JP5888039B2 - 河川監視システム、河川監視プログラム、及び、河川監視方法 - Google Patents

河川監視システム、河川監視プログラム、及び、河川監視方法 Download PDF

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Description

本発明は、河川監視システム、河川監視プログラム、及び、河川監視方法に関する。
従来から、河川の急激な増水時における堤防の越流の危険性を早期に検知し、住民の避難活動を支援することを目的とする河川監視システムが知られている。河川監視システムは、河川沿いに配置された多数の観測装置から無線送信される水位情報を監視装置によって受信し、河川の水位変化を監視するシステムである。
河川監視システムにおいて、各観測装置の水位情報は、直接、あるいは、1つまたは複数の観測装置を経由して無線通信によって中継装置に送信され、さらに、中継装置から例えば、有線通信によって監視装置に送信される。観測装置は、水位情報の観測を目的とするため河川沿いに設置されることが多い。そのため、観測装置と中継装置間の無線通信経路には、河川を挟む観測装置間の通信経路が含まれることがある。
観測装置の無線通信の受信レベルは、観測装置の環境の変化に応じて低下することがある。例えば、観測装置のフレネルゾーンに、河川の水位上昇や植樹等の遮蔽物が発生した場合、観測装置の受信レベルが低下する。このため、特に河川を挟む通信経路を有する観測装置の受信レベルは、水位上昇による受信レベルの低下が発生しやすい。受信レベルが低下すると無線通信が適切に行えなくなることにより、観測装置から監視装置への水位情報の送信に失敗し、当該観測装置の水位情報が欠測してしまう。
このように、環境変化によって受信レベルが低下した場合、人手により、送信レベルを高くすることで無線通信の接続状態に復旧される。このため、観測装置の通常時の送信レベルは、一般的に、受信レベルの低下時に送信レベルを上げられるように最小値に設定される。また、観測装置の電源は、商用電源による供給が困難であることにより、例えば、バッテリィ(太陽光パネルによる充電)によって供給される。送信レベルが最小値に設定されることにより、観測装置の消費電力も最小限に抑えられる。
無線通信の送信レベルの制御については、例えば、特許文献1に記載される。
特開2002−124909号公報
近年、集中豪雨(ゲリラ豪雨)が多発している。これにより、河川の水面の上昇が多発し、受信レベルの低下による水位情報の欠測が頻発する場合がある。また、決め細かいメッシュ(距離・面積)での水位の監視を実現するために観測装置の配置密度を高くする場合、観測装置数の増加に伴い、欠測の発生頻度も増加する。このように欠測が頻発する場合、観測装置における人手による送信レベルの変更は効率的ではない。しかしながら、観測装置の送信レベルを予め高い値に設定しておくことは、観測装置の消費電力を増加させることになり、適切ではない。
本発明は、水位上昇に伴う水位情報の欠測を防止する河川監視システム、河川監視プログラム、河川監視方法を提供することにある。
第1の側面は、河川に沿って配置され水位レベルを測定する複数の観測装置と、前記観測装置間の河川を挟む無線通信を介して送信される前記水位レベルを監視する監視装置とを有する河川監視システムであって、前記観測装置は、周期時間毎に、前記水位レベル及び前記無線通信に係る受信レベルを測定する測定手段と、前記測定した水位レベルを前記監視装置に送信する送信手段と、前記受信レベルが低下した場合であって、前記水位レベルが警戒水位レベルに達したとき、あるいは、前記周期時間毎の水位レベルに基づく水位変化速度が警戒速度に達したときに、前記周期時間毎の水位レベル及び受信レベルに基づいて次回に測定される予測受信レベルを算出し、次回の前記無線通信に係る送信レベルを、前記予測受信レベルを通信可能な受信レベルに上昇させる予測送信レベルに設定する送信レベル自動制御を開始する制御手段と、を有する。
第1の側面によれば、水位上昇に伴う水位情報の欠測が防止される。
本実施の形態例における河川監視システムの構成を示す例図である。 図1で示した観測置及び中継装置の配置の一例を表す図である。 監視装置による各観測装置の水位レベルの収集処理の流れについて説明する例図である。 水位レベル上昇時の測定水位レベルと送信レベルの設定値の例を説明する図である。 水位上昇時における受信レベルと送信レベルの対応関係の一例を示す図である。 本実施の形態例における自動送信レベル制御の流れを説明する例図である。 本実施の形態例における監視装置、及び、観測装置の構成の一例を示す図である。 本実施の形態例における監視装置の処理を説明するフローチャート図である。 警告水位、警告変化速度の観測装置による相違について説明する例図である。 観測装置における予測受信レベルの具体例について説明する図である。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
[河川監視システム]
図1は、本実施の形態例における河川監視システムの構成を示す例図である。河川監視システムは、河川の急激な増水時における堤防の越流の危険性を早期に検知し、住民の避難活動を支援するシステムである。河川監視システムは、河川に沿って配置された多数の観測装置10−1〜10−6から無線送信される水位レベルを監視装置30によって監視する。水位レベルとは水位の情報であり、例えば、水位の値や、当該水位の値が特定の値を超えていることを示す情報や、当該水位の値が属する範囲レベル等を示す。
