JP5888497B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関の制御装置に関する。
自動車等の車両のエンジンから排出される排ガス中には、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等、環境に悪影響を与える虞のある汚染物質が多く含まれている。このため、車両には、エンジンから排出される排ガスが通過する排気通路に、プラチナ、パラジウム、ロジウム等の貴金属を活性物質とした三元触媒を用いた排気浄化装置が用いられている。このような排気浄化装置は、排気中の一酸化炭素や炭化水素を酸化すると共に窒素酸化物を還元することで、排ガス中のこれらの汚染物質を二酸化炭素、水、窒素にして浄化を行い、排ガスが浄化された状態で大気中に放出されるようにしている。
このような排ガス浄化用触媒は、空燃比が理論空燃比(ストイキ)近傍となるように制御することで、上記のような汚染物質を高い効率で浄化できる。しかしながら、例えば、排気浄化触媒の酸素吸蔵能力の低下時における窒素酸化物排出量の増大を抑制するために、空燃比を理論空燃比よりもリッチ側にシフトさせることで、触媒の劣化を抑制し、窒素酸化物の還元性能低下を軽減することが知られている。例えば、特許文献1では、排気酸素濃度の検出結果に基づいて内燃機関で燃焼される混合気の空燃比を目標空燃比とすべく燃料噴射量の空燃比フィードバック制御を行うとともに、その空燃比フィードバック制御における前記燃料噴射量のフィードバック補正値に基づいてフィードバック学習値の更新を行う内燃機関の燃料噴射量制御装置において、電子制御ユニットは、排気浄化触媒の酸素吸蔵能力の低下時に、排気量が大となる高負荷域でのサブF/B学習値の更新を禁止した上で、そうした高負荷域でのサブフィードバック制御の目標空燃比(酸素センサの目標出力)を未低下時よりもリッチ側に、即ち燃料をより多く噴射するように変更している。
特開2009−167944号公報(請求項1、要約等)
特許文献1では触媒劣化を検出したうえで、その触媒劣化に応じて燃料をリッチ側に変更することで、特に窒素酸化物の還元を好適に行うことができる。しかしながら、特許文献1では排気浄化触媒の酸素吸蔵能力、即ち助触媒であるセリアの劣化状態をモニタしているため、排気浄化触媒全体の劣化をモニタできない。このため、劣化状態の検出精度が低下して、排気浄化触媒が劣化していないのにもかかわらず燃料をより多く噴射してしまい、燃費が低下するという問題がある。
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、燃費の低下を抑制しながらも触媒の劣化を抑制することができる内燃機関の制御装置を提供しようとするものである。
本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関の排ガス流路に設けられた排ガス浄化触媒の劣化度合いに基づいて前記内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、前記排ガス浄化触媒の温度と前記排ガス流路での吸入空気量とから前記排ガス浄化触媒の瞬時劣化量を算出して該瞬時劣化量の累積走行時間に対する累積量である触媒劣化度を算出し、該触媒劣化度が所定値よりも大きい場合には、空燃比を燃料リッチ側にシフトさせるように前記内燃機関を制御し、車両の運転状態が前記内燃機関の負荷と回転数とにより規定された、前記空燃比をストイキフィードバック制御する領域より高負荷側の所定の運転領域にある場合、前記空燃比を燃料リッチ側にシフトさせるか否かの判断は、前記触媒劣化度が所定値よりも大きい場合に行うことを特徴とする。本発明では、触媒の劣化を前記排ガス浄化触媒の温度と前記排ガス流路での吸入空気量とから求めた瞬時劣化量の累積量である触媒劣化度の所定値を基準として空燃比を燃料リッチ側にシフトさせることから、燃費の低下を抑制することができる。
本発明の好ましい実施形態としては、前記触媒劣化度は、前記排ガス浄化触媒が該排ガス浄化触媒を流れる排ガスにより加熱されることで瞬間的にどの程度劣化するかを示す触媒劣化係数を算出し、この触媒劣化係数と前記吸入空気量とを乗じて前記瞬時劣化量を算出することが挙げられる。
