JP5881719B2 - 複層塗膜の形成方法及び複層塗膜 - Google Patents
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Description
本発明によれば、色相を発現するベース塗膜を2層に分割し、第2ベース塗膜の下層に顔料濃度の高い第1ベース塗膜を所定以上の膜厚を確保して形成することで、明度の高い色の光線を確実に遮蔽できるとともに優れた耐チッピング性を確保できる。これにより、中塗り塗装を廃止しても、電着塗膜との界面における劣化及び剥離を十分に抑制でき、色相によらず優れた塗膜性能が得られる。
従来、同時焼き付け時に第2ベース塗膜の硬化が第1ベース塗膜の硬化よりも先に開始された場合には、第1ベース塗膜の硬化収縮に伴って、既に硬化が開始している第2ベース塗膜に歪みが発生し、複層塗膜の平滑性が損なわれてしまう不具合が生じていた。これに対して本発明によれば、同時焼き付け時において、第1ベース塗膜の硬化が開始された後に第2ベース塗膜の硬化が開始されるため、上記の不具合を回避して複層塗膜の平滑性を向上でき、外観特性としての艶感を向上できる。
この発明によれば、第2ベース塗料の硬化温度において、クリア塗膜の方が第2ベース塗膜よりも粘度が低いため、第2ベース塗膜とクリア塗膜間での混層を抑制できる。また、第2ベース塗膜の硬化収縮時に生じる塗膜収縮方向の応力(以下、「硬化歪」という。)を開放でき、塗膜中に硬化歪が残存するのを抑制できる。これにより、外観特性としての艶感を向上できるとともに、チッピングのような外部からの応力の入力と同時に、塗膜中に残存する硬化歪が開放されて剥離が生じるのを抑制できる。
本実施形態に係る複層塗膜の形成方法は、電着塗装が施された被塗物上に、第1ベース塗料、第2ベース塗料及びクリア塗料を順次塗装した後、これらを同時に焼き付け硬化させることで、第1ベース塗膜、第2ベース塗膜及びクリア塗膜を形成するものである。また、本実施形態に係る複層塗膜は、このような形成方法により形成された複層塗膜である。
また、本実施形態に係る複層塗膜の形成方法では、第2ベース塗膜形成工程とクリア塗膜形成工程の間に、塗膜を乾燥させる乾燥工程を有し、クリア塗膜形成工程の後に、第1ベース塗膜、第2ベース塗膜及びクリア塗膜を同時に焼き付け硬化させる焼き付け工程を有する。
電着塗装が施された被塗物としては、カチオン電着塗装が施された自動車ボディが好ましく適用される。
樹脂成分としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を主成分として含むものが用いられる。
顔料成分としては、汎用的な着色顔料及び体質顔料が用いられる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン等の白色顔料、カーボンブラック等の黒色顔料、黄土等の黄色顔料、弁柄やアントラキノン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑顔料等が挙げられる。
体質顔料としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、カオリン、ケイ酸塩(タルク)等の無機顔料が挙げられる。
なお、第1ベース塗料は、必要に応じて有機溶剤や各種添加剤を含むものであってよい。
焼き付け硬化後の第1ベース塗膜の顔料濃度の下限値を40質量%とすることで、明度の高い色の光線を確実に遮蔽して電着塗膜との界面における劣化及び剥離を十分に抑制できるとともに、優れた耐チッピング性を確保できる。また、上限値を60質量%とすることで、顔料の分散性を安定化させて色ムラを抑制できるとともに、塗膜の膜切れを抑制できるため、優れた仕上がり外観及び塗膜性能が得られる。
焼き付け硬化後の第1ベース塗膜の膜厚の下限値を20μmとすることで、明度の高い色の光線を確実に遮蔽して電着塗膜との界面における劣化及び剥離を十分に抑制できる。なお、塗装後にタレが生じて仕上がり外観が低下するのを回避する観点から、好ましい膜厚の上限値は、40μmである。
ここで、「硬化温度」とは、温度上昇中に粘度の下降が停止して上昇に転じるときの温度を意味する。具体的には、動的粘弾性測定装置により測定される。
樹脂成分としては、第1ベース塗膜と同様に、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を主成分として含むものが用いられる。ただし、第1ベース塗膜の樹脂と同一の樹脂である必要は無い。
