JP5877755B2 - 珪砂造粒体およびその製造方法 - Google Patents

珪砂造粒体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5877755B2
JP5877755B2 JP2012103505A JP2012103505A JP5877755B2 JP 5877755 B2 JP5877755 B2 JP 5877755B2 JP 2012103505 A JP2012103505 A JP 2012103505A JP 2012103505 A JP2012103505 A JP 2012103505A JP 5877755 B2 JP5877755 B2 JP 5877755B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica sand
silica
amount
weight
granule
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012103505A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013230953A (ja
Inventor
誠司 今澄
誠司 今澄
藤波 恭一
恭一 藤波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP2012103505A priority Critical patent/JP5877755B2/ja
Publication of JP2013230953A publication Critical patent/JP2013230953A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5877755B2 publication Critical patent/JP5877755B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)

Description

本発明は、新規な珪砂造粒体及びその製造方法に関する。詳しくは、金属シリコンを製造する際に原料として通常使用されている珪石同様の扱いができる性状を有し、金属シリコンの製造において、珪石と代替が可能な珪砂造粒体およびその製造方法を提供するものである。
一般に金属シリコンは、原料にシリコン源である珪石および還元材として木炭、コークス、石炭、ウッドチップなどを使用し、これらの混合物をアーク炉内約2000℃で加熱することにより珪石を還元することによって得られる。上記珪石は、通常5mm〜200mmのサイズのものが用いられる。これは炉内の通気性を確保するためである。即ち、上記アーク炉においては、珪石の還元反応の過程で、気相として一酸化炭素(CO)ガスおよび一酸化珪素(SiO)ガスが発生するため、それらの全部または一部を、上記原料層を通して逃がす必要がある。
上記珪石の主成分である二酸化珪素(SiO)の還元反応は、総括的には次の式(1)によって進行する。
SiO+2C → Si+2CO (1)
しかし、実際には反応は複雑であり以下のような各素反応に分解され、これらの素反応が併行して起こっているものと考えられる。
SiO+C → SiO+CO (2)
SiO+2C → SiC+CO (3)
SiO+3C → SiC+2CO (4)
SiO+SiC → 2Si+CO (5)
SiO+2SiC → 3Si+2CO (6)
SiO+C → Si+CO (7)
SiC+SiO →Si+SiO+CO (8)
Si+SiO →2SiO (9)
このように、アーク炉内温度範囲での凝縮相はSiO、C、SiC、Siであり、気相はCO、SiOである。また、炉内電極先端付近の高温部から式(2)の反応によりSiOガスが発生する。そして、原料層の上部では、層の隙間を生成したSiOガスやCOガスが上昇し排出される際、その通路である隙間の壁面には次の反応で析出物が付着する。
2SiO+CO → SiO+SiC (10)
2SiO → Si+SiO (11)
一方、珪砂は珪石に比べて資源量が豊富であり、加えて採掘も容易であるので、金属シリコンの原料として珪石を代替できれは大きな利点となり得る。
しかしながら、珪砂を原料にすると珪石に比べて空隙が少なくなり、前述の式(10)、(11)の反応により析出物が付着すると、上記珪石に比べて空隙の減少が著しく、アーク炉での反応において生成するCOやSiOのガス抜けを困難にすることが危惧される。また、式(2)〜(8)からわかるようにCOが滞留してしまうと反応の進行が阻害されることになる。それは、SiCが炉底に沈着固化して操業トラブルの原因にもなる。
従って、アーク炉に供給する金属シリコンの原料としては、珪石と同等の大きさ、強度を有する性状に珪砂を成形することが必要となる。
上記要求に対して、特許文献1には、珪砂を、石油コークスおよびピッチ含有結合剤のような非焼結炭素担体と混合して固め、生ペレットとし、これを硬化加熱処理してアーク炉への装填原料ペレットを不融化させることによって形成することが記載されている。
しかしながら、上記硬化加熱処理による結合剤の不融化は、表面より進行するので、ペレットサイズが大きくなると内部まで不融化することが困難であり、これをアーク炉内へ装填原料として投入した場合、温度が上がるにつれてペレット内部の不融化されていないピッチが軟化して圧壊強度が低下し、ペレット崩壊の恐れがある。そして、ペレットの崩壊により、原料層内部の通気性が低下し、アーク炉での反応において生成するCOやSiOガス抜けを困難にする。
特公平05−000335号公報
本発明は、金属シリコンを製造する際に原料として通常使用されている珪石と代替可能な、高い強度を有する珪砂造粒体と、それを安定して製造するための方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的に対して鋭意研究の結果、珪砂の結合剤として無機物であるアルカリ土類金属化合物を使用することにより、ある程度の高い強度を有し、且つ、高温における強度低下を防止した珪砂造粒体を得ることができると共に、上記珪砂として、特定のアルカリ溶解性を有する珪砂を使用することにより、上記アルカリ土類金属化合物の結合剤としての機能を向上せしめ、より高強度を有する珪砂造粒体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、JIS A−1145(2007年版)のアルカリシリカ反応性試験による溶解シリカ量(以下、単に「溶解シリカ量」ともいう)が60mmol/L以上の珪砂と、該珪砂100重量部に対して0.1重量部〜10重量部の割合のアルカリ土類金属化合物とを含むことを特徴とする珪砂造粒体である。
