JP2013224234A - 珪砂造粒体およびその製造方法 - Google Patents

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誠司 今澄
Kyoichi Fujinami
恭一 藤波
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武史 河野
Akinori Yasumoto
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Abstract

【課題】 金属シリコンを製造する際に原料として通常使用されている珪石同様の扱いができる性状を有し、金属シリコンの製造において、珪石と代替が可能な珪砂造粒体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 粒径が1400μm未満の範囲にあり、粒径75μm未満の範囲にある相対粒子量が25%〜85%、粒径150μm以上、1400μm未満の範囲にある相対粒子量が0%〜50%である珪砂(ただし、相対粒子量は重量基準であり、1400μm未満の範囲にある相対粒子量は100%である。)にセメントを添加して、水により硬化せしめた珪砂造粒体であって、上記組成の珪砂、セメント及び水を含む珪砂を成形し、該セメント混合物を硬化させることによって得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な珪砂造粒体に関する。詳しくは、アーク炉等を使用した金属シリコンの製造において、原料として通常使用されている珪石同様の扱いができる性状を有し、上記金属シリコンの製造において、珪石との代替が可能な珪砂造粒体およびその製造方法を提供するものである。
一般に金属シリコンは、原料にシリコン源である珪石および還元材として木炭、コークス、石炭、ウッドチップなどを使用し、これらの混合物をアーク炉内約2000℃で珪石を還元することによって得られる。上記珪石は、通常5mm〜200mmのサイズのものが用いられる。これは炉内の通気性を確保するためである。即ち、上記アーク炉においては、珪石の還元反応の過程で、気相として一酸化炭素(CO)ガスおよび一酸化珪素(SiO)ガスが発生するため、それらの全部または一部を、上記原料層を通して逃がす必要がある。
上記珪石の主成分である二酸化珪素(SiO)の還元反応は、総括的には次の式(1)によって進行する。
SiO+2C → Si+2CO (1)
しかし、実際には反応は複雑であり以下のような各素反応に分解され、これらの素反応が併行して起こっているものと考えられる。
SiO+C → SiO+CO (2)
SiO+2C → SiC+CO (3)
SiO+3C → SiC+2CO (4)
SiO+SiC → 2Si+CO (5)
SiO+2SiC → 3Si+2CO (6)
SiO+C → Si+CO (7)
SiC+SiO →Si+SiO+CO (8)
Si+SiO →2SiO (9)
このように、アーク炉内温度範囲での凝縮相はSiO、C、SiC、Siであり、気相はCO、SiOである。また、炉内電極先端付近の高温部から式(2)の反応によりSiOガスが発生する。そして、原料層の上部では、層の隙間を生成したSiOガスやCOガスが上昇し排出される際、その通路である隙間の壁面には次の反応で析出物が付着する。
2SiO+CO → SiO+SiC (10)
2SiO → Si+SiO (11)
一方、珪砂は珪石に比べて資源量が豊富であり、加えて採掘も容易であるので、金属シリコンの原料として珪石を代替できれは大きな利点となり得る。しかしながら、珪砂を原料にすると珪石に比べて空隙が少なくなり、前述の式(10)、(11)の反応により析出物が付着すると、上記珪石に比べて空隙の減少が著しく、アーク炉での反応において生成するCOやSiOのガス抜けを困難にすることが危惧される。また、式(2)〜(8)からわかるようにCOが滞留してしまうと反応の進行が阻害されることになる。それは、SiCが炉底に沈着固化して操業トラブルの原因にもなる。
従って、アーク炉に供給する金属シリコンの原料としては、珪石と同等の大きさ、強度を有する性状に珪砂を造粒することが必要となる。
これに対して、特許文献1には、珪砂を、石油コークスおよびピッチ含有結合剤のような非焼結炭素担体と混合して固め、生ペレットとし、これを硬化加熱処理してアーク炉への装填原料ペレットを形成することが記載されている。
しかしながら、上記硬化加熱処理による結合剤の不融化は、表面より進行するので、ペレットサイズが大きくなると内部まで不融化することが困難であり、これをアーク炉内へ装填原料として投入した場合、温度が上がるにつれてペレット内部の不融化されていないピッチが軟化して圧壊強度が低下し、ペレット崩壊の恐れがある。そして、ペレットの崩壊により、原料層内部の通気性が低下し、アーク炉での反応において生成するCOやSiOガス抜けを困難にするという問題を有する。
特公平05−000335号公報
従って、本発明は、金属シリコンを製造する際に原料として通常使用されている珪石を代替するために、珪石と同様の扱いができるような強度を有する珪砂造粒体と、それを効率的に製造するための方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的に対して鋭意研究の結果、特定の粒度分布を有する珪砂を、セメントの硬化体を結合材として成形した造粒体により前記目的を達成し得ること、また、セメントの使用により、得られる造粒体を前記シリコン製造用原料として使用した場合、後述するように、得られる金属シリコンの純度を著しく向上させることが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、粒径が1400μm未満の範囲にあり、粒径75μm未満の範囲にある相対粒子量(重量)が25%〜85%、粒径150〜1400μmの範囲にある相対粒子量が0%〜50%である珪砂(ただし、相対粒子量は重量基準であり、1400μm未満の範囲にある相対粒子量は100%である。)を、セメントの硬化体を結合材として成形したことを特徴とする珪砂造粒体である。
