JP5878403B2 - 可変容量型ポンプ - Google Patents

可変容量型ポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP5878403B2
JP5878403B2 JP2012064762A JP2012064762A JP5878403B2 JP 5878403 B2 JP5878403 B2 JP 5878403B2 JP 2012064762 A JP2012064762 A JP 2012064762A JP 2012064762 A JP2012064762 A JP 2012064762A JP 5878403 B2 JP5878403 B2 JP 5878403B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
flow rate
pump
working fluid
solenoid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012064762A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013194668A (ja
Inventor
悟多 熊坂
悟多 熊坂
飯島 正昭
正昭 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2012064762A priority Critical patent/JP5878403B2/ja
Publication of JP2013194668A publication Critical patent/JP2013194668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5878403B2 publication Critical patent/JP5878403B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Description

本発明は、流体を流量可変に供給する可変容量型のポンプに関する。
従来、通電により磁気吸引力を発生して弁体を作動させ、ポンプが供給する作動流体の流量を制御する電磁弁を備えた可変容量型ポンプが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001−304139号公報
しかし、電磁弁への通電量の指示値に対して実際の通電量の値がばらつくと、制御されるポンプの吐出流量が大きくばらつくおそれがあった。本発明の目的とするところは、吐出流量の制御ばらつきを抑制することができる可変容量型ポンプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の可変容量型ポンプでは、電磁弁は、弁体を作動させる磁気吸引力が飽和する飽和領域を使用することとした。
よって、通電量の変化に対し吐出流量の変化を小さくすることで、吐出流量のばらつきを抑制することができる。
実施例1のポンプが適用されるCVTのブロック図である。 実施例1のポンプ部と制御部の断面図である。 ソレノイドの磁界と磁束との関係を表す特性図であり、実施例1と従来例の使用域を示す。 実施例1と従来例のソレノイドの電流と磁気吸引力との関係を表す特性図である。 実施例1と従来例のポンプの電流と吐出流量との関係を表す特性図である。 ポンプ部と制御部の断面図であり、磁気絞り部の変形例を示す。
以下、本発明の可変容量型ポンプを実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
まず、構成を説明する。
〔ベーンポンプの概要〕
可変容量型のベーンポンプ1(以下、単に「ポンプ1」という。)は自動車の油圧機器に作動油を供給する油圧供給源として用いられる。具体的には、ポンプ1は、無段変速機、特にベルト式の連続可変トランスミッション(CVT100)の油圧供給源として使用される。ポンプ1は内燃機関(エンジン)のクランクシャフトにより駆動され、作動流体を吸入・吐出する。作動流体として作動油、具体的にはATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)を用いる。 図1は、ポンプ1が作動油を供給する機器の一例として、CVT100を示すブロック図である。コントロールバルブ110内には、CVTコントロールユニット130により制御される各種のバルブ111〜123が設けられている。ポンプ1から吐出された作動油は、コントロールバルブ110を介してCVT100の各部(プライマリプーリ101、セカンダリプーリ102、フォワードクラッチ103、リバースブレーキ104、トルクコンバータ105、潤滑・冷却系等106等)に供給される。
ポンプ1は、吐出容量(1回転当たりに吐出する流体量。以下、ポンプ容量という。)を可変にできる可変容量型であり、作動油を吸入・吐出するポンプ部2と、吐出容量を制御する制御部とを、一体のユニットとして有している。図2は、ポンプ1の一部の断面を示す図であり、ハウジング部材40を除くポンプ部2を回転軸Oに垂直な平面で切った断面を示すと共に、制御部を電磁弁3の軸を通る平面で切った部分断面を示す。説明の便宜上、電磁弁3の軸が延びる方向にx軸を設け、弁体(スプール41)がソレノイド5から離れる側をx軸正方向とする。