簡易に本発明の効果を得るためには、前記内燃機関の制御は、燃料噴射量の変更であることが挙げられる。
車両の運転状態が前記内燃機関の負荷と回転数とにより規定された、前記空燃比を燃料リッチ側にシフトさせる所定の運転領域にある場合、かつ、前記排ガス浄化触媒の前記触媒劣化度が前記所定値よりも小さい別の所定値以下であると共に走行距離が所定距離以上である場合には、前記内燃機関の制御は、空燃比を相対的に燃料リーン側にシフトさせるように前記内燃機関を制御することが好ましい。このように構成することで、触媒を劣化させにくい運転をする運転者にとっては、より燃費を向上させることが可能である。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、触媒の劣化を抑制すると共に燃費の低下も抑制することができるという優れた効果を奏し得る。
実施形態1に係る制御装置を備えた内燃機関の概略構成図である。 実施形態1に係る制御装置に記録されたマップである。 実施形態1における触媒劣化度と空燃比との関係を説明するためのグラフである。 実施形態1に係る制御フローを説明するためのフローチャートである。 実施形態2に係る制御装置による制御を説明するためのマップである。 実施形態2に係る制御フローを説明するためのフローチャートである。 実施形態3における触媒劣化度と空燃比との関係を説明するためのグラフである。
(実施形態1)
初めに、本発明に係る実施形態1について説明する。
図1に示すように、車両はエンジン11を有する。エンジン11は筒内噴射型火花点火式の直列多気筒ガソリンエンジンとして構成されている。エンジン11のシリンダヘッドには、気筒毎に点火プラグ12及び燃料噴射弁13が取り付けられ、燃料噴射弁13から燃焼室内に燃料が直接噴射される。シリンダヘッドには気筒毎に略直立方向に吸気ポート14が形成され、吸気ポート14は吸気マニホールドを介してスロットルバルブ15と接続されている。
シリンダヘッドには略水平方向に排気ポート16が形成され、排気ポート16には排気マニホールドを介して排気通路17が接続されている。排気通路17の上流側には上流触媒18が配され、排気通路17の下流側には、下流触媒19が設けられている。この上流触媒18及び下流触媒19としては、公知の排気浄化触媒(特に三元触媒や酸化触媒)を用いることができる。
また、車両はECU(電子コントロールユニット)21を有する。ECU21は入出力装置、記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備え、本発明の制御装置10を構成する。そしてこのECU21により、エンジン11の総合的な制御が行われる。ECU21の入力側には、各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。
本実施形態では、センサとしては、エンジン11の回転速度を検出する回転速度センサ22、吸気管を流れる空気量を検出するエアフローセンサ23、三元触媒の温度を検出する触媒温度センサ24が挙げられる。エアフローセンサ23で検出した空気量は排気管を流れる排ガス量を推定するために用いる。そして、これらのセンサは、制御装置10の入力側に接続されて、各検出結果を制御装置10に入力する。なお、本実施形態では、触媒温度センサ24は上流触媒18の温度を検出している。
ECU21の出力側には、上述の燃料噴射弁13等の各種出力デバイスが接続されている。これら各種出力デバイスには、各種センサ類からの検出情報に基づきECU21で演算された燃料噴射量等がそれぞれ出力される。詳しくは、各種センサ類からの検出情報に基づき適正な目標空燃比(目標A/F)が設定され、実際の空燃比がこの目標A/Fとなるように、適正量の燃料が適正なタイミングで燃料噴射弁13から噴射されるようになっている。
ここで、本実施形態では、制御装置10により触媒の劣化に基づいて燃料噴射弁13から噴射される燃料噴射量(燃料噴射時間)を適宜設定することができるように構成されている。即ち、例えばスロットル操作が全開、全閉となるような運転状態を繰り返し、触媒温度が過剰に上昇するような運転が連続することで触媒が急激に劣化すると判断される場合には、制御装置10により触媒の劣化に基づいて燃料噴射量を燃料リッチ側にシフトさせ、触媒のさらなる劣化を抑制する。
