JP5962770B2 - 電力系統制御システム及び電力系統制御方法 - Google Patents

電力系統制御システム及び電力系統制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統の制御を行う電力系統制御システム及び電力系統制御方法の技術に関する。
SVR(Step Voltage Regulator;自動電圧調整器)、SVC(Static Var Compensator;無効電力補償装置)等の制御装置によって、自端(制御装置が設置されている位置)の電圧が目標電圧となるよう制御する技術がある。
さらに、監視制御サーバで一括して電力系統全体の状態を把握し、各制御装置に最適な制御指令を与える、いわゆる集中型制御が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、SVR側で無効電力を監視し、所定時間以上継続して無効電力を計測した場合、SVCが動作中であると推定し、SVRのタップ切替制御を行う技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。この技術は、通信を前提としない、いわゆる自律分散型制御の技術である。
特開2007−288877号公報 特開2011−217581号公報
近年、住宅内の調理器具、給湯器、空調機及び照明装置等を電気でまかなう、いわゆるオール電化住宅が普及しつつある。さらに、夜間の安い電気を使って湯を作る電気給湯器、電気自動車等の大容量負荷が普及しつつあり、電力需要の多様化が進んでいる。
その一方、太陽光発電、燃料電池、家庭用蓄電池等の分散型電源による補助発電が様々なところで行われるようになりつつある。従って、このような状況によって、電力系統、特に配電系統の状態(電圧)の変動が大きくなり、これを電気事業法で定められる適正範囲(101±6V又は202±20V)に維持することが、今後ますます困難になってくるものと予想される。
従来の技術では、SVRや、SVCにより自端の電圧変動が適正範囲に抑制される。しかし、SVRや、SVCは基本的に単独で動作し、近隣の他の制御装置と連携動作しない。従って、電力系統に大容量負荷が設けられたり、分散型電源が電力系統に多数接続されたりすると、電力系統の電圧変動を適正範囲に抑制することが困難になる可能性がある。
特許文献1に記載の技術は、監視制御サーバと各制御装置との通信環境が安定しており、高速高品質な通信を行うことができる場合に有効である。しかし、例えば、山間部の僻地等のように高速高品質の通信環境が整っていない場合も多数あると考えられる。このように高速高品質の通信環境を利用できない場合、特許文献1に記載の技術では、監視制御サーバから制御装置への制御指令の伝達が遅れたり、制御指令が届かなかったりすることが考えられる。よって、速高品質の通信環境を利用できない場合、特許文献1に記載の技術では、適切な制御を十分に行うことができない可能性がある。
特許文献2に記載の技術は、SVRがSVCの上流側(変電所側)にあって、かつ距離が近いような位置に設置されている場合には有効であると考えられる。しかし、そのような構成以外の場合や、SVCの出力する無効電力が正しくSVR側で検出できるような位置関係(SVRがSVCの上流側にあって、かつ距離が近い等)でない場合、特許文献2に記載の技術では、適切な制御を行うことが難しいと考えられる。また、同一電力系統にSVCが2台以上接続される場合にも、同様に、SVRで各SVCの出力する無効電力を正しく推定することは特許文献2に記載の技術では困難と考えられる。
今後、大容量負荷や、分散型電源の普及が進むにつれて、電圧変動の拡大の可能性が高まることが予想される。このような問題への対策として、SVRやSVCを含む制御装置が多数電力系統へ設置されると予想される。そのような場合、前記した特定の設置条件(高速高品質の通信環境)を満たさない電力系統が多数存在することが考えられる。そして、このような場合、特許文献1や特許文献2に記載の技術では、電力系統の電圧を適切に制御することは困難と考えられる。
さらに、負荷や分散型電源の出力の擾乱が大きく発生し、センサの出力等の信頼性が低下すると、従来の制御技術では適切な制御を行うことが困難になってくることが考えられる。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、信頼性の高い電力制御を行うことを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、分散制御モードにおいて、計測データの信頼性が低い場合には、仮制御量に基づく電量系統の制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、信頼性の高い電力制御を行うことができる。
第1実施形態に係る電力系統制御システムの構成例を示す図である。 本実施形態に係る中央装置及び制御装置のハードウェア構成例を示す図である。 本実施形態に係る電力系統の構成例を示す。 第1実施形態に係るノード管理データの構成例を示す図である。 第1実施形態に係るブランチ管理データの構成例を示す図である。 第1実施形態に係る制御装置管理データの構成例を示す図である。 第1実施形態に係る制御量データの構成例を示す図である。 第1実施形態に係る計測データの構成例を示す図である。 第1実施形態に係る制御モードの移行を説明するための図である。 第1実施形態に係る中央装置における制御量算出処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る中央装置における演算モデル算出処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る演算モデルの具体的な意味を説明するための図である。 第1実施形態に係るモデルデータの具体的な一例を示す図である。 第1実施形態に係る制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 時間帯に応じて演算モデルを切り替えることを説明するための図である。 第2実施形態に係る中央装置の構成例を示す図である。 第2実施形態に係る制御装置の構成例を示す図である。 第2実施形態に係る信頼区間の例を示す図である。 第2実施形態に係る信頼区間データの例を示す図である。 第2実施形態に係る制御処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る仮制御量の算出方法を説明するための図である(その1)。 第2実施形態に係る仮制御量の算出方法を説明するための図である(その2)。 第3実施形態に係る制御装置の構成例を示す図である。 第3実施形態に係る制御処理の手順を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
[第1実施形態]
図1〜図13を参照して第1実施形態に係る電力系統制御システム5を説明する。本実施形態では、変圧器等で構成される電力系統を制御するための通信ネットワーク4の通信状態を監視し、通信状態に応じて制御モードを切り替えて、制御装置2を適切に制御する電力系統制御システム5の例を説明する。
<システム構成>
図1は、第1実施形態に係る電力系統制御システムの構成例を示す図である。
電力系統制御システム5において、中央装置(管理装置)1、複数の制御装置2(2a〜2c)、及び複数のセンサ3(3a〜3c:計測装置)が通信ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。
(中央装置)
中央装置1は、例えば、コンピュータシステムとして構成されている。
中央装置1は、通信状態監視部101、電力状態推定部102、制御量算出処理部103、モデル生成部104、送受信処理部(送信部)105、計測データ記憶部111、系統データ記憶部112及びモデルデータ記憶部113を有している。
通信状態監視部101は、通信ネットワーク4の通信状態を監視する。また、通信状態監視部101は、予め定められた一定の監視周期Tmで各センサ3からタイムスタンプ付計測データを収集し、収集したタイムスタンプ付きの計測データを計測データとして計測データ記憶部111に格納する。なお、以降、計測データとは、タイムスタンプ付きの計測データであるとする。
電力状態推定部102は、電力系統制御システム5の電力状態を推定する。具体的には、電力状態推定部102は、電力状態の推定に十分な数の計測データが得られたか否かを判定することで、可観測性を判定する。そして、電力状態推定部102は、可観測か不観測かに応じた方法で、正常と判定された計測データと系統データを用いて、電力系統全体の電力状態(有効電力、無効電力、電圧等)を推定する。
制御量算出処理部103は、各制御装置2の制御量を算出し、各制御量を制御装置2へ送信する。ここで、制御装置2がLRT(Load Ratio control Transformer)や、SVRの場合は、制御量はタップ番号(変圧比)である。この場合、制御装置2は制御量に含まれるタップマップ(変圧比に対応するタップ番号が記載されたリスト)を参照して、タップを対応するタップ番号に切替動作を行う。なお、すでに該当タップ番号になっている場合には切替動作は行われない。
モデル生成部104は、電力状態や、制御量の演算モデルを算出する。演算モデルについては、後記して説明する。
送受信処理部105は、各制御装置2や、各センサ3との間の各種データの送受信を行う。つまり、送受信処理部105は、制御装置2へ、後記する制御量データ、モデルデータ、系統データといった各種データを送信する。これら制御装置2へ送信されるデータは、各々のデータ種別毎に異なる周期で送信されてもよい。
計測データの送信周期は、電力系統毎や、通信回線のスペック、通信機器数、目標性能等を勘案して予め定められる。送信周期は、例えば、1分、3分、10分、30分、60分等のような値に設定される。これらの具体的数値は一例であって、これらの値に限定されない。
計測データ記憶部111には、センサ3で計測された計測値に関するデータである計測データが格納されていている。計測データについては後記する。
系統データ記憶部112には、電力系統の構成や、電力系統を構成する機器のスペック等に関するデータである系統データが格納されている。系統データについては後記する。
モデルデータ記憶部113には、モデル生成部104で生成された、電力状態や、制御量の演算モデルに関するデータであるモデルデータが格納されている。
(制御装置)
次に、制御装置2の構成を説明する。
制御装置2は、LRT、SVR、SVC、スイッチトキャパシタ、バッテリ付PCS(Power Conditioning System)等の、電力系統の状態のうち主に電圧を制御するための機器であり、コントローラ200と、制御処理部204とを有する。
コントローラ200は、制御量を決定するものであり、送受信処理部201、制御モード決定処理部202、制御量算出処理部203、系統データ記憶部211、モデルデータ記憶部212及び計測データ記憶部213を有する。
送受信処理部201は、中央装置1や、各センサ3との間のデータの送受信を行う。
制御モード決定処理部202は、通信状態を基に、複数の制御モードの中からいずれか1つを決定する。制御モードには、集中制御モード、分散制御モード、自律制御モードが存在する。それぞれの制御モードについては後記して説明する。
制御量算出処理部203は、制御モード決定処理部202にて決定された制御モードが分散制御モードである場合、演算モデルを使用して自身が出力する制御量を算出する。
系統データ記憶部211には、中央装置1から送られた系統データが格納されている。