ポンプ部2は主な構成要素として、クランクシャフトにより駆動される駆動軸20と、駆動軸20により回転駆動されるロータ21と、ロータ21の外周に形成された複数のスリット210のそれぞれに突没可能に収容されたベーン22と、ロータ21を囲んで配置される円環状のカムリング23と、カムリング23を囲んで配置される円環状のアダプタリング24と、カムリング23およびロータ21の軸方向側面に配置され、カムリング23、ロータ21およびベーン22とともに複数のポンプ室rを形成するプレート部材(ハウジング部材40)とを有している。アダプタリング24の内周には、カムリング23が揺動自在に収容される。アダプタリング24のx軸正方向側には、スプリング27が圧縮状態で設置され、アダプタリング24に対してカムリング23をx軸負方向側に常時付勢する。アダプタリング24とカムリング23の間には、両者を係止するピン25が設置される。カムリング23は、アダプタリング24に対して、ピン25が設けられた転動面240で支持され、転動面240を支点に揺動自在に設置される。回転軸Oを挟んでピン25の略反対側のアダプタリング24の内周にはシール部材26が設置される。カムリング23が揺動する際には、アダプタリング24の内周の転動面240がカムリング23の外周面に当接するとともに、シール部材26がカムリング23の外周面に摺接する。ロータ21は、カムリング23の内周側に設置される。ロータ21には、複数の溝(スリット210)が放射状に形成されている。ベーン22は、略矩形状の板部材(羽根)であり、各スリット210に出没可能に収容されている。
ロータ21とカムリング23とこれらを挟むプレート部材との間の空間は、複数のベーン22によって、複数(11個)のポンプ室(容積室)rに区画される。ロータ21は図2の時計回り方向に回転する。カムリング23の中心軸が回転軸Oに対して(x軸負方向側に)偏心した状態では、x軸正方向側からx軸負方向側に向かうにつれて、ロータ21の外周面とカムリング23の内周面との間のロータ径方向での距離(ポンプ室rの径方向寸法)が大きくなる。この距離の変化に応じ、ベーン22がスリット210から出没することで、各ポンプ室rが隔成されるとともに、x軸負方向側のポンプ室rのほうが、x軸正方向側のポンプ室rよりも、容積が大きくなる。このポンプ室rの容積の差異により、回転軸Oに対して図2の上側では、ロータ21が回転する(ポンプ室rがx軸正方向側に向かう)につれてポンプ室rの容積が縮小する一方、回転軸Oに対して図2の下側では、ロータ21が回転する(ポンプ室rがx軸負方向側に向かう)につれて、ポンプ室rの容積が拡大する。ポンプ室rは回転軸Oの周りを時計回り方向に回転しつつ周期的に拡縮する。ポンプ室rが回転方向に拡大する吸入領域で、吸入ポート29からポンプ室rに作動油を吸入し、ポンプ室rが回転方向に縮小する吐出領域で、ポンプ室rから吐出ポート28へ上記吸入した作動油を吐出する。
ポンプ1の制御部3は、制御室R1,R2と電磁弁3と油圧回路とを有している。アダプタリング24の内周面とカムリング23の外周面との間の空間は、その軸方向両側がハウジング部材40(プレート部材)により封止される一方、転動面240(とカムリング23の外周面との当接部)とシール部材26とにより、2つの制御室R1,R2に液密に隔成されている。カムリング23の外周側において、カムリング23の偏心量δが増大する方向であるx軸負方向側には第1制御室R1が隔成され、偏心量δが減少する方向であるx軸正方向側には第2制御室R2が隔成されている。油圧回路は、ハウジング部材40内において各部を接続する作動油の通路30等を有している。また、ハウジング部材40には、x軸方向に延びる略円筒状のバルブ収容孔400が形成されており、バルブ収容孔400には電磁弁3の弁体が収容される。以下、ハウジング部材40においてバルブ収容孔400が形成された部位をバルブハウジング40という。ポンプ部2の吐出ポート28と吐出通路34とを結ぶ通路32上には、メータリングオリフィス(以下、オリフィスという)320が設けられている。吐出ポート28からの通路30は、オリフィス320よりも上流側(吐出ポート28側)で上流側油路31と通路32に分岐し、上流側油路31は後述の上流側ポート310に接続される。通路32は、オリフィス320よりも下流側で下流側油路33と吐出通路34に分岐し、下流側油路33は後述の下流側ポート330に接続され、吐出通路34はCVT100に接続される。
バルブ収容孔400のx軸負方向側の端部には、オリフィス320の上流側の吐出圧が供給される上流側ポート310が形成されている。この上流側ポート310にx軸正方向側に第1制御通路38が開口する。第1制御通路38は、アダプタリング24を径方向に貫く貫通孔を介して、ポンプ部2の第1制御室R1に連通する。一方、バルブ収容孔400のx軸正方向側の端部には、オリフィス320の下流側の吐出圧(すなわち、CVT100に吐出される圧)が供給される下流側ポート330が形成されている。この下流側ポート330にx軸負方向側に第2制御通路39が開口する。第2制御通路39は、アダプタリング24を径方向に貫く貫通孔を介して、ポンプ部2の第2制御室R2に連通する。
〔電磁弁の概要〕
電磁弁3は、ポンプ1の容量を可変に制御するための電磁油圧制御弁であり、弁装置としての制御弁4とソレノイド5とを一体に有する。
(制御弁の構成)
制御弁4は、弁体を作動させる(変位させる)ことで、第1制御室R1及び第2制御室R2への作動油の流入・流出を制御する。制御弁4は、スプール弁であり、バルブ収容孔400内にx軸方向に変位(ストローク)可能に収容されたスプール41と、バルブ収容孔400内にスプール41のx軸正方向側に圧縮状態で設置され、スプール41をx軸負方向側(ソレノイド5側)に常時付勢する戻しバネとしてのスプリング43とを有している。スプリング43のx軸正方向端は、バルブ収容孔400のx軸正方向側のねじ部401に螺着されたリテーナ42に保持されている。制御弁4の作動(スプール41の変位)は、ポンプ部2の吐出流量に応じてスプール41の両側に作用する油圧(第1,第2油圧)の差により制御されると共に、CVTコントロールユニット130からの指令に基づき、スプリング43の荷重方向と反対方向にソレノイド5からスプール41に作用する推力により制御される。スプール41は、ポート遮断用(ないしポート開度可変用)の第1ランド部410及び第2ランド部411を備えている。第1ランド部410はスプール41のx軸負方向側に設けられ、第2ランド部411はスプール41のx軸正方向側の端部に設けられている。なお、第1ランド部410の外周には円周溝44が設けられ、第2ランド部411の外周には円周溝45が設けられている。バルブ収容孔400の内部は、第1ランド部410とバルブ収容孔400のx軸負方向端部とにより第1圧力室35が画成され、第2ランド部411とバルブ収容孔400のx軸正方向端部とにより第2圧力室36が画成され、第1ランド部410と第2ランド部411によりドレン室37が画成される。スプール41の変位に関わらず、第1圧力室35には上流側ポート310が常に開口し、第2圧力室36には下流側ポート330が常に開口する。ドレン室37は、図外のドレン通路と常時連通し、低圧に保たれている(大気圧に開放されている)。