顔料成分としては、第1ベース塗膜と同様に、上記の各種着色顔料及び体質顔料が用いられる。また、第2ベース塗膜は、色相の発現の役割を担うものであり、上記の着色顔料に加えて光輝性顔料を用いることができる。
光輝性顔料としては、アルミフレーク、雲母、マイカフレーク、ガラスフレーク等の汎用的に自動車外板塗料に配合されているものが挙げられる。
なお、第2ベース塗料は、必要に応じて有機溶剤や各種添加剤を含むものであってよい。
焼き付け硬化後の第2ベース塗膜の膜厚の下限値を8μmとすることで、チッピング後の耐食性を向上できる。なお、塗装後にタレが生じて仕上がり外観が低下するのを回避する観点から、好ましい膜厚の上限値は、25μmである。
クリア塗料としては、汎用的な自動車外装用の水性塗料を用いることができる。硬化機構としては、例えば、アクリル−メラミン硬化、カルボン酸−グリシジル硬化、水酸基−(ブロック)イソシアネート硬化等が挙げられる。
クリア塗料は、1液あるいは2液混合塗料のいずれでも用いることができる。1液塗料の方が廉価でポットライフ等の制約が無いため、自動車塗装ラインにおける取り扱い易さの観点から好ましい。
なお、クリア塗料は、必要に応じて有機溶剤や各種添加剤を含むものであってよい。
本実施形態に係る複層塗膜の形成方法は、中塗り塗装を廃止する代わりに、ベース塗膜形成工程として、電着塗膜上に第1ベース塗膜を形成する第1ベース塗膜形成工程と、第1ベース塗膜上に第2ベース塗膜を形成する第2ベース塗膜形成工程を設ける。また、第1ベース塗膜の顔料濃度を40〜60質量%、膜厚を20μm以上に設定し、第2ベース塗膜の膜厚を8μm以上に設定する。
本実施形態によれば、色相を発現するベース塗膜を2層に分割し、第2ベース塗膜の下層に顔料濃度の高い第1ベース塗膜を所定以上の膜厚を確保して形成することで、明度の高い色の光線を確実に遮蔽できるとともに優れた耐チッピング性を確保できる。これにより、中塗り塗装を廃止しても、電着塗膜との界面における劣化及び剥離を十分に抑制でき、色相によらず優れた塗膜性能が得られる。
従来、同時焼き付け時に第2ベース塗膜の硬化が第1ベース塗膜の硬化よりも先に開始された場合には、第1ベース塗膜の硬化収縮に伴って、既に硬化が開始している第2ベース塗膜に歪みが発生し、複層塗膜の平滑性が損なわれてしまう不具合が生じていた。これに対して本実施形態によれば、同時焼き付け時において、第1ベース塗膜の硬化が開始された後に第2ベース塗膜の硬化が開始されるため、上記の不具合を回避して複層塗膜の平滑性を向上でき、外観特性としての艶感を向上できる。
本実施形態によれば、第2ベース塗料の硬化温度において、クリア塗膜の方が第2ベース塗膜よりも粘度が低いため、第2ベース塗膜とクリア塗膜間での混層を抑制できる。また、第2ベース塗膜の硬化収縮時に生じる塗膜収縮方向の応力(硬化歪)を開放でき、塗膜中に硬化歪が残存するのを抑制できる。これにより、外観特性としての艶感を向上できるとともに、チッピングのような外部からの応力の入力と同時に、塗膜中に残存する硬化歪が開放されて剥離が生じるのを抑制できる。
上記実施形態では、第1ベース塗膜、第2ベース塗膜及びクリア塗料を同時に焼き付け硬化させるものとしたがこれに限定されない。
[第1ベース塗料の調製]
自動車用水性塗料(日本ペイント株式会社製「アクアレックス」(登録商標))に対して、予め顔料成分として、酸化チタン(石原産業株式会社製「CR−90」(登録商標))を1.79質量部、カーボンブラック(エボニックテグサ株式会社製「FW200」(登録商標))を0.56質量部、タルク(日本タルク株式会社製「SG−95」(登録商標))を17.05質量部配合することで、焼き付け硬化後の塗膜の明度が10〜20となるように調整した。次いでそこに、ウレタンエマルジョン樹脂(三洋化成株式会社製「ユーコートUX−310」を17.92質量部、ポリエステル樹脂(三井化学株式会社製「HMP27」)を9.76質量部添加して十分に撹拌した。これにより、焼き付け硬化後の塗膜中の顔料濃度が40質量部となるように調整された実施例1の第1ベース塗料を得た。
予め黒パール色に調整された自動車用水性塗料(日本ペイント株式会社製「アクアレックスNH731P」(登録商標))に対して、ウレタンエマルジョン樹脂(三洋化成株式会社製「ユーコートUX−310」)を14.36質量部加した後、十分に撹拌することで、実施例1の第2ベース塗料を得た。