上記本発明において、珪砂造粒体は、前記珪砂100質量部に対して、アルカリ土類金属化合物を0.1質量部〜10質量部の割合で使用して得られるものが特に好ましい。
また、前記珪砂として、全粒子の粒径が1400μm未満であり、粒径75μm未満の相対粒子量(重量)が25%〜85%、粒径150μm以上、1400μm未満の範囲にある相対粒子量(重量)が0%〜50%である珪砂(ただし、1400μm未満の相対粒子量は100%である)を用いることが、得られる珪砂造粒体の強度を更に高めるために好ましい。
本発明は、前記珪砂造粒体を効率的に製造するための製造方法をも提供する。
即ち、本発明によれば、溶解シリカ量が60mmol/L以上である珪砂100質量部に対して、アルカリ土類金属化合物を0.1質量部〜10質量部、水を5質量部〜20質量部の割合で含有する混合物を成形することを特徴とする珪砂造粒体の製造方法が提供される。
上記方法において、前記粒度分布を有する珪砂を使用することは得られる珪砂造粒体の強度の向上に効果的であり、また、使用する珪砂について、溶解シリカ量を測定し、該溶解シリカ量が60mmol/L以上となるように原料の珪砂の成分を調整する原料管理工程を含むことは、入手する珪砂に応じて安定した強度を有する珪砂造粒体を製造することができ好ましい。
そして、前記した本発明の珪砂造粒体は、珪石と同等に扱うことのできる強度を有するため、アーク炉を使用した金属シリコンの製造方法において、シリコン源の少なくとも一部としてアーク炉へ供給して還元反応を行なうことにより、金属シリコンを製造することが可能である。
従って、本発明は、前記珪砂造粒体を、シリコン源の少なくとも一部としてアーク炉へ供給して還元反応を行なうことを特徴とする金属シリコンの製造方法をも提供するものである。
本発明の珪砂造粒体は、珪砂にアルカリ土類金属化合物を結合剤として添加すると共に、上記珪砂として、前記特定の溶解シリカ量を有する珪砂を使用することにより、金属シリコンを製造する際に原料として通常使用されている珪石に代替可能な、高い強度を有した珪砂造粒体が提供される。
また、本発明の珪砂造粒体の製造方法によれば、高い強度を有する珪砂造粒体を安定して製造することが可能である。
更に、本発明の珪砂造粒体を金属シリコンの原料として使用した場合、アーク炉内で還元・溶融した金属シリコンが炉から排出されて凝固する際に、アルカリ土類金属化合物の作用により不純物金属と分離され易くなるため、金属シリコンの純度低下が抑制される。特に、カルシウム化合物は金属シリコンの中のリンやホウ素を捕獲除去するスカベンジャーとして作用し、得られる金属シリコン中のリンやホウ素の不純物濃度を低減することができる。
本発明の珪砂造粒体について、前記シリコンの製造におけるリンおよびホウ素などを除去する効果は、例えば、得られる金属シリコン(例えば、これをさらに精製して得られる多結晶シリコン)を、リン、ホウ素などの不純物が悪影響を及ぼす半導体、太陽電池等への用途に使用する場合において有効である。
(珪砂造粒体)
本発明の珪砂造粒体において、珪砂は、溶解シリカ量が60mmol/L以上、好ましくは、100mmol/L以上のものを使用することが重要である。即ち、溶解シリカ量が、60mmol/Lより小さい場合、後述する結合剤としてのアルカリ土類金属化合物と珪砂との反応量が低下し、高い強度を有する珪砂造粒体を得ることが困難となる。また、珪砂造粒体を高強度化するために、溶解シリカ量は多い程好ましいが、一般に、1000mmol/L以下のものが好適に使用される。1000mmol/L以上の溶解シリカ量を有するシリカは不純物が多く含まれていることが多くなり、金属シリコンの原料とするには不適当であることが多いからである。
このように、本発明の珪砂造粒体は、珪砂の結合剤として作用するアルカリ土類金属との硬化反応において、溶解シリカ量の高い珪砂を使用することにより、極めて高い珪砂造粒体を構成することができる。
珪砂は採掘する産地によって上記溶解シリカ量が異なる。例えば、マレーシア産の溶解シリカ量は170mmol/L程度であり、オーストラリア産は30mmol/L程度である。
本発明においては、このような珪砂より、前記溶解シリカ量を満足するものを使用すればよく、具体的には、溶解シリカ量が60mmol/L以上の珪砂を100%使用する態様、溶解シリカ量が60mmol/L未満の珪砂と溶解シリカ量が60mmol/L以上の珪砂とを混合して、混合珪砂全体で溶解シリカ量が60mmol/L以上とする態様が挙げられる。
本発明において、珪砂造粒体を構成する珪砂は、上記特性を有するものであれば特に制限されないが、珪砂造粒体の強度をより向上させるために、全粒子の粒径が1400μm未満であり、粒径75μm未満の相対粒子量(以下、「微細粒子量」ともいう。)が25%〜85%、好ましくは、40%〜60%、粒径150μm以上、1400μm未満の範囲にある相対粒子量(以下、「粗大粒子量」ともいう。)が0%〜50%、好ましくは、20%〜35%である珪砂(ただし、1400μm未満の相対粒子量は100%である。)を使用することが好ましい。
尚、本発明において、珪砂の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分析測定により求めた体積基準で求めた径である。また、上記珪砂の相対粒子量及び粒度分布の値は、実施例に示すように、篩いにより求めた。
上記粒度分布を有する珪砂を使用する場合、微細粒子量と粗大粒子量との合計が、60%以上、特に70%以上であることが、得られる珪砂造粒体の強度発現により効果的であり、また、微細粒子量/粗大粒子量の比が2〜1.2となるように粒度分布を調整することがより好ましい。
本発明において、上記珪砂の純度は、得られる珪砂造粒体が金属シリコンの原料として用いられ得ることを考慮すると、前記溶解シリカ量を満足しながら、SiO含有量が97重量%以上であることが好ましく、特に、98%以上が好ましく、99重量%以上がより好ましく、99.5重量%以上が特に好ましい。珪砂造粒体から金属シリコンを製造する場合、SiO成分以外の一部の不純物はアーク炉内で還元・溶融した金属シリコンが炉から排出されて凝固する際に分離されるものの、不純物含有量が増えると金属シリコン中に残存する量も増え、金属シリコンの品質低下を招く傾向にある。つまり、珪砂中の不純物が少ない、高純度の珪砂を使用することで、得られるシリコン中に残存する不純物含量を効果的に低減できる。また、アーク炉内での加熱により、蒸発した不純物が炉の周壁や配管の壁に付着し、堆積し易くなるという問題をも防止することができ、アーク炉を長時間安定して使用することができる。