スプール41がx軸方向に変位することで、バルブ収容孔400における各通路の開口部(作動油の給排孔)が各ランド部410,411によって塞がれる面積(通路の開口面積)が変化し、これにより各通路の連通状態ないし遮断状態が切り替えられる。各開口部は以下のように配置されている。すなわち、スプール41がx軸負方向側に最大変位した状態で、第1制御通路38の開口部(第1制御室R1)は、第1ランド部410により第1圧力室35との連通が遮断される一方、ドレン室37と連通する。同じ状態で、第2制御通路39の開口部(第2制御室R2)は、第2ランド部411によりドレン室37との連通が遮断される一方、第2圧力室36と連通する。スプール41がx軸正方向側に変位するにつれて、第1制御通路38の開口部(第1制御室R1)は、ドレン室37との連通が遮断される一方、変位量が所定以上になると第1圧力室35と連通し、さらなるx軸正方向側への変位量の増大に応じて、第1ランド部410により塞がれる面積が減少する。また、第2制御通路39の開口部(第2制御室R2)は、スプール41がx軸正方向側に変位するにつれて、第2ランド部411により塞がれる面積が増大し、変位量が所定以上になると第2圧力室36との連通が遮断される。スプール41がx軸正方向側に最大変位した状態で、第1制御通路38の開口部(第1制御室R1)は、第1ランド部410によりドレン室37との連通が遮断される一方、第1圧力室35と連通する。同じ状態で、第2制御通路39の開口部(第2制御室R2)は、第2ランド部411により第2圧力室36との連通が遮断される一方、ドレン室37と連通する。
(ソレノイドの構成)
ソレノイド5は、コイル6とプランジャ7とステータ8とを有する。コイル6は、例えば樹脂製のボビンに電線を多数巻回した筒状の電磁コイルであり、通電により磁力を発生する磁力発生手段である。コイル6は、通電時に磁力線を発生し、磁界を形成することで、ステータ8にプランジャ7を磁気吸引させる。プランジャ7は、軟磁性体の金属材料により形成された可動コアであり、コイル6の内周側にx軸方向に移動(ストローク)可能に支持される。プランジャ7は、コイル6への通電により形成される磁気回路の磁束による推力(x軸正方向への磁気吸引力)を受けて、所定範囲内で軸方向に移動可能に配置されている。プランジャ7の軸心には棒状の部材であるロッド70が圧入等により固定されている。ロッド70は、プランジャ7の軸心に貫通形成された孔に貫通して設置され、プランジャ7の軸方向両端から突出している。ロッド70のx軸正方向端部はスプール41のx軸負方向端部412に当接可能に設けられている。ロッド70は、コイル6に供給される駆動電流に応じてプランジャ7に作用するx軸正方向の磁気吸引力をスプール41に伝達し、スプール41を付勢する。また、ロッド70は、スプール41に作用するスプリング43のx軸負方向の付勢力をプランジャ7に伝達する。
なお、ロッド70をプランジャ7に圧入等により固着するのではなく、ロッド70の軸方向端部がプランジャ7の軸方向端部に当接することとしてもよい。また、ロッド70の軸方向端部がスプール41に当接するのではなく、ロッド70がスプール41と一体に設けられることとしてもよい。実施例1では、スプリング43の復帰負荷によりスプール41がプランジャ7側へ付勢されるため、ロッド70の軸方向端部がスプール41に当接する構成とし、かつソレノイド5におけるスプリング等の付勢手段を省略した。これに対し、プランジャ7とステータ8(固定コア80)の対向距離が離れる方向へプランジャ7を付勢するスプリング等をステータ8とプランジャ7との間に設けることとしてもよい。
ステータ8は、軟磁性体の金属材料により形成されている。ステータ8は、コイル6が形成する磁界により、磁力線の通路である磁気回路(磁路)をプランジャ7と共に形成する磁路構成部材である。ステータ8は、コイル6が発生する磁力をプランジャ7のx軸方向の対向位置へ導いて、プランジャ7をx軸正方向側に吸引して移動させる磁気吸引力を発生する。ステータ8は、コイル6やプランジャ7を収容するケーシング(ソレノイドハウジング)でもあり、複数の部材から構成され、コイル6のx軸正方向側に内嵌する固定コア(第1ヨーク)80と、コイル6のx軸負方向側に内嵌するヨーク(第2ヨーク)81と、コイル6の外周を覆う筒状のカバー(第3ヨーク)82とを有する。また、固定コア80とヨーク81は非磁性体の部材83に嵌合し、固定されている。
固定コア80は、略円盤形状のフランジ部800と、x軸正方向に伸びる略円筒形状に形成されてコイル6の内周側に嵌合する円柱部801とを一体に有する。なお、フランジ部800と円柱部801を別部材としてもよい。フランジ部800は、バルブハウジング40とコイル6のx軸正方向端部との間に挟まれるように配置される。円柱部801の軸心を貫通して孔が形成され、孔にはロッド70が貫通して設置され、摺動自在に収容される。円柱部801のプランジャ7側(x軸負方向側)に突出する端部には、プランジャ7のx軸方正向端部が進入可能な有底の凹部802が開口する。凹部802が形成された上記端部は、プランジャ収容部803を構成する。凹部802の内径は、プランジャ7の外径よりも大きな寸法に設定されている。凹部802のx軸正方向側底面には、非磁性体のギャップワッシャ84が設けられている。プランジャ収容部803の外周には、テーパ面804が形成されている。すなわち、凹部802の周壁を構成する端部(プランジャ収容部803)は、当該端部のx軸負方向側の開口縁に近づくに従って断面積が減少するテーパ状であり、そのテーパ角は所定角度に設定されている。プランジャ収容部803は、凹部802のx軸正方向側の底部に向かうにつれてその径方向断面積が増大することで、磁気抵抗調整部を構成する。なお、凹部802の内周面または/およびプランジャ7の軸方向端部の外周面にテーパ面を形成することで、磁気抵抗調整部を構成することとしてもよい。
