JP5878724B2 - 複合成形体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、複合成形体およびその製造方法に関するものであり、特に、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂で構成された樹脂部材とを接着剤層を介して接着した複合成形体およびその製造方法に関する。
非極性樹脂は、極性の低い化学的に安定な樹脂であることから、他の樹脂との接着が極めて困難である。そのため、従来、極性樹脂と非極性樹脂とを接着させるために、接着剤を塗布する前に、少なくとも片方の表面への接着プライマーの使用、非極性樹脂表面へのコロナ処理等が行われていた。しかし、接着プライマーの使用は溶媒を用いる方法であるため溶媒の除去および乾燥が必要であるという問題があった。また、いずれの処理方法にも接着が一過性であるという問題や、樹脂表面が汚染されるという問題があった。かかる問題を解決する方法として、極性樹脂に結合するように適合された熱可塑性ポリウレタンコポリマーベースの接着剤層と、非極性樹脂に結合するように適合されたエチレン・コポリマーベースの接着剤層とを含む2層接着フィルムを用いる方法が開示されている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2005−89747号公報(2005年4月7日公開)
しかしながら、前記特許文献1に記載の方法は、接着フィルムを用いて極性樹脂と非極性樹脂とを接着する方法であり、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材とはそれぞれ別に成形しておいて、両樹脂部材を別工程で前記2層接着フィルムにて接着して所望の結合体を得る発明が開示されているに過ぎず、接着剤層と両樹脂部材とを同時成形により成形することは全く考慮されていない。これらを同時成形により成形することができれば、製造効率は飛躍的に向上するが、仮に特許文献1に記載の接着フィルム層を極性および非極性の両樹脂部材と同時成形できたとしても、両樹脂部材と接着フィルムの2層を含む4層を同時成形しなくてはならない。そのため、形状が複雑な成形体や小型の成形体を製造する場合に、製造機および金型の設計が非常に複雑になり、実用性が乏しいという問題がある。また、形状が複雑な成形体や小型の成形体を製造する場合に限らず、2層接着フィルムを用いることなく単一の接着剤層を介して極性樹脂と非極性樹脂とを接着することが有利である。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材とを、単一の接着剤層を介して接着可能とする複合成形体およびその製造方法を提供することにある。
前記課題に鑑み鋭意検討した結果、本発明者らは、非極性樹脂に極性変性された非極性樹脂を添加すること、言い換えれば、非極性樹脂に代えて、非極性樹脂と極性変性された非極性樹脂とを混合した非極性樹脂混合物を用いることにより、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材とを単一の接着剤層を介して接着した複合成形体を得ることができることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る複合成形体は、前記課題を解決するために、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とを接着剤層を介して接着した複合成形体であって、前記非極性樹脂混合物は、非極性樹脂と、極性変性された非極性樹脂とを含むことを特徴としている。
前記の構成によれば、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材とを1層の接着剤層を介して接着可能とする複合成形体を実現することができる。また、非極性樹脂と、極性変性された非極性樹脂との混合物を用いることにより、非極性樹脂の所望の特性を維持しつつ、極性材料と非極性材料とを1層の接着剤層を介して接着することができる。
本発明に係る複合成形体では、前記接着剤層は、熱可塑性ポリウレタンベースの接着剤を含むことが好ましい。
前記接着剤層が熱可塑性ポリウレタンベースの接着剤を含むことにより、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材との接着強度に優れた複合成形体を実現することができるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る複合成形体では、前記極性変性された非極性樹脂は、無水マレイン酸をグラフト共重合することで極性基を導入した無水マレイン酸変性ポリオレフィン、または(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体とリン酸基含有ビニル単量体とを含むビニル系単量体でグラフト変性したポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
前記極性変性された非極性樹脂が無水マレイン酸をグラフト共重合することで極性基を導入した無水マレイン酸変性ポリオレフィン、または、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体とリン酸基含有ビニル単量体とを含むビニル系単量体でグラフト変性したポリオレフィン樹脂であることにより、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材との接着強度に優れた複合成形体を実現することができるという効果を奏する。
本発明に係る複合成形体では、前記極性樹脂は、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルアミドおよびエポキシ樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂であることが好ましい。
本発明に係る複合成形体では、前記非極性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂、ポリジエン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレン系共重合体ゴム、スチレン系熱可塑性エラストマーおよび天然ゴムからなる群より選択される1種以上の樹脂であることが好ましい。
前記非極性樹脂混合物に含まれる極性変性された非極性樹脂の割合は、前記非極性樹脂混合物に含まれる非極性樹脂100重量部に対して50重量部以下であることが好ましい。
前記非極性樹脂混合物に含まれる極性変性された非極性樹脂の割合が前記非極性樹脂混合物に含まれる非極性樹脂100重量部に対して50重量部以下であることにより、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材との優れた接着性を確保することができるとともに、極性変性された非極性樹脂の割合を減らし、目的とする非極性樹脂の特性を維持することができるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る複合成形体では、前記非極性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であり、メタロセン系ポリエチレンを含むことが好ましい。
前記非極性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であり、メタロセン系ポリエチレンを含むことにより、低低分子量成分、耐衝撃性、耐ESCR性、透明性、低温シール性、耐ブロッキング性、低臭性、耐溶剤抽出性等を向上させることができるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る複合成形体では、前記メタロセン系ポリエチレンの割合は、ポリオレフィン系樹脂全体に対して、10〜30重量%であることが好ましい。
前記メタロセン系ポリエチレンの割合が、ポリオレフィン系樹脂全体に対して、10〜30重量%であることにより、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材の引張降伏応力、引張破断伸びおよび引張弾性率に優れるという効果を奏する。
また、本発明に係る複合成形体の製造方法は、前記課題を解決するために、射出成形または押出成形により、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とを、接着剤層を介して成形過程で接着させる複合成形体の製造方法であって、前記非極性樹脂混合物は、非極性樹脂と、極性変性された非極性樹脂とを含むことを特徴としている。
前記の構成によれば、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材とを1層の接着剤層を介して接着することができるという効果を奏する。
本発明に係る複合成形体は、以上のように、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とを接着剤層を介して接着した複合成形体であって、前記非極性樹脂混合物は、非極性樹脂と、極性変性された非極性樹脂とを含む構成を備えているので、前記の構成によれば、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材とを1層の接着剤層を介して接着可能とする複合成形体を実現することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る複合成形体の製造方法は、以上のように、射出成形または押出成形により、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とを、接着剤層を介して成形過程で接着させる複合成形体の製造方法であって、前記非極性樹脂混合物は、非極性樹脂と、極性変性された非極性樹脂とを含む構成を備えているので、前記の構成によれば、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材とを1層の接着剤層を介して接着することができるという効果を奏する。
本発明の複合成形体の一実施形態を示す図である。 本発明の複合成形体の一実施形態を示す図であり、(a)は本発明の複合成形体の一実施形態を示す断面図であり、(b)は本発明の複合成形体の一実施形態を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変形を加えた態様で実施できるものである。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。
(I)複合成形体
本発明に係る複合成形体は、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とを接着剤層を介して接着した複合成形体であって、前記非極性樹脂混合物は、非極性樹脂と、極性変性された非極性樹脂とを含むものである。本発明では、極性変性された非極性樹脂を、非極性樹脂に混合することによって、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材とを1層の接着剤層を介して接着することができる。なお、本明細書において、単に「非極性樹脂」と記載されている場合は、極性変性されていない非極性樹脂を意味する。
<極性変性された非極性樹脂>
本発明において、極性変性された非極性樹脂とは、分子内に極性基が導入された非極性樹脂であれば特に限定されるものではない。この極性変性された非極性樹脂としては、例えば、特開平7−62024号公報、特開平9−278956号公報等に記載の無水マレイン酸をグラフト共重合することで極性基を導入した無水マレイン酸変性ポリオレフィン、特開2007−112881号公報等に記載の(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル単量体とリン酸基含有ビニル単量体とを含むビニル系単量体でグラフト変性したポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。
極性変性された非極性樹脂としては、より具体的には、例えば、デュポン社のフサボンド(登録商標)E528、E226Y、E265等;三菱化学株式会社のモディック(登録商標)H511、H503、L502、L553、L504、M142、M502、M512、M545等、三井化学株式会社のアドマー(登録商標)NE065、NE827、NF559、NF587、SE800、SF731、QB550等を好適に用いることができる。前記極性変性された非極性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組合せて用いてもよい。
なお、前記非極性樹脂混合物は、非極性樹脂と、極性変性された非極性樹脂とを含むものであればよい。したがって、極性変性された非極性樹脂は、必ずしも非極性樹脂混合物に同時に含まれる非極性樹脂を極性変性させたものでなくてもよいが、目的とする非極性樹脂の特性を維持するという観点からは、非極性樹脂混合物に同時に含まれる非極性樹脂を極性変性させたものであることがより好ましい。
前記非極性樹脂混合物に含まれる極性変性された非極性樹脂の割合は、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材との優れた接着性を確保することができれば特に限定されるものではないが、前記非極性樹脂混合物に含まれる非極性樹脂100重量部に対して1重量部以上であることがより好ましく、4重量部以上であることがさらに好ましい。また、前記非極性樹脂混合物に含まれる極性変性された非極性樹脂の割合の上限は特に限定されるものではないが、前記非極性樹脂混合物に含まれる非極性樹脂100重量部に対して50重量部以下であることがより好ましく、30重量部以下であることがさらに好ましく、12重量部以下であることが最も好ましい。
前記非極性樹脂混合物に含まれる極性変性された非極性樹脂の割合が前記非極性樹脂混合物に含まれる非極性樹脂100重量部に対して1重量部以上であることにより、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂で構成された樹脂部材との優れた接着性を確保することができる。また、前記非極性樹脂混合物に含まれる極性変性された非極性樹脂の割合が前記非極性樹脂混合物に含まれる非極性樹脂100重量部に対して50重量部以下であることにより、極性変性された非極性樹脂の割合を減らし、目的とする非極性樹脂の特性を維持することができるという効果を奏し、30重量部以下であればその効果はより顕著である。
<非極性樹脂>
前記非極性樹脂は、非極性の樹脂であれば特にこれに限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリジエン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレン系共重合体ゴム、スチレン系熱可塑性エラストマーおよび天然ゴムからなる群より選択される1種以上の樹脂であることが好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂としても、非極性のポリオレフィン系樹脂であれば特に限定されるものではなく、モノマー単位としてエチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン成分を主成分として含む非極性の樹脂であればよい。なお、本明細書において、「主成分として」とは、全モノマー成分を100モル%としたときに、好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上含まれることをいう。前記オレフィン成分は単独のオレフィンであってもよいし、2種類以上の組合せであってもよい。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)(エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム/ポリプロピレン等から構成されるエラストマー組成物)等のポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。これらのポリオレフィン系樹脂は単独で用いてもよいし、2種類以上を組合せて用いてもよい。
前記ポリエチレンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)を挙げることができる。これらのエチレンも単独で用いてもよいし、2種類以上を組合せて用いてもよい。
また、前記ポリオレフィン系樹脂は、メタロセン系ポリエチレンを含んでいてもよい。ここで、メタロセン系ポリエチレンとは、メタロセン系触媒で得られるポリエチレンであれば特に限定されるものではない。メタロセンポリエチレンは、低分子量成分が少なく、耐衝撃性や耐ESCR性がよく、透明性、低温シール性、耐ブロッキング性、低臭性、耐溶剤抽出性等に優れるため、かかる特性を利用して、前記ポリオレフィン系樹脂と混合することにより、前記ポリオレフィン系樹脂を改質することができる。例えば、メタロセン系ポリエチレンは、低分子量成分が少なく軟質であるという利点を利用するために、ポリエチレンと混合して用いることができる。
前記非極性樹脂として、メタロセン系ポリエチレンを含むポリオレフィン系樹脂を用いる場合には、メタロセン系ポリエチレンを、ポリオレフィン系樹脂全体に対して、10〜30重量%含んでいることがより好ましい。メタロセン系ポリエチレンを10重量%以上含むことにより、低低分子量成分、耐衝撃性、耐ESCR性、透明性、低温シール性、耐ブロッキング性、低臭性、耐溶剤抽出性等を向上させることができるため好ましい。また、メタロセン系ポリエチレンを10〜30重量%含んでいることにより、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材の引張降伏応力、引張破断伸びおよび引張弾性率に優れるため好ましい。
かかるメタロセン系ポリエチレンとしては、より具体的には、例えば、日本ポリエチレン株式会社のカーネル(登録商標)KF360T、KS240T等を挙げることができる。
また、前記ポリジエン系樹脂は、非極性のポリジエン系樹脂であれば特に限定されるものではなく、モノマー単位としてジエン成分を主成分として含む非極性の樹脂であればよい。したがって、前記ポリジエン系樹脂にはジエンを主成分とするオレフィンとの共重合体、ジエンを主成分とするスチレンとの共重合体等も含まれる。前記非極性のポリジエン系樹脂としては、例えば、ポリブタジエン(BR)等を挙げることができる。
また、前記ポリスチレン系樹脂は、モノマー単位としてスチレン成分を主成分として含む非極性の樹脂であればよく、例えば、ポリスチレン、スチレンを主成分とするオレフィンとの共重合体、スチレンを主成分とするジエンとの共重合体等を挙げることができる。
また、前記スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系共重合体ゴム/ポリオレフィン系樹脂等から構成されるエラストマー組成物を挙げることができる。
また、前記スチレン系共重合体ゴムとしては、スチレン‐ブタジエンゴム(SBR)、スチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンとイソブチレンとのトリブロック共重合体(SIBS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)等を挙げることができる。
上述した非極性樹脂は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組合せて用いてもよい。
<極性樹脂>
前記極性樹脂は、極性の樹脂であれば特にこれに限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルアミドおよびエポキシ樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂である。
上述した極性樹脂は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組合せて用いてもよい。
<接着剤層>
前記接着剤層は、これに限定されるものではないが、例えば、熱可塑性ポリウレタンベースの接着剤を含む接着剤層を好適に用いることができる。
熱可塑性ポリウレタンベースの接着剤としては、熱可塑性ポリウレタン、アクリル変性ポリウレタン、アクリレート変性ポリウレタン、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン等を含む接着剤を挙げることができる。
かかる接着剤としては、より具体的には、例えば、BASF社のエラストラン(登録商標)C70A11FG、ET875−10AVS、1180A10;Huntsman社のIrogran(登録商標)CA116等を挙げることができる。
<複合成形体の形状>
本発明に係る複合成形体の形状や大きさは特に限定されるものではなく、どのような形状であってもよい。複合成形体の形状は、例えば、図1に示すような、フィルム状、シート状、板状等の樹脂部材が接着剤層を介して接合された積層体であってもよいし、図2に例示するように、三次元的形状の各樹脂部材が接着剤層を介して接合された形状であってもよい。
図1は本発明にかかる複合成形体の一実施形態を示す断面図であり、極性樹脂で構成されたフィルム状、シート状、または板状の樹脂部材3と、非極性樹脂混合物で構成されたフィルム状、シート状、または板状の樹脂部材1とが接着剤層2を介して接着されている複合成形体を示す。また、図2の(a)は本発明にかかる複合成形体の一実施形態の断面図を、図2の(b)は側面図を示す。ここで、(b)は複合成形体を、断面図(a)の右側、即ち樹脂部材1が突出している側から見た図である。図2に示す例では、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材1は、屈曲しながら長手方向に延びる断面を有する形状である。そして、極性樹脂で構成された2つの樹脂部材3は、それぞれ、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材1の各端部と接着剤層2を介して接着されて複合成形体を形成している。
<複合成形体の接着強度>
本発明に係る複合成形体は、上述した構成により、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とが接着剤層を介して接着している。本発明の複合成形体では、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材との接着強度、および、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材と接着剤層との接着強度は、いずれも8N/mm以上であり、より好ましくは10N/mm以上である。
なお、ここで、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材との接着強度とは、後述する実施例1に記載の引張試験を行い、極性樹脂で構成された樹脂部材と非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とが、いずれかの位置で破断するまでの最大荷重を、破断した面の面積で除することによって得られる値をいう。また、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材と接着剤層との接着強度とは、後述する実施例1に記載の引張試験を行い、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材と接着剤層とが破断するまでの最大荷重を、破断した面の面積で除することによって得られる値をいう。
(II)複合成形体の製造方法
本発明に係る複合成形体を製造する方法は、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とを接着剤層を介して接着することができる方法であれば特に限定されるものではない。
