JP5886630B2 - 重度で抑制されていないぜんそくの治療方法、装置、および組成物 - Google Patents

重度で抑制されていないぜんそくの治療方法、装置、および組成物 Download PDF

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Description

本発明は、重度で抑制不可能なぜんそくの治療方法、装置、および組成物に関する。本発明により、口腔コルチコステロイドの同時投与なしに、または口腔コルチコステロイドの同時投与などの必要量を大いに引き下げ、高用量の適切な吸入可能コルチコステロイドを下肺の小気道および中枢気道に送達させることができる。この方法により、エアロゾル化された吸入可能コルチコステロイドの、気管支、細気管支、中央肺および下肺末梢部肺胞への送達が著しく増加し、口腔咽頭領域、上肺の気管支および気管内の口腔コルチコステロイドの蓄積が減少する。それにより、高用量の吸入可能コルチコステロイドの送達に伴う望ましくない副作用(口腔咽頭領域に関するものなど)が著しく減少、または完全になくなる。この方法は、重度で抑制不可能なぜんそくが原因で、呼吸パターン障害を有するぜんそく患者の治療パラメーターを個人化する装置を利用する。
ぜんそくは、世界中の慢性的疾病および死亡の主な要因であり、最も一般的な慢性病の一つで、推定30億人もの患者がこの症状に悩まされている。
ぜんそくに罹患している患者は、口腔治療、全身治療、または吸入治療によって容易に抑制される軽度のぜんそくか、または、抑制および治療が困難な、重度のぜんそくのいずれか一方を患っている。重度のぜんそくは、増大した気管支過敏性と、慢性的に重度で抑制不可能なぜんそくの症状、もしくは、ほとんど抑制の効かないぜんそくの症状のどちらかと結びついている。
ぜんそくを抑制するため、多くの試みがなされてきたが、それらは重度で抑制不可能なぜんそくの発作に苦しむ患者を抑制し、治療することに特に重点を置いたものである。しかしながら、環境要因に対する過敏性の程度が個人によって異なるため、ぜんそくは各患者にそれぞれ異なる影響を及ぼす。この患者個人の独自性は、多種多様の薬剤および治療の種類、処方量、投与経路に影響を及ぼす。
ぜんそく管理に関する国際指針(Global Initiative for Asthma、GINA)は、ぜんそくの重症度を決定するために確立されてきた。重度で抑制不可能なぜんそくは、GINAによれば、第4段階および第5段階に分類され、一般的に、吸入コルチコステロイドとの併用で、口腔コルチコステロイドの投与を要求される。第4段階において望ましい治療は、媒質を、長時間作用型β作動薬とともに、高用量の吸入可能コルチコステロイドに結合させることである。第5段階においては、上記の薬剤は、さらに口腔投与糖質コルチコステロイドで補完される。どちらの治療も深刻な副作用を引き起こす、またはそれに付随することで知られ、これらの副作用は高用量の吸入コルチコステロイドの長期利用によって悪化することがある。
上記ですでに述べたように、重度で抑制不可能なぜんそくを効果的に治療するための試みはたくさんなされてきた。これらの試みは、新しく、より効果の高い薬剤、例えば、より効果の高いコルチコステロイドフルチカゾンや肺薬剤の送達に影響を及ぼす新しいネブライジング技術の発達を含む。
Eur.J.Clin.Pharmacol,57:637−41(2001年発表)は、健康なボランティアを対象に、フルチカゾンプロピオン酸の吸入による送達という観点から、大容量のスペーサーとフルチカゾンネブライザー(FP−neb)を比較する研究について述べている。大容量(750ml)のスペーサーは、ネブライザーよりおよそ7倍高い関連肺量を生みだすことが示されている。この参照文献はエアロゾル送達の効果が当該送達に用いられる装置によるものであることを示している。
Respir.Med.,93(10):689−99(1999年発表)は、高用量(4000μg/日/1日につき2回)の吸入フルチカゾンプロピオン酸の口腔ステロイド節約効果について述べている。口腔投与プレドニゾンは、1日につき、フルチカゾンプロピオン酸を1000μg受けたグループよりも、4000μg受けたグループの方が著しく減少した。しかしながら、本技術を用いた結果、全患者のうち、高い割合(37%)の患者が4000μgの治療を中断してしまったことは注目すべき点である。おそらくこれは、深刻な副作用の高確率発症と言う理由からであると推察される。
J.Allergy Clin.Immunol.,103:267−75(1999年発表)は、口腔コルチコステロイド節約効果と、1日につき2回、500μg〜1000μgのフルチカゾンプロピオン酸を受けた重度の慢性ぜんそくを持つ患者の肺機能の改善について述べている。この治療によって、口腔プレドニゾンの必要量が皆完全になくなった一方で、本治療の間、吸入コルチコステロイドに付随する局所的副作用が認められた。
Br.J.Clin.Pract.,48:15−8(1994年発表)では、ぜんそくを持つ子どもに対するフルチカゾンプロピオン酸の長期安全が評価された。1日につき2回、ドライパウダー吸入器により、50μg〜100μgという低用量の投与を受けた患者ですら、患者の51%の副作用が報告された。
Cochrane Database Syst.Rev.,2:CD002310(2004年発表)は、慢性ぜんそくの治療のためのフルチカゾンプロピオン酸について調査し、その影響を、ベクロメタゾンおよびブデゾニドの影響と比較したものである。本研究によると、フルチカゾンプロピオン酸は、ベクロメタゾンまたはブデゾニドの1日処方量の半分を与えると、1秒量(forced expiratory volume in the first second、FEV1)の向上という結果をもたらした。不運にも、上肺におけるフルチカゾンの大量蓄積によって、咽頭炎およびその他の副作用のリスクがより高くなった。
Cochrane Database Syst.Rev.,3:CD003534(2005年発表)は、異なる処方量による吸入フルチカゾンの利用について述べるものである。フルチカゾンプロピオン酸を1日に2000μg受けていた患者は、1日につき1500μgまたは1000μg受けていた患者よりも、口腔プレドニゾロンの必要量をより減少させる傾向があった一方で、2000μgという高用量を投与されたことで、嗄声および口腔カンジダ症の発症が著しく増大した。
Respiratory Medicine,94:1206−1214(2000年発表)は、口腔投与プレドニゾロンと比較して、噴霧フルチカゾンプロピオン酸の効果および安全性を調査したものである。噴霧フルチカゾンは、急性悪化ぜんそくを持つ子どもの治療において、少なくとも口腔プレドニゾンと同程度、効果的であった。
Cochrane Database Syst.Rev.,4:CD004109.pub2(2008年発表)は、低用量から中用量の場合と比べて、初回の高用量の吸入コルチコステロイドの効果を評価したものである。著者は、治療は高用量の吸入コルチコステロイドよりもむしろ、中用量のものから始めるべきであると結論付けている。
Annals Allergy,Asthma and Immunology,92:512:522(2004年発表)は、重度のぜんそくを持つ患者の毎日の口腔コルチコステロイド必要量を下げるために用いられた場合の吸入コルチコステロイドの効果および安全性を精査するものである。著者は、吸入可能コルチコステロイドは、持続性があり、悪化したぜんそくを持つ患者の口腔投与コルチコステロイドの必要量を下げることが可能であると結論付けている。しかしながら、増加する副作用という課題はいまだ解決されていない。
Respiratory Medicine,93:689−699(1999年発表)は、重度の慢性ぜんそくを持つ患者の噴霧フルチカゾンプロピオン酸の2回用量のステロイド節約効果について調査したものである。1日の用量が1mg〜4mgの間であれば、噴霧フルチカゾンは慢性口腔依存ぜんそくを持つ患者の口腔ステロイドの必要量を下げるのに安全で効果的な方法である。
上記で議論された開示は、重度で抑制不可能なぜんそくを患っている患者への口腔投与ステロイドの必要量は、高用量の吸入可能コルチコステロイドの適切投与によって減少させる可能性がある。しかしながら、そういった高用量の吸入可能コルチコステロイドが投与されると、深刻な副作用が生じ、重度で抑制不可能なぜんそくを患っている患者の有効な治療が妨げられる。
それゆえ、重度で抑制不可能なぜんそくに有効な治療を提供する方法、装置、組成物のすべて、もしくはいずれか一つを利用可能とすることは効果があるといえ、その一方で、高用量の吸入可能コルチコステロイドは、気管および口腔咽頭領域におけるコルチコステロイドの少量蓄積に付随して、ぜんそくの炎症の部位、すなわち、下肺肺胞および細気管支で蓄積され、その間、口腔投与ステロイドは完全になくなるか、または少なくともこれら薬剤の口腔投与は著しく減少することとなる。