プランジャ7のx軸正方向端面と凹部802のx軸正方向側底部との間にはx軸方向で隙間(メインギャップ)が設けられ、この軸方向隙間はギャップワッシャ84の厚み以上でプランジャ7のx軸方向移動に応じて増減する。また、プランジャ7の外周面と凹部802(周壁)の内周面との間には所定の径方向隙間(第1サイドギャップ)が設けられている。円柱部801は、メインギャップ及び第1サイドギャップを介して、フランジ部800とプランジャ7との間で磁束を導く。
ヨーク81は、フランジ部810と円筒部811とを一体に有する。なお、フランジ部810と円筒部811を別部材としてもよい。フランジ部810はコイル6のx軸負方向端部に押圧されるように設置され、円筒部811はコイル6の内周側に嵌合する。円筒部811のx軸正方向端と固定コア80の円柱部801(プランジャ収容部803)のx軸負方向端との間には所定のx軸方向隙間が設けられている。円筒部811にはx軸正方向側に開口する有底孔812が形成され、有底孔812にはプランジャ7が摺動自在に収容される。プランジャ7の外周面と有底孔812の内周面との間には所定の径方向隙間(第2サイドギャップ)が設けられている。円筒部811は、第2サイドギャップを介して、フランジ部810とプランジャ7との間で磁束を導く。有底孔812の底部には小径の有底孔が形成され、小径有底孔にはロッド70のx軸負方向端部が摺動自在に収容される。
カバー82は、コイル6の外周を覆い、かつx軸方向両端部の内周で固定コア80とヨーク81のフランジ部800,810の外周に接するように設置される。カバー82は、例えばカシメ固定により、コイル6と固定コア80とヨーク81とを一体に固定する。カバー82は、x軸方向両端の接触部を介して、固定コア80とヨーク81のフランジ部800,810間で磁束を導く。カバー82の外周面には、カバー82を部分的に薄く加工した肉薄部として、溝部、具体的には(軸心を取り囲む)周方向に延びる環状の溝90が設けられている。カバー82には、カバー外周面を取り囲むように、環状のスライド部材91が設置される。スライド部材91は磁性体の金属材料により形成されたヨーク部材(第4ヨーク)であり、その軸方向一方側(x軸正方向側)は先端に向かうにつれて軸直方向で切った断面積が徐々に小さくなるテーパ状に形成されている。スライド部材91は、カバー82の溝90に隣接して設置され、そのx軸正方向端部と溝90とのx軸方向での重なりが調節可能に設けられている。
なお、コイル6には、制御弁4を制御する制御装置(CVTコントロールユニット130)と接続線を介して電気的な接続を行うコネクタが設けられている。
制御弁4は、後述のように制御対象であるポンプ1の吐出量(制御流量)のフィードバックを受けてメカ的に制御されると共に、ソレノイド5の電磁力により電子的に制御可能に設けられている。ソレノイド5は、CVTコントロールユニット130からの指令に基づき通電されることにより、通電量(指令電流)に応じた推力でプランジャ7をx軸正方向側に駆動する。具体的には、PWM方式を用いて、駆動電圧のパルス幅を変化させることにより、ソレノイド5のコイル6に所望の実効電流を通電し、プランジャ7の駆動力を連続的に変化させる。CVTコントロールユニット130はソレノイド制御手段を構成し、所定周期でコイル6に駆動信号(駆動電圧)を出力し、駆動信号の一周期当たりのコイル6への通電時間を可変とすることでコイル6に供給する電流値を制御する。プランジャ7(ロッド70)のx軸正方向端部がスプール41のx軸負方向端部412に当接し、ソレノイド5の電磁力によりスプール41をスプリング43の荷重方向と反対方向(x軸正方向側)に付勢することで、スプール41の変位を制御可能に設けられている。ソレノイド5への指令電流は、CVT100の要求に応じ、ポンプ1に要求される吐出流量が大きいときは小さな電流値に設定され、ポンプ1に要求される吐出流量が小さいときは大きな電流値に設定される。ソレノイド5に通電される電流値が大きいほど、ソレノイド5がスプール41をx軸正方向側に駆動する力が大きくなる。
[作用]
次に、実施例1の作用を説明する。まず、ソレノイド5の作用を説明する。
(磁気絞りによる吸引力特性変化)
コイル6、プランジャ7、及びステータ8により磁気回路(磁力線の通路)が構成される。すなわち、コイル6が形成する磁界により、「カバー82−固定コア80(フランジ部800−円柱部801)−メインギャップ及び第1サイドギャップ−プランジャ7−第2サイドギャップ−ヨーク81(円筒部811−フランジ部810)−カバー82」を通路として磁束を導く磁気回路が形成される。固定コア80(プランジャ収容部803)のx軸負方向端は、磁気回路におけるステータ8とプランジャ7との間の磁束の受け渡し部を構成する。カバー82の外周面に設けられた溝90は、磁気回路内の他の部分よりも先に磁気飽和する磁気絞り部9を構成する。磁気絞り部9は、コイル6への通電量が所定値β以上のとき、磁気飽和する。すなわち、溝90は、カバー82における磁気回路を部分的に絞る絞り部(磁気絞り)を構成し、溝90が設けられた部位(絞り部)は、磁気回路内の他の部分よりも早く磁束密度が増大し飽和磁束密度に到達する。磁気絞り部9は、コイル6への通電量が所定値β以上のときに、磁気回路内の他の部分よりも早く磁化が飽和することで、磁気回路を通る磁束を制限する。これにより、実施例1のソレノイド5は、磁束の使用域として、コイル6への通電量が所定値β以上では、通電量の変化に対する磁気吸引力の変化量が比較的小さい磁気飽和領域を使用する。図3と図4はソレノイドの特性図である。図3は、磁界(通電量)と磁束との関係を示し、図4は、電流(通電量)と磁気吸引力との関係を示す。図3に示すように、磁束は、磁界の強さに応じてS字曲線状に変化し、磁界の強さが所定以上の範囲では飽和する。従来のソレノイドでは、図3に示すように、飽和領域を使用せず、磁界の強さが所定以下であり特性が線形に近い領域のみを使用する。よって、図4に破線で示すように、電流(通電量)の増減に対して磁気吸引力が略線形に増減する特性となる。これに対し、実施例1のソレノイド5では、磁気絞り部9(溝90)を設けることで、図3に示すように、飽和領域をも使用する。飽和領域を使用することで、図4に実線で示すように、通電量が所定値β以上(高電流付近)では、通電量(電流)の変化に対する磁気吸引力の変化が小さい特性となる。