本実施の形態例における河川監視システムは、例えば、複数の観測装置10−1〜10−6(観測装置10)と、中継装置20−1、20−2(中継装置20)と、監視装置30とを有する。観測装置10は、例えば、河川に沿って設置され、周期時間毎に河川の水位レベルを測定する。そして、測定した水位レベルを、中継装置20を介して監視装置30に送信する。中継装置20は、複数の観測装置10と無線通信を介して接続される。また、中継装置20は、各観測装置10に水位レベルの送信を指示すると共に、各観測装置10から送信される水位レベルを受信し、例えば、有線の通信を介して接続される監視装置30に、受信した水位情報を送信する。
監視装置30は、中継装置20から送信された各観測装置10の水位レベルに基づいて、河川の水位変移を監視する。そして、監視装置30にて、河川水位の一過性の急激な上昇が検知されるとき、監視者は、例えば、地域の住民に対して避難勧告を通知する。
なお、本実施の形態例の河川監視システムは中継装置20を有するが、中継装置20は必ずしも必須ではない。観測装置10は、監視装置30に直接、水位レベルを送信してもよい。本実施の形態例では、中継装置20を有することによって、監視装置30は、より遠い位置に配置された観測装置10の水位レベルを監視できる。
続いて、本実施の形態例における河川監視システムの観測装置10及び中継装置20の設置例を河川と対応させて説明する。
図2は、図1で示した各観測置10及び中継装置20の配置の一例を表す図である。同図では、2つの中継装置20−1、20−2と、6つの観測装置10−1〜10−6の配置例が表される。
観測装置10−1〜10−6は、通常、河川100に沿って配置される。また、中継装置20は、監視装置30と有線によって通信可能な場所に配置される。本実施の形態例では、観測装置10と中継装置20の通信は、アドホック通信が利用される。このため、各観測装置10は、例えば、500m程度の間隔をおいて配置される。アドホック通信を利用する場合、観測装置10で測定された水位レベルは、選択された通信経路に従って、直接または他の観測装置10を経由し中継装置20に送信される。
例えば、観測装置10−1の水位レベルは観測装置10−2、観測装置10−4を経由して、中継装置20−1に送信される。また、例えば、観測装置10−3の水位レベルは観測装置10−4を経由して、中継装置20−1に送信される。観測装置10−4の水位レベルは直接、中継装置20−1に送信される。他の観測装置10−5、10−6についても同様にして、直接、または他の観測装置10を介して、水位レベルを中継装置20−2に送信する。
なお、図2では、アドホック通信を利用する場合の通信経路の一例を示したが、中継装置20と観測装置10の間は、アドホック通信が利用される場合に限らない。例えば、観測装置10は、それぞれ、他の観測装置10を介することなく、直接、中継装置20と通信処理を行ってもよい。
[水位情報の欠測]
本実施の形態例では、観測装置10は、例えば、10分間隔等の周期時間毎に水位レベルを測定する。観測装置10は、中継装置20からの送信指示に応答して、測定した水位レベルを中継装置20に送信する。ところが、観測装置10の水位レベルの送信処理は、観測装置10が配置された環境の変化等を要因として無線通信に係る受信レベルが低下し、失敗することがある。この場合、観測装置10の水位レベルが監視装置30に送信されず、当該観測装置10の水位レベルの欠測が発生する。
環境の変化とは、例えば、植樹の繁茂や、河川100の水位変動である。無線通信におけるフレネルゾーンに、環境変化によって遮蔽物が発生すると、無線通信に係る受信レベルが低下することがある。具体的に、例えば、季節が移り変わって観測装置10の周囲の植樹が繁茂し、遮蔽物となる。同様にして、観測装置10が河川100付近に配置される場合、河川100の上昇した水が遮蔽物となる。
例えば、図2における観測装置10−3と観測装置10−4間の通信経路のように河川100を挟む通信経路の場合、河川100の水が遮蔽物となり、受信レベルは水位変動による影響を受けて低下しやすい。これに対して、図2の観測装置10−2と観測装置10−4間の通信ように、河川100を挟まない通信経路の場合、受信レベルは河川100の水位変動による影響を受け難い。
具体的に、水位上昇により、観測装置10−3と観測装置10−4間の通信に係る受信レベルが、適切な通信が行えないレベルまで低下した場合、観測装置10−3の水位レベルの欠測が発生する。また、この場合、図示していないが、観測装置10−3を経由して中継装置20に水位レベルを送信する観測装置10があった場合、当該観測装置10の水位レベルについても欠測することになる。
なお、観測装置10の受信レベルは、設置位置によっても影響を受ける。観測装置10の設置位置とは、例えば、観測装置10の河川100の水面からの高さや、河川100からの距離、観測装置10が河川100を挟む場合における河川100に対する設置角度等である。例えば、観測装置10が低い位置に設定された場合、高い位置に設置された場合に対して、水位の上昇による影響を受けやすい。
このように、環境の変化によって、観測装置10の無線通信に係る受信レベルが低下し、当該観測装置10の水位レベルの欠測が発生することがある。水位レベルが欠測すると、監視装置30は、河川100の水位変化を適切に監視することができない。このため、通信対象の観測装置10の送信レベルが引き上げられることによって、受信レベルが通信可能なレベルまで上昇され、以降の欠測が防止される。
ここで、監視装置30による、各観測装置10の水位レベルの収集処理の流れについて説明する。
[水位情報の収集処理の流れ]
図3は、監視装置30による、各観測装置10の水位レベルの収集処理の流れについて説明する例図である。この例において、中継装置20は、一定の周期毎に、収集対象の観測装置10に対して、水位レベルの送信指示を通知する。具体的に、中継装置20−1は、当該中継装置20−1が対象とする観測装置10−1〜10−4に対して、測定水位レベルの送信指示q1を通知する。各観測装置10−1〜10−4は、水位レベルの送信指示q1を受けて、測定した水位レベルp1−1〜p1−4を中継装置20−1にそれぞれ送信する。続いて、中継装置20−1は、受信した各観測装置10−1〜10−4の水位レベルp1−1〜p1−4を監視装置30に送信する。この一連の処理が、例えば、10分間隔等の周期時間毎に行われる。
このため、10分後、中継装置20−1は、観測装置10−1〜10−4に、測定水位レベルの送信指示q2を通知し、各観測装置10−1〜10−4は、測定した水位レベルp2−1〜p2−4を中継装置20−1にそれぞれ送信する。例えば、観測装置10−3と観測装置10−4間の受信レベルが低下している場合、送信指示q2が観測装置10−3に到達しない。または、観測装置10−3の水位レベルp2−3が観測装置10−4に到達せず、欠測が発生する。
続いて、水位上昇時における水位レベルと送信レベルの具体例について説明する。
[水位レベルの上昇時における送信レベル制御]
図4は、水位レベルが上昇を続ける場合における、測定水位レベルと送信レベルの設定値の例を説明する例図である。同図の表TBでは、3つの観測装置10−1〜10−3の例が示される。各観測装置10−1〜10−3は、図1、図2における各観測装置10−1〜10−3に対応する。この例において、10分間隔に水位レベルが測定される。本実施の形態例では、水位レベルとして水位値が測定される。ただし、この例に限定されるものではなく、水位レベルは、例えば、水位値が属する範囲レベル等であってもよい。また、各観測装置10−1〜10−3の送信レベルは、初め、最小値である1mWに設定される。
この例において、図2で前述したとおり、観測装置10−1は、観測装置10−2及び観測装置10−4を経由して、中継装置20−1に水位レベルを送信する。また、観測装置10−2は、観測装置10−4を経由して中継装置20−1に水位レベルを送信する。そして、観測装置10−3は、観測装置10−4を経由して中継装置20−1に水位レベルを送信する。観測装置10−3と観測装置10−4の通信経路は河川を挟むことから、通信処理は河川の水位上昇による影響を受けやすい。一方、観測装置10−1と観測装置10−2間、観測装置10−2と観測装置10−4間の通信経路は河川を挟まないため、河川の水位上昇による影響を受けにくい。また、各観測装置10−1〜10−3は設置位置が異なることにより、同時刻であっても測定される水位レベルは異なる。
図4の表TBによると、観測装置10−1と観測装置10−2による測定水位レベルは、約3m前半から3m後半の値まで、緩やかな上昇を続ける。観測装置10−1、10−2の通信経路は河川の水位上昇の影響を受けにくいため、河川の水位レベルが高い場合であっても、観測装置10−1、10−2の受信レベルは通信可能なレベルに維持される。このため、観測装置10−1、10−2の送信レベルは最小値1mWのまま変更されない。
一方、観測装置10−3で観測される水位レベルは、約1mから3m半ばの値まで大きく上昇を続ける。表TBによると、時刻10:40:00に、観測装置10−3の水位レベルが欠測する。これは、水位の上昇により観測装置10−3、10−4間の通信の受信レベルが低下したことにより、観測装置10−3の水位レベルが監視装置30に到達しなかったためである。このように、河川を挟む観測装置10−3、10−4間の通信処理では、水位上昇の影響によって欠測が発生し易い。
時刻10:40:00の水位レベルの欠測により、時刻10:50:00に、観測装置10−3、観測装置10−4の送信レベルが1.0mwから4.0mWまで引き上げられる(A1)。送信レベルの引き上げにより、観測装置10−3、観測装置10−4間の通信に係る受信レベルが通信可能な受信レベルに上昇する。これにより、再び、観測装置10−3と観測装置10−4間の送受信が可能になり、観測装置10−3の水位レベルが監視装置30に送信される。
しかし、河川の水位が上昇を続けることにより、受信レベルが低下し、時刻11:20:00に再び欠測が発生する。同様にして、送信レベルが4.0mwから7.0mWまで引き上げられ(A2)、観測装置10−3と観測装置10−4間の送受信が可能となる。このように、観測装置10の送信レベルが引き上げられることにより、欠測の再発が防止されるが、継続して水位が上昇する場合、再び、受信レベルが低下し水位レベルの欠測が発生してしまう。
続いて、図4で説明した観測装置10−3の送信レベルの制御について、受信レベルの変移と対応させて説明する。
[水位上昇時における受信レベルと送信レベル]
図5は、水位上昇時における観測装置10−3の受信レベルと送信レベルの対応関係の一例を示す図である。同図は、図4の表TBにおける観測装置10−3の一部の情報を抜粋した表TB1と、表TB1に対応する受信レベルと送信レベルの対応関係を示す変移図G1を表す。
変移図G1において、横軸は時間、左の縦軸は送信レベルを、右の縦軸は受信レベルを示す。また、同図における時刻t1、t2、t3は送信レベルの変更時刻を示す。また、変移線LSは送信レベルの変移を、変移線LRは受信レベルの変移を示す。そして、値SXは送信レベルの最大値10mWを、値RXは通信が適切に行えない受信レベルを示す。なお、前述したとおり、送信レベルは初め、1mWに設定される。
変移図G1に図示していないが、表TB1に示すとおり、時刻t0から時刻t3にかけて、観測装置10−3で測定される水位は継続して上昇を続ける。時刻t0において、受信レベルは、通信が適切に行える値に維持されているが、時刻t1にかけて、水位が上昇するに連れて、観測装置10−3、観測装置10−4間の通信に係る受信レベルが低下し受信レベルRXに達する。これにより、時刻10:40:00において(図4)、観測装置10−3の水位レベルが欠測して、時刻t1において送信レベルが1mWから4mWに引き上げられる(A1)。
送信レベルの引き上げ(A1)により、時刻t1において、受信レベルが適切に通信可能なレベルに上昇する。これにより、水位レベルが監視装置30に送信される。しかし、継続して水位が上昇することにより、時刻t1から受信レベルが徐々に低下し、時刻t2の直前で、再び欠測が発生する。そこで、時刻t2において、送信レベルを4mWから7mWに引き上げられ(A2)、受信レベルが適切に接続可能なレベルに上昇する。
同様にして、継続して水位が上昇した場合、時刻t3の直前で再び欠測が発生し、時刻t3において、送信レベルを最大値である10mWに引き上げられる(A3)。そして、さらに水位が上昇し、時刻t3から受信レベルが低下した場合、既に送信レベルは最大値まで引き上げられているため、送信レベルの引き上げが行われない。このように、送信レベルが最大値に達し、送信レベルを引き上げることができない場合については、欠測が避けられない。
図4、5で説明してきたように、観測装置10の通信経路、及び、設置位置によって、水位の上昇の影響を受けて受信レベルが低下することがあり、観測装置10で測定された水位レベルの欠測が発生する。このため、河川監視システムは、河川の水位上昇を監視し事前に危険を検知するためのシステムであるにも関わらず、水位の上昇に因って水位レベルの欠測が発生し、水位の監視を適切に行うことができない。
そこで、本実施の形態例における河川監視システムにおける観測装置は、周期時間毎に、水位レベル及び無線通信に係る受信レベルを測定する測定手段と、測定した水位レベルを監視装置に送信する送信手段と、制御手段とを有する。
制御手段は、受信レベルが低下した場合であって、水位レベルが警戒水位レベルに達したとき、あるいは、周期時間毎の水位レベルに基づく水位変化速度が警戒速度に達したときに、送信レベル自動制御を開始する。送信レベル自動制御において、制御手段は、周期時間毎の水位レベル及び受信レベルに基づいて次回に測定される予測受信レベルを算出し、次回の無線通信に係る送信レベルを、予測受信レベルを通信可能な受信レベルに上昇させる予測送信レベルに設定する送信レベル自動制御を開始する。
これにより、従来は、観測装置10における送信レベルの変更は人手によって行われていたが、欠測を回避する送信レベルの自動制御が行われることにより、効率的に、欠測の発生が回避される。また、送信レベルの自動制御は、受信レベルが低下し、一過性の急激な水位上昇を測定した観測装置10について行われる。これにより、自動制御が必要な観測装置10について、自動制御が必要なタイミングから自動制御が行われるため、欠測の発生が的確に防止されると共に、消費電力が抑えられる。
続いて、本実施の形態例における送信レベルの制御の概要について説明する。
[本実施の形態例における送信レベル制御の流れ]
図6は、本実施の形態例における観測装置10−3の自動送信レベル制御の流れを説明する例図である。中継装置20−1は、観測装置10−1〜10−4の水位レベルを収集対象とするが、この図では、観測装置10−1、10−3について抜粋して表す。前述したとおり、観測装置10−1は水位の上昇によって受信レベルが低下し難く、観測装置10−3は、図4、5で示したとおり、水位の上昇によって受信レベルが低下しやすい。
本実施の形態例では、監視装置30は、受信レベルが低下した場合であって、例えば、水位レベルが警戒水位に達したときに、観測装置10に送信レベルの自動制御を開始させる。図6の例において、観測装置10−3について、例えば、水位レベルp1−3の送信後に、送信レベル自動制御が開始される(B1)。
送信レベル自動制御が開始されると、監視装置30は、測定された水位レベル及び受信レベルに基づいて、次回に測定される受信レベル(予測受信レベル)を予測し、予測受信レベルが接続可能な受信レベルに上昇するように、観測装置10−3に送信レベルを予め上昇させる(B2)。これにより、次回の観測装置10−3の通信時まで水位が継続して上昇を続けた場合でも、水位の上昇時の受信レベルの低下度合いを予め加味して送信レベルが引き上げられることにより、当該観測装置の送信処理が適切に行われる。この結果、次回の通信q2、p2−3における通信処理の失敗が防止され、欠測が防止される。
同様にして、監視装置30は、水位レベルがさらに上昇を続け、受信レベルが低下する場合、観測装置10−3に送信レベルを上昇させておく(B3)。ただし、引き上げようとする送信レベルが限界送信レベル(この例では、10mW)を超える場合、本実施の形態例における監視装置30は、送信レベルを引き上げる代わりに、水位レベル欠測警告を通知する。これにより、水位上昇が継続し、次回の水位レベルの送信処理の失敗が予測される場合、事前に欠測の通知を行うことによって、欠測前の対処を可能にする。
続いて、本実施の形態例における観測装置10及び監視装置30の構成について説明した上で、監視装置30の処理の流れについてフローチャート図に基づいて説明する。
図7は、本実施の形態例における観測装置10及び監視装置30の構成の一例を示す図である。
[観測装置10の構成]
本実施の形態例における観測装置10は、例えば、水位情報取得部11、受信レベル取得部12、水位情報データベース(以下、DB)13、受信レベルDB14を有する。水位情報取得部11は、周期時間毎に、水位レベルを測定し水位情報DB13に格納する。受信レベル取得部12も同様にして、周期時間毎に受信レベルを測定し受信レベルDB14に格納する。そして、観測装置10は、測定された水位レベル及び受信レベルを中継装置20からの送信指示に応答して、中継装置20に送信する。中継装置20は、各観測装置10から送信された水位レベル及び受信レベルを監視装置30に送信する。
[監視装置30の構成]
本実施の形態例における監視装置30は、例えば、水位上昇時受信レベル変化値取得部31、予測受信レベル取得部32、予測送信レベル取得部33、限界送信レベル判定部34、警告通知部35を有する。また、本実施の形態例における監視装置30は、水位上昇時受信レベル情報DB42、予測送信レベルDB43、送受信レベルDB41を有する。水位上昇時受信レベル情報DB42、予測送信レベルDB43は、各観測装置10における水位上昇時受信レベル変化値や予測送信レベル等が蓄積されるDBである。これに対し、送受信レベルDB41には、各観測装置10の予測受信レベルと予測送信レベルの対応関係が、予め、格納される。
水位上昇時受信レベル取得部12は、各観測装置10について、当該観測装置10から送信された前回と今回の水位レベル及び受信レベルに基づいて、継続して水位レベルが上昇した場合の次回までの受信レベル変化値、即ち、水位上昇時受信レベル変化値を算出し、水位上昇時受信レベル情報DB42に格納する。また、予測受信レベル取得部32は、各観測装置10について、水位上昇時受信レベル情報DB42に格納された水位上昇時受信レベル変化値に基づいて、次回、測定されることが予測される予測受信レベルを算出し、水位上昇時受信レベル情報DB42に格納する。
そして、予測送信レベル取得部33は、送受信レベルDB41を参照して、予測受信レベルが受信可能なレベルに上昇するような予測送信レベルを取得し、予測送信レベルDB43に格納する。限界送信レベル判定部34は、取得された予測送信レベルが、限界送信レベルを超えるか否かを判定する。そして、超える場合、警告通知部35は、次回の送信時に通信が適切に行われず、水位レベルが欠測する可能性があるとして警告を通知する。
続いて、監視装置30の処理の流れについて説明する。なお、この例では、監視装置30が送信レベル自動制御を行う例について記載されているが、送信レベル自動制御は中継装置20や観測装置10によって行われてもよい。
[監視装置30の処理の流れ]
図8は、本実施の形態例における監視装置30の処理の流れについて説明するフローチャート図である。本実施の形態例では、監視装置30は、中継装置20から、各観測装置10で周期時間毎に測定された水位レベルと受信レベルとを受信し、必要に応じて送信レベルの制御指示及び警告通知を行う。
監視装置30は、水位レベル及び受信レベルを受信し、受信レベルが低下した観測装置10について(S10のYES)、水位レベルが上昇したか否かの判定を行う(S11)。水位レベルが上昇している場合(S11のYES)、続いて、監視装置30は、水位レベルが警戒水位レベルに達したか否かを判定する(S12)。警戒水位レベルに達する場合(S12のYES)、一過性の水位の急激な上昇が発生していると判定される。そこで、水位レベルが警戒水位レベルに達した観測装置10について、送信レベル自動制御が開始される。送信レベル自動制御の工程は、工程S13〜工程S18に対応する。
なお、工程S12について、監視装置30は、水位レベルが警戒水位レベルに達したか否かの判定の代わりに、水位レベルの変化速度が警戒速度に達したか否かを判定してもよい。または、監視装置30は、両方の判定を行い、いずれかの警戒値に達した場合に、送信レベル自動制御を開始してもよい。また、送信レベル自動制御が開始された場合、例えば、各観測装置10における測定の周期時間が、10分間隔から1分間隔等に短く変更されてもよい。
[警告水位、警告速度]
具体的に、警戒水位レベルは河川水位の急激な変化を検知するための水位の閾値である。また、警戒速度も同様にして、河川水位の急激な変化を検知するための水位の変化速度の閾値である。水位の変化速度は、例えば、直近の周期時間毎の水位の変化量に基づいて、水位変化量が対応する時間によって除算されることにより算出される。本実施の形態例では、警戒水位レベル及び警戒速度は、観測装置10それぞれについて設定される。前述したとおり、河川の水位上昇時の受信レベルへの低下度合いは、観測装置10の設置位置や通信経路等によって異なる。このため、本実施の形態例において、水位レベルの上昇に対応する受信レベルの低下度合いが大きい観測装置10の警戒水位、または、警戒速度は、低下度合いの小さい観測装置10よりも低い値に設定される。
これにより、水位上昇に対する受信レベルの低下度合いが大きく、その影響を受けやすい観測装置10では、他の観測装置10よりも、より低い水位、または、より小さい水位変化速度に達したときに送信レベルの自動制御が開始される。このため、河川の水位の上昇時、受信レベルの低下度合いが大きい観測装置10であっても、早いタイミングから送信レベルが自動制御されることにより、水位レベルの欠測が防止される。
一方、水位上昇に対する受信レベルの低下度合いが低く、その影響を受けにくい観測装置10では、低下度合いの大きい観測装置10よりも、高い水位レベル、または、高い水位変化速度に達したときに、送信レベルの自動制御が開始される。このため、河川の水位の上昇時の受信レベルの低下度合いが小さい観測装置10については、送信レベル自動制御の開始が遅らせられ、その間、送信レベルの引き上げが行われないことにより消費電力が抑えられる。
[警告水位、警告速度の相違]
ここで、観測装置10による警戒水位レベル、警戒速度の相違について、図に基づいて説明する。
図9は、警告水位、警告速度の観測装置10による相違について説明する例図である。同図において、横軸は、水位レベルまたは水位変化速度を示し、縦軸は受信レベルを示す。また、変移特性C1は観測装置10−1の特性を、変移特性C3は観測装置10−3の特性を示す。
図9において、観測装置10−3の変移特性C3によると、観測装置10−1の変移特性C1に対して、水位レベル、または水位変化速度の上昇に対応して、受信レベルの低下度合いが大きい。即ち、観測装置10−3の受信レベルは、水位が上昇するに連れて、観測装置10−1よりも低下しやすい。このため、例えば、観測装置10−3の警戒水位、及び、警戒速度は、観測装置10−1の警戒水位より低い値D3に設定される。一方、観測装置10−1の警戒水位、及び、警戒速度は、高めの値D1に設定される。
つまり、観測装置10−1、10−3において、同じ水位が測定された場合であっても、観測装置10−3は送信レベル自動制御が開始されるのに対し、観測装置10−1では開始されない。これにより、観測装置10−3の送信レベルは、より早いタイミングから自動制御されるため、受信レベルの低下の度合いが大きくても受信レベルが通信可能なレベルに維持される。一方、水位上昇による受信レベルへの低下度合いが低い観測装置10−1については、受信レベルの低下の度合いが小さいことから、送信レベル自動制御は開始されない。このように、送信レベル自動制御が開始される必要のない観測装置10−1については自動制御が開始されず、消費電力が抑えられる。
このように、各観測装置の水位変化に因る受信レベルへの低下度合いによって、送信レベル自動制御が開始される警戒値(警戒水位、警戒速度)がそれぞれ設定される。これにより、送信レベルの自動制御が必要な観測装置についてのみ、当該自動制御が必要なタイミングから開始され、水位の欠測が回避されると共に、消費電力が抑えられる。
図8のフローチャート図に戻り、続いて、監視装置30の水位上昇時受信レベル変化値取得部31は、前回と今回の水位レベル及び受信レベルに基づいて、水位が上昇を続けた場合における次回の受信レベルの変化値、即ち、水位上昇時受信レベル変化値を算出する(S13)。算出された水位上昇時受信レベル変化値は、水位上昇時受信レベル情報DB42に格納される。具体的に、水位上昇時受信レベル変化値取得部31は、前回と今回の水位レベルの変化量を算出し、当該変化量に対応する受信レベルの低下度合いを、水位上昇時受信レベル変化値として算出する。
続いて、監視装置30の予測受信レベル取得部32は、水位上昇時受信レベル情報DB42に格納された水位上昇時受信レベル変化値に基づいて、次回に測定されることが予測される予測受信レベルを算出し、水位上昇時受信レベル情報DB42に格納する(S14)。具体的に、予測受信レベル取得部32は、今回測定された受信レベルと、水位上昇時受信レベル変化値とを演算することによって、予測受信レベルを算出する。
[予測受信レベル値の算出]
図10は、観測装置10における予測受信レベルの具体例について説明する図である。同図において、横軸は時間、左の縦軸は受信レベルを、右の縦軸は水位を表す。また、同図における時刻t10〜t14は、周期時間毎の時刻を示す。同図において、変移線LWは水位の変移を、変移線LRは受信レベルの変移を示す。なお、各変移線LW、LRの点線部分は予測される変移を示す。また、値RXは、適切に通信が行えない受信レベルを示し、値WXは警戒水位を示す。
図10において、変移線LWの示すとおり、時刻t10からt13にかけて水位が上昇する。水位の上昇にも関わらず、時刻t10から時刻t12にかけて、変移線LRの示すとおり、受信レベルr12は通信可能なレベルに維持される。続いて、時刻t12から時刻t13にかけて継続して水位が上昇し、受信レベルがレベルr12からレベルr13まで低下する。ただし、時刻t13において、受信レベルは、通信が適切に行えない受信レベルRXまでは低下していない。
そして、時刻t13において、測定された水位レベルが警戒水位レベルWXに達し、送信レベル自動制御が開始される。これにより、前回と今回の水位レベル、即ち、時刻t12と時刻t13の水位レベルに基づいて、水位の変移線LWの点線部分に示されるような水位の変化が予測される。続いて、水位レベルの変化予測、及び、時刻t12と時刻t13の受信レベルに基づいて、次回までの受信レベル変化値、即ち、水位上昇時受信レベル変化値rvが算出される。そして、例えば、時刻t13の受信レベルr13から算出された水位上昇時受信レベル変化値rvが減算され、時刻t14に測定されることが予測される予測受信レベルr14が算出される。このように、前回と今回の受信レベル及び水位レベルに基づいて、次回の予測受信レベルr14が算出される。なお、水位上昇時受信レベル変化値rvは、時刻t12と時刻t13の受信レベルの変化量に基づいて算出されてもよい。
図8のフローチャート図に戻り、監視装置30の予測送信レベル取得部33は、予測受信レベルr14に基づいて予測送信レベルを算出し、予測送信レベルDB43に格納する(S15)。例えば、予測送信レベル取得部33は、各観測装置10について予測受信レベルに対応する予測送信レベルが予め格納される送受信レベルDB41を参照して、予測送信レベルを取得する。予測送信レベルは、予測受信レベルを通信可能な受信レベルに引き上げる送信レベルを示す。
続いて、監視装置30の限界送信レベル判定部34は、算出された予測送信レベルが送信レベルの限界値である限界送信レベル(この例では、最大値10mW)を超えるか否かを判定する(S16)。限界送信レベルを超えない場合(S16のNO)、限界送信レベル判定部34は、対象の観測装置10に対して、算出された予測送信レベルまで送信レベルを引き上げる指示を通知する(S18)。一方、限界送信レベルを超える場合(S16のYES)、監視装置30は、欠測警告を通知する(S17)。これは、具体的に、例えば、送信レベルが既に最大値まで上昇されている場合、または、予測送信レベルが最大値より大きい値である場合等を示す。
これにより、監視者は、警告が通知された観測装置10の次回の水位レベルの送信処理が適切に行われず、水位レベルが欠測する可能性が高いことを検知することができる。このため、水位の上昇により欠測することが避けられない場合であっても、監視者は、欠測する前に欠測警告通知を受けることによって、住民に対する勧告や、作業員の現場への急行指示等の必要な対処を行うことができる。
以上のようにして、本実施の形態例における河川監視システムの観測装置は、周期時間毎に、水位レベル及び無線通信に係る受信レベルを測定する測定手段と、測定した水位レベルを監視装置に送信する送信手段と、制御手段とを有する。観測装置は、制御手段として、受信レベルが低下した場合であって、水位レベルが警戒水位レベルに達したとき、あるいは、周期時間毎の水位レベルに基づく水位変化速度が警戒速度に達したときに、送信レベル自動制御を開始する。送信レベル自動制御では、周期時間毎の水位レベル及び受信レベルに基づいて次回に測定される予測受信レベルが算出され、次回の無線通信に係る送信レベルが、予測受信レベルを通信可能な受信レベルに上昇させる予測送信レベルに設定される。
これにより、本実施の形態例における河川監視システムは、河川の一過性の急激な増水が発生したときに、次回の受信レベルが予測され、予測される受信レベルが通信可能な受信レベルに維持されるように、自動的に送信レベルが引き上げられる。これにより、監視装置における観測装置の水位レベルの欠測が効率的に防止され、適切な河川の監視が行われる。
また、本実施の形態例における河川監視システムは、受信レベルが低下し、水位レベルが警戒水位レベル、あるいは、周期時間毎の水位レベルに基づく水位変化速度が警戒速度に達したときから、当該観測装置について、送信レベルの自動制御を開始する。これにより、送信レベルの自動制御は、自動制御が必要な観測装置についてのみ、必要なタイミングから開始される。このため、的確に欠測が防止されると共に、送信レベルの自動制御を必要としない観測装置については送信レベルの引き上げが行われず、消費電力が抑えられる。
また、本実施の形態例において、警戒水位レベル、または、警戒速度は、複数の観測装置それぞれについて設定される。具体的に、水位レベルの上昇に対応する受信レベルの低下度合いが第1の観測装置(本実施の形態理恵では、観測装置10−1)より大きい第2の観測装置(本実施の形態理恵では、観測装置10−3)の警戒水位レベル、または、警戒速度は、第1の観測装置よりも低い値に設定される。
これにより、本実施の形態例の河川監視システムにおいて、水位上昇に対する受信レベルの低下度合いが大きく、その影響を受けやすい観測装置では、他の観測装置よりも、より低い水位レベル、または、より小さい水位変化速度に達したときに送信レベルの自動制御が開始される。これにより、河川の水位の上昇時、受信レベルの低下度合いが大きい観測装置であっても、水位レベルが欠測することが的確に防止される。
一方、本実施の形態例の河川監視システムにおいて、水位上昇に対する受信レベルの低下度合いが低く、その影響を受けにくい観測装置では、低下度合いの大きい観測装置よりも、高い水位レベル、または、大きい水位変化速度に達したときに、送信レベルの自動制御が開始される。これにより、河川の水位の上昇時、受信レベルの低下度合いが小さい観測装置については、送信レベル自動制御の開始が遅らせられ、消費電力が抑えられる。
つまり、各観測装置における水位上昇に対応する受信レベルの低下度合いに基づいて、送信レベル自動制御の対象とする観測装置と、当該観測装置の送信レベル自動制御の開始タイミングが判定される。これにより、河川を挟む無線通信を行う観測装置の水位レベルの欠測がより効果的に防止されると共に、観測装置の消費電力が適切に抑えられる。
また、本実施の形態例における観測装置の制御手段は、予測送信レベルが限界送信レベルを超える場合、送信レベルをあげる代わりに、水位レベル欠測警告を監視装置に通知させる。これにより、水位の上昇により欠測することが避けられない場合であっても、監視者は、欠測する前に欠測警告通知を受けることによって、住民に対する勧告や、作業員の現場への急行指示等の必要な対処を行うことができる。
なお、本実施の形態例における河川監視処理は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体にプログラムとして記憶され、当該プログラムをコンピュータが読み出して実行することによって行われてもよい。
以上の実施の形態をまとめると、次の付記のとおりである。
(付記1)
河川に沿って配置され水位レベルを測定する複数の観測装置と、前記観測装置間の河川を挟む無線通信を介して送信される前記水位レベルを監視する監視装置とを有する河川監視システムであって、
前記観測装置は、
周期時間毎に、前記水位レベル及び前記無線通信に係る受信レベルを測定する測定手段と、
前記測定した水位レベルを前記監視装置に送信する送信手段と、
前記受信レベルが低下した場合であって、前記水位レベルが警戒水位レベルに達したとき、あるいは、前記周期時間毎の水位レベルに基づく水位変化速度が警戒速度に達したときに、前記周期時間毎の水位レベル及び受信レベルに基づいて次回に測定される予測受信レベルを算出し、次回の前記無線通信に係る送信レベルを、前記予測受信レベルを通信可能な受信レベルに上昇させる予測送信レベルに設定する送信レベル自動制御を開始する制御手段と、を有する河川監視システム。
(付記2)
付記1において、
前記警戒水位レベル、または、前記警戒速度は、前記複数の観測装置それぞれについて設定され、
前記水位レベルの上昇に対応する前記受信レベルの低下度合いが第1の観測装置より大きい第2の観測装置の前記警戒水位レベル、または、前記警戒速度は、前記第1の観測装置よりも低い値に設定される河川監視システム。
(付記3)
付記1または2において、