例えば、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材と、接着剤層とを加熱下で溶融し、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とを接着剤層を介して接触させることにより接着することができる。より具体的には、本発明に係る複合成形体は、例えば、熱成形、射出成形、押出成形などの従来公知の成形法により、成形過程で、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とを接着剤層を介して接着させることにより製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕
図2に示すような試験片を採取するために、樹脂部材1、樹脂部材3および接着剤層2をもつ複合成形体を押出成形により製造した。非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材1に含まれる非極性樹脂および極性変性された非極性樹脂、樹脂部材3に含まれる極性樹脂並びに接着剤層2に含まれる接着剤として、表1に示す材料を用いた。樹脂部材1、樹脂部材3および接着剤層2は、溶融され、図2(a)の紙面に垂直な方向に押し出された。複合成形体の樹脂部材1の押出し方向に垂直な断面の幅dは1mmであった。得られた複合成形体を、押出方向の長さbが20mmとなるような試験片として切り出した。
一対の樹脂部材3のそれぞれに、樹脂部材3の外側面に対して垂直の方向であって、相互に離反する方向に引張荷重をかけて引張試験を行った。なお、引張試験は、試験片の形状や試験数は異なるものの、JISK7161(プラスチック−引張特性の試験方法)に準拠して行い、23±2℃の条件下、島津製作所製AG−Xplus10kN型引張試験機を用いて行った。表2に、3種類の試験速度において、非極性樹脂および極性変性された非極性樹脂の割合を変化させて引張試験を行ったときの、試験片の破断状況の観察結果と、破断するまでの最大荷重を示す。なお、表2では、樹脂部材1と接着剤層2との境界以外での破断を境界外とし、破断位置を示している。
Figure 0005878724
Figure 0005878724
表2に示すように、非極性樹脂と、極性変性された非極性樹脂とを含む非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材を、接着剤層を介して極性樹脂で構成された樹脂部材と接着した複合成形体では、非極性樹脂混合物と接着剤層との間での複合成形体の破断は殆ど起こらなかった。かかる結果より、非極性樹脂と、極性変性された非極性樹脂とを含む非極性樹脂混合物を用いれば、極性樹脂で構成された樹脂部材と、化学的に安定な非極性樹脂で構成された樹脂部材とを、単一の接着剤層を介して強固に接着できることが示された。
また、前記非極性樹脂混合物に含まれる極性変性された非極性樹脂の割合が、前記非極性樹脂混合物に含まれる非極性樹脂100重量部に対して4〜12重量部の範囲であるときに、特に最大荷重が大きいことから接着強度により優れることが判る。
〔比較例1〕
非極性樹脂と、極性変性された非極性樹脂とを含む非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材を用いるかわりに、極性変性された非極性樹脂とを含まない非極性樹脂のみを用いた点以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、引張試験を行った。
その結果、非極性樹脂のみで構成された樹脂部材と接着剤層との間で複合成形体が破断した。
〔実施例2〜6〕
非極性樹脂としてメタロセン系ポリエチレンを含むポリオレフィン系樹脂を用いて、非極性樹脂と、極性変性された非極性樹脂とを含む非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材を製造した。このとき、ポリオレフィン系樹脂に含まれるメタロセン系ポリエチレンの割合を変化させたときの樹脂部材の引張降伏応力、引張破断伸びおよび引張弾性率を測定した。
メタロセン系ポリエチレン、ポリオレフィン系樹脂および極性変性された非極性樹脂として、表3に示す材料を表3に示す割合で用い、ロールで練ってプレスでシートを作製した。得られたシートから、表4に示す試験片を試験項目に応じて、型で打ち抜いて作製した。表4に示す試験方法により、引張降伏応力、引張破断伸びおよび引張弾性率を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0005878724
Figure 0005878724
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表5に示すように、前記メタロセン系ポリエチレンの割合が、ポリオレフィン系樹脂全体に対して、10〜30重量%である場合、引張降伏応力、引張破断伸びおよび引張弾性率に優れることが判る。
本発明は、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とを接着した複合成形体を用いる各種産業分野、例えば、建築・土木・配管、エレクトロニクス、車両材料、包装材料、環境、工業プラント、医療等の分野に用いることができるため非常に有用である。

Claims (2)

  1. 射出成形または押出成形により、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とを、単一の接着剤層を介して成形過程で接着させる複合成形体の製造方法であって、
    前記成形過程で、前記接着剤層が、前記極性樹脂で構成された樹脂部材と、前記非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材とに接着され、
    前記非極性樹脂混合物は、非極性樹脂と、極性変性されている非極性樹脂とを含むことを特徴とする複合成形体の製造方法。
  2. 前記接着剤層と、極性樹脂で構成された樹脂部材と、非極性樹脂混合物で構成された樹脂部材と、を同時成形により成形することを特徴とする請求項に記載の複合成形体の製造方法。
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