上記本発明において、珪砂造粒体は、珪砂100質量部に対して、セメントを0.1質量部〜10質量部、水を5質量部〜20質量部の割合で使用して得られるものが特に好ましい。
また、前記珪砂造粒体は、平均粒径が5mm〜200mm、圧壊荷重が200N〜100,000Nであることが好ましい。
更に、前記珪砂造粒体は、1300℃での強熱減量が0.1重量%〜3重量%であることが、例えば、アーク炉による金属シリコンの製造において、炉に投入時の急激な加熱により、珪砂造粒体の強度が低下するのを防止するために好ましい。
本発明は、前記珪砂造粒体を効率的に製造するための製造方法をも提供する。
即ち、本発明によれば、粒径が1400μm未満の範囲にあり、粒径75μm未満の範囲にある相対粒子量(重量)が25%〜85%、粒径150μm以上、1400μm未満の範囲にある相対粒子量が0%〜50%である珪砂(ただし、1400μm未満の範囲にある相対粒子量は100%である。)、セメント及び水を含む珪砂混合物を成形後、硬化させることを特徴とする珪砂造粒体の製造方法が提供される。
上記方法において、珪砂、セメント、及び水の混合割合は、珪砂100質量部に対して、セメントを0.1質量部〜10質量部、水を5質量部〜20質量部の割合であることが好ましい。
また、前記製造方法において、珪砂混合物を硬化後、1300℃での強熱減量が0.1重量%〜3重量%となるまで乾燥する工程を設けることが好ましい。
前記した本発明の珪砂造粒体は、珪石と同等に扱うことのできる強度を有するため、アーク炉を使用したシリコンの製造方法において、シリコン源の少なくとも一部としてアーク炉へ供給して還元反応を行なうことにより、金属シリコンを製造することが可能である。
従って、本発明は、前記珪砂造粒体を、シリコン源の少なくとも一部としてアーク炉へ供給して還元反応を行なうことを特徴とする金属シリコンの製造方法をも提供するものである。
本発明の珪砂造粒体は、特定の粒度分布を有する珪砂を、セメントを固化剤として硬化せしめることにより、高い強度、例えば、圧壊荷重200N以上を達成することができ、かかる強度によりアーク炉内原料層に装填した場合に、珪石と同様に扱っても上部からの荷重により崩壊することがなく、上記原料層における空隙を確実に確保することができる。しかも、高温下においても、上記強度の大幅な低下が無く、むしろ高強度となって反応を安定して行なうことが可能である。
尚、上記珪砂造粒体の高強度化の作用機構は明らかではないが、本発明者らは、粒度分布を制御した珪砂を用いて成形されること、及びセメントを固化剤として用いて成形されることにより、セメントの硬化による結合作用と珪砂粒子同士の凝集作用とが相乗的に働いて発現するものと推定している。
また、本発明の珪砂造粒体の製造方法によれば、上記の優れた特徴を有する珪砂造粒体を、セメントを使用するという簡易な方法により、該セメントを硬化せしめる程度の低いエネルギーで効率よく製造することができる。
更に、本発明の珪砂造粒体を金属シリコンの原料として使用した場合、アーク炉内で還元・溶融した金属シリコンが炉から排出されて凝固する際に、セメントの成分として存在するアルカリ土類金属化合物、典型的には、カルシウム化合物またはマグネシウム化合物は、その性質によりアーク炉内で還元・溶融した金属シリコンが炉から排出されて凝固する際に分離され易いため、金属シリコンの純度低下が抑制される。しかも、好都合なことに、カルシウム化合物は金属シリコンの中のリンやホウ素を捕獲除去するスカベンジャーとして作用し、得られる金属シリコン中のリンやホウ素の不純物濃度を低減することができる。
本発明の珪砂造粒体について、前記シリコンの製造におけるリンおよびホウ素などを除去する効果は、例えば、得られる金属シリコン(例えば、これをさらに精製して得られる多結晶シリコン)を、リン、ホウ素などの不純物が悪影響及ぼす半導体、太陽電池等への用途に使用する場合において有効である。
(珪砂造粒体)
本発明の珪砂造粒体は、粒径が1400μm未満の範囲にあり、粒径75μm未満の範囲にある相対粒子量(以下、「微細粒子量」ともいう。)が25%〜85%、好ましくは、40%〜60%、粒径150μm以上、1400μm未満の範囲にある相対粒子量(以下、「粗大粒子量」ともいう。)が0%〜50%、好ましくは、20%〜35%である珪砂(ただし、1400μm未満の範囲にある相対粒子量は100%である。)を、セメントの硬化体を結合材として成形したことを特徴としている。
尚、本発明において、珪砂の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分析測定により求めた体積基準で求めた径である。また、上記珪砂の相対粒子量及び粒度分布の値は、実施例に示すように、篩いにより求めた。
(珪砂造粒体中の珪砂)
本発明において、珪砂は、上記特定の粒度分布を有するものを使用することが重要であり、これによりセメントの硬化体を結合材として使用した場合に、所期の強度を有する造粒体を実現することができる。