特に、上記不純物としてアルカリ金属原子が含まれていると、比較的低温度において、クリストバライト化が進行し密度差に起因する膨張によって造粒体自体が自己破壊し易い傾向になる。そのため、珪砂造粒体に含まれるSi原子に対するアルカリ金属原子の比(M1/Si)が0.01未満であることが好ましい。
本発明の珪砂造粒体において、珪砂の結合剤として作用するアルカリ土類金属化合物は、公知のものが特に制限なく使用することができる。例えば、カルシウム化合物またはマグネシウム化合物などが挙げられる。上記カルシウム化合物としては、例えば、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸カルシウムおよびそれらの混合物が挙げられる。中でも、水酸化カルシウム、酸化カルシウムまたはそれらの混合物が好適に使用される。これらは、水との接触でアルカリ性を呈しSiOとの反応性が大きくなって、造粒体の高強度化により寄与する。
マグネシウム化合物としては、例えば、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムおよびそれらの混合物が挙げられる。中でも、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムまたはそれらの混合物が好適に使用される。これらは、水との接触でアルカリ性を呈しSiOとの反応性が大きくなって、造粒体の高強度化により寄与する。
前記アルカリ土類金属化合物の中でも、上記特性を有し、また、工業的に使用すること考慮すると、水酸化カルシウムや酸化カルシウムが好適に使用される。
本発明の珪砂造粒体において、アルカリ土類金属化合物の硬化体の割合は、後述する製造方法において使用するアルカリ土類金属化合物の量によって決定されるが、好適なアルカリ土類金属化合物の使用量は、後述するように、前記珪砂100質量部に対して0.1質量部〜10質量部である。
本発明の珪砂造粒体において、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、前記アルカ土類金属化合物の硬化体と併せて有機バインダーを添加することもできる。例えば、造粒便覧(日本粉体工業協会編、昭和50年5月30日発行、オーム社)の表1、3、4に記載される、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、砂糖、デキストローズ、コーンシロップなどが挙げられる。また、上記以外に使用可能な有機物からなるバインダーとしては、デキストリン、コーンスターチ等のでん粉類;にかわ、カゼイン、大豆たん白等のたん白類;アラビアゴム等の天然ゴム類;ピッチ、加工タール、舗装タール等のタール類:ストレートアスファルト、ブローンアスファルト等のアスファルト類;アクリル系重合体、ポリアミド、ポリエチレン、その他セルロース等のその他の熱可塑性レジン;ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリエステル、熱硬化性ポリウレタン等の熱硬化性レジン;ネオブレン、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム等のエラストマーなどが挙げられる。
本発明の珪砂造粒体は、前記特定の珪砂を、アルカリ土類金属化合物を結合剤として、水の存在下で硬化せしめることによって構成されるが、かかる珪砂造粒体を金属シリコン製造用の原料、例えば、アーク炉による金属シリコンの原料として使用する場合、平均粒径が5mm〜200mmのものが好適である。即ち、前記アーク炉での使用において、珪砂造粒体の平均粒径が5mm未満の場合、上記アーク炉内原料層をガスが通過するための十分な空隙を確保できないし、一方、200mmを超える平均粒径の造粒体を製造するのはコスト・生産性の点で不利になる。上記平均粒径は、好ましくは5mm〜150mm、より好ましくは30mm〜150mm、更に好ましくは50mm〜150mmである。また、上記平均粒径は、好ましくは5mm〜100mm、より好ましくは10mm〜70mm、更に好ましくは15mm〜50mmである。
なお、本発明の造粒体の平均粒径は、無作為抽出した50個の造粒体をサンプリングし、その粒径の算術平均により求めた数平均粒径である。
また、本発明の珪砂造粒体は、前記構成により、圧壊荷重が200N以上、場合によっては、1500N以上の強度を発現することができ、前記アーク炉での使用において、珪石の代替として十分使用することができる。
(珪砂造粒体の製造方法)
本発明の珪砂造粒体の製造方法は特に制限されないが、代表的な製造方法を例示すれば、前記した溶解シリカ量が60mmol/L以上である珪砂100質量部に対して、アルカリ土類金属化合物を0.1質量部〜10質量部、水を5質量部〜20質量部の割合で含有する混合物を成形する方法が挙げられる。
本発明において、珪砂として前記特定の粒度分布を有する珪砂を得るためには、全粒子の粒径が1400μm未満であり、粒径75μm未満の珪砂を含む珪砂と、粒径150μm以上、1400μm未満の珪砂を含む珪砂とを、前記範囲となるように混合する方法が最も好ましい。
また、上記それぞれの粒度分布を有する珪砂、特に、粒径75μm未満の珪砂を含む珪砂は、珪砂を粉砕して得るのが一般的である。上記珪砂の粉砕は、公知の粉砕機を用いて実施することができる。この粉砕機としては、例えば、粉体工学便覧(粉体工学会編、昭和61年2月28日発行、日刊工業新聞社)503〜505頁の表1・10に記載されている、スクリューミル;スタンプミル等の粉体層打槌式粉砕機;ディスクミル、ピンミル、スクリーンミル、ハンマミル、遠心分級型ミル等の高速回転式衝撃粉砕機;ローラミル等のロール転動型粉砕機;ボールミル、振動ボールミル、遊星型粉砕機等のボール媒体ミル;塔式粉砕機、攪拌槽型粉砕機、流通管型粉砕機、アニュラ型粉砕機等の媒体攪拌式粉砕機;およびジェット粉砕機などが挙げられる。上記粉砕機の中でも、粉砕に要するエネルギーがより少なく、粉砕時に混入する不純物がより少ない粉砕機が好ましい。このような粉砕機としては、媒体撹拌式粉砕機、振動ボールミル、回転型ボールミル、遊星型粉砕機等のボール媒体ミルおよびローラミル等のロール転動型粉砕機などが挙げられる。上記ボール媒体ミルは、微粉砕可能で、且つ、大量処理に適しており、ロール転動型粉砕機は、汚染が少なく、且つ、処理能力が大きい。従って、目的とする粉砕物に合わせて、それぞれの粉砕機を使用すればよい。