この制御装置10による制御について以下詳細に説明する。
制御装置10は、走行中連続的に本制御を行って、常に触媒の劣化状態に応じて燃料噴射量を制御する。なお、例えば運転者がエコモード等の燃費を向上させる走行モードを選択した場合に限り本制御を行うように構成してもよい。制御が開始されると、制御装置10は三元触媒の温度、排ガス量等を検出する。なお、排ガス量はエアフローセンサ23から得られた吸入空気量と回転速度センサ22とから算出する。そして、得られた三元触媒の温度から制御装置10が予め有するマップに従って熱劣化係数を取得する。
ここで、熱劣化係数を示すマップについて図2を用いて説明する。マップは、横軸が触媒温度であり、縦軸が熱劣化係数を示す。図2に示すように熱劣化係数は0〜600℃付近までは三元触媒の触媒温度が高くなってもほとんど変わらないが、600℃程度から徐々に熱劣化係数が大きくなり始め、その後980℃付近から急激に大きくなっている。即ち、三元触媒は、980℃前後から急激に劣化することを示している。
このような熱劣化係数は三元触媒に含有されている触媒成分やサポート材等の特性から予め設定されるものである。本実施形態では、三元触媒中での担持量が多い触媒成分であるパラジウムが支配的であるので、パラジウムの熱劣化特性から、温度に対する熱劣化係数のマップが設定されている。パラジウムの熱劣化は、パラジウムの粒子成長が生じることが原因である。この粒子成長は、パラジウム自体が加熱されて凝集することもあるが、母材が加熱されることで結晶構造が破壊されてその表面状態が変化し、これにより母材表面のパラジウムが流動して凝集しやすくなることで劣化することが考えられる。従って、この熱劣化係数は三元触媒に担持される触媒成分によって異なるものであるので、三元触媒に含有される成分から実験又はシミュレーションすることで各三元触媒の温度に対する熱劣化係数についてのマップを作成し、制御装置10内に記憶させている。
制御装置10は、記憶されたマップから得られた熱劣化係数と排ガス流路での排ガス量との積により、前記排ガス浄化触媒の瞬時劣化量を算出する。
瞬時劣化量とは、瞬間的に三元触媒が排ガスによってどの程度劣化しているかを示す量である。即ち、排ガスによって三元触媒が加熱されることで、その瞬間にどの程度三元触媒が劣化したかを示す量である。その瞬間に三元触媒を通過する排ガス量が多ければ多いほど触媒の劣化が進行するので、このように排ガス量と熱劣化係数との積を瞬時劣化量と規定している。
制御装置10は、得られた瞬時劣化量が劣化量所定値よりも大きいかどうかを判定する。得られた瞬時劣化量が劣化量所定値よりも大きい場合には、瞬時劣化量が大きくなるような運転をしているとして運転者に警告する。このように運転者に警告することで、運転者が触媒の劣化を促進してしまうような運転を抑制するので、三元触媒の劣化を抑制することができる。
そして、制御装置10は、この瞬時劣化量の累積量である触媒劣化度を算出する。具体的には、瞬時劣化量の車両の累積走行時間(走行距離0mの時、即ち無劣化の三元触媒の装着時から現在までの累積走行時間)に対する累積量が触媒劣化度である。
制御装置10は、この算出された触媒劣化度が所定値以上である場合には、燃料噴射量を、運転者の要求する運転状態に対する燃料噴射量よりも多くして空燃比を燃料リッチ側にシフトさせる。ここで、上述のように触媒の劣化は排ガス温度に比例して進行するものではなく、一定の温度から急に劣化が進行するものである。排ガス温度が高温になりにくい運転状態(瞬時劣化量が小さい状態)が続けば触媒の劣化状態はゆっくり進行し、排ガス温度が高温になりやすい運転状態(瞬時劣化量が大きい状態)が続けば触媒の劣化状態は早く進行する。この触媒の劣化状態がどの程度進んでいるかどうかの境界となる閾値を所定値と設定している。
即ち、触媒劣化度が所定値未満である場合とは、触媒の劣化は進行していないと判断されるので、触媒の劣化進行を抑制する制御を実施する必要がない。この場合には、制御装置10は燃料噴射量を運転者の要求を満たす空燃比となるように制御する。他方で、触媒劣化度が所定値以上であるとは、触媒の劣化が進行した状態を示していることから、触媒の劣化進行を抑制する必要があると判断される。この場合には、制御装置10は、触媒の劣化度に応じて燃料噴射量を多くして空燃比を燃料リッチ側にシフトさせるように制御する。