上記粒度分布を有する珪砂の有効性を説明すれば、例えば、ブレーン空気透過装置を使用して空隙率を測定すると、未粉砕の珪砂208μmの空隙率は45.4%であった。また、粉砕した珪砂18μmの空隙率も45.4%であった。この2種類の大きさの異なる珪砂を混合し、前記粒度に調整すれば、空隙率は36.0%まで低下した。空隙率が9.4%低下したことで粒子間の距離は狭まりより緻密になり、前記のように、粒子間が狭まった状態でセメントの硬化体が存在することにより、粒子同士を繋ぐ結合力が一層増加し、造粒体の高強度化を実現することが可能となる。
従って、前記珪砂が1400μm以上の粒子を含むものを使用した場合、微細粒子量、粗大粒子量が前記範囲を外れた場合は、造粒体において上記空隙率を達成することができず、セメントの硬化体の作用による、十分な強度発現を達成することが困難となる。
本発明において、微細粒子量と粗大粒子量とは、前記範囲を満足すればよいが、上記微細粒子量と粗大粒子量との合計が、60%以上、特に70%以上であることが、得られる珪砂造粒体の強度発現により効果的であり、また、微細粒子量/粗大粒子量の比が2〜1.2となるように粒度分布を調整することがより好ましい。
本発明において、上記珪砂の材質は、得られる珪砂造粒体が金属シリコンの原料として用いられ得ることを考慮すると、珪砂のSiO含有量が97重量%以上であることが好ましく、特に、98%以上が好ましく、99重量%以上がより好ましく、99.5重量%以上が特に好ましい。珪砂造粒体から金属シリコンを製造する場合、SiO成分以外の一部の不純物はアーク炉内で還元・溶融した金属シリコンが炉から排出されて凝固する際に分離されるものの、不純物含有量が増えると金属シリコン中に残存する量も増え、金属シリコンの品質低下を招く傾向にある。
つまり、珪砂中の不純物が少ない、高い純度の珪砂を使用することで、得られるシリコン中に残存する不純物含量を効果的に低減できる。また、アーク炉内での加熱により、蒸発した不純物が炉の周壁や配管の壁に付着し、堆積し易くなるという問題をも防止することができ、アーク炉を長時間安定して使用することができる。
(珪砂造粒体中のセメントの硬化体)
本発明の珪砂造粒体において、硬化して珪砂の結合材として作用するセメントは、公知のものが特に制限なく使用することができる。例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、底発熱ポルトランドセメントなどの各種ポルトランドセメント、及び高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントなどの混合セメント或いは特殊セメントであるアルミナセメントなどが挙げられる。
前記セメントの主な成分は、二酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化カルシウム(CaO)などであり、このうち特にアルカリ土類化合物が珪砂を固化する際に重要な成分である。中でもカルシウム化合物が多く含有しているセメントは、水との混合による硬化が良好であり、得られる珪砂造粒体の圧壊荷重が200N以上という高い強度を発揮し易くなるため、好適に使用することができる。
前記セメントの中でも、上記特性を有し、また、工業的に使用すること考慮すると、普通ポルトランドセメントや高炉セメントが好適に使用される。
本発明の珪砂造粒体において、セメント硬化体の割合は、後述する製造方法において使用するセメントの量によって決定されるが、好適なセメントの使用量は、後述するように、前記珪砂100質量部に対して0.1質量部〜10質量部である。
(その他の結合材の併用)
本発明の珪砂造粒体において、本発明の硬化を著しく阻害しない範囲で、前記セメントの硬化体と併せて有機バインダーを添加することもできる。例えば、造粒便覧(日本粉体工業協会編、昭和50年5月30日発行、オーム社)の表1、3、4に記載される、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、砂糖、デキストローズ、コーンシロップなどが挙げられる。また、上記以外に使用可能な有機物からなるバインダーとしては、デキストリン、コーンスターチ等のでん粉類;にかわ、カゼイン、大豆たん白等のたん白類;アラビアゴム等の天然ゴム類;ピッチ、加工タール、舗装タール等のタール類:ストレートアスファルト、ブローンアスファルト等のアスファルト類;アクリル系重合体、ポリアミド、ポリエチレン、その他セルロース等のその他の熱可塑性レジン;ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリエステル、熱硬化性ポリウレタン等の熱硬化性レジン;ネオブレン、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム等のエラストマーなどが挙げられる。
(珪砂造粒体の好ましい性状)
本発明の珪砂造粒体は、前記特定の珪砂をセメントの硬化体を結合材として成形されたものであれば特に制限されないが、かかる珪砂造粒体を金属シリコンの製造用の原料、例えば、アーク炉による金属シリコンの原料として使用する場合、平均粒径が5mm〜200mmのものが好適である。即ち、前記アーク炉での使用において、珪砂造粒体の平均粒径が5mm未満の場合、上記アーク炉内原料層をガスが通過するための十分な空隙を確保できないし、一方、200mmを超える平均粒径の造粒体を製造するのはコスト・生産性の点で不利になる。上記平均粒径は、好ましくは5mm〜150mm、より好ましくは30mm〜150mm、更に好ましくは50mm〜150mmである。また、上記平均粒径は、好ましくは5mm〜100mm、より好ましくは10mm〜70mm、更に好ましくは15mm〜50mmである。