尚、可能であれば、前記のように、粒度分布の異なる珪砂を混合することなく、粉砕により、前記微細粒子量と粗大粒子量とが調整された粒度分布を有する珪砂を得てもよい。
本発明において、前記珪砂の製造に使用するアルカリ土類金属化合物の粒径は、好ましくは0.001μm〜40μm、より好ましくは0.001μm〜10μmである。
本発明の珪砂造粒体は、前記粒度分布を有する珪砂、アルカリ土類金属化合物及び水を含む珪砂混合物を成形後、硬化させることにより製造される。
この場合、珪砂に対するアルカリ土類金属化合物の添加割合は、珪砂100質量部に対して0.1質量部〜10質量部であることが、得られる珪砂造粒体の強度を高強度化し、かつ本発明の珪砂造粒体から製造される金属シリコンを高純度とする点から好ましい。更に好ましくは0.3質量部〜3質量部である。最も好ましくは0.5質量部〜1.5質量部である。即ち、アルカリ土類金属化合物は、珪砂表面を覆うだけの量を添加すれば十分であり、それ以上の量の使用は、不純物量の増大を招く虞がある。
また、水の量は、アルカリ土類金属化合物の硬化に必要な量であり、また、後述する成形方法における成形性を考慮して適宜決定される。かかる水の好適な量は、成形方法によっても多少異なるが、一般に、珪砂100質量部に対して、3〜20質量部である。上記割合は、成形のし易さにより決定されるが、アルカリ土類金属化合物の硬化に必要な量を十分満足するものである。
本発明の珪砂造粒体の製造方法において、珪砂、アルカリ土類金属化合物及び水の混合方法は、それぞれが均一に混合される方法であれば、混合順序、混合方法等は特に制限されない。一般的な混合順序を例示すれば、珪砂とアルカリ土類金属化合物とを混合後、得られる混合物に噴霧や滴下などの方法により水を添加する方法、アルカリ土類金属化合物と水とを混合したスラリーと珪砂とを混合する方法、珪砂とアルカリ土類金属化合物と水の3成分を同時に混合する方法等が挙げられる。また、混合方法は、公知の混合装置、例えば、粉体工学便覧(粉体工学会編、昭和61年2月28日発行、日刊工業新聞社)610頁の図9.1に示されている、水平円筒型混合機(内設羽根付)V型混合機(攪拌羽根付)、二重円錐型混合機などの容器回転型混合機;リボン混合機、円錐型スクリュー混合機、高速流動型混合機、回転円盤型混合機、気流攪拌型混合機、無攪拌型混合機などの容器固定型混合機;攪拌型混合機(加振機付)などの複合型混合機が挙げられる。また、水を添加して湿潤状態での混合となった場合には、混錬機、例えば粉体工学便覧(粉体工学会編、昭和61年2月28日発行、日刊工業新聞社)644頁の表13.6に挙げられている各種混錬機も使用できる。
また、珪砂とアルカリ土類金属化合物と水の混合物には、成形性を向上させるため前記有機バインダーを添加することもできる。
本発明の珪砂造粒体の製造方法において、上記珪砂、アルカリ土類金属化合物及び水を含む混合物の成形方法は特に限定されず、公知の造粒方法を制限なく採用することができる。例えば、造粒便覧(日本粉体工業協会編、昭和50年5月30日発行、オーム社)の1編、1・4節で分類されている方法の内、圧縮成形型、転動型、押出成形型の一般的な方法が好適に採用できる。
また、成形により得られる造粒体の形状は特に制限されないが、球状より多角体、多角柱体の方が転がり難く作業の面で有利である。また、アーク炉で生成するCOやSiOガスの逃げ道の確保も多角体の不定形の方が球状より良い。
本発明の珪砂造粒体の製造方法において、珪砂、アルカリ土類金属化合物及び水を含む混合物の成形体は、水の存在下に珪砂とアルカリ土類金属化合物とが反応して硬化することによって、珪砂造粒体を得ることができる。
上記硬化において、例えば、硬化温度は、水が存在し得る温度であればよい。また、硬化時間は、アルカリ土類金属化合物の種類、硬化温度によって多少異なり、一概には決定できないため、予め実験を行い、決定することが好ましい。例えば、水酸化カルシウムの場合、硬化時間を数分〜7日程度とすることが好適であり、より高強度な珪砂造粒体を得るためには数時間〜4日程度がより好ましい。また、硬化においては、珪砂造粒体に含まれる水分量を必要以上に失われないように維持することによって、より高強度化が図れることから、湿潤雰囲気中で硬化を行うことや密閉雰囲気中で硬化を行うことも好ましい態様として挙げられる。
上記アルカリ土類金属化合物の硬化により得られる珪砂造粒体は、乾燥処理により、含有する水分を可及的に除去することが、アーク炉等に投入で、高温雰囲気に晒された際の、水の急激な膨張による崩壊を防止することができ好ましい。具体的には、1300℃での強熱減量が0.1重量%〜3重量%、特に、0.1重量%〜1重量%となるまで上記乾燥を行うことが好ましい。
上記乾燥処理は、温度70℃以上、特に、100℃以上で行うことが好ましく、また、加熱処理における温度の上限は、アルカリ土類金属化合物硬化体の強度を著しく劣化させない範囲の温度が好適である。一般には、300℃以下、特に、200℃以下となるように実施することが好ましい。
尚、上記乾燥処理は、アルカリ土類金属化合物の硬化のために必要な水が確保できる状態であれば、かかる硬化反応を同時に行うことも可能である。そして、上記乾燥処理を前記加熱下に行う際に水が存在する場合、前記アルカリ土類金属化合物による硬化反応が促進され、得られる造粒体の強度の一層の向上を図ることもできる。
上記製造方法により、高強度の珪砂造粒体を得ることが可能であるが、上記本発明の珪砂造粒体の製造方法において、特に好適な態様は、使用する珪砂について、溶解シリカ量を測定し、該溶解シリカ量が60mmol/L以上となるように原料の珪砂の成分を調整する原料管理工程を含む態様である。従来、珪砂造粒体に使用する珪砂の特性に関する管理を行った例は無く、かかる管理をしない状態で工業的に珪砂を入手して使用する場合、珪砂の産地によって、得られる珪砂造粒体の強度が一定せず異なり、安定しないという問題が発生する。このような場合に、上記原料管理工程を設けることによって、常に一定の強度以上の珪砂造粒体を安定して製造することが可能となる。