モデルデータ記憶部212には、中央装置1から送られたモデルデータが格納されている。
計測データ記憶部213には、センサ3で計測された計測値に関するデータである計測データが格納されていている。
すなわち、制御装置2の系統データ記憶部211、計測データ記憶部212、モデルデータ記憶部213には、中央装置1における系統データ記憶部112、モデルデータ記憶部113、計測データ記憶部111と同様のデータが格納されている。ただし、制御装置2が、後記する自律制御モードによる制御を行っている場合、制御装置2の自制御装置2に設けられているセンサ3からの計測データだけが計測データとして蓄積される場合がある。
制御処理部204は、中央装置1から送られた制御量、あるいは制御量算出処理部203で算出された制御量に従って、制御出力を行う。制御処理部204は制御量に含まれるタップマップ(変圧比に対応するタップ番号が記載されたリスト)を参照して、タップを対応するタップ番号に切替動作を行う。
制御装置2がSVC、スイッチトキャパシタ、バッテリ付PCSの場合、制御出力は無効電力の出力、あるいは目標電圧の二通りがある。制御出力が無効電力の出力の場合、「進み50kvar」又は「遅れ30kvar」のように出力される。
制御出力が目標電圧の場合、制御処理部204は、まず、制御装置2の設置地点の電圧と目標電圧の差分を監視する。そして、制御処理部204は、前記差分及び制御装置2の設置地点とインバータ(キャパシタ)との間のリアクタンスを用いて、例えばPI(Proportional Integral)制御(比例制御、積分制御)にて目標電圧に一致するように出力すべき無効電力を決定し、その無効電力にしたがって出力動作を行う。
(センサ)
次に、センサ3について説明する。
センサ3は、センサ3自身の電力系等上の設置位置における電力状態量を計測する装置である。センサ3で計測された電力状態量は、通信ネットワーク4を介して、中央装置1や、制御装置2に送信される。センサ3で計測される電力状態量のデータが計測データである。
各センサ3は、所定の時間周期にて、それぞれの種類や役割に応じて、15分毎等、所定時間毎に有効電力P、無効電力Q、電圧V等を計測し、計測データとして出力することができる。さらに、センサ3は、電流(潮流方向を含んでもよい)、電圧、力率を計測、出力することも可能である。なお、有効電力P及び無効電力Qは、電流、電圧、力率を用いた算出式によって算出されることも可能である。三相三線式の交流回路の場合、有効電力P、無効電力Q、電流、力率は相単位に計測され、電圧は線間単位に計測される。計測の簡略化のため、代表相(例えばU相)又は代表線間(例えばUV相)のみが計測される場合もある。
中央装置1の送受信処理部105は、センサ3から受信した計測データを計測データ記憶部111に格納する。同様に、制御装置2の送受信処理部201は、センサ3から受信した計測データを計測データ記憶部213に格納する。計測データについては後記する。
(通信ネットワーク)
次に、通信ネットワーク4について説明する。
通信ネットワーク4は、中央装置1、制御装置2及びセンサ3を互いに接続する通信回線網である。各々の中央装置1、制御装置2、センサ3は、通信ネットワーク4を用いて相互に、制御指令や、計測データ等の各種データを送受信する。通信ネットワーク4は、例えば、電話回線等の公衆回線、Ethernet(登録商標)、専用通信回線、電力線搬送通信回線等の有線によるネットワークでもよい。あるいは、通信ネットワーク4は、携帯電話通信網、PHS(Personal Handy-phone System)、業務用無線、衛星用回線、無線LAN(Local Area Network)、ZigBee(登録商標)等の無線によるネットワークでもよい。
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係る中央装置及び制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
図2(a)は、中央装置のハードウェア構成例を示す図である。
中央装置1は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only memory)303、HD(Hard Disk)304、LAN(Local Area Network)カード等の通信インタフェース305がバス306を介して接続されている。
図1の中央装置1における通信状態監視部101、電力状態推定部102、制御量算出処理部103、モデル生成部104、送受信処理部105は、HD304等に格納されているプログラムがRAM302に展開され、CPU301によって実行されることで具現化する。
また、計測データ記憶部111、系統データ記憶部112、モデルデータ記憶部113はHD304によって実現されている。
図2(b)は、制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
制御装置2は、CPU401、ROM402、通信インタフェース403がバス404を介して接続されている。
図1の制御装置2における制御処理部204、コントローラ200、コントローラ200を構成する送受信処理部201、制御モード決定処理部202、制御量算出処理部203は、ROM402に格納されているプログラムをCPU401が実行することにより具現化する。
また、系統データ記憶部211、モデルデータ記憶部212、計測データ記憶部213はROM402内に形成されている。
<電力系統の構成例>
図3は、本実施形態に係る電力系統の構成例を示す。
電力系統は、大別して、ノード31(31a〜31g)とブランチ32(32a〜32f)とから構成され、各々のノード31とブランチ32は属性データを有している。
ノード31は、所定の機器が設置されている箇所である。
例えば、ノード31aは、変電所に設置されている変圧器であり、そこにはセンサ3a(3)及び制御装置2a(2)が接続されている。ノード31bは、電柱に設置されている柱上変圧器であり、そこにはセンサ3b(3)が接続されている。ノード31cは、電柱に設置されている柱上変圧器であるが、そこに制御装置2やセンサ3は設置されていない。ノード31dは、需要家又は分散電源等の負荷又は電源を示し、そこにはセンサ3c(3)及び制御装置2b(2)が接続されている。ノード31eは、柱上変圧器が設置されている電柱であり、そこにセンサ3は設置されていない。ノード31fは、柱上変圧器が設置されている電柱であり、そこにはセンサ3d(3)が設置されている。最後のノード31gは、需要家又は分散電源等の負荷又は電源を示し、そこにはセンサ3e(3)及び制御装置2c(2)が接続されている。
次に、ブランチ32(32a〜32f)について説明する。ブランチ32は、ノード31とノード31との間の経路区間であり、具体的には、送電線又は配電線の区間である。言い換えれば、ブランチ32以外はノード31となる。各ブランチ32は、そのインピーダンスとして、抵抗R及びリアクタンスXを有する。ブランチ32には、厳密にはキャパシタンスもあるが、この例では他に比べて十分小さいとみなし無視することにする。
図3におけるブランチ32aは、始点ノードを31a、終点ノードを31bとする区間である。また、ブランチ32bの始点はノード31b、終点はノード31cである。さらに、ブランチ32cの始点はノード31c、終点はノード31dである。そして、ブランチ32dの始点はノード31d、終点はノード31eである。また、ブランチ32eの始点はノード31e、終点はノード31fである。そして、ブランチ32fの始点はノード31f、終点はノード31gである。
<系統データ>
次に、図4〜図6を参照して、系統データを構成する各種データについて説明する。
(ノード管理データ)
図4は、第1実施形態に係るノード管理データの構成例を示す図である。
なお、ノード管理データは、系統データ10の一部を構成するデータである。
ノード管理データは、ノードID(Identification)、変電所フラグ、柱上変圧器フラグ、センサID、制御装置ID、計測値、電力状態推定値の各フィールドを有する。
ノードIDは、ノードを識別する情報である。
変電所フラグは、変電所の有無を示す情報である。
柱上変圧器フラグは、柱上変圧器の有無を示す情報である。
センサIDは、センサ3を識別する情報であるとともに、センサ3の有無を示す情報でもある。
制御装置IDは、制御装置2を識別する情報であるとともに、制御装置2の有無を識別する情報でもある。
計測値は、センサ3による計測値である。なお、計測値は計測データに含まれているものである。
電力状態推定値は、各ノードにおいて、各センサ3から送られる計測データの全部、あるいは一部を用いて後記する演算モデルを用いて推定される電力状態の値である。電力状態推定値は、具体的には、有効電力P(PA〜PG)、無効電力Q(QA〜QG)、推定電圧V(VA〜VG)等の推定値である。
電力状態推定値が算出されるタイミングはセンサ3と同期する(例えば、15分毎)ことが望ましい。センサ3の設置されていないノード31c,31eでは、そのノードにおける電力状態が潮流計算等から推定されて、ノード管理データに記憶されている。なお、電力状態推定値と、計測値とは通常異なる値となることが多い。
また、後記する集中制御モードや、自律制御モードが行われているときには、電力状態推定値には潮流計算等を基に算出された電力状態推定値が格納される。
なお、図4に示すように電力状態推定値はすべてのノードについて算出されることが望ましい。あるいは、ユーザが電力状態推定値を算出するノードを指定してもよい。
なお、ノード管理データは、図4に示す項目だけでなく、他の項目を加えてもよいし、図示している項目を複数のノード管理データに分割し、分割されたノード管理データ同士がリンクや、ポインタ等で対応づけられる構成でもよい。このようなことは、ノード管理データに限らず、後記する他のデータについても同様のことがいえる。
(ブランチ管理データ)
図5は、第1実施形態に係るブランチ管理データの構成例を示す図である。
なお、ブランチ管理データは、系統データの一部を構成するデータである。
ブランチ管理データは、ブランチID、始点ノードID、終点ノードID、抵抗値R(Ω)、リアクタンスX(Ω)の各フィールドを有する。
ブランチIDは、ブランチを識別する情報である。
始点ノードIDは、対象となっているブランチの始点となっているノードのノードIDである。
終点ノードIDは、対象となっているブランチの終点となっているノードのノードIDである。
抵抗値は、対象となっているブランチの抵抗値である。
リアクタンスは、対象となっているブランチのリアクタンスである。
抵抗値や、リアクタンスは、ノードにおける電圧や、ブランチの材質等から算出される。
(制御装置管理データ)
図6は、第1実施形態に係る制御装置管理データの構成例を示す図である。
なお、制御装置管理データは、系統データの一部を構成するデータである。
制御装置管理データは、制御装置ID、基準電圧(V)、LDC(Line Drop Compensator)パラメータR,X(Ω)、動作時限(sec)、定格容量(kVA/kvar)の各フィールドを有している。
制御装置IDは、制御装置2を識別する情報である。
基準電圧、LDCパラメータ、定格容量は、それぞれの制御装置2のスペックによって定められる値である。
LDCパラメータは、制御装置2がLRT又はSVRのような負荷に応じて電圧を調整する装置に用いられるもので、具体的には、制御装置2から基準点までのインピーダンス(抵抗、リアクタンス)及び不感帯から構成される数値データである。したがって、制御装置2がLRT又はSVRのような負荷に応じて電圧を調整する装置以外のときには、LDCパラメータは無効である。