なお、本発明の造粒体の平均粒径は、無作為抽出した50個の造粒体をサンプリングし、その粒径の算術平均により求めた数平均粒径である。
また、本発明の珪砂造粒体は、前記構成により、圧壊荷重が200N以上の強度を発現することができ、前記アーク炉での使用において、珪石の代替として十分使用することができる。上記用途において、珪砂造粒体の圧壊強度は、200N〜100,000N、好ましくは、500N〜50,000N、さらに好ましくは1,000N〜50,000Nであり、特に、1,000N〜10,000Nである。
また、本発明の珪砂造粒体に、アルカリ金属原子がある程度含まれていると、後述する加熱処理をする際に、クリストバライト化が進行し密度差に起因する膨張によって造粒体自体が自己破壊し易い傾向になる。そのため、珪砂造粒体に含まれるSi原子に対するアルカリ金属原子の比(M1/Si)が0.01未満であることが好ましい。
(珪砂造粒体の製造方法)
本発明の珪砂造粒体の製造方法は、特に制限されないが、代表的な製造方法を例示すれば、粒径が1400μm未満の範囲にあり、粒径75μm未満の範囲にある相対粒子量が25%〜80%、粒径150μm以上、1400μm未満の範囲にある相対粒子量が0%〜50%である珪砂(ただし、1400μm未満の範囲にある相対粒子量は100%である。)、セメント及び水を含む珪砂混合物を成形後、硬化させることによって製造する方法が好適である。
先ず、前記特定の粒度分布を有する珪砂は、粒径が1400μm未満の範囲にあり、粒径75μm未満の珪砂を含む珪砂と、粒径150μm以上、1400μm未満の珪砂を含む珪砂とを、前記範囲となるように混合する方法が最も好ましい。
また、上記それぞれの粒度分布を有する珪砂、特に、粒径75μm未満の珪砂を含む珪砂は、珪砂を粉砕して得るのが一般的である。上記珪砂の粉砕は、公知の粉砕機を用いて実施することができる。この粉砕機としては、例えば、粉体工学便覧(粉体工学会編、昭和61年2月28日発行、日刊工業新聞社)503〜505頁の表1・10に記載されている、スクリューミル;スタンプミル等の粉体層打槌式粉砕機;ディスクミル、ピンミル、スクリーンミル、ハンマミル、遠心分級型ミル等の高速回転式衝撃粉砕機;ローラミル等のロール転動型粉砕機;ボールミル、振動ボールミル、遊星型粉砕機等のボール媒体ミル;塔式粉砕機、攪拌槽型粉砕機、流通管型粉砕機、アニュラ型粉砕機等の媒体攪拌式粉砕機;およびジェット粉砕機などが挙げられる。上記粉砕機の中でも、粉砕に要するエネルギーがより少なく、粉砕時に混入する不純物がより少ない粉砕機が好ましい。このような粉砕機としては、媒体撹拌式粉砕機、振動ボールミル、回転型ボールミル、遊星型粉砕機等のボール媒体ミルおよびローラミル等のロール転動型粉砕機などが挙げられる。上記ボール媒体ミルは、微粉砕可能で、且つ、大量処理に適しており、ロール転動型粉砕機は、汚染が少なく、且つ、処理能力が大きい。従って、目的とする粉砕物に合わせて、それぞれの粉砕機を使用すればよい。
尚、可能であれば、前記のように、粒度分布の異なる珪砂を混合することなく、粉砕により、前記微細粒子量と粗大粒子量とが調整された粒度分布を有する珪砂を得てもよい。
本発明において、前記珪砂の製造に使用するセメントの粒径は、好ましくは0.001μm〜20μm、より好ましくは0.001μm〜10μmである。
本発明の珪砂造粒体は、前記粒度分布を有する珪砂、セメント及び水を含む珪砂混合物を成形後、硬化させることにより製造される。
この場合、珪砂に対するセメントの添加割合は、珪砂100質量部に対して0.1質量部〜10質量部であることが、得られる珪砂造粒体の好ましい。更に好ましくは0.3質量部〜3質量部である。最も好ましくは0.5質量部〜1.5質量部である。即ち、セメントは、珪砂表面を覆うだけの量を添加すれば十分であり、それ以上の量の使用は、不純物量の増大を招く虞がある。
本発明の珪砂造粒体が、上記著しく少ないセメント添加量において、十分な強度を発揮することは、珪砂を細骨材とするモルタルより到底予測されるものではなく、且つ、かかるモルタルと明確に区別されるものである。
また、水の量は、セメントの硬化に必要な量であり、また、後述する成形方法における成形性を考慮して適宜決定される。かかる水の好適な量は、成形方法によっても多少異なるが、一般に、珪砂100質量部に対して、3〜20質量部である。上記割合は、成形のし易さにより決定されるが、セメントの硬化に必要な量を十分満足するものである。
本発明の珪砂造粒体の製造方法において、珪砂、セメント及び水の混合方法は、それぞれが均一に混合される方法であれば、混合順序、混合方法等は特に制限されない。一般的な混合順序を例示すれば、珪砂とセメントとを混合後、得られる混合物に噴霧や滴下などの方法により水を添加する方法、セメントと水とを混合したスラリーと珪砂とを混合する方法が挙げられる。また、混合方法は、公知の混合装置、例えば、粉体工学便覧(粉体工学会編、昭和61年2月28日発行、日刊工業新聞社)610頁の図9.1に示されている、水平円筒型混合機(内設羽根付)V型混合機(攪拌羽根付)、二重円錐型混合機などの容器回転型混合機;リボン混合機、円錐型スクリュー混合機、高速流動型混合機、回転円盤型混合機、気流攪拌型混合機、無攪拌型混合機などの容器固定型混合機;攪拌型混合機(加振機付)などの複合型混合機が挙げられる。また、水を添加して湿潤状態での混合となった場合には、混錬機、例えば粉体工学便覧(粉体工学会編、昭和61年2月28日発行、日刊工業新聞社)644頁の表13.6に挙げられている各種混錬機も使用できる。
また、珪砂とセメントと水の混合物には、成形性を向上させるため前記有機バインダーを添加することもできる。
