JP5881040B2 - ゲル粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、ゲル材料は一般的に強度がなく、微小な応力で構造が破壊されてしまうため、用途が制限されていた。
近年、高強度ゲルとして、数種類のゲルが発表され、盛んに研究されている。
(工程1)有機溶剤中で、少なくとも第一の架橋性モノマー(a)を含む水溶液滴を作製し、これを重合し架橋することにより形成されたゲル粒子(A)を得る。
(工程2)工程1で得られたゲル粒子(A)を回収・洗浄する。
(工程3)工程2で回収したゲル粒子(A)を、少なくとも第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液中に浸漬し、該ゲル粒子(A)中に第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液を導入して膨潤させる。
(工程4)工程3を経て膨潤したゲル粒子(A)(ゲル粒子(A’))を単離する。
(工程5)工程4で単離したゲル粒子(A’)中の第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマーを、有機溶剤中で重合する。
本明細書において「ゲル粒子」とは、ポリマーで構成された網目構造中に水もしくは有機溶媒を溶媒として取り込んでいる粒子状ゲルを意味する。本発明のゲル粒子の形状は特に限定されないが、略球状、卵形状であることが好ましい。
本発明のゲル粒子の平均直径は、例えば、1nm〜1000μm、あるいは1μm〜100mmの大きさ、好ましくは10μm〜50mmの大きさ、より好ましくは10μm〜20mmの大きさである。
前記ゲル粒子は好ましくは水を溶媒として取り込んでいる。
本発明のゲル粒子に最終的に含まれる溶媒の量や種類、混合の有無、混合比率等は、特に限定されず、用いるモノマーや使用環境、用途に合わせて適宜選択することができる。溶媒は、1種の単独溶媒であってもよく、2種以上の混合溶媒であってもよく、水と有機溶媒を同時に用いてもよい。
不飽和モノマーとは、芳香環上の炭素−炭素不飽和二重結合を除き、1分子中に1個以上の炭素−炭素不飽和二重結合を有するモノマーを意味する。
ゲル粒子(A)は、有機溶剤中で、少なくとも第一の架橋性モノマー(a)を含む水溶液滴を作製し、これを重合し架橋することにより形成されるものである。
2官能不飽和モノマーとして、例えば、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、エトキシ化ポリエチレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレートが挙げられる。
その他3官能以上の不飽和モノマーを用いてもよく、これら多官能不飽和モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を用いると、水中でイオン反発によって網目が広がりやすく、(工程3)において、ゲル粒子(A)中に第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液(β)を充分に導入することが容易となる。「充分に」とは、本発明の最終的に得られるゲル粒子が強度を発現するために必要な量を示しており、ゲル粒子(A)のポリマー分質量xに対する、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマーを重合したポリマー分質量yの比率y/xが2以上になる量である。
界面活性剤としては適宜使用することができるが、例えば、ソルビタンモノオレエート(Span80/Wako製)等の非イオン性界面活性剤、ポリエステルポリアミン(Solsperse19000/ルーブリゾール社製)等の高分子分散剤が挙げられる。特に、Span80は、小径の粒子を作製する際にも液滴が安定するため好ましい。界面活性剤等の添加量は、水溶性不飽和モノマー(c)100質量部に対し、10質量部以下、更に好ましくは0.001〜7質量部である。
マイクロリアクターとは、マイクロメートル幅の流路と送液ポンプを有する装置であり、溶媒と、水溶液(α)をポンプで流し込みながら液滴を調製するものである。流路の形状は特に限定しないが、T字型やY字型、もしくはキャピラリー型やフローフォカス型の流路が簡便である。また、マイクロリアクターを用いる方法では、単分散の液滴を作製することも可能となる。
例えば、第一の架橋性モノマー(a)を含む水溶液(α)及び溶媒(例えば、溶媒のみ、あるいは溶媒に界面活性剤、乳化剤、安定剤、または分散剤等を溶解した溶液)を一定の流速で流し見込みながら単分散の液滴を作製することが可能である。マイクロリアクター内の各溶液の流速は、溶媒の種類、溶液の濃度(粘度)、マイクロリアクター(流路)の形状や大きさ、目的のゲル粒子の大きさ等により当業者が適宜設定することができる。
熱重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化物、アゾ系開始剤等が挙げられる。
光重合開始剤としては、アルキルフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤等の一般的な光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、使用する種類、モノマーの濃度、反応条件、目的の重合度など、様々な要因により当業者が適宜決定することができるが、通常、重合性モノマーの質量100質量部に対し、0.1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
本発明のゲル粒子の製造方法は、ゲル粒子(A)を形成後、回収し、洗浄する工程を含む。回収方法は、特に限定しないが、ナイロンメッシュや金巾を用いて有機溶媒を除去する方法が簡便であり、好ましい。この場合、洗浄方法は、使用する有機溶媒と親和性の高い、揮発性の溶媒(例えばヘキサン、アセトン等)を用いて、メッシュや金巾上で有機溶媒を洗い流すとよい。有機溶剤から分離したゲル粒子(A)に、ヘキサンをかけた後、ヘキサン中に分散させて上澄みを除く。更にヘキサンを追加して数回洗浄を繰り返し、水で同様に数回洗浄する。
また、有機溶媒中に良好に分散しておりゲル粒子(A)の回収が困難な場合は、水不溶性の有機溶剤中に少しずつ滴下してゲル粒子(A)を析出させて回収する方法が好ましい。この場合、逆相乳化重合や逆相懸濁重合で作製された微粒子を回収・洗浄する一般的な方法を用いることが可能である。
尚、ゲル粒子(A)は回収・洗浄した後、多少乾燥させることが好ましい。乾燥させることで、工程3での膨潤の際に、モノマー(b)を含むモノマー水溶液(β)を導入しやすくなる。
本発明のゲル粒子の製造方法は、回収したゲル粒子(A)を、少なくとも第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液中に浸漬し、該ゲル粒子(A)中にこれらを導入して、ゲル粒子(A)を膨潤する工程を含む。ここで、ゲル粒子(A)中に第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液(β)を充分に導入することが重要となる。「充分に」とは、本発明の最終的に得られるゲル粒子が強度を発現するために必要な量を示しており、ゲル粒子(A)のポリマー分質量xに対する、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマーを重合したポリマー分質量yの比率y/xが2以上になる量である。ここで、ゲル粒子(A)のポリマー分質量xに対する、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー重合したポリマー分質量yの比率x:yは、1:2〜1:100が好ましく、1:3〜1:80がより好ましい。機械強度を重要視する場合は、1:10〜1:50が最も好ましい。
架橋度とは、架橋を多官能不飽和モノマー(a1またはb1)と水溶性不飽和モノマー(c)を重合して形成する場合、水溶性不飽和モノマー(c)100質量%に対する多官能不飽和モノマー(a1またはb1)の添加量を意味する。
本発明のゲル粒子の製造方法は、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液(β)で膨潤したゲル粒子(A)(ゲル粒子(A’))を単離する工程を含む。この時、モノマー水溶液(β)で膨潤したゲル粒子(A’)を回収し、周囲のモノマー水溶液(β)を除く。遠心分離、ふき取り等各種の方法が用いられるが、金巾やメッシュを用い、水不溶性の有機溶媒、例えば、ヘキサデカン、シリコーンオイル等の有機溶媒で洗い流して水分と分離する方法が簡便である。この時、ゲル粒子(A’)の再分散に用いる有機溶媒を用いることが好ましい。この工程を実施した粒子を有機溶媒に分散した後に重合を行うことで、以降の工程で粒子同士が合一したり、ゲル粒子(A’)外部に第二のゲル粒子(B)が発生したり、付着したりすることを防ぐことが可能である。尚、第二のゲル粒子(B)とは、水溶液(β)中のモノマー分が重合して生成したゲル粒子である。
本発明のゲル粒子の製造方法は、単離したゲル粒子(A’)中の第二の架橋性モノマーを含むモノマーを、再び有機溶剤中で重合する工程を含む。この重合方法としては、公知のモノマーの重合方法を適用でき、ゲル粒子(A)の形成方法と同様の方法を適用できる。ゲル粒子(A)の形成方法と、同じであってもよく、異なっていてもよい。熱重合開始剤によるラジカル重合法や、光重合開始剤による光重合法を用いて有機溶剤中で形成することが好適である。なお、使用する有機溶媒は、ゲル粒子(A)の形成時に使用するものと同じであってもよく、異なっていてもよい。また、必要であれば、乳化剤や安定剤、分散剤等の界面活性剤を使用してもよい。これらもゲル粒子(A)の形成について記載したものと同様のものを同様の量で使用することができる。