上記原料管理工程における指標として溶解シリカ量を選択したことにより、確実に珪砂造粒体の強度の管理を行うことができる。即ち、本発明者らの実験によれば、X線回折を用いて各産地の珪砂の結晶構造を分析したところ強度ピークに差は出るが絶対的な量で判断できないことが判明した。また、実体顕微鏡を用いて珪砂粒子の透明度の比較によっても差が生ずるが、目視による測定となることから定量的な判断はすることが出来ない。これに対して、溶解シリカ量は、得られる珪砂造粒体の強度と相関性のある珪砂の非結晶性を定量的に測定することができ、珪砂造粒体を安定して製造することができるようになった。
尚、原料管理工程における珪砂の溶解シリカ量の管理は、溶解シリカ量が60mmol/L以上となるように成分調整されればよいが、特に、原料間のバラツキが、±10mmol/L以下、更には、±5mmol/L以下となるように調整することが、強度にバラツキが無く、安定して珪砂造粒体を製造する観点から好ましい。
(金属シリコン等の製造方法)
本発明の製造方法で得られた珪砂造粒体は、金属シリコン、フェロシリコン・シリコマンガン等のシリコン合金、および炭化珪素等の製造に使用することができ、特にアーク炉による金属シリコンの製造に好適に用いられる。
金属シリコンの製造には、例えばシリコン源である珪砂造粒体を単独あるいは珪石と併用して使用し、これに還元材として木炭、コークス、石炭、ウッドチップなどを混合して、アーク炉内で還元・溶融する方法が挙げられる。アーク炉内へは偏析のないよう十分に混合されて、必要量投入される。炉内では電極先端部付近がアーク放電により最も高温となり、その到達温度が1900℃〜2000℃となるように通電することによってシリコン源が還元され、金属シリコン融液が炉の底部に溜る。アーク炉底部に溜まった金属シリコン融液は、流し口をアーク放電などで開孔し、取鍋に抽出される。そして金属シリコン融液中に酸素ガスをバブリングすることでカルシウム化合物などの不純物がスラグ(酸化物)として比重差によって分離される。そして、スラグの全部または一部を取り除くことで、金属シリコン塊が得られる。
上記アーク炉は、例えばシリコン原料調査研究成果報告書(昭和58年3月、(社)日本電子工業振興協会)の47〜55頁に記載されているような公知の構造、材質を有するものが特に制限なく使用される。
なお、上記金属シリコンの製造方法としては、珪砂を成形して平均粒径が5mm〜200mmである珪砂造粒体を作製する工程、およびその珪砂造粒体を、シリコン源の少なくとも一部としてアーク炉へ供給して還元反応を行なう工程をオンサイトで行う態様も好ましい。
他方、フェロシリコン・シリコマンガン等のシリコン合金や炭化珪素の製造の場合には、シリコン合金ではシリコン以外の金属源を所望の組成となるように別に所定量加える必要があり、また炭化珪素では還元材かつ原料となる炭素の量を適宜調整し、原料の投入方法及び反応温度を炭化珪素の製造に適した条件に適宜調整すれば良い。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
尚、実施例および比較例における数値は次に示す方法により測定した。
(1)圧壊荷重
容積500mlの遊星型ボールミルポットに珪砂130gと直径5mmアルミナボール650gを入れ180rpmで15分間粉砕した。粉砕した珪砂と未粉砕の珪砂を所定の割合で混ぜた。次に混合珪砂100gに水16.7gと水酸化カルシウム1gを添加して乳鉢で混練した。混練した珪砂を電子天秤で秤量し、11g〜15gを鋳型に投入した。円柱状の造粒体にするにあたっては1.9cm〜2.3cmの高さになるようにサンプル量を調整した。ハイプレッシャージャッキのプレス加圧力は単位面積当たり1500kg/cm〜1600kg/cmの力で押しつた。完成した珪砂造粒体を電動式万能圧縮試験機(MARUI製MIS−225−1−16型)にて圧壊荷重(N)を測定した。圧縮機上に円柱状造粒体を縦に配置し、鉛直方向に載荷した。荷重を1分間に圧縮ひずみが1%生じる速度とした。
(2)造粒体の見掛け密度
ノギスにて計測した円柱状造粒体の高さhと直径2r、および電子天秤にて秤量した円柱状造粒体の重量mから、次式にて見掛け密度ρを計算した。
ρ=m/(π×r×h)
(3)造粒体の平均粒径
円柱状造粒体の高さh(cm)と直径2r(cm)をノギスで計測し、次式により造粒体の平均粒径L(cm)を決定した。
L=2×((3/4)×r×h)1/3
(4)珪砂の平均粒径
コールター社製光散乱回折タイプ粒度分布測定装置LS230により0.04〜0.4μmの範囲で粒度分布(体積基準分布)を測定し、珪砂の平均粒径を算出した。
(5)珪砂のSiO含有量及びNaO含有量
円柱状造粒体を測定治具に装着し、蛍光X線にて元素分析し、SiO及びNaO含有量を算出した。
(6)相対粒子量
ISO 3301−1に準拠した、目開き75μmの飾、目開き150μm、及び目開き1400μmの飾を用い、40gの珪砂の相対粒子量を求めた。相対粒子量は、1400μmの飾を全通過することを確認した後、目開き75μmの節を通過した粒子の重量と、目開き150μmの節を通り目開き75μmの飾を通過しない粒子の重量、目開き150μmの飾を通過しない粒子の重量を測定し、全体を100重量%としたときの割合(重量%)として計測した。
(7)溶解シリカ量
JIS A−1145の骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)に従って実施した。目開き300μmの篩、目開き150μmの篩を用い、1kgの珪砂を篩にかけた。300μm〜150μmに調整した珪砂を水洗し、105℃の乾燥機で20時間乾燥した。粒度調整した珪砂25gを容器に入れ、1mol/L水酸化ナトリウム標準液を25mL加え、80℃に調整した恒温水槽中で24時間反応させ、これを吸引ろ過して試料原液を得た。次に試料原液5mLを分取し、塩酸(1+1)5mLを加えて蒸発乾固した後、60%の過塩素酸8mLを加え10分間加熱処理した。これに塩酸(1+1)5mLと温水20mLを加え、ろ過し、温水で10回洗浄後ろ紙上に硫酸(1+10)2、3滴を滴下後、ろ紙を坩堝に入れ乾燥機で灰化した。次いで1000℃の電気炉で1時間強熱し、デシケータ中で放冷した後、質量をはかり次式によって溶解シリカ量を算出した。
Sc=3330×W
Sc:溶解シリカ量(mmol/L)
W:空試験による補正を行った試料原液5mL中のシリカの質量
実施例1