予めカチオン電着塗装が施された鋼板上に、本実施例で調製した第1ベース塗料を、焼き付け硬化後の膜厚が20μmとなるようにスプレー塗装した。次いで、本実施例で調製した第2ベース塗料を、焼き付け硬化後の塗膜の膜厚が8μmとなるようにウェットオンウェットでスプレー塗装した。その後、80℃の乾燥炉内に5分間静置して乾燥させた後、室温まで放冷してから、クリア塗料(日本ペイント株式会社製「マックフローO100」)を焼き付け硬化後の膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装した。次いで、140℃の乾燥炉内に30分間静置して、第1ベース塗膜、第2ベース塗膜及びクリア塗膜を同時に焼き付け硬化させることで、実施例1の複層塗膜を得た。
[複層塗膜の形成]
実施例1で調製した第1ベース塗料を、焼き付け硬化後の膜厚が23μmとなるようにスプレー塗装した以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、実施例2の複層塗膜を得た。
[複層塗膜の形成]
実施例1で調製した第1ベース塗料を、焼き付け硬化後の膜厚が15μmとなるようにスプレー塗装した以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、比較例1の複層塗膜を得た。
[第1ベース塗料の調製]
実施例1で調製した第1ベース塗料に対して、顔料が配合されていない自動車用水性塗料(日本ペイント株式会社製「アクアレックス」(登録商標))を配合するとともに、ウレタンエマルジョン樹脂(三洋化成株式会社製「ユーコートUX−310」)を22.23質量部、ポリエステル樹脂(三井化学株式会社製「HMP27」)を12.1質量部添加して十分に撹拌した。これにより、焼き付け硬化後の塗膜中の顔料濃度が35質量部となるように調整された比較例2の第1ベース塗料を得た。
実施例1で調製した第1ベース塗料の代わりに、本比較例で調製した第1ベース塗料を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、比較例2の複層塗膜を得た。
[複層塗膜の形成]
実施例1で調製した第2ベース塗料を、焼き付け硬化後の膜厚が5μmとなるようにスプレー塗装した以外は、実施例1と同様の操作を行うことで、比較例3の複層塗膜を得た。
実施例1〜2及び比較例1〜3で得た各複層塗膜について、耐チッピング性の評価を実施した。具体的には、以下の手順に従って評価を実施した。
先ず、JASO M 104に準じてグラベロメータ試験機にて、予め−20℃に冷却した各実施例及び比較例の複層塗膜を、ショット材が90度の角度で当たる位置にセットした。ショット材としては、道路用砕石の7号砕石50gを用い、2kgf/cm2のエア圧でショットした。試験終了後、複層塗膜を取り出し、破壊された塗膜及び塗膜浮きの部分を取り除いた。その後、ルーペ等を用いて、塗膜ハガレの多さと鋼板の露出の多さを目視で評価した。
鋼板の露出については、露出の少ないものから順に、◎(露出僅か)、○(露出少ない)、△(露出やや多い)、×(露出多い)、××(露出過多)の5段階で評価した。また、ショット後の複層塗膜を、JIS Z 2371に順じて塩水噴霧装置に24時間放置し、傷が集中している50mm×50mm四方において、錆が発生している部位の個数を計測した。
また、塗膜ハガレと露出の多さの評価結果に基づいて、耐チッピング性が良好であるとされたものを○とし、耐チッピング性に劣るとされたものを×として、耐チッピング性を判定した。結果を表1に示す。
これに対して、実施例1及び実施例2はいずれも、塗膜ハガレ及び鋼板の露出が少なく、耐チッピング性が良好であると判定された。
これらの結果から、第1ベース塗膜の顔料濃度を40〜60質量%、膜厚を20μm以上に設定し、第2ベース塗膜の膜厚を8μm以上に設定することで、優れた耐チッピング性が得られることが確認された。
[第1ベース塗料の調製]
実施例1で調製した第1ベース塗料中のメラミン樹脂成分を全て、完全メチル化メラミン樹脂(日本サイテックインダストリーズ株式会社製「サイメル303」(登録商標))に置換することで、実施例3の第1ベース塗料を調製した。これにより、本実施例の第1ベース塗料の硬化温度は、本実施例で用いる第2ベース塗料(実施例1の第2ベース塗料)の硬化温度よりも低いものとした。
実施例1で用いたクリア塗料(日本ペイント株式会社製「マックフローO100」)に対して、ジメチルエタノールアミンを1.2質量部添加することで、実施例3のクリア塗料を調製した。これにより、本実施例で用いる第2ベース塗料(実施例1の第2ベース塗料)の硬化温度において、本実施例のクリア塗料の粘度は、本実施例で用いる第2ベース塗料(実施例1の第2ベース塗料)の粘度よりも低いものとした。
実施例1で調製した第1ベース塗料の代わりに本実施例で調製した第1ベース塗料を用いる点と、実施例1で用いたクリア塗料の代わりに本実施例で調製したクリア塗料を用いる以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、実施例3の複層塗膜を得た。
実施例3で得た複層塗膜について、上述の手順に従って耐チッピング性の評価を実施した。また、実施例1と実施例3の各複層塗膜を対比させつつ、塗膜外観の評価を併せて実施した。
塗膜外観の評価については、目視で、塗膜表面の艶感が良いものから順に、◎(艶引け僅か)、○(艶引けあまり無い)、△(やや艶引け)、×(かなり艶引け)、××(艶引け過多)の5段階で評価した。
また、Wave Scan DOI(BYK Gardner社製)を用いて、塗膜表面の算術平均うねりWa値を測定した。結果を表2に示す。
また、光学顕微鏡を用いて、実施例1と実施例3の各複層塗膜の断面観察を実施した。
また、実施例1の複層塗膜では、塗膜表面のWaが大きく、やや艶引けしていたのに対して、実施例3の複層塗膜では、塗膜表面のWaが小さく、艶引けは僅かであることが確認された。
また、実施例1と実施例3の複層塗膜について断面観察を実施した結果、実施例1よりも実施例3の方が第1ベース塗膜と第2ベース塗膜の境界が明瞭であることが確認された。
図1及び図2において、横軸は温度(℃)を表し、縦軸は各塗料の粘度(Pa・s)を表している。各塗料の粘度は、動的粘弾性測定装置(UBM社製「Rheosol−G5000」)を用い、コーンの直径が25mm、ギャップが1mmのパラレルプレートを用い、周波数1.6Hz、角振幅8.23degとして、10分間で25℃〜140℃まで昇温させたときに測定された複素粘性率を意味する。
一方、図2から明らかであるように、実施例1では、第1ベース塗料の硬化温度が第2ベース塗料の硬化温度よりも高く、第2ベース塗料の硬化温度におけるクリア塗料の粘度が第2ベース塗料の粘度よりも高いことが確認された。
以上の結果から、第1ベース塗料の硬化温度を第2ベース塗料の硬化温度よりも低いものとし、第2ベース塗料の硬化温度におけるクリア塗料の粘度を第2ベース塗料の粘度よりも低いものとする本発明の複層塗膜形成方法によれば、艶感を向上できるとともに、耐チッピング性を向上できることが確認された。
[第1ベース塗料の調製]
自動車用水性塗料(日本ペイント株式会社製「アクアレックス」(登録商標))中のメラミン樹脂成分全てを完全メチル化メラミン樹脂(日本サイテックインダストリーズ製「サイメル303」(登録商標))に置換するとともに、予め顔料成分として、酸化チタン(石原産業株式会社製「CR−90」(登録商標))を13.16質量部、カーボンブラック(エボニックテグサ株式会社製「FW200」(登録商標))を0.13質量部、タルク(日本タルク株式会社製「SG−95」(登録商標))を6.11質量部配合することで、焼き付け硬化後の塗膜の明度が50〜60となるように調整した。次いでそこに、ウレタンエマルジョン樹脂(三洋化成株式会社製「ユーコートUX−310」を17.92質量部、ポリエステル樹脂(三井化学株式会社製「HMP27」)を9.76質量部添加して十分に撹拌した。これにより、焼き付け硬化後の塗膜中の顔料濃度が40質量部となるように調整された実施例4の第1ベース塗料を得た。
予めシルバー色に調整された自動車用水性塗料(日本ペイント株式会社製「アクアレックスNH737M」(登録商標))に対して、ウレタンエマルジョン樹脂(三洋化成株式会社製「ユーコートUX−310」)を14.36質量部加した後、十分に撹拌することで、実施例4の第2ベース塗料を得た。
実施例1の第1ベース塗料、第2ベース塗料及びクリア塗料の代わりに、本実施例で調製した第1ベース塗料及び第2ベース塗料と、実施例3で調製したクリア塗料を用いる以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、実施例4の複層塗膜を得た。
[第2ベース塗料の調製]
予め赤色に調整された自動車用水性塗料(日本ペイント株式会社製「アクアレックスR540P」(登録商標))に対して、ウレタンエマルジョン樹脂(三洋化成株式会社製「ユーコートUX−310」)を14.36質量部加した後、十分に撹拌することで、実施例5の第2ベース塗料を得た。
実施例1の第1ベース塗料、第2ベース塗料及びクリア塗料の代わりに、実施例4で調製した第1ベース塗料、本実施例で調製した第2ベース塗料及び実施例3で調製したクリア塗料を用いる以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、実施例5の複層塗膜を得た。
[第2ベース塗料の調製]
予め青色に調整された自動車用水性塗料(日本ペイント株式会社製「アクアレックスB548P」(登録商標))に対して、ウレタンエマルジョン樹脂(三洋化成株式会社製「ユーコートUX−310」)を14.36質量部加した後、十分に撹拌することで、実施例6の第2ベース塗料を得た。
実施例1の第1ベース塗料、第2ベース塗料及びクリア塗料の代わりに、実施例4で調製した第1ベース塗料、本実施例で調製した第2ベース塗料及び実施例3で調製したクリア塗料を用いる以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、実施例5の複層塗膜を得た。
[第1ベース塗料の調製]
自動車用水性塗料(日本ペイント株式会社製「アクアレックス」(登録商標))中のメラミン樹脂成分全てを完全メチル化メラミン樹脂(日本サイテックインダストリーズ製「サイメル303」(登録商標))に置換するとともに、予め顔料成分として、酸化チタン(石原産業株式会社製「CR−90」(登録商標))を26.19質量部配合することで、焼き付け硬化後の塗膜の明度が80〜90となるように調整した。次いでそこに、ウレタンエマルジョン樹脂(三洋化成株式会社製「ユーコートUX−310」を17.92質量部、ポリエステル樹脂(三井化学株式会社製「HMP27」)を9.76質量部添加して十分に撹拌した。これにより、焼き付け硬化後の塗膜中の顔料濃度が47.4質量部となるように調整された実施例7の第1ベース塗料を得た。
予め白色に調整された自動車用水性塗料(日本ペイント株式会社製「アクアレックスNH578」(登録商標))に対して、ウレタンエマルジョン樹脂(三洋化成株式会社製「ユーコートUX−310」)を14.36質量部加した後、十分に撹拌することで、実施例7の第2ベース塗料を得た。
実施例1の第1ベース塗料、第2ベース塗料及びクリア塗料の代わりに、本実施例で調製した第1ベース塗料、本実施例で調製した第2ベース塗料及び実施例3で調製したクリア塗料を用いる以外は、実施例1と同様の操作を実施することで、実施例7の複層塗膜を得た。
実施例3〜7の各複層塗膜について、上述した評価方法に従って耐チッピング性の評価を実施した。結果を表3に示す。
Claims (2)
- 電着塗装が施された被塗物上に、第1ベース塗料を塗装して第1ベース塗膜を形成する第1ベース塗膜形成工程と、
前記第1ベース塗膜上に、第2ベース塗料を塗装して第2ベース塗膜を形成する第2ベース塗膜形成工程と、
前記第2ベース塗膜上に、クリア塗料を塗装してクリア塗膜を形成するクリア塗膜形成工程と、を有する複層塗膜の形成方法であって、
前記第1ベース塗膜形成工程では、焼き付け硬化後の第1ベース塗膜の顔料濃度が40〜60質量%となり且つ膜厚が20μm以上となるように前記第1ベース塗料を塗装して前記第1ベース塗膜を形成し、
前記第2ベース塗膜形成工程では、焼き付け硬化後の第2ベース塗膜の膜厚が8μm以上となるように前記第2ベース塗料を塗装して第2ベース塗膜を形成し、
前記第2ベース塗料及び前記クリア塗料の組み合わせとして、第2ベース塗料の硬化温度において、クリア塗料の方が第2ベース塗料よりも塗膜の粘度が低い組み合わせを用いることを特徴とする複層塗膜の形成方法。 - 前記第1ベース塗膜及び前記第2ベース塗膜を同時に焼き付け硬化する焼き付け工程をさらに有し、
前記第1ベース塗料及び前記第2ベース塗料の組み合わせとして、第1ベース塗料の方が第2ベース塗料よりも硬化温度が低い組み合わせを用いることを特徴とする請求項1に記載の複層塗膜の形成方法。
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