ここで、本実施形態では、制御装置10は、所定値を第1所定値と第1所定値よりも大きい第2所定値とで設定している。即ち、図3に示すように、触媒劣化度が第2所定値よりも大きい場合には触媒の劣化が進行した状態を示していることから、触媒の劣化進行を抑制する必要があると判断される。この場合には、制御装置10は、触媒の劣化度に応じて燃料噴射量を多くして空燃比を燃料リッチ側にシフトさせるように制御する。なお、図3中では説明のため触媒劣化度が第2所定値を越えた後の空燃比シフト量は一定の燃料リッチ度合いとしている。他方で、触媒劣化度が第1所定値よりも小さい場合には第2所定値まではまだ余裕があるので、即ち触媒の劣化は未だ進行していないので運転状態を運転者に警告するような場合であるとしても警告を中止する。これにより、運転者に不快感を覚えさせないように構成している。また、触媒劣化度が第1所定値よりも大きいが第2所定値以下である場合には、運転者に警告は行われるが、燃料噴射量を燃料リッチ側にシフトさせることは行わない。これにより、燃費の低下を防ぐと共に、警告により運転者が触媒を劣化させるような運転を抑制するのでより触媒の劣化を抑制することができる。
即ち、本実施形態では、第1所定値は第2所定値よりも十分小さな値であればよく、触媒の急激な劣化が生じるまでは十分に時間がある値である。第2所定値は触媒の劣化が著しく生じていると判定される閾値である。
従来はこのような触媒の温度に基づいた制御を行わず、触媒が劣化しそうな運転領域になった場合には、全て空燃比を燃料リッチ側にシフトさせていたので、触媒の劣化状態を適切に判定できず、これにより燃費の低下を抑制できなかった。
これに対し、本実施形態では、上述のように触媒の劣化状態を予め得られた触媒劣化係数と吸入空気量、及び走行時間に応じて空燃比を設定することができるので、的確に触媒の劣化状態を判定することができる。そして、触媒が劣化していなければ空燃比を燃料リッチ側にシフトさせることがなく、燃費良く走行することができる。他方で、触媒が劣化し始めている場合には、空燃比を燃料リッチ側にシフトさせることで、触媒の劣化を抑制することができる。
制御装置10による制御を図4に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
初めに、イグニッションスイッチがオン状態となって制御がスタートすると、制御装置は、ステップS1へ進む。ステップS1では、各種センサより値を検出する。検出される値は、エンジン回転速度、吸入空気量、三元触媒の温度である。ステップS2へ進む。
ステップS2では、制御装置は、瞬時劣化量を算出する。具体的には、ステップS1で検出された三元触媒の温度に基づいて図2に示すマップから熱劣化係数を取得して、該熱劣化係数と吸入空気量とを乗じることで瞬時劣化量を得る。ステップS3へ進む。
ステップS3では、制御装置は、瞬時劣化量を車両の総走行時間により積算して累積瞬時劣化量である触媒劣化度を算出する。ステップS4へ進む。
ステップS4では、制御装置は、瞬時劣化量が劣化量所定値よりも大きいかどうかを判定する。瞬時劣化量が劣化量所定値よりも大きい場合には、ステップS5へ進む。
ステップS5では、制御装置は、瞬時劣化量が大きくなるような運転、即ち触媒の劣化を進行させるような運転をしているとして運転者に警告する。ステップS6へ進む。
ステップS6では、触媒劣化度が第1所定値以下であるかどうかを判断する。触媒劣化度が第1所定値以下である場合、ステップS7へ進む。触媒劣化度が第1所定値より大きい場合、ステップS8へ進む。
ステップS7では、触媒劣化度が第1所定値以下であり、まだ劣化が進行していないとしてアラームを抑制する。
ステップS8では、触媒劣化度が第1所定値よりも大きいので、触媒の劣化が進行しているとしてアラームを強調する。
ステップS9では、触媒劣化度が第2所定値よりも大きいかどうかを判断する。触媒劣化度が第2所定値よりも大きい場合(Yes)、ステップS10へ進む。触媒劣化度が第2所定値以下である場合、処理はステップS1へ戻る。
ステップS10では、触媒劣化抑制のため、エンジン制御パラメータを補正する。即ち、燃料噴射量を多くして空燃比が燃料リッチ側にシフトするように制御装置がエンジンを制御する。
このように制御することで、従来では触媒の状態を実際には推定できず、燃費が悪化してしまうことがあったが、本実施形態では、触媒の劣化状態を正確に推定することができ、触媒が劣化するまでは空燃比を燃料リッチ側にシフトしないことで燃費の低下を抑制することができる。また、燃費が悪化するような運転をする運転者に対しては警告を通知することで、触媒の劣化を抑制することができる。
(実施形態2)
本実施形態では、制御装置は車両が高負荷運転領域にある場合には、触媒が劣化するまではリッチ化抑制制御を行うという点において実施形態1と異なる。即ち、従来は高負荷運転領域にある場合には常に空燃比を燃料リッチ側にシフトさせていたが、本実施形態では制御装置が高負荷運転領域にあっても、触媒が劣化するまでは空燃比を燃料リッチ側にシフトしないように制御することで、最も効率よく燃費の低下を抑制することができる。
本実施形態で制御を行う高負荷領域について図5を用いて説明する。図5は、エンジン回転速度(rpm×1000)に対する軸平均有効圧(kg/cm)を示すグラフである。図5に示すように、運転領域はエンジン回転数と負荷とにより領域が確定されている。図5中、点線よりも内側にある領域Aがストイキフィードバック制御を行う領域である。点線よりも外側で、かつ実線(運転状態がスロットル全開である場合を示す)よりも内側の領域Bが高負荷運転を行う領域である。本実施形態の制御装置は、車両の運転状態が高負荷である領域Bにあるかどうかを判断し、領域Bにある場合に、第2所定値よりも触媒劣化度が小さい場合には空燃比を燃料リッチ側にシフトしないように制御する。
即ち、領域Bの空燃比は領域Aよりも濃く設定されているため、領域Bのリッチ化を抑制することで、領域Aでリッチ化を抑制するよりも燃費向上メリットが大きく、より効果的に燃費を向上することができる。そして、車両がストイキフィードバック制御を行う領域ではこのようなリッチ化抑制制御を行わないことで、NOxの発生を効率的に抑制することができる。このように、本実施形態では、NOxの発生を効率よく抑制しながら効率よく燃費を向上させることができる。
本実施形態の制御装置による制御を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。本実施形態では、ステップS11がステップS9とステップS10との間に追加されている点が実施形態1とは異なる。ステップS1〜ステップS8までは上述した実施形態1と同一であるので説明を省略する。
ステップS9では、触媒劣化度が第2所定値よりも大きいかどうかを判断する。触媒劣化度が第2所定値よりも大きい場合(Yes)、ステップS11へ進む。触媒劣化度が第2所定値以下である場合(No)、処理はステップS1へ戻る。
ステップS11では、制御装置がステップS1で検出されたエンジン回転速度、及び吸入空気量により得られた軸平均有効圧から車両の運転状態が図5に示す領域Bにあるかどうかを判断する。車両の運転状態が領域Bにある場合は(Yes)、ステップS10へ進む。領域Bにない場合には(No)、ステップS1へ進む。
ステップS10では、触媒劣化抑制のため、エンジン制御パラメータを補正する。即ち、燃料噴射量を多くして空燃比が燃料リッチ側にシフトするように制御装置がエンジンを制御する。このように本実施形態では、車両が高負荷運転領域にある場合にのみエンジン制御パラメータを補正することができ、リッチ化を抑制して効率的に燃費を向上させることができる。
(実施形態3)
本実施形態では、触媒劣化度が第1所定値以下であり、かつ、走行距離が所定距離以上である場合には空燃比を相対的に燃料リーン側にシフトさせることでより燃費を向上させることができる点が実施形態2とは異なる。触媒劣化度が第1所定値以下であり、かつ、走行距離が所定距離以上である場合には、運転者は長期に亘って触媒を劣化させにくい運転をしているということであるので、空燃比を燃料リーン側にシフトさせて、さらに燃費を向上させることができる。
本実施形態においては、制御装置は、第1所定値よりも触媒劣化度が低く、かつ走行距離が所定距離以上であるかどうか及び車両の運転状態が高負荷の領域B(図5参照)にあるかどうかを判断する。そして、第1所定値よりも触媒劣化度が低く、かつ走行距離が所定距離以上であり、さらに車両の運転状態が高負荷の領域Bにある場合には空燃比を相対的に燃料リーン側にシフトさせる。相対的に燃料リーン側にシフトさせるとは、既に空燃比をストイキよりも燃料リッチ側にシフトさせた状態から、より燃料リーン側にシフトさせることをいい、空燃比をストイキよりも燃料リーン側にシフトさせることを意味しない。このように構成することで、触媒劣化度が大きくならないような安定した運転を行う運転者に対してはより燃費を向上させることが可能である。