前記制御手段は、前記送信レベル自動制御において、
前記予測送信レベルが限界送信レベルを超える場合、前記送信レベルをあげる代わりに、水位レベル欠測警告を前記監視装置に通知させる河川監視システム。
(付記4)
河川近辺に配置され水位レベルを測定する複数の観測装置から、前記観測装置間の河川を挟む無線通信を介して送信される前記水位レベルを監視する河川監視処理をコンピュータに実行させるコンピュータ読み取り可能な河川監視プログラムであって、
前記河川監視処理は、
前記観測装置から、当該観測装置において周期時間毎に測定される前記水位レベル及び前記無線通信に係る受信レベルとを受信する受信工程と、
前記受信レベルが低下した場合であって、前記水位レベルが警戒水位レベルに達したとき、あるいは、前記周期時間毎の水位レベルに基づく水位変化速度が警戒速度に達したときに、前記周期時間毎の水位レベル及び受信レベルに基づいて次回に測定される予測受信レベルを算出し、前記観測装置の無線通信に係る送信レベルを、前記予測受信レベルを通信可能な受信レベルに上昇させる予測送信レベルに設定させる送信レベル自動制御を開始する制御工程と、を有する河川監視プログラム。
(付記5)
河川近辺に配置され水位レベルを測定する複数の観測装置から、前記観測装置間の河川を挟む無線通信を介して送信される前記水位レベルを監視する河川監視方法であって、
前記観測装置から、当該観測装置において周期時間毎に測定される前記水位レベル及び前記無線通信に係る受信レベルとを受信する受信工程と、
前記受信レベルが低下した場合であって、前記水位レベルが警戒水位レベルに達したとき、あるいは、前記周期時間毎の水位レベルに基づく水位変化速度が警戒速度に達したときに、前記周期時間毎の水位レベル及び受信レベルに基づいて次回に測定される予測受信レベルを算出し、前記観測装置の無線通信に係る送信レベルを、前記予測受信レベルを通信可能な受信レベルに上昇させる予測送信レベルに設定させる送信レベル自動制御を開始する制御工程と、を有する河川監視方法。
10−1〜10−6:観測装置、20−1、20−2:中継装置、30:監視装置、100:河川

Claims (5)

  1. 河川に沿って配置され水位レベルを測定する複数の観測装置と、前記観測装置間の河川を挟む無線通信を介して送信される前記水位レベルを監視する監視装置とを有する河川監視システムであって、
    前記観測装置は、
    周期時間毎に、前記水位レベル及び前記無線通信に係る受信レベルを測定する測定手段と、
    前記測定した水位レベルを前記監視装置に送信する送信手段と、
    前記受信レベルが低下した場合であって、前記水位レベルが警戒水位レベルに達したとき、あるいは、前記周期時間毎の水位レベルに基づく水位変化速度が警戒速度に達したときに、前記周期時間毎の水位レベル及び受信レベルに基づいて次回に測定される予測受信レベルを算出し、次回の前記無線通信に係る送信レベルを、前記予測受信レベルを通信可能な受信レベルに上昇させる予測送信レベルに設定する送信レベル自動制御を開始する制御手段と、を有する河川監視システム。
  2. 請求項1において、
    前記警戒水位レベル、または、前記警戒速度は、前記複数の観測装置それぞれについて設定され、
    前記水位レベルの上昇に対応する前記受信レベルの低下度合いが第1の観測装置より大きい第2の観測装置の前記警戒水位レベルまたは前記警戒速度は、前記第1の観測装置の前記警戒水位レベルまたは前記警戒速度よりも低い値に設定される河川監視システム。
  3. 請求項1または2において、
    前記制御手段は、前記送信レベル自動制御において、
    前記予測送信レベルが限界送信レベルを超える場合、前記送信レベルをあげる代わりに、水位レベル欠測警告を前記監視装置に通知させる河川監視システム。
  4. 河川近辺に配置され水位レベルを測定する複数の観測装置から、前記観測装置間の河川を挟む無線通信を介して送信される前記水位レベルを監視する河川監視処理をコンピュータに実行させるコンピュータ読み取り可能な河川監視プログラムであって、
    前記河川監視処理は、
    前記観測装置から、当該観測装置において周期時間毎に測定される前記水位レベル及び前記無線通信に係る受信レベルとを受信する受信工程と、
    前記受信レベルが低下した場合であって、前記水位レベルが警戒水位レベルに達したとき、あるいは、前記周期時間毎の水位レベルに基づく水位変化速度が警戒速度に達したときに、前記周期時間毎の水位レベル及び受信レベルに基づいて次回に測定される予測受信レベルを算出し、前記観測装置の無線通信に係る送信レベルを、前記予測受信レベルを通信可能な受信レベルに上昇させる予測送信レベルに設定させる送信レベル自動制御を開始する制御工程と、を有する河川監視プログラム。
  5. 河川近辺に配置され水位レベルを測定する複数の観測装置から、前記観測装置間の河川を挟む無線通信を介して送信される前記水位レベルを監視する河川監視方法であって、
    前記観測装置から、当該観測装置において周期時間毎に測定される前記水位レベル及び前記無線通信に係る受信レベルとを受信する受信工程と、
    前記受信レベルが低下した場合であって、前記水位レベルが警戒水位レベルに達したとき、あるいは、前記周期時間毎の水位レベルに基づく水位変化速度が警戒速度に達したときに、前記周期時間毎の水位レベル及び受信レベルに基づいて次回に測定される予測受信レベルを算出し、前記観測装置の無線通信に係る送信レベルを、前記予測受信レベルを通信可能な受信レベルに上昇させる予測送信レベルに設定させる送信レベル自動制御を開始
    する制御工程と、を有する河川監視方法。
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