溶解シリカ量が73mmol/Lである珪砂(平均粒径245μm、NaO含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂245μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水酸化カルシウムを1.0質量部、水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。この水酸化カルシウム混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表1にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmである。以下、実施例及び比較例の珪砂のSiO含有量は99.4質量%(未粉砕)、水の添加割合は16.7質量部(珪砂100質量部に対する添加割合を示す。)、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
比較例1
溶解シリカ量が73mmol/Lである珪砂(平均粒径245μm、NaO含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂245μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。これを内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表1にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。なお、比較例1は水酸化カルシウムを添加していない。
Figure 0005877755
実施例2
溶解シリカ量が170mmol/Lである珪砂(平均粒径236μm、NaO含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂236μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水酸化カルシウムを1.0質量部、水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。この水酸化カルシウム混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表2にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
実施例3
溶解シリカ量が215mmol/Lである珪砂(平均粒径241μm、NaO含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂241μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水酸化カルシウムを1.0質量部、水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。この水酸化カルシウム混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表2にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
実施例4
溶解シリカ量が170mmol/Lである珪砂(平均粒径236μm、NaO含有量0.0重量%)と溶解シリカ量が30mmol/L未満である珪砂(平均粒径247μm、NaO含有量0.0重量%)を65質量%対35質量%になるように混合し、遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂242μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水酸化カルシウムを1.0質量部、水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。この水酸化カルシウム混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表2にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
実施例5
溶解シリカ量が215mmol/Lである珪砂(平均粒径241μm、NaO含有量0.0重量%)と溶解シリカ量が33mmol/L未満である珪砂(平均粒径245μm、NaO含有量0.0重量%)を65質量%対35質量%になるように混合し、遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂242μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水酸化カルシウムを1.0質量部、水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。この水酸化カルシウム混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表2にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
比較例2
溶解シリカ量が30mmol/Lである珪砂(平均粒径247μm、NaO含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂247μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水酸化カルシウムを1.0質量部、水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。この水酸化カルシウム混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表2にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
比較例3
溶解シリカ量が33mmol/Lである珪砂(平均粒径245μm、NaO含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂245μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水酸化カルシウムを1.0質量部、水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。この水酸化カルシウム混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表2にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
比較例4
溶解シリカ量が170mmol/Lである珪砂(平均粒径236μm、NaO含有量0.0重量%)と溶解シリカ量が30mmol/L未満である珪砂(平均粒径247μm、NaO含有量0.0重量%)を20質量%対80質量%になるように混合し、遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂242μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水酸化カルシウムを1.0質量部、水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。この水酸化カルシウム混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表2にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
比較例5
溶解シリカ量が215mmol/Lである珪砂(平均粒径241μm、NaO含有量0.0重量%)と溶解シリカ量が33mmol/L未満である珪砂(平均粒径245μm、NaO含有量0.0重量%)を20質量%対80質量%になるように混合し、遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂242μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水酸化カルシウムを1.0質量部、水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。この水酸化カルシウム混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表2にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
Figure 0005877755
実施例6〜8
溶解シリカ量が73mmol/Lである珪砂(平均粒径245μm、NaO含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂245μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水酸化カルシウムを0.5質量部から10質量部まで添加し、さらに水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。この水酸化カルシウム混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表3にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
実施例9〜12
溶解シリカ量が73mmol/Lである珪砂(平均粒径245μm、NaO含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂245μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して水酸化マグネシウムを0.5質量部から10質量部まで添加し、さらに水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。この水酸化マグネシウム混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で1日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表3にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
Figure 0005877755
実施例13、14
実施例2において、粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂245μmとの混合割合を変化させて、表4に示す相対粒子量となるように粒度分布を調整した珪砂を使用した以外は、同様にして、珪砂造粒体を製造した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した。結果を表4にまとめた。
Figure 0005877755
実施例15
実施例5において、原料の珪砂Cと珪砂Eとの比率をロット毎に変えて10ロットの珪砂造粒体を得た。その際、珪砂Cと珪砂Eとの混合後における溶解シリカ量を、実施例5の溶解シリカ量、108mmol/Lを中心として、±5mmol/L以下となるようロット毎に調整して変化させた。その結果、得られる珪砂造粒体の圧壊荷重の増減値は、±5%以下であり、極めて安定した強度を有する珪砂造粒体を製造することができた。
実施例16
実施例1で得られた珪砂造粒体と還元剤である木炭、石炭、コークスとを重量比1.4:1で混合し、アーク炉を使用して加熱還元処理を行った。運転時の内部温度は2000℃で24時間、連続運転を行った。随時、出銑口より溶融シリコンを取出した。その後、溶融シリコンを冷却し、高純度の金属シリコン塊を得た。その結果、原料珪砂造粒体36tに対して、14.3tの金属シリコン塊を得ることができた。
本発明の珪砂造粒体は、珪石の代替として、金属シリコンの製造や、フェロシリコン・シリコマンガン等のシリコン合金や炭化珪素の製造に有効に利用できる。

Claims (6)

  1. JIS A−1145に準じて測定される溶解シリカ量が60mmol/L以上の珪砂と、該珪砂100重量部に対して0.1重量部〜10重量部の割合のアルカリ土類金属化合物とを含むことを特徴とする珪砂造粒体。
  2. 前記珪砂として、全粒子の粒径が1400μm未満であり、粒径75μm未満の相対粒子量(重量)が25%〜85%、粒径150μm以上、1400μm未満の範囲にある相対粒子量(重量)が0%〜50%である珪砂(ただし、1400μm未満の相対粒子量は100%である)を用いる請求項記載の珪砂造粒体。
  3. JIS A−1145に準じて測定される溶解シリカ量が60mmol/L以上である珪砂100重量部に対して、アルカリ土類金属化合物を0.1重量部〜10重量部、水を5重量部〜20重量部の割合で含有する混合物を成形することを特徴とする珪砂造粒体の製造方法。
  4. 前記珪砂として、粒径が1400μm未満であり、粒径75μm未満の粒子の相対粒子量(重量)が25%〜85%、粒径150μm以上、1400μm未満の範囲にある粒子の相対粒子量(重量)が0%〜50%である珪砂(ただし、1400μm未満の範囲にある相対粒子量は100%である。)を用いる請求項記載の珪砂造粒体の製造方法。
  5. 使用する珪砂について、JIS A−1145に準じて溶解シリカ量を測定し、該溶解シリカ量が60mmol/L以上となるように原料の珪砂の成分を調整する原料管理工程を含む、請求項記載の珪砂造粒体の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載の珪砂造粒体を、シリコン源の少なくとも一部としてアーク炉へ供給して還元反応を行なうことを特徴とする金属シリコンの製造方法。
JP2012103505A 2012-04-27 2012-04-27 珪砂造粒体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP5877755B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012103505A JP5877755B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 珪砂造粒体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012103505A JP5877755B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 珪砂造粒体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013230953A JP2013230953A (ja) 2013-11-14
JP5877755B2 true JP5877755B2 (ja) 2016-03-08

Family

ID=49677772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012103505A Expired - Fee Related JP5877755B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 珪砂造粒体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5877755B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111498854B (zh) * 2019-01-31 2023-03-07 新疆硅基新材料创新中心有限公司 一种超临界水氧化法制备石英砂的方法
WO2020200440A1 (de) * 2019-04-03 2020-10-08 Wacker Chemie Ag Verfahren zur herstellung von siliciummetall-haltigen agglomeraten
CN116023069B (zh) * 2022-12-22 2024-07-16 四川星科元祥科技有限责任公司 一种硅石碎粒粘结剂、制备、应用及硅石球的制备方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3923446C1 (ja) * 1989-07-15 1990-07-26 Applied Industrial Materials Corp. Aimcor, Deerfield, Ill., Us

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013230953A (ja) 2013-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5875523B2 (ja) 珪砂造粒体およびその製造方法
CN103813869B (zh) 冒口和用于其制造的能成形的组合物
JP2013001606A (ja) 使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法およびマグネシアカーボンレンガの製造方法
KR20130056992A (ko) 실리콘 웨이퍼 폐슬러지의 처리방법 및 그 방법으로 제조된 Fe-Si-SiC 브리켓
JP2013082588A (ja) 金属ケイ素の製造方法
CN111253093B (zh) 一种含煤制油粗渣的胶凝材料及其制备方法
WO2008120913A1 (en) Apparatus and method for manufacturing iron block using iron pieces
JP5877755B2 (ja) 珪砂造粒体およびその製造方法
CN107057676B (zh) 复合结构陶瓷支撑剂及其制备方法
JP2013188789A (ja) 人工砂およびその製造方法
CN101906663A (zh) 蓝色超单晶刚玉及其制备方法
JP5548045B2 (ja) 再生セメント原料及びそれを用いた再生セメント組成物
CN103143672A (zh) 一种用碱性酚醛树脂自硬砂废砂制备铸造用水玻璃的方法
JP6198272B2 (ja) 珪砂造粒体の製造方法
CN101786890A (zh) 利用玻璃窑炉废砖生产电熔锆刚玉捣打料的方法
KR101187245B1 (ko) 슬래그를 재활용한 주물사의 제조방법
JP2013224234A (ja) 珪砂造粒体およびその製造方法
EA030463B1 (ru) Способ переработки отходов оптических волокон
JPS6081294A (ja) 製鋼炉用コークス団鉱の製造方法
US20110108232A1 (en) Binder material
JP4394080B2 (ja) ジルコニア質耐火物
JP2013006711A (ja) 珪砂造粒体の製造方法
JP7483192B2 (ja) 複合粒子およびその製造方法
RU2576041C2 (ru) Способ получения полидисперсного порошка карбида бора
JP2011184221A (ja) 硬化性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5877755

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees