JP5881941B2 - 麦汁オフフレーバーが低減された麦芽飲料およびその製造方法 - Google Patents
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(1)アルコールゼロのビール様麦芽飲料を製造する方法であって、テルペンを添加することにより麦汁由来のオフフレーバーを低減することを含んでなり、前記テルペンが加熱処理されない、方法。
(2)テルペンが、麦汁煮沸工程後の麦汁の冷却が完了した後に添加される、(1)に記載の方法。
(3)テルペンがテルピノレンである、(1)に記載の方法。
(4)テルピノレンが、内部標準物質として25ppbのボルネオールを用いる麦芽飲料のGC/MS分析において、ボルネオールの110m/zのイオン強度に対して121m/zのイオン強度が185%以上かつ22555%未満となるように添加される、(3)に記載の方法。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法によって製造された、アルコールゼロのビール様麦芽飲料。
(6)テルピノレンを含んでなるアルコールゼロのビール様麦芽飲料であって、該麦芽飲料中のテルピノレン濃度が、内部標準物質として25ppbのボルネオールを用いる麦芽飲料のGC/MS分析において、ボルネオールの110m/zのイオン強度に対して121m/zのイオン強度が185%以上かつ22555%未満となるように調整されている、アルコールゼロのビール様麦芽飲料。
本発明において「麦芽飲料」とは、麦汁を主体とする飲料を意味し、炭酸ガス等により清涼感が付与された麦芽清涼飲料も含まれるものとする。
本発明によれば、アルコールゼロのビール様麦芽飲料の製造過程においてテルペンが添加され、これにより麦汁由来のオフフレーバーが低減され、良好な香味を得ることが可能となる。すなわち、本発明によれば、アルコールゼロのビール様麦芽飲料を製造する方法であって、テルペンを添加することにより麦汁由来のオフフレーバーを低減することを含んでなる方法が提供される。また、本発明の他の態様によれば、アルコールゼロのビール様麦芽飲料の製造過程においてテルペンを添加することを含んでなる、麦汁由来のオフフレーバーを低減する方法が提供される。ここで用いられるテルペンは加熱処理を経ることはない。つまり、添加するテルペンとしては加熱処理を経ていないものを用い、テルペンを麦汁に添加した後は、その麦汁を加熱処理しないよう管理される。
(1)麦汁サンプルの調製
麦汁サンプルは1.5Lスケールの装置を用いて調製した。まず、麦汁糖度4.2度に調整した冷却麦汁(仕込時の麦芽使用比率24.0%,副原料(大麦・液糖・コーングリッツ)使用比率76.0%)を調製し、この冷却麦汁に、テルピノレン(国内香料会社製造品)を各種の濃度で添加した。その際、テルピノレンは水溶性が低いため、一般的に使用されるグリセリン脂肪酸エステルを用いて乳化させた後に、冷却麦汁に添加した。こうして、試験区1〜12までの各麦汁サンプルを得た。
官能評価の評価項目として、麦汁臭の強度、テルピノレン由来の異臭の強度と、それらを総合した全体の香味バランスの3つの項目を設定した。以下に、それぞれの評価項目の具体的な定義を示す。
b.テルピノレン由来の異臭:サイダー様、柑橘様、機械油様、または樹木様と称される香り。無し、弱い、中、強い、の4段階で評価。
c.全体のバランス:麦汁臭の低減効果とテルピノレン異臭のバランスの度合い。良好な香味であるかどうか。バランスの程度は、×:好ましくない(麦汁臭、またはテルピノレン由来の異臭が許容範囲外)、○:許容できる範囲で好ましい(麦汁臭の低減効果が弱い、もしくはテルピノレン由来の異臭を少し感じるが、許容の範囲内)、◎:好ましい(麦汁臭が強く抑えられ、かつテルピノレン由来の異臭もほとんど感じないまたは全く感じない)の3段階で評価。
テルピノレン香料は純度が100%ではないため、GC/MS分析によってテルピノレンの定量を行なった。香気成分の抽出方法は、C18固相カラムで抽出し、抽出物をGC/MSに供した。この定量法では、内部標準として添加した物質のイオン110m/zのレスポンスに対する、対象物質の特定イオンの相対的強度を百分率(%)で表し、これを定量値と定義した。内部標準物質にはボルネオール(Borneol)を用い、麦汁サンプル中25ppbになるように添加した。GC/MSにおけるホップ香気成分の分析条件は表1のとおりである。
上記の官能評価の結果およびGC/MS分析による定量の結果を、麦汁サンプルにおけるテルピノレン香料の添加濃度とともに表2に示す。
表3に、国内で販売されている各社アルコールゼロ飲料の、製品中のテルピノレン濃度を示した。その濃度は、上記の好ましい濃度範囲と比較して顕著に低いことがわかった。
Claims (3)
- アルコールゼロのビール様麦芽飲料を製造する方法であってテルピノレンを添加することにより麦汁由来のオフフレーバーを低減することを含んでなり、前記テルピノレンが加熱処理されず、前記テルピノレンが、内部標準物質として25ppbのボルネオールを用いる麦芽飲料のGC/MS分析において、ボルネオールの110m/zのイオン強度に対して121m/zのイオン強度が185%以上かつ22555%未満となるように添加される、方法。
- 前記テルピノレンが、麦汁煮沸工程後の麦汁の冷却が完了した後に添加される、請求項1に記載の方法。
- テルピノレンを含んでなるアルコールゼロのビール様麦芽飲料であって、該麦芽飲料中のテルピノレン濃度が、内部標準物質として25ppbのボルネオールを用いる麦芽飲料のGC/MS分析において、ボルネオールの110m/zのイオン強度に対して121m/zのイオン強度が185%以上かつ22555%未満となるように調整されている、アルコールゼロのビール様麦芽飲料。
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