水溶性開始剤を用いる場合、モノマー水溶液(β)中のモノマー総量100質量部に対して1質量部以上添加すること、開始剤に応じ充分にラジカルの発生し易い温度で重合を行うことが好ましい。また、窒素バブリングでモノマー水溶液(β)内の溶存酸素を除くこと、窒素雰囲気下で重合することが好ましい。これらの工夫により重合速度が速いほど、形成した液滴の形状のまま硬化されるためである。なお、得られた粒子を回収・洗浄し、工程3〜5を繰り返してもよい。これらの工程を繰り返すことで、ゲル粒子(A)のポリマーの質量xに対する、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマーを重合したポリマーの質量yの質量比率y/xが2以上のゲル粒子を確実に作製できる。
(工程1)
第一の架橋性モノマー(a)として、N,N−メチレンビスアクリルアミド(MBA)、水溶性不飽和モノマー(c)として、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)を用い、AMPS100質量部に対して6質量部のMBAと、5質量部の熱重合開始剤(過硫酸カリウム;KPS)とを、300質量部の蒸留水に溶かし、第一の架橋性モノマー(a)を含む水溶液(α)を調製した。
ついで、得られた水溶液(α)を窒素バブリングして溶存酸素を除き、70℃に熱したシリコーンオイル(KF‐54:信越化学工業株式会社製、以下同)にスポイドで滴下して液滴を調製し、オイル中で60分間重合し、重合を完結させ、ゲル粒子(A)を得た(製造方法(I))。
(工程2)
工程1で得たゲル粒子(A)をシリコーンオイルと分離し、ヘキサンで洗浄した。
(工程3)
第二の架橋性モノマー(b)として、MBA,水溶性不飽和モノマー(c)として、アクリルアミド(AAm)を用い、AAm100質量部に対して0.1質量部のMBAと、1質量部のKPSとを、200質量部の蒸留水に溶かし、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液(β)を調製した。これを、窒素バブリングして溶存酸素を除き、回収・洗浄したゲル粒子(A)を浸漬し、冷蔵庫内で2時間かけて充分に膨潤させた(ゲル粒子(A’))。
(工程4)
工程3で膨潤したゲル粒子(A’)をナイロンメッシュ上にとり、余分な水溶液(β)を除いた後、シリコーンオイルで洗浄した。
(工程5)
余分なモノマー水溶液(β)を除いた後、膨潤した第一ゲル粒子(A’)を70℃のシリコーンオイル中に攪拌しながら添加し再分散させ120分間重合させた。
これを回収し、ヘキサン・水で洗浄して、直径約5mmのゲル粒子を得た。前記ゲル粒子は工程3で水中で膨潤しているため、水を溶媒として含んでいる。
(工程1)
第一の架橋性モノマー(a)として、MBA、水溶性不飽和モノマー(c)として、AMPSを用い、AMPS100質量部に対して6質量部のMBAと、5質量部のKPSとを、300質量部の蒸留水に溶かし、第一の架橋性モノマー(a)を含む水溶液(α)を調製した。
ついで、得られた水溶液(α)を窒素バブリングして溶存酸素を除き、80℃に熱したシリコーンオイル(KF−968−100cs:信越化学工業株式会社製、以下同)中にらせん状に設置したテフロン(登録商標)チューブからなる流路にスポイドで滴下して液滴を調製し、オイル中で60分間重合し、重合を完結させ、ゲル粒子(A)を得た(製造方法(I))。
(工程2)
工程1で得たゲル粒子(A)をシリコーンオイルと分離し、ヘキサンで洗浄した。
(工程3)
第二の架橋性モノマー(b)として、MBA,水溶性不飽和モノマー(c)として、アクリルアミド(AAm)を用い、AAm100質量部に対して0.1質量部のMBAと、AAm100質量部に対して1質量部のKPSとを、AAm100質量部に対して200質量部の蒸留水に溶かし、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液(β)を調製した。これを、窒素バブリングして溶存酸素を除き、工程2で回収・洗浄したゲル粒子(A)を浸漬し、冷蔵庫内で2時間かけて充分に膨潤させた(ゲル粒子(A’))。
(工程4)
工程3で膨潤したゲル粒子(A’)をナイロンメッシュ上にとり、余分なモノマー水溶液(β)を除いた後、シリコーンオイルで洗浄した。
(工程5)
余分なモノマー水溶液(β)を除いた後、膨潤した第一ゲル粒子(A’)を80℃のシリコーンオイル中に攪拌しながら添加し再分散させ120分間重合させた。
これを回収し、ヘキサン・水で洗浄して、直径約5mmのゲル粒子を得た。
(工程1)
第一の架橋性モノマー(a)として、MBA、水溶性不飽和モノマー(c)として、AMPSを用い、AMPS100質量部に対して3質量部のMBAと、2質量部のKPSとを、300質量部の蒸留水に溶かし、第一の架橋性モノマー(a)を含む水溶液(α)を調製した。
ついで、得られた水溶液(α)を窒素バブリングして溶存酸素を除き、80℃に熱したシリコーンオイル(KF−968−100cs、以下同)中にらせん状に設置したテフロン(登録商標)チューブからなる流路にスポイドで滴下して液滴を調製し、オイル中で60分間重合し、重合を完結させ、ゲル粒子(A)を得た(製造方法(I))。
(工程2)
工程1で得たゲル粒子(A)をシリコーンオイルと分離し、ヘキサンで洗浄した。
(工程3)
第二の架橋性モノマー(b)として、MBA,水溶性不飽和モノマー(c)として、アクリルアミド(AAm)を用い、AAm100質量部に対して0.1質量部のMBAと、1質量部のKPSとを、200質量部の蒸留水に溶かし、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液(β)を調製した。これを、窒素バブリングして溶存酸素を除き、工程2で回収・洗浄したゲル粒子(A)を浸漬し、冷蔵庫内で2時間かけて充分に膨潤させた(ゲル粒子(A’))。
(工程4)
工程3で膨潤したゲル粒子(A’)を金巾上にとり、余分なモノマー水溶液(β)を除いた後、シリコーンオイルで洗浄した。
(工程5)
余分なモノマー水溶液(β)を除いた後、膨潤した第一ゲル粒子(A’)を80℃のシリコーンオイル中に攪拌しながら添加し再分散させ120分間重合させた。
これを回収し、ヘキサン・水で洗浄して、直径約10mmのゲル粒子を得た。
(工程1)において、MBAをAMPS100質量部に対して6質量部用い、重合時間を2時間にし(製造方法(I))、(工程3)において、KPSをAAm100質量部に対して0.01質量部にした以外は、実施例2と同様にして直径約15mmのゲル粒子を得た。
(工程1)
第一の架橋性モノマー(a)として、MBA、水溶性不飽和モノマー(c)として、AMPSを用い、AMPS100質量部に対して3質量部のMBAと、5.4質量部の光重合開始剤(IRGACURE2959:チバカイギー社製)と、2.7質量部のn‐ビニルピロリドンを、300質量部の蒸留水に溶かし、第一の架橋性モノマー(a)を含む水溶液(α)を調製した。
ついで、得られた水溶液(α)(窒素バブリングして溶存酸素を除く)と、5質量部のSpan80:Wako製)を溶解したヘキサデカンをそれぞれシリンジに入れ、Y字流路を有するマイクロリアクター内で、水溶液(α)、ヘキサデカンの流速をそれぞれ5マイクロリットル/分、40マイクロリットル/分で単分散液滴を調製し、流路を流れる間に312nmの光を照射し(8000マイクロワット/平方cm)、流路外で粒子を回収してさらに照射して、計3時間重合して重合を完結させ、ゲル粒子(A)を得た(製造方法(II))。
(工程2)
工程1で得たゲル粒子(A)をヘキサデカンと分離し、ヘキサンで洗浄した。
(工程3)
第二の架橋性モノマー(b)として、MBA,水溶性不飽和モノマー(c)として、アクリルアミド(AAm)を用い、AAm100質量部に対して0.2質量部のMBAと、0.3質量部のIRGACURE2959とを、721質量部の蒸留水に溶かし、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液(β)を調製した。これを、窒素バブリングして溶存酸素を除き、工程2で回収・洗浄したゲル粒子(A)を浸漬し、冷蔵庫内で2時間かけて充分に膨潤させた(ゲル粒子(A’))。
(工程4)
工程3で膨潤したゲル粒子(A’)を細孔膜(φ50マイクロメートル)上にとり、余分なモノマー水溶液(β)を除いた後、0.01質量部のSpan80を溶解させたヘキサデカンで洗浄した。
(工程5)
余分なモノマー水溶液(β)を除いた後、膨潤した第一ゲル粒子(A’)を0.01質量部のSpan80を溶解させたヘキサデカン中に攪拌しながら添加し再分散させ120分間光重合させた。
これを回収し、ヘキサン・水で洗浄して、直径約400μmのゲル粒子を得た。
(工程1)において、Y字流路に送液する流速を水溶液(α)、ヘキサデカンの流速をそれぞれ4マイクロリットル/分、50マイクロリットル/分に変更した(製造方法(II))以外は実施例5と同様にして直径280μmのゲル粒子を得た。
(工程1)において、水溶液(α)中の界面活性剤を、3質量部の界面活性剤(Solsperse19000:ルーブリゾール社製)に、また、Y字流路に送液する流速を水溶液(α)、ヘキサデカンの流速をそれぞれ4マイクロリットル/分、80マイクロリットル/分に変更した(製造方法(II))以外は実施例5と同様にして直径200μmのゲル粒子を得た。
工程4を省いた以外は(実施例1)と同様にしてゲルを得た。
実施例7の工程1において、Y字流路に送液する流速を水溶液(α)、ヘキサデカンの流速をそれぞれ5マイクロリットル/分、40マイクロリットル/分に変更し、工程2を経て直径300μmのシングルネットワークゲルを得た。工程3以降は行わなかった。
表1中の略号は、下記の通りである。
AMPS:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
AAm:アクリルアミド
MBA:N,N−メチレンビスアクリルアミド
IRG2959:IRGACURE2959
KPS:過硫酸カリウム
DW:脱イオン水
HD:ヘキサデカン
KF−54:信越化学工業株式会社製シリコーンオイルKF−54
KF−968−100CS:信越化学工業株式会社製シリコーンオイルKF−968−100CS
(II)マイクロリアクターを使用してゲル粒子(A)を得る製造方法
工程4:ゲル粒子(A)を第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液(β)中に浸漬後、ゲル粒子(A)の外部のモノマー水溶液(β)を除く工程
(強度)
強度測定はFISHERSCOPE((株)フィッシャーインストールメンツ)で行った。水環境中でゲル粒子一個を平面圧子(400μm×400μm)で押しつぶし、「押し込み深さ」と「試験力」を得た。結果より、以下の式で圧縮強度(Pa)を算出した。
圧縮強度(Pa)=30%変形時の擬似応力
変形量(%)=(押し込み深さ/粒子直径)×100
擬似応力(Pa)=試験力(N)/粒子の断面積(m2)
また、装置限界以上の強度を有するもの(1000mNで破壊できなかったもの)を、◎と記載した。尚、実施例7については、装置限界以上の強度を有していたが、上式に従って圧縮強度を算出した。
強度測定にて得られたデータ(実施例7及び比較例2)を図1に示した。また、強度測定にて得られたデータより算出した擬似応力と変形量の関係を図2に示した。
(工程1)で得られたゲル粒子をヘキサン・水で洗浄後、40℃で真空乾燥し、質量が変わらなくなったところで質量(ゲル粒子(A)の乾燥固形分質量)を計測し、1個あたりのゲル粒子(A)の質量(x)とした。
また、(工程5)で得られた最終のゲル粒子を、同様に洗浄・乾燥させ、1個あたりの質量を計測した。この最終のゲル粒子の質量から、ゲル粒子(A)の質量(x)を除いたもの(最終ゲル粒子の乾燥固形分質量からゲル粒子(A)の乾燥固形分質量を差し引いたもの)を、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマーを重合したポリマー分の質量(y)として算出した。上記xとyから、ゲル粒子(A)のポリマー分質量xに対する、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマーを重合したポリマー分質量yの比率y/xを算出した。
また、比較例2においては、シングルネットワークのゲルであったため、圧縮強度が低かった。
Claims (6)
- 工程1〜5を含むゲル粒子の製造方法。
(工程1)有機溶剤中で、少なくとも第一の架橋性モノマー(a)を含む水溶液滴を作製し、これを重合し架橋することにより形成されたゲル粒子(A)を得る。
(工程2)工程1で得られたゲル粒子(A)を回収・洗浄する。
(工程3)工程2で回収したゲル粒子(A)を、少なくとも第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液中に浸漬し、該ゲル粒子(A)中に第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマー水溶液を導入して膨潤させる。
(工程4)工程3を経て膨潤したゲル粒子(A)(ゲル粒子(A'))を単離する。
(工程5)工程4で単離したゲル粒子(A')中の第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマーを、有機溶剤中で重合する。 - 工程1において、マイクロリアクターを用いてゲル粒子(A)を得る、請求項1に記載のゲル粒子の製造方法。
- 工程5で得られたゲル粒子における、ゲル粒子(A)のポリマー分の質量xに対する、第二の架橋性モノマー(b)を含むモノマーを重合したポリマー分の質量yの比率y/xが2以上であることを特徴とする、請求項1または2記載のゲル粒子の製造方法。
- ゲル粒子の平均直径が、1μm〜100mmである、請求項3に記載のゲル粒子の製造方法。
- ゲル粒子が水処理剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲル粒子の製造方法。
- ゲル粒子が土壌改良剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲル粒子の製造方法。
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