本発明の珪砂造粒体の製造方法において、上記珪砂、セメント及び水を含む混合物の成形方法は特に限定されず、公知の造粒方法を制限なく採用することができる。例えば、造粒便覧(日本粉体工業協会編、昭和50年5月30日発行、オーム社)の1編、1・4節で分類されている方法の内、圧縮成形型、転動型、押出成形型の一般的な方法が好適に採用できる。
また、成形により得られる造粒体の形状は特に制限されないが、球状より多角体、多角柱体の方が転がり難く作業の面で有利である。また、アーク炉で生成するCOやSiOガスの逃げ道の確保も多角体の不定形の方が球状より良い。
前記成形方法は、各々で成形プロセスが異なるので、以下それぞれの方法を具体的に説明する。
(成形方法−圧縮成形)
工業的に広く用いられている圧縮成形の方法として、シリンダーの中に粉体を充てんし、ピストンで圧縮するタブレッティングと、二つの回転するロール間で粉体を圧縮するブリケッティングがある。本発明の製造方法ではそれらのいずれの方法を用いても、造粒体を製造することができる。また、レンガやタイルを作製する際に用いられるプレス式の圧縮成形機を用いると更によい。かかる圧縮機は、特に、造粒体の大きさが50mmを超えるサイズを造るには適しており、200N以上の強度も確保できる。
具体的な成形機を例示すると、造粒便覧(日本粉体工業協会編、昭和50年5月30日発行、オーム社)の1編、4・5節に記載されている単発打錠機;1点圧縮型機、多点圧縮型機、多段圧縮型機、傾斜ロール型機などのロータリー打錠機が、また同4・6節に記載されているブリケットマシン等が挙げられる。また、混合粉末の供給は後述の転動型の場合と同様に振動フィーダ、シェーキングフィーダー、またはスクリューフィーダなどを用いて実施できる。
圧縮成形において、粉体の流動性が維持される範囲内で水を添加した方が強度増大の点で好ましい。その場合、水の量は粉体工学便覧(粉体工学会編、昭和61年2月28日発行、日刊工業新聞社)の599頁表8・3に分類されている充てん域における吸湿域となるよう添加することが好適である。一般には、珪砂100質量部に対して水5〜20質量部を添加することで成形後の強度が増すので好ましい。
(成形方法−転動造粒)
転動造粒において、珪砂、セメント、水、そして必要に応じて添加するバインダーの各成分は
a.各成分を予め混合してから成形機へ供給する手順
b.珪砂とセメントを混合し、その混合粉と水またはバインダー水溶液とを成形機へ別々に供給する手順
c.珪砂、セメント、そして必要に応じて添加するバインダーを予め混合し、その混合粉と水とを成形機へ別々に供給する手順のいずれかの手順を採用して成形機へ供給されることができるが、連続成形性を考慮すると、粉状成分と液状成分を別々に供給するbまたはcの手順を採用することが好ましい。
また、転動造粒は、例えば、造粒便覧(日本粉体工業協会編、昭和50年5月30日発行、オーム社)の1編、2・6節に記載されているドラム型成形機や皿型成形機を採用して実施することができる。
これら成形機の中でも、皿型成形機は成形工程の制御が容易であること等から好ましい。皿型成形機の皿形状としては普通皿型(たらい型)、多段皿型、球面皿型、頭切円錐型等が挙げられるが、多段皿型、球面皿型、頭切円錐型の成形機は回転軸に沿って回転半径が異なることから造粒体が遠心力の違いによって自動的に分級されるため、粒径の揃った粒成長した造粒体を回転する皿の外周側から選択的に取り出すのに適している。
また、成形機への混合粉末の供給は、例えば、粉体工学便覧(粉体工学会編、昭和61年2月28日発行、日刊工業新聞社)の567頁表5・1に分類されている供給機を使用して実施することができるが、供給量を制御し易い点で振動フィーダ、シェーキングフィーダー、スクリユーフイーダ、ベルトコンベアーなどを用いることが好ましい。なお、上記混合粉末の供給は、連続的に行つてもよいし、断続的に行つてもよい。
ここで、水の量は粉体工学便覧(粉体工学会編、昭和61年2月28日発行、日刊工業新聞社)の599頁表8・3に分類されている固・液・気系の構造(以下、充てん域という)における策状域となるよう添加することが好ましい。充てん域が策状域にあると水が粒子間に介在し架橋液体として作用するからである。充てん域は珪砂に対する水の添加割合のみならず珪砂の粒度にも影響を受けるが、前述した平均粒径の範囲であれば珪砂100質量部に対して水5〜20質量部を添加することで架橋液体として機能させることができ好ましい。
転動型成形により珪砂造粒体を製造する場合には、上記転動成形機を少なくとも2台準備し、これら転動成形機により複数段に分けて成形することが好ましい一態様である。その際、第一段の転動成形機内に存在する粒径が20mm以上の中間造粒体の割合が、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下となるように、粒成長させることが好ましい。
第一段の転動成形器内に存在する20mm以上の中間造粒体の割合が、上記範囲となるように成形を行うことにより、第1段の転動成形機に供給される珪砂、バインダーよりなる混合物から、新たな核の生成、粒成長が起こり、造粒体の数を確実に増加させることができる。第一段の転動成形機内に存在する粒径が20mm以上の造粒体の割合を上記範囲内とするためには、その転動成形機から粒成長した粒子を選択的かつ連続的に取り出せばよい。例えば、転動成形機では、粒成長した造粒体は回転する皿の外周部に存在するため、この外周部に存在する所定の大きさの中間造粒体を取り出せばよい。
上記第一段の転動成形機からの中間造粒体の取り出しは、上述したように、該転動成形機内に存在する粒径が20mm以上の造粒体の割合がより低くなるように行うことが望ましい。一方で、第1段の成形機内に存在する造粒体の粒径が、過度に小さい状態で取り出すと、次段の転動成形機においてさらに粒成長させる際に、粒成長した造粒体により上記中間造粒体が破壊される場合があり、単位成形機当たりの生産効率が低下する場合がある。そのため、上記第一段の転動成形機からは、平均粒径が、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上、さらに好ましくは20mm以上に粒成長した中間造粒体を取り出すことが望ましい。また、第一段の転動成形機より取り出す中間造粒体の粒径が大きすぎる場合、該成形機中の20mm以上の造粒体の割合が上記範囲を超えやすくなるため、平均粒径が、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下の中間造粒体を取り出すことが望ましい。
第一段の転動成形機から上記特定の大きさの造粒体を取り出す条件は、20mm以上の造粒体の割合が上記範囲内、好ましくは、中間造粒体の平均粒径が上記範囲となるように取り出し条件、例えば、転動成形機のコーンの傾き、回転数等を、予め実験によって設定すればよい。
このようにして第一段の転動成形機より取り出された中間造粒体は、次段以降の転動成形機に供給され、さらに、珪砂とバインダーとを添加して、粒成長を行わせることにより、所望の粒径を有する珪砂造粒体を得ることができる。
(成形方法−押出成形)
押出成形は、例えば造粒便覧(日本粉体工業協会編、昭和50年5月30日発行、オーム社)の1編、表2・3・1に分類されている押出し成形機を採用して実施することができる。具体的には、前押出式、真空押出式などのスクリュー型押出成形機;円筒型ダイス水平式成形機、円筒型ダイス垂直式成形機、円板型ダイス水平式成形機などのロール型押出し成形機;オシレーティング式成形機などのブレード型押出し成形機;ギヤー式成形機などの自己成形型押出し成形機:ラム型押出し成形機等が挙げられる。また、混合粉末の供給は前述の転動型成形の場合と同様に振動フィーダ、シェーキングフィーダー、またはスクリューフィーダなどを用いて実施できる。
押出成形では押出し圧が加わるため、水の量は粉体工学便覧(粉体工学会編、昭和61年2月28日発行、日刊工業新聞社)の599頁表8・3に分類されている充てん域における懸吊域となるよう添加することが好適である。前述した平均粒径の範囲であれば珪砂100質量部に対して水5〜20質量部を添加することで成形後の強度が増すので好ましい。
(成形体の硬化)
本発明の珪砂造粒体の製造方法において、珪砂、セメント及び水を含む混合物の成形体は、養生を行い、セメントを硬化させることによって、珪砂造粒体を得ることができる。
上記硬化は、セメントの養生における種々の条件を採用することができる。例えば、硬化温度は、室温から水の沸点未満、特に、室温から40℃以下で行うことが好ましい。また、硬化時間は、セメントの種類、硬化温度によって多少異なり、一概には決定できないため、予め実験を行い、決定することが好ましい。例えば、ポルトランドセメントの場合、1日〜4日程度が好適である。
上記セメントの硬化により得られる珪砂造粒体は、乾燥により、含有する水分を可及的に除去することが、アーク炉等に投入で、高温雰囲気に晒された際の、水の膨張による崩壊を防止することができ好ましい。具体的には、1300℃での強熱減量が0.1重量%〜3重量%、特に、0.1重量%〜1重量%となるまで上記乾燥を行うことが好ましい。
(造粒体の加熱処理)
上記成形方法により得られた珪砂造粒体は、必要に応じて加熱処理を行うことにより、前記セメントの硬化により発現される強度に加え、より一層の強度の向上をはかることができる。また、上記加熱処理により、前記乾燥時間を短縮することもできる。
上記加熱処理温度は、70℃以上、特に、100℃以上が効果的であり、また、加熱処理における温度の上限は、セメント硬化体の強度を著しく劣化させない範囲の温度が好適である。一般には、300℃以下、特に、200℃以下となるように実施することが好ましい。また、加熱処理時間は、30〜120分、特に、60〜90分が適当である。
尚、上記加熱処理は、セメントの硬化時に、必要な水が確保できる範囲内で、かかる硬化と同時に行うことも可能である。
(金属シリコン等の製造方法)
本発明の製造方法で得られた珪砂造粒体は、金属シリコン、フェロシリコン、および炭化珪素の製造に使用することができ、特にアーク炉による金属シリコンの製造に好適に用いられる。
金属シリコンの製造には、例えばシリコン源である珪砂造粒体を単独あるいは珪石と併用して使用し、これに還元材として木炭、コークス、石炭、ウッドチップなどを混合して、アーク炉内で還元・溶融する方法が挙げられる。アーク炉内へは偏析のないよう十分に混合されて、必要量投入される。炉内では電極先端部がアーク放電により最も高温となり、その到達温度が1900℃〜2000℃となるように通電することによってシリコン源が還元され、金属シリコン融液が炉の底部に溜る。アーク炉底部に溜まった金属シリコン融液は、流し口を酸素ガスなどで開孔し、取鍋に抽出される。そして金属シリコン融液が凝固する過程でカルシウム化合物などの不純物が比重差によってスラグとして分離される。そして、スラグの全部または一部を取り除くことで、金属シリコン塊が得られる。
上記アーク炉は、例えばシリコン原料調査研究成果報告書(昭和58年3月、(社)日本電子工業振興協会)の47〜55頁に記載されているような公知の構造、材質を有するものが特に制限なく使用される。
なお、上記金属シリコンの製造方法としては、珪砂を成形して平均粒径が5mm〜200mm、圧壊強度が200N〜100,000Nである珪砂造粒体を作製する工程、およびその珪砂造粒体を、シリコン源の少なくとも一部としてアーク炉へ供給して還元反応を行なう工程をオンサイトで行う態様も好ましい。
他方、フェロシリコンや炭化珪素の製造の場合には、フェロシリコンでは鉄源を所望の組成となるように別に所定量加える必要があり、また炭化珪素では前出の式(4)からわかるとおり還元材を炭素のモル当量がシリカの3倍以上となるよう多量に添加すればよい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
尚、実施例および比較例における数値は次に示す方法により測定した。
(1)圧壊荷重
最大加圧重100kNの電動式万能圧縮試験機(MARUI製MIS−225−1−16型)にて圧壊荷重(N)を測定した。圧縮機上に円柱状造粒体を縦に配置し、鉛直方向に載荷した。荷重を1分間に圧縮ひずみが1%生じる速度とした。
(2)造粒体の見掛け密度
ノギスにて計測した円柱状造粒体の高さh(cm)と直径2r、および電子天秤にて秤量した円柱状造粒体の重量m(g)から、次式にて見掛け密度ρを計算した。
ρ=m/(π×r×h)
(3)造粒体の平均粒径
円柱状造粒体の高さh(cm)と直径2r(cm)をノギスで計測し、次式により造粒体の平均粒径L(cm)を決定した。
L=2×((3/4)×r×h)1/3
(4)造粒体のFe含有量
円柱状造粒体を測定治具に装着し、蛍光X線にて元素分析し、Fe含有量を算出した。
(5)珪砂の平均粒径
コールター社製光散乱回折タイプ粒度分布測定装置LS230により0.04〜0.4μmの範囲で粒度分布(体積基準分布)を測定し、珪砂の平均粒径を算出した。
(6)珪砂のSiO含有量及びNaO含有量
円柱状造粒体を測定治具に装着し、蛍光X線にて元素分析し、SiO及びNaO含有量を算出した。
(7)相対粒子量
ISO3301−1に準拠した、目開き75μmの飾、目開き150μm、及び目開き1400μmの飾を用い、40gの珪砂の相対粒子量を求めた。相対粒子量は、1400μmの飾を全通過することを確認した後、目開き75μmの節を通過した粒子の重量と、目開き150μmの節を通り目開き75μmの飾を通過しない粒子の重量、目開き150μmの飾を通過しない粒子の重量を測定し、全体を100重量%としたときの割合(重量%)として計測した。
実施例1
珪砂(平均粒径208μm、NaO含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂208μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して普通ポルトランドセメントを1.0質量部、水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。このセメント混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で4日間ほど放置した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した後、元素分析によってFe2O3含有量を測定した。同様に硬化させた該セメント混合物を1300℃で加熱し強熱減量を測定した。結果を表1にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmである。以下、実施例及び比較例の珪砂のSiO含有量は99.4重量%(未粉砕)、水の添加割合は16.7質量部(珪砂100質量部に対する添加割合を示す。)、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
実施例2
上記実施例1の珪砂成形体を送風乾燥器に入れ、150℃で乾燥処理を施した。加熱処理温度以外はすべて同じにした。結果を表1にまとめた。
実施例3〜6
珪砂の相対粒子量を変化させた以外はすべて実施例2と同様にした。結果を表1にまとめた。
実施例7〜10
結合剤を高炉セメント及びアルミナセメントに変えて評価した。結合剤種以外は実施例1、実施例2と全く同様にして造粒体を得た。結果を表1にまとめた。
比較例1
珪砂(平均粒径208μm、Na2O含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径36μmまで粉砕した。粉砕した珪砂100質量部に対して水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。これを内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で4日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した後、元素分析によってFe含有量を測定した。同様に該造粒体を1300℃で加熱し強熱減量を測定した。結果を表1にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。なお、比較例1はセメントを添加していない。
比較例2
珪砂(平均粒径208μm、Na2O含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径108μmまで粉砕した。粉砕した珪砂100質量部に対して水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。これを内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で4日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した後、元素分析によってFe含有量を測定した。同様に該造粒体を1300℃で加熱し強熱減量を測定した。結果を表1にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。なお、比較例2はセメントを添加していない。
比較例3
珪砂(平均粒径208μm、NaO含有量0.0重量%)100質量部に対して水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。これを内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で4日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した後、元素分析によってFe含有量を測定した。同様に該造粒体を1300℃で加熱し強熱減量を測定した。結果を表1にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。なお、比較例2はセメントを添加していない。
Figure 2013224234
実施例11〜16
珪砂(平均粒径208μm、NaO含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径18μmまで粉砕した。粉砕した珪砂18μmと未粉砕の珪砂208μmを所定の割合で混ぜた。この粒度を制御した珪砂100質量部に対して普通ポルトランドセメントを0.5質量部から10質量部まで添加し、さらに水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。このセメント混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で4日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した後、元素分析によってFe含有量を測定した。結果を表2にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
実施例17〜26
結合剤を高炉セメント及びアルミナセメントに変えて評価した。結合剤種以外は実施例11〜16と全く同様にして造粒体を得た。得られた造粒体を実施例11〜16と同じ測定に供した。結果を表2にまとめた。
Figure 2013224234
比較例4
珪砂(平均粒径208μm、NaO含有量0.0重量%)を遊星型ボールミルにて平均粒径108μmまで粉砕した。この珪砂100質量部に対して普通ポルトランドセメントを1.5質量部添加し、さらに水16.7質量部を加え乳鉢で良く混合した。このセメント混合物を内径20mmの金型へ移し、圧力約6MPaにて加圧成形した。金型から取り出した円柱状造粒体を湿潤状態に保ち、室温20℃で4日間ほど放置した。その後、送風乾燥器を用い150℃で乾燥処理を施した。
得られた円柱状造粒体の重量を秤量し、また直径および高さを計測した。そして、これらの値から見掛け密度を計算した。さらに、圧壊荷重を測定した後、元素分析によってFe含有量を測定した。結果を表3にまとめた。また未粉砕の珪砂のSiO含有量は99.4重量%、造粒体の平均粒径は2.3cmで統一した。
比較例5、6
結合剤を高炉セメント及びアルミナセメントに変えて評価した。結合剤種以外は比較例4と全く同様にして造粒体を得た。得られた造粒体を比較例4〜7と同じ測定に供した。結果を表3にまとめた。
Figure 2013224234
本発明の珪砂造粒体は、珪石の代替として、金属シリコンの製造や、フェロシリコンなどのシリコン合金や炭化珪素の製造に有効に利用できる。

Claims (8)

  1. 粒径が1400μm未満の範囲にあり、粒径75μm未満の範囲にある相対粒子量が25%〜85%、粒径150μm以上、1400μm未満の範囲にある相対粒子量が0%〜50%である珪砂(ただし、相対粒子量は重量基準であり、1400μm未満の範囲にある相対粒子量は100%である。)を、セメントの硬化体を結合材として成形したことを特徴とする珪砂造粒体。
  2. 前記珪砂100質量部に対して、セメントを0.1質量部〜10質量部、水を5質量部〜20質量部の割合で使用して得られる請求項1記載の珪砂造粒体。
  3. 平均粒径が5mm〜200mm、圧壊荷重が200N〜100,000Nである請求項1又は2記載の珪砂造粒体。
  4. 1300℃での強熱減量が0.1重量%〜3重量%である請求項1記載の珪砂造粒体。
  5. 粒径が1400μm未満の範囲にあり、粒径75μm未満の範囲にある相対粒子量が25%〜85%、粒径150μm以上、1400μm未満の範囲にある相対粒子量が0%〜50%である珪砂(ただし、1400μm未満の範囲にある相対粒子量は100%である。)、セメント及び水を含む珪砂混合物を成形後、硬化させることを特徴とする珪砂造粒体の製造方法。
  6. 前記珪砂100質量部に対して、セメントを0.1質量部〜10質量部、水を5質量部〜20質量部の割合で使用する請求項5記載の珪砂造粒体の製造方法。
  7. セメント混合物を硬化後、1300℃での強熱減量が0.1重量%〜3重量%となるまで乾燥する請求項5又は6記載の珪砂造粒体の製造方法。
  8. 請求項1記載の珪砂造粒体を、シリコン源の少なくとも一部としてアーク炉へ供給して還元反応を行なうことを特徴とする金属シリコンの製造方法。
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