(磁気絞り調整による個体ばらつき低減)
スライド部材91は、磁気絞り部9における磁束の上限を調整するための磁気絞り調整機構を構成する。すなわち、磁気絞り部9は磁気飽和時に材料の磁化特性や寸法のばらつき影響を受けやすく、ソレノイド5の各個体間で、材料の磁化特性や寸法がばらつくことによって、コイル6への通電量と、この通電量に応じて発生する磁気吸引力との関係(すなわち図4に示すソレノイド5の特性)がばらつくおそれがある。特性がソレノイド5の個体間でばらつくと、ソレノイド5への制御指令(コイル6への通電量)と制御結果(磁気吸引力)との関係がずれてしまい、ソレノイド5の制御精度を向上できないおそれがある。これに対し、磁気絞り調整機構により、磁気絞り部9で飽和する磁束密度(磁束密度の上限)を各個体で調整可能とすることで、ソレノイド5の特性を所望に調整し、この特性が個体間でばらつくことを抑制できる。また、磁気絞り調整機構を磁気絞り部9に設けることにより効果的に調整することができる。よって、ソレノイド5の制御精度を向上することができる。
具体的には、磁気絞り調整機構は、磁性体のヨーク部材としてのスライド部材91であり、磁気絞り部9としてのカバー82の溝90に重なるように配置される。スライド部材91は、溝90とのx軸方向での重なりが調節可能に設けられている。重なりを調節することで、溝90が設けられた部位(磁気絞り部9)における磁束の絞り量(通過磁束量)が調整される。具体的には、スライド部材91の軸方向先端(テーパ部の先端)とこれにx軸方向で対向する溝90の角部との間のギャップを通路として磁束が導かれ、この磁束分だけ磁気絞り部9による絞り量が減少する。スライド部材91を軸方向に移動(スライド)させることで、絞り量の減少量が変化する。このように磁気絞り部9には絞り量調整機構が設けられており、スライド部材91は磁気絞り調整機構を構成する。スライド部材91にテーパ部を設けたことで、絞り量をより細かく調整することができる。
なお、磁気絞り部9としての溝90は、実施例1の位置に限らず、カバー82の適当な位置に設けることができる。また、カバー82に限らず、ソレノイド5を構成する他の部材に磁気絞り部9を設けることとしてもよい。また、溝に限らず、孔により磁気絞り部9を設けることとしてもよい。例えば、プランジャ7に孔または溝を形成することで(例えばプランジャ7に軸方向に孔を形成することで)、またはカバー82に孔を形成することで(例えばカバー82に孔を径方向に貫通形成することで)、またはヨーク81の円筒部811の先端側ないし基端側の外周面に環状溝を設けることで、または固定コア80やヨーク81のフランジ部800,810に環状溝を設けることで、磁気絞り部9を構成することとしてもよい。これら溝の幅や深さ、ないし孔の寸法や形状は、コイル6への通電量が所定値β以上になると、プランジャ7に働く吸引力が飽和状態となるように予め設定する。
また、ステータ8を構成する複数の部材同士の接続部の接触面積を調整することで磁気絞り部9を構成することとしてもよい。この場合、複数の部材同士の接続部の接触範囲を容易に調整可能なように、ネジ部により磁気絞り調整機構を構成することとしてもよい。図6は、図2と同様の断面図であり、カバー82に溝90を設ける代わりに、カバー82(のx軸正方向端部)と固定コア80(フランジ部800の外周)との接続部Aの接触面積を減少させることで磁気絞り部9を構成した例を示す。なお、カバー82(のx軸負方向端部)とヨーク81(フランジ部810の外周)との接続部Bの接触面積を調整させることで磁気絞り部9を構成してもよい。また、接続部AやBをネジにより螺合させ、調整を容易にできるように設けてもよい。
次に、ソレノイド5をポンプ1に適用したことによる作用を説明する。
(容量可変作用)
まず、ソレノイド5が非作動時の状態について説明する。スプール41には、スプリング43により初期セット荷重がx軸負方向側に付与されている。オリフィス320の前後差圧は吐出流量の略2乗に応じて変化するため、ポンプ作動初期の比較的吐出流量が少ない状態では、オリフィス320の前後差圧はさほど大きくなく、スプリング43の荷重によってスプール41はx軸負方向側に付勢されており、第1ランド部410は第1圧力室35と第1制御通路38とを遮断し、第2ランド部411は第2圧力室36と第2制御通路39とを連通する。これにより、第1制御室R1には吐出圧は供給されず、第2制御室R2に吐出圧が供給されるため、カムリング23は最大偏心状態となってポンプ吐出流量は回転数に応じて増大する(固定容量域)。ポンプ1の吐出流量が増大すると、オリフィス320の上流側と下流側との間の差圧が大きくなり、上流側が下流側よりも高圧となる。このとき、第1圧力室35でスプール41の第1ランド部410にx軸正方向側に作動させる力が作用し、スプリング43の初期セット荷重及び第2圧力室36で第2ランド部411に作用するx軸負方向側の力との合計を上回る力が作用し始める。これによりスプール41がx軸正方向側に移動すると、第1ランド部410は第1圧力室35と第1制御通路38とを連通し、第2ランド部411は第2圧力室36と第2制御通路39とを遮断する。これにより、第1制御室R1にはオリフィス320より上流側の高い吐出圧が供給され、第2制御室R2には吐出圧の供給がされなくなるから、カムリング23の偏心量が小さくなり、ポンプ回転数が上昇してもポンプ吐出流量は増大しない。ポンプ吐出流量が減少しすぎると、オリフィス320の上流側と下流側との差圧が小さくなるから、再度カムリング23が偏心し、適宜吐出流量の増大が図られる(吐出流量制御域)。
