上記に照らして、本発明の一課題は、野菜の色及び味が非常に満足できる程度に維持される蒸し条件を、単純に加熱能力を高めることなく実現し得るという点で緑色野菜の蒸し調理用途のための使用に非常に適した蒸し器を提供することである。本課題は、少なくとも1つのチャネルを介してリザーバと蒸気室とが流体連結し、チャネルは、それぞれの流れの性質の違いに基づき、リザーバから蒸気室への水の流入を可能にする一方、蒸気室からリザーバへの水の流入に抵抗し、基部は、リザーバ内に蒸気室を定めるための分離管を更に備え、分離管が基部内に設置されているとき、分離管の第1の端部はリザーバの底部に接触し、分離管の第1の端部は、リザーバと蒸気室との間のチャネルを形成するための凹部を備え、チャネルは凹部の壁及び底部、並びに分離管によって覆われるリザーバの底部の一部によって定められる、食品蒸し器によって達成される。
本発明が適用される場合、蒸気室、蒸気室に関連付けられた加熱手段、及び蒸気室に水を供給するための蒸気室と流体連結するリザーバとを含む蒸し器において、非常に効果的な加熱プロセスを実現することができる。US6,840,159は、蒸気室内の水を残りの水から分離するために使用されるスリーブが、一方の水を他方の水から熱的に隔離できないことに基づき、蒸発速度が最適より低いことを教示する。これに照らして、内壁層及び外壁層を有するジャケット付き管状壁と内壁層と外壁層との間に定められる閉鎖された隔離空間とを含む高速蒸気生成キャップの適用にソリューションが見つけられる。しかし、本発明の根幹的な洞察によれば、蒸発速度に影響を及ぼすより支配的な別の要因が存在し、つまり、蒸気室内の水が蒸気室の給水口を介してリザーバの比較的冷たい水と流体連結することである。重力の影響下で、特に連通管の原理に基づき、水が蒸気室からリザーバにではなくリザーバから蒸気室に流れることを予期することは当然のように思えるが、蒸気室内の沸騰プロセスが乱流パターン及び動圧変化を作り出し、給水口を介して熱水を押し出すことがわかった。給水口がどんなに小さかろうと、これはリザーバへの顕著な熱漏れを起こし、蒸気生成を遅くする。
給水口を最小化及び正確に調整することは蒸気生成を速める方法の1つであるが、加熱器の水が空になり得ることを考慮すれば給水口をあまりに小さくすることはできないため、冷水と熱水とのいくらかの混合は避けられない。本発明によれば、リザーバと蒸気室との間に少なくとも1つのチャネルを有することによって上述のような問題に対するソリューションが得られ、ここで、それぞれの流れの性質の違いに基づき、リザーバから蒸気室に水が流れることを可能にする一方で蒸気室からリザーバへの水の流れに抵抗するようチャネルを構成する可能性が認識される。
リザーバと蒸気室との間のチャネルの所望の構成を実現するために、基部は更に、リザーバの底部と接触する端部に凹部を備える分離管を有し、明確さのためにこの端部を第1の端部と呼ぶ。広義の意味では、蒸気室を定める機能に関する限りでは、分離管はUS 6,840,159から知られるスリーブと比較され得る。しかし、当該周知のスリーブはリザーバの底部に接触する端部にチャネルを形成するための凹部を備えておらず、上述したように、蒸気室への給水口を形成するためのノッチを有するのみである。
分離管の第1の端部、すなわち、リザーバの底部に接触する端部は上述のように凹部を備え、更に、分離管の第1の端部がリザーバの底部と接触するときに分離管の外部から凹部にアクセスすることを可能にするノッチが設けられ得る。ノッチの数は少なくとも2つであり、1つのノッチが分離管の外部から凹部へのアクセスを提供するためにリザーバ側に配置され、別のノッチが分離管の外部から凹部へのアクセスを提供するために蒸気室側に配置される。分離管の内周及び外周が共に円形であるように分離管が形成される場合、凹部は環状の形状を有し得る。
好適には、分離管の第1の端部の外周内のノッチは、分離管の長軸に関して、分離管の第1の端部の内周内のノッチとは異なる角度位置に配置される。このようにすることで、蒸気室とリザーバとの間の水流を弱め得る迷路を得ることができる。動圧の差が蒸気室の水がリザーバに流れることを防ぐ一方、迷路の寸法は、蒸しプロセス中にリザーバから蒸気室に水が十分供給されることを可能にするのに十分な程度に大きくあり得る。
US2006/108348は、基部内に配置される容器を含む蒸気調理器に迷路を適用することを開示していることを述べる。容器を互いに流体連結する中央部分と周辺部分とに分割するために、2つの相互作用する隔壁が設けられている。迷路は2つの隔壁の間に存在し、例えばループ状であり、容器の底壁の上面から実質的に垂直に延び得る。特に、隔壁はその内部に、外側隔壁の片側沿いに第1の開口部が設けられ、第1の開口部の反対の内壁の片側沿いに第2の開口部が設けられるループ状のチャネルを定める。第1及び第2の開口部は好ましくは隔壁の底部に配置される。望ましい場合、隔壁はそれぞれ2つ以上の開口部を備えてもよい。
US2006/108348は、隔壁及び開口部が容器内の水の移動を制御し、中央部分と周辺部分との間の流体連結を管理し、中央部分内の水の温度に対して水を比較的低温に保つことを教示する。したがって、この隔壁の適用は、周辺部分内の水、そして基部の側壁の加熱を防止するのに有用であり、よってエネルギーの浪費及び蒸気調理器のユーザーが火傷を負うリスクが相当に低減される。しかし、この2つの隔壁の周知のアプリケーションは、隔壁間の距離が比較的小さいために基部の製造が非常に難しいという欠点を有する。この距離については、わずか4mmの実施例が開示されている。当該周知の構成の他の欠点は、低い洗浄可能性である。蒸気調理器のユーザーが隔壁間に存在する狭い空間を洗浄することは現実的には不可能である。更に、隔壁の底部に位置する開口部にユーザーがアクセスすることは困難である。ウォーターリザーバにおいて、特に水が頻繁に加熱される場合、スケール(湯垢)沈積が発生することが良く知られている。スケールによる汚染及び場合によっては他の種類の汚染により、開口部及び/又は狭い中間空間の閉塞が予測でき、これは蒸気調理器の蒸し機能に不利な影響を及ぼす。
US2006/108348から知られる蒸気調理器に関連する問題は、蒸し器が、間に狭い空間を定める2つの隔壁の代わりに、リザーバの底部に面する端部に凹部を有する分離管を備えることに照らして、本発明に係る蒸し器には該当しない。上述のような分離管は、例えば従来の方式で押出し成形技術を用いることによって簡単に製造でき、洗浄作業は、分離管を蒸し器の基部から取り外し、この場合は容易にアクセス可能な分離管の第1の端部にブラッシング、スクラビング、又は他の処理を施すことしか要さない。
本発明に係る蒸し器の実践的な一実施形態では、リザーバから蒸気室への水の流れの性質と蒸気室からリザーバへの水の流れの性質との間の違いが利用される。特にこのような実施形態では、リザーバと蒸気室との間のチャネルは、水が安定して通過することを可能にしながら、頻繁に変動する水の流れに抵抗するよう構成される。このようなチャネルは、電気分野においていわゆる抵抗−コンデンサネットワーク(RCネットワーク)によって達成されるものに相当し得るローパスフィルタのように機能する。水力分野においては、チャネルの適切な構成を選択することによって所望の機能を達成することができる。
本発明の枠組みにおいて、チャネルの断面が0.5〜50mm2の範囲内であり、チャネルの長さが最大で500mmの場合、好適である。この点について、断面と長さとの比がいわゆるカットオフ周波数、すなわち、水の流れが高度に抵抗される最小周波数を決定することに留意されたい。完全さのため、チャネルの断面に関して、断面が任意の形状を有し得ることを更に留意されたい。
上記説明に基づき、本発明は蒸し器の蒸発速度を高める方法を提供し、自然現象を利用することによって蒸気室からリザーバへの熱損失が最小化される。したがって、本発明が適用される場合、依然として、連通管の原理に基づき、重力のみの影響のもとで蒸気室を自動的に満たすことができる。本発明の1つの達成は、もっぱら構造的な性質から成り、容易な製造及び優れた洗浄可能性を可能にするデザインを伴う手段に基づき所望の効果が達成されることである。
好ましくは、本発明に係る蒸し器では、蒸気生成に関わる構成要素、特に蒸気室、関連付けられた加熱手段、リザーバ、及びリザーバと蒸気室との間のチャネルは、少なくともデバイスによって実行される蒸しプロセスの始動後1.5から5分の期間において、加熱手段が与える熱のジュールあたり少なくとも0.2gの平均蒸気発生効率を実現することができる。上述したように、蒸される食品の加熱プロセスは可能な限り速く実行されるべき重要なプロセスである。本発明に係るデバイスのリザーバと蒸気室との間のチャネルの特殊な特徴により、比較的速い蒸気発生効率を達成することが実際に可能である。有利な結果として、蒸される食品の好ましい加熱速度を達成することができる。完全さのため、蒸しプロセスの始動後の1.5から5分の期間は、デバイスの動作の始動段階に関連付けられる期間、すなわち、デバイスの起動において開始するデバイスの動作フェーズとして表され得ることに留意されたい。始動フェーズ中、食品を蒸すことに関わるデバイスの全ての構成要素、特にバスケットは、周囲温度からかなり高い温度まで温められなければならない。したがって、蒸される食品が速く加熱されるプロセスを保証するためには、比較的多量の蒸気の生成が必要である。リザーバと蒸気室との間の流体連結を介して起こる熱損失を考慮すると、周知の蒸し器はあまり効率的ではなく、始動フェーズ中、本発明に係るデバイスの蒸気生成ほど速い蒸気生成を達成することはできない。
本発明が適用される場合、少なくとも上記したような期間中、すなわち、デバイスによって実行される蒸しプロセスの始動後1.5から5分の期間中、加熱手段が与える熱のジュールあたり少なくとも0.3gの平均蒸気発生効率を実現することさえ可能であり得る。いずれにせよ、少なくとも上記の期間中、加熱手段によって提供される熱のジュールあたり少なくとも0.1gの平均蒸気発生効率を実現することができる。蒸気発生効率が高い場合、より高い蒸し速度が得られ、よってより速い加熱速度が達成されることが理解されよう。本発明は、蒸し野菜の優れた色及び味を保証するために十分な加熱速度を実現する実践的な可能性を提供する。
蒸される食品を支持するための底部のようなもの及び底部上の蒸される食品を保持するための壁のようなものが存在する限り、バスケットは任意の適切な形状を有し得る。実践的な一実施形態では、底部は多かれ少なかれ平坦な外形を有するよう選択され得る。壁は例えば円形若しくは楕円形に基づいて、又は正方形若しくは長方形に基づき形成されてもよく、角が丸められてもよい。いずれにせよ、壁の形状は、蒸しプロセス中、より中央に位置する領域より低い温度に保たれる傾向にある又はデバイス内の様々な位置に加熱器が存在することを要求する突出した領域がバスケット内に存在しないよう、壁とバスケットの幾何学的中心軸との間の最大距離及び壁と当該軸との間の最小距離が互いに過度に異ならない、すなわち、両者が同等なオーダーの大きさを有するよう選択されることが好ましい。完全さのために、平坦な底部と、底部に対して垂直に延び、対称形状を有する壁を備えるバスケットでは、幾何学的中心軸は壁の対称軸によって定められ、壁と平行に且つ底部に垂直な方向に延びる直線であることに留意されたい。
本発明に係る蒸し器の好適な一実施形態では、基部は更に、食品蒸し器の動作中に少なくとも1つのバスケットからの流体を受けるための、及びリザーバの開いた上面を閉じるためのドリップトレイを更に備え、分離管及びドリップトレイが基部内に設置されるとき、分離管の第2の端部はドリップトレイに接触してドリップトレイをリザーバの底部上で支持する。ドリップトレイが存在する場合、分離管をドリップトレイの一部とすることができ、この場合分離管はドリップトレイの底部から下方に延びる。しかし、このような場合、製造誤差のため、分離官とリザーバの底部との間には通常顕著なギャップが存在する。本発明の枠組みにおいて、このようなギャップは蒸気室の比較的熱い水とリザーバの比較的冷たい水との混合を避けるために取られた手段を無効にするため、このようなギャップの存在は認められない。一部の場合では、US6,840,159から知られる場合のように、分離管はリザーバの底部に載置される別個の部品として実施される。これは製造誤差の問題を大幅に排除するので、良好に画定された蒸気室の給水口を得ることができるが、消費者がしばしば分離管を設置し忘れたり又は紛失することさえあるため、別個の部品を有することは大きな欠点である。本発明は、ドリップトレイとリザーバの底部との間に延在し、分離管とドリップトレイとが蒸し器の基部内に配置されるときにリザーバの底部上でドリップトレイを支持する分離管を提供することによってこのジレンマを克服する。ドリップトレイの重量の影響のもと、製造誤差の問題が排除され、分離管をドリップトレイの一体部分とすることができ、よって別個の部品を有することに関連する問題も解決することができる。
US6,840,159から知られる蒸し器の場合と同様に、本発明に係る蒸し器の加熱手段はリザーバ内に配置される電球状の加熱部を含み得る。蒸気室が比較的小さい体積を有することによって蒸気室内の水の加熱が最小の時間を要するようにし、得られる電力に対して最大蒸気生成が達成できるよう、分離管が基部内に配置されたとき、分離管は加熱部を近距離で包囲する。加熱手段については、本発明の枠組みにおいて任意の適切な実施形態が可能であり、電球状の加熱部は多くの可能性のうちの一例に過ぎないことに留意されたい。
本発明によれば、蒸しプロセス中、100℃未満の温度で蒸し調理が実行されるフェーズを少なくとも1つ有することが好ましい。酵素に最適な発現がもたらされることに基づき、魚、芋、及び米等の多様な食品において、このような低温蒸し調理が最適な味及びテキスチャをもたらすことがわかった。したがって、温度が正確に制御される蒸しプロセスを実現するニーズが存在する。これに関して、蒸し器内の加熱手段のための電源を制御するための回路を備えることが提案され、ここで、回路は温度センサを備え、温度センサは、蒸気室の蒸気出口の幾何学的中心軸と直交する平面内において蒸気出口の幾何学的中心軸及び温度センサの位置の両方と交差する仮想直線に沿って測定された場合、蒸気出口の外壁及びその延長によって定められる第1の仮想環状面に関して、第1の仮想環状面と少なくとも1つのバスケットの壁及びその延長によって定められる第2の仮想環状面との間の全長の0.5〜0.9の範囲内の距離に配置される。言い換えれば、長軸が蒸気出口の幾何学的中心軸によって構成される円柱状の座標系を仮定すると、蒸気出口に関連する仮想環状面に対する温度センサの半径距離は、温度センサが存在する基準面において温度センサと交差する半径沿いに測定された場合、上記仮想環状面と少なくとも1つのバスケットに関連付けられる仮想環状面との間の全長の0.5〜0.9の範囲内である。
したがって、蒸し温度の正確な制御を実現するためには、温度センサを備える適切な制御回路を有することが好適である。本発明の根幹的な洞察によれば、温度センサの配置に関して賢明な選択をすることは重要である。温度センサが蒸し器の外部にあまりに近くに配置される場合、センサによって実行される測定はデバイスの周囲の温度、すなわち室温によって影響され過ぎ、また温度センサが蒸気室の蒸気出口にあまりに近くに配置される場合、センサによって実行される測定は蒸気の温度によって過度に影響される。本発明の1つの達成は、最も正確な結果が得られる配置に基づき、温度センサの配置に関して特定の範囲が定められることである。
理論的には、センサがバスケット内の食品に近い実際の温度を表す最も正確なデータを与え得るよう、温度センサの理想的な位置は少なくとも1つのバスケット内の位置である。しかし、複雑な構成が必要となるため、このような位置はあまり実用的ではない。他の欠点は、センサがさもなければ食品を収容するために使用され得た空間を占有することであろう。実践的な代替案として、蒸し器がドリップトレイを備える場合、温度センサをドリップトレイ内の位置に配置することができる。このようにすることで、温度センサを少なくとも1つのバスケットの底部の近くに配置することができ、よって、蒸し器の構成及び/又は他の機能に干渉することなく、バスケット内の食品の領域内を支配する温度を表す適切なデータを提供することができる。
好適には、制御回路は、食品蒸し器の動作中に少なくとも3つの温度フェーズを実現するようプログラミングされ、中間温度フェーズに関連付けられる温度は開始温度フェーズ及び最終温度フェーズに関連付けられる温度より低い。この場合、中間温度フェーズは上述のような低温蒸しフェーズであり得る。しかし、低温蒸し処理を使用する場合、食品が仕上がるまで、通常の100℃での蒸しよりはるかに多くの時間を要する。この問題は、第1のフェーズ中、蒸し器が温まるのに十分に長いが、食品が過熱されるほどには長くない時間にかけて速い加熱プロセスが実行され、第2のフェーズ中、食品の味及びテキスチャが最適となるには十分長いが、蒸しプロセス全体が不必要に長くなるほどには長くない時間にかけて低温蒸しプロセスが実行され、第3のフェーズ中、食品の焼き具合を達成するために低温蒸しプロセスと比較して加速された態様で通常の蒸しプロセスを実行する上記のような3つの温度フェーズを実現することによって克服される。完全さのため、低温蒸しプロセスについて、かかるプロセスは例えば、EP2 338 390に記載されるように蒸気パワーを低減することによって及び/又は蒸気に空気を加えることによって達成され得ることに留意されたい。
第3の温度フェーズの後、調理が完了した食品が保温される第4の温度フェーズが続いてもよい。特に、本発明に係る蒸し器において、次のようなフェーズが実現され得る:第1のフェーズでは、2〜10分の範囲内の時間にかけて、温度が80℃〜100℃の範囲内に設定され、第2のフェーズでは、0〜120分の範囲内の時間にかけて、温度が50℃〜90℃の範囲内に設定され、第3のフェーズでは、0〜120分の範囲内の時間にかけて、温度が90℃〜100℃の範囲内に設定され、第4のフェーズでは、0〜60分の範囲内の時間にかけて、温度が60℃〜100℃の範囲内に設定される。例えば、魚を蒸すプロセスでは、第2のフェーズ中の設定値が60℃〜80℃であり、第3のフェーズの時間が0分であり、よって第3のフェーズがスキップされると好適であり、このような方法により、従来の蒸しプロセスの結果に対して魚の味及びテキスチャを改善することができる。芋を蒸すプロセスでは、第2のフェーズ中の設定値が60℃〜80℃であり、第2のフェーズの時間が15〜60分であるとき好適あり、このようにすることで、従来の蒸しプロセスの結果に対して芋の味及びテキスチャを改善することができる。米を蒸すプロセスでは、第2のフェーズ中の設定値が45℃〜60℃であり、第2のフェーズの時間が15〜60分であるとき好適であり、このようにすることで、従来の蒸しプロセスの結果に対して米の味及びテキスチャを改善することができる。
蒸し器において蒸される食品に風味及び香りを加えるためのアイテムを収容するためのトレイを備えることは周知である。例えば、US5,653,161は、デバイスの蒸気室からデバイスのバスケットへの蒸気出口として機能する管内に存在するハーブ、スパイス又は任意の他の適切な種類の食品香りづけアイテムを支持するためのスクリーンを備えるドリップトレイを有する蒸し器を開示する。このようにすることで、ハーブ及びスパイスがスクリーン上に置かれると、実際に、食品が調理されるにつれ蒸気内にそれらが含まれることが達成され、食品は調理されている間中香りを吸収することができる。ハーブ及びスパイスの追加は、蒸し器のユーザーが新鮮な野菜及び他の食品の味を強化する新たな風味を体験することを可能にする。ハーブ及びスパイスをスクリーン上に備え、これによりそれらを沸騰水から隔離することにより、リザーバ及び蒸気室の洗浄が容易にされ、加熱器における望ましくない滞留物の堆積を低減することができる。スクリーンの使用に伴う問題は、スクリーン上にかなりの量の香りづけアイテムが存在する場合、蒸気出口を介して換気され得るより速く蒸気が生成されることが起こり得る。US5,653,161は、この問題を解決するために、過剰な圧力が換気され得るよう、蒸し器が圧力ベントを備えることを教示する。換気される蒸気は依然として食品を調理するために使用され、単に香りづけアイテムによって香りづけされないだけである。言い換えれば、蒸気出口のバイパスを使用することによって高圧状況を回避するために、調理される食品の味及び香りが妥協される。結果として、食品の香りづけの効果が著しく損なわれる。
完全さのため、いかなるときにも高圧状況が避けられるべきであることに留意されたい。まず、蒸気出口における対圧のため、かかる状況は蒸し器のオン/オフ切り替えを生じ、これは蒸される食品が利用可能な蒸気パワーの低減を引き起こす。また、蒸気圧が蒸し器のあらゆる可能な孔を介して熱水を蒸気室から押し出すため、安全が損なわれ得る。一般的に、デバイス内の内圧が高い状況は望ましくない状況であり、極端なケースでは、蒸気は装置の最も弱い要素を押し出すことによって強引に脱出し得る。
本発明の1つの課題は、蒸される食品に風味及び香りを加えるためのアイテムを収容するためのトレイを更に含み、トレイは蒸気を少なくとも部分的に通過させる底部を有し、US5,653,161から知られる蒸し器と同様に、食品蒸し器の定位置において少なくとも1つのバスケットの下方であって、食品蒸し器の動作中に蒸気が辿る蒸気室からバスケットへの経路内に配置され、また、バスケットへの蒸気室の蒸気出口の上にルーズに配置される蒸し器を提供することであり、ここで高圧状況問題は、トレイを常時のバイパスを有さない別の方法によって解決され、よって香りづけアイテムが最適な程度に使用され得る。この課題は、トレイが少なくとも1つのバスケットへの蒸気室の蒸気出口の上にルーズに置かれる蒸し器によって達成される。
本発明に関して、蒸される食品に風味及び香りを加えるためのアイテムを収容するトレイ(以下、アロマインフューザと呼ぶ)を、一種のバルブとして使用されるような形で蒸し器内に配置できることが発見された。特に、トレイが蒸気出口の上にルーズに配置される構成を選択することにより、圧力が過度に高くなったときにアロマインフューザが持ち上げられる安全機構が実現される。アロマインフューザの初期ポジションでは、少なくとも1つのバスケットに入る前に全ての蒸気がアロマインフューザによって支持されるハーブ及びスパイスを通過する。アロマインフューザが持ち上げられたポジションでのみ、蒸気はアロマインフューザを迂回し得る。このようにすることで、蒸気がアロマインフューザを迂回し得る時間が最小に抑えられるので、アロマインフューザによって支持されるハーブ及びスパイスの最適な使用が保証される。したがって、トレイは、蒸気出口全体を覆うように配置され、最大香り輸送と蒸し器の安全且つ高いパフォーマンスとを組み合わせる、蒸し器の分離した部品である。
本発明の枠組みにおいて、初期ポジションにおいてアロマインフューザが載置され得るよう、蒸気出口の上面に一種の台座が存在してもよい。また、アロマインフューザが持ち上げられ得る前にまず蒸気によって対抗されなければならないばね力をアロマインフューザに付与するために弾性体が使用されてもよい。当然ながら、弾性体によって付与されるばね力は、アロマインフューザの下方の圧力が過度に高くなるリスクを回避するのに十分低くあるべきである。蒸気によってアロマインフューザが持ち上げられ得る閾値の力を決定する3つのファクタは、蒸気ばね力、アロマインフューザの重量、及びアロマインフューザと蒸気出口、場合によっては蒸気出口の上面の台座との間の摩擦力である。アロマインフューザの断面積掛ける蒸気によって付与される圧力によって定められる力がアロマインフューザの重量、アロマインフューザの蒸気出口に対する接触部に関連する摩擦力、及び存在し得るばね力の合計を超える場合、アロマインフューザが蒸気出口から持ち上げられて圧力が下がる。蒸気圧が下がるや否や、アロマインフューザは再び低位置ポジションを取る。一般的に、蒸気が上述のような閾値の力に関連付けられた閾値より高くなり得る状況が起こり得ないアロマインフューザのポジションは自動的に調整される。
アロマインフューザの使用に関連する他の問題は、ハーブ及びスパイスが濡れると香り輸送効果が低減することに存在し、これは適切な対策が取られていない場合に水及び蒸気が存在する環境において容易に起こり得る。特に、少なくとも1つのバスケットから蒸気出口に凝縮蒸気が漏れて戻り、水はアロマインフューザを通過し、アロマインフューザが保持するアイテムを湿らせる。また、水がアロマインフューザに漏れるとアロマインフューザが多かれ少なかれ閉塞され、結果として食品の加熱プロセスが妨害され得る。アロマインフューザに関連する問題のほか、少なくとも1つのバスケットから蒸気出口に水が流れ落ちる状況に関連する一般的な問題が存在する。この一般的な問題は、水が純粋な水ではなく、蒸される食品が水の中に物質を渡した可能性があるため、水がタンパク質、でんぷん等を含むことによる。タンパク質、でんぷん等を含む水がリザーバ及び蒸気室内に落ちると、リザーバ内に存在する水中で泡が発生する。泡はリザーバからドリップトレイに水を運ぶため、リザーバが過度に速く空になり、リザーバ内では油汚れが得られる。概して、水がアロマインフューザ及びその下の蒸気室の蒸気出口に逆流することを防止する方法が必要である。
本発明によれば、上記問題は、少なくとも1つのバスケットの底部が、凹面がトレイに面するドーム状領域をトレイを覆う位置に備えるよう設計をすることによって解決される。ドームの半径は、アロマインフューザ及び蒸気出口の半径に少なくとも等しくなるよう容易に選択され得る。ドーム状領域の上に垂れる水はドーム状領域の外周に流れ、その位置において少なくとも1つのバスケットを出る。水はアロマインフューザ及び/又は蒸気出口に落下できない。ドーム状領域の裏面に存在する水は、重力及び水とドーム状領域との間の付着力によってドーム状領域の外周に流れる。
好適には、ドーム状領域を含め少なくとも1つのバスケットの全領域において良好な蒸しパフォーマンスが保証されるよう、ドーム状領域内に蒸気を通過させるための孔が設けられる。好ましくは、水滴が孔を介して落下してアロマインフューザ及び/又は蒸気出口に結局到達することを避けるために、ドーム状領域の裏面にリブが設けられ、各リブは孔とドーム状領域との間に延在する。リブの存在により、重力及び付着力の影響のもと、孔から垂れる水がドーム状領域の外周にガイドされ、よって少なくとも1つのバスケットから水が落下するとき、水がアロマインフューザ及び/又は蒸気出口に到達することは不可能である。ドーム状領域の外周に到達するまで水がリブから落ちないというリブのガイド機能を強化するためには、リブが2つの平行する縁を有することが実践的な選択肢の1つであり、毛管力が同様に重力に対抗して水をリブに保つ役割を果たす。
アロマインフューザ及びアロマインフューザの内容物が濡れ得る他の態様は、蒸気室内の沸騰水のアロマインフューザの方向の蒸気出口を介する飛散の影響下である。これは、直接の飛散を防ぎつつ蒸気を通過させるよう適合されたある種のシールド手段を蒸気出口内に配置することによって解決される。実践的な一実施形態では、シールド手段は、デバイスの動作中に蒸気が通過する蒸気室から少なくとも1つのバスケットへの経路の方向で見た場合に互いに異なる位置にある孔を有する少なくとも2つの層を含むユニットの形態で提供され得る。2つの層の孔がずれた位置にあるため直接の飛散は不可能であるが、一方で蒸気は孔を通じて層を通過することができる。当該ユニットは複雑な道具組み立て又は分離した部品を要することなくプラスチックから形成され得る。
本発明に係る蒸し器は、加熱手段の温度が所定の上限値を上回った場合に加熱手段への給電を停止するためのリセット可能な熱的カットオフ要素と、加熱手段に給電がされているか否かを検出するための手段と、加熱手段への給電を制御するため及び検出手段から情報を受け取るための回路と、補充表示器とを備え、制御回路は、加熱手段への給電を実現するための状態にあるにも関わらず、検出手段によって供給された情報が加熱手段が給電されていないことを示すときに補充表示器を起動するようプログラミングされる。蒸し器における空のリザーバ又はほぼ空のリザーバの検出はかかるデバイスのユーザーにとって便利なオプションであることが良く知られている。フロート等の手段による検出の実行は高価であり、また汚れに弱い。加熱手段への給電をオフに切り替えるときを検出し、その状況を加熱手段の動作が必要な状況と比較する熱的カットオフ要素(サーモスタットとも知られる)を使用することにより、加熱手段のオーバーヒートの表示を提供することができる。これは実際には、制御手段が電源がオンであるべきことを示すが熱的カットオフ要素によってオフにされる場合である。蒸し器の通常の機能を仮定すると、加熱手段はリザーバ内に十分な水が存在しない場合にのみオーバーヒートし得るので、補充が必要であることの表示はオーバーヒート状況の検出に基づき得る。この方法で補充信号を生成することによる代償はほとんどなく、一方で信頼性は非常に高い。
本発明の上記及び他の側面は、以下の蒸し器及び蒸し器の様々な構成要素の詳細の説明を参照して説明され、明らかになるであろう。
図1は本発明に係る蒸し器1の分解図を示し、図2は蒸し器1の側面図を示し、図3は蒸し器1の長軸方向の断面図を示す。図1及び図3では蒸し器1のバスケット5が1つのみ示されているが、図2では3つのバスケット5、6、7が示されている。図2に示されるような蒸し器1の配置が蒸し器1の定位置である。以下、「下」及び「上」等の用語が使用される場合、蒸し器1のこの定位置が仮定されることに留意されたい。特に、蒸し器1の定位置は、蒸し器1の基部2が蒸し器1の底面にあり、基部2の上にドリップトレイ3が置かれ、ドリップトレイ3の上に1つ以上のバスケット5、6、7が置かれ、バスケット5、6、7の上に蓋8が置かれる向きである。
蒸し器1は、食品を蒸すことによって食品を調理することを意図される。このようにして調理され得る食品の種類は、米、魚、並びに芋、ブロッコリー、カリフラワー、にんじん等の野菜を含む。必要に応じて、1つ以上のバスケット5、6、7を使用することによって及び/又はバスケット5、6、7内に仕切り板(図示無し)を備えることによって、様々な種類の食品を同時に蒸すことができる。蒸し器1のユーザーは、調理プロセスにおいていくつのバスケット5、6、7を使用するかを自由に決定できる。バスケット5、6、7はそれぞれ食品を支持するための底部51、61、71と、食品を受容及び収容するための底部51、61、71の上方の空間を定めるための壁52、62、72とを有する。底部51、61、71を壁52、62、72から取り外すことができるようバスケット5、6、7は2つの部品から構成されてもよく、これはバスケット5、6、7の良好な洗浄可能性を伴うが、本発明の枠組みにおいて必須ではない。
以下、明瞭さのために、図1及び図3に示されるように、蒸し器1では1つのバスケット5のみが使用されると仮定する。更に、単一のバスケット5のみに言及してバスケット5、6、7の特徴を説明し、バスケット5、6、7は同一であると仮定する。蒸し器1内に提供されるバスケット5、6、7の数は本発明の枠組みにおいて自由に選択され得ることを強調する。また、2つ以上のバスケット5、6、7が利用可能な場合、バスケット5、6、7は必ずしも同一でなくてもよいが、同一であれば蒸し器1のユーザーにとって便利である。
バスケット5の底部51には蒸気を上方向に通過させるための孔53が設けられている。バスケット5の外周は任意の適切な形状を有し、基部2、ドリップトレイ3、及び蓋8の外周に関しても同様である。上記構成要素2、3、5、8の外周は通常同一であり、よって構成要素2、3、5、8がそれぞれの上に積み重ねられると、バスケット5のグリップ54a、54bや基部2の注入口21のような実用的な突起物を除き外面に凹凸がない全体が得られる。図示の例では、基部2、ドリップトレイ3、バスケット5、及び蓋8の外周は円形である。外周の他の適切な形状は楕円形、正方形、及び矩形を含む。後の2つの場合、構成要素2、3、5、8の角部は丸められてもよい。
基部2は、蒸し器1の動作中に蒸気生成に使用される水を受容及び収容するためのリザーバ22となる空間を含む。リザーバ22内の中心位置には、水に熱を供給するための電球状の加熱器23が存在する。加熱器23を動作させ及び制御するために必要な電子素子は、リザーバ22の底部24の下に配置される。蒸し器1のユーザーが簡便にリザーバ22に水を注入できるよう、基部2は上述のように注入口21を備える。
ドリップトレイ3の重要な機能は、蒸し器1の動作中にバスケット5からの流体を受けること、及びリザーバ22の開いた上面を閉じることである。通常、ドリップトレイ3は、閉じた底部31と、底部31から突き出し、バスケット5から垂れる流体を受けて収容するための底部31上方の空間を定める壁32とを有するトレイ状に形成される。流体は蒸気が凝縮することによって得られる水であり、またバスケット5内に存在する食品からの流体であり得る。ドリップトレイ3は底部31から上方向に突出する管33を底部31の上面の中央位置に備え、以下、これを蒸気出口33と呼ぶ。それ以外は閉じている底部31の管33の位置には、蒸気を上方向に通過させるための孔34が存在する。
更に、底部31の裏面の中央位置において、ドリップトレイ3は別の管10、すなわち、底部31から下方向に突出する管10を備え、以下これを分離管10と呼ぶ。分離管10の高さは、ドリップトレイ3が基部2上に設置されるとき、分離管10の自由端11がリザーバ22の底部24に接するよう選択され、分離管10はリザーバ22の底部24上でドリップトレイ3を支持する機能を有する。好ましくは、分離管10はドリップトレイ3の一体部分であるが、分離管10がドリップトレイ3に着脱可能であるよう、又は場合によっては別個の部品であるよう設計され得ることに変わりはない。
分離管10は、リザーバ22の中央部分をリザーバ22の残りの部分から分離することにより、リザーバ22内に蒸気室25を定める。特に、分離管10は加熱器23を包囲し、これにより蒸し器1の動作中に蒸気室25として機能する、水を収容するための比較的小さい空間を加熱器23のまわりに形成するよう設計される。少量の水を継続的に加熱することは、リザーバ22の全量を加熱する場合に比べて加熱器23のより効率的な使用を意味し、蒸し器1は始動段階中に蒸気をはるかに速く供給できることが理解されよう。リザーバ22から蒸気室25に水が流入することを可能にするために、分離管10の自由端11にはノッチが設けられており、これは後により詳細に説明される。
図3に示されるように、蒸し器1は、蒸される食品に風味及び香りを加えるためのアイテムを収容するアロマインフューザ4を含んでもよい。ユーザーは、少なくとも部分的に蒸気を通過させ得る底部41を有するトレイ状に通常形成されるアロマインフューザ4内にハーブ及びスパイスを配置できる。アロマインフューザ4はドリップトレイ3の上に、特に蒸気出口33の上に配置される。このようにすることで、蒸し器1の動作中に生成される蒸気の全てが、蒸される食品に到達する前にアロマインフューザ4及びアロマインフューザ4の内容物を通過することが達成され、食品の味及び香りが、アロマインフューザの内容物を含む蒸気との相互作用によって直接影響される。
蒸しプロセス中に蒸し器1のユーザーがバスケット5の内容物を見て確認できるよう、バスケット5の壁52は例えば透明なプラスチック等の透明な材料から構成されてもよい。通常、ドリップトレイ3、アロマインフューザ4、バスケット5、及び蓋8はプラスチックから構成され得る。また、基部2の複数の要素がプラスチックから構成され得る。特に、リザーバ22はプラスチック製の壁によって定められ得る。
以下、蒸し器1の動作態様を説明する。蒸し器1の電源を投入する前に、蒸し器1のユーザーはいくつかの準備をする。まず、ユーザーはリザーバ22が新鮮な水又は場合によっては食品を蒸すために使用するのに適した他の流体で満たされることを確認し、ここでユーザーは注入口21を介してリザーバ22に流体を注入し得る。リザーバ22が十分な程度に満たされるとき、ユーザーはドリップトレイ3を設置する。この過程において、分離管10の自由端11がリザーバ22の底部24に触れ、少量の水をリザーバ22内に収容される残りの水から分離することにより、リザーバ22内に蒸気室25が形成される。更に、ユーザーはアロマインフューザ4内にハーブ及び/又はスパイスを入れ、アロマインフューザ4を蒸気出口33の上に載せる。また、ユーザーはバスケット5内に蒸される食品を入れ、バスケット5をドリップトレイ3の上に載せる。最後に、ユーザーはバスケット5に蓋8をかぶせる。完全さのため、蒸し器1の適当な動作のためにアロマインフューザ4を使用することは必須ではなく、蒸される食品に特別な風味を加える必要がない場合、蒸し器1のユーザーはアロマインフューザ4を省くことを決定してもよいことに留意されたい。
準備が完了した後、ユーザーは蒸し器1の電源を入れ、基部2上に設けられたコントロールパネル(図示無し)によって蒸し器1の制御ユニットに入力を行う。例えば、ユーザーは蒸しプロセスの時間を設定する。他の可能性によれば、ユーザーはバスケット5内に存在する食品の種類に関する情報を入力する。制御ユニットが食品の種類によって蒸しプロセスの最適なパラメータ、特に特定の温度及び特定の時間の組み合わせである一連の段階を自動的に選択するようプログラミングされる場合、ユーザーが自分でパラメータ設定について考える必要がなく、ミスを避けることができる。
蒸し器1の電源が入れられると、加熱器23が給電され、水が沸騰して蒸気が発生するまで蒸気室25内の加熱器23の周辺の水の温度が上昇する。蒸気は蒸気出口33を介して蒸気室25から出て、アロマインフューザ4を通過し、アロマインフューザ4の内容物の風味及び香りを運びつつバスケット5に流れ込む。バスケット5の内部において、蒸気との相互作用の影響下で食品が加熱され、その結果調理される。この過程で蒸気によって運ばれた風味及び香りが食品によって吸収される。蒸気は自動的に上方向に流れ、バスケット5の底部51内の孔53を通過して最終的には蓋8に到達する。蒸気室25は、連通管の原理に基づき、リザーバ22の底部24に触れる分離管10の自由端11に存在するノッチを介して、重力の影響下でリザーバ22から流入する水によって継続的に補充される。
本発明に係る蒸し器1は非常に速く加熱できる。特に、蒸し器1は、少なくとも蒸し器1が実行する蒸しプロセスの始動後1.5から5分後の期間中、加熱器23によって供給される熱のジュールあたり少なくとも0.2gの平均蒸気発生効率を実現できる。始動段階における加熱器23が供給する熱の非常に効率的な使用は、蒸し器1の動作の初期段階における比較的高い蒸気発生量を意味し、図4に示されるような分離管10の自由端11の特定の構成に基づき達成される。
上述したように、リザーバ22から蒸気室25に水が流入することを可能にするために、分離管10の自由端11にはノッチが設けられている。本発明に係る蒸し器1では、分離管10の自由端11内には凹部12が存在し、分離管10の自由端11がリザーバ22の底部24に載ると、凹部12の壁13、14、及び底部15、並びにリザーバ22の蒸気室25の分離管10によって覆われる部分によって定められるチャネルが形成され、チャネルはノッチを介してアクセス可能である。図4に示される例では、分離管10の自由端11には4つのノッチ16a、16b、17a、17bが存在し、2つのノッチ16a、16bは凹部12の外側壁13内に存在し、2つのノッチ17a、17bは凹部12の内側壁14内に存在する。特に、凹部12の外側壁13内に配置されるノッチ16a、16b(以下、外側ノッチ16a、16bと呼ぶ)は、分離管10の長軸18に関して、凹部12の内側壁14内に配置されるノッチ17a、17b(以下、内側ノッチ17a、17bと呼ぶ)とは異なる角度位置に配置される。このようにすることで迷路が得られ、すなわち、分離管10の外部から分離管10の内部に流入する水は分離管10を直線で通過することはできず、内側ノッチ17a、17bに到達して凹部12から出られるまで凹部12の壁13、14間の流路を辿らなければならない。図5は、分離管10の外部から分離管10の内部に流入するとき水が辿る流路の2つの例を示す。
迷路は、頻繁に変動する水の流れ、すなわち蒸気室25からリザーバ22への高温の沸騰水の流れに抵抗する一方、水、すなわちリザーバ22から蒸気室25への新鮮な水をスムーズに且つ安定して通過させ得るフィルタのような役割を果たす。このようにすることで、蒸気室25からリザーバ22への熱損失が最小化され、上記したように、少なくとも蒸し器1の動作の始動後1.5から5分の期間中、加熱器23によって供給される熱のジュールあたり少なくとも0.2gの比較的高い平均蒸気発生効率を実現することが可能になる。この点において、凹部12の壁13、14、及び底部15、並びに分離管10によって覆われるリザーバ22の底部24の一部の間に存在し、外側ノッチ16a、16bから最も近い内側ノッチ17a、17bまで延びる各チャネルが、最大で500nmの長さを有することが好ましいことに留意されたい。更に、上記の各チャネルの断面積は0.5から50mm2の範囲内であることが好ましい。チャネルのこれらの寸法により、フィルタ機能の最適効果が得られる。
好適には、蒸し器1は加熱器23への給電を制御するための回路を含み、回路は、温度センサ35から得られる実際の条件に関する入力を使用することができる。このような給電の制御方法は、制御が一切のフィードバックなく実行される場合よりも蒸しプロセスの温度のより正確な結果をもたらすことが理解されよう。本発明によれば、温度センサ35が実行する測定の結果が適当であることを保証するために、温度センサ35の位置を特定の領域内にあるよう選択することが重要である。特に、温度センサ35を少なくとも1つのバスケット5の中又はバスケット5の真下、蒸気出口33及びその延長とバスケット5の壁52及びその延長との間の位置に配置することが好ましい。
図示の例では、温度センサ35は蒸し器1の基部2上であって、基部2の上面、基部2の外周付近の位置に配置されている。ドリップトレイ3が基部2上に設置されたときに温度センサ35を通過させる孔36がドリップトレイ3に設けられている。このようにすることで、蒸しプロセス中、温度センサ35がドリップトレイ3内に存在し、温度センサ35がバスケット5の底部51付近の位置に存在することが達成される。
更に、上述したように、温度センサ35の位置は好ましくは、蒸気出口33及びその延長とバスケット5の壁52及びその延長との間の位置となるよう選択される。特に、温度センサ35の位置と蒸気出口33の外壁26との間の半径方向、すなわち、蒸気出口33の幾何学的中心軸27と直交する平面内において、幾何学的中心軸27及び温度センサ35の位置の両方と交差する方向における最適な距離は、同方向において決定されるバスケット5の壁52と蒸気出口33の外壁26との間の距離の0.5から0.9の範囲内に見つけられる。
図6は、半径方向の温度センサの最適位置の範囲に関連する領域を示すものである。この目的のために、図6は蒸気出口33及びバスケット5の壁52の輪郭を図的に示し、上記領域は上記輪郭の間の斜線リングとして示される。
蒸し器1内に温度センサ35を設けることにより、蒸しプロセス中の温度又は様々な温度段階を正確に設定することができる。温度段階を実現することが望ましい場合、蒸し器1が何らかのタイマーも備えることは言うまでもなく、タイマーはユーザーによってプログラム可能であり得る。この点に関して、多くの食品の種類について、始動段階中に食品の素早い加熱を実現し、第2の段階中に食品を100℃未満の温度にさらし、そして1つ以上の後続段階中に再びより高い温度を有することが好適であることに留意されたい。
蒸しプロセス中、蒸気出口33の内部では大気圧より高い圧力が支配的である。特に、蒸気出口33の上に存在するアロマインフューザ4にアイテムが詰められており、これが蒸気流の閉塞効果を引き起こす場合、蒸気が脱出可能な領域を拡大する対策が取られなければ、圧力は許容できない値まで上昇し得る。本発明によれば、蒸気の一部が常時アロマインフューザ4を迂回し得る望ましくない状況を回避しながら、かかる対策を実際に取ることが可能である。特に本発明によれば、アロマインフューザ4を蒸気出口33に固定せず、蒸気出口33の上にルーズに配置された蒸し器1の分離した部品とすることができる。
図7は、蒸気出口33の上部及び蒸気出口33の上に配置されたアロマインフューザ4を図的に示す。更に、矢印によって蒸気流が示されている。一連の直線の矢印は蒸気出口33内を上方向に流れる蒸気を表し、一連の曲線の矢印は蒸気出口33から出る途中でアロマインフューザ4によってブロックされた蒸気を表す。図7は、蒸気の影響下でアロマインフューザ4が蒸気出口33から持ち上げられた状態のアロマインフューザ4を示し、2つの比較的太い矢印によって示されるように、蒸気出口33の上面とアロマインフューザ4との間に蒸気が脱出できる環状ギャップが得られる。結果として、蒸気出口33の内部で高圧が支配的であるとき、圧力が再び下がり得るよう蒸気出口33から蒸気が脱出できる状況が得られる。したがって、本発明は、蒸気をあらゆる状況においてアロマインフューザ4を迂回させることなく蒸気の逃げ道を作成する方法を提供する。実際には、圧力を許容できるレベルまで下げるためにこれが必要な状況においてのみ、蒸気は蒸気出口33から自由に脱出することができる。実践的な一実施形態では、圧力が容認できる値を超えたときに圧力がアロマインフューザ4を蒸気出口33から持ち上げることを阻害しないよう、アロマインフューザ4は、アロマインフューザ4を最小の摩擦力で蒸気出口33上に支持するのに適した周縁42を有する。
蒸気の迂回のほか、アロマインフューザ4の使用の効果を減じ得る他の要因は、蒸しプロセス中にバスケット5から流体が垂れ落ちることである。その理由は、このような流体はアロマインフューザ4の内容物を湿らせ、結果として蒸気がこれらの内容物から風味及び香りを吸収するプロセスが妨害され得ることである。また、アロマインフューザ4の内容物が湿っているとき、蒸気に対するアロマインフューザ4の閉塞影響が増す。このような状況を避けるために、本発明は、蒸気の上方向の流れを阻害することなく、バスケット5から垂れ落ちる流体からアロマインフューザ4を保護することを狙いとする手段を提案する。かかる手段の更なる利益は、流体が蒸気出口33に入ることができず、蒸気室25及びリザーバ22内に存在する水の汚染が避けられ、リザーバ22が収容する水の泡立ちが防がれることであり得る。
本発明によれば、前段落で示された手段は、図8及び図9に示される底部51の図に見られるように、バスケット5の底部51のドーム状領域55を備えることを含む。特に、ドーム状領域55はドーム状領域55の凹面が下側になるように方向づけられる。更に、ドーム状領域55はアロマインフューザ4全体及びその下の蒸気出口33を覆うのに十分大きい。ドーム状領域55上の流体は重力の影響下で全てドーム状領域55の周縁に自動的に流れ、その結果、流体はアロマインフューザ4又は蒸気出口33に到達することはできない。
好適には、蒸気の上方向の気流を過度に妨害することを回避するために、ドーム状領域55には複数の孔56が設けられる。孔56のうちの1つに存在する流体をドーム状領域55の周囲にガイドするためにリブ57が設けられており、リブ57はそれぞれ孔56と関連付けられ、ドーム状領域55の下面において、対応する孔56からドーム状領域55の周囲まで延びる。リブ57の存在により、孔56に存在する流体は孔56から落下せず、重力及び付着力の影響のもと孔から延びるリブ57によってガイドされる。リブ57は互いに平行に延びる2つの縁を有し、流体が他の種類の力、すなわち毛管力の影響下でリブ57につかまることを達成し得る。
完全さのために、蒸し器1が2つ以上のバスケット5、6、7を備えるとき、少なくともドリップトレイ3の真上に配置されるバスケット5が上記のような底部51のドーム状領域55を有することが好ましいことに留意されたい。バスケット5、6、7が同一で、バスケット5、6、7のそれぞれが底部51、61、71にドーム状領域55を有してもよいが、本発明の枠組みにおいて、これは必須ではない。
アロマインフューザ4の上面の流体との相互作用の結果アロマインフューザ4の内容物が濡れる可能性のほか、蒸気出口33を介する蒸気室25内に存在する沸騰水からはねる水との相互作用の結果、内容物が濡れる可能性もある。この可能性を排除するために、本発明は、蒸気が通過することを許容しながら上方向にはねる水を防ぐことが可能なはね防止ユニット37を蒸気出口33内に設けることを提案する。
上述のはね防止ユニット37の第1の変形例を図10に図的に示し、はね防止ユニット37の第2の変形例を図11に図的に示す。矢印は水及び蒸気の流れを示す。概して、はね防止ユニット37は、孔38を有する段付迷路と表すことができ、数枚の段付けされた水平層が直接飛散を防ぎ、気泡を破壊し、水を通過させることなく蒸気を通過させる。はね防止ユニット37は難しい道具組み立て又はルーズな部品を要さずにプラスチックから構成され得る。図10及び図11において矢印によって示されるように、蒸気出口33内にはね防止ユニット37が存在する場合、上方向に移動しはね防止ユニット37にぶつかる水は、再び下方向に移動させられる。水がはね防止ユニット37の最下層を通過したとしても、より高いレベルの層によって防がれる。しかし、蒸気流は各層内の孔38を通り抜けることができる。したがって、アロマインフューザ4が濡れることを防ぐ効果的な方法が実現される。更に、はね防止ユニット37が存在しない場合、ドリップトレイ3に蒸気出口33からはねる水も入るためドリップトレイ3がより早く容量まで満たされ、結果としてより早く水補充警告が発せられることを考慮すれば、はね防止ユニット37の適用は、蒸しプロセス中にアロマインフューザ4が使用されない場合にも利点を提供することに留意されたい。
図12は、蒸し器1の補充表示器91を制御するための回路90の要素を図的に示す。一般的に、リザーバ22が空又はほぼ空の状態であることの検出は、蒸し器1のユーザーにとって便利なオプションである。フロート等の手段による検出の実行は高価であり、汚れに弱い。本発明によれば、加熱器23に関連付けられたサーモスタット92を利用する他の検出方法が適用される。特に、加熱器23が給電されているか否かを検出する電力検出ユニット93が提供される。加熱器23への給電94が止められる状況は、コントローラ95が電源がオフであるべきことを示す信号を供給することによって、又はサーモスタット92が開状態にあることによって引き起こされ得る。後者の場合、コントローラ95が供給する信号が電源がオンであるべきことを示す信号であるとき、コントローラ95は検出ユニット93によって提供される情報が、まわりの水が不足しているために加熱器23がオーバーヒートしていることを示すと解釈することができる。このような場合、コントローラ95によって制御されるよう構成される補充表示器91により、ユーザーに対して補充信号を発することができる。上記のように蒸し器1のユーザーにリザーバ22を補充する必要を示す方法の利点は、低コスト及び高い信頼性を含む。とはいえ、本発明の枠組みの範囲内において、蒸し器1内に補充表示器91を制御するための他の構成が存在してもよい。
本発明の範囲が上記実施例に限定されず、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、複数の改変形態及び変更形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。本発明を図面及び記載において詳細に図示及び記述してきたが、かかる図示及び記述はあくまで例示的であり、制限的であると解されるべきではない。本発明は開示の実施形態に限定されない。
図面、明細書、及び添付の特許請求の範囲の分析に基づき、特許請求の発明の実施にあたり、当業者は開示の実施形態の変形例を理解し実施できるであろう。請求項において、用語「備える(又は含む若しくは有する等)」は他のステップ又は要素を除外せず、単数は複数を除外しない。いくつかの手段が互いに異なる独立請求項に記載されているからといって、それらの手段を好適に組み合わせて使用することができないとは限らない。請求項内の参照符号は本発明の範囲を限定するものと解されるべきではない。
本文書において、用語「水」及び「流体」は蒸し器1内に存在し得る液体に関して使用される。これらの用語の使用は、本発明が特定の種類の液体の使用に制限されることを意味するように解されるべきではない。特に、用語「水」は純粋な水の意味だけではなく水系の液体という意味で、広義の意味で解釈されるべきである。
図2に示される本発明に係る蒸し器1の例では、蒸し器1は、互いの上に積み重ねられる3つのバスケット5、6、7を含む。上記したように、これは本発明の枠組み内でバスケット5、6、7の数が自由に選択され得るという事実を変えることはない。更に、2つ以上のバスケット5、6、7が使用される場合、バスケット5、6、7は異なるレベルに配置されなくてもよい。つまり、このような場合、バスケット5、6、7を基部2の上に同一のレベルで並列構成に配置することもできる。
本発明の多様な側面は、同じ蒸し器1に関連して説明されていたとしても、互いに独立であると見なすことができる。これに関して、まず、一般的に、本発明は基部2と、デバイス1の定位置において基部の上方に配置される少なくとも1つのバスケット5、6、7とを含む食品蒸し器1であって、少なくとも1つのバスケット5、6、7は蒸気を通過させるための孔53を備える底部51、61、71と、底部51、61、71から突出し、蒸される食品を受容及び収容するための底部51、61、71上方の空間を定める壁52、62、72、とを備え、基部2は蒸気にされる水を収容するための蒸気室25と、蒸気室内の水を加熱するための蒸気室25に関連付けられた加熱手段23とを備える、食品蒸し器1に関する。
本発明の第1の側面によれば、食品蒸し器1は更に、少なくとも1つのチャネルを介して蒸気室25と流体連結する、蒸気室25に供給される水を収容するリザーバ22を備え、チャネルは、それぞれの流れの性質の違いに基づき、リザーバ22から蒸気室25への水の流入を可能にする一方、蒸気室25からリザーバ22への水の流入に抵抗し、基部2は、リザーバ22内に蒸気室25を定めるための分離管10を更に備え、分離管10が基部2内に設置されているとき、分離管10の第1の端部11はリザーバ22の底部24に接触し、分離管10の第1の端部11は、リザーバ22と蒸気室25との間のチャネルを形成するための凹部12を備え、チャネルは凹部12の壁13、14及び底部15、並びに分離管10によって覆われるリザーバ22の底部24の一部によって定められる。
本発明の第2の側面によれば、食品蒸し器1は更に蒸気室25と流体連結する蒸気室25に供給される水を収容するためのリザーバ22を備え、基部2は更にリザーバ内に蒸気室25を定めるための分離管10を備え、リザーバ22の底部24に接触する分離管10の端部11は、凹部12と、分離管10の端部11がリザーバ22の底部24に接するときに分離管10の外部から凹部12へのアクセスを可能にするためのノッチ16a、16b、17a、17bとを備え、分離管10の端部11の外周内のノッチ16a、16bは、分離管10の長軸18に関して、分離管10の端部11の内周内のノッチ17a、17bとは異なる角度位置に配置される。
本発明の第3の側面によれば、食品蒸し器1は、少なくとも、デバイス1が実行する蒸しプロセスの始動後1.5〜5分の期間にかけて、加熱手段23が提供する熱のジュールあたり少なくとも0.2gの平均蒸気発生効率を実現することができる。
本発明の第4の側面によれば、食品蒸し器1は更に、少なくとも1つのチャネルを介して蒸気室25と流体連結する蒸気室25に供給される水を収容するためのリザーバ22を備え、チャネルは、水を安定して通過することを可能にする一方、頻繁に変動する水の流れに抵抗するよう構成される。
本発明の第5の側面によれば、食品蒸し器1は更に、少なくとも1つのチャネルを介して蒸気室25と流体連結する蒸気室25に供給される水を収容するためのリザーバ22を備え、チャネルの断面積は0.5から50mm2の範囲内であり、チャネルの長さは最大で500mmである。
本発明の第6の側面によれば、食品蒸し器1は更に、蒸気室25と流体連結する蒸気室25に供給される水を収容するためのリザーバ22を備え、基部2は更にデバイス1の動作中に少なくとも1つのバスケット5、6、7からの流体を受けるための、及びリザーバ22の開いた上面を閉じるためのドリップトレイ3と、リザーバ22内に蒸気室25を定めるための分離管10とを備え、分離管10は第1の端部11においてリザーバ22の底部24に接触し、第2の端部においてドリップトレイ3に接触し、分離管10及びドリップトレイ3が基部2内に設置されるときリザーバ22の底部24上でドリップトレイ3を支持する。
本発明の第7の側面によれば、食品蒸し器1は更に加熱手段23への給電を制御するための回路を備え、回路は温度センサ35を備え、温度センサ35は、蒸気室25の蒸気出口33の幾何学的中心軸27と直交する平面内において蒸気出口33の幾何学的中心軸27及び温度センサ35の位置の両方と交差する仮想直線に沿って測定された場合、蒸気出口33の外壁26及びその延長によって定められる第1の仮想環状面に関して、第1の仮想環状面と少なくとも1つのバスケット5、6、7の壁52及びその延長によって定められる第2の仮想環状面との間の全長の0.5〜0.9の範囲内の距離に配置される。食品蒸し器1は更に、蒸気室25と流体連結する蒸気室25に供給される水を収容するためのリザーバ22を更に含み、基部2は更にデバイス1の動作中に少なくとも1つのバスケット5、6、7からの流体を受けるための、及びリザーバ22の開いた上面を閉じるためのドリップトレイ3を含み、温度センサ35はドリップトレイ3内に配置される。
本発明の第8の側面によれば、食品蒸し器1は更に加熱手段23への給電を制御するための回路を備え、回路は、食品蒸し器1の動作中に少なくとも3つの温度フェーズを実現するようプログラミングされ、中間温度フェーズに関連付けられる温度は開始温度フェーズ及び最終温度フェーズに関連付けられる温度より低い。
本発明の第9の側面によれば、食品蒸し器1は更に加熱手段23への給電を制御するための回路を備え、回路は4つの温度フェーズを実現するようプログラミングされ、第1のフェーズでは、2〜10分の範囲内の時間にかけて、温度が80℃〜100℃の範囲内に設定され、第2のフェーズでは、0〜120分の範囲内の時間にかけて、温度が50℃〜90℃の範囲内に設定され、第3のフェーズでは、0〜120分の範囲内の時間にかけて、温度が90℃〜100℃の範囲内に設定され、第4のフェーズでは、0〜60分の範囲内の時間にかけて、温度が60℃〜100℃の範囲内に設定される。
本発明の第10の側面によれば、食品蒸し器1は、蒸される食品に風味及び香りを加えるためのアイテムを収容するためのトレイ4を更に含み、トレイ4は蒸気を少なくとも部分的に通過させる底部41を有し、食品蒸し器1の定位置において少なくとも1つのバスケット5、6、7の下方であって、食品蒸し器1の動作中に蒸気が辿る蒸気室25からバスケット5、6、7への経路内に配置され、また、バスケット5、6、7への蒸気室25の蒸気出口33の上にルーズに配置される。
本発明の第11の側面によれば、食品蒸し器1は、蒸される食品に風味及び香りを加えるためのアイテムを収容するためのトレイ4を更に含み、トレイ4は蒸気を少なくとも部分的に通過させる底部41を有し、食品蒸し器1の定位置において少なくとも1つのバスケット5、6、7の下方であって、食品蒸し器1の動作中に蒸気が辿る蒸気室25からバスケット5、6、7への経路内に配置され、また、バスケット5、6、7の底部51、61、71は、凹面がトレイ4に面するドーム状領域55をトレイ4を覆う位置に備え、ドーム状領域55は蒸気を通過させるための孔56を備える。
本発明の第12の側面によれば、食品蒸し器1の動作中に蒸気が辿る蒸気室25から少なくとも1つのバスケット5、6、7への経路の方向で見て互いに異なる位置に配置される孔38を有する少なくとも2つの層が蒸気室25の蒸気出口33内に配置される。
本発明の第13の側面によれば、食品蒸し器1は更に、加熱手段23の温度が所定の上限値を上回る場合に加熱手段23への給電を止めるためのリセット可能な熱的カットオフ要素92と、加熱手段23が給電されているか否かを検出するための手段93と、加熱手段への給電94を制御するための、及び検出手段93から情報を受信するための回路95と、補充表示器91とを備え、制御回路95は、加熱手段23への給電94を実現するための状態にあるにも関わらず、検出手段93によって供給された情報が加熱手段23が給電されていないことを示すときに補充表示器91を起動するようプログラミングされる。本発明の当該側面は、ケトル及びコーヒーメーカー等、流体を加熱するために使用される加熱手段を含む他のデバイスにも適用可能であることに留意されたい。
上記したように、いくつかの手段が異なる独立請求項に記載されているからといって、これらの手段の組み合わせを好適に使用することができないとは限らない。これに関して、本発明の各側面については、第4の側面は第3の側面と組み合わせられ、第5の側面は第3の側面及び第4の側面とそれぞれ組み合わせられ、第6の側面は第3の側面、第4の側面、及び第5の側面とそれぞれ組み合わせられ、第7の側面は第2の側面、第3の側面、第4の側面、第5の側面、及び第6の側面とそれぞれ組み合わせられ、第10の側面は第2の側面、第3の側面、第4の側面、第5の側面、第6の側面、第7の側面、第8の側面、及び第9の側面とそれぞれ組み合わせら、第12の側面は第11の側面と組み合わせられ、第13の側面は第2の側面、第3の側面、第4の側面、第5の側面、第6の側面、第7の側面、第8の側面、第9の側面、第10の側面、第11の側面、及び第12の側面とそれぞれ組み合わせられ得る。