる。
上述してきたように、本実施形態に係る水素発生ユニットによれば、液体中に投入することにより同液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットにおいて、同水素発生ユニットは、含水して水素を発生する水素発生剤と、水と、前記水を前記水素発生剤と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を撥水性水素透過膜を備えた収容体に収容して構成すると共に、前記非流出状態保持手段は、前記収容体外から所定量のエネルギーを付与することにより前記非流出状態の水を前記水素発生剤と反応可能な流出状態に変化させるものであり、前記エネルギーの付与をトリガーとして、前記流出状態となった水を前記水素発生剤と反応させ、前記収容体内にて生成した水素を前記撥水性水素透過膜を介して放出して前記水素含有液を生成すべく構成したため、従来の水素添加器具に比して、水素含有液をより手軽に生成可能な水素発生ユニットを提供することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
11 飲用水
20 収容体
21 水素発生体
22 反応水
23 区画室
23b 脆弱部
35 氷粒
A 水素発生ユニット
B 水素発生ユニット
C 水素発生ユニット
D 水素発生ユニット
P 使用者

Claims (1)

  1. 液体中に投入することにより同液体中に水素を含有させて水素含有液を生成する水素発生ユニットにおいて、
    同水素発生ユニットは、
    含水して水素を発生する水素発生剤と、
    水と、
    前記水を前記水素発生剤と反応しない非流出状態に保持する非流出状態保持手段と、を水素ガスの放出手段を備えた収容体に収容して構成すると共に、
    前記非流出状態保持手段は、前記収容体外から所定量のエネルギーを付与することにより前記非流出状態の前記水を前記水素発生剤と反応可能な流出状態に変化させるものであり、
    前記エネルギーの付与をトリガーとして、前記流出状態となった前記水を前記水素発生剤と反応させ、前記収容体内にて生成した水素を前記放出手段を介して放出することにより、前記液体の水素発生ユニット内への浸潤によらず前記水素含有液を生成すべく構成したことを特徴とする水素発生ユニット。
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