ソレノイド5が非作動状態にあっては、スプリング43の初期セット荷重に対向する力が油圧(第1圧力室35と第2圧力室36の差圧)のみである。吐出流量が大きくならないと、オリフィス320の上下において十分な差圧が確保できない。よって、比較的高い吐出流量を達成した後、一定の流量を維持する。次に、ソレノイド5に所定の磁気吸引力(スプール41を付勢してx軸正方向側に推進させる推力)を発生させるべく通電すると、スプリング43の初期セット荷重を小さく変更したのと同じ作用が得られるため、非作動時よりも早いタイミングでスプール41が切り替わる。よって、オリフィス320の上下において大きな差圧が無くとも、僅かな差圧でスプール41が作動し、比較的低い吐出流量を達成した後、一定の流量を維持する。オリフィス320の前後差圧は吐出流量の略2乗に応じて変化するため、スプリング43の初期セット荷重の低下に対し、スプール41を作動させるのに必要な吐出流量は略2次関数的に低下する。すなわち、ソレノイド5の発生する推力に応じて略2次関数的に吐出流量を少なく制御することができる。CVTコントロールユニット130では、アクセル開度、エンジン回転数、車速といった走行状況に応じてCVT100のライン圧を適宜制御する。よって、吐出流量が多く要求されたときは、ソレノイド5への通電をオフし又は通電量(磁気吸引力)を小さくし、吐出流量が少なく要求されたときは、ソレノイド5への通電量(磁気吸引力)を大きくする。
図5は、ポンプ1の特性図であり、ソレノイド5への通電量とポンプ1の吐出流量との関係を示す。図5に示すように、通電量(電流)が増大するのに応じて、吐出流量が低下する。図5の破線は、磁気絞り部9を設けず、飽和領域を使用しないソレノイド5を適用した従来のポンプの特性を示し、実線は、実施例1のポンプ1の特性を示す。従来のポンプでは、ソレノイドへの電流(通電量)の増減に対して磁気吸引力が略線形に増減することにより、吐出流量は、ソレノイド5への通電量の増大に応じて略2次関数的に低下する特性となるため、通電量の最大付近では、通電量の変化に対する吐出流量の変化量が大きい。これに対し、実施例1のポンプ1では、ソレノイド5への通電量が所定値β以上(高電流付近)では、通電量の変化に対する磁気吸引力の変化が小さい特性となるため、通電量に対する吐出流量の特性は、2次関数的ではなく、通電量が所定値β以上の範囲では略1次関数的(直線的ないし比例的)となる。よって、通電量の最大付近でも、通電量の変化に対する吐出流量の変化量が小さい。
(ポンプの吐出流量ばらつきの低減)
ソレノイド5をポンプ1の制御弁4に適用した場合、ソレノイド5への通電量が所定値β以上において通電量の指示値に対して実際の通電量の値がばらついた場合でも、制御弁4により制御されるポンプ1の吐出流量のばらつきを抑制し、これによりエネルギ効率を向上することができる。すなわち、図5に示すように、ソレノイド5への通電量の指示値に対して実際の通電量の値がばらつくと、制御弁4により制御されるポンプ1の吐出流量がばらつく。よって、吐出流量の制御ばらつきを見込んで、(見込まれるばらつき分の最大値を加算した)より多くの流量を吐出するようにポンプ1を余計に駆動する必要がある。これにより、ポンプ1を駆動するためのエネルギが大きくなる。これに対し、実施例1の電磁弁3は、ポンプ1が機器(CVT100)へ供給する作動油の流量(吐出流量)をソレノイド5への通電量の増大に応じて少なく制御すると共に、通電量が所定値β以上のとき、弁体(スプール41)を作動させる磁気吸引力が飽和する飽和領域を使用する。このため、通電量の指示値に対して実際の値がばらついた場合でも、磁気吸引力のばらつき(すなわち弁体の作動ばらつき)が抑制される。よって、図5に示すように、吐出流量のばらつきを抑制することができる。したがって、ポンプ1を余計に駆動することを抑制し、エネルギ効率を向上することができる。
なお、ポンプ1の吐出流量が少なければポンプ1を駆動するためのエネルギが小さくてすむが、吐出流量が少ない領域での作動頻度が高ければ、吐出流量の制御ばらつき(これを見込んだポンプ駆動量の増大)がエネルギ効率へ及ぼす影響度が高い。すなわち、ポンプ1が作動油を供給する機器(CVT100)において、必要な作動油の流量が多い作動状態よりも少ない作動状態のほうが頻度が高い場合、ポンプ1の吐出流量の制御ばらつきがエネルギ効率へ及ぼす影響度が高い。これに対し、実施例1の電磁弁3は、機器(CVT100)へ供給する作動油の流量(吐出流量)を少なく制御するとき、すなわち、後述するように機器(CVT100)の作動頻度が高い領域で、吐出流量のばらつきを抑制する。よって、エネルギ効率を効果的に向上することができる。
また、従来のポンプのように、ソレノイド5への通電量の増大(磁気吸引力の増大)に応じて吐出流量が略2次関数的に減少する場合、通電量のばらつきに対して、吐出流量が略2次関数的に大きな値でばらつく。これに対し、実施例1のポンプ1は、通電量が所定値β以上のとき、飽和領域を使用して、通電量のばらつきに対する磁気吸引力のばらつきを抑制する。よって、ポンプ1の流量ばらつきを効果的に抑制し、これによりエネルギ効率をより効果的に向上することができる。
ポンプ1が作動油を供給する機器(CVT100)は、自動車の車両に搭載される。実施例1のようにエンジンによりポンプ1を駆動する場合は、エンジンの作動量を少なくすることで、燃費を向上することができる。なお、ポンプ1が作動油を供給する機器は、実施例1では車両の自動変速機であることとしたが、自動変速機以外の油圧機器、例えば車両の操舵機構に操舵補助力を付与するパワーステアリング装置等であってもよい。この場合も、作動頻度が高い低流量領域でポンプ1の流量のばらつきを抑制することで、エネルギ効率や燃費を向上することができる。