即ち、図7に示すように、本実施形態では、制御装置が、触媒劣化度が第1所定値以下であり、かつ、走行距離が所定距離以上であると判断した場合には、空燃比を相対的に燃料リーン側にシフトさせる。触媒劣化度が第1所定値以下である場合であっても、走行距離が所定距離未満である場合には、運転者が触媒劣化度が大きくならないような安定した運転を行うかどうかが判断できないので本制御を実施しない。走行距離が所定距離以上となった場合に初めて本制御を行うことで、触媒劣化度が大きくならないような安定した運転を行う運転者に対しては、実施形態1の場合(図3参照)よりさらに燃費を向上させることが可能である。
上述した各実施形態では燃料噴射量を変更することで空燃比を燃料リッチ側へシフトさせたが、これに限定されない。例えば、空燃比を燃料リッチ側へシフトさせるために点火時期、1工程中での噴射回数、EGR率等を変化させても良い。また、触媒劣化度が第2所定値よりも大きい場合には、スロットル開度の上限を制限してもよく、また燃料カット禁止時間を変更してもよい。
上述した各実施形態では触媒劣化度が第2所定値よりも大きい場合には空燃比は一定量燃料リッチ側へシフトするように設定したがこれに限定されない。例えば、触媒劣化度が第2所定値よりも大きくなるにつれて空燃比が徐々に燃料リッチ側にシフトするように構成してもよい。
上述した実施形態3では高負荷運転時においてのみ燃料リーン側にシフトさせるように構成したがこれに限定されない。例えば、ストイキフィードバック制御を行っている場合に本制御を行っても良い。
10 制御装置
11 エンジン
12 点火プラグ
13 燃料噴射弁
14 吸気ポート
15 スロットルバルブ
16 排気ポート
17 排気通路
18 上流触媒
19 下流触媒
22 回転速度センサ
23 エアフローセンサ
24 触媒温度センサ

Claims (4)

  1. 内燃機関の排ガス流路に設けられた排ガス浄化触媒の劣化度合いに基づいて前記内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記排ガス浄化触媒の温度と前記排ガス流路での吸入空気量とから前記排ガス浄化触媒の瞬時劣化量を算出して該瞬時劣化量の累積走行時間に対する累積量である触媒劣化度を算出し、該触媒劣化度が所定値よりも大きい場合には、空燃比を燃料リッチ側にシフトさせるように前記内燃機関を制御し、
    車両の運転状態が前記内燃機関の負荷と回転数とにより規定された、前記空燃比をストイキフィードバック制御する領域より高負荷側の所定の運転領域にある場合、前記空燃比を燃料リッチ側にシフトさせるか否かの判断は、前記触媒劣化度が所定値よりも大きい場合に行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記触媒劣化度は、前記排ガス浄化触媒が該排ガス浄化触媒を流れる排ガスにより加熱されることでどの程度劣化するかを示す触媒劣化係数を算出し、この触媒劣化係数と前記吸入空気量とを乗じて前記瞬時劣化量を算出することを特徴とする請求項1記載の内燃機
    関の制御装置。
  3. 前記内燃機関の制御は、燃料噴射量の変更であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 車両の運転状態が前記内燃機関の負荷と回転数とにより規定された、前記空燃比を燃料リッチ側にシフトさせる所定の運転領域にある場合、かつ、前記排ガス浄化触媒の前記触媒劣化度が前記所定値よりも小さい別の所定値以下であると共に走行距離が所定距離以上である場合には、前記内燃機関の制御は、空燃比を相対的に燃料リーン側にシフトさせるように前記内燃機関を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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