それゆえ、本発明の目的は、重度で抑制されていないぜんそくの治療のために十分な高用量のコルチコステロイドを効率的に送達するための手段を提供することによって、重度で抑制不可能なぜんそくに対する効果的な治療方法、装置、組成物のすべて、またはいずれか一つを提供することにあるが、その間、コルチコステロイドの口腔送達は完全になくなるか、または減少され、上記治療が、上記の薬剤を口腔もしくは咽頭腔に蓄積させることなく、またはその他の望ましくない副作用を引き起こすことなく、ぜんそく患者の下肺末梢部の肺胞および気管支まで選択的に、より高用量のコルチコステロイドを送達することができる。
本発明のさらなる目的は、吸入可能糖質コルチコイド組成物を効果的に下肺に送達することを可能にし、その一方で、呼吸器系のその他の部位における蓄積を最小限に抑えることのできる装置を提供することである。
本発明のさらなる目的は、装置と吸入可能糖質コルチコイド組成物の組み合わせを提供することであるが、その組み合わせは糖質コルチコイドの効果的な下肺への送達を可能にし、呼吸器系のその他の部位における蓄積を最小限に抑える。
本発明のさらなる目的は、明細書および特許請求項に基づき、明らかとなる。
本発明の第1の態様は、重度で抑制されていないぜんそくを患う患者の治療に用いられる吸入可能糖質コルチコイド組成物、および、当組成物を噴霧エアロゾルとして投与する吸入装置を提供することである。本装置は、患者の吸気時に、多くて毎秒約20リットルというペースで、噴霧エアロゾルを放出するのに適切である。さらに、各吸気時に、総量で、少なくとも0.4リットル、好ましくは0.4〜2リットルの気相を放出するのに適切だが、上記の気相とは、噴霧エアロゾルおよび随意的無エアロゾル空気を含む。本装置はさらに、噴霧エアロゾルを放出する前に、各吸気時に、多くとも約150mlの無エアロゾル空気を放出する。請求項1に照らせば、本発明は、さらに、本治療が糖質コルチコイドの口腔投与を含むとものとしており、その1日量は、高くとも約40mgのプレドニゾロン、または、それと同等量である。その同等量とは、口腔糖質コルチコイド治療を併用しないなど、0ミリグラムを含むと理解されている。
本発明のさらなる態様は、吸入コルチコステロイド送達の効果を増加させる方法を提供することによって、重度で抑制されていないぜんそくを治療する方法であるが、患者の下肺の肺胞および細気管支に高用量の吸入コルチコステロイドを選択的に送達することにより、当コルチコステロイドの口腔、咽頭、および上肺への偶発的送達による副作用および二次的症状を引き起こすことなく、ぜんそくを治療することができる。
本発明のまた別の態様は、吸入可能コルチコステロイド送達の効果を増加させることによって、重度で抑制不可能なぜんそくを治療する方法である。吸入可能コルチコステロイドを、重度で抑制不可能なぜんそくで苦しむ患者の下肺に、より多い割合の投薬量で選択的に送達することによって、口腔併用投与コルチコステロイド、もしくは全身併用投与コルチコステロイドの必要量をゼロにする、または著しく減少させる。
本発明のまた別の態様は、口腔送達コルチコステロイドをゼロにするか、またはその容量を少なくとも30%減少させて、重度で抑制不可能なぜんそくを治療する方法であるが、それは、主に約2〜6μmの粒子サイズを有するエアロゾルとして送達される高用量のコルチコステロイドを用いて、重度で抑制不可能なぜんそくを治療する方法を提供することによって、または、患者への送達の間に適用するネブライジングシステムを用いる噴霧によって達成される。超過気圧は、6〜10分以内での上記送達を可能にし、さらに、その結果、下肺のコルチコステロイドを選択的に送達し、同等に配分する。その間、上記ネブライジングシステムは抑制された気流、および既定量を決められた量を備える。
本発明のまた別の態様は、噴霧フルチカゾン、ブデゾニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデゾニド、モメタゾンフランカルボン酸エステル、シクレソニド、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニドを利用して、重度で抑制不可能なぜんそくを治療する方法である。その間、全身的副作用、および、胸腔外もしくは口腔咽頭の局所的副作用が増加することなく、臨床効果が出た。
本発明のまた別の態様は、ネブライザーを経由して肺に投与される代表コルチコステロイドとして噴霧フルチカゾンを吸入することにより、重度で抑制されていないぜんそくを治療する方法である。ネブライザー内のフルチカゾン濃度が200μg/ml以上、好ましくは0.5〜2mg/mlで、かつ、フルチカゾンの総充填量が約4000μgを超えない状態で、ネブライジングシステムを用いるが、このネブライジングシステムは、吸気時、超過気圧を適用し、それゆえ、約6〜10分以内で、下肺に上記コルチコステロイドを200μg以上、確実に、選択的に蓄積させるものである。
本発明のまた別の態様は、患者の呼気時に、超過気圧とコントロールされた気流を提供することのできる装置を含むネブライジングシステムであり、ネブライザーのマウスピースの圧力を陽圧0〜40mbarにして、患者の呼吸努力を減らす。
本発明のまた別の態様は、噴霧療法プロトコルを提供することにより、重度で抑制不可能なぜんそくを治療する方法である。初回は、患者は1回の吸気時間につき、0.5秒未満というあらかじめ決められた時間内に、毎分20リットル以下という呼気流速で、150ml以下の量の無粒子空気を投与される。2回目は、吸入可能コルチコステロイドを含むエアロゾルを、約1〜10秒というあらかじめ決められた時間内に、約200〜3000ml、好ましくは、吸気開始後0.2秒未満以内に投与される。3回目は、約100〜500mlの無粒子空気を投与される。その間、上記プロトコルにより、胸腔外気道および気管気道からの上記吸入可能コルチコイドはより選択的に下肺気道に蓄積することとなる。
本発明のまた別の態様は、主に約2〜6μg、好ましくは約3〜5μgのサイズを有するエアロゾル内の噴霧コルチコステロイドを吸入することにより、重度で抑制不可能なぜんそくを治療する方法である。
本発明のまた別の態様は、1日に1回、患者の下肺に、選択的により多量のコルチコステロイドを送達することで、重度で抑制不可能なぜんそくを治療する方法であるが、それによって、口腔的もしくは全身的併用投与コルチコステロイドの必要量をゼロにする、または著しく減少させる方法を提供し、その間、1秒量をロスすることなく、かつ、副作用を減少させながら、ぜんそくが改善される。
本発明のまた別の態様は、治療の個別化のための噴霧システムを提供することによって、重度で抑制不可能なぜんそくを治療する方法であるが、その間、上記噴霧システムは、あらかじめプログラム可能な薬剤送達量、気流送達、超過気圧を含み、さらには、服薬順守モニタリングシステムをも含み得る。服薬順守モニタリングシステムとは、患者および医師がコルチコステロイド送達の頻度、保存媒体となる手段、スマートカード、治療期間中もしくは治療期間後に、治療評価およびコルチコステロイド投与の頻度を決定することのできるチップまたはワイヤレス通信接続などの方法を確認、コントロールできるシステムを指す。
(定義)
「糖質コルチコイド」とは、口腔治療と吸入可能治療の両方、またはいずれか一方に有用な、薬学的受容可能な糖質コルチコイド化合物を意味する。ここで用いられるように、そういった化合物は「ステロイド」または「コルチコステロイド」と呼ばれることもある。
「吸入可能コルチコステロイド」とは、吸入による送達に適切なコルチコステロイドを意味する。例示吸入可能コルチコステロイドは、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ブデゾニド、モメタゾン、シクレソニド、フルニソリド、トリアムシノロン、または、現在利用可能、もしくは将来利用可能となるその他のコルチコステロイドである。糖質コルチコイドという名称は、薬学的に有用な塩、溶媒和物、および物理的形状を含むものとして理解されるべきである。例えば、「フルチカゾン」は、プロピオン酸フルチカゾンおよびフルチカゾンフロ酸エステルを含むと理解されている。その他の塩は、プロピオン酸ベクロメタゾン、モメタゾンフランカルボン酸エステル、トリアムシノロナセトニドを含む。
「口腔ステロイド」とは、ぜんそくの口腔治療または全身治療に適切なすべてのコルチコステロイドを意味する。代表的なステロイドは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾン、デキサメタゾン、またはハイドロコルチゾンであり、それらは薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、および物理的形状を含む。