実施例1の機器(CVT100)は、車両の自動変速機である。すなわち、ポンプ1は、自動変速機において使用される作動油を供給する。ソレノイド5は、自動変速機の要求に応じ、要求された吐出流量が大きいときは小さな通電量となり、要求された吐出流量が小さいときは大きな通電量となる。よって、ソレノイド5が断線等により作動しなくなった場合でも、自動変速機としての機能を満足するのに必要な吐出流量以上を確保することができる(フェールセーフ)。また、自動変速機の作動時に必要とされる作動油の流量が平均的に少ない場合には、自動変速機の作動頻度が高い領域でポンプ吐出流量のばらつきを抑制することで、エネルギ効率を全体として向上することができる。具体的には、自動変速機(CVT100)は、変速比を無段階的に連続して可変とする無段変速機である。変速比を固定とする固定変速比モードを備えたCVT100や、低負荷ないし高速走行時(オーバードライブ時)に変速比を固定する構成のCVT100等のように、走行モードにおいて、ポンプ1からの流量を多く必要とする変速の場面が少なく、必要とされる作動油の流量が平均的に少ないものにあっては、上記効果を得ることができる。より具体的には、実施例1の無段変速機(CVT100)は、駆動側プーリと、被駆動側プーリと、これらのプーリに掛け渡されたベルトとを備え、ベルトを挟み込む上記プーリへ供給される作動油の圧力を変化させ、プーリにおけるベルトの巻き付き半径を変更することで変速を行うベルト式である。よって、変速の場面では、プーリがベルトを挟み込む圧力を発生させる(変更する)ための作動油量が必要となるため、ポンプ1が吐出流量を多くする必要がある。一方、変速以外の場面では、車両の駆動力源(エンジン等)とCVT100とを断接する発進クラッチの作動油のリーク量を補償したり、プーリの作動油のリーク量を補償したりするための作動油量しか必要とされないため、ポンプ1の吐出流量が少なくて済む。
[効果]
以下、実施例1から把握されるポンプ1の効果を列挙する。
(1)作動油を流量可変に供給する可変容量型のポンプ1であって、通電により磁気吸引力を発生して弁体(スプール41)を作動させ、ポンプ1が供給する作動油の流量(吐出流量)を通電量の増大に応じて少なく制御する電磁弁3を備え、電磁弁3は、通電量が所定値β以上のとき、弁体を作動させる磁気吸引力が飽和する飽和領域を使用する。
よって、通電量の変化に対し吐出流量の変化を小さくすることで、吐出流量のばらつきを抑制することができる。
(2)電磁弁3は、ポンプ1が供給する作動油の流量を、磁気吸引力の増大に応じて略2次関数的に少なく制御する。
よって、吐出流量のばらつきを効果的に抑制することができる。
(3)電磁弁3は、通電量が所定値β以上のとき、ポンプ1が供給する作動油の流量を、通電量の増大に応じて略1次関数的に少なく制御する。
よって、吐出流量のばらつきを効果的に抑制することができる。
(4)ポンプ1が作動油を供給する機器(CVT100)は、必要な作動油の流量が多い状態よりも少ない状態のほうが作動頻度が高い。
よって、吐出流量を少なく制御するときに、吐出流量の制御ばらつきを抑制することで、エネルギ効率を効果的に向上することができる。
(5)電磁弁3は、通電により磁気吸引力を発生するソレノイド5を備え、ソレノイド5は、通電により磁気回路を構成する磁路構成部材(カバー82)に磁気絞り部9を備え、磁気絞り部9は、通電量が所定値β以上のとき、磁気回路内の他の部分よりも先に磁気飽和する。
よって、磁気絞り部9を設けることで、弁体(スプール41)を作動させる磁気吸引力が飽和する飽和領域を使用することができる。
(6)ソレノイド5に、磁気絞り部9における通過磁束量を調整するための磁気絞り調整機構(スライド部材91)を設けた。
よって、ソレノイド5の個体間の特性ばらつきを抑制することで、吐出流量の制御精度を向上することができる。
〔他の実施例〕
以上、本発明の可変容量型ポンプを実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、ポンプの作動流体はオイル以外(水や空気等)であってもよい。制御弁の種類はスプール弁に限らず、例えばボール弁を用いてもよい。
1 ベーンポンプ
2 ポンプ部
3 電磁弁
4 制御弁
5 ソレノイド
6 コイル
7 プランジャ(磁路構成部材)
8 ステータ(磁路構成部材)
80 固定コア
803 プランジャ収容部(磁気抵抗調整部)
82 カバー
9 磁気絞り部
91 スライド部材(磁気絞り調整機構)
100 CVT
130 CVTコントロールユニット

Claims (4)

  1. 作動流体を流量可変に供給する可変容量型のポンプであって、
    通電により磁気吸引力を発生して弁体を作動させ、前記ポンプが供給する作動流体の流量を通電量の増大に応じて少なく制御する電磁弁を備え、
    前記電磁弁は、前記ポンプが供給する作動流体の流量を、前記磁気吸引力の増大に応じて略2次関数的に少なく制御し、通電量が所定値以上のとき、前記磁気吸引力が飽和する飽和領域を使用することを特徴とする可変容量型ポンプ。
  2. 作動流体を流量可変に供給する可変容量型のポンプであって、
    通電により磁気吸引力を発生して弁体を作動させ、前記ポンプが供給する作動流体の流量を通電量の増大に応じて少なく制御する電磁弁を備え、
    前記電磁弁は、通電量が所定値以上のとき、前記磁気吸引力が飽和する飽和領域を使用することで、前記ポンプが供給する作動流体の流量を、通電量の増大に応じて略次関数的に少なく制御することを特徴とする可変容量型ポンプ。
  3. 作動流体を流量可変に供給する可変容量型のポンプであって、
    通電により磁気吸引力を発生して弁体を作動させ、前記ポンプが供給する作動流体の流量を通電量の増大に応じて少なく制御する電磁弁を備え、
    前記電磁弁は、通電量が所定値以上のとき、前記磁気吸引力が飽和する飽和領域を使用し、
    前記ポンプが作動流体を供給する機器は、必要な作動流体の流量が多い状態よりも少ない状態のほうが作動頻度が高いことを特徴とする可変容量型ポンプ。
