以下において、本発明の実施形態に係るデマンド情報提示装置及びデマンド情報提示方法について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態の概要]
実施形態に係るデマンド情報提示装置は、所定期間において系統から供給される積算電力量が所定電力量を超えないように、ユーザに対してデマンド情報を提示する。デマンド情報提示装置は、前記系統から供給される電力を取得する第1電力取得部と、前記系統に接続された負荷によって消費される電力を取得する第2電力取得部と、前記第1電力取得部によって取得される電力の実績値に基づいて、前記積算電力量を予測する予測部と、前記第1電力取得部によって取得される電力に欠損が生じた場合に、前記第2電力取得部によって取得された電力量に基づいて、前記予測部によって予測された積算電力量を補正する補正部と、前記予測部によって予測された積算電力量の予測値が所定電力量に達する場合に、消費電力を抑制すべき旨を示すデマンド情報を提示するとともに、前記補正部によって補正された積算電力量の補正値が前記所定電力量に達する場合に、前記デマンド情報を提示する提示部とを備える。
実施形態では、提示部は、第1電力取得部によって取得される電力に欠損が生じたケースにおいて、補正部によって補正された積算電力量の補正値が所定電力量に達する場合に、消費電力を抑制すべき旨を示すデマンド情報を提示する。これによって、第1電力取得部によって取得される電力に欠損が生じた場合であっても、ユーザに対してデマンド情報を正確に提示することができる。
[第1実施形態]
(エネルギー管理システム)
以下において、第1実施形態に係るエネルギー管理システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係るエネルギー管理システム100を示す図である。
図1に示すように、エネルギー管理システム100は、需要家10と、CEMS20と、変電所30と、スマートサーバ40と、発電所50とを有する。なお、需要家10、CEMS20、変電所30及びスマートサーバ40は、ネットワーク60によって接続されている。
需要家10は、例えば、発電装置及び蓄電装置を有する。発電装置は、例えば、燃料電池のように、燃料ガスを利用して電力を出力する装置である。蓄電装置は、例えば、二次電池などのように、電力を蓄積する装置である。
需要家10は、例えば、コンビニエンスストア又はスーパーマーケットなどの店舗である。需要家10は、一戸建ての住宅であってもよく、マンションなどの集合住宅であってもよく、ビルなどの商用施設であってもよく、工場であってもよい。
第1実施形態では、複数の需要家10によって、需要家群10A及び需要家群10Bが構成されている。需要家群10A及び需要家群10Bは、例えば、地理的な地域によって分類される。
CEMS20は、複数の需要家10と電力系統との間の連系を制御する。なお、CEMS20は、複数の需要家10を管理するため、CEMS(Cluster/Community Energy Management System)と称されることもある。具体的には、CEMS20は、停電時などにおいて、複数の需要家10と電力系統との間を解列する。一方で、CEMS20は、復電時などにおいて、複数の需要家10と電力系統との間を連系する。
第1実施形態では、CEMS20A及びCEMS20Bが設けられている。CEMS20Aは、例えば、需要家群10Aに含まれる需要家10と電力系統との間の連系を制御する。CEMS20Bは、例えば、需要家群10Bに含まれる需要家10と電力系統との間の連系を制御する。
変電所30は、複数の需要家10に対して、配電線31を介して電力を供給する。具体的には、変電所30は、発電所50から供給を受ける電圧を降圧する。
第1実施形態では、変電所30A及び変電所30Bが設けられている。変電所30Aは、例えば、需要家群10Aに含まれる需要家10に対して、配電線31Aを介して電力を供給する。変電所30Bは、例えば、需要家群10Bに含まれる需要家10に対して、配電線31Bを介して電力を供給する。
スマートサーバ40は、複数のCEMS20(ここでは、CEMS20A及びCEMS20B)を管理する。また、スマートサーバ40は、複数の変電所30(ここでは、変電所30A及び変電所30B)を管理する。言い換えると、スマートサーバ40は、需要家群10A及び需要家群10Bに含まれる需要家10を統括的に管理する。スマートサーバ40は、例えば、需要家群10Aに供給すべき電力と需要家群10Bに供給すべき電力とのバランスを取る機能を有する。
発電所50は、火力、風力、水力、原子力などによって発電を行う。発電所50は、複数の変電所30(ここでは、変電所30A及び変電所30B)に対して、送電線51を介して電力を供給する。
ネットワーク60は、信号線を介して各装置に接続される。ネットワーク60は、例えば、インターネット、広域回線網、狭域回線網、携帯電話網などである。
(需要家)
以下において、第1実施形態に係る需要家について説明する。図2は、第1実施形態に係る需要家10の詳細を示す図である。
図2に示すように、需要家10は、分電盤110と、負荷120と、PVユニット130と、蓄電池ユニット140と、燃料電池ユニット150と、貯湯ユニット160と、EMS200とを有する。
分電盤110は、配電線31(系統)に接続されている。分電盤110は、電力線を介して、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140及び燃料電池ユニット150に接続されている。
負荷120は、電力線を介して供給を受ける電力を消費する装置である。例えば、負荷120は、冷蔵庫、冷凍庫、照明、エアコンなどの装置を含む。
PVユニット130は、PV131と、PCS132とを有する。PV131は、発電装置の一例であり、太陽光の受光に応じて発電を行う太陽光発電装置である。PV131は、発電されたDC電力を出力する。PV131の発電量は、PV131に照射される日射量に応じて変化する。PCS132は、PV131から出力されたDC電力をAC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。PCS132は、電力線を介してAC電力を分電盤110に出力する。
第1実施形態において、PVユニット130は、PV131に照射される日射量を測定する日射計を有していてもよい。
PVユニット130は、MPPT(Maximum Power Point Tracking)法によって制御される。詳細には、PVユニット130は、PV131の動作点(動作点電圧値及び電力値によって定まる点、又は、動作点電圧値と電流値とによって定まる点)を最適化する。
蓄電池ユニット140は、蓄電池141と、PCS142とを有する。蓄電池141は、電力を蓄積する装置である。PCS142は、配電線31(系統)から供給を受けるAC電力をDC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。また、PCS142は、蓄電池141から出力されたDC電力をAC電力に変換する。
燃料電池ユニット150は、燃料電池151と、PCS152とを有する。燃料電池151は、発電装置の一例であり、燃料ガスを利用して電力を出力する装置である。PCS152は、燃料電池151から出力されたDC電力をAC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。
燃料電池ユニット150は、負荷追従制御によって動作する。詳細には、燃料電池ユニット150は、燃料電池151から出力される電力が負荷追従制御の目標電力となるように燃料電池151を制御する。
貯湯ユニット160は、電力を熱に変換して、熱を蓄積したり、燃料電池ユニット150等のコージェネレーション機器が発生する熱を湯として蓄えたりする蓄熱装置の一例である。具体的には、貯湯ユニット160は、貯湯槽を有しており、燃料電池151の運転(発電)によって生じる排熱によって、貯湯槽から供給される水を温める。詳細には、貯湯ユニット160は、貯湯槽から供給される水を温めて、温められた湯を貯湯槽に還流する。
EMS200は、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御する装置(Energy Management System)である。具体的には、EMS200は、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160に信号線を介して接続されており、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御する。また、EMS200は、負荷120の動作モードを制御することによって、負荷120の消費電力を制御する。
また、EMS200は、ネットワーク60を介して各種サーバと接続される。各種サーバは、例えば、系統から供給を受ける電力の購入単価、系統から供給を受ける電力の売却単価、燃料ガスの購入単価などの情報(以下、エネルギー料金情報)を格納する。
或いは、各種サーバは、例えば、負荷120の消費電力を予測するための情報(以下、消費エネルギー予測情報)を格納する。消費エネルギー予測情報は、例えば、過去の負荷120の消費電力の実績値に基づいて生成されてもよい。或いは、消費エネルギー予測情報は、負荷120の消費電力のモデルであってもよい。
或いは、各種サーバは、例えば、PV131の発電量を予測するための情報(以下、PV発電量予測情報)を格納する。PV発電予測情報は、PV131に照射される日射量の予測値であってもよい。或いは、PV発電予測情報は、天気予報、季節、日照時間などであってもよい。
(適用シーン)
以下において、第1実施形態の適用シーンについて説明する。図3は、第1実施形態の適用シーンについて説明するための図である。図3では、需要家10における情報の流れについて主として説明する。
図3に示すように、需要家10は、系統電力計310と、デマンド計測ユニット320と、デマンド監視ユニット330と、負荷電力計340と、スマートセンサ350と、ハブ360とを有する。上述したように、需要家10は、EMS200を有する。
系統電力計310は、配電線31(系統)から供給を受ける電力を計測する。具体的には、系統電力計310は、分電盤110よりも配電線31(系統)側に設けられており、需要家10の全体に供給を受ける電力を計測する。
デマンド計測ユニット320は、所定期間(例えば、30分)において、系統電力計310で計測された電力を積算する。言い換えると、デマンド計測ユニット320は、所定期間の開始から所定期間の満了まで、系統電力計310で計測された電力を積算する。すなわち、デマンド計測ユニット320は、所定期間毎に積算値(積算電力量)をリセットする。
第1実施形態において、デマンド計測ユニット320は、系統電力計310で計測された電力の積算値(以下、積算電力量)をEMS200に通知する。或いは、デマンド計測ユニット320は、系統電力計310で計測された電力に欠損が生じた旨をEMS200に通知してもよい。
負荷電力計340は、各負荷120に併設されており、各負荷120によって消費される電力を計測する。第1実施形態では、負荷電力計340として、第2電力計340A1〜340An及び第2電力系340B1〜340Bnが設けられる。第2電力計340A1〜340Anは、分電盤110のブレーカAの配下に設けられる電力線Aに接続されており、第2電力系340B1〜340Bnは、分電盤110のブレーカBの配下に設けられる電力線Bに接続される。
スマートセンサ350は、スマートセンサ350の配下に設けられる負荷電力計340によって計測される電力を収集する。第1実施形態では、スマートセンサ350として、スマートセンサ350A及びスマートセンサ350Bが設けられる。スマートセンサ350Aは、第2電力計340A1〜340Anによって計測される電力を収集する。スマートセンサ350Bは、第2電力計340B1〜340Bnによって計測される電力を収集する。
スマートセンサ350は、各負荷電力計340の識別子とともに、各負荷電力計340によって計測される電力を示す情報をEMS200に送信する。或いは、スマートセンサ350は、負荷電力計340によって計測される電力の集計値を示す情報をEMS200に送信する。
ハブ360は、EMS200、デマンド監視ユニット330及びスマートセンサ350に信号線を介して接続される。ハブ360は、デマンド監視ユニット330及びスマートセンサ350から出力される情報をEMS200に中継する。
(EMSの構成)
以下において、第1実施形態のEMSについて説明する。図4は、第1実施形態のEMS200を示すブロック図である。
図4に示すように、EMS200は、受信部210と、送信部220と、制御部230と、提示部240とを有する。
受信部210は、信号線を介して接続された装置から各種信号を受信する。例えば、受信部210は、積算電力量を示す情報をデマンド監視ユニット330から受信する。或いは、受信部210は、系統電力計310で計測された電力に欠損が生じた旨を示す情報をデマンド監視ユニット330から受信する。受信部210は、各負荷電力計340の識別子とともに、各負荷電力計340によって計測される電力を示す情報をスマートセンサ350から受信する。或いは、受信部210は、スマートセンサ350によって集計された電力を示す情報をスマートセンサ350から受信してもよい。
第1実施形態において、受信部210は、PV131の発電量を示す情報をPVユニット130から受信してもよい。受信部210は、蓄電池141の蓄電量を示す情報を蓄電池ユニット140から受信してもよい。受信部210は、燃料電池151の発電量を示す情報を燃料電池ユニット150から受信してもよい。受信部210は、貯湯ユニット160の貯湯量を示す情報を貯湯ユニット160から受信してもよい。
第1実施形態において、受信部210は、エネルギー料金情報、消費エネルギー予測情報及びPV発電量予測情報を、ネットワーク60を介して各種サーバから受信してもよい。但し、エネルギー料金情報、消費エネルギー予測情報及びPV発電量予測情報は、予めEMS200に記憶されていてもよい。
送信部220は、信号線を介して接続された装置に各種信号を送信する。例えば、送信部220は、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御するための信号を各装置に送信する。送信部220は、負荷120を制御するための制御信号を負荷120に送信する。
制御部230は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御する。
第1実施形態において、制御部230は、デマンド計測ユニット320から取得する積算電力量に基づいて、所定期間の満了時点における積算電力量の予測値が所定電力量を超えるか否かを監視する。具体的には、制御部230は、系統電力計310によって計測される電力の実績値に基づいて積算電力量を予測する。或いは、制御部230は、系統電力計310によって計測される電力の変動量に基づいて積算電力量を予測する。
ここで、制御部230は、系統電力計310によって計測される電力に欠損が生じた場合に、各負荷電力計340によって計測される電力に基づいて、積算電力量の予測値を補正する。
言い換えると、制御部230は、系統電力計310によって計測される電力に欠損が生じていない場合に、デマンド計測ユニット320から取得する積算電力量に基づいて、所定期間の満了時点における積算電力量の予測値を予測する。一方で、制御部230は、系統電力計310によって計測される電力に欠損が生じている場合に、各負荷電力計340によって計測される電力に基づいて、所定期間の満了時点における積算電力量の予測値を補正する。
このように、第1実施形態において、制御部230は、第1電力取得部、第2電力取得部、予測部及び補正部を構成することに留意すべきである。
ここで、制御部230は、所定期間の前半(第1タイミング)において、系統電力計310によって計測される電力の実績値に基づいて積算電力量を予測することが好ましい。制御部230は、所定期間の後半(第2タイミング)において、系統電力計310によって計測される電力の変動量に基づいて積算電力量を予測することが好ましい。
例えば、所定期間の前半は、所定期間の開始から所定期間の1/2までの期間であり、所定期間の後半は、所定期間の1/2から所定期間の満了までの期間である。或いは、所定期間の前半は、所定期間の開始から所定期間の2/3までの期間であり、所定期間の後半は、所定期間の2/3から所定期間の満了までの期間である。前半と後半とを区切るタイミングは、所定期間内のどのタイミングでもよい。
第1実施形態において、制御部230は、負荷の消費電力を含む負荷のリストを生成する。負荷のリストは、定常的に提示されるリストであってもよく、積算電力量の予測値が所定電力量を超えるときに提示されるリストであってもよい。
具体的には、制御部230は、各負荷電力計340によって計測される電力に基づいて、負荷のリストを生成する。負荷のリストは、例えば、負荷の名称、負荷の消費電力を少なくとも含む。負荷のリストは、これらの情報に加えて、消費電力の変動量を含んでもよい。
例えば、制御部230は、系統電力計310によって計測される電力の実績値に基づいて予測された積算電力量の予測値が所定電力量を超える場合に、消費電力を抑制すべき負荷のリストを第1態様で生成する。一方で、制御部230は、系統電力計310によって計測される電力の変動量に基づいて予測された積算電力量の予測値が所定電力量を超える場合に、消費電力を抑制すべき負荷のリストを第2態様で生成する。
第1態様は、負荷電力計340によって取得された電力の実績値が大きい順に負荷のリストが提示される態様である。第2態様は、負荷電力計340によって取得された電力の変動量が大きい順に負荷のリストが提示される態様である。
ここで、制御部230は、リストに含まれる負荷の入れ替え頻度が低くなるようにリストを生成する。
例えば、制御部230は、消費電力が大きい順に所定数の負荷を含むリストを生成し、或いは、前記系統に接続された負荷のうち、消費電力の増大量が大きい順に所定数の負荷を含むリストを生成してもよい。
或いは、制御部230は、系統に接続された負荷のうち、消費電力が大きい順に所定数の負荷が強調表示されたリストを生成し、或いは、系統に接続された負荷のうち、消費電力の増大量が大きい順に所定数の負荷が強調表示されたリストを生成してもよい。
或いは、所定期間の前半(第1期間)におけるリストの更新間隔は、所定期間の後半(第2期間)におけるリストの更新間隔よりも長くてもよい。
提示部240は、ユーザに対して、各種情報を提示する。具体的には、提示部240は、各情報を表示するディスプレイである。但し、提示部240は、各情報を音で出力するスピーカであってもよい。
ここで、提示部240は、リストを提示するとき、負荷120の消費電力を取得するアプリケーション又はブラウザにてリストを提示してもよい。
具体的には、提示部240は、制御部230によって予測された積算電力量の予測値が所定電力量に達する場合に、消費電力を抑制すべき旨を示すデマンド情報を提示する。提示部240は、制御部230によって補正された積算電力量の補正値が所定電力量に達する場合に、消費電力を抑制すべき旨を示すデマンド情報を提示する。
例えば、提示部240は、制御部230によって予測された積算電力量の予測値が所定電力量に達する場合に、デマンド情報を第1態様で提示する。一方で、提示部240は、制御部230によって補正された積算電力量の補正値が所定電力量に達する場合に、デマンド情報を第2態様で提示する。
第1態様は、制御部230によって予測された積算電力量の予測値を実線で表す態様であり、第2態様は、制御部230によって補正された積算電力量の補正値を点線で表す態様である。
或いは、第1態様は、デマンド情報を第1音量で出力する態様であり、第2態様は、デマンド情報を第1音量よりも小さい第2音量で出力する態様である。
或いは、第2態様は、積算電力量が前記所定電力量を超える可能性が第1態様よりも低いことをユーザに提示する態様である。例えば、第1態様は、「危険」の文字列であり、第2態様は、「危険あり」の文字列である。或いは、第1態様は、「危険」の文字列が赤色で点滅する態様であり、第2態様は、「危険」の文字列が黒色で点灯する態様である。或いは、第1態様は、赤色のシグナルが点滅する態様であり、第2態様は、黄色のシグナルが点滅する態様である。或いは、第1態様は、警報音が第1間隔で出力される態様であり、第2態様は、警報音が第1間隔よりも長い第2間隔で出力される態様である。
第1実施形態において、提示部240は、例えば、図5に示す提示情報400を表示する。提示情報400は、日時情報410、状態概要情報420、状態詳細情報430、状態凡例情報440、リンク情報450、設備変動リスト460、省エネ行動リスト470を含む。
日時情報410は、現在の日時を示す情報である。
状態概要情報420は、現在の所定期間において系統から供給を受ける電力の状態の概要を示す情報である。状態概要情報420は、例えば、4段階(余裕、注意、警告、危険)で表される。
状態詳細情報430は、現在の所定期間において系統から供給を受ける電力の状態の詳細を示す情報である。状態詳細情報430は、例えば、目標デマンド値、予測デマンド値、超過電力を含む。目標デマンド値は、所定期間において系統から供給を受ける電力の目標値である。予測デマンド値は、上述したデマンド監視ユニット330によって予測される積算電力量の予測値である。超過電力は、予測デマンド値が目標デマンド値を超える電力量である。デマンド値の単位は、kW/hである。
状態凡例情報440は、状態概要情報420の凡例を示す情報である。状態凡例情報440は、例えば、各段階(余裕、注意、警告、危険)の閾値、各段階を表現する色などを含む。
リンク情報450は、提示情報400から切り替え可能な各種情報(デマンド監視グラフ、デマンド記録/日、デマンド記録/月、設備電力見える化TOP)を示す情報である。”デマンド監視グラフ”は、例えば、後述する図6に示すグラフである。”デマンド記録/日”及び”デマンド記録/月”は、過去の履歴の集計結果である。”設備電力見える化TOP”は、提示情報400によって提示可能な情報の最上位階層に対応するトップページである。リンク情報450の選択(クリック)によって、提示部240によって提示される情報は、選択された情報に切り替えられる。
設備変動リスト460は、定常的に提示される負荷のリストである。設備変動リスト460は、例えば、負荷の名称、負荷の消費電力を含む。
ここで、設備変動リスト460は、消費電力が大きい順に所定数の負荷を含むリストであってもよく、系統に接続された負荷のうち、消費電力が大きい順に所定数の負荷が強調表示されたリストであってもよい。
省エネ行動リスト470は、積算電力量の予測値が所定電力量を超えるときに提示されるリストである。省エネ行動リスト470は、消費電力を抑制すべき負荷のリストを示すデマンド情報の一例である。
第1実施形態において、省エネ行動リスト470は、第1態様又は第2態様で提示される。上述したように、第1態様は、負荷電力計340によって取得された電力の実績値が大きい順に負荷のリストが提示される態様である。第2態様は、負荷電力計340によって取得された電力の変動量が大きい順に負荷のリストが提示される態様である。
ここで、省エネ行動リスト470が第1態様で提示される場合には、省エネ行動リスト470は、消費電力が大きい順に所定数の負荷を含むリストであってもよく、系統に接続された負荷のうち、消費電力が大きい順に所定数の負荷が強調表示されたリストであってもよい。一方で、省エネ行動リスト470が第2態様で提示される場合には、省エネ行動リスト470は、系統に接続された負荷のうち、消費電力の増大量が大きい順に所定数の負荷を含むリストであってもよく、系統に接続された負荷のうち、消費電力が大きい順に所定数の負荷が強調表示されたリストであってもよい。
続いて、第1実施形態に係るデマンド監視グラフについて説明する。図6は、第1実施形態に係るデマンド監視グラフを示す図である。
図6及び図7に示すように、デマンド監視グラフは、所定期間(例えば、30分)に含まれる現在の日時において、系統から供給を受ける電力の積算値(積算電力量)を含む。詳細には、積算電力量の実績値が実線で示されている。図6に示すように、算電力量の予測値は、実線で示されている。一方で、図7に示すように、積算電力量の予測値は、点線で示されている。
デマンド監視グラフは、所定電力として、目標電力量及び限界電力量を含む。デマンド監視グラフは、所定期間の満了時点において積算電力量が目標電力量となるため目標電力量標準線を含んでもよい。デマンド監視グラフは、所定期間の満了時点において積算電力量が限界電力量となるため限界電力量標準線を含んでもよい。デマンド監視グラフは、所定期間の満了時点における積算電力量の予測値(予測デマンド値)を含んでもよい。
第1に、系統電力計310で計測された電力に欠損が生じていないケースについて、図6を参照しながら説明する。
ここでは、時刻tnにおいて積算電力量を予測するケースについて説明する。図6に示すように、時刻tnにおける積算電力量がWnであり、時刻tn−1における積算電力量がWn−1である。
実績値に基づいて積算電力量を予測するケースでは、積算電力量の予測値の傾きは、各タイミングにおける実績値の近似直線によって表される。所定期間の満了時点の積算電力量の予測値は、“Y/X×0.5”で表される。Y/Xは、近似直線の傾きである。
すなわち、デマンド監視ユニット330は、”Y/X×0.5”が目標電力量(又は、限界電力量)を超える場合に、積算電力量の予測値が所定電力量を超えると判断する。或いは、デマンド監視ユニット330は、”Wn”が目標電力量標準線(又は、限界電力量標準線)を超えている場合に、積算電力量の予測値が所定電力量を超えると判断してもよい。
変動量に基づいて積算電力量を予測するケースでは、積算電力量の予測値の傾きは、“(Wn−Wn−1)/(tn−tn−1)”によって表される。所定期間の満了時点の積算電力量の予測値は、“Wn+{(Wn−Wn−1)/(tn−tn−1)}×(0.5−tn)”で表される。
すなわち、デマンド監視ユニット330は、“Wn+{(Wn−Wn−1)/(tn−tn−1)}×(0.5−tn)”が目標電力量(又は、限界電力量)を超える場合に、積算電力量の予測値が所定電力量を超えると判断する。
第2に、系統電力計310で計測された電力に欠損が生じているケースについて、図7を参照しながら説明する。
ここでは、時刻tnにおいて積算電力量を予測するケースについて説明する。但し、時刻tnにおいて積算電力量に欠損が生じている。図7に示すように、時刻tnにおける積算電力量の予測値がWnpである。時刻tn−1における積算電力量がWn−1である。時刻tn−2における積算電力量がWn−2である。各負荷電力計340によって計測される電力の変動量は、ΔWである。言い換えると、時刻tnにおける積算電力量の補正量は、ΔWである。従って、時刻tnにおける積算電力量の補正値は、Wn=Wnp+ΔWである。
但し、Wnpは、“Wn−1+{(Wn−1−Wn−2)/(tn−1−tn−2)}×(tn−tn−1)”によって計算可能である。
これによって、所定期間の満了時点の積算電力量の予測値は、“Wn+{(Wn−Wn−1)/(tn−tn−1)}×(0.5−tn)”で表される。
ここで、予測デマンド値は、上述したデマンド監視ユニット330によって予測される積算電力量の予測値によって求められる。予測デマンド値の単位は、kW/hである。
(デマンド情報提示方法)
以下において、第1実施形態に係るデマンド情報提示方法について説明する。図8は、第1実施形態に係るデマンド情報提示方法を示すフロー図である。図8に示すフローは、リストの更新間隔(例えば、1分)で行われる。ここで、所定期間の前半(第1期間)におけるリストの更新間隔(例えば、5分)は、所定期間の後半(第2期間)におけるリストの更新間隔(例えば、1分)よりも長いことが好ましい。或いは、所定期間の満了に近づくほど、リストの更新間隔が短縮されてもよい。
図8に示すように、ステップ10において、各負荷電力計340は、負荷120によって消費される電力を計測する。スマートセンサ350は、スマートセンサ350の配下に設けられる負荷電力計340によって計測される電力を収集する。EMS200は、各負荷電力計340によって計測される電力を示す情報をスマートセンサ350から取得する。
ステップ20において、EMS200は、提示部240によって提示される情報を更新する。具体的には、EMS200は、各負荷電力計340によって計測される電力に基づいて、提示部240によって提示される情報(ここでは、設備変動リスト460)を更新する。
ステップ30において、系統電力計310は、配電線31(系統)から供給を受ける電力を計測する。デマンド計測ユニット320は、所定期間(例えば、30分)において、系統電力計310で計測された電力を積算する。デマンド監視ユニット330は、積算値(積算電力量)をデマンド計測ユニット320から取得する。
ステップ35において、EMS200は、系統電力計310によって計測される電力に欠損がないか否かを判定する。欠損がない場合には、ステップ40Aの処理が行われる(YES)。欠損がある場合には、ステップ40Bの処理が行われる(NO)。
ステップ40Aにおいて、EMS200は、デマンド計測ユニット320から取得する積算値(積算電力量)に基づいて、所定期間の満了時点における積算電力量の予測値を予測する。
ステップ40Bにおいて、EMS200は、各負荷電力計340によって計測される電力に基づいて、所定期間の満了時点における積算電力量の予測値を補正する。
ステップ50Aにおいて、デマンド監視ユニット330は、積算電力量の予測値が所定電力(目標電力量又は限界電力量)を超えているか否かを判定する。判定結果が”YES”である場合には、ステップ60Aの処理が行われる。判定結果が”NO”である場合には、ステップ70の処理が行われる。
ステップ50Bにおいて、デマンド監視ユニット330は、積算電力量の補正値が所定電力(目標電力量又は限界電力量)を超えているか否かを判定する。判定結果が”YES”である場合には、ステップ60Bの処理が行われる。判定結果が”NO”である場合には、ステップ70の処理が行われる。
ステップ60Aにおいて、EMS200は、消費電力を抑制すべき旨を示すデマンド情報を第1態様で提示する。また、EMS200は、提示部240によって提示される情報を更新する。具体的には、EMS200は、積算電力量の予測値(すなわち、系統電力計310によって計測される電力)に基づいて、提示部240によって提示される情報(ここでは、省エネ行動リスト470)を更新する。
ステップ60Bにおいて、EMS200は、消費電力を抑制すべき旨を示すデマンド情報を第2態様で提示する。また、EMS200は、提示部240によって提示される情報を更新する。具体的には、EMS200は、積算電力量の補正値(すなわち、各負荷電力計340によって計測される電力)に基づいて、提示部240によって提示される情報(ここでは、省エネ行動リスト470)を更新する。
ステップ70において、デマンド計測ユニット320は、所定期間が経過したか否かを判定する。判定結果が”YES”である場合には、ステップ80の処理が行われる。判定結果が”NO”である場合には、一連の処理が終了する。
ステップ80において、デマンド計測ユニット320は、系統電力計310で計測された電力の積算値(積算電力量)をリセットする。
以上説明したように、第1実施形態において、デマンド情報提示装置(EMS200)は、系統電力計310によって取得される電力に欠損が生じたケースにおいて、EMS200によって補正された積算電力量の補正値が所定電力量に達する場合に、消費電力を抑制すべき旨を示すデマンド情報を提示する。これによって、系統電力計310によって取得される電力に欠損が生じた場合であっても、ユーザに対してデマンド情報を正確に提示することができる。
第1実施形態において、デマンド情報提示装置(EMS200)は、積算電力量の予測値が所定電力量に達する場合に、デマンド情報を第1態様で提示し、積算電力量の補正値が所定電力量に達する場合に、デマンド情報を第1態様とは異なる第2態様で提示する。従って、ユーザは、積算電力量が所定電力量を超える危険性を識別することができる。
第1実施形態において、デマンド情報提示装置(EMS200)は、系統電力計310によって取得される電力の実績値に基づいて予測された積算電力量の予測値、或いは、系統電力計310によって取得される電力の変動量に基づいて予測された積算電力量の予測値が所定電力量に達する場合に、消費電力を抑制すべき負荷のリストを示すデマンド情報を提示する。すなわち、デマンド情報提示装置(デマンド監視ユニット330)は、所定期間の満了時点における積算電力量の予測方法を使い分ける。これによって、警報オン状態と警報オフ状態との繰り返しが抑制される。
例えば、デマンド情報提示装置(デマンド監視ユニット330)は、所定期間の前半(第1タイミング)において、系統電力計310によって取得される電力の実績値に基づいて、所定期間の満了時点における積算電力量を予測する。従って、瞬時的な消費電力の増減に伴って警報オン状態と警報オフ状態との繰り返しが生じない。
一方で、デマンド情報提示装置(デマンド監視ユニット330)は、所定期間の後半(第2タイミング)において、系統電力計310によって取得される電力の変動量に基づいて、所定期間の満了時点における積算電力量を予測する。従って、所定期間の満了時点における積算電力量の予測値が所定電力量を超えるか否かを正確に判定することができる。
第1実施形態において、デマンド情報提示装置(EMS200)は、系統電力計310によって取得される電力の実績値に基づいて予測された積算電力量の予測値が所定電力量を超える場合に、負荷電力計340によって取得された電力の実績値が大きい順に負荷のリストを省エネ行動リスト470として提示する(第1態様)。従って、消費電力を抑制すべき負荷をユーザに対して適切に提示することができる。
一方で、EMS200は、系統電力計310によって取得される電力の変動量に基づいて予測された積算電力量の予測値が所定電力量を超える場合に、負荷電力計340によって取得された電力の変動量が大きい順に負荷のリストを省エネ行動リスト470として提示する(第2態様)。従って、消費電力を抑制すべき負荷をユーザに対して適切に提示することができる。
第1実施形態において、デマンド情報提示装置(EMS200)は、リストに含まれる負荷の入れ替え頻度が低くなるようにリストを提示する。これによって、ユーザの混乱を抑制しながら、消費電力を抑制すべき負荷をユーザが効果的に把握することができる。
例えば、デマンド情報提示装置(EMS200)は、消費電力が大きい順に所定数の負荷を含むリストを提示し、或いは、前記系統に接続された負荷のうち、消費電力の増大量が大きい順に所定数の負荷を含むリストを提示する。これによって、リストに含まれる負荷の入れ替え頻度が低下する。
或いは、制御部230は、系統に接続された負荷のうち、消費電力が大きい順に所定数の負荷が強調表示されたリストを提示し、或いは、系統に接続された負荷のうち、消費電力の増大量が大きい順に所定数の負荷が強調表示されたリストを提示してもよい。これによって、リストに含まれる協調表示された負荷の入れ替え頻度が低下する。
或いは、所定期間の前半(第1期間)におけるリストの更新間隔は、所定期間の後半(第2期間)におけるリストの更新間隔よりも長くてもよい。これによって、消費電力を抑制する緊急性が低い期間(第1期間)においては、ユーザの混乱を抑制することができる。一方で、消費電力を抑制する緊急性が高い期間(第2期間)においては、消費電力を抑制すべき負荷をユーザが効果的に把握することができる。
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
具体的には、第1実施形態では、負荷120によって消費される電力を取得する間隔及びリストの更新間隔が同じである。これに対して、変更例1では、負荷120によって消費される電力を取得する間隔がリストの更新間隔と異なる。
例えば、負荷120によって消費される電力を取得する間隔が1分であり、リストの更新間隔が所定の時間間隔(例えば、5分)であってもよい。リストの更新間隔は、第1実施形態と同様に可変であってもよい。
(デマンド情報提示方法)
以下において、変更例1に係るデマンド情報提示方法について説明する。図9は、変更例1に係るデマンド情報提示方法を示すフロー図である。図9では、図8に示すフローに対して、ステップ10とステップ20との間にステップ15が追加されている。
ステップ15において、EMS200は、所定の時間間隔が経過したか否かを判定する。判定結果が”YES”である場合には、ステップ20の処理が行われる。判定結果が”NO”である場合には、ステップ30の処理が行われる。
このように、負荷120によって消費される電力を取得する間隔よりも所定の時間間隔(リストの更新間隔)が長いと、リストが頻繁に更新されてユーザが混乱することが抑制される。
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
第1実施形態では、各負荷電力計340によって計測される電力の変動量が積算電力量の傾きとして用いられた。これに対して、変更例2では、各負荷電力計340によって計測される電力の変動量を補正した上で、補正された変動量を積算電力量の傾きとして用いる。
変更例2では、系統に接続された負荷120のうち、一部の負荷の電力が負荷電力計340によって測定されるケースを主として想定している。
詳細には、系統電力計310で計測された電力に欠損が生じているケースについて、図10を参照しながら説明する。
ここでは、時刻tnにおいて積算電力量を予測するケースについて説明する。但し、時刻tnにおいて積算電力量に欠損が生じている。図10に示すように、系統電力計310で計測された電力については、時刻tnにおける積算電力量の予測値がWnpである。時刻tn−1における積算電力量がWn−1である。時刻tn−2における積算電力量がWn−2である。一方で、各負荷電力計340によって計測される電力については、時刻tnにおける積算電力量の予測値がWnp’である。時刻tn−1における積算電力量がWn−1’である。時刻tn−2における積算電力量がWn−2’である。各負荷電力計340によって計測される電力の変動量は、ΔW’である。言い換えると、各負荷電力計340によって計測される電力の積算値の補正量は、ΔW’である。従って、時刻tnにおいて各負荷電力計340によって計測される電力の積算値の補正値は、Wn’=Wnp’+ΔW’である。
但し、Wnp’は、“Wn−1’+{(Wn−1’−Wn−2’)/(tn−1−tn−2)}×(tn−tn−1)”によって計算可能である。
このようなケースにおいて、時刻tnにおける積算電力量の補正量は、ΔW=ΔW’×{(Wn−1−Wn−2)/(Wn−1’−Wn−2’)}によって表すことが可能である。
これによって、所定期間の満了時点の積算電力量の予測値は、“Wn+ΔW’×{(Wn−1−Wn−2)/(Wn−1’−Wn−2’)}×(0.5−tn)”で表される。
変更例2によれば、負荷電力計340によって電力が測定される負荷が系統に接続された負荷120の一部であっても、積算電力量の予測値を正確に補正することが可能である。
[変更例3]
以下において、第1実施形態の変更例3について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
具体的には、変更例3において、EMS200は、所定期間(例えば、30分)の開始から所定期間(例えば、10分)が経過するまで、省エネ行動リスト470の提示をペンディングする。これによって、所定期間の満了時点における積算電力量の予測精度が低い状態において、警報オン状態と警報オフ状態との繰り返しが抑制される。
[変更例4]
以下において、第1実施形態の変更例4について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
具体的には、変更例4において、デマンド計測ユニット320は、系統電力計310で計測された電力の積算値(積算電力量)を所定期間毎にリセットせずに、系統電力計310で計測された電力の積算値を継続的に管理していてもよい。すなわち、デマンド計測ユニット320は、現在の所定期間に加えて、現在の所定期間よりも前の期間において系統電力計310で計測された電力に基づいて、現在の所定期間の満了時点における積算電力量を予測する。これによって、現在の所定期間の開始直後において、現在の所定期間の満了時点における積算電力量の予測精度の低下が抑制される。
但し、EMS200によって提示される情報(例えば、提示情報400及びデマンド監視グラフ)は、所定期間毎にリセットされることは勿論である。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
実施形態において、デマンド情報提示装置は、EMS200及びデマンド監視ユニット330によって構成される。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。デマンド監視ユニット330の機能は、EMS200に設けられていてもよい。或いは、デマンド情報提示装置は、CEMS20に設けられていてもよく、スマートサーバ40に設けられていてもよい。或いは、デマンド情報提示装置は、HEMS(Home Energy Management System)に設けられていてもよく、BEMS(Building Energy Management System)に設けられていてもよく、FEMS(Factory Energy Management System)に設けられていてもよく、SEMS(Store Energy Management System)に設けられていてもよい。
実施形態では特に触れていないが、負荷電力計340は、電流センサ等であってもよい。
実施形態では、需要家10は、負荷120、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を有する。しかしながら、需要家10は、少なくとも、負荷120を有していればよい。
実施形態では、負荷のリストは、負荷毎の消費電力を含むように構成される。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。負荷のリストは、分電盤110のブレーカの配下に設けられる電力線に接続された負荷のグループ毎の消費電力を含むように構成されてもよい。このようなケースでは、スマートセンサ350は、スマートセンサ350の識別子とともに、複数の負荷電力計340によって計測される電力の集計値を示す情報をEMS200に送信することが好ましい。
実施形態では特に触れていないが、積算電力量の予測値は、PV発電予測情報に基づいて補正されてもよい。例えば、PV131の発電量が増大する傾向にあれば、積算電力量の予測値は下方修正されてもよい。或いは、積算電力量の予測値は、燃料電池151の発電余力(最大発電量から現在の発電量を除いた値)に基づいて補正されてもよい。例えば、燃料電池151の発電余力が大きい程、積算電力量の予測値は下方修正されてもよい。或いは、積算電力量の予測値は、燃料電池151の蓄電残量に基づいて補正されてもよい。例えば、燃料電池151の蓄電残量が大きい程、積算電力量の予測値は下方修正されてもよい。
実施形態では特にふれていないが、提示情報400は、PV発電予測情報を含んでもよい。或いは、提示情報400は、燃料電池151の発電余力を示す情報を含んでもよい。或いは、提示情報400は、燃料電池151の蓄電残量を含んでもよい。
実施形態では特に触れていないが、EMS200は、所定期間の満了時点における積算電力量が所定電力量を超えないように、PVユニット130、蓄電池ユニット140、燃料電池ユニット150及び貯湯ユニット160を制御することが好ましい。
変更例2では、各負荷電力計340によって計測される電力の変動量を補正した上で、補正された変動量を積算電力量の傾きとして用いる。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、各負荷電力計340によって計測される電力の変動量に代えて、過去の所定期間における積算電力量の変動量を補正した上で、補正された変動量を積算電力量の傾きとして用いてもよい。
実施形態では特に触れていないが、基本料金は、例えば、過去の所定期間(例えば、30分)における電力量に基づいて定められる。すなわち、系統電力計310により、30分間の電力量(使用電力量)を計測する。そして、当該30分間における平均使用電力(kW)を算出する。この平均使用電力が30分デマンド値と呼ばれる。そして、1ヶ月の中で最大の30分デマンド値を、その月の最大需要電力(最大デマンド値)と呼ぶ。そして、その月の最大デマンド値、あるいは過去1年の間における最大デマンド値の中で最も大きい値が基本料金の計算に使用されることとなる。つまり、1ヶ月あるいは1年間のうち、一度でも大きなデマンド値が生じると、翌月あるいは翌1年間にわたり、そのデマンド値を用いた基本料金が適用されることとなる。このようにして基本料金は定められる。