「下肺」、「小肺」、「肺末梢部」とは主に、気管支、肺胞、および細気管支を含む肺の部位、ぜんそくの炎症原発部位、および狭窄ならびに収縮の原発部位を意味する。この部位における吸入可能コルチコステロイドの多量かつ選択的な蓄積は非常に望ましく、重度で抑制不可能なぜんそくの効果的な治療に貢献する。
「上肺」、「中央肺」、「大肺」とは、肺の上部を意味し、主に、気管支、気管を含む。この部位における吸入可能コルチコステロイドの多量蓄積は望ましくなく、副作用を引き起こす。
「口腔咽頭領域」または「胸腔外部位」とは、口腔、咽喉、鼻腔、のど、咽頭を意味する。これらの部位における吸入可能コルチコステロイドの蓄積は少量であっても望ましくなく、嗄声、失声、咽頭炎、およびカンジダ症といった深刻な副作用の悪化をもたらす。主に、吸入コルチコステロイドの呼気間に、この部位における蓄積がゼロか、または非常に少ないという状態が望ましい。
「1回の呼吸」とは、吸気および呼気を含む通常の呼吸パターンの間の、人が息を吸い、吐く期間周期を意味する。
「吸気時間」、「吸気段階」、「吸入段階」は、人が息を吸うときの1回の呼吸の一部分を意味する。
「呼気時間」とは、人が、空気、一酸化窒素、その他の代謝産物を肺から吐き出すときの1回の呼吸の一部を意味する。
「ボーラス技術」とは、コルチコステロイドエアロゾルの肺の既定部位への運搬を意味する。
「FEV1(1秒量)」とは1秒間努力呼気容量を意味する。
「VC」とは肺活量を意味する。
「ERV」とは予備呼気量を意味する。
「無粒子大気」、「無エアロゾル大気」とは、いかなる噴霧エアロゾル、いかなる薬剤も含まない空気を意味する。それらの無エアロゾル大気はエアロゾル化された薬剤の前後の両方、もしくはいずれか一方に送達されることがある。
「超過気圧吸入」とは、能動的に提供された空気を伴う吸入を意味するが、その空気とは既定時間で、望ましい気流に既定されたものである。吸入時、患者は吸入流速を調整する。患者がより受動的に息を吸う場合、吸入時、呼気努力を減らすため、最高40mbarまでの超過気圧が適用される。結果的に、患者は、自発的な吸入の場合と比べると、より緩やかな呼気流速で、より深い吸入量を吸入することができる。
「重度で抑制されないぜんそく」、「重度で抑制不可能なぜんそく」とは、本発明に従い、治療開始前および治療開始時の両方、もしくはいずれか一方において、ぜんそくに関する国際管理指針(GINA)(Pocket Guide for Asthma Management and Prevention〔GINAにより2009年に更新〕などを参照)によって分類される通り、重度、抑制されていない、ほとんど抑制されていないぜんそくのすべて、もしくはいずれか一つのぜんそくを意味する。本発明の実施は、当疾病の重症度を下げ、症状のコントロールを実現するので、「重度の」、「抑制されていない」、「抑制不可能な」という用語を、ここで主張されている治療をすでに受けている患者の病状に適用しないことは重要である。
「噴霧エアロゾル」とは、エアロゾル化された液体を意味する。当該液体はしばしば空気である気相で分散される。分散された液滴は、吸入治療に適切な粒度分布を有する。
(発明の詳細)
請求項1に記載の発明は、重度で抑制されていないぜんそくを患う患者の治療に用いられる吸入可能糖質コルチコイド組成物、および当該組成物を噴霧エアロゾルとして投与する吸入装置を備える。本装置は、毎分最高20リットルまでのペースで、患者の吸入段階の間、噴霧エアロゾルを放出するのにふさわしい。さらに、吸入時につき、噴霧エアロゾルおよび随意の無エアロゾル空気を含む上記気相を、少なくとも0.4リットル、好ましくは、約0.4〜2リットルを総量で放出するのにふさわしい。それは、さらに、吸入時につき、噴霧エアロゾルを放出する前に、無エアロゾル空気を多くとも約150ml放出するのにふさわしい。請求項1によれば、本発明はさらに、糖質コルチコイドの口腔投与を含むとし、その1日量は、好ましくは、多くとも約40mgのプレドニゾロン、または、ここで理解されているものと同質の、0mgを含むもの、たとえば口腔糖質コルチコイド併用療法なしというものである。
吸入可能糖質コルチコイド組成物は、噴霧エアロゾルとして送達されるのに適切な液剤という形態で、薬学的に受容可能な糖質コルチコイドを含む。発明の目的にふさわしい組成物はいくつか知られており、治療に利用可能である。これらの組成物は、典型的には水溶液、または懸濁液であり、プロピオン酸フルチカゾン、ブデゾニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、シクレソニド、フルニソリド、モメタゾンフランカルボン酸エステル、またはトリアムシノロンアセトニドといった糖質コルチコイド化合物を含む。組成物の濃度は活性成分による。適切な濃度の例は、プロピオン酸フルチカゾンの場合、0.25mg/mlまたは1mg/ml、ジプロピオン酸ベクロメタゾンの場合、0.4mg/ml、ブデゾニドの場合、0.25mg/mlまたは0.5mg/mlである。しかしながら、当濃度よりも濃いまたは薄いものも有効である可能性がある。
吸入装置に充填するための糖質コルチコイドの処方量は、通常約400〜4000μgの範囲内でなければならない。しかしながら、疾患の重症度によって、患者の状態、糖質コルチコイドの選択、処方量は当該範囲から多くなったり少なくなったりする。処方量は、1日の投薬回数を考慮に入れ、「中1日用量」または「高1日用量」として当該範囲内で選択される。
発明によれば、吸入可能組成物および吸入装置は、主張されている治療が行われる前に、重度で抑制されていないぜんそくを患っている患者の治療のために使われるものであるとされている。これらの患者のため、こく口腔投与糖質コルチコイドとの併用療法が典型的に示されていた。この文脈において、併用療法とは、当該治療の試行期間中の少なくとも数日間、口腔糖質コルチコイド組成物を投与することを意味する。誤解のないように言えば、併用療法は、吸入可能組成物が投与される場合、同時に口腔補助薬剤(Comedication)も投与されることを要求するものではない。
口腔投与糖質コルチコイドは、もしあれば、たとえば、ハイドロコルチゾン、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロンから選ばれる。この糖質コルチコイドは、1日に1回、もしくは1日につき数回に分けて投与される。口腔投与コルチコイドの1日用量は、低いか、少ない。本発明によれば、処方量は多くともプレドニゾロン約40mg、またはその他の糖質コルチコイドを同量、処方する。誤解のないように言えば、処方量は、本発明によれば、治療期間開始前、および治療期間開始時にはしばしば多くなることがある。しかしながら、請求項1で定義されたように、治療期間中は、口腔投与糖質コルチコイドの処方量は、1日に多くともプレドニゾロンを約40mg、またはその他の糖質コルチコイドを同量にまで減少させる。1日用量は多くともプレドニゾロンを約30mg、約25mg、約20mg、約0〜20mg、またはその他の糖質コルチコイドを用いる場合も、同範囲量が好ましい。
他の実施形態では、この糖質コルチコイドは、当治療の試行期間中、少なくとも約20%、より好ましくは、少なくとも約30%約減少した。他の実施形態では、治療期間中徐々に、もしくは患者が従来の治療方法から本発明の治療方法に切り替えてすぐに、処方量がゼロまで減少した。口腔糖質コルチコイドの減少という大きな利点は、系統的糖質コルチコイドに付随する副作用の実質的な減少であり、例えば、免疫抑制、高血糖、皮膚脆弱性の悪化、腸管でのカルシウム吸収減少、骨粗鬆症、骨密度低下を原因とする負のカルシウム平衡、内蔵脂肪および体幹脂肪の沈着を原因とする体重増加、副腎不全、タンパク質分解などが挙げられる。
他の口腔投与糖質コルチコイドの同程度の量は、Knoben JE,Anderson PO.,Handbook of Clinical Drug Data, 6th ed.などに基づき、容易に計算することができる。このソースによれば、他のハンドブックと同様、糖質コルチコイドの効果につき、以下の量の糖質コルチコイドが、正確に同質である。すなわち、コルチゾン100mg、ハイドロコルチゾン80mg、プレドニゾン20mg、プレドニゾロン20mg、メチルプレドニゾロン16mg、デキサメタゾン2mgである。
吸入装置は、マウスピースを経由して、患者に噴霧エアロゾルを低い流量〔もしくは出力流量〕で放出、または送達する。そのような低い吸入流路は、上気道に蓄積されたエアロゾル液滴の割合を減らす場合に有利となり、その結果、肺の深い部分まで実際に送達するエアロゾルの割合を増やす。本発明によると、流量は、多くとも毎分約20リットルに制限されている。より好ましい流量は、多くとも毎秒300ml、毎秒250ml、または毎秒200mlである。これは、患者が毎秒500ml以上の吸入流速で噴霧エアロゾルを吸入する従来の呼吸パターンと対照をなすものである。好ましくは、当装置は吸入段階においてのみ、エアロゾルを放出する。
吸入装置は吸入段階で無エアロゾル空気を放出するのにふさわしい。このくうきは噴霧エアロゾルの前後の両方、もしくはどちらか一方に放出される。しかしながら、本発明によると、エアロゾルが送達される前に放出される無エアロゾル空気の量は、比較的低く維持されなければならない。約150mlより高くなってはいけない。この規制の有益な効果は、吸入段階初期に送達された薬用エアロゾルが肺の深い部分に届く確率がより高いという点である。
本発明により適用された吸入装置によって放出された気相の総量は、通常、自発的に患者が空気を吸う場合の量よりもかなり高い。総量は少なくとも約0.4リットルで、約0.4〜約2リットルの間、特に、約0.4〜約1.4リットルの間が好ましい。肺活量が非常に多い患者には、より高い気相総量も利用可能である。
放出された気相の総量が、本発明の治療を開始する前、もしくは開始時に決定された患者の肺機能パラメーターに基づき、患者個人ごとに選択されたものが好ましい。例えば、選択された総量は患者の深呼気量(IC)に基づく。好ましい実施形態では、総量は、少なくとも患者の深呼気量の約40%である。より好ましいのは、患者の深呼気量の約40%〜約110%の範囲内であり、特に、深呼気量が少なくとも約1.2リットル以上ある患者は、その約40%〜約70%、深呼気量が1.2リットル未満の患者は、その約50%〜110%が好ましい。深呼気量が約0.6リットル未満の患者に対して、好ましい総量は、少なくとも深呼気量の約65%、約70%から110%である。
患者の性差、年齢、身長の標準値を用いて、1秒量及び予測1秒量値偏差に基づいて吸入段階の放出気相の総量を選択する場合もある。予測1秒量と比較して、実際の1秒量が小さければ小さいほど、ぜんそくの重症度は深刻なものとなる。例えば、予測1秒量の少なくとも約80%である1秒量を示す患者には、放出気相の総量は実際の1秒量の約45%〜約75%、特に約50%〜約70%が好ましい。他方、実際の1秒量値が予測1秒量の約50%〜約80%の患者には、放出気相の総量は実際の1秒量の約50〜約90%の間、特に約55%〜約85%の間で選択されるのが好ましい。患者の実際の1秒量値が、予測1秒量の約30〜約50%の間である場合、放出気相の総量は、実際の1秒量値の約65〜約110%の間、特に、約70%〜約105%の間で選択されるのが好ましい。患者が重症で、その1秒量が予測1秒量値の約30%未満の場合、放出気相ガスの総量は、実際の1秒量の約75〜約170%、特に、約80%〜約160%、又は約120〜160%の間で選択されるのが好ましい。
上記で述べたように、吸入装置は噴霧エアロゾルだけでなく、無エアロゾル空気も放出するように構成されている。ある実施形態では、吸入段階は次の3つの連続段階に分けることができる。すなわち、吸入装置が少量の無エアロゾル空気を放出する第1段階、当装置が噴霧エアロゾルを送達する第2段階、そして再び無エアロゾル空気が放出される第3段階である。例えば、この第3段階で放出される無エアロゾル空気量は、200〜500mlの範囲である。
当装置により送達される噴霧エアロゾルそのものの量は、特定の糖質コルチコイド、組成物の濃度、そして患者を考慮に入れて選択されている。好ましい実施形態のうちの1つでは、この量は約200〜約3000mlの間である。
吸入装置はさらに、上気道と口腔咽頭における薬剤の高損失を防ぐために、下肺における均一な蓄積に最適な粒度分布を有するエアロゾルを送達するのにふさわしい。それゆえ、本発明は、肺胞及び細気管支のサイズに実質的に相当するエアロゾル化された粒子のサイズを有するエアロゾルを提供する。肺胞及び細気管支を標的とするのに適切な粒子サイズは2〜6μmの間である。それより大きい粒子は選択的に上気道、口ならびに喉、すなわち口腔咽頭領域の気管支及び気管に蓄積される。従って、吸入装置は、約2〜約6μm、好ましくは約3〜約5μmの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有するエアロゾルを作り出すのにふさわしい。さらに別の実施形態では、粒度分布は狭く、その幾何標準偏差は約2.5μm未満である。
さらに別の好ましい実施形態では、本装置は、患者の吸入段階の間、最高約40mbarの超過気圧で噴霧エアロゾルを放出することにふさわしい。さらに、エアロゾルの超過気圧(又は陽圧)が維持されている方法で、患者が吸入するのが好ましい。超過気圧は少なくとも約1mbarが好ましい。さらなる実施形態では、超過気圧は、それぞれ少なくとも約2mbar、約3mbar、そして5mbarである。そのような超過気圧は、典型的に、噴霧装置に付属のコンプレッサー又はポンプ装置によって作り出されるが、そのような装置はタイマーが付随されており、超過気圧時間が、コルチコステロイドが送達される吸気時間の一部分に厳密に限定されている。また別の実施形態では、超過気圧は患者の吸気時間呼吸によって開始される。患者が超過気圧で吸入する場合、患者の呼吸努力は減少される。結果的に重度のぜんそくを有する患者は、超過気圧なしの自発的な吸入に比べ、より深く、より穏やかな呼吸パターンを行うことができる。
本装置は、吸入の間、エアロゾル化された薬剤の肺の深い部分へ蓄積させ、呼気の間、その除去を防ぐために、エアロゾルに少しの超過気圧を加えるのにふさわしい。呼気の間、超過気圧は適用されず、患者は、いかなる気流や圧力も適用されず、普通に息を吐き出す。
さらなる実施形態では、吸入装置は、患者による呼吸作動の後でのみ、噴霧エアロゾルを含む気相を放出するのに適切である。呼吸作動は、気圧センサーを、患者が、吸入段階を開始する際に、隔壁を縮小させることにより発生するわずかな超過気圧をも検知することのできる本装置に組み込むことによって達成され得るが、それにより、陰圧の増加を引き起こす胸膜内空間の拡張という結果が発生する。
上記で述べたように、本発明は、口腔コルチコステロイドの同時投与の必要量を完全にゼロにする、または減少させ、高用量の適切な吸入可能コルチコステロイドを直接下肺の小気道に送達する方法を提供することにより、重度で抑制不可能なぜんそくの治療方法に関係するものである。本方法は、エアロゾル化されたコルチコステロイドの下肺末梢部内の肺胞及び細気管支への送達を著しく増加させ、口腔咽頭領域並びに上肺内の気管支及び気管へのコルチコステロイドの蓄積を減少させ、それにより、望ましくない副作用を著しく減少させるか、又は完全に根絶する。本方法は、呼吸パターン障害を有するぜんそく患者のコントロールされた気流と気流超過気圧コンディションとともに、送達された体積流量と幾何エアロゾルを個別化する装置を利用する。
ぜんそくは、腫れ、気管支狭窄及び収縮を引き起こす、慢性的な気道内の気管支炎である。結果的に、ぜんそくを患う患者は呼吸をするのが難しい。気管支の腫れ、狭窄及び収縮は、一般的に口腔又は吸入可能薬剤、好ましくは、フルチカゾン、ブデゾニド、ベクロメタゾン、モメタゾン、シクレソニド、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、及び吸入治療に適切なその他の吸入可能コルチコステロイドといった吸入可能ステロイドで治療される
軽度のぜんそくは、多種多様な口腔治療、全身治療、又は吸入治療で容易に抑制、治療可能である。重度のぜんそくは気管支過敏の増大とその他の慢性症状で特徴づけられる。重度で抑制不可能なぜんそくを患う個人の治療はとても難しく、複雑である。
現在利用可能なぜんそく治療は、病気の重症度によるところが大きい。多くの場合、これらの治療は、プレドニゾンやプレドニゾロンといった口腔投与コルチコステロイド(OCS)及びフルチカゾン、ベクロメタゾン、ブデゾニド、モメタゾン、シクレソニド、フルニソリド、又はトリアムシノロンアセトニドといった吸入可能コルチコステロイド(ICS)のどちらかの治療量ステロイド投与を含む。これらの治療は、いくつかの場合では、例えば、β作動薬としての気管支拡張剤といった他の薬剤で補われる。口腔的に、又はその他の系統的に送達されたコルチコステロイドは、むしろ重度の副作用と二次症状を患者に引き起こし、その系統的送達は全身に影響を及ぼすため、現行のぜんそく治療においては、吸入により局部的に投与されたコルチコステロイドがもっとも好ましい。
小児ぜんそく人口及び老人ぜんそく人口を含む中度、又はより重度のぜんそく患者は、しばしばジェット式又は超音波ネブライザーを用いて、噴霧吸入可能コルチコステロイドで治療される。これらのネブライザーは、典型的に、約200μg、最高2000μgの吸入可能コルチコステロイドを含む、溶液及び懸濁液1ml又は2mlの充填量を送達する。吸入可能コルチコステロイドは、通常量約100μgで、定量吸入器(MDI)又はパウダー吸入器(DPI)によっても送達される。これらの処方量は多くは中度のぜんそく治療に十分であるが、送達量はぜんそく症状を改善するのに重要というわけではない。
しかしながら、重度のぜんそくには、ぜんそくの炎症箇所に送達される処方量はしばしば、治療の成功に決定的な重要性を持つ。重度のぜんそくの有効な治療のために現在推奨されている標準処方量は400μg〜1600μgの間である。炎症箇所、すなわち下肺の肺胞と細気管支に蓄積する量は、上記の標準量の10〜25%、ほとんどは10〜15%であい、最高250μgの肺蓄積量である。肺及び多くの場合肺末梢部に400〜800μgを送達、蓄積をすることは利点であるといえる。
不幸にも、その非効率性から、現在のネブライジングシステムのどれもが、深刻な副作用を引き起こすことなしに、そのような量を下肺に送達することができない。懸濁製剤の場合、現在利用可能なネブライザーは、典型的には、総量で約5%、最高でも約10%しか、ネブライザーに設置されたコルチコステロイドを送達しない。コルチコステロイド懸濁液は噴霧するのが難しいため、薬剤のほとんどはネブライザーの中に残留してしまう。それゆえ、ネブライザーのコルチコステロイド懸濁液の送達効果は、吸入溶液に比べて非常に低い。それに加え、現在利用可能である治療、特に重度で抑制不可能なぜんそくに関する治療には、その他多くの欠点が指摘されている。
ステロイドを用いる現在利用可能な治療における1つめの欠点は、ステロイドの薬理作用に関係があり、特に口腔的、又は系統的に送達され、そういった治療を必要とする標的器官に直接送達されない場合に問題となる。そのような口腔的又はその他の系統的ステロイド投与は、標的器官には投与薬剤はほんの少量しか送達されず、全身に影響を及ぼす。もちろん、このため、当ステロイドを多量に投与する必要性が生じてくる。口腔的又は系統的送達ステロイドの全身薬理作用のため、標的局部投与はステロイド投与のより好ましい経路であるように思えるかもしれない。しかしながら、そのような、吸入によるステロイドの標的局部送達もまた、問題がないわけではない。
現在利用されているネブライザーは、ネブライザーにセットされている総量の一部分しか送達しない。それゆえ、例えば、エアロゾル化前にネブライザーにセットされた総量2000μgのうち、実際のところ総量の約5〜10%しか、下肺の肺胞及び細気管支におけるぜんそくの炎症箇所に蓄積せず、それゆえ、上記個所における実際の蓄積量は、約100〜200μg程度のものである。この量は重度のぜんそくを治療するには十分とはいえない。薬剤の残り90〜95%、1800〜1900μgは、上肺、口腔咽頭領域のいずれか一方に蓄積するか(口腔咽頭領域に蓄積する場合、カンジダ症や嗄声、といった口腔咽頭に関する副作用を引き起こす)、吐き出されるか、ネブライザーに残留し、無駄になってしまうかのいずれかである。呼吸器系における肺以外の部位に蓄積される薬剤の量は、嗄声、声変わり、咽頭炎、カンジダ症、そして上肺及び口腔咽頭領域の炎症などの望ましくない効果を引き起こすかもしれない。
一般的に、従来のネブライザーを用いる場合、装置に充填された吸入ステロイド量を2000μg以上に増やすことはないが、それはカンジダ症、痛み、嗄声、咽頭炎や声変わりなどの深刻な副作用のためであり、それらは時折、低・中用量の吸入可能コルチコステロイドの後でさえ見受けられる。この理由が現在使用されている吸入システムに付随するコルチコステロイドの口腔咽頭蓄積である。
現在利用可能な治療法のさらなる欠点は、適切なネブライザー使用に関する多くの患者のコンプライアンスの欠如にある。現在使用されており、利用可能な吸入装置は、しばしば肺の深い部分に、最高でも200μgしか蓄積しないだろうが、それは患者が適切に吸入した場合のみの話である。数人の患者しか吸入装置をセ正しく使わないというのはよく知られている。吸入操作の間、患者による間違いでよく見られるものは次の通りである。すなわち、呼吸が速すぎること、呼吸が浅すぎること、又は呼吸がうまく調整されていないことである。患者の呼吸が速すぎる場合、吸入流路は喉及び咽頭の奥深くに極度に高用量の蓄積をもたらし、肺の深い部分にはほとんど薬剤が蓄積されない結果となる。患者の呼吸が浅すぎる場合、浅い呼吸は、エアロゾル化された薬剤の粒子を運搬できない少量の吸入量の身を肺の深い部分に運び、それゆえ、最低量の薬剤の肺蓄積という結果をもたらす。呼吸がうまく調整されない場合、例えば、エアロゾル生産及び患者の吸入段階が順序立てて行われない場合、放出されたエアロゾルの大部分は吸入すらされない。さらに、ぜんそくの症状が起きた場合にのみ薬剤を摂取し、抑制可能な手段で継続的に摂取しない患者も数人いた。呼吸操作が上手ではない患者は一般的に十分な量の薬剤を肺に送達しないため、吸入治療から利益を得ることはほとんどない。このような患者はまた、より多くの胸腔外蓄積により引き起こされる副作用に襲われるため、吸入コルチコステロイド治療の中止および中断はより好ましい。このような患者は口腔ステロイドを摂取するよう求められ、結果的に、全身コルチコステロイドの既知の副作用に悩まされることにもなりうる。
ぜんそく、特に、本発明にしたがって、重度で抑制不可能なぜんそくの本治療法は、現在利用可能な治療に優るメリットをいくつか備えている。1つ目は、本方法は、コルチコステロイドの口、喉、下肺への蓄積を増やすことなく、高用量の吸入可能コルチコステロイドを患者の下肺に蓄積させることができ、エアロゾル化粒子の薬剤が呼吸の間肺の深い部分に蓄積させることができる本方法は、高用量の薬剤が口腔咽頭に蓄積することを防ぐ、薬剤の下肺への均一な蓄積に最適な粒子サイズを有するエアロゾルを備える。吸入時、ネブライザーはエアロゾル送達の間、少しの超過気圧を加え、肺の深い部分にエアロゾル化された薬剤を好ましく蓄積させ、呼気時にエアロゾルを吐き出すことを防ぐ。
ある特定の実施態様では、本方法は1つの呼吸を2つの部分、すなわち、吸気時間と呼気時間に明確に区分し、吸気時間では、いわゆるボーラス技術がエアロゾルを含む薬剤の肺の既定部分への送達に用いられ、呼気時間では、呼吸の終了時に肺から最少量の薬剤が吐き出された。本発明の方法は、ネブライザーに設置された総量2000mg〜4000mgのコルチコステロイド薬剤のうち、高用量の約400mg〜1000mgが、平均6〜10分以内に患者の下肺へ送達され、並行口腔投与ステロイドの必要性を減らす、または完全になくすことができる。
当方法は、現在蓄積可能な量の、約2〜4倍高用量のネブライザーに設置された薬剤を下肺に蓄積させることができる。従来の方法がネブライザー内に補填された約2000μgのコルチコステロイドのうち、約200μgしか患者の肺に蓄積できないのに対し、現在の方法は、約400μgから1000μgの下肺への選択的蓄積を可能とする。さらに、その高用量の蓄積可能量によって、2000mgのコルチコステロイドを日に2回の処方するところを、2000μgを日に1回、または1000〜2000μgを日に2回のみの処方に切り替えることができる。加えて、下肺のコルチコステロイドの量は、上肺、および、特に口腔咽頭領域に蓄積されたコルチコステロイドの量と比較して、著しく増加する。
当方法は、これまで、より少量の薬剤の下肺周辺部位への投与で認められた、多くの望ましくない副作用を発症させることなく、より多量のコルチコステロイドの肺への蓄積を可能とする。多量のコルチコステロイドの口腔咽頭領域への蓄積によって引き起こされる、これまで認められた副作用、例えば嗄声、痛み、失声、咽頭炎、またはカンジダ症などは現在の方法では認められない予想されるか、認められない。
さらなる実施態様では、当方法は1呼吸を2つの部分、すなわち吸気時間と呼気時間に分けるが、吸気時間の間、ボーラス技術はエアロゾルを含む薬剤を肺の既定部位に運搬し、上肺および口腔咽頭領域から最低量の薬剤を吐き出す。さらなる実施態様では、吸気時間は、さらに、副画分に分けることが可能であり、無粒子空気はエアロゾルの前後ともに送達される。
肺に蓄積された薬剤量につき、当方法は、従来のネブライザーよりも、より短時間の送達または投与を提供する。一般的に、従来のジェット式ネブライザーを利用すると、200μgのコルチコステロイドを送達するのに5〜20分かかるとされている。現在の方法は、10分未満で、好ましくは6分未満で、肺へ400μg蓄積させることができる。
本発明の方法により、ぜんそく患者を口腔コルチコステロイドから離脱させることが可能である。1日1回の投与で2〜4倍高用量の改良された薬剤の下肺への局所送達により、患者は、約2〜5週間の間に、口腔コルチコステロイド治療を断つことができ、その間、口腔コルチコステロイドの処方量は徐々に減少していく。さらに、1秒量の減少、1秒量の実質的増加、そして重大な副作用の発症させることなく、口腔コルチコステロイドの断薬が可能である。この減少は、使用されているコルチコステロイドが1日投与量2000μgのフルチカゾンの場合に特に認められる。一般的に、ぜんそくの改善の程度および発現は、治療の2〜5週以内に認められる。そのような改善は、口腔コルチコステロイドの必要性の消滅といった形で認められ、しばしば、1秒量の増加といった肺機能の改善や炎症の減少といった結果をもたらす。
本発明に従い、重度のぜんそくのための治療プロトコルは、例えば、いくつかの手順を含む場合がある。まず、患者はぜんそくに関する国際管理指針(GINA)に従い、ぜんそくの重症度を決定する。重度で抑制されていないぜんそくを患う患者は第4段階と第5段階に分類され、憎悪を伴う重度で慢性的な病状であると描写される。口腔コルチコイド量(Oral corticoid dose,OCS)、ぜんそく抑制、憎悪、1秒量、呼気一酸化窒素、肺活量、およびその他の肺機能が計測、記録される。
その後に、治療方法および計画は決定されうる。そういった方法は初期段階にコルチコステロイドの吸入可能口腔治療の組み合わせと、β2作動薬としての気管支拡張剤およびその他の薬剤を適切な量で選択的に組み合わせる場合がある。例えば、患者は最高150mgまでのプレドニゾン又はプレドニゾロンを1日に処方される場合がある。治療計画は適切な吸入可能コルチコステロイド、適切な1日量、そして1日に1回又は2回、稀に3回の適切な送達の決定を含みうる。例えば、患者の都合上、実質1日に1回(QD)の送達が最も好ましく、1日に2回(BID)又は1日に3回(TID)の送達よりも順守が守られる結果になる。
治療方法および計画が決定されると、本発明を実行する設備を有する適切な吸入装置と適切な吸入手順が選択される。
患者は1日に1回、ある場合には1日に2回、選択された吸入可能コルチコステロイドの種類によって200〜4000μgの吸入可能コルチコステロイドを投与される。吸入可能コルチコステロイドはフルチカゾン、フルニソリド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデゾニド、モメタゾンフランカルボン酸エステル、シクレソニドとトリアムシノロンアセトニドで構成されるグループから選択される。好ましい実施態様では、2000μgのフルチカゾンフロ酸エステルが1日に1回、又は2回、特許クレームに記載の方法でエアロゾルを放出することができ、かつそれに適切な吸入装置を用いて投与される。本発明を実行することのできる有用な装置は、投与中、患者の呼吸パターンを抑制することのできるAKITA吸入装置である。特定構造によっては、噴霧エアロゾルを発生させることのできるその他の吸入装置、特に呼吸が活性化されたネブライザーが用いられる場合もある。
重度のぜんそく治療に有効な処方量が知られていない一方で、重度のぜんそくに有効な蓄積量が400μg未満、さらには600〜1000μgの範囲内の傾向がある。特定の実施態様では、口腔コルチコステロイドと同時に行う治療は続行されるが、徐々に処方量は減らされ、最初の投与量の少なくとも30%減少されるか、または完全に無くされる。一般的に、そのような処方量は2〜3週間以内に発生する。ステロイドの完全な根絶は3〜5週間以内に発生するが、もう少し時間がかかる場合もある。
治療は毎日続けられ、患者は定期的に1秒量を含む肺機能を診断される。患者の肺機能が最初のステロイドの口腔投与量で安定されると、患者の肺機能が再び安定するまでステロイドの口腔投与量は減らされ、維持される。このプロセスは患者が口腔コルチコステロイドを完全に断たれるか、又は患者が特定の低用量の口腔コルチコステロイドで安定するまで続けられる。一般的に、ステロイドの口腔投与量は少なくとも最初の投与量の20%、しばしば少なくとも30%減らされる。患者の進展に照らして適切である場合、好ましくは完全に無くされる。
既定量の選択されたコルチコステロイドはAKITAシステムのネブライザーコンポーネントといった吸入装置に設置される。例えば、2000μgのフルチカゾンは水性懸濁液、又は溶液の形態で充填され、その量は一般的に1〜5mlの範囲内である。フルチカゾンは一般的に懸濁液として利用可能であり、ステロイド濃度は1mg/mlである。AKITAシステムの場合、ネブライザーは直接さらにプレッシャーセンサーを備えるマウスピースとコンプレッサーに接続される。吸入時(吸気時)は患者に快適なパターンにプリセットされる。例えば、吸入時のうち1〜約10、好ましくは3〜4秒などである。
患者がマウスピースから吸入する際、加圧センサーが反応し、陽圧が提供されるか、または吸気バルブが開けられ、吸入が開始される。ネブライザーまたはエアロゾルシステムは最高40mbarの圧縮空気加圧が備え付けられ、コルチコステロイドはエアロゾル化され、既定流量、既定加圧のエアロゾルを含むコルチコステロイドとして放出される。加圧は全吸気時間持続する。吸気時間がプリセットされた場合、圧縮空気供給が吸気時間終了時に中断されるため、加圧は自動的に停止するか、シャットダウンされる。呼気時間に割り当てられた期間後、吸気時間全体の間、好ましくは、少なくとも6分間、過程は繰り返される。吸気時間の間、総量は、好ましくはネブライザーに残留している残余とエアロゾル化される。ネブライザーは液体もしくはドライパウダーエアロゾルシステムも可能である。
当該送達方法が選択された場合、吸気時間の間、エアロゾル化されたコルチコステロイドは加圧下で下肺に強制的に送達される。加圧が引き下げられ、患者が吐き出すとき、下肺に強制送達された薬剤は容易に置換されず、下肺にとどまり、結果的に薬剤が加圧なしの通常の呼吸の場合よりも、より高容量の薬剤が周辺部位に蓄積することとなる。呼気時間の間、吐き出される少量の薬剤は、吸気時間の最後の瞬間に上肺にあったものである。この少量薬剤のある部分は上肺または口腔咽頭領域に蓄積されうるが、大部分の薬剤は口外へ吐き出される。
上記の治療を100人以上の患者に吸入可能フルチカゾン(2000μg)を22日間にわたって1日1回、例1で述べたような方法を用いて施した場合、当該治療により、1秒量が正確に17%向上し、同時に口腔コルチコステロイドの使用量を33%減らすことができた。加えて、呼気一酸化窒素で測定された肺炎症は正確に44.5%減らすことができた。
好ましい実施態様では、重度で抑制不可能なぜんそくを患い、口腔コルチコステロイドの併用治療を必要とする患者の治療方法は、ぜんそく患者に、フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデゾニド、モメタゾンフランカルボン酸エステル、シクレソニド、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニドで構成されるグループから選択され、約400≡4000μgの選択コルチコステロイドを含むエアロゾルとして送達された吸入可能コルチコステロイドを含む吸入可能治療を含み、エアロゾルは、最高40mbarのわずかな加圧で下肺にエアロゾル化されたコルチコステロイドを投与することのできるネブライザー装置で発生され、そういった加圧は当エアロゾルを下肺へ強制的に送達し、200μg以上のコルチコステロイドを下肺に蓄積させる。当治療はさらに、口腔ステロイドの併用治療の必要量を少なくとも30%減少させ、肺機能向上、口腔咽頭の副作用の減少、または根絶させる。
その他の実施態様では、選択されたコルチコステロイドが約4000μg投与されたフルチカゾンで、下肺に200μg以上、好ましくは400μg以上蓄積させることができた。また別の態様では、口腔ステロイドとの併用治療の用件は約2≡5週間で完全になくなり、そのような治療がぜんそく症状の改善、1秒量の増加、肺機能の向上および肺炎症の減少に繋がる。
また別の実施態様は、患者の呼吸およびネブライザーによって作動された呼吸によって作動されたネブライジングシステム、またはAKITA吸入システム装置として知られている呼吸パターンをコントロールする吸入システムの使用を含む。また別の実施態様では、当方法は1日につき1回、2回、または3回、好ましくは1日に1回でぜんそく改善に有効なすべての吸入治療を提供する。また別の実施態様では、当方法は宗達次官を短縮し、吸入治療が6分以下、最高でも10分以内には達成される。
また別の実施態様では、約2≡6μMMADサイズ、好ましくは約3≡5μMMADサイズのエアロゾルとともに、主に肺胞、細気管支、または気管支の範囲内の粒子サイズを有するエアロゾルが提供される。
AKITA装置といったネブライザーシステムを使用し、既定量の選択されたコルチコステロイドはマウスピースと肺活量計を含むネブライジングシステムに接続された薬剤カートリッジに設置される。エアロゾル化した粒子の規定量は患者の吸入流路に送達される。吸入時間は3つの既定期間にプリセットされる。1つ目の既定時間はエアロゾル無粒子空気をプリセットされた流量で肺に送達するための時間である。2つ目の既定時間は規定量のエアロゾル化した粒子のコルチコステロイドを既定の流量で送達するための時間である。3つ目の既定時間は2つ目の既定時間の無粒子空気を送達するための時間である。選択的に、1つ目の時間は0秒に設定することができ、これはエアロゾル化がすぐに開始されるということを意味する。吸入の間、患者は吸入を開始するよう指示され、それぞれ吸気時間の間、3つ(または2つ)の既定時間が繰り返される。2つ目の無粒子時間の終了時、すなわち、3つ目の既定時間後、患者は吸入を止める、息を吐き出すよう指示される。無エアロゾル粒子空気を既定の流量範囲内で肺に送達する2つ目の既定時間を設ける理由はエアロゾル化粒子を上気道部位から排出することにある。そうして、上気道部位(口、咽頭、気管)は残留エアロゾル粒子が取り除かれ、本部位の薬剤の蓄積が減少される。
当該方法はまた、患者がいつ流露を通じて吸入するかを検知する手順を含み、さらには1、2、3番目の既定時間の測定、既定量のエアロゾル化した粒子の患者の健康パラメーターへの測定の両方、またはいずれか一方の手順をも含み得る。
当該方法は最初の無粒子空気の投与、エアロゾル化した吸入可能コルチコステロイドの投与、そして2番目の無粒子空気の投与のための最適な時間間隔を測定する手順も含み、これら3つの時間間隔の累積時間は1呼吸に対応する。それぞれの間隔時間は約1m秒から約10秒、好ましくは焼く200m病から約5秒に対応し、間隔ごとに同じであったり異なったりするかもしれない。流量はあらかじめ決められた流量で、最初の既定無粒子空気量は最高約0.15リットル、エアロゾル粒子の既定量は最高3リットル、2番目の既定無粒子空気量は約0.5リットルである。当方法で用いられるネブライザーは、対象がいつ流路を通じて吸入し、エアロゾル無粒子空気の2番目の既定時間の提供後、流露を通じて気流を防ぐかを検知する昨日を備えていなければならない。
さらなる実施態様では、本発明は、口腔コルチコステロイドとの併用療法を有する重度で抑制不可能なぜんそくを患う患者の治療方法に関連し、約400≡4000μgのフルチカゾン、フルチカゾンフロ酸エステル、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデゾニド、モメタゾンフランカルボン酸エステル、シクレソニド、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニドで構成されるグループから選択された吸入可能コルチコステロイド治療プロトコルを含む。当治療プロトコルは1つの吸気時間を3つの既定時間に分割し、エアロゾルは2番目の投与時間に投与される。3つの時間は約1m秒≡約10秒、好ましくは1番目の時間は1m秒≡約1秒、2番目の時間は約0.1秒≡10秒、3番目の時間は約0.1秒≡5秒持続する。無エアロゾル粒子空気は、1番目の既定時間にプリセットされた流量と流路で投与され、2番目の既定時間にはエアロゾル化したコルチコステロイドがプリセットされた流量と流路で投与され、3番目の既定時間には、再度無エアロゾル粒子空気が、胸腔外気道および気管気道のコルチコステロイドをきれいに取り除き、肺の深い部分に送達させるため、プリセットされた流量と流路で投与される。3番目の投与時間後、患者は吸入を止め、息を吐き出すよう指示される。本プロトコルは約6≡10分間、一般的には200μ以上の十分な量のコルチコステロイドが噴霧され、下肺に送達されるまで繰り返される。
さらなる実施態様では、プリセットされた吸気流量は毎分20リットル以下である。また別の実施態様では、プリセットされた流量は毎分約3≡6リットルで、1番目の時間で投与される無エアロゾル化粒子空気は0.5秒で150ml未満というプリセットされた量が投与され、2番目の投与時間では、エアロゾル化したコルチコステロイドは約200≡3000mlの量を約1≡10秒というプリセットされた時間内に投与され、3番目の投与時間では、約200≡500mlというプリセットされた量を約0.3≡3.5秒で投与される。
また別の実施態様では、当方法は口腔コルチコステロイドの必要量を少なくとも30%減少させるか、または完璧に根絶させ、さらにぜんそく症状の改善、1秒量増加によって測定される肺機能の向上、肺炎症の減少と口腔咽頭領域の副作用の減少という結果をもたらす。
また別の実施態様では、選択されたコルチコステロイドはフルチカゾンで、約200μgのフルチカゾンを1日に1回投与されることにより、フルチカゾンを下肺に400μg以上蓄積させることができた。また別の実施態様では、吸気時間に投与されるエアロゾルと3つの既定時間を含むことは、ネブライザーによって作動された呼吸によって発生される。また別の実施態様では、上記で述べられている治療プロトコルは1日に1、2、3回繰り返され、治療は6≡10分未満で終了する。また別の実施態様では、エアロゾルは約2≡6μMMAD、好ましくは約3≡5μMMADの既定の粒子サイズを有している。
本発明を実行するのに適切な吸入システムの1つは患者の呼吸パターンを吸気時間の間コントロールするコンプレッサー駆動のジェット式ネブライザーを含む吸入システムである。このシステムはエアロゾルの下肺への蓄積を必要とする吸入治療に非常に効果的である。吸入時、当システムは呼吸の数、流路、および吸入量をコントロールする。これら3つのパラメーターをコントロールするこの能力は患者が正確な処方量を与えられていることを保証するものである。
吸入システムまたは装置はさらに、個人かされた治療プロトコルを保存する電子手段をも含みうる。治療プロトコルは個人の肺機能測定、最適呼吸パターン、患者の肺活量(VC)を維持または回復させるのに望ましい薬剤量、予備呼気量(ERV)、および1秒量(FEV1)といったパラメーターをも含みうる。これらのパラメーターは個人化され、適切な保存手段、たとえばいわゆるスマートカードに保存され、また、当情報を、各エアロゾル等がどのようにして実行されたかを記録、保存し、治療の間吸入システムに転送し、手順上起こりうる間違いを明らかにすることも可能である。
スマートカードシステムは1つ以上の処理構造を持ち、完全に暗号化されている。スマートカードシステムは同時係属米国出願第2001/0037806A1号(2001年11月8日発行)に開示されており、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。適切なネブライジングシステムは米国特許第6606989号に開示され、本明細書に参考として組み込まれる。
同様かつ改善された吸入システムはさらに、コアエレメントとして、円形膜板の貫通を含み、それは圧電アクチュエータによって振動するよう設定されている。膜の振動モーションは大体加圧を発生させ、ネブライジングソリューションが膜の貫通マイクロアレイを通過し、既定の粒子サイズを有する適切なエアロゾルを作り出す。当システムは上記で述べたようなスマートカードを含む電子手段にも同様に備え付けられている。当システムはAKITA2APIXNEB吸入システムという商標名で知られている。
本発明の実施に用いられうるまた別の改善された吸入システムは加圧センサーによって検知される咽圧によって作動されるネブライザーである。本ネブライザーは吸気時、毎分12リットルの絶え間ない吸入流量を提供するコンプレッサーを含む。当システムはコントロールされた気流、量、噴霧タイミングを含む。スマートカードの設定は吸入量、1呼吸における吸入時間、1呼吸における噴霧時間を含む。当システムはAKITA JET 吸入システムという商標名で知られている。従来型、もしくは本発明での使用により改善されたその他の吸入装置およびシステムは、米国特許第6401710B1号、第6463929B1号、6681762B1号、そして7077125B2号、そして出願第2006/0201499A1号、第2007/0006883A1号に開示され、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。
本発明の実施に適切なさらなる吸入システムはネブライザーによって作動される呼吸である。本ネブライザーは受動気流および能動量コントロールによって特徴づけられる。一般に、使い捨てのエアロゾルジェネレーターとマルチユーズのコントロール装置を含む。本装置は制御装置に接続された吸入器で構成される。吸入器自体はネブライザーに接続され、吸入可能コルチコステロイドが主に約2≡6μm、好ましくは3≡5μmの範囲内のサイズを有する粒子に、エアロゾルジェネレーターを用いて噴霧される。ネブライザーの充填量は正確に4mlである。エアロゾルジェネレーターは加圧検知によって、患者がエアロゾル化したコルチコステロイドを吸入する吸気時にのみ、作動される。加圧検知は電子コントロールを受ける。
本装置はさらに、無粒子空気の投与、エアロゾル化した吸入可能コルチコステロイドの投与、2番目の無エアロゾル化粒子空気の投与を、それぞれの既定量および既定時間で可能にする手段を備え付けており、3つの時間間隔の累積時間は1つの吸気時間に対応する。各間隔の時間は約1m秒≡10秒、好ましくは約200m秒≡5秒に対応する。
吸入器は約毎分15リットル、約10mbar以下に制限された統合流路および量を有している。マウスピースの加圧が5mbar未満の場合、流路は機械弁によって制限される。機械弁は断面積を調節することによって流路を制限する。当装置は1呼吸における量をプリセットされる。1呼吸は1吸気と1呼気が発生する時間に設定される。各吸気時間後、空気流路はブロックされ、呼気が許可される。吸気流路は次の呼吸の吸気時間に再度回復される。本装置は、プレプログラミングと個人化を可能とする様々な電子コンポーネントを有し、個々のぜんそく患者の要件を満たす。
例となる装置は、継続中の特許出願第12/183747号(2008年7月31日出願)に開示され、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。当装置は有利に修正され、患者の必要性に容易に個人化される多種多様なコンディションを提供する。当利用の修正装置および方法は米国出願シリアル番号第12/204037号に開示され、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。
二重盲検、ランダム化、プラシーボ対照の第2段階治験は、本発明に従って治療の耐性、安全性、有効性を評価するために始められる。慢性的口腔コルチコステロイド治療を必要とするぜんそく患者の呼吸パターンをコントロールするため、AKITA吸入システムを用いてフルチカゾン懸濁液が投与される。治験対象は高容量の噴霧フルチカゾンがAKITA装置を用いて送達された場合の耐性および安全性を評価するため、そして口腔コルチコステロイド(OCS)治療の必要性を減らす高容量の噴霧フルチカゾンの有効性を計るために行われる。
ぜんそく患者は口腔コルチコステロイドの慢性的な量を維持される。試験期間は全体で24週である。試験スケジュールは2週間のスクリーニング期間、2週間の治療および耐性期間、18週間の治療期間、うち7つの下位手順を含む14週間のOCS期間、そして治験薬剤の最終投与後の2週間のフォローアップビジットを含む。全対象者が治験参加の持続時間のため、口腔プレドニゾンを提供された。
3カ国、25ぜんそくセンターの100人または120人の対象(50%または60%の治療グループ)が無作為に割り当てられ、高容量の噴霧フルチカゾンまたは偽薬の投与治療を1日に2回受けた。4mgのフルチカゾン懸濁液(2mg/mlのフルチカゾン懸濁液を2ml)またはそれに対応する偽薬(0.9%濃度の通常無菌生理食塩水)がジェット式ネブライザーを1日2回用いて、AKITA装置を通じて送達された。
登録患者は12歳以上75歳以下で、1秒量が予測(前アルブテロール治療)の30≡90%を示していた。患者は吸入可能口腔コルチコステロイド治療を6ヶ月以上にわたって受けていた。口腔コルチコステロイド(OCS)の1日量はプレドニゾンで平均で5≡70mgに相当する量であった。
治験のエンドポイント評価は口腔コルチコステロイド(OCS、プレドニゾンなど)の減少、ぜんそくコントロール、肺機能(1秒量)の改善、呼気一酸化窒素の量で決定される肺炎症の減少などである。
(例1)
本例は本発明に従って、フルチカゾン組成物および本発明を実施するのに適切なAKITA装置を用いる治療である。治験はダヴォス・パルモナリー・クリニック(Davos Pulmonary Clinic)で行われた。慢性的な口腔コルチコステロイドを維持されてきた重度のぜんそくを煩い、100人以上の患者が高容量のフルチカゾン(2000μgのフルチカゾン充填量)を1日に1回、AKITAシステムを用いて投与されていた。患者は口腔コルチコステロイドの必要性、および症状コントロールの脆弱性に基づき選択された。全患者が、以前、定量吸入器とドライパウダー吸入器、口腔ステロイドを用いて、1日平均22.9mgのプレドニゾンまたはその同等量の薬で、吸入コルチコステロイドとβ作動薬の組み合わせ治療を受けていた。患者の誰一人として適切なぜんそく症状のコントロールを受けず、1秒量で測定される適切な肺機能を有していなかった。
治療段階は約1≡9週、平均3週で、屋内のコンディションのもと、非盲検、抑制されない方法で1日に1回、フルチカゾン2000μgを投与した。2000μgの充填量のうち、正確に500≡700μgが中央肺に到達し、同量がネブライザー内に残留する。残余、少量が口腔咽頭にとどまるか、または吐き出される。
2007人のうち、112人の患者の治療は7≡53日間持続した。パラメーター結果に従い、以下が測定された。肺機能(1秒量)、呼気一酸化窒素、(FeNO)、口腔コルチコステロイド量、そしてぜんそくコントロール。平均して、毎日の治療は22日間(7≡53日間)適用され、その間患者は病院に収容され、監視された。
治験結果は予測されていない、素晴らしいものだった。ぜんそくコントロールは治療中、急速に、一貫して達成され、口腔コルチコステロイドは減少した。特に、1秒量と口腔ステロイドの減少はベースラインp<0.0001に対して非常に著しい変化を見せた。毎日の口腔コルチコステロイドの摂取は22.9mgから15.6mgに減少した。平均1秒量は17.2%向上した。口腔ステロイドは平均して7.3mg(33.2%)減少した。加えて、肺炎症は、呼気一酸化窒素によって測定され、44.5%減少した(p<0.0001)。毎日の吸入にAKITAネブライジングシステムを使用し、取り扱うことは患者に受け入れられ、プロトコルコンプライアンスに貢献した。

Claims (12)

  1. 重度で抑制されていないぜんそくを患う治療に使用される吸入可能糖質コルチコイド組成物であって、
    上記吸入可能糖質コルチコイドがプロピオン酸フルチカゾン、ブデゾニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、シクレソニド、フルニソリド、モメタゾンフランカルボン酸エステル、トリアムシノロンアセトニドから選択され、
    上記組成物は、吸入装置によって発生される噴霧エアロゾルとして投与され、上記装置は以下のように適用され
    (a)患者の吸入時、毎分20リットル以下の流速で噴霧エアロゾルを放出する、
    (b)吸入時ごとに、総量で少なくとも気相0.4リットルを放出し、上記気相には噴霧エアロゾルおよび選択的に無エアロゾル空気を含む、
    (c)吸入時ごとに、150ml以下の無エアロゾル空気を、噴霧エアロゾルを放出する前に放出す
    ものである、吸入可能糖質コルチコイド組成物。
  2. 記治療口腔投与糖質コルチコイドの1日量口腔投与をさらに含み、
    上記口腔投与糖質コルチコイドがヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロンから選択され、
    その1日量とは40mg以下のプレドニゾロン、またはその他の口腔投与糖質コルチコイドの同等量であることを特徴とする、請求項1に記載の吸入可能糖質コルチコイド組成物。
  3. 1日量の口腔投与糖質コルチコイドが治療期間中、初回の1日量に比べ、少なくとも30%減少することを特徴とする請求項2に記載の吸入可能糖質コルチコイド組成物。
  4. 口腔投与糖質コルチコイドの1日量が治療期間中、0に減少することを特徴とする請求項2に記載の吸入可能糖質コルチコイド組成物。
  5. 上記吸入装置が、吸入時、気相総量で0.4〜2リットル、または0.4〜1.4リットルの総量を放出するのに適切であり、その総量は患者の吸入容量または患者の事実上および予測上の1秒量に基づいて選択されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の吸入可能糖質コルチコイド組成物。
  6. 上記吸入装置が、2〜6μMMAD、または3〜5μMMADの噴霧エアロゾルを発生するのに適切であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の吸入可能糖質コルチコイド組成物。
  7. 上記吸入装置が、患者の吸入時に、最高40mbarの加圧で噴霧エアロゾルを放出するのに適切であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の吸入可能糖質コルチコイド組成物。
  8. 上記加圧が実質上、少なくとも1mbarで維持されることを特徴とする請求項7に記載の吸入可能糖質コルチコイド組成物。
  9. 上記吸入装置が、患者の呼吸動作の後のみに気相を放出するのに適切であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の吸入可能糖質コルチコイド組成物。
  10. 上記吸入装置が、吸入時ごとに、噴霧エアロゾル200〜3000mlを放出するのに適切であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の吸入可能糖質コルチコイド組成物。
  11. 上記吸入装置が、吸入時ごとに、噴霧エアロゾルの放出後、200〜500mlの無エアロゾル空気を放出するのに適切であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の吸入可能糖質コルチコイド組成物。
  12. 上記吸入装置が、噴霧エアロゾルを毎秒300ml以下、または250ml以下の割合で放出するのに適切であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の吸入可能糖質コルチコイド組成物。
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