動作時限は、制御装置2が動作してから次に動作可能となるまでの時間である。
(制御量データ)
図7は、第1実施形態に係る制御量データの構成例を示す図である。
制御量データは、制御装置ID、制御量、タイムスタンプを有している。
制御装置IDは、制御装置2を識別するIDであり、制御量データの宛先にもなっている。
制御量は、制御装置IDに該当する制御装置2における制御量である。
タイムスタンプは制御量データが送信された日時である。
図7の制御量データは、中央装置1から制御装置2へ送信されるデータであり、制御装置2が集中制御を行っている場合、制御装置2は制御量データに含まれる制御量で自身を制御する。
(計測データ)
図8は、第1実施形態に係る計測データの構成例を示す図である。
計測データの1レコードが、センサ3から送られる計測データに該当する。
計測データは、タイムスタンプと、センサIDと、対象となっているセンサ3で計測された各計測値を有する。なお、本実施形態において計測値は、有効電力P(kW)、無効電力Q(kvar)、電圧V(V)であるが、この他にも電流、力率、潮流方向(電流方向)等が含まれてもよい。
タイムスタンプは、対象となっているセンサ3で計測値が計測された日時である。
センサIDは、センサ3を識別する情報である。
<制御モードの移行>
図9は、第1実施形態に係る制御モードの移行を説明するための図である。
本実施形態では、電力系統の制御モードとして、(1)集中制御モード、(2)分散制御モード、(3)自律制御モード、の3つがある。
制御モードの移行についての説明を行う前に、これら3つの制御モードについて説明する。
(1)集中制御モード
集中制御モードとは、中央装置1ですべての制御装置2の制御を行うモードであり、特許文献1に記載の技術の集中型制御にあたる。具体的には、中央装置1が各制御装置2の制御量を算出し、各制御装置2は中央装置1から送られた制御量を基に自身の制御を行う。集中制御モードは、中央装置1ですべての制御を行うため、効率等の点で優れている。
(2)分散制御モード
分散制御モードは、中央装置1で算出された電力状態・制御量の演算モデルと、センサ3から取得した計測データとを基に、自身の制御量を算出し、制御するモードである。分散制御モードは、中央装置1からの制御量を使用せず、制御装置2自身で制御量を算出することができる。
(3)自律制御モード
自律制御モードは、中央装置1とは関係なく、制御装置2が自身の制御料を算出し、制御するモードであり、特許文献2に記載の技術の自律分散型制御にあたる。
電力系統の電力状態を推定した上で制御する分散制御モードは、単純に自端ノードにおける目標電圧との偏差を解消するように制御を行う自律制御モードとは異なる。
自律制御モードで制御が行われている場合、制御装置2の制御量算出処理部203は、系統データに含まれる各制御装置2の制御パラメータと、計測データとに基づき、予め定められた所定の方式に従って制御量を算出する。例えば、制御装置2がLRTや、SVRの場合、LDC方式に基づいて、SVC、スイッチトキャパシタ、バッテリ付PCSでは電圧一定制御に基づいて、自身で出力すべき制御量を算出し、制御処理部204は、この制御量に基づいて自身の制御を行う。
なお、優先順位としては、(1)集中制御モード、(2)分散制御モード、(3)自律制御モードの順となる。
これらの制御モードは、通信状態によって移行される。
制御モードの移行制御を、図9を参照して説明する。
まず、集中制御モードにおいて、中央装置1は制御装置2の制御量を算出すると、算出した制御量を制御量データとして制御装置2に送信する。このとき、制御量データには、送信日時であるタイムスタンプが付されている。
制御装置2は、中央装置1から前回受信した制御量データのタイムスタンプと現在時刻との差Tdと、予め設定されている第1所定時間T1とを比較する。ここで、第1所定時間T1は、中央装置1による制御量データの送信周期Tc以上に設定されている(T1≧Tc)。
ここで、Td<T1のとき、すなわち、中央装置1から制御装置2に対して、予め設定されている一定時間毎に制御量データが送信されている場合、制御装置2は通信の健全性が保たれていると判定し、集中制御モードに基づいた制御を行う(S1)。
Td≧T1の場合、すなわち、中央装置1から制御装置2に対して、予め設定されている一定時間毎に制御量データが送信されていない(通信量が所定値以下)場合、制御装置2は、通信の健全性が損なわれたと判定し、分散制御モードへ移行する(S2)。
分散制御モード下において、制御装置2は、中央装置1から受信済みの電力状態推定モデルと所定の計測データとに基づいて、自身における電力系統の電力状態を推定する。さらに、制御装置2は、制御量算出モデルを使用して、自身の制御量を算出し、所定の制御動作を実行する(所定の制御出力を行う)。なお、電力状態推定モデルは計測値から電力状態を推定するための演算モデルであり、制御量算出モデルは推定された電力状態から自身における制御量を算出するための演算モデルである。
従って、分散制御モードを行うことによって、制御装置2は、中央装置1で算出された制御量を所定周期で受信できない場合(通信状態が悪化した場合)でも、予め中央装置1から送られている演算モデルに基づいて制御量を算出し、適切な制御を行うことができる。
分散制御モードによる制御中に、通信状態が健全性を取り戻して、中央装置1からの制御量データを第1所定時間T1内に制御装置2が受信する(Td<T1)と、制御装置2は通信状態が健全性を回復したと判定し、分散制御モードから集中制御モードに制御モードを移行する(S3)。
ここで、制御装置2は、第1所定時間T1内に制御量データを受信できた時点で集中制御モードに直ちに移行してもよい。又は、制御装置2は、さらに新たな制御量データを受信するまで分散制御モードを続行し、新たな制御量を受信したときの時刻と前回の制御量を受信したときの時刻との差TeがTe<T1の場合に、分散制御モードから集中制御モードに移行してもよい。
通信状態が悪化したままの時間が長く継続し、分散制御モードに移行してからの経過時間Tsが電力状態推定モデルの有効期間T2以上になった場合(Ts≧T2)、制御装置2は、分散制御モードから自律制御モードに制御モードを移行する(S4)。
分散制御モードを使用することにより制御装置2は、電力系統全体の電圧を安定化するための制御を、比較的精度良く行うことができる。しかし、電力需給状態は時間や季節によって変動するため、同一の演算モデルを長期間にわたって使用し続けることは望ましくない。また、例えば新たな分散電源が電力系統に接続されたり、需要家の設備が廃棄されたりして、電力系統の構成は変更される可能性がある。電力系統の構成変化は、電力状態の推定精度にも影響を及ぼし、適切な制御量もこれに伴って変化する。このように電力需給状態の実態からかけ離れた演算モデルを使用し続けることは、電力状態の推定精度を低下させてしまい、電力系統の安定性維持に寄与しない。そこで、本実施形態の演算モデルには、有効に使用可能な期間T2が予め設定されている。
ここで、有効期間T2は、所定時間T1よりも長く設定される(T2>T1≧Tc)。
自律制御モード下の制御装置2は、自端ノードのセンサ3からの計測データに基づいて、自端ノードの目標電圧と計測電圧との偏差を解消するように制御する。
そして自律制御モードによる制御中に、中央装置1からの制御量データ受信周期が第1所定周期T1以内となった場合(Td<T1)、制御装置2は自律制御モードから集中制御モードに制御モードを移行する(S5)。このとき、制御装置2は、直ちに集中制御モードに移行してもよい。又は、制御装置2は、さらに新たな制御量を受領するまで待ち、前回の制御量受信時刻と今回の制御量受信時刻との差TeがTe<T1の場合に、自律制御モードから集中制御モードに制御モードを移行してもよい。
制御モードの移行タイミングの理解のために一例を挙げる。通信状態が健全な場合、中央装置1は、各計測データに基づいて算出される制御量(制御量データ)を、数秒〜数分等の制御周期Tcで各制御装置2に送信する。このとき、中央装置1は、電力状態推定モデル、制御量算出モデルを含む演算モデルを予め制御装置2に送信している。通信状態が悪化し、数分程度に設定される所定時間T1待っても制御量データを受信できない場合、制御装置2は集中制御モードから分散制御モードに移行する。すなわち、制御装置2は、中央装置1から送られる制御量データを用いることをやめ、制御量データとともに送られている演算モデルを用いた制御を行う。ちなみに、制御量データは、分散制御モード、自律制御モード中でも中央装置1から制御装置2へ送信され続ける。
分散制御モードに移行してから例えば一日〜数日、又は一週間〜数週間、又は一ヶ月〜数ヶ月程度の所定時間T2が経過すると、制御装置2は、分散制御モードから自律制御モードに移行する。なお、電力状態推定モデルの有効期間T2は、作成されてからの経過時間として定義してもよいし、例えば「2012年9月30日まで有効」のように日時で定義してもよい。これらの具体的数値は、理解のための一例に過ぎず、前記数値に限定されないことは当然である。
<フローチャート>
次に、図10、図11、図14のフローチャートを参照して、電力系統制御システム5における処理の手順を説明する。
(中央装置:制御量算出処理)
図10は、第1実施形態に係る中央装置における制御量算出処理の手順を示すフローチャートである。
図10に示す処理は、集中制御モードで使用される制御装置2の制御量を算出するための処理である。
通信状態監視部101は、予め定められた一定の監視周期Tmで、各センサ3から送られた計測データ(タイムスタンプ付き)を蓄積する(S101)。
次に、通信状態監視部101は、中央装置1との通信状態の健全性(正常か否か)をセンサ3毎に判定する(S102)。ここでの判定によって、電力状態推定に使用される計測データが変わってくる。つまり、電力状態推定部102は、ステップS102で異常と判定された計測データを電力状態推定に使用しないようにする。
例えば、所定の時間周期Tmでセンサ3からの計測データを収集することになっている場合、通信状態監視部101は、前回受信した計測データのタイムスタンプと現在時刻との差を所定の時間周期Tmと比較する。時間周期Tmを上回っている場合((現在時刻−最新計測データのタイムスタンプ)>Tm)、通信状態監視部101は、通信状態の健全性が低下していると判定する。現在時刻と最新計測データのタイムスタンプとの差が大きくなればなるほど、通信状態の健全性は低下していると判定できる。
ここで、通信状態の健全性が低下する原因には、通信ネットワーク4自体の原因や、センサ3自体の原因等が考えられる。通信ネットワーク4自体の原因としては、例えば、通信混雑、障害物や電子機器からの電磁波による電波障害、断線等が考えられる。センサ3自体の原因としては、例えば、センサ3の故障、過負荷による処理の一時停止等が考えられる。従って、センサ3と中央装置1との通信状態の健全性を判断することで、センサ3が正常稼働しているか否かを含めて判定できる。
そして、電力状態推定部102は、ステップS102において通信状態が正常と判定された計測データの数(以下、正常計測データ数)に応じて、電力状態推定における可観測性の判定を行うことで、可観測か否かを判定する(S103)。「可観測である」とは、取得可能な計測データの数が、電力状態の推定に十分な数であることであり、例えば、以下の手法で判定される。まず、電力状態推定部102は、対象とする電力系統のノード及びブランチの各電力状態(例えば、有効電力P、無効電力Q、電圧V)の合計数をNdとする。そして、電力状態推定部102は、合計数Ndに対する正常計測データ数Nnの割合(Nn/Nd)を算出する。続いて、電力状態推定部102は、Ndに対するNnの割合(Nn/Nd)が、所定値以上の場合は可観測であると判定し、そうでなければ不可観測と判定する。
ステップS103の結果、可観測であると判定された場合(S103→Yes)、電力状態推定部102は、正常と判定されたセンサ3の計測データと系統データを用いて、各監視ノードにおける潮流計算を含む電力状態(有効電力P、無効電力Q、推定電圧V)の推定を行い(S104)、ステップS106へ処理を進める。ここで、監視ノードとは、電圧を監視すべきノードであり、ユーザによって設定されるものである。ユーザが監視ノードを設定しなければ、すべてのノードが監視ノードとなる。
電力状態推定部102は、以下の手順で電力状態の推定を行う。まず、入力部を介して、各ノードの電力状態についての初期値が設定される。そして、電力状態推定部102は、設定された初期値に基づいた潮流計算を行う。続いて、電力状態推定部102は、潮流計算によって得られる電力状態(有効電力P、無効電力Q、推定電圧V)に関する推定値と、計測データに含まれる計測値の偏差の2乗の総和が最小となるように、各ノードの電力状態に関する解を繰り返し演算によって求める。このようにして、最終的に電力系統の任意地点における電力状態推定値が得られる。
電力状態推定部102は、得られた電力状態推定値にタイムスタンプを付加し、計測データとして系統データ記憶部112のノード管理データ(図4)に格納する。なお、このような電力状態推定値の算出は既知の手法である。
ステップS103の結果、可観測ではない(不可観測)と判定された場合(S103→No)、電力状態推定部102は、正常と判定されたセンサ3の計測データと系統データを用いて、潮流計算のみを行い(S105)、ステップS106へ処理を進める。
電力状態推定部102は、各ノード及び各ブランチに関して、有効電力、無効電力及び推定電圧に関する方程式(電力方程式)をそれぞれ立て、計測データを用いて解くことによって、各監視ノード及び各ブランチの電力状態(有効電力P、無効電力Q、推定電圧V)を求める潮流計算を行う。そして、電力状態推定部102は、この潮流計算で求められた電力状態を電力状態推定値とし、この電力状態推定値を計測データとして系統データ記憶部112のノード管理データ(図4)に格納する。
以上、ステップS104、S105の処理により、電力状態推定部102は、電力系統の任意地点における電力状態推定値を得る
次に、制御量算出処理部103は、ステップS104、S105で算出された電力状態推定値を用いて、各制御装置2が出力すべき制御量を算出する(S106)。
制御量算出処理部103は、例えば、以下の手順で制御量を算出する。ここでは、例えば、電力系統上における所定の複数の地点における各目標電圧からの推定電圧の偏差の2乗の総和を、目的関数として使用する。ここで、推定電圧とは、図10のステップS104、S105において算出される電圧であり、目標電圧とは、制御装置2において出力されるべき基準電圧(図5参照)のことである。制御量算出処理部103は、この目的関数を最小化するよう、各制御装置2の最適な制御量を算出する。これにより、制御量算出処理部103は、電力系統全体の電圧を安定化するのに最適な制御量を算出する。
ここで制御量は、LRTやSVR等の電圧調整器のタップ番号(変圧比)、SVC、スイッチトキャパシタ、バッテリ付PCSの無効電力等である。
なお、目的関数を最小化する解法には、山登り法、二次計画法、タブーサーチ等様々なものがある。どの解法を使用するかは、目的関数の性質及び制御量の性質(連続値、離散値)等に応じて、ユーザが決定する。
算出された制御量は、制御量履歴として系統データ記憶部112等に格納されてもよい。
そして、送受信処理部105は、算出された各制御装置2の制御量を制御量データとして、通信ネットワーク4を介し、各制御装置2へ送信する(S107)。
図10に示す処理によって、中央装置1は、各センサ3からの計測データの健全性を判定し、その健全性に応じた電力状態推定を行う。さらに、中央装置1は、算出された電力状態推定値に基づいて各制御装置2の制御量を算出し、送信する。
(中央装置:演算モデル算出処理)
図11は、第1実施形態に係る中央装置における演算モデル算出処理の手順を示すフローチャートである。
図10に示す処理が集中制御モードで使用される制御量を算出するための処理であるのに対し、図11に示す処理は分散制御モードで使用される演算モデルを算出するための処理である。なお、中央制御装置2は、図10に示す処理と、図11に示す処理とをパラレルに実行している。
まず、モデル生成部104は、計測データ(図8)から、各センサ3で計測された電力状態の計測値(有効電力P、無効電力Q)と、電力状態推定部102にて図10のステップS104、S105で推定された各ノード及び各ブランチの電力状態推定値(有効電力P、無効電力Q、推定電圧V)と、図10のステップS106で算出された各制御装置2の制御量といった各種データを、教師データとして利用するために読み込む(S201)。
次に、モデル生成部104は、センサ3で実測された電力状態の計測値と、図10に示す処理において電力状態推定部102が推定した各ノード及び各ブランチの電力状態推定値とを用いて、電力状態推定モデルを生成する(S202)。電力状態推定モデルの生成については後記する。
続いて、モデル生成部104は、図10において電力状態推定部102が推定した各ノード及び各ブランチの電力状態推定値と、図10において制御量算出処理部103が算出した各制御装置2の制御量とを用いて、制御量算出モデルを生成する(S203)。制御量算出モデルの生成については後記して説明する。
そして、モデル生成部104は、制御装置2毎に生成した電力状態推定モデル及び制御量算出モデルのデータ(係数パラメータ)を、予め定められた組み合わせでパッケージ化する。例えば、ある制御装置2(ノードi)に関して、電力状態推定モデルは各ノードxとノードyの計測値を入力とするもの、制御量算出モデルは自端ノード(ノードi)に関するもの、といった組み合わせでパッケージ化が行われる。
次に、送受信処理部105が、パッケージ化された各演算モデルのデータ(モデルデータ)を各制御装置2へ、通信ネットワーク4を介して送信する(S204)。
図11に示す処理によって、中央装置1は、計測データから電力状態推定モデル及び制御量算出モデルといった演算モデルを生成し、生成した演算モデルを各制御装置2へ送信する。
(演算モデルの生成)
次に、電力状態推定モデル及び制御量算出モデルといった演算モデルの生成手法について説明する。
演算モデルの生成は、線形モデルや、非線形モデルを使用することができる。ここでは、線形モデルを例に説明する。
まず、電力状態推定モデルの生成について説明する。
電力状態推定モデルの入力(説明変数)は、各センサ3で計測された電力状態の実計測値(有効電力P、無効電力Q)である。電力状態推定モデルからの出力は、電力状態推定部102が推定した電力系統における各ノード(又は各ブランチ)の電力状態推定値である。
モデル生成部104は、下記式(1)に示す線形モデルにおける係数ank,bnkを同定する。この係数ank,bnkが電力状態推定モデルとなる。
Figure 0005962770
ここで、Sは、任意のノードnにおける複素電力を示す。jは虚数単位を表す。P,Qは、それぞれセンサ3(センサノードk)によって計測された有効電力(複素電力の実数成分)及び無効電力(複素電力の虚数成分)を示す。ank,bnkは、電力状態推定モデルの係数パラメータであり、ノードnにおけるセンサノードkの影響を示す。
モデル生成部104は、各ノードにおける入力データ(P,Q)及び出力データ(S)を式(1)に代入し、最小二乗法等を用いることによって各係数(ank,bnk)を同定する。
制御装置2において、基本算出式(式(1))が事前に設定されている場合、中央装置1からは、係数パラメータank,bnkを制御装置2に送信するだけで、電力状態推定モデルを更新することができる。つまり、式(1)における係数を演算モデルとすることによって、情報量を減らすことができる。
続いて制御量算出モデルの生成について説明する。
制御量算出モデルの入力(説明変数)は、図10のステップS104、S105において電力状態推定部102が推定した各ノードの電力状態推定値である。そして、制御量算出モデルの出力(目的変数)は、図10のステップS106において制御量算出処理部103が算出した各制御装置2の制御量であり、電力系統全体の電圧を安定化するのに最適に近い(準最適な)制御量である。
モデル生成部104は、下記式(2)に示す線形モデルにおける係数cim,dimを同定する。この係数cim,dimが制御量算出モデルとなる。
Figure 0005962770
ここで、Cは、図10の処理において制御量算出処理部103が算出したノードiにおける制御量(複素電力)である。jは虚数単位を表す。また、P,Qは、図10の処理において電力状態推定部102が推定した各ノードm(監視ノードm)の電力状態推定値(有効電力P、無効電力Q)である。cim,dimは、制御量算出モデルの係数パラメータであり、ノードiにおけるノードmの影響を示す。
なお、P,Qは、センサ3によって計測された実測値(計測データの電力状態値P,Q)が利用可能であるならば、それが使用されてもよい。
モデル生成部104は、各ノードにおける入力データ(電力状態推定値P,Q)及び出力データ(C)を式(2)に代入し、最小二乗法等を用いることによって各係数(cim,dim)を同定する。
前記したように制御量Ciは、LRTやSVR等の電圧調整器のタップ番号(変圧比)、SVC、スイッチトキャパシタ、バッテリ付PCSの無効電力等である。
制御装置2において、基本算出式(式(2))が事前に設定されている場合、中央装置1からは、係数パラメータcim,dimを制御装置2に送信するだけで、制御量算出モデルを更新することができる。つまり、式(2)における係数を演算モデルとすることによって、情報量を減らすことができる。
以上に示したように、電力状態推定モデル及び制御量算出モデルと、計測データ(P,Q)とを用いれば、電力系統全体の電圧を安定化するために、各制御装置2にて出力すべき制御量を簡単に算出することができる。
従って、各制御装置2が電力状態推定モデル及び制御量算出モデルといった演算モデルをそれぞれ持っていれば、例え、中央装置1・制御装置2間の通信ネットワーク4の通信状態が良好ではない場合でも、自端での計測データを用いて適切な制御を行うことができる。
(モデルデータ)
次に、モデルデータについて説明する。
モデルデータは、式(1)に示す電力状態推定モデルを構成するパラメータank,bnk、及び、式(2)に示す制御量算出モデルを構成するパラメータcim,dimである。なお、式(1)、式(2)は一例であって適宜変更してもよく、その場合のパラメータは数式に応じた係数パラメータとなる。
各演算モデルにおいて対象とするノード(センサノードk及び監視ノードm)が予め設定されておく必要がある。
センサ3が設置されているすべてのノードをセンサノードkとして設定すれば、電力状態推定値の精度向上が期待できる。同様に、すべてのノードを監視ノードmとして設定すれば、制御量の精度向上(最適な制御量に近づける)が期待できる。
しかし、通信ネットワーク4の通信状態が常に健全であると期待できない場合、すべてのセンサ3から計測データを取得できない可能性がある。そこで、以下のように、一部のセンサ3の計測データだけを用いて推定する構成としてもよい。
例えば、すべてのノードをセンサノードとする代わりに、制御装置2のノードiでは、自端ノードiのみとしてもよい。つまり、各制御装置2では、自端ノード以外のセンサ3の計測データは参照しないようにしてもよい。自端ノードのセンサ3とは、制御装置2に直接的に対応づけられているセンサ3、すなわち制御装置2のノードと共通のノードに設けられているセンサ3である。言い換えれば、自端ノードのセンサ3とは、制御装置2に設置されているセンサ3である。
図3に示す電力系統例の場合、制御装置2aの自端ノードはノード31aであり、自端ノードのセンサ3はセンサ3aである。同様に、制御装置2bの自端ノードはノード31dであり、自端ノードのセンサ3はセンサ3cである。同様に、制御装置2cの自端ノードはノード31gであり、自端ノードのセンサ3はセンサ3eである。
制御装置2で参照する計測データを、自端ノードのセンサ3からの計測データに限定すれば、通信状態の健全性が失われた場合でも、制御装置2では電力状態推定モデルを用いて電力系統の電力状態を推定できる。
なお、監視ノードmについては、センサノードと違い、対象ノードを減らす理由は特にない。つまり、すべてのノードを監視ノードとしてもよい。電力状態が推定されれば、制御量算出モデルを用いて制御量を算出できるためである。つまり、計測データが欠損していても、電力状態の推定そのものは可能であるため、制御量算出モデルの生成においてノードmの欠損について考慮する必要がない。
次に、図12を参照して、演算モデルの具体的な意味を説明する。
図12は、第1実施形態に係る演算モデルの具体的な意味を説明するための図であり、(a)は電力状態推定モデル、(b)は制御量算出モデルを示す。
図12(a)に太い実線1201で示す電力状態推定モデルは、横軸の説明変数が計測データに含まれる計測値であり、縦軸の出力が電力状態推定値である。つまり、横軸は図10のステップS101で蓄積されるセンサ3で実計測される計測値であり、縦軸は図10のステップS104、S105で算出される各ノードにおける電力状態推定値である。要するに、図12(a)のグラフにおいて、横軸が式(1)のP,Qを示し、縦軸が式(1)のSを示す。
従って、横軸は本来2次元座標となるべきであるが、ここでは便宜上1次元座標としている。また、プロット点1202は、実計測値P,Qと、実計測値を基に推定された電力状態推定値Sを対応付けてプロットした点である。実線1201はプロット点1202を基に、最小二乗法によって算出された直線である。そして、式(1)の係数ank,bnk、つまり、電力状態推定モデルは、実線1201の傾きに相当する。
図12(b)に太い実線1211で示す制御量算出モデルは横軸の入力が電力状態推定値であり、縦軸の出力が算出された制御量である。つまり、横軸は図10のステップS104、S105で算出される各ノードにおける電力状態推定値であり、縦軸は図10のステップS106で算出される各ノードにおける制御量である。要するに、図12(b)のグラフにおいて、横軸が式(2)のP,Qを示し、縦軸が式(2)のCを示す。
従って、横軸は本来2次元座標となるべきであるが、ここでは便宜上1次元座標としている。また、プロット点1212は、電力状態推定値P,Qと、算出された制御量Cを対応付けてプロットした点である。実線1212はプロット点1211を基に、最小二乗法によって算出された直線である。そして、式(2)の係数cim,dim、つまり、電力状態推定モデルは、実線1211の傾きに相当する。
これらの演算モデルは、いずれも横軸の入力が2つの変数(前記したように図12では便宜上1次元としている)の場合を示しているが、必ずしもそれに限定されるべきものではなく、複数の入力があってもよい。つまり、本実施形態では各演算モデルを求めるための説明変数として有効電力P、無効電力Qを用いているが、その他の電力状態の値(例えば電圧)を説明変数として用いてもよい。
ただし、精度の観点から言えば、説明変数は、推定すべき目的変数(電力状態、制御量)との相関が高いものが望ましい。
図13は、第1実施形態に係るモデルデータの具体的な一例を示す図である。なお、図13は電力状態推定モデルの例を示す。
図13では、ケース毎の演算モデルが制御装置2毎に格納されている。図13では、モデルデータ1301が制御装置2a(図1)用、モデルデータ1302が制御装置2b(図1)用、モデルデータ1303が制御装置2c(図1)用である。以下、制御装置2aのモデルデータ1301における電力状態推定モデルを参照して説明する。
ここで、ケースとは、計測データの欠損パターンを示す。電力系統がセンサ3a〜3eを有しているとすると、例えば、「ケース1」は、すべてのセンサ3a〜3eからそれぞれ正常に計測データを取得できるケースである。すなわち、「ケース1」では、すべてのセンサ3a〜3eからの計測データを用いて演算モデルによる電力状態推定を行う。言い換えれば、「ケース1」は制御装置2aがすべてのセンサ3から計測データを取得可能な場合に使用される電力状態推定モデルである。なお、「a1a」は、「ケース1」の状態におけるセンサ3aからの影響を示す電力状態推定モデル「ank(式(1))」であることを示している。
また、「ケース2」は、各センサ3a〜3eのうち、センサ3a〜3dから計測データを取得でき、センサ3eからの計測データだけ取得できないケースである。ここで、計測データを取得できない場合の係数パラメータを0とし、それ以外では係数の値が格納される。「ケース2」では、センサ3a〜3dの計測データのみに基づいて、演算モデルによる電力状態推定を行う。言い換えれば、「ケース2」は制御装置2aがセンサ3eのみから計測データを取得できない場合に使用される電力状態推定モデルである。
「ケース3」は、各センサ3a〜3eのうち、センサ3a〜3c,3eから計測データを取得でき、センサ3dからの計測データだけ取得できない場合である。すなわち、「ケース3」では、センサ3a〜3c,3eの計測データのみに基づいて、電力状態推定モデルを生成する。要するに、「ケース3」は制御装置2aがセンサ3dのみから計測データを取得できない場合に使用される電力状態推定モデルである。
以下同様に、中央装置1は、図11のステップS202において、正常に取得できる計測データのすべての組み合せについて電力状態推定モデルを生成する。
ここで、計測データが、いずれか1つのセンサ3からしか取得できない場合(ケースn)についても、電力状態推定モデルが生成される。また、制御装置2の自端ノードのセンサ3からの計測データが取得できるのであれば、その制御装置2のための電力状態推定モデルを生成できる。なお、制御装置2が、自端ノードのセンサ3以外の離れたノードのセンサ3からの計測データを取得可能な構成の場合、その離れたノードのセンサ3からの計測データのみに基づく電力状態推定モデルも生成される。
そして、それぞれのケースを「モデル1」、「モデル2」・・・としている。
このようなケース毎の電力状態推定モデルが制御装置2毎に生成される。
なお、図11では、電力状態推定モデルについて説明したが、中央装置1は、図11に示す電力状態推定モデルとともに、制御量算出モデル(cim,dim(式(2)))もモデルデータとして制御装置2に送信する。なお、制御量算出モデルは、説明変数を電力状態推定値としているため、図11に示すようなケース毎の制御量算出モデルを求めることは不要である。つまり、電力状態の推定は、監視ノードとして設定されたすべてのノードンについて行われるので、電力状態推定値が欠損することがないためである。
このように、電力状態推定モデルは、制御装置2毎、かつ、計測データの欠損状態の組合せ毎に、それぞれ用意される。これにより、通信状態の悪化又はセンサ3の故障等で、一部の計測データを取得できない場合であっても、電力状態推定部102は、取得できた計測データの組合せに対応する電力状態推定モデルを用いて、電力状態推定値を算出することができる。
演算モデルを線形モデルとして生成する場合、電力状態推定モデルは2つのパラメータank,bnk(以下、適宜a,bと記載する)となり、制御量算出モデルも2つのパラメータcim,dim(以下、適宜c,dと記載する)となる。従って、各演算モデルのデータサイズを小さくできる。このように、本実施形態によれば、1つ1つの演算モデルのサイズを小さくできるため、周期的に各制御装置2に複数のモデルデータを送信しても、通信負荷の増大を抑制できる。従って、通信ネットワーク4の通信速度が遅い場合でも、データサイズの小さいモデルデータを正常に送信することができる。また、各演算モデルは少数のパラメータで使用できるため、制御装置2の有するCPU201(図2)の性能が低い場合でも、電力状態を推定して適切な制御量を得ることができる。逆に言えば、制御装置2に高性能のCPU201等を搭載する必要がなく、製造コストを低減することができる。
(制御装置における処理)
図14は、第1実施形態に係る制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
まず、制御モード決定処理部202が、中央装置1や、センサ3からデータを受信したか否かを判定する(S301)。
ステップS301の結果、データを受信していない場合(S301→No)、制御モード決定処理部202は、ステップS301へ処理を戻し、データの受信を待機する。
ステップS301の結果、データを受信した場合(S301→Yes)、制御モード決定処理部202は、受信したデータが制御量データであるか否かを判定する(S302)。
ステップS302の結果、制御量データではない場合(S302→No)、制御モード決定処理部202は、データ種別に応じて各データ記憶部にデータを格納し(S303)、ステップS301へ処理を戻す。例えば、受信したデータがモデルデータであれば、制御モード決定処理部202はモデルデータ記憶部212にデータを格納し、受信したデータが系統データであれば、制御モード決定処理部202は系統データ記憶部211に格納する。
ステップS302の結果、制御量データである場合(S302→Yes)、制御量データに付されているタイムスタンプを参照し、前回受信した制御量データのタイムスタンプの時刻と、現在時刻との差Tdを算出し、このTdが予め設定されている時間T1より小さい(Td<T1)か否かを判定する(S304)。
ステップS304の結果、Td<T1である場合(S304→Yes)、すなわち、制御量データが所定時間内に到達している場合、制御モード決定処理部202は、制御モードを集中制御モードとする(S305)。既に、制御モードが集中制御モードである場合、制御モード決定処理部202は、現在の制御モードを維持する。
そして、制御モード決定処理部202は、今回取得した制御量データのタイムスタンプをメモリに一時的に格納し(S306)、制御処理部204が受信した制御量データにおける制御量を計測装置へ送信することで計測装置の制御を行う(S313)。
一方、ステップS304の結果、Td≧T1である場合(S304→No)、制御モード決定処理部202は、分散制御モードに移行してからの時間Tsが、所定の時間T2より小さい(Ts<T1)か否かを判定する(S307)。なお、現在の制御モードが分散制御モードではない場合、Ts=0である。
ステップS307の結果、Ts<T2である場合(S307→Yes)、つまり、分散制御モードに移行してから所定時間内である場合、制御モード決定処理部202は、制御モードを分散制御モードとする(S308)。既に、制御モードが分散制御モードである場合、制御モード決定処理部202は、現在の制御モードを維持する。
そして、制御量算出処理部203は、計測データ記憶部213から計測データを読み込む(S309)。
続いて、制御量算出処理部203は、モデルデータ記憶部212から演算モデルを読み込み(S310)、読み込んだ演算モデルのうちの電量状態推定モデルと計測データとから式(1)の演算を行い、電力状態の推定を行う(S311)。具体的には、制御量算出処理部203が自身の制御装置2における有効電力と、無効電力とを推定する。ステップS310で、制御量算出処理部203は、計測データの欠損状態に応じて、図13に示すモデルデータから欠損状態に対応する演算モデルを読み込んでもよい。
さらに、制御量算出処理部203は、ステップS309で読み込んだ演算モデルのうちの制御量算出モデルと、ステップS311で推定した電力状態とから式(2)の演算を行い、自身の制御量を算出する(S312)。
そして、制御処理部204がステップS312で算出した制御量で自身の制御を行う(S313)。
また、ステップS307の結果、Ts≧T2である場合(S307h→No)、つまり、分散制御モードに移行してから所定時間以上である場合、制御モード決定処理部202は、制御モードを自律制御モードとする(S314)。既に、制御モードが自律制御モードである場合、制御モード決定処理部202は、現在の制御モードを維持する。
そして、制御量算出処理部203は、系統データ記憶部211から系統データを読み込み(S315)、さらに、計測データ記憶部213から計測データを読み込む(S316)。
そして、制御量算出処理部203は、読み込んだ系統データと、計測データとから自身の制御量を算出する(S312)。なお、自律制御モードにおける制御量の算出方法は前記してあるので、ここでは詳細な説明を省略する。
そして、制御処理部204がステップS312で算出した制御量で自身の制御を行う(S313)。
なお、系統データには、タイムスタンプが付されてもよいし、付されなくてもよい。
<時間帯による演算モデル切り替え>
図15は、時間帯に応じて演算モデルを切り替えることを説明するための図である。
電力需給状態は、天候や、気温等によっても変動するが、朝、昼、夜のように時間帯によっても変動する。例えば、個人住宅の場合、朝と晩で食事の支度のために電力需要が増加する。昼間は不在になる可能性が高くなるため、電力需要は低下する。これとは逆に、朝と晩の太陽光発電の発電量は小さく、昼間の発電量は大きい。このため、太陽光発電が設置されている住宅において、発電所から送られる電力の消費は昼間が小さく、朝・晩で大きくなる。このように電力の需給状態は個人住宅、工場、商業施設等の需要家の特性によっても相違するが、時間帯による相違も大きい。
そこで、本実施形態における電力系統制御システム5は、例えば、一日の時間を第1時間帯(朝・夕)、第2時間帯(昼)、第3時間帯(夜)のように複数に区切り、時間帯毎に、電力状態推定モデル群と制御量算出モデルを生成する。
図13に示すように、各制御装置2の電力状態推定モデルは、取得できた計測データの組み合せに応じて複数生成される。
ここで、中央装置1は、図15に示すように、制御装置2毎、時間帯毎に(つまり、所定の生活条件に応じて)演算モデルを生成する。図15において、時間帯は第1時間帯(例えば、朝・夕)、第2時間帯(例えば、昼)、第3時間帯(例えば、夜)の3時間帯に分けているがこれに限らず、例えば、1時間毎にわけてもよい。あるいは、天候によってわけてもよい。この場合、制御量算出処理部203がWebを介して、天候を取得して、天候に従った演算モデルを使用してもよい。
例えば、第1時間帯において、制御装置2a(図1)用の演算モデルとして、電力状態推定モデル群1501と制御量算出モデル1502aが生成されている。ここで、電力状態推定モデル「群」としているのは、図13に示すように、同一の制御装置2でもケース毎に異なる電力状態推定モデルが生成されるためである。
同様に、制御装置2b(図1)用の演算モデルとして、電力状態推定モデル群1501bと制御量算出モデル1502bが生成されている。また、制御装置2c(図1)用の演算モデルとして、電力状態推定モデル群1501cと制御量算出モデル1502cが生成されている。
同様に、第2時間帯において、電力状態推定モデル群1511a(制御装置2a用),1511b(制御装置2b用),1511c(制御装置2c用)、制御量算出モデル1512a(制御装置2a用),1512b(制御装置2b用),1512c(制御装置2c用)が生成されている。
また、第3時間帯において、電力状態推定モデル群1521a(制御装置2a用),1521b(制御装置2b用),1521c(制御装置2c用)、制御量算出モデル1522a(制御装置2a用),1522b(制御装置2b用),1522c(制御装置2c用)が生成されている。
ちなみに、電力状態推定モデル群1501a〜1501c,1511a〜1511c,1521a〜1521cのそれぞれは、図13に示す電力状態推定モデル群に相当している。
時間帯が替わった場合、制御装置2の制御量算出処理部203は、時間帯に応じた電力状態推定モデルに切り替え、さらに制御量算出モデルに基づいて、準最適な制御量を算出する。
第1実施形態に係る制御装置2は、複数の制御モードの中から通信状態に応じて、集中制御モード、分散制御モード、自律制御モードのうち、いずれか1つの制御モードを選択できる。従って、制御装置2は、通信ネットワーク4の状態に応じて適切に動作することができる。
さらに、第1実施形態に係る制御装置2は、通信状態が健全な場合は集中制御モードで制御し、通信状態が悪化した場合に分散制御モードで制御し、電力状態推定モデルの有効期間が過ぎた場合は自律制御モードで制御する。従って、通信状態の健全性の度合いに応じて電力状態を制御できる。
そして、第1実施形態の中央装置1は、センサ3の実計測値である計測データと、電力状態推定値の履歴と、算出された制御量の履歴とを計測データとして蓄積して管理し、計測データに基づいて電力状態推定モデル及び制御量算出モデルといった演算モデルを生成する。従って、比較的高精度の演算モデルを比較的簡易に得ることができる。
また、第1実施形態の中央装置1は、演算モデルを、センサ3から取得した計測値、もしくは電力状態推定値の係数として算出する。従って、演算モデルのデータであるモデルデータのサイズを小さくでき、中央装置1から複数の制御装置2にモデルデータを配信した場合でも、通信ネットワーク4の負荷を抑制することができる。このため、本実施形態の電力系統制御システム5は、通信速度が遅く、通信品質の不安定な環境下であっても、電力系統を適切に制御することができる。
そして、第1実施形態に係る電力系統制御システム5では、分散制御モードで使用する電力状態推定モデルに有効期間が設定されており、電力系統制御システム5は有効期間の過ぎた電力状態推定モデルは使用せず、自律制御モードに移行する。従って、第1実施形態によれば、電力需給状態の変化及び電力系統の構成変化からかけ離れた分散制御が実行されるのを抑制し、システムの信頼性を高めることができる。
第1実施形態に係る中央装置1は、正常に取得できる計測データの組み合せに応じて電力状態推定モデルを生成する(図13)。このため、制御装置2は通信ネットワーク4の状態が悪く、すべてのセンサ3からの計測データを受信できない場合でも、電力状態を推定して、電力系統全体の電圧をできるだけ安定化するように制御量を算出できる。従って、第1実施形態に係る電力系統制御システム5は、通信環境の悪い地域であっても、通信環境に合わせて電力状態を推定でき、適切に電力系統の電力状態を制御することができる。
また、第1実施形態に係る中央装置1は、時間帯や、天候等の所定の生活条件に応じて電力状態推定モデルを生成する(図15)。これにより、生活条件に応じて変動する消費電力に対応することができる。
[第2実施形態]
次に、図16〜図22を参照して本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態では、計測データに対する信頼区間が設けられることで、計測データの信頼性に応じて、適切な制御を行うことを目的とする。
また、第2実施形態では、演算モデルの例として電力状態推定モデルをとりあげて説明するが、それに限定すべきものではなく、制御量算出モデルについても同様に扱うことができる。
<中央装置の構成>
図16は、第2実施形態に係る中央装置の構成例を示す図である。
図16の中央装置1Aにおいて、図1の中央装置1と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付して説明を省略する。なお、第2実施形態における電力系統制御システム5全体の構成は、第1実施形態と同様であるので、図示及び説明を省略する。
図16における中央装置1Aは、信頼区間処理部106が加わった点と、信頼区間データ記憶部114が加わった点が第1実施形態に係る中央装置1と異なっている。
信頼区間処理部106は、図2(a)におけるHD304等に格納されているプログラムがRAM302に展開され、CPU301によって実行されることで具現化する。
信頼性処理部205は、計測データに対して信頼区間を考慮したデータを出力する。信頼区間処理部106の動作については後記して説明する。
信頼区間データ記憶部114は、後記する信頼区間に関するデータである信頼区間データを格納している。
<制御装置の構成>
図17は、第2実施形態に係る制御装置の構成例を示す図である。
図17において、図1の制御装置2と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付して説明を省略する。
図17における制御装置2Aにおけるコントローラ200aは、信頼性処理部205が加わった点と、信頼区間データ記憶部214が加わった点が第1実施形態に係る計測装置と異なっている。さらに、制御量算出処理部203aが、低信頼の計測データが存在する場合に、仮制御量を算出する点で第1実施形態と異なっている。
そして、制御処理部204aは、低信頼の計測データが存在する場合には、仮制御量による制御を行う点で第1実施形態と異なっている。
なお、制御量算出処理部203a、制御処理部204a、信頼性処理部205は、図3(b)におけるROM402に格納されているプログラムをCPU401が実行することにより具現化する。
信頼区間データ記憶部214は、後記する信頼区間に関するデータである信頼区間データ(信頼性情報:区間情報)を格納している。
<信頼区間>
図18は、第2実施形態に係る信頼区間の例を示す図であり、(a)が有効電力の信頼区間を示し、(b)が無効電力の信頼区間を示している。
実際の電力系統においては、時間的な負荷の変動(擾乱)等によって、電力状態値の変動が生じる。そして、そのような電力状態値(有効電力、無効電力、電圧)の変動は、ある範囲に偏りがみられると考えられる。
このような、変動が生じている場合、第1実施形態に示すように、取得可能なすべてのデータを用いて演算モデルを算出するのではなく、定められた信頼区間の範囲にあるデータを用い、信頼区間外のデータについては、所定の補正を行うことで、演算モデルの安定性の向上が期待できる。
まず、図18(a)を参照して、有効電力の信頼区間について説明する。
なお、ここでは、電力状態値の偏りが正規分布に従っていると仮定することとする。
有効電力の変動が正規分布に従っていると仮定したとき、その平均値をP、標準偏差をσとすると、有効電力の正規分布は図18(a)に示すような分布となる。
そして、高信頼区間(第1の区間)1801を以下の式(3)のように規定する。
−α・σ≦P≦P+α・σ ・・・ (3)
式(3)で示される高信頼区間1801は、図18(a)の高信頼の区間に相当する。高信頼区間1801以外は低信頼区間(第2の区間)1802である。
なお、式(3)に示すαは、高信頼区間1801を設定するための係数である。例えば、α=1.64として信頼区間を設定すれば、有効電力の値が高信頼区間1801内に生じる確率は0.9となる。さらに、例えば、α=1.96として高信頼区間1801を設定すれば、無効電力の値が高信頼区間1801内に生じる確率は0.95となる。
同様にして、無効電力の高信頼区間1801も設定される(図18(b)参照)。
なお、無効電力の高信頼区間1801を以下の式(4)で規定する。高信頼区間1801以外は低信頼区間1802である。
−α・σ≦Q≦Q+α・σ ・・・ (4)
式(4)におけるQ、σは、それぞれ無効電力値の平均値、標準偏差であり、αは式(3)と同様の係数である。
なお、有効電力値、無効電力値の平均値、標準偏差は、所定時間内の有効電力値、無効電力値の平均、標準偏差である。
このように、信頼区間処理部106では、計測データそれぞれの平均値、標準偏差を算出し、それを基に式(3)、式(4)で規定される高信頼区間1801を設定することによって、計測データの高信頼区間1801(上限値、下限値)を算出する。
上限値は、式(3)のP+α・σ、式(4)のQ+α・σである。同様に、下限値は、式(3)のP−α・σ、式(4)のQ−α・σである。
例えば、図19の形式で示される信頼区間データが、信頼区間データ記憶部114に格納される。
図19に示されるように、信頼区間データには、センサ3毎、計測データ種別毎に高信頼区間の上限値、下限値が格納されている。なお、計測データ種別において、「P」は有効電力を示し、「Q」は無効電力を示す。また、「90%」、「95%」、「99%」とは、規定されている高信頼区間内に計測値が生じる確立である。
また、中央装置1Aの送受信処理部105は、信頼区間データ記憶部114の高信頼区間データを制御装置2Aへ送信し、制御装置2Aの送受信処理部201は受信した高信頼区間に関するデータを信頼区間データ記憶部114に格納する。この処理は、例えば、図14のステップS301〜S303において、系統データ等とともに行われる。
なお、図18に示すような高信頼区間、低信頼区間の設定方法は一例であり、例えば、正規分布ではなく、ベータ分布や、ガンマ分布に従うものとしてもよい。
また、図15に示す時間帯ごとに異なる正規分布を設定してもよい。
(制御処理)
図20は、第2実施形態に係る制御処理の手順を示すフローチャートである。
なお、図20の処理は、図14における分散制御処理のステップS311〜S313の箇所に挿入される処理である。
まず、信頼性処理部205は、計測データ記憶部213に格納されている計測データ(有効電力、無効電力)の各々について、すべて高信頼であるか否かの判定を行う(S401)。この処理において、信頼性処理部205は、信頼区間データ記憶部214に格納されている信頼区間データを参照して、図18に示す高信頼区間に該当するか、低信頼区間に該当するかを各々の計測データについて判定する。
例えば、信頼区間が90%であるときのセンサ3の計測データである有効電力の上限値、下限値が、図19に示される信頼区間データによって、それぞれPau、Palであり、無効電力の上限値、下限値がそれぞれQau、Qalと定められているので、信頼性処理部205は、計測データの有効電力、無効電力のそれぞれが上下限値の範囲に入っているかを判定する。信頼性処理部205は、上下限値の範囲に入っている場合には、それぞれの計測データの信頼性が高いと判定し、そうでなければ低いと一旦判定する。これら計測データは、電力状態推定モデルの説明変数(入力データ)であるが、計測データのすべて信頼性が高いと判定された場合には、演算モデルの説明変数として計測データが高信頼と判定されるが、そうでない場合には、低信頼と判定される。つまり、説明変数としての計測データが複数種類ある場合、少なくとも一つの信頼性が低いと、演算モデルの説明変数として低信頼と判定されることになる。
ステップS401の結果、すべての計測データが高信頼であると判定された場合(S401→Yes)、制御量算出処理部203aが図14のステップS311〜S313と同様の処理を行うことによって計測装置の制御を行う。
ステップS401の結果、低信頼であると判定された計測データが1つでも存在する場合(S401→No)、制御量算出処理部203aは、仮制御量を算出する(S402)。仮制御量の算出方法は後記して説明する。
そして、制御処理部204aが、ステップS402で算出した仮制御量で計測装置を制御する(S403)。
次に、制御量算出処理部203aは、仮制御量による制御から所定時間後に、送受信処理部201を介して自端ノードのセンサ3(自端ノードセンサ)の計測データを取得し、センサ3地点の電圧が目標に対してどの程度乖離しているかの目標乖離指標ΔVを算出する(S404)。仮制御量の算出方法については、後記する。
そして、制御処理部204aは、ΔVが所定値以下であるか否かを判定する(S405)。
ステップS405の結果、ΔVが所定値以下の場合(S405→Yes)、制御処理部204aは、目標電圧に近い制御ができていることになるため処理を終える。
ステップS405の結果、ΔVが所定値以下でない場合(S405→No)、制御処理部204aは修正仮制御量を算出し(S406)、ステップS403へ処理を戻し、修正仮制御量を仮制御量として処理を行う。修正仮制御量の算出方法については後記する。
(仮制御量算出方法)
図21、図22は、第2実施形態に係る仮制御量の算出方法を説明するための図である。
低信頼の計測データがある場合、制御量算出処理部203aは、図20のステップS402で示したように仮制御量を算出する。なお、図21、図22において、横軸は、本来有効電力P、無効電力Qの2次元座標となるべきであるが、ここでは便宜上1次元座標としている。
仮制御量の算出手法は、例えば、以下の3つの手法が考えられる。
なお、図21、図22において、高信頼区間は「xcl」〜「xcu」であり、それ以外は低信頼区間である。ここで、xclは高信頼区間の上限値であり、xcuは高信頼区間の下限値である。以降、上限値と下限値とをまとめて境界値と称することがある。「x1」は、計測値である。そして、x0は計測値の平均値である。また、直線2100の傾きが、演算モデルを示している。また、図21、図22の説明において、f(・)は式(2)による制御量算出モデルの演算式を示している。
第1の手法は、図21(a)に示すように、高信頼区間における演算モデルをそのまま適用するものである。
つまり、図21(a)に示すように、低信頼である計測値x1における仮制御量は、高信頼区間における演算モデルが用いられて算出される。つまり、制御処理部204aは、式(2)そのものを用いて仮制御量2111を算出する。
第2の手法は、図21(b)に示すように、計測値x1に最も近い高信頼区間の境界値xcl、xcuにおける制御量を仮制御量2112とするものである。つまり、S=f(xcu or xcl)を仮制御量2112とする。
図21(b)の例では、計測値x1に最も近い高信頼区間の境界値は「xcu」であるから、S=f(xcu)が算出される仮制御量2112である。計測値x1に最も近い高信頼区間の境界値がxclのときは、S=f(xcl)が算出される仮制御量となる。
第3の手法は、図22に示すように所定の手法で算出した制御量下限2201、制御量上限2202の少なくとも一方に基づいて仮制御量を算出するものである。
ここで、制御量下限2201、制御量上限2202は、計測値xの関数であり、例えば、式(5)、式(6)のように表される。
S=c・(x−xd)+f(xd) (x∈XL,x≧xd) ・・・ (5)
S=c・(x−xd)+f(xd) (x∈XL,x<xd) ・・・ (6)
ここで、式(5)は計測値xが図22に示す低信頼区間XAに属する場合であり、式(6)は計測値xが図22に示す低信頼区間XBに属する場合である。
「xd」は、計測値x1に近い境界値(xcu、xclのいずれか)である。cは予め定められる係数パラメータであり、制御量下限を表す場合のcを「cl」、制御量上限を表す場合のcを「cu」とすると、「cu>cl」の関係を持つ正の実数である。kは予め定められる「べき数パラメータ」であり、計測値xが低信頼区間に属し、かつ「x>xd」のときは「0<k<1」であり、「x<xd」のときは「k≧1」で設定される。そして、XLは低信頼区間を示す。
式(5)及び式(6)で算出される制御量上限のグラフが図22の符号2202であり、制御量下限のグラフが図22の符号2201である。
制御量算出処理部203aは、計測値x1を式(5)、式(6)に代入して、制御量下限2211、制御量上限2212を算出する。
そして、制御量算出処理部203aは、制御量下限2211、制御量上限2212の平均値2213を算出し、この平均値2213を仮制御量とする。あるいは、制御量算出処理部203aは、制御量上限2211、制御量下限2212のいずれか一方を仮制御量としてもよい。
制御量下限、制御量上限の算出式は、必ずしも式(5)、式(6)に限定されるべきものではなく、例えば、低信頼区間における計測値及び制御量の履歴データを所定以上蓄積した上で、最小二乗法を用いて算出される式でもよい。
(修正仮制御量の算出)
次に、図20のステップS406における修正仮制御量の算出方法を説明する。
計測データの信頼性が低信頼である場合、制御量算出処理部203aは前記した手法で仮制御量を算出する。そして、図20のステップS403に示すように、制御処理部204aは仮制御量に従って制御を行う。
そして、制御量算出処理部203aは、仮制御量による制御から所定時間後に、送受信処理部を介して自端ノードのセンサ3の計測データを取得し、このセンサ3の地点における電圧が予め設定されている目標電圧に対して、どの程度乖離しているかの目標乖離指標ΔVを、式(7)に従って算出する(図20のステップS404)。
ΔV=Vm−Vref ・・・ (7)
ここで、Vmは計測値(計測電圧)、Vrefは目標電圧である。
次に、制御量算出処理部203aは、目標乖離指標ΔVが所定値以下ではない場合(図20のステップS405→No)、式(8)に従って修正仮制御量Saを算出する(図20のステップS406)。
Sa=Kp・ΔV ・・・ (8)
ここで、Kpは比例ゲインである。式(8)は比例制御に従って修正仮制御量Saを算出するものであるが、式(9)のような比例積分制御に従って修正制御量Saが算出されてもよい。
Figure 0005962770
ここで、Kiは積分ゲイン、Tは所定の時間である。比例ゲインと積分ゲインは、制御装置2Aの種類や電力系統の構成(インピーダンス等)に応じて定まるものであり、感度分析等によって予め設定されるものである。
そして、制御処理部204aは、このようにして算出された修正仮制御量Saを仮制御量として再び制御を行う。そして、制御処理部204aは、修正仮制御量Saによる制御の所定時間後に再び目標乖離指標ΔVを求め、それを用いて再度修正制御量を算出する。
以上の処理を、ΔVが所定値以下になるまで繰り返すことにより、目標電圧に近い制御を達成することができるようになる。
なお、第2実施形態では、1つでも低信頼の計測データが存在した場合、仮制御量による制御を行うこととしているが、これに限らず、例えば、すべての計測データ中、所定の割合の計測データが低信頼の場合、仮制御量による制御を行うようにしてもよい。
また、例えば、図21におけるxcl、xcu等を用いて、x1−xcl、xcu−x1等を数値化した低信頼性とし、制御量算出処理部203a、制御処理部204aは、この低信頼性を数値化したものが、所定の数値以上となるものの割合によって、仮制御量による制御を行うか否かを決定してもよい。
また、中央装置1Aにおけるモデル生成部104が演算モデルを生成する際に、信頼区間を使用してもよい。つまり、モデル生成部104が、低信頼の計測データを除外して電力状態推定モデルを算出するようにしてもよい。この際、低信頼の計測データが存在した場合における演算モデルの基本算出式を用いることが望ましい。
負荷や分散型電源における出力の擾乱等により、計測データの信頼性が不十分となることがある。このような場合でも、第2実施形態に記載の技術を用いることによって、信頼性を考慮した制御を行うことができ、その結果、適切な制御を行うことをできる。
また、低信頼の計測データが存在するときに、制御量算出処理部203aは、高信頼の計測データによる制御量に基づく仮制御量を算出する。そして、制御処理部204aは、仮制御量に基づいた制御を行い、制御量算出処理部203aがその出力から目標乖離指標を算出し、制御処理部204aが目標乖離指標による修正仮制御量に基づく制御を、目標乖離指標が所定の値以下となるまで繰り返す。このようにすることにより、低信頼の計測データが存在した場合でも、高信頼の計測データに基づいて算出された制御量を用いることができるので、制御の信頼性を高めることができる。
[第3実施形態]
次に、図23、図24を参照して本発明の第3実施形態を説明する。
第3実施形態では、計測データが低信頼と判定された場合、低信頼の計測データが存在する旨を他の制御装置2Bへ通知することを目的とする。
<制御装置の構成>
図23は、第3実施形態に係る制御装置の構成例を示す図である。
図23において、図15の制御装置2Bと同様の構成要素については、図15と同一の符号を付して説明を省略する。
図23における制御装置2Bは、信頼性処理部205bが、低信頼の計測データが存在すると判定した場合、その旨の通知を他の制御装置2Bへ送受信処理部201を介して通知する機能を有している点が図15における制御装置2Aと異なっている点である。
なお、電力系統制御システム5の構成及び中央装置1の構成は図1及び図14と同様であるので、図示及び説明を省略する。
(制御処理)
図24は、第3実施形態に係る制御処理の手順を示すフローチャートである。
なお、図24の処理は、図14における分散制御処理のステップS311〜S313の箇所に挿入される処理である。また、図24の処理において、図20と同様の処理については、図20と同一のステップ番号を付して、説明を省略する。
ステップS401の結果、すべて高信頼である場合(S401→Yes)、信頼性処理部205bが、他の制御装置2Bから低信頼の計測データが存在する旨の情報である低信頼情報を受信したか否かを判定する(S501)。
ステップS501の結果、低信頼情報を受信していない場合(S501→No)、制御量算出処理部203aが図14のステップS311〜S313と同様の処理を行うことによって計測装置の制御を行う。
ステップS401の結果、低信頼の計測データが1つでも存在するか(S401→No)、ステップS501の結果、低信頼情報を受信している場合(S501→Yes)、信頼性処理部205bは、低信頼の計測データが存在する旨の情報である信頼性情報を他の制御装置2Bへ送信する(S502)。その後、制御量算出処理部203aはステップS402の処理へ進む。
第3実施形態において、信頼性処理部205bは、低信頼の計測データが1つでも存在する場合には、その旨を他の制御装置2Bへ通知しているが、これに限らず、所定数の計測データが低信頼である場合に、その旨を他の制御装置2Bへ通知してもよい。
第3実施形態によれば、低信頼の計測データが存在する場合、その旨を他の制御装置2Bへ送信し、低信頼の計測データが存在する旨の通知を受けた制御装置2Bは、自身の計測データがすべて高信頼であっても、計測データが低信頼として制御を行うので、電力系統制御システム5全体で統一のとれた分散制御を行うことができる。
その結果として、電力系統制御システム5全体において、安定した電圧制御が可能となる。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、系統データにタイムスタンプが付されていてもよい。また、本実施形態は、電力系統システムに対する適用を前提としているが、道路交通信号システム等への適用も可能である。
また、演算モデルの算出は、最小二乗法に限らず重回帰分析、主成分分析等を用いてもよい。
さらに、第2,3実施形態において、有効電力P、無効電力Qの信頼区間を設けているが、これに限らず、例えば、電圧Vの信頼区間を設けてもよい。
前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した各構成、機能、各処理部101〜106,201〜205,203a,204a,203b,205b、各記憶部111〜114,211〜214等は、それらの一部又はすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、図2で示すように、前記した各構成、機能等は、CPU301,401等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等のデータは、図2に示すようにHD304に格納すること以外に、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1,1A 中央装置(管理装置)
2,2a〜2c,2A,2B 制御装置
3,3a〜3e センサ(計測装置)
5 電力系統制御システム
101 通信状態監視部
102 電力状態推定部
103 制御量算出処理部
104 モデル生成部
105 送受信部(送信部)
106 信頼区間処理部
111 計測データ記憶部
112 系統データ記憶部
113 モデルデータ記憶部(演算モデルを含む)
114 信頼区間データ記憶部(信頼性情報を含む)
200 コントローラ
201 送受信処理部
202 制御モード決定処理部
203,203a 制御量算出処理部
204,204a,204b 制御処理部
205,205b 信頼性処理部
211 系統データ記憶部
212 モデルデータ記憶部(演算モデルを含む)
213 計測データ記憶部
214 信頼区間データ記憶部(信頼性情報を含む)
1801 高信頼区間(第1の区間)
1802 低信頼区間(第2の区間)

Claims (10)

  1. 複数の計測装置から入力される計測値を基に、電力系統における制御量を推定するための演算モデルを生成するモデル生成部と、
    前記生成した演算モデルを制御装置へ送信する送信部と、
    を有する管理装置を備えるとともに、
    所定の上限値と下限値との間の第1区間に関する情報と、前記第1区間以外の第2区間に関する情報と、を区間情報として格納している記憶部と、
    前記第1区間に生じる計測値は、前記第2区間に生じる計測値より、信頼性が高く、
    前記区間情報を基に、前記計測装置から送信される計測値が前記第1区間に属するか、前記第2区間に属するか、を判定する信頼性処理部と、
    前記管理装置との通信量を監視し、前記通信量が所定の値以下であり、かつ、前記計測値が第2区間である場合、前記第1区間において、前記演算モデルを用いて算出された制御量を基に仮制御量を算出し、当該仮制御量に基づく自身の制御を行い、
    前記通信量が所定の値以下であり、かつ、前記計測値が前記第1区間である場合、前記演算モデルに基づいて、自身の制御量を算出し、当該制御量に基づいて自身の制御を行う制御処理部と、
    を有する制御装置を備える
    ことを特徴とする電力系統制御システム。
  2. 前記制御処理部は、
    前記仮制御量に基づいて自装置を制御し、
    当該制御の結果としての出力値と、前記自装置における目標出力値との差である目標乖離指標を算出し、
    前記目標乖離指標を基に、前記仮制御量を新たに算出し、
    前記仮制御量に基づいた自装置の制御を行う
    ことを、前記目標乖離指標が所定の値以下となるまで繰り返す
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電力系統制御システム。
  3. 前記信頼性処理部は、
    前記第2の区間に属する前記計測値が存在する場合、他の制御装置に前記第2の区間に属する前記計測値が存在する旨の情報を送信する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電力系統制御システム。
  4. 前記第2の区間に属する前記計測値が存在する旨の情報を受信した制御装置における前記制御処理部は、
    前記仮制御量を算出し、当該仮制御量に基づく自身の制御を行う
    ことを特徴とする請求の範囲第3項に記載の電力系統制御システム。
  5. 前記演算モデルは、前記計測値の欠損状態毎に生成される
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電力系統制御システム。
  6. 前記演算モデルは、所定の生活条件毎に生成される
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電力系統制御システム。
  7. 制御装置の制御を行う管理装置が、
    複数の計測装置から入力される計測値を基に、電力系統における制御量を推定するための演算モデルを生成し、
    前記生成した演算モデルを制御装置へ送信し、
    前記演算モデルを受信した制御装置が、
    所定の上限値と下限値との間の第1区間に関する情報と、前記第1区間以外の第2区間に関する情報と、を区間情報として記憶部に格納しており、
    前記第1区間に生じる計測値は、前記第2区間に生じる計測値より、信頼性が高く、
    前記区間情報を基に、前記計測装置から送信される計測値が前記第1区間に属するか、前記第2区間に属するか、を判定し、
    前記管理装置との通信量を監視し、前記通信量が所定の値以下であり、かつ、前記計測値が第2区間である場合、前記第1区間において、前記演算モデルを用いて算出された制御量を基に仮制御量を算出し、当該仮制御量に基づく自身の制御を行い、
    前記通信量が所定の値以下であり、かつ、前記計測値が前記第1区間である場合、前記演算モデルに基づいて、自身の制御量を算出し、当該制御量に基づいて自身の制御を行う
    ことを特徴とする電力系統制御方法。
  8. 前記制御装置は、
    前記仮制御量に基づいて自装置を制御し、
    当該制御の結果としての出力値と、前記自装置における目標出力値との差である目標乖離指標を算出し、
    前記目標乖離指標を基に、前記仮制御量を新たに算出し、
    前記仮制御量に基づいた自装置の制御を行う
    ことを、前記目標乖離指標が所定の値以下となるまで繰り返す
    ことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の電力系統制御方法。
  9. 前記制御装置は、
    前記第2の区間に属する前記計測値が存在する場合、他の制御装置に前記第2の区間に属する前記計測値が存在する旨の情報を送信する
    ことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の電力系統制御方法。
  10. 前記第2の区間に属する前記計測値が存在する旨の情報を受信した制御装置は、
    前記仮制御量を算出し、当該仮制御量に基づく自身の制御を行う
    ことを特徴とする請求の範囲第9項に記載の電力系統制御方法。
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