  4. 作動流体を流量可変に供給する可変容量型のポンプであって、
    通電により磁気吸引力を発生して弁体を作動させ、前記ポンプが供給する作動流体の流量を通電量の増大に応じて少なく制御する電磁弁を備え、
    前記電磁弁は、通電量が所定値以上のとき、前記磁気吸引力が飽和する飽和領域を使用し、
    前記電磁弁は、通電により前記磁気吸引力を発生するソレノイドを備え、
    前記ソレノイドは、通電により磁気回路を構成する磁路構成部材に磁気絞り部を備え、
    前記磁気絞り部は、通電量が前記所定値以上のとき、前記磁気回路内の他の部分よりも先に磁気飽和し、
    前記ソレノイドに、前記磁気絞り部における通過磁束量を調整するための磁気絞り調整機構を設けたことを特徴とする可変容量型ポンプ。
JP2012064762A 2012-03-22 2012-03-22 可変容量型ポンプ Expired - Fee Related JP5878403B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012064762A JP5878403B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 可変容量型ポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012064762A JP5878403B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 可変容量型ポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013194668A JP2013194668A (ja) 2013-09-30
JP5878403B2 true JP5878403B2 (ja) 2016-03-08

Family

ID=49393930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012064762A Expired - Fee Related JP5878403B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 可変容量型ポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5878403B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6628968B2 (ja) 2015-02-10 2020-01-15 特許機器株式会社 流体サーボバルブ及び流体サーボ装置
JP7177492B2 (ja) * 2019-12-03 2022-11-24 特許機器株式会社 流体サーボバルブ及び流体サーボ装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5970891A (ja) * 1982-10-16 1984-04-21 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 可変容量形ベ−ンポンプ
JPS60168975A (ja) * 1984-02-07 1985-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd ガス流量制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013194668A (ja) 2013-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9157544B2 (en) Solenoid valve
JP5870971B2 (ja) 電磁弁
EP2778419B1 (en) Systems and methods for fluid pump outlet pressure regulation
JP4285354B2 (ja) リニアソレノイドおよび電磁弁
US20100028168A1 (en) Drive unit and vehicle
JP2014066178A (ja) 可変容量型ポンプ
JP2002222710A (ja) 電磁駆動装置およびそれを用いた流量制御装置
JP6156095B2 (ja) スプール制御弁
JP2013064326A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2005351414A (ja) 油圧制御装置
JP6647540B2 (ja) 内燃機関の機械的に調整可能な冷却媒体ポンプのための調整ユニット
JP2008089080A (ja) 電磁駆動装置およびそれを用いた電磁弁
JP5878403B2 (ja) 可変容量型ポンプ
JP2011163393A (ja) 油圧制御装置およびベルト式無段変速機の制御装置
JP4797969B2 (ja) 電磁弁
JP5751141B2 (ja) 電磁制御装置
JP2014031739A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP5760936B2 (ja) スプール制御弁
JP2013197433A (ja) ソレノイド
JP2009168117A (ja) 電磁弁
JP4301318B2 (ja) ブリード式バルブ装置
JP2012255508A (ja) 流体制御弁
JP2010212703A (ja) リニアソレノイド
WO2018150871A1 (ja) 可変容量形オイルポンプ
JP6001979B2 (ja) 可変容量型ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5878403

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees