JP5885971B2 - 銅および銅合金のエッチング液 - Google Patents

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Description

本発明はフラットパネルディスプレイ等の製造に用いられる銅と銅を主成分とする銅合金との金属積層膜をエッチングするエッチング組成物、およびかかるエッチング液を用いたエッチング方法に関する。
液晶ディスプレイ装置の微細配線材料として、従来、アルミニウム薄膜が使用されていたが、フラットパネルディスプレイの駆動トランジスタ電極および微細パターンとして、線幅数ミクロン以下のものを形成するために、銅または銅を主成分とする銅合金が用いられることは最近までなかった。したがって、フラットパネル製造に適した、線幅数ミクロン以下の銅薄膜エッチング技術は、これまで限られていた。
銅薄膜を電極として使用する場合、銅を単層で用いるのではなく、ガラス基板との密着性向上や銅の拡散をバリアすることを目的としてTi、Mo、MoTiなどの金属を密着層、バリア層として使用する必要がある。その場合、一般にはTi/Cu/Ti、Cu/Ti、Mo/Cu/Mo、Cu/Mo、MoTi/Cu/MoTi、Cu/MoTiなどの積層膜として電極に使用することが試みられており、各種膜のエッチング方法についても検討されている。
特許文献1には、銅単一膜または銅モリブデン多重膜のエッチング液として、過酸化水素水−酢酸系のエッチング液が記載されているが、過酸化水素水−酢酸系は濃度変化とエッチングレートの経時変化が大きく、制御が困難な問題がある。また、過酸化水素水は液寿命が短いことや、性能を安定化させるため、前処理として銅を溶かし込む必要があること、さらにエッチング後の廃液は過酸化水素水の分解によるガス発生のため、保管中の容器が爆発する恐れがある。さらに、過酸化水素水系はCu/TiやCu/Moの積層膜一括エッチングによく使用されているが、ふっ素化合物も含んでいるため、ガラス腐食により、基板の再利用ができないなど、材料コストが増大する問題がある。
従来配線材料として用いられてきたアルミニウム膜のエッチングに用いるりん酸−硝酸−酢酸系のエッチング液は、銅膜も溶解することはできるが、レジスト/Cu間に液が染み込みやすく、レジスト下の銅エッチングが進みやすいこと、またスプレー流量が高いほど、エッチングレートが低下するという特徴があるため、スプレー装置では使用しにくい問題がある。さらに例えばCu/Moなどの積層膜に用いると、積層膜層間の腐食電位の差による電池効果の影響で片方の金属が極端に溶けやすくなるなど、良好なパターン形状を得るのが難しい。
特許文献2に記載されている、塩化銅−塩酸系や塩化鉄−塩酸系のエッチング液は、銅の断面形状がほぼ垂直になること、また下層に銅合金がある場合、銅よりもエッチングレートが高いため、下層のエッチングが進み、逆テーパー形状になりやすいなどの問題がある。
また、特許文献2〜5には過硫酸塩を含むエッチング液による、銅単一層ならびにCu/TiまたはCu/Moなどの積層膜をエッチングすることが検討されている。
最近、Cu/TiやCu/Mo積層膜に代わる積層膜として、銅合金を含む積層膜が開発されている。これらは、異種の金属膜を用いる従来の積層膜と異なり、銅層と銅合金層との積層膜であり、下地膜としての性能に優れるだけではなく、成膜工程においても積層の各層を同一装置で成膜できるというメリットを有する。
しかしながら、銅層と銅酸化物層および/または銅合金層とを有する積層膜を効果的にエッチングできる方法およびそれに用いられるエッチング液については、ほとんど検討されていない。特許文献6には、過酸化物と有機酸とを含む、銅酸化物層と銅合金酸化物層とを有する積層膜のエッチング液が示され、過酸化物として過硫酸および過硫酸塩が示されている。しかしながら、過硫酸または過硫酸塩と有機酸とを含む組成では、有機酸の影響により銅の溶解性が大幅に低下するため、目的の処理時間に調整することが困難である。これに対応するためには過硫酸または過硫酸塩を増量して溶解性を促進する必要があるが、これらを増量すると、レジストと銅または銅合金の間にエッチング液が染み込みやすくなるため、レジスト剥がれが発生し、パターニングが困難となる。実際に特許文献6に記載の実施例、過硫酸アンモニウムと酢酸と酢酸アンモニウムからなる組成を調製して、銅/銅合金基板のエッチングを行ったところ、銅のエッチングが終了する前にレジストが剥がれたため、パターニングすることは不可能であった。特許文献6に記載の組成で基板が処理できたのは、CuMg/CuMgO基板という銅合金/銅合金の基板であったためであり、銅合金は銅よりも溶解性が高い積層膜であることから一括処理できたものと考えられる。また、銅合金/銅合金は、銅/銅合金の基板に比べて、溶解性が似ているために一括処理しやすいと考えられる。以上のように、銅/銅合金積層膜はエッチング特性(溶解性)の違いにより、汎用的に知られているエッチング液を用いても、所望の形状は得られない。
特開2004−193620号公報 特開2010−87213号公報 特開2010−265547号公報 特許第3974305号公報 特開平11−140669号公報 特開2010−265524号公報
すなわち、本発明の課題は、銅と銅合金とを有する積層膜のエッチングにおいて、積層膜の一括エッチングに重要な要素を制御可能とするエッチング液組成物を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく、鋭意、検討を重ねる中で、銅薄膜と銅を主成分とする銅合金を、密着層、バリア層とした金属積層膜を、過硫酸塩および/または過硫酸溶液にりん酸と硝酸および/または硫酸とを添加したエッチング液組成物でエッチングすることにより、良好な断面形状が得られることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1)銅層と銅酸化物層および/または銅合金層(ただし、銅とモリブデン、銅とチタンおよび銅とクロムからそれぞれなる銅合金を除く)とを有する金属積層膜をエッチングするためのエッチング液組成物であって、
過硫酸塩溶液および/または過硫酸溶液0.1〜80重量%と、りん酸0.1〜80重量%と、硝酸および/または硫酸0.1〜50重量%とを含有する、前記エッチング液組成物。
(2)過硫酸塩溶液がペルオキソ一硫酸カリウム、ペルオキシ硫酸水素カリウム(KHSO)、ペルオキソ二硫酸アンモニウムまたはペルオキソ二硫酸カリウムを1種または2種以上含む水溶液であることを特徴とする、上記(1)に記載のエッチング液組成物。
(3)過硫酸塩溶液および/または過硫酸溶液が、ペルオキシ硫酸水素カリウム(KHSO)を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のエッチング液組成物。
(4)過硫酸溶液が、ペルオキソ一硫酸カリウム、ペルオキシ硫酸水素カリウム(KHSO )、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウムを1種または2種以上含み、活性酸素が0.01〜5重量%であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(5)硝酸を含まない、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(6)さらに塩化物イオンを0.00001〜30重量%含有することを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(7)さらにアンモニウムイオンを0.1〜50重量%含有することを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(8)金属積層膜が、銅/銅合金、または銅合金/銅/銅合金の層構成であり、銅合金が基板と接している、上記(1)〜(7)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(9)銅合金が、銅−マグネシウム−アルミニウムまたは銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物である、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(10)フラットパネルディスプレイにおいて、駆動トランジスタ電極をエッチングするための上記(1)〜(9)のいずれかに記載のエッチング液組成物。
(11)銅層と銅酸化物層および/または銅合金層(ただし、銅とモリブデン、銅とチタンおよび銅とクロムからそれぞれなる銅合金を除く)とを有する金属積層膜のエッチング方法であって、上記(1)〜(10)のいずれかに記載のエッチング液組成物を用いてエッチングする工程を含む、前記エッチング方法。
(12)金属積層膜が、銅/銅合金、または銅合金/銅/銅合金の層構成であり、銅合金が基板と接している、上記(11)に記載のエッチング方法。
(13)銅合金が、銅−マグネシウム−アルミニウムまたは銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物である、上記(11)または(12)に記載のエッチング方法。
(14)フラットパネルディスプレイにおいて、駆動トランジスタ電極をエッチングする、上記(11)〜(13)のいずれかに記載のエッチング方法。
本発明のエッチング方法は、上記の構成により、銅と銅酸化物層および/または銅を主成分とする銅合金との金属積層膜を、線幅0.5〜5μm程度の金属薄膜微細パターンであっても精度良くエッチング加工することができる。過硫酸塩および/または過硫酸溶液だけでは、断面形状が垂直気味になったり、断面の表面が荒れたりする問題や、下層の銅合金の溶解性が低いため、下層が突き出る形になりやすいなどの問題があるところ、本発明のエッチング液組成物においては、過硫酸塩および/または過硫酸溶液とりん酸と硝酸および/または硫酸とが相俟って、銅層と銅酸化物層および/または銅合金層とを含む金属積層膜を、良好な順テーパー形状にエッチングすることができる。
またエッチングレートやテーパー角を制御することが可能であり、サイドエッチングや残渣の発生が抑制された、面内均一性が高いエッチングが可能である。
さらに、ディップ式またはスプレー式を用いても良好な断面形状が得られ、スプレー式の場合にはスプレー流量増加に伴いエッチングレートが上昇するため、使用しやすく実用性に優れている。
とりわけ、銅合金が、銅−マグネシウム−アルミニウム(Cu−Mg−Al)または銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物(Cu−Mg−Al−O)である積層膜は、密着性およびバリア性の観点から本発明者らが最も注目する銅積層膜であるところ、本発明のエッチング液組成物によって微細なパターンのエッチングによる形成を見事に達成することができる。
図1は、実施例1〜8におけるエッチング処理後の基板断面のSEM写真である。 図2は、実施例9〜19におけるエッチング処理後の基板断面のSEM写真である。 図3は、実施例20〜36におけるエッチング処理後の基板断面のSEM写真である。 図4は、実施例54におけるエッチング処理後の膜厚が異なる2種類の基板断面のSEM写真である。 図5は、実施例55〜58におけるエッチング処理後の基板断面のSEM写真である。 図6は、実施例59〜62におけるエッチング処理後の基板断面のSEM写真である。 図7は、実施例63〜66におけるエッチング処理後の基板断面のSEM写真である。 図8は、実施例67および比較例1におけるエッチング処理後の基板断面のSEM写真である。
本発明の一側面は、銅層と銅酸化物層および/または銅合金層(ただし、銅とモリブデン、銅とチタンおよび銅とクロムからそれぞれなる銅合金を除く)とを有する金属積層膜をエッチングするためのエッチング液組成物であって、
過硫酸塩溶液および/または過硫酸溶液0.1〜80重量%と、りん酸0.1〜80重量%と、硝酸および/または硫酸0.1〜50重量%とを含有する、前記エッチング液組成物に関する。
本発明における銅合金は、銅を主成分とし、銅および任意の金属を含んでなる銅合金であり、銅合金酸化物を包含する。好ましくは、銅を80原子パーセント以上含み、Cu−Ca、Cu−Mg、Cu−Ca−O、Cu−Mg−O、Cu−Al、Cu−Zr、Cu−Mn、Cu−Ni−B、Cu−Mn−B、Cu−Ni−B、Cu−Si、Cu−Mg−B、Cu−Ti−B、Cu−Mo−B、Cu−Al−B、Cu−Si−B、Cu−Mg−Al、Cu−Mg−Al−Oなどが挙げられる。ただし、銅とモリブデン、銅とチタンおよび銅とクロムからそれぞれなる銅合金を除く。Cu−Mg−AlおよびCu−Mg−Al−Oが特に良好なテーパー形状を得られるという点で好ましい。
本発明における金属積層膜は、銅層と銅酸化物層および/または銅合金層(ただし、銅とモリブデン、銅とチタンおよび銅とクロムからそれぞれなる銅合金を除く)とを有する。積層は、典型的には2層であるが、3層以上であっても一括エッチングすることができる。典型的には、2層基板は銅/銅合金の層構成でなり、3層基板は銅合金/銅/銅合金の層構成でなり、いずれも銅合金が基板に接する層構成である。ここで基板は、これに限定されないが、ガラス、シリコン、セラミック、ポリイミドなどの樹脂など、絶縁材料または半導体としてその表面にパターンを形成されることが所望されるあらゆる材料を含んでもよく、好ましくはガラスまたはシリコンである。
本発明において、過硫酸塩溶液とは、ペルオキソ一硫酸塩および/またはペルオキソ二硫酸塩を含む水溶液であり、過硫酸塩としては、これに限定するものではないが、ペルオキソ一硫酸カリウム、ペルオキシ硫酸水素カリウム(KHSO)、ペルオキソ一硫酸ナトリウム(NaHSO)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム((NH)、ペルオキソ二硫酸カリウム(K)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na)等が挙げられる。
溶解度の観点から、過硫酸溶液は、ペルオキソ一硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム((NH)およびペルオキシ硫酸水素カリウム(KHSOを含む水溶液が好ましい。
「ペルオキソ一硫酸カリウム」という用語は商取引において一般に用いられ、混合三重塩2KHSO・KHSO・KSOを意味するために本明細書において用いられる。「KHSO」という用語は、特にペルオキシ硫酸水素カリウムを意味するために本明細書において用いられる。
ペルオキソ一硫酸カリウムは、オキソンなどの製品名で知られており、この過硫酸塩は溶液安定性が高い、という点でより好ましい。
本発明において、過硫酸溶液とは、ペルオキソ一硫酸カリウム、ペルオキシ硫酸水素カリウム(KHSO)、ペルオキソ一硫酸ナトリウム(NaHSO)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム((NH)、ペルオキソ二硫酸カリウム(K)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na)などの過硫酸塩を含み、活性酸素が0.01〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%、より好ましくは0.5〜2重量%である水溶液である。
固体としてのペルオキソ一硫酸カリウムは、5.2%の理論活性酸素の含有率を有するが、市販の固体の三重塩として、約4.7%の典型的な活性酸素を有する。市販のペルオキソ一硫酸カリウムの純度がわずかな不純物、わずかな量の添加剤および製造プロセスにおける変動のゆえに約95〜98%であることが認識されている。
「活性酸素」は対応する硫酸水素塩を形成させるために必要な酸素の量を超過するペルオキソ一硫酸カリウム三重塩中の酸素の量と定義される。それは、ペルオキソ一硫酸カリウムの分解のための式から百分率として計算してもよい。
式中、[O]は示した分解によって遊離された酸素である。与えられた式を適用する際に、KHSOの重量は、不純物材料が用いられているサンプルの重量によって代替される。活性酸素は、もちろん、多くの反応、たとえば、定量的であるヨウ化カリウムからのヨウ素の置換から決定することが可能である。
(活性酸素の測定)
活性酸素の測定方法は特表2009−539740に順じて行い、標準ヨウ素滴定にて決定する。分析されるべき溶液を冷脱イオン水で希釈し、酸性化し、ヨウ化カリウムで処理し、標準化0.1Nチオ硫酸ナトリウム試薬によりでんぷん指示薬によって目視された終点まで滴定する。活性酸素含有率を次の通り計算する。
%活性酸素 = (mL滴定液×規定度滴定液×0.8)/(グラムサンプル
同様に、%KHSO濃度を以下によって計算してもよい。
%KHSO = %活性酸素/0.105
過硫酸塩および/または過硫酸溶液の濃度は、0.1〜80重量%、好ましくは5〜35重量%である。上記範囲内の濃度であれば、エッチングレートやサイドエッチングを他の成分との組合せにより、それぞれを制御することが可能であるが、これより小さい、または大きい場合は、エッチングレートが極端に低い、または高い状態となるため、制御が困難となる。
本発明のエッチング液組成物は、りん酸を含む。りん酸の濃度は0.1〜80重量%、好ましくは5〜50重量%である。りん酸が上記範囲内よりも小さい、または大きい場合は面内均一性が悪くなり、サイドエッチングが大きくなりやすく、他の成分だけでは制御が困難となる。硝酸および硫酸は、いずれか一方のみ、または両方を含んでもよい。好ましくは硫酸を含むエッチング液である。硝酸および硫酸の両方を含む場合の濃度は合計して0.1〜50重量%であり、好ましくは、硝酸1〜20重量%または硫酸1〜30重量%を含有する。硝酸のみを含む場合、硝酸の濃度は0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%である。硫酸のみを含む場合、硫酸の濃度は0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
本発明の一態様において、本発明のエッチング液組成物は硝酸を含まない。過硫酸溶液とりん酸と硫酸による組成は、過硫酸溶液とりん酸と硝酸の組成に比べて、硫酸イオンが多いため、過硫酸塩のアニオンイオンの溶液安定性を高めることが可能である。また、過硫酸溶液をベースとしたときに、硝酸添加時は、エッチングレートの変動が少ないが、りん酸添加時は高速化し、硫酸添加時は低速化するため、りん酸と硫酸の量を調整することで、エッチングレートが制御しやすい利点がある。
本発明の一態様において、本発明のエッチング液組成物は塩化物イオンを含んでいてもよい。塩化物イオンは、水に溶解して容易に塩化物イオンを生じる化合物または塩酸などを添加することによって、エッチング液組成物中に存在すればよい。塩化物イオンを生じる化合物としては、塩化亜鉛、塩化亜鉛アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、塩化コバルト(II)、塩化銅(II)、塩化パラジウム、塩化イソブチル、塩化イソプロピル、塩化インジウム(III)、塩化エチレン、塩化オレイル、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化銀、塩化クロム(II)、塩化コバルト(II)、塩化コリン、塩化ジルコニウム(IV)、塩化水銀(I)、塩化すず(IV)、塩化すず(II)、塩化すず(VI)、塩化ストロンチウム、塩化セシウム、塩化セリウム(III)、塩化タングステン(VI)、塩化タンタル(V)、塩化チタン(IV)、塩化チタン(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化銅(I)、塩化銅(II)、塩化ナトリウム、塩化鉛(II)、塩化ニッケル(II)、塩化白金(II)、塩化白金(IV)カリウム、塩化バリウム、塩化パラジウム(II)、塩化メチレン、塩化エチレン、塩化リチウムなどの塩化物が挙げられる。とくに酸性溶液中での溶液安定性や微細加工部への濡れ性などの観点から塩酸が好ましい。塩化物イオンは、特に銅合金の溶解速度に寄与することが見出され、速度の制御ならびにテーパー角の制御を可能とする。また、塩化物イオンは水溶液中の移動速度が高いため、被加工物表面の均一な溶解を促進することから、面内均一性が向上し、サイドエッチングの抑制にも繋がる。
塩化物イオンの濃度は、銅合金の膜種や膜厚により、適宜設定することができ、これに限定されるものではないが、0.00001〜30重量%、好ましくは0.00003〜2重量%、さらに好ましくは0.00003〜0.05重量%である。塩化物イオンが上記範囲内よりも小さい場合は面内均一性を向上させる効果がほとんど無く、大きい場合は銅よりも銅合金の溶解が速くなるため、断面形状が悪くなる傾向がある。さらに塩化第一銅と思われる残渣が発生しやすくなる。これは、塩素と銅表面が反応し、銅表面に難溶解性の塩化第一銅が形成され、この塩化第一銅がエッチングを阻害するためと考えられる。しかしながら、本発明のエッチング液組成物は、アンモニウムイオンを添加することで、塩化第一銅の形成を抑制し、残渣の発生を抑制することができる。
アンモニウムイオンは、水に溶解して容易にアンモニウムイオンを生じる化合物を添加することによって、エッチング液組成物中に存在すればよい。アンモニウムイオンを生じる化合物としては、りん酸水素二アンモニウム、アミド硫酸アンモニウム、塩化亜鉛アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化アンモニウムコバルト(II)、塩化アンモニウム銅(II)、塩化アンモニウムパラジウム(II)、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化ヒドロキシルアンモニウム、過塩素酸アンモニウム、過ヨウ素酸アンモニウム、ぎ酸アンモニウム、くえん酸アンモニウム、くえん酸アンモニウム鉄(III)、くえん酸一アンモニウム、くえん酸三アンモニウム、くえん酸水素二アンモニウム、くえん酸鉄(III)アンモニウム、くえん酸二水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、四ほう酸アンモニウム、臭化アンモニウム、しゅう酸アンモニウム、しゅう酸水素アンモニウム、しゅう酸鉄(III)アンモニウム、酒石酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸アンモニウムセリウム(IV)、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、トリフルオロ酢酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、ふっ化水素アンモニウム、ほう酸アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸アンモニウムクロム(III)、硫酸アンモニウムコバルト(II)、硫酸アンモニウム鉄(II)、硫酸アンモニウム鉄(III)、硫酸アンモニウム銅(II)、硫酸アンモニウムニッケル(II)、硫酸アンモニウムマグネシウム、硫酸アンモニウムマンガン(II)、りん酸一アンモニウム、りん酸三アンモニウム、りん酸水素アンモニウムナトリウム、りん酸二水素アンモニウムなどが挙げられ、とくに溶解度の観点から、りん酸二水素アンモニウムやりん酸水素二アンモニウムが好ましい。アンモニウムイオンの濃度は、銅合金の膜種や膜厚、過硫酸溶液や硝酸、硫酸、塩化物イオンの濃度により、適宜設定することができ、これに限定されるものではないが、0.1〜50重量%、好ましくは1〜5重量%である。アンモニウムイオンが上記範囲内よりも小さい場合は、塩化物イオン添加時に起こる残渣発生抑制や、銅合金の溶解速度の制御が困難となり、大きい場合は銅合金の溶解速度が低下しすぎるため、断面形状が悪くなりやすい。
塩化物イオンとアンモニウムイオンの濃度を調整することにより、銅と銅合金の溶解速度を制御することができるため、これを利用して容易にテーパー角を制御することもできる。テーパー角は20〜100度の範囲であり、好ましくは30〜60度である。
さらに、塩化物イオンとアンモニウムイオンは、3層基板のエッチングにおいてさらに効果を有する。すなわち3層基板の場合、レジスト/銅合金間への液の染み込みが大きくなるため、2層基板に比べてテーパー角が小さくなる問題があるが、塩化物イオンとアンモニウムイオンとを添加することで、レジスト/銅合金間と、銅合金/ガラス間の染み込みを調整することが可能となり、3層基板のテーパー角を制御することができる。
本発明のエッチング液組成物には、エッチングを行う面に対するぬれ性を改善するため、さらに1種またはそれ以上の界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、アニオン系またはノニオン系が好ましい。
本発明のエッチング液組成物を用いることにより、過酸化水素水やふっ素化合物を使用せずに単純なエッチング処理によって、安全で高精度にエッチングを行うことができる。また、過酸化水素水を使用する組成のように、銅のエッチングレートを安定化させるために基板処理前に銅の溶かし込みを行う必要がない。さらに有機酸を含まずに、エッチングできるため、レジスト剥がれなどの問題を考える必要がない。
本発明のエッチング液組成物は、過硫酸塩および/または過硫酸溶液、りん酸、硝酸、硫酸、塩化物イオン、アンモニウムイオンを用いて、補給液を調製することも可能であり、たとえばエッチングレートの低下率に合わせて、必要量の過硫酸溶液だけを添加しても、液寿命を延長することが可能であるが、場合により、他の成分も同時に添加すれば、さらに液寿命を延長することが可能となる。これにより、使用コストの低減が可能となる。
本発明のさらなる側面は、銅層と銅酸化物層および/または銅合金層(ただし、銅とモリブデン、銅とチタンおよび銅とクロムからそれぞれなる銅合金を除く)とを有する金属積層膜のエッチング方法であって、過硫酸塩溶液および/または過硫酸溶液0.1〜80重量%と、りん酸0.1〜80重量%と硝酸0.1〜50重量%および/または硫酸0.1〜50重量%とを含有するエッチング液組成物を用いてエッチングする工程を含む、前記エッチング方法に関する。
本発明のエッチング方法によれば、温度により、銅と銅合金の溶解速度が異なるため、これを利用して温度を変更することでテーパー角を制御することも可能である。好ましい温度は、エッチング装置の設定可能な温度条件の観点から、20〜80、より好ましい温度は25〜40である。
本発明のエッチング組成物およびエッチング方法は、新しい銅合金、すなわち、銅−マグネシウム−アルミニウム合金および/または銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物合金を有する積層膜において、とくに優れたエッチング特性を示す。ここで、銅−マグネシウム−アルミニウム合金は、好ましくは、Mgを0.1〜10.0原子%、Alを0.1〜10.0原子%、残部Cuおよび不可避的不純物からなるターゲット材をスパッタリングすることにより得られる合金であり、配線膜用Cu合金膜である。銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物合金は、前記ターゲット材を酸素分圧0.1〜20%条件下においてスパッタリングすることにより得られる合金である。銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物合金による膜は、フラットパネルディスプレイ製造工程中におけるTFTの製造工程で行われる水素プラズマ処理により、酸化膜が還元されることにより密着性が劣化するという問題が生じない(ULVAC TECHNICAL JOUNAL No.71 2009 P24〜28頁)。
本発明の一態様において、本発明のエッチング液組成物およびエッチング方法は、フラットパネルディスプレイにおいて、駆動トランジスタ電極をエッチングするための、エッチング液組成物およびエッチング方法に関する。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により、何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
実施例1〜53
ガラス基板上に500Åの膜厚のCu合金(Cu−Mg−Al)、3000Åの膜厚のCuを成膜した後、レジストパターンを形成し、表1〜4のエッチング液に液温度30℃、ジャストエッチング時間の1.5倍の時間で浸漬した。その後、水洗、乾燥、残渣について評価した。なお、過硫酸溶液にはデュポン社製のLD100(KHSOを主成分とした溶液)を使用した。
結果を表1〜4に示す。また、表1〜3のSEM写真の結果を図1〜3にそれぞれ示す。
LD100(KHSO)の濃度を固定し、硝酸または硫酸濃度と、りん酸濃度変更時のCu/CuMgAl基板の断面形状を確認すると、各種濃度に依存してサイドエッチング量が変化していることから、各濃度を最適化することでサイドエッチング量を抑制できることが分かる。サイドエッチング量は、基板の膜厚の10倍以下であれば十分利用できるが、好ましくは7〜4倍以下であり、より好ましくは3倍以下であり、さらに好ましくは2倍以下である。また、エッチングレートも同時に変化するので、りん酸と硝酸および/または硫酸の濃度を調整することにより、サイドエッチング量とエッチングレートを同時に制御することが可能となる。
実施例54
ガラス基板上に500Åの膜厚のCu合金(Cu−Mg−Al)、3000Åの膜厚のCuを成膜した基板と、ガラス基板上に300Åの膜厚のCu合金(Cu−Mg−Al)、4000Åの膜厚のCuを成膜した基板にそれぞれレジストパターンを形成し、表5のエッチング液に液温度30、40、50℃、ジャストエッチング時間の1.5倍の時間で浸漬した。その後、水洗、乾燥、残渣について評価した。なお、過硫酸溶液にはデュポン社製のLD100(KHSOを主成分とした溶液)を使用した。
結果を表6に、表6のSEM写真の結果を図4に示す。
膜厚が異なる2種類の基板を用いて、液温度変更時の断面形状を確認すると、どちらも温度が上昇するに伴い、テーパー角が上昇していることが認められた。また、Cu(4000Å)/CuMgAl(300Å)基板は、Cu(3000Å)/CuMgAl(500Å)基板よりもテーパー角の変動範囲が広いことを確認した。テーパー角が変化する要因は、CuとCuMgAlの溶解速度が変化するためであり、とくにCuMgAlは液温度に対する依存性が高い。また、基板の膜厚も関与しており、CuMgAlの膜厚が薄いほど、下層からの溶解が速くなるため、テーパー角への影響は大きくなり、これを制御できる範囲も広くなる。
実施例55〜58
ガラス基板上に500Åの膜厚のCu合金(Cu−Mg−Al)、3000Åの膜厚のCuを成膜した後、レジストパターンを形成し、表7、実施例55のエッチング液をベースとして、塩酸添加時の断面形状と残渣について評価した。なお、液温度は30℃とし、ジャストエッチング時間の1.5倍の時間で浸漬した。また、過硫酸溶液にはデュポン社製のLD100(KHSOを主成分とした溶液)を使用した。
結果を表8に、表8のSEM写真の結果を図5に示す。
実施例55の組成をベースに塩酸濃度変更時の断面形状を確認すると、濃度が上昇するのに伴い、テーパー角が上昇することが認められた。また、塩酸濃度の上昇に伴い、サイドエッチング量も抑制できることが分かった。
これは、塩化物イオンがCuよりもCuMgAlとの反応性が高いためであり、これによりテーパー角、または断面形状の制御を可能としている。また、塩化物イオンは水溶液中の移動速度が高いため、被加工物表面の均一な溶解を促進することから、面内均一性が向上し、サイドエッチングの抑制が可能となったと考えられる。
実施例59〜62
ガラス基板上に500Åの膜厚のCu合金(Cu−Mg−Al)、3000Åの膜厚のCu、500Åの膜厚のCu合金(Cu−Mg−Al)を成膜した後、レジストパターンを形成し、表9、実施例59のエッチング液をベースとして、塩酸添加時の断面形状と残渣について評価した。また、塩酸とともに、りん酸水素二アンモニウムも添加して評価した。なお、液温度は30℃とし、ジャストエッチング時間の1.5倍の時間で浸漬した。また、過硫酸溶液にはデュポン社製のLD100(KHSOを主成分とした溶液)を使用した。
結果を表10に、表10のSEM写真の結果を図6に示す。
実施例63〜66
ガラス基板上に500Åの膜厚のCu合金(Cu−Mg−Al)、3000Åの膜厚のCu、500Åの膜厚のCu合金(Cu−Mg−Al)を成膜した後、レジストパターンを形成し、表11、実施例63のエッチング液をベースとして、塩酸添加時の断面形状と残渣について評価した。また、塩酸とともに、りん酸水素二アンモニウムも添加して評価した。なお、液温度は30℃とし、ジャストエッチング時間の1.5倍の時間で浸漬した。また、過硫酸溶液にはデュポン社製のLD100(KHSOを主成分とした溶液)を使用した。
結果を表12に、表12のSEM写真の結果を図7に示す。
3層(CuMgAl/Cu/CuMgAl)基板では2層(Cu/CuMgAl)基板に比べて、テーパー角が小さくなりやすい。そのため、サイドエッチング量が少なく、順テーパーを維持したエッチングは可能であるが、塩酸の添加濃度のみでテーパー角を精度よく制御するのは困難であった。ある程度、塩酸濃度を上昇させることで断面形状を変化させることは可能だが、塩酸濃度が高すぎると、塩化第一銅と思われる残渣が基板表面に発生しやすくなる。これに対し、塩酸とりん酸水素二アンモニウムの濃度を制御して添加すると、残渣の発生を抑制し、順テーパーを維持したままで、テーパー角の大きなエッチングが可能となり、テーパー角を制御できることが認められた。
実施例67および比較例1
ガラス基板上に500Åの膜厚のCu合金(Cu−Mg−Al)、3000Åの膜厚のCuを成膜した後、レジストパターンを形成し、表13のエッチング液を用いて、エッチング評価を行った。試験方法として、基板をビーカーに浸漬させてエッチングするディップ試験と、基板にエッチング液を霧状に噴霧させてエッチングするスプレー試験の2種類を用いた。液温はどちらも30℃、ジャストエッチング時間の1.5倍の時間処理し、その後、水洗、乾燥、残渣について評価した。なお、過硫酸溶液にはデュポン社製のLD100(KHSOを主成分とした溶液)を使用した。
結果を表14に、表14のSEM写真の結果を図8に示す。
過硫酸塩、りん酸および硫酸を含む実施例67とりん酸+硝酸+酢酸系の比較例1を用いて、ディップ試験とスプレー試験による評価を行った。ディップ試験では、どちらの組成でも断面形状は順テーパーで残渣なしと、良好な結果が得られるが、スプレー試験では比較例1のみ断面形状が両端が先細りになった、矢の先端に似た形状(矢形状と記す)になることが判明した。
この原因は2つの液の溶解性能の違いにあると考えられる。過硫酸塩、りん酸および硫酸を含む本発明のエッチング液では、ビーカー試験において、撹拌速度の上昇に伴い、Cuのエッチングレートも上昇するが、りん酸+硝酸+酢酸系では、撹拌速度の上昇に伴い、Cuのエッチングレートは低下する傾向にある。ビーカー試験の撹拌速度はスプレー試験の流量と同等の傾向を示すことから、りん酸+硝酸+酢酸系では、スプレー流量の上昇に伴い、エッチングレートは低下することとなる。また、スプレー試験の流量は、ビーカー試験の撹拌速度よりも制御し難く、流量は高くなりやすい(低くしにくい)傾向にある。
よって、比較例1の組成ではスプレー噴霧のみではほとんど溶解が進行しない。噴霧した液が基板上にたまることで溶解させることが可能であるが、この基板上にたまる液のエッチングレートがスプレー噴霧のエッチングレートより高いため、たまった液に接している下層の溶解が上層よりも早く進行し、断面形状が矢形状になると推測される。
また、比較例1のスプレー試験では、基板の端部に残渣が発生しやすいなどの問題もあり、たとえ、スプレー装置の流量を細かく設定できたとしても、制御範囲が狭いために使用しにくい。これに比べて、実施例に用いた組成は、ディップ試験でもスプレー試験でも細かい条件の設定を必要とせず、断面形状が良好で残渣を発生しない組成調製が可能である。

Claims (14)

  1. 銅層と銅酸化物層および/または銅合金層(ただし、銅とモリブデン、銅とチタンおよび銅とクロムからそれぞれなる銅合金を除く)とを有する金属積層膜をエッチングするためのエッチング液組成物であって、
    過硫酸塩溶液および/または過硫酸溶液0.1〜80重量%と、りん酸0.1〜80重量%と、硝酸および/または硫酸0.1〜50重量%とを含有し、有機酸を含有しない、前記エッチング液組成物。
  2. 過硫酸塩溶液がペルオキソ一硫酸カリウム、ペルオキシ硫酸水素カリウム(KHSO)、ペルオキソ二硫酸アンモニウムまたはペルオキソ二硫酸カリウムを1種または2種以上含む水溶液であることを特徴とする、請求項1に記載のエッチング液組成物。
  3. 過硫酸塩溶液および/または過硫酸溶液が、ペルオキシ硫酸水素カリウム(KHSO)を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のエッチング液組成物。
  4. 過硫酸溶液が、ペルオキソ一硫酸カリウム、ペルオキシ硫酸水素カリウム(KHSO)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウムを1種または2種以上含み、活性酸素が0.01〜5重量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
  5. 硝酸を含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
  6. さらに塩化物イオンを0.00001〜30重量%含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
  7. さらにアンモニウムイオンを0.1〜50重量%含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
  8. 金属積層膜が、銅/銅合金、または銅合金/銅/銅合金の層構成であり、銅合金が基板と接している、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
  9. 銅合金が、銅−マグネシウム−アルミニウムまたは銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
  10. フラットパネルディスプレイにおいて、駆動トランジスタ電極をエッチングするための請求項1〜9のいずれか一項に記載のエッチング液組成物。
  11. 銅層と銅酸化物層および/または銅合金層(ただし、銅とモリブデン、銅とチタンおよび銅とクロムからそれぞれなる銅合金を除く)とを有する金属積層膜のエッチング方法であって、請求項1〜10のいずれか一項に記載のエッチング液組成物を用いてエッチングする工程を含む、前記エッチング方法。
  12. 金属積層膜が、銅/銅合金、または銅合金/銅/銅合金の層構成であり、銅合金が基板と接している、請求項11に記載のエッチング方法。
  13. 銅合金が、銅−マグネシウム−アルミニウムまたは銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物である、請求項11または12に記載のエッチング方法。
  14. フラットパネルディスプレイにおいて、駆動トランジスタ電極をエッチングする、請求項11〜13のいずれか一項に記